2022年3月18日金曜日

中国の国防予算増額を正当化する環球時報の論調をごらんください。

 China's defense budget Graphic: Deng Zijun/GT

China's defense budget Graphic: Deng Zijun/GT

 

おなじみ環球時報の論調です。ロシアと同類で、自分が全て正しいとする世界観のため、中国の主張は世界に説得力がありませんが、事実を認めるわけに行かず、ますます唯我独尊の世界に入っていくのでしょう。

 

ご注意 以下はCCPに近い環球時報英語版の記事からのご紹介ですが、当ブログの意見を代表するものではありません。

 

国が2022年国防予算を7.1%増にするのは、主権、領土保全、安全保障、発展の利益を守り、世界に安全を提供するのが目的で抑制された動きだと、専門家は述べ、2019年以来最速の増加の軍事費計画で、GDP成長目標を上回る増加と誇張する西側メディアの一方的解釈に反論している。

 

2022年国防予算を総額1兆4500億元(約2300億ドル)とする案は、土曜日に第13期全国人民代表大会(NPC)第5回会議が開幕した際に発表された予算報告書草案で明らかにされた。

 

中国は国防予算増を7年連続で一桁に抑えていることは認めながらも、ロイターやブルームバーグなど海外メディアは、2019年の7.5%以来の速いペースで、経済成長目標の約5.5%を上回る増加だと誇張している。

 

欧米メディアは、数字だけに注目して、中国の軍事費増加を悪者にし、「中国軍事脅威論」を誇張していると、環球時報が取材した専門家は語った。

 

これまでの中国の国防予算を振り返れば、2016年以降の成長率はCOVID-19流行前は常に7%以上であり、2022年の7.1%は2016年から2022年の平均値7.2%より低い。

 

2020年と2021年に成長率が7%を下回った大きな理由は、COVID-19大流行と経済への影響だとアナリストは述べ、7%前後の軍事費増加は正常で安定的であり、7.1%は過去3年間で最高だが、驚くほどのことではないとしている。

 

国防予算のGDPとの関係について外部専門家は、中国のGDPは2021年に8.1%成長し、114兆3700億元に達したと指摘した。中国が今年のGDP成長率目標5.5%を達成すれば、2022年のGDPは約120兆6600億元となる。中国は国防費に1兆4500億元を予定しているため、国防予算はGDP比で1.2%にしかならず、ここ数年の1.3%より低い。

 

これに対し、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)のデータによると、2020年の軍事費/GDP比の世界平均は2.4%近くと、中国の2倍の水準に達している。

 

中国の4倍近くを費やす米国の数値は、SIPRIによると3.7%である。ロイター通信の2月17日記事では、ジョー・バイデン米大統領は米議会に対し、来年度の国防予算に7700億ドル超を要請する見込みとある。

 

そのため、中国の2022年の国防予算増額は決して高くなく、非常に抑制的と考えるべきだと、中国の軍事専門家であるFu Qianshao氏は環球時報に語った。

 

中国の国防予算増額に疑問を持つ向きは、まず米国の予算を疑うべきだとFuは指摘した。

 

中国の軍事費のGDP比が低いことから、中国は経済発展と生活に重点を置いているのは明白とFuは述べ、経済発展の安定には、安定した安全保障環境が必要であり、強力な国防が必要である、と指摘した。

 

1970年代後半に改革開放が始まった当時、中国は軍事的発展よりも経済的発展を優先させ、経済が本格的に発展した時でさえ、国防予算の増加は停滞していたと、当時人民解放軍に所属していた退役将校が日曜日に匿名希望で環球時報に語っている。

 

今日の軍事開発は失われたものを補うものであり、中国の包括的な発展状況に見合った軍事力を持つことは、国の発展の果実を守るため不可欠であると、同退役将校は述べた。

 

中国には国防予算を増やす余地があるが、米国、日本、オーストラリアなどの国が軍事費を大幅に引き上げても、中国は軍拡競争を希求していない。中国の目的は、他国とは異なり、国家の主権、安全、発展の利益を守ることにあるからだ、と軍事専門家でテレビ解説者のSong Zhongpingは述べた。

 

 

適切かつ合理的 

 

2021年、中国は国防と軍の強化で大きく前進させる、第14次5カ年計画(2021-2025)で良いスタートを切った。2022年、中国は2027年のPLA100周年に向けた目標に取り組み、軍事訓練と戦闘準備を強化し、軍事対応を柔軟に行い、中国の主権、安全、発展の利益を守ると、全国代表大会開会で政府工作報告書が次のように述べている。

 

中国は、兵站と資産管理システムの近代化、近代的な兵器と装備の管理システムの構築、国防と軍の改革の継続、防衛科学技術のイノベーションの強化、新時代の有能な人材の育成による軍強化戦略の実施、法と厳しい規律に基づく軍の運営、質の高い軍の発展の促進、防衛科学技術および産業の配置改善をより速く進めるべきだ。

 

軍事専門家Wei Dongxuは、中国が近代戦力の発展を目指し、また、一部の外部勢力が絶えず軍事展開を強化し、中国付近をかき回している中で、中国の軍事予算の増加は適切かつ妥当であると環球時報に語っている。

 

米軍の航空機や船舶の挑発的な動き、中国の目前での大規模な軍事訓練、中国を軍事的に包囲する同盟国や協力国の結集、台湾の分離主義勢力を支援する台湾島への武器販売が含まれると指摘した。

 

一部の欧米メディア報道では、国防予算増額をウクライナ危機と関連付けているが、これはナンセンスだと、別の軍事専門家が匿名を条件に環球時報に語っている。

 

ドイツが最近国防費を引き上げたように、紛争に対する心配はあるが、ロシアとウクライナの紛争は数日前に始まったばかりであり、中国の国防予算は数ヶ月前から立案された可能性が高いと、同専門家は述べた。

 

中国の国防費は、国連平和維持活動への参加、船舶護衛、人道支援、災害救援活動などの安全保障策の提供にも使われており、世界平和と地域の安定にしっかり貢献していると指摘した。■

 

China's defense budget growth justified as restrained amid foreign media hype - Global Times

By Liu Xuanzun

Published: Mar 06, 2022 08:10 PM Updated: Mar 06, 2022 10:47 PM


ロシアの戦術変更で爆撃機がロシア領空内から長距離ミサイルを発射している。飛行禁止区域設定を求めるウクライナにとって不利な状況か。

 


週末、ロシアの爆撃機がウクライナ標的に長距離巡航ミサイルをロシア領空から発射し、NATOが想定した飛行禁止措置ではロシア空軍力の活用を防ぐことができないことを証明した。



3週間近く、ロシア軍はウクライナ国境から侵入し、第二次世界大戦後のヨーロッパで最大の地上戦となっている。しかし、数的・技術的に優位なはずのロシア軍は大きな抵抗を受けており、ウクライナ首都を占領できず、ウクライナの空域の制圧はほとんどできていない。しかし、ウクライナにとって不利な状況は続いている。


ウクライナ上空を飛行禁止区域とする発想は、これまでの紛争でイラク、ボスニア、リビアに設定されたNATO飛行禁止区域作戦を大きな根拠としている。これまでの飛行禁止区域は、ウクライナ上空の飛行禁止区域と根本的に異なる。

ウクライナ上空を飛行禁止区域とすれば、理論的にはロシアがウクライナで空爆することを禁じることになるので、良いアイデアのように思えるが、実際はそうではない。実際には、アメリカの戦闘機をロシアの航空機と交戦させることを意味し、それ以上の可能性もある。

しかし、一連の欠点により、ロシアのウクライナ上空で航空優勢を確保できておらず、ウクライナ人パイロットは空を飛び続けており、ロシアの輸送隊もウクライナの無人機攻撃の餌食となっている。


ウクライナ当局はNATOと米国に対し、ウクライナ上空に飛行禁止区域の設定を要請してきた。NATO当局は、飛行禁止区域を設定すればNATO軍がロシア軍と直接戦闘を行う可能性が高く、その結果、紛争が急速に拡大し、世界規模の戦争、最悪の場合は核戦争に至る可能性があるとして、繰り返し提案を拒否してきた。


NATOがウクライナ上空を飛行禁止区域とすることで、見返りよりもリスクが大きくなる理由はいくつもある。これまでのところ、ロシア機は迫撃砲や大砲による攻撃よりも効果が小さく、飛行禁止区域のもとで迫撃砲や大砲による攻撃は妨げられることなく継続されることになる。さらに、S-400 Triumfのようなロシアの防空システムの射程は250マイル(約850km)あり、ロシア領内からNATO軍機への交戦も可能だ。つまり、飛行禁止区域設定を強行すれば、ロシア国内の空爆につながり、大規模戦へエスカレートする可能性がある。


NATOがウクライナ上空を飛行禁止区域にすれば、より大きな紛争に発展するのはほぼ確実であり、ウクライナ国内へのミサイル攻撃を阻止する効果もないのは明らかである。


ロシア爆撃機はウクライナ攻撃をロシア領空から実施している


ロシア戦術が先週末に変化を示し、ウクライナ上空の飛行禁止区域構想に新たな穴を開けた。ロシアの戦略爆撃機が、ロシア領空からウクライナ国内の目標に長距離巡航ミサイルを発射したのだ。NATO機は、ウクライナ上空を飛行禁止区域にしても、ロシア上空を飛ぶ航空機を迎撃したり撃墜できない。アメリカの防空装備はロシアの巡航ミサイルを迎撃できるかもしれないが、それを運用するとなるとウクライナにアメリカ軍を送り戦闘に参加させることになり、ジョー・バイデン大統領はこれをしないと繰り返し表明している。


ロシアのTu-95MS「ベアH」とTu-160「ブラックジャック」爆撃機はKh-555巡航ミサイル運用能力を実証済みだ。Kh-555は、核巡航ミサイルを改良したもので、NATOではAS-15ケントと呼ぶ。長距離スタンドオフ兵器とされるKh-555は、ほぼ2,200マイルの射程がある。つまり、ロシア爆撃機は、ウクライナの国境から数千マイル地点からでもにこれらの武器を展開し、目標を攻撃できる。■


Russian bombers just proved a no-fly zone won't work over Ukraine - Sandboxx

Alex Hollings | March 14, 2022


2022年3月17日木曜日

ウクライナ向け戦闘機譲渡構想はまだ死んでいない。ゼレンスキー大統領の米議会演説の一方で、バイデンの対応の鈍さがこれから批判されるだろう。

 

ボーランド空軍のMig-29がポーランド軍記念日に 編隊飛行した。

Aug. 15, 2015. (Czarek Sokolowski/AP)

 

ーランド保有のMiG-29をウクライナへ譲渡する構想をめぐる政治関係は複雑だが、専門家によれば、技術的・物流的に問題はないはずだという。

 

 

ポーランドでは、米国製機材の埋め合わせを前提に、ソビエト時代の機材をウクライナに譲渡すべきか、2週間にわたり議論が続いている。取引構想が公になった後、ポーランドが米国がウクライナ支援として航空機を提供すると発表し、バイデン政権がひっくり返した。

 

共和党議員を中心にジョー・バイデン米大統領へ航空機譲渡を促進するよう圧力がある中、バイデンは水曜日、無人機や高度対空ミサイル含む8億ドル軍事支援を発表した。政権はすでに10億ドル以上の援助を約束済みで、東欧のNATO同盟国に数千人の米軍を送ることで、ロシアの抑止をめざしている。

 

国防総省高官は、支給ずみのジャベリン対戦車ミサイルやスティンガー対空ミサイルの効果を強調している。ウクライナの空はロシアの対空システムで埋め尽くされており、MiG-29はウクライナ軍の戦力強化にならない、と主張している。さらに、ロシアはMiG-29のウクライナ移送をエスカレートとみなし、報復に出る可能性もある。

 

メディア関係者の皆様へ MiG29といったありえない機種名称を伝えるのはご遠慮ください。

 

下院軍事委員会のアダム・スミス委員長Adam Smith(民、ワシントン州)はバイデンの発表後、記者団に「ロシアの地対空ミサイルや戦闘機の性能を考えると、ウクライナ領空でMiGは1分も生き残れないだろう」と述べた。

 

しかし、元空軍の戦闘機パイロットで、保守的なヘリテージ財団に所属するジョン・ベナブルJohn Venableは、取引は可能であり、公表されていなければ、成立していたかもしれないと述べた。

「これは脳科学のような複雑なものではない。政権が主張するハードルは...誇張されすぎ」「飛行機を飛ばすのを恐れるなら、MiG-29をトラックで国境を越えさせればよい」

 

ウクライナ装備にすでにMiG-29があるので、ウクライナ軍はすぐ対応できる、とベナブルは言う。ポーランドのMiGの取り扱いには数時間の指導で済むだろう、と指摘した。

 

ポーランドのミグ機には、IFF(敵味方識別)装置など、デジタルシステムが搭載されているという。IFFボックスは、機密性が高いと判断されれば、1時間ほどで取り外せる。これは、スティンガーミサイルの機密システムの消毒より簡単だ。

 

ウクライナ軍パイロットは奮戦しているが、状況が長引けば、機材の損傷や消耗は避けられない。少なくとも、ウクライナ空軍は寄贈されたミグから部品や武器を調達し、自国機材の維持ができる、とベナブルは言う。

 

さらにべナブルは、ポーランドはAA-11空対空赤外線ミサイルをウクライナに補充すべきだという。

 

ベナブルによれば、ウクライナのミグがロシアのS-400などの防空ミサイルを回避するためには、超低空飛行が数少ない対処方法だ。空軍はS-400を世界有数の地対空ミサイルシステムと見ている。「最も殺傷力が高く、最も長い射程距離を持ち、一度捕捉されると、ロック解除が最も難しい」「S-400は致命的なSAMシステムだ」

 

ポーランドのミグ搬送を支持する向きは、アメリカは取引の一部としてポーランドにF-16を送るべきだと言う。これは、ミグを失うことでポーランドが直面する航空戦力のギャップを埋めるものだ。

 

3月9日ワシントンの会議で、航空戦闘軍団のトップ、マーク・ケリー大将Gen. Mark Kellyは、米空軍にはF-16が十分あり、政権が決定すればポーランドへの移動は理論的に可能と述べた。

 

また、同大将はアリゾナ州デービスモンサン空軍基地第309航空宇宙整備再生グループの航空機墓場にある退役F-16の再生も、オプションになると示唆した。

 

しかし、ケリー大将の心配は、プーチン大統領のような指導者が、紛争が自分に不利になった場合に何をするかを歴史が示していることだ。

 

「独裁者は負けるか、化学兵器を使うか、選択を迫られれば、負けないことを選ぶ。「率直に言って、F-16をどこから調達するかより、これが安眠できない理由だ」。

 

水曜日、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアの侵攻から自国を守るためウクライナが使用できる「強力で強い」航空機の必要を、感情的に米議員へ嘆願した。

 

ゼレンスキー大統領は、ウクライナの都市の荒廃ぶりや負傷・死亡した民間人の映像や写真を使うプレゼンテーションで、「航空機は保有しているが、地上にあり、ウクライナの空の上にはない」と述べた。

 

今週、ミッチ・マコーネル氏を含む上院の共和党議員42人が、ソ連時代の航空機の移送をバイデン政権に求める書簡に署名した。署名は超党派であり、リチャード・ブルメンソール上院議員Sen. Richard Blumenthal(民、コネチカット)は、MiG-29譲渡に賛成すると表明する民主党の一人。

 

「ウクライナ軍が地上で互角に戦えれば、ロシア軍をウクライナから追い出すだろう」とブルメンソールはゼレンスキー演説のあとで感想を述べた。

 

バイデン大統領の追加援助の発表を前に、議員らは、ウクライナや一部NATO加盟国が運用するロシア製対空システムS-300や、エアロビロメントAeroVironment製の無人機Switchblade 300が、次にウクライナに向かう装備品となると述べた。

 

下院外交委員会のグレゴリー・ミークス委員長Gregory Meeks(民、ニューヨーク)は、ポーランドのMiG-29を直接供給する最初の取引は、ワルシャワが「ロシアの報復の可能性」を懸念したため決裂したが、交渉自体が決裂したわけではないと見る。

 

ミークス議員は、「すべてまだテーブル上にあると思うが、一方で、何かをしなければならないし、S-300はゼレンスキー大統領が代替案としたものだ」と述べた。■


'Not brain science:' Here's how the Ukraine fighter swap could work

By Joe Gould and Stephen Losey

 Mar 17, 03:51 AM


ゼレンスキー大統領の米議会向けメッセージが効果を上げつつあります。その反面バイデン-ハリスの正副大統領の無能ぶりが浮き彫りになりそう。では、来週にも予定される日本の国会におけるゼレンスキー大統領の演説がどんな効果をあげるのか、あるいはウクライナ支援に反対する勢力の存在を顕にするのかが見ものです。



2022年3月16日水曜日

主張 西側がウクライナへ直接介入すべき時が来た。ロシアを勝利させても次のウクライナが生まれるだけ。核の恫喝を許してはならない。

 


オーストラリアASPIのサイトで興味深い主張を見つけたのでご紹介します。ウクライナに装備品だけ送れば良い、とするバイデンの政策が根本的に間違っていることがわかります。プーチンがいるかぎり自由世界は脅威にさらされ、ウクライナを失えば更に脅威が広がります。「平和主義」「外交」で解決ができる事態ではないと見るべきでしょう。


米は熱い経済戦争をロシアに仕掛けている。ルビコンを渡った欧米はウクライナを武装させ、ウラジーミル・プーチン政権排除を明確に狙う経済封鎖でロシア経済の破壊をめざしている(破壊は現実となる)。経済攻勢の一環として、西側諸国はロシアの中央銀行準備金を凍結し、ロシアから約4000億米ドル(ロシアの2021年GDPの20%以上)を押収した。

 

 

戦争とは、別の手段による政治の継続であり、西側は手段を十分に使いこなしている。

 

しかし、西側諸国が戦略を変更しない限り、今回の戦争は、西側の敗北に終わる運命だ。理由は簡単で、核武装した相手が核のレッドラインを宣言し、これをそのとおり受け入れれば、経済戦争は実行できない。

 

ウクライナが崩壊し、ロシアが核の脅威に裏打ちされたまま経済戦争に対応すれば、西側はロシアのハッタリに応じるか、敗北を選択するか、いずれにせよ恐ろしい結果をすべて受け入れなければならない。そのため、西側諸国が今後不可避となる対立でロシアの核ハッタリに対抗する気があるなら、ウクライナを第二のホロドモルというべき大虐殺から救うため今こそ軍事介入するのが唯一の選択肢だ。

 

欧米の経済封鎖は、ロシア経済を破綻させる。ポール・クルーグマンは「ロシアは大恐慌レベルの不況に向かっているようだ」と書き、JPモルガンは1998年債務危機に匹敵する暴落を予測している。制裁がもたらすロシア経済全体への甚大な打撃は、痛みを伴い現れるだろう。例えば、Twitterのスレッドでは、制裁体制でロシアの民間航空がほぼ消滅すると示唆されている。西側諸国の対ロシア経済戦争がもたらす壊滅的な結果は、数十年にわたってロシア国民全員に影響を与えるだろう。

 

しかし、制裁がロシア経済全体に与える影響でロシアのウクライナ征服を防ぐことはできない。有用な役割はあるが。その時、プーチンは自ら条件で勝利したことになる。プーチンは、核攻撃の脅しにより、西側諸国が傍観したと判断する。制裁によって、ロシアは中国に頼らざるを得なくなり、その場合はロシアが中国のベラルーシになることも理解できるはずだ。

 

プーチンは反応を迫られる。そして、反応とは、西側との直接対決にならざるを得ない。そのとき、欧米は経済戦争を終わらせ、ロシアのウクライナ征服を認めることでプーチンをなだめるか、プーチンのハッタリに対抗するか、どちらかの選択を迫られる。

 

敗北を選択した場合は、ロシアとの衝突リスクを減らせるのが西側の利点となる。しかし、敗北を選択すれば、甚大な悪影響が生じ、いずれロシアとの対立から逃れることはできず、より悪い条件での対立となる。

 

敗北を選べば、西側諸国が膨大な外交・政治資本を投じた国に対してロシアが残忍な戦争を成功させたことになる。敵対政権がここから導き出す教訓は、核兵器の脅しに直面すれば、欧米は直接干渉しないということである。したがって、敗北は、核拡散と残忍な征服を助長してしまう。この組み合わせから、西側と西側の思想に敵対的な世界が生まれる。

 

敗北の選択はプーチンの勝利になる。ウクライナを征服し、西側諸国の外交、政治、経済を制圧することになるのだ。プーチンは、「冷戦の終焉を再現し、現在の欧州・大西洋安全保障体制を見直し、旧ワルシャワ条約機構諸国における勢力圏を再構築する」以上の野望を抱いている。ウクライナ戦争に勝利し、西側諸国に屈辱を与えても、プーチンのロシアは、ウクライナにとどまるつもりはない。

 

敗北の選択は、次の対決を準備することにほかならない。次回の対決でロシアは再び、西側がレッドラインを超えれば、核攻撃すると脅すだろう。

 

レッドラインとは何だろうか。第一に、ロシアは戦争に負けることはないし、第二に、敵はロシアの繁栄を脅かしてはならない(「ロシアのフィギュアスケーターは薬物検査を受けてはならない」というのがこのあとに続く)。

 

レッドラインは、相手が信じれば、相手の行動に対効果を与えることになる。しかし、こうしたレッドラインは信頼に足るものではない。米国が核兵器を持つのは、まさに核の威圧に屈しないようにするためだ。2018年の核態勢見直しで、『潜在的な敵対者は、...いかなる核のエスカレーションもその目的を達成できず、かえって自らに受け入れがたい結果をもたらすことを認識しなければならない』としている。

 

ロシアは、1990年代にチェチェンの首都グロズヌイで行った戦術を繰り返すことで、ウクライナ戦争に勝とうとしている。ロシアは、殺人と恐怖で、ウクライナ国民を服従させようとしている。西側諸国は十分な軍事力をもって、ロシア侵攻を確実に失敗に終わらせる戦争に直接介入し、この恐怖を防ぐことができる。ロシアは、核の脅威で圧倒的に強力な西側諸国を屈服させようとしている。

 

ウクライナでプーチンが勝利しても、平和にならない。それどころか、プーチンは西側と確実に対峙してくる。iいずれ西側は、プーチンの核のハッタリに対抗することになる。であれば、今こそ核のハッタリに対抗しウクライナを救おうではないか。■

 

The case for direct military intervention in Ukraine | The Strategist

15 Mar 2022|Kevin R. JamesRussia–Ukraine war

ウクライナ軍のバイラクターTB2無人機にロシア軍が対抗できない理由。無人装備が機甲部隊に効果を上げている姿は戦車の時代の終わりを象徴している。

 Bayraktar TB2 Drone

Bayraktar TB2 Drone of the Ukrainian Air Force.

 

ウクライナのバイラクターTB2の大活躍 - ウクライナは広報と情報戦で大当たりを手にした。ウクライナ上空で活躍する戦闘用無人機「バイラクターTB2」は、戦車や大砲、その他の装甲車などを破壊し、遠隔操縦者が興奮している。

 

ウクライナ軍は、バイラクターのカメラで撮影したと思われる白黒動画を多数公開している。映像には、無人機のミサイルが命中し、壮大な爆発を起こす様子が映っている。同無人機は、ロシア軍に挑み続け、侵略の代償をさらに高価にしているようだ。

 

標的は装甲車以外にも

ソーシャルメディア上の動画が本物なら、トルコ製のバイラクターTB2の役割が広がっている証拠となる。新しい映像では、戦車や装甲車に加え、橋やロシアの指揮統制センターを攻撃する無人機が映っている。

 

無人機攻撃の心理的効果

軍事アナリストは、無人機攻撃の成功がウクライナ軍の士気を高め、防空に失敗したロシアを狼狽させ、挫折させていることに注目している。

 

Timeはトルコの軍事・航空宇宙アナリストArda Mevlütoğluにインタビューした。同氏は「ウクライナ軍公開の映像は、ロシア防空体制の重大な欠陥を示している」と答えた。また、こうした映像の広報活動や心理戦への効果を指摘した。

 

ロシア軍は前線補給で無防備なまま兵站車両を使い続けており、バイラクターTB2は、燃料、弾薬、食料を運ぶ車列を排除している。

 

バイラクター無人機は世界中で人気

ウクライナが2019年より購入した無人機は推定50機。トルコの防衛企業ベイカー・テクノロジーBaykar Technology製で、侵攻以来、ウクライナは発注を増やしている。合計16カ国が同機を購入している。

 

バイラクターは、レーザー誘導型ミサイル「スマート小型弾」を4発搭載する。最大30時間の滞空が可能で、高度18,000〜25,000フィートで飛行する。航続距離185マイル、時速は80マイルで、高速機ではない。カメラ2種類のレーザー測距計、レーザーポインターを搭載する。

 

生存能力がある

意外なことに、同機はロシア防空網に探知されていない。India TodayのSaikiran Kannanは、「TB2のレーダー断面積の低さ、データリンク複合体がKrasukha-4などロシアの主要電子戦システムに探知されないことにより、TB2無人機は巧妙かつ俊敏に運用されている」と述べている。

 

バイラクターは成功を収めているが、ウクライナはさらに多数の無人機が必要だ。操縦要員の追加養成が求められる。キーウなど包囲された都市周辺に追加部隊が配置されるだろう。

 

米国が対テロ戦争で指導者個人の暗殺に無人機を活用したことはあるが、2020年のナゴルノ・カラバフ戦争でのアゼルバイジャンとアルメニア対戦を除けば、機械化機動戦で無人装備による攻撃が決定的となったのは初めてのことだ。

 

戦車は時代遅れになりつつあるのか?

21世紀の戦争における重要な進展が現実になっているわけで、対装甲携帯ミサイルや無人機と格闘する主力戦闘車は時代遅れになりつつある。ロシアは、無人機攻撃の効果を減らすべく、早期警戒レーダーや対空装備の性能向上が必要だ。しかし、今のところはバイラクターが勝っている。■

 

Bayraktar TB2 Drone: Ukraine's Secret Weapon Against Russia? - 19FortyFive

By Brent M. Eastwood

 

Now serving as 1945’s Defense and National Security Editor, Brent M. Eastwood, PhD, is the author of Humans, Machines, and Data: Future Trends in Warfare. He is an Emerging Threats expert and former U.S. Army Infantry officer. You can follow him on Twitter @BMEastwood.

In this article:Bayraktar, Bayraktar TB2, Russia, TB2, Turkey, Ukraine

 


2022年3月15日火曜日

ドイツが核任務用にF-35導入を決定。トーネード後継機とする。核シェアリングはロシアへの抑止手段。日本では議論を封印するのでしょうか。

 



f-35 Nuclear Germany

USAF


イツでは核兵器搭載戦闘機の更新で「やるか、やらないか」の議論が延々と続くかと思われたが、結局、F-35Aステルス戦闘機の購入を決めた。



今日の公式発表は、可変翼攻撃機トーネードIDSの後継機をめぐる憶測に終止符を打つものとなった。


ドイツ国防省のツイートは、F-35取得を決定との報道記事を確認した。


「トーネード後継機の決定がなされた。F-35で核シェアリング任務を将来行う。2030年までにトーネードと交代する」


また、ドイツのクリスティーン・ランブレヒトChristine Lambrecht 国防相は、「F-35はNATO同盟国やヨーロッパ内その他パートナー国との協力にユニークな可能性を提供する」と付け加えた。


ドイツ国防省は、F-35の調達数や費用を明らかにしていないが、以前の報道では35機とあった。NATO協定に基づき、米国所有の核爆弾を運搬できるドイツ機となる。


メディア関係者の皆様へ F35という機種は存在しませんが、核兵器の場合はB61です。お間違えのないようお願いします。


米国のB61核重力爆弾はドイツのビュッシェル基地などNATO基地に保管されており、アメリカは有事の際にドイツ軍に提供する。現在、ドイツ空軍トーネードが核搭載の認証を受けており、最新の核爆弾B61-12搭載のテストが行われている。F-35AにもB61-12が搭載される。米空軍はF-35Aは今年末までに同爆弾の運用可能となると発表している。


核攻撃任務でF-35に対抗するはずだったユーロファイターにも朗報がある。ドイツ国防省は、ユーロファイターをF-35と並び空軍の中心として維持するだけでなく、「電子戦闘任務に備え、さらに開発する」と発表し、ユーロファイターECR合計15機を取得する。


追加調達分のユーロファイターECRは、敵防空の制圧用として供用中のトーネードECRの後継機となる。また、ドイツとヨーロッパで主要技術の開発が継続され、次世代戦闘機FCASシステムでドイツの強力な役割が保証される。


ここでFCASが言及されたのは、ドイツがF-35を購入することで、2040年代を想定した欧州の次世代戦闘機の共同調達が脅かされると懸念していたフランス向けのようだ。


「F-35と電子戦特化ユーロファイターにより、ドイツ空軍の将来の立場は非常に有利になる」と空軍司令官インゴ・ゲルハルツ中将 Lt. Gen. Ingo Gerhartzは述べた。


F-35購入は、オラフ・ショルツ首相率いる連立政権で初の大規模武器購入案件となる。ロシアのウクライナ侵攻後、ショルツ首相は国防費増額を公約し、NATO目標の2%を上限に、過去一貫して未達成だった国防費増額を実現するとしている。


また、ロシア侵攻を受けて増強されたNATOの前方展開の一部として、F-35が投入されており、急速に拡大するヨーロッパのF-35運用へドイツが参加を決定したことは重要である。


NATO以外でも、昨年はスイスとフィンランドが同機購入を決定するなど、F-35の欧州での受注は増え続けている。


2017年10月、「軍高官」がトーネード後継機としてF-35を「好ましい選択」と発言したが、ドイツ空軍が統合打撃戦闘機の機密ブリーフィングを受けたわずか数カ月後のことであった。

 

ところが2018年4月、ドイツ政府関係者はアメリカに、ユーロファイターを核攻撃機にできるか照会したようだ。同時に、ドイツ議員たちは、ドイツとヨーロッパが軍用機の専門知識を保持することの重要性を指摘し、ヨーロッパ製機材選択に結集し始めたのである。


1カ月後、当時のドイツ空軍司令官カール・ミュルナー中将Lt. Gen Karl Müllnerは、F-35を支持したのを理由に退官に追い込まれた。


2020年3月までに、ドイツがトーネードの後継機として、ユーロファイターとF/A-18E/FおよびEA-18Gの分割購入を選択する可能性が高まっていた。核兵器運搬能力を持つスーパーホーネットが必要とされ、この機体の改造はユーロファイターで必要な改造と比較すれば容易と考えられていた。


にもかかわらず、ドイツ当局は既成の第5世代戦闘機を希望したようで、最終的にF-35が選ばれたのは必然的だった。


F-35は現在、生産が確立されており、ドイツはヨーロッパでF-35をサポートするインフラの拡大で利益を得られるはずだ。オランダのエンジン試験・整備工場、イタリアの最終組立・検査工場(FACO)、オランダの戦闘機製造工場などがある。


トーネードが稼働率の問題に悩まされてきたことから、後継機への需要も明らかだ。計画では、最後のトーネードが2030年までに退役するが、ドイツのF-35の引き渡し開始でいつ運用可能になるかは今のところ不明だ。


BUNDESWEHR/INGO TESCHE

トーネード ECR が ネリス空軍基地を離陸した。2020年レッドフラッグ演習で。


本日のドイツ国防省発表は、核攻撃と敵地支援という重要な役割を担うトーネード戦闘機50機の代替だった。しかし、ドイツは過去に、トーネードで合計85機の新規製造機を取得すると発表していた。そうなると、F-35の追加発注も十分にあり得る。


F-35購入の決定は重い。冷戦終結後、長年にわたり衰退してきたドイツ軍に、近代化投資や即応性向上への意欲がまだあるのを示している。


また、ウクライナで戦闘が激化する中での決断であるのも注目される。F-35は多様な任務に対応できるが、ドイツ国防省は核攻撃用に取得すると明言している。ユーロファイターやスーパーホーネットでは任務に耐えられないとドイツ空軍が判断したと解釈できるが、ベルリンが、攻撃的姿勢を強めるロシアの外交政策を阻止するため、核運搬能力を重要なツールとあらためて見ていることがわかる。■


Germany Has Chosen The F-35 As Its Future Nuclear Strike Fighter

he options of Eurofighter Typhoon and Super Hornet, the F-35 has been chosen to become Germany's next nuclear strike fighter.

BY THOMAS NEWDICK MARCH 14, 2022