2021年9月22日水曜日

米戦略兵力部門トップが懸念する中国の新展開について、さらにこれからも注力すべき分野について

  

ハイテン大将 Defense Dept. photo

 

念事項は中国が「前例のない規模の核戦力近代化」と「核の三本柱増強」を続けているのがと任期あとわずかになった統合参謀本部副議長が述べている。

 

昨年、中国は新型弾道ミサイルを収容するサイロ展開基地を二か所開設してい「新規サイロには何発でも格納jできる」とジョン・ハイテン空軍大将は9月13日ブルッキングス研究所で発言した。

 

核兵器開発の動向を追う全米科学者連盟は今年7月、中国がサイロ250か所を含む二番目の基地を構築していると発表した。ハイテンは今年中にペンタゴンを去るが、ミサイル一本で10個の弾頭を搭載すると述べている。

 

米戦略軍司令官チャールズ・リチャード海軍大将は中国が弾道ミサイル潜水艦六隻を進水させ、爆撃機部隊は空中発射式巡航ミサイル運用が可能となり、全力で核戦力近代化を図っていると先月発言している。

 

ブルッキングス研究所のイベントでハイテン大将は「現政権は中国が忍び寄る脅威だと明言しており、ペンタゴンは中国に焦点をあわせるべきと述べた。2018年版の国防戦略構想は戦力に焦点をあてるのではなく脅威を前提とすべきとし、米国は「動きが鈍く、信じらないほど鈍い」と変化に対応しきれていないと指摘。

 

ハイテンは「中国は全く違う形の競争相手」とし、中国の経済力を理由にあげた。そこで、太平洋地区でこちらの提携相手を確かめる必要がある、と持論を述べた。

 

最近もジョー・バイデン大統領と習近平主席が数時間にわたり電話会談したのを意識し、ハイテン大将は「軍同士も同様に意見交換をする必要がある」とし、両国の軍機関の関係に触れた。8月には国防次官補と中国高官がビデオ会議を展開している。

 

ただし、ロイド・オースティン国防長官と中国の国防責任者との正式会談がまだなく、「軍同士」の話合いの基盤ができておらず、偶発事故などの懸念事項が減る兆候がない。

 

ハイテンは「トゥキディデスの罠に常に注意すべきだ。新興大国と既存大国の対決は避けられず、戦争になる」

 

ハイテンは核兵器保有国が増えている現在は危険が高くなっていることを指摘。さらに将来を見越せば、米国は「地球上あらゆる標的に対応する」能力を維持すべきだと主張。「通常弾頭の極超音速兵器や長距離巡航ミサイルで核戦争へのエスカレーションは食い止められる」

 

防御面でいえば、ハイテンは指向性エナジー兵器で「技術が進歩」しており、さらに開発を続ける価値があると指摘。最新のミサイル防衛装備では地上配備迎撃ミサイルがあり、北朝鮮の脅威には有効に対処できるが、低コストミサイルの迎撃に投入するには高価な装備品になるとした。

 

「指向性エナジーには可能性があり、巡航ミサイルや弾道ミサイルに対応できる」

 

ハイテンは自身が議長を務める合同要求性能監督協議会Joint Requirements Oversight Council (JROC)が各軍の事業にこれまでより積極的に関与しつつ共同戦闘構想の実現を目指している現状を報告した。特に新技術に関し同組織が活動している。

 

その結果として判明したもっと関心が必要な四分野は統合共同火力、厳しい環境での補給活動、情報優位性の確保、共同指揮統制機能だという。

 

「最大の懸念は現在でなく、未来にだ」とハイテンは語り、例として「数千マイルに及ぶ銅ケーブル」が敷設後50年を経過しており、核の指揮統制機能を支えている現状を変えないといけないとする。「デジタルにしながら」同時に「強靭さを埋め込む」必要があるという。■

 

 

Hyten: China's 'Unprecedented Nuclear Modernization' Chief Concern - USNI News

By: John Grady

September 14, 2021 11:59 AM


ヘッドラインニュース9月22日号

 

ヘッドラインニュース9月22日号

編集の都合上、最新ニュース以外も入ります。ご了承ください。


北朝鮮がオーストラリア向け原潜問題で米国を恫喝

オーストラリア向け原子力潜水艦技術の供与を決めた米国に対し、北朝鮮は自国安全保障に影響が出る場合は内容不詳の対抗策を取ると明言している。国営放送が同国政府の見解を伝えている。同盟国であろうと平気で裏切る米国は糾弾されるべきとフランスの肩を持った発言も同国外務省から出ている。「核の不拡散に反する」としている。


ロシアが新型戦闘機チェックメイトを自ら導入か

ボリソフ副首相が自国用途の導入を検討すると述べた。チェックメイトはF-35ライトニングIIあるいはJAS39グリペンと輸出市場を狙う機体として今年登場し、スホイ75の名称になるともいわれ、最高速度マッハ1.8で航続距離が3千キロ程度となり、インド、ベトナム、アフリカ諸国が関心を寄せている。

 

北朝鮮がウラン濃縮能力を拡充

AP通信は衛星画像解析からヨンビョンでウラン濃縮工場の生産を拡大していることが分かったと伝えた。濃縮ウランは核兵器の材料となり、北朝鮮が核戦力の整備に走っていることがわかる。画像からウラン濃縮が25%増加するとみられる。

 

北朝鮮が鉄道貨車から弾道ミサイル発射に成功

A missile is seen launched during a drill of the Railway Mobile Missile Regiment in North Korea

 

KCNA via REUTERS

  • 鉄道機動ミサイル連隊が短距離弾道ミサイル二発を発射した。公表された写真では鉄道貨車からの発射だとわかる。500マイル飛翔し日本海に落下した。北朝鮮は安価かつ残存性の高いミサイル発射手段を入手したことになる。

 

台湾の「空母キラー」海防艦を追加し、中国への防衛を固める

  • 沱江Tuo Chiang級海防艦の二号艦が台湾海軍で供用を開始した。高速多任務艦として対艦対空能力を備え、武装はさらにCIWS、魚雷、機関銃を搭載する。45ノットの速力、双胴船形状と搭載戦力から「空母キラー」と称する向きがある。」

Taiwan navy corvette

A Tuo Chiang-class corvette during an official ceremony in Yilan, Taiwan, December 15, 2020. REUTERS/Ann Wang

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2021年9月21日火曜日

747を巡航ミサイル母機にする冷戦時の構想を現在実現したら。爆撃機の運行経費と比較すれば、重武装機として活躍の余地があるのでは。

 

ーイングは冷戦時に747に空中発射式巡航ミサイル72発を搭載し、長距離重武装機に改装し、スタンドオフ攻撃に投入する企画書を作成した。同機は747巡航ミサイル搭載機(CMCA)と称し、既存重爆撃機で各型ミサイルを運用するよりずっと費用対効果が高い機体になるはずだった。

747CMCAは結局構想段階の域を出ず、レーガン政権はB-1を復活させ、B-2も直後に供用開始した。だが民間機を貨物人員輸送以外の任務に投入する構想を再考していいのではないか。

747 に巡航ミサイルを多数搭載する?

1977年6月30日、ジミー・カーター大統領から発表があり、B-1開発を打ち切り、同事業の予算超過とともにミサイル技術の進展を理由にあげた。レーガン政権が同機事業を復活させ、現在も供用中のB-1Bランサーとなった。ノースロップ・グラマンのB-2スピリットも80年代に戦力化され、米国の戦略爆撃戦力は世界最上位となった。

だが米国では大ペイロード機材で長距離性能を発揮し、敵標的を攻撃する構想があった。既存民間機を改装し、当時開発されたばかりのAGM-86空中発射式巡航ミサイルを搭載すれば経済合理性からみて順当とされ、ボーイング747が候補機に上がった。

ボーイング7471969年初飛行し、もともとは空軍向け輸送機競合でロッキードC-5に敗退したものを民間航空用に作り直したものだ。それが「ジャンボ」ジェットの誕生の背景で、ジャンボとはよく言ったものだ。747は当時として圧倒的な存在感のある大きさで、全長225フィート、垂直尾翼は六階建てビルの高さに相当した。

同機開発は16カ月と比較的短期で進んでが、その作業規模は莫大なものだった。約5万名が747事業に携わった。技術図面75千点で部品点数6百万をカバーし、配線は全長171マイルに至った。風洞実験は合計15千時間にわたり、フライトテストも1,500時間に及んだ。

大規模事業だが同時に賭けでもあった。ボーイングは開発費用の捻出に苦しみ、20億ドル(現在の価値で149億ドル)を借り入れて完成させた。だが失敗すれば、同社は大変な事態になるところだった。

それを念頭に747CMCA構想が生まれた。ボーイングは空軍が同機の航続距離6千マイル、ペイロード77千ポンド性能に注目しているとわかっており、1980年にCMCAを提案した。

 

747 CMCA構想とは

ボーイングは747-200C一機を選び、機内内装を取り外し大型ペイロードを搭載するとした。同型は機首が開閉し貨物を出し入れする構造だった。

747CMCAAGM-86巡航ミサイルを搭載する構想だったが、同ミサイルはB-52への搭載が先に決まっており、有効射程1,500マイルの性能を生かし、ソ連の地対空ミサイルの射程外から発射し、爆撃機の安全を高める想定だった。

だがB-52では巡航ミサイル20発から21発を搭載するのに対し、747CMCCAなら72発も搭載できるはずだった。

Patent drawing of the 747 CMCA

 

ミサイルは747胴体内の回転式発射機9基に搭載する構想だった。各発射機に8発を装填する。機体後部の側面に発射孔を作り、そこからミサイルを発射する構想で、回転発射機を後部へ移動させるとした。一回で発射できるミサイルは一発に限られるが、ボーイングは短時間で連続発射させる構想だった。

 

ミサイルには衛星データリンクで標的情報を与える。一方、747は空中待機し、機内の指揮統制要員が標的情報を中継する。

これにより、747CMCAB-52三機分の巡航ミサイルを運用し、747でのミサイル運用は大幅な費用節約につながるはずだった。

爆撃機より安価になる

Artist’s rendering of a 747 CMCA firing cruise missiles

B-1Bランサーが747CMCAの実現を不要とする同規模のペイロードを実現し、ジェネラルエレクトリックF101-GE-102アフターバーナー付きエンジンにより同爆撃機は高速飛行とに高い操縦性に加え、強力な攻撃能力を実現した。ただし飛行時間当たり経費は61,000ドルと非常に高価な運用となった。ただしB-52のほうが高く、70千ドルになり、B-2では何と130,159ドルが必要だ。これに対し、747改装案の時間当たり経費は25千ドル程度だった。

米爆撃機各型の運航経費がここまで高いのは、機体数と関係がある。空軍はB-1B62機、B-5276機、B-220機運用する。各型の機数がここまで少ないため、部品単価が非常に高くなり、上昇し続けている。これに対し7471,500機製造され、部品製造体制や保守点検インフラは既存のものを世界各地で利用できる。つまり、747原型なら機体価格のみならず運航経費でも大きな経済効果が期待できる。

2014年にタイラー・ロゴウェイが指摘していたが、747で巡航ミサイル72発を運用していれば、20年続いたアフガニスタン戦で重宝されていただろう。運航経費が低く長時間滞空でき、巨大なペイロードを活用できたはずだ。制空権が確立済みの空域で747CMCAは航空支援の大きな効果を実現していたはずで、その他イラク、シリアでも活躍していただろう。さらにJDAM各種の運用にも改装されていれば、同機で対応可能となる標的数は72どころか数百か所に増えていたはずだ。しかも専用爆撃機の数分の一の費用で実現していたはずだ。

CMCA構想が復活する?

B-1BB-2ともに期待の新型ステルス爆撃機B-21レイダーの導入を持って退役する。B-21ではさらに高度のステルス性能でありながら、B-2同様のグローバル攻撃能力を実現する。ただし、一点大きな落とし穴がある。B-21B-2より小型な機体で、ペイロードは30千ポンドに限定される。B-240千ポンド、B-1B75千ポンドだ。

B-21では新技術の採用と機体が一新されることもありB-2より運航経費は下がる見込みだが、ステルス機の運用経費は高くなりがちだ。空軍が非ステルス機のF-15EX導入に走ったのは、F-35より供用期間が三倍でありながら時間当たり運航経費は半分になるためだ。ノースロップ、空軍ともにB-21は予定より早く進展している、大きな障害はない、と主張しているが、同機の飛行時間当たり運用経費がいくらになるのか興味を呼ぶ点である。

米国はもはやアフガニスタンやイラクで航空戦闘は展開しておらず、大国間戦への対応に移ろうとしている。前回の冷戦と同様に米中両国の対立が直ちに武力衝突に展開する可能性は低い。今回の冷戦で戦争への移行を防ぐのは相互破壊が保証された状態ではなく、経済崩壊が確実に発生することだ。

米中両国の経済は複雑にからみあっており、世界第一位第二位の経済大国が開戦となり核爆弾を使えば、世界の商取引は苦境に陥る。両国が戦闘状態になれば、両国は外交力、資源を有しているので、世界各地が戦場になる可能性がある。戦争回避が可能かは定かではないが、冷戦モデルを投入すれば、核の冬の到来を防止できるのは明らかだ。

米特殊作戦部隊が従来より広く世界各地に拡散しているため、同盟国協力国部隊による対テロ作戦の支援では従来に増して経済性の高い航空支援がとくに開発途上国で必要となる。特殊作戦司令部には武装上空監視事業があり、このニーズに対応すべく、民間機を改装した重武装機を投入しようとしている。

アフリカのように広大な対象地において各地で航空支援を行おうとすると「距離の暴力」に直面する。747改装で長距離順応ミサイルや短距離弾を搭載すれば大陸規模の航続距離を前提とするミッションを実現できるし、空中給油で距離はさらに延長できる。言い換えれば21世紀版の747武装機構想は戦場を制覇する可能性が十分あることになる。

747の生産は来年にも終了する予定となっているが、中古機を改装すればはるかに安価に構想を実現できる。同様にその他民間機も改装し、経済的に同じ機能を実現できるはずだ。

 

America's plan to build 747 arsenal ships packed with cruise missiles

Alex Hollings | September 19, 2021

 


 

2021年9月20日月曜日

有事の際に米軍の太平洋作戦展開で重要な基地となる島とは。

 

太平洋で戦争勃発となれば、ウェーキ島が米軍作戦で不可欠な存在となる。

 

ェーキ島に特筆すべきものは皆無だ。サンゴ礁から生まれた同島の海抜は12フィートしかなく、ホノルルから2,300マイル離れている。東京からは2千マイルの位置にある。この位置関係が同島を太平洋に展開する米軍部隊プレゼンスで重要にしている。それ以前にもヨーロッパ諸国が同島を訪れていたが、同島を領有宣言したのは1899年の米国だ。無人島のまま1930年代に入り、米海兵隊がわずかな守備隊を置いた。第二次大戦中は真珠湾と並行し日本軍が同島を攻撃したが海兵隊が守り通した。

 

今日でもウェーキ島は世界で最も隔絶された場所である。第二次大戦後は大幅に姿を変え、3千メートル級滑走路一本が構築され、米軍が供用中の航空機材なら全機種の運用が可能だ。

 

太平洋で戦闘が始まれば、グアム、沖縄といった前線基地は敵ミサイル攻撃の標的となる。とくに沖縄は中国沿岸から500マイルしか離れていない。グアム、沖縄ともにミサイル防衛装備が配備されており、ペイトリオット、THAADがあるが、ミサイル大量発射の前に圧倒されかねない。アジア最前線の基地機能を開戦当初に喪失する事態は必至といってよい。その点でウェーキ島は攻撃を受けにくい。なんといっても距離の要素が大きい。

 

ウェーキ島の防御は距離だけではない。地上配備中間段階防御(GBMD)ミサイル迎撃装備がある。ペイトリオットやTHAADは局地防衛用だが、GBMDはもっと広い範囲の防空が可能だ。

 

GBMDはアラスカ、カリフォーニアにも配備され、主に長距離ミサイルから北米の防御を任されている。ウェーキ島はこのミサイル防衛の傘の一部を構成しているようだ。

 

太平洋で戦闘が始まれば、米爆撃機は西太平洋で敵ミサイル防空拠点の破壊をめざし何回も出撃することになる。この際にウェーキ島は米軍最後の西太平洋拠点となり、爆撃機他に燃料補給を行う重要な機能を担うことになる。■

 

 

This Island in the Pacific that you Have Never Heard of is Vital to US Naval Power

by Caleb Larson

September 6, 2021  Region: Pacific  Blog Brand: The Reboot  Tags: MilitaryTechnologyWeaponsWarNavyChinaStealthDefense

 

Caleb Larson holds a Master of Public Policy degree from the Willy Brandt School of Public Policy. He lives in Berlin and writes on U.S. and Russian foreign and defense policy, German politics, and culture.

Image: Wikimedia Commons