2018年4月18日水曜日

連合軍シリア攻撃をシリア(ロシア)が迎撃できなかった理由

今回のミサイル攻撃にあたり、米側は巧妙な多方面発射作戦を実施したのですね。シリア(ロシア)は対応できなかったわけですか。それでも平気で嘘を発表するシリア、ロシアの神経が分かりませんが、事実を認めないのは世の東西を問わず敗色の濃い側の共通行動ですね。
台湾や日本のように防御側に回る国には今回のスタンドオフ攻撃は格好の研究材料ですね。

© Mighty Networks, 2018 All Rights Reserved
(U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist Seaman Trey Fowler)

How the Navy fooled the Russians before the US struck Syria シリア攻撃に先立ち米海軍に騙されたロシア軍

Article by Alex Lockie
ナルド・トランプ大統領がシリアへのミサイル攻撃の構えを見せた際、ロシアは反撃の構えをさっそく示し、すべての目は米海軍が同海域に展開中の唯一の駆逐艦に向かった。だがこれは策略だった。
2017年4月に米海軍駆逐艦部隊が東地中海から同じくミサイル攻撃に踏み切り、59本の巡航ミサイルがガス攻撃を実施したシリア政府に向け発射されていた。
シリア政府が民間人を対象に再び化学攻撃をしたことを米国は深く受け止める中、ロシアが米ミサイルは撃ち落とすとし、ミサイル発射艦も例外ではないと豪語していた。退役ロシア提督は同地域に留まる唯一の米艦USSドナルド・クックを撃沈すると公言していた。
2018年4月14日(現地時間)に攻撃が始まると、クックは一発も発射せず、実は巧妙な策略だったと判明した。
アーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦USSドナルド・クックが黒海を通過した際の様子。(U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist Seaman Edward Guttierrez III)
かわりに米潜水艦USSジョン・ワーナーがミサイル数本を東地中海で潜航中に発射し、水上の駆逐艦より探知を難しくさせた。
だがもっと多くのミサイルが全く違く場所から発射された。紅海だ。
エジプト近くからタイコンデロガ級誘導ミサイル巡洋艦USSモンテレーがトマホーク30本を、USSラブーンが7本発射し、合計105本がシリアに向け飛翔したと米側が発表した。
さらにB-1Bランサー爆撃機と英仏戦闘爆撃機からの攻撃が続き今回は2017年の懲罰的攻撃と全く違う様相を示した。
A U.S. Air Force B-1B Lancer.(U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Peter Reft)
攻撃時の現地画像を見るとシリア防空軍は無誘導で迎撃ミサイルを発射したことがわかる。つまりシリアは飛来するミサイルを捕捉していなかった。
「シリア側兵装による影響は皆無だった」とケネス・マッケンジー中将が4月14日に記者団に語っている。攻撃は「精密、圧倒的かつ効果的」だった発言。

シリアはミサイル71本を撃破したと発表したが、その裏付けとなる証拠はどこにもない。米側は昨年の攻撃時にトマホーク一本がミサイル本体の故障で標的に到達できなかったと発表していた。■

2018年4月17日火曜日

ボーイングMQ-25案に見られる不可解な設計内容の意味

Here's Our First Good Look At The Crazy Air Inlet Design On Boeing's MQ-25 Tanker Drone ボーイングのMQ-25無人給油機の特異な空気取り入れ口の詳細が初めて公表された

Boeing's MQ-25 has a classically problematic but low-observable flush-mounted intake, yet there are no low-observable requirements for the program.同機の空気取り入れ口は低探知性だが問題になりかねない形状。だが同機の要求性能に低探知性は入っていない

BY TYLER ROGOWAYAPRIL 9, 2018
VIDEO SCREENCAP

ーイング案のMQ-25スティングレイで新たな画像が公開されたが、ボート形状の艦載無人機が地上取り扱いテストを受ける場面で模擬カタパルトもある。また同機がブロックIII型スーパーホーネットに空中給油する様子のコンセプト映像も入手した。だがなんといっても同機の空気取入れ口の形状に目が行くのはそれが2017年12月末に存在を公表した同機の中で一番謎の部分だからだ。
ボーイングのMQ-25案には前身のステルス無人っ空母運用偵察攻撃機(UCLASS)構想の名残ともいえる特徴が残り、空気取り入れ口がそれにあたる。ボーイングのUCLASS試作機は2014年に完成しており、その後UCLASSは難易度を下げた給油機の空母搭載空中給油機(CBARS)事業に変わった。CBARSが現在はMQ-25スティングレイ事業になっているわけだ。同社が先に完成した試作機をどう改造して新しい仕様に対応させたのかは不明だ。
BOEING VIDEO SCREENCAP

ボーイングのMQ-25案に見られる空気取り入れ口は問題を起こしそうに見える。この形状では特に高迎え角飛行時に問題となることが知られ、空母着艦時もそのひとつだ。境界層の空流も問題になりどの場面でも安定して十分な量の空気をエンジンに供給できるかが大きな課題に見える。

ボーイングはMQ-25案ではロールスロイスAE3007Nを搭載すると先週発表している。このエンジンはノースロップ・グラマンRQ-4グローバルホーク、MQ-4Cトライトンでも採用されている実績があるエンジンだ。だが高高度を飛行する両機ならエンジンへの空気供給は十分に確保できるが、ボーイング案ではそうはいかないのではないか。
NORTHROP GRUMMAN

トライトンとグローバルホークは空気を大量に取り入れる形になっている。空気はそのままエンジンに連続で入る
9千ポンド級の同エンジンはサイテーションXやエンブラエル145にも搭載されている。ジェネラルアトミックスのMQ-25案ではプラット&ホイットニーPW815ターボファンで16千ポンドの推力を得る構想を特筆すべきだ。ボーイングは43%も低い推力のエンジンで同じミッションを本当に実現できるのだろうか不明だが、ジェネラルアトミックスは余裕を持たせた設計にしたと発表している。それでもこれだけエンジン出力に差がある。ロッキードは全翼機形状の構想機に搭載するエンジンを発表していない。

BOEING
ボーイングのUCLASS想像図ではそこまで奇妙な形のステルス型取り入れ口になっていなかった。逆に想像図ではむしろ大型の機体上部取り入れ口とS字形状のダクトがみられる。

ボーイングとしては当然こうした問題の解決策を考慮したのだろう。このような形状で空母搭載機の運用に支障が生まれないのであれば革命的な解決策となる。同社がこの設計をどう説明するのか興味を惹かれるし、MQ-25給油機の仕様では低視認性やレーダー反射の低減はまったく想定されていないのにこの案で同社がどう売り込むつもりなのかも知りたいところだ。
ボーイングのスティングレイ案がどう運用されるかも映像で見ることができる。映像に登場する機体が同社のMQ-25試作機にほぼ同じかたちになっているのも興味深い。ボーイングのMQ-25最終設計案が一度完成させた試作機から異なる形になるとしたら驚くことになる。一部にはこれで要求水準にある相当の航空燃料を搭載できるのかいぶかる向きもある。要求性能では燃料を満載して空母から500マイル地点に進出し、14千ポンドを給油してから自分で空母に帰ることとある。ボーイングが試作二号機の完成を急いでおり、同機が最終案になるとの観測もある。ただ同社が公開したコンセプト案を見るとこうした報道は的外れに終わる可能性もある。

BOEING VIDEO SCREENCAP
MQ-25がブロックIIIのスーパーホーネットに給油を開始するところの図。機首下のセンサーボールと外部燃料タンクに注意。
.コバムの給油ポッドが外部燃料タンクの横に搭載できるのかを確認する必要もある。

BOEING SCREENCAP
ボーイングのMQ-25案の前面はこうなる。UHF衛星通信アンテナが空気取り入れ口の後方につくことに注意。

ボーイングMQ-25案ではKuバンドやマイクロ波衛星通信装備がどこに搭載されるのか不明だ。ジェネラルアトミックス、ロッキード・マーティン両社の構想ではその搭載が明確に示されているのだが、ボーイング案でははっきりしない。機体胴部の前方に大きな膨らみを付けると空流がさらに複雑となり空気取り入れ口問題がさらに複雑になる。
一部には同機主翼上の「こぶ」が衛星通信アンテナを格納する場所ではと見る向きがある。これは可能性が低い、と言うのはこのふくらみは主翼折り畳み機構用だからだ。おそらくボーイングは空気取入れ口後方にアンテナ用のふくらみを受注決定後に追加するのではないか。
BOEING VIDEO SCREENCAP
.これが未来の姿なのか。MQ-25がブロックIIIのF7A-18Fに給油中

ボーイングのスティングレイ設計案にはまだ不明点があるが、同社としては試作機を完成させたのは同社だけであり受注につなげたいとする。ボーイングファントムワークスのドン・キャディス Don Gaddis(MQ-25事業主査)はFlightglobal取材で以下述べている。
「当社が特別の存在になっているのは実際に期待を製造したためだ。性能の多くはすでに実施済みだ。飛行甲板上の取り回し、ソフトウェア、ミッションコンピュータ、ロールスロイスエンジン等で実証済みのものが多い。飛行を除けばすでにほぼすべてが実施済みだ」.
そのとおりなのだろうが、設計案に関する疑問を考えると、いかにもすぐにでも飛びそうな試作機が飛行していないのは何か問題があるのだろう。望むらくはボーイングが方針を変更して同社設計案が飛行可能だと実証してもらいたいものだ。
MQ-25契約獲得を巡る三社競争から多くの事実が今後あきらかになるだろうが、公式な発表はまだ一社も行っていない。ただMQ-25事業をめぐっては一番大きな疑問はそもそも海軍内部で同機事業はどこまで支持を確保しているのかであり、本当にもっと費用対効果の高い代替策がないのかも釈然としない。■

Contact the author: Tyler@thedrive.com

2018年4月16日月曜日

米空軍は人工知能をどう活用して次の戦争に備えるのか

人工知能の前にアルゴリズムあり、という話ですが、案外この関係が分かっていないのでよくお分かりの人に解説してもらえると助かります。当ブログの追及するテーマのひとつがISRなのでこれこそAI応用にぴったりということですね。米空軍にはこの分野に詳しい人が多そうです。さて、航空自衛隊は?


Air Force Looks to Artificial Intelligence to Fight Future Wars 人工知能で将来の戦争を戦う方法を模索する米空軍


Artificial intelligence. Graphic Illustration courtesy of T2 Telehealth and Technology
Artificial intelligence. Graphic Illustration courtesy of T2 Telehealth and Technology
Military.com 10 Apr 2018 By Oriana Pawlyk
米空軍は人工知能の進歩で機材、兵装、衛星が生む大量のデータの利用解析が楽になると期待している。
「データの観点からみています」と空軍参謀次長スティーブン・ウィルソン大将が述べている
「データこそ21世紀の『再利用可能燃料』であると言っても反対意見はないのでは」とウィルソン大将はアリゾナ州立大等が主催した会議で発言。
「データを適正なアルゴリズムでつなぎあわせてデータの意味を理解し、ネットワークに流せます。クラウドも使うでしょう」と情報の流れを詰まらせずスピードを上げることが戦闘に必要と述べた。
だからと言って生身の人間の関与をなくすという話ではないと大将は発言。
会場の質問に答えウィルソン大将は映像自動処理で戦闘員を絞り込み識別するアルゴリズム開発の「プロジェクトメイヴン」に言及した。これは将来の「ヒューマン-マシンチーム」のひとつになるという。
ウィルソンによれば現在はデータ蓄積に努め、「コンピュータにコンピュータが得意な仕事をさせ、人間には人間の得意分野を任せている。そこから洞察力が生まれる」とし、将来の戦場に備えるのが目的だと大将は説明。
「自律型システムで探知、報告が可能ならヒトによる処理が入る余地がない。現在はこうした性能を活用した試作型を試しているところだ」
ロシアや中国と言った高能力の敵に対応すべく、空軍には「復元力のある」衛星ネットワークで探知効果と短時間による報告能力が必要だとウィルソン大将は見ている。「ネットワークを構築し地球静止軌道上からすべての衛星機材を接続する必要がある」
ウィルソン大将はイーロン・マスクのテスラ車を例に挙げた。走行中のテスラが道路上の穴に遭遇すると、その場所と大きさ他の特徴を把握してテスラネットワークにデータを送り他の電気自動車が同じ道を走行する際に回避すべき注意点として共有する。
「これができるんだったら同じことが空の上でできないか。機材を全部つないで敵の情報を流したら作戦上の学習を進めるシステムが生まれないか」「宇宙ではどうか。さらに宇宙と空を地上、地下と結んでいけるのでは」
.参謀総長デイヴィッド・ゴールドフェイン大将もネットワーク化を提唱しており、空軍内部にとどまらず連合国側全部との共有を主張する。
ゴールドフェイン大将は自動化を進めれば大量の情報処理ができると見ている。
「データが大量すぎて全部に目を通せないのが現状で、ましてや分析もできず、目を通すだけで精いっぱいです」とゴールドフェイン大将は空軍協会主催朝食会で講演した。
「各軍が民間業界の支援も受けながら現在の人間中心の仕組みや方法論を人工知能を利用した情報解析に変えようとしています。自動化にためには現在すでにあるツールも使い、どんな解析が可能となるでしょうか」
Maj. Gen. VeraLinn Jamieson, director of Intelligence, Air Combat Command, Joint Base Langley-Eustis, Va., visited the 552nd Air Control Wing and the Oklahoma City Air Logistics Complex. (Air Force photo/Kelly White)
Maj. Gen. VeraLinn Jamieson, director of Intelligence, Air Combat Command, Joint Base Langley-Eustis, Va., visited the 552nd Air Control Wing and the Oklahoma City Air Logistics Complex. (Air Force photo/Kelly White)
Military.comは昨年ヴェラリン・「ダッシュ」ジェイミソン中将(空軍参謀次長、情報監視偵察部門A2トップ)の意見を聞く機会を得た。同中将はこれからの情報収集の方向性で最先鋒を進む人だ。
「人工知能に行く前に自動化がありますがこの意味がわかりますか。これはアルゴリズム開発を意味するのであり、が信頼されるアルゴリズムにする必要があるのです」
同中将はさらに「人工知能とヒトとマシンをつないでいくと予想しており、例えば200億のなかからナノ秒でひとつにしぼりこむ時代がくるはず」と述べた。■
-- Oriana Pawlyk can be reached at oriana.pawlyk@military.com. Follow her on Twitter at @Oriana0214.

2018年4月15日日曜日

★★ここまでわかったシリア攻撃の内容、ミサイル105発のスタンドオフ攻撃

今回の攻撃の概要がだいぶわかってきました。さっそく攻撃は違法と主張する政党が出てきましたが、スタンドオフ攻撃の実例となり、攻撃規模も昨年より倍増され、北朝鮮攻撃の予行演習と言えなくもありません。我が国としては中国のスタンドオフ攻撃が一番怖いので防衛側に立って状況を咀嚼する必要がありますね。



Coalition launched 105 weapons against Syria, with none intercepted, DoD says

連合軍はシリア攻撃に105本を発射、迎撃の動きは皆無とDoD発表

By: Aaron Mehta and Tara Copp 

USS Monterey launches strikes against Syria



WASHINGTON ― 米、英、仏各軍がシリア政権施設三か所に爆弾の雨を降らせた。ロシア防空装備は対抗措置を一切とらなかったとペンタゴンが土曜日に発表。
今回の攻撃は「何年も」前に立案されていたとケネス・マッケンジー海兵隊中将(統合参謀本部)はシリア化学兵器製造関連施設は今回の三か所以外にもあると認めた
三か国の艦船、航空機から合計105本が発射された。標的の三か所は以下の通り。
  • バルザ研究開発センター:マッケンジー中将は化学兵器開発の「心臓部」と呼び、ダマスカス近郊で「世界でもっとも強力な防空体制」をしいていたと表現。海上からトマホーク57本、JASSM-ERをB-1B二機編隊から19発発射し、戦闘機も掩護した。米側評価で同施設は破壊された。
  • ヒム・シンシャール化学兵器施設、ホムス近郊にあり、三か国が攻撃した。米軍はトマホーク9本、英軍はストームシャドウ8発をトーネード、タイフーン編隊から、フランスは海軍が巡航ミサイル3本と空中発射SCALPミサイルを発射した。米側評価では同施設は破壊された。
  • ヒム・シンシャール化学兵器貯蔵庫は同上標的からおよそ7キロ地点で、フランスがSCALPミサイルで攻撃した。SCALPはラファールが発射し、ミラージュが掩護した。マッケンジー中将は同施設は「損傷を受けた」と述べた。
ロシア報道並びに地元報道は連合軍ミサイルの7割の撃破に成功したと伝えている。
だがロシア装備は飛来するミサイルを迎撃しようとせず、シリアは地対空ミサイル40発を発射したが、その時点で標的への攻撃は完了していたとマッケンジー中将は述べた。
シリア防空体制は「すべての場面で極めて低性能」だったと中将は総括した。

コースを外れたミサイルはなかったのか

ただし、マッケンジー中将はS-400装備は稼働可能状況のままでレーダーは飛来する脅威を追尾していたが発射されなかったと解説した。このことは米ロ間で緊張を高めないための一線だった可能性があり、ロシアに状況をエスカレートさせないねらいが功を奏したと言える。
現時点で国防総省は攻撃に伴う民間人死傷者は発生していないと見ている。
投入された兵器は
今回シリア領空に侵入した連合軍機材は皆無ですべてスタンドオフ兵器で攻撃した。そのためB-1Bの援護にF-22を投入していない。
爆撃機には単独のEA-6B電子戦機が随行し、ロシア防空装備が使われた場合に備えた。また給油機も投入されたとホワイト統合参謀本部報道官が述べている。
EA-6Bが加わったのは興味深い。米海軍では2015年に退役済みで高性能EA-18Gグラウラーに交代されたが、海兵隊で今も供用中で、米軍4軍中三軍が投入されたことになる。なお今回の作戦名称は不明だ。
JASSM-ER19発がB-1から発射されたが今回が初の実戦投入となった。
JASSMと射程延長型はともに長距離対応の空対地ミサイルで製造はロッキード・マーティンでステルス飛翔体でGPS誘導と赤外線シーカーを併用する。JASSM-ERは有効射程がほぼ二倍で500カイリ超だが、原型は200カイリ程度だ。ともにシリア防空体制の有効範囲外からのB-1Bのスタンドオフ攻撃には十分であった。
JASSM-ERが空軍で2014年供用開始した時点で運用はB-1に限られていた。今年2月にF-15Eで運用可能となり、F-16C/DやB-52での運用もめざしている。
シリアに米軍地上部隊が約2千名展開中で対ISIS戦支援にあたっているが、今回のミサイル攻撃でロシアやシリア軍の報復攻撃にさらされるのではとの危惧が増えている。
これまでのところシリアあるいはロシアの軍用機の出撃を米側は探知していないが、マッケンジー中将は「当面」の状況進展をにらみ高度の警戒監視体制を敷くと述べた。
バルザ研究開発センター攻撃には米海軍艦船からトマホーク57本が発射され、さらに9本がホムスの化学兵器貯蔵所に向けられた。
紅海から巡洋艦USSモンテレーと駆逐艦USSラブーンがトマホークをそれぞれ30本、7本発射した。アラビア湾からは駆逐艦USSヒギンスがトマホーク23本を発射している。地中海にはフランス海軍駆逐艦艦ランゲドクがSCALPのフランス版ミサイル3本を発射。またヴァージニア級潜水艦USSジョン・ワーナーがトマホーク6本を発射した。
ヴァージニア級潜水艦の実戦投入も初と思われる。
A perfectly executed strike last night. Thank you to France and the United Kingdom for their wisdom and the power of their fine Military. Could not have had a better result. Mission Accomplished!


4月14日土曜日の朝、ドナルド・トランプ大統領はツイッター投稿で「任務達成」と述べ、ジョージ・W・ブッシュ大統領がイラク侵攻成功時に述べた表現を借用した。
マッケンジー中将、ペンタゴン報道官ディナ・ホワイトともにこれで作戦実行が終了したとは断言しておらず、アサド政権次第と述べた。今後も化学兵器を使用すれば攻撃につながると両者が述べた。
今回の攻撃でシリア化学兵器運用の「心臓部」を除去できたが、マッケンジー中将も化学兵器関連施設はほかにあり、民間人死傷の恐れがあり攻撃対象にしなかった施設があると認めた。中将は今回の攻撃で除去できた化学兵器の数量について論評を避けた。
今回の攻撃目標は化学兵器が外部に漏れる被害を最小限に抑えるべく慎重に検討され、マッケンジー中将はリスクを「抑えるのに成功した」とした。攻撃前に施設から物資人員を移動した可能性があるが、移動できない設備もあると中将は述べた。
標的施設は塩素とサリン製造関連と見ていると中将は解説。ダマスカスに化学兵器監査官が到着しており、これから対象施設の査察を行う。
昨年もシリア攻撃が実行されたが、今回は化学兵器開発関連施設を直接標的とした点が異なる。昨年は化学兵器運搬能力を狙った。
2017年の空爆後の画像ではシャリヤット空軍基地でシリア機20機、弾薬貯蔵庫、地対空ミサイル陣地、燃料弾薬に損害を与えたことが確認できた。ただし、滑走路は無傷のままで同基地は昨年6月には化学兵器運用を再開していた。
ホワイト報道官は背景説明の最後に大規模な情報操作の動きがあると注意喚起し、国防総省は攻撃後に「ロシアのトローリング漁船活動」が2千パーセントになっていると述べたがその算定手段については説明を避けた。■

Valerie Insinna in Washington and Jeff Martin in Tampa, Florida contributed to this report. This story may be updated as new information becomes available.

新明和がマヒンドラと提携しインドでのUS-2運用基盤づくりへ



Shinmaywa joins with Mahindra for US-2 support 新明和工業がインド・マヒンドラと提携しUS-2運航支援体制構築をめざす

13 APRIL, 2018
SOURCE: FLIGHT DASHBOARD
BY: ELLIS TAYLOR
PERTH
新明和工業マヒンドラ・ディフェンスと正式に提携しUS-2水陸用両機のインド海軍向け販売の実現を目指す。
両社で取り交わした覚書では共同でUS-2の製造・MRO施設を構築することとしている。また将来は同機の派生型の実現も戦略的な提携内容として想定するとマヒンドラが発表した。
「航空業界に詳しい両社による今回の提携ではインド国防航空宇宙でのMROや機体整備分野で大きな意味が生まれます」とマヒンドラ・ディフェンス会長SP・シュクラが述べている。
マヒンドラは複合企業グループでオーストラリアには小型機メーカーGipps Aeroがあるが、装甲車両、魚雷、電子製品もインド軍向けに製造している。
マヒンドラと新明和の提携はインドがいよいよUS-2導入に向かう最初の一歩とみなされ、インドには同機を人員輸送、船舶用予備部品輸送、長距離捜索救難偵察任務など多様な用途に使用する構想がある。
2014年にFlightGlobalがインドに同型機18機を2016年から2018年にかけ導入する案があると報じたが、その後も確定発注には至っていない。

US-2はロールズロイスT56ターボプロップ四発を搭載し現在は海上自衛隊が唯一の運航者で5機を供用中とFlight Fleets Analyzerにある。■

2018年4月14日土曜日

シリア攻撃に投入された兵装の概要

The US, UK, and France teamed up for missile strikes in Syria — here's everything we know they used

米英仏各軍が投入した兵装はこれだ


Rafale Fighter Jetフランス軍のラファール戦闘機編隊.French Army/ECPAD via AP
  • 米英仏参加国が米時間金曜日夜にシリア政権を攻撃した
  • 米軍はB-1B爆撃機を投入したほか駆逐艦三隻からトマホークミサイルを発射したとの報道がある
  • フランスはミラージュ、ラファール各戦闘機を、英国はトーネード戦闘機を投入した




米、英、仏三国はシリアの現政権を標的とした空爆を米時間金曜日9:00 PM ESTに実行した。
ジム・マティス国防長官は記者会見で2017年4月の前回の二倍の兵装が投入されたと発表。前回はトマホークミサイル59発を発射している。
米軍はB-1B爆撃機の他、USSポーター、USSクック、USSヒギンスの三隻からトマホークミサイルを発射したとニューヨークタイムズ記者トーマス・ギボンス-ネフがツイッターで米関係者発言として伝えている。
同記者はフランスがミラージュ、英国がトーネードの各戦闘機を投入したとも伝えている。
フランスはラファール戦闘機にSCALP-EG巡航ミサイルを搭載して投入したとThe Driveでタイラー・ロゴウェイが伝えている。フランス政府はラファール編隊が攻撃にむけて離陸する映像を公開した。
ロゴウェイはB-1B爆撃機にJASSM巡航ミサイルを搭載していたとも伝えている。
View image on Twitter
We have this exclusive photo that is said to show the B-1B used in the strikes all loaded up with JASSMs as we suspected. This sortie will mark the first combat use of this weapon. We continue to update our post with more information: http://www.thedrive.com/the-war-zone/20055/united-states-france-and-uk-begin-air-strikes-on-syria-updating-live …
米軍が狙ったのはシリアの化学兵器製造と「具体的に関連する」施設で民間人の被害は最小限に抑えたと統合参謀本部議長ジョセフ・ダンフォード大将が述べている
シリア民間人に死傷者が発生したかは不明だ。

マティス長官からは今回の攻撃は「一回限り」との発言もあり、今後の攻撃の可否はバシャ・アル-アサド大統領が今後も化学兵器を使うかにかかっているという。■

速報 シリアに米海軍艦艇からトマホーク巡航ミサイル発射


BREAKING: U.S. Cruiser and Destroyer USS Donald Cook Launch Strikes on Chemical Weapons Targets in Syria


USNI Newsは駆逐艦USSドナルド・クックとタイコンデロガ級巡洋艦からトマホーク対地攻撃巡航ミサイルがシリア国内複数目標に発射されたと伝えている。

発射地点は東地中海で米第五艦隊管轄区域内。