Japanese F-2 fighters conduct a joint military drill with U.S.B-1B bombers and F-16 fighters off Japan's southernmost main island of Kyushu on Nov. 5. (Joint Staff Office of the Defense Ministry of Japan/Reuters)
Updated December 12, 2022 at 9:45 a.m. EST|Published December 12, 2022 at 2:00 a.m. EST

インド太平洋地域における安全保障上の脅威の増大と戦争のリスクに警鐘を鳴らし、日本は戦後前例のない大規模な防衛強化の一環として、米国製トマホーク巡航ミサイルを購入する。日米当局者が発表した。
同ミサイル購入は日本の長距離攻撃能力を高め、攻撃的な武器を避けてきた長い伝統との驚くべき決別を意味する。また、中国が軍事的近代化を大規模に行い、北朝鮮が核開発を進める中、日本の通常兵器の抑止力強化につながる。
日本は今月、新しい国家安全保障・防衛戦略の一環として、トマホーク導入の決定を進める。また、の防衛予算を大幅に引き上げ、NATO基準である国内総生産の2%、つまり世界第3位の規模にする。これらの措置は、日本が長年にわたる平和主義の束縛から脱却しようとしていることを示している。
ロシア侵攻をきっかけに、積極的な外交政策を打ち出す日本
「日本は防衛費を抑え、第二次攻撃力を持たないようにしたかった。しかし、我々を取り巻く状況はそれを許さない」と、藤崎一郎元駐米大使は言う。「多くの人が(戦争は)20世紀の問題だと思っていたが、今またそれを目の当たりにしている」。
ミサイル取得と増大する防衛予算は、日本を西太平洋における極めて重要なパートナーと見なすバイデン政権の支持を受けている。米国と英国がオーストラリアの原子力潜水艦開発を支援したり、米国が韓国の弾道ミサイル製造の制限を解除するなど、日本との同盟関係の深化は、安全保障を強化する幅広い地域協力戦略の一部であると政府関係者は見ている。
「米国は一方的な措置を取るだけでなく、同盟国協力国に深い意味合いを持たせ、同地域における我々の能力を拡大しようとしている」と、まだ公表されていない計画について匿名を条件に米国政府関係者は言った。
トマホークを数百発(400~500発)購入する決定は、日本が真剣に自衛を考えていること、そしてこの地域で間違いなく最も重要な軍事力を持つ二国間同盟が、北京と平壌の脅威に直面しより強固になっていることを中国と北朝鮮に知らしめることになると、関係者は述べている。
日本関係者は、「このシステムの導入は、反撃能力に関する前向きな大変化の象徴だ」と述べた。射程1000マイル以上のトマホークミサイルで、中国本土の軍事目標が射程内に入る。
日本は自衛的な政策から徐々にシフトしてきたが(2014年の憲法解釈変更で同盟国が攻撃された場合の軍事行動が可能になった)、変化は漸進的なものであった。今までは。
アジア主要国がロシアへの世界的な反発に参加、中国も視野に
ロシアの2月のウクライナ侵攻は、与党自民党が反軍国主義的な国民感情を抑え強力な国家安全保障政策を推進できる政治状況を作り出す上で「絶対に」重要な要因だったと、日本政府高官が述べている。
世論調査によると、ウクライナ戦争後、日本政府が呼ぶ「反撃能力」に対する国民の支持は、2020年7月の37%から6月には60%以上と明らかに上昇している。
日本人にとって、ウクライナ戦争は、中国による台湾侵攻の可能性をより一層高め、地域紛争が起きた場合の日本の軍事態勢に対する国民の懸念を深めている。
8月、ナンシー・ペロシ米下院議長の台北訪問に激怒した北京は、台湾付近へ弾道ミサイルを発射し、日本の排他的経済水域に着弾させるなど積極的な軍事演習を行った。また、北朝鮮はこの1年間、核兵器開発を進め前例のない数の弾道ミサイルの発射実験を行い、日本上空にミサイルを飛ばした。
ランド研究所で日本の安全保障と外交政策を専門とするジェフリー・ホーナングJeffrey Hornungは、「日本の戦略的思考における重要な進化」と述べた。「過去10年間の中国の行動が、日本に防衛をより真剣に考える軌道に乗せたのです」。
岸田文雄首相は2月以降、より積極的な外交政策を推し進めている。先月末には、2027年までに防衛予算をGDPの2%にまで伸ばしたいと述べるという異例の行動に出た。もし成功すれば、5年後の日本は、アメリカ、中国に次ぐ世界で3番目の防衛予算を持つことになる。
日本はトマホークミサイルを、5年ほどで納入できる「つなぎ」兵器と考えている。12式巡航ミサイルの射程を伸ばし、陸上の軍事目標を遠くから攻撃する能力を持たせようと取り組んでいるためだ。しかし、同プロジェクトは10年がかりになりそうだとの専門家指摘がある。
日本はトマホークを搭載するため、駆逐艦の垂直発射システムを再構成すると、当局者は述べた。トマホークが最有力候補だったのは、「戦闘実績のある長距離発射」だからだと、別の日本側関係者は語った。
日本、そしてアジア全域で、ウクライナへの支援の輪が広がる
トマホーク陸上攻撃ミサイル(TLAM)は、レイセオンが製造している。1991年の湾岸戦争で使用され、遠距離から正確に攻撃できる能力を証明した。現在のミサイルは日本の領土に近い侵略者向けであるが、トマホークは中国や北朝鮮内の基地を攻撃する能力を与える。
元米軍インド太平洋軍司令官フィル・デビッドソン退役大将は、トマホークを保有することは通常兵器に対する日本の抑止力に「大きな付加価値」をもたらすと語った。昨年退役したデビッドソンは、「ある程度の攻撃力は必要だ」と述べた。 「ワールドカップでは、ゴールを決めなければ勝てない。ディフェンスばかりしていてもダメだ。抑止力を持つには、敵にリスクを感じてさせることだ」。
戦略国際問題研究所(CIS)の日本担当のクリストファー・B・ジョンストンChristopher B. Johnstoneは、地域のパートナーにも恩恵が及ぶと見る。「日本が自力で反撃できるようになれば、東アジアの抑止力に大きく貢献する」。
日本とアメリカは軍事技術で緊密に協力している、と元政府関係者は指摘する。日本はF-35戦闘機を飛ばし、イージスミサイル防衛システムを使用している。どちらもロッキード・マーチンが製造している。海上での弾道ミサイル防衛訓練も行っており、先月はハワイ沖で成功を収めた。
米国は同盟国やゼレンスキーに侵略の危険性を納得させるのに苦労していた
日本政府関係者は、この動きは日本の防衛負担を担う意思と能力に対するアメリカの信頼も深めるだろうと言う。
「予算と安全保障戦略で我々の意図を裏付けています」と日本政府関係者は言う。「そしてそれは、日本の能力に対する米国の信頼を高めるはずだ。信頼は同盟にとって重要です」。
今日までイギリスだけがトマホークを販売されている、とホーナングは指摘する。日本への売却は、「同盟国として本当に信頼できる国のトップクラスというメッセージになる」と彼は言った。
中国は、日本の変化に憤慨している。今月のブリーフィングで、中国外交部の毛寧Mao Ning報道官は、日本の計画は「非常に危険」な展開だと述べた。
「日本は侵略の歴史を真剣に反省し、アジアの近隣諸国の安全保障上の懸念を尊重し、軍事安全保障の分野で慎重に行動し、地域の平和と安定に資することをもっと行う必要がある」と毛報道官は言った。
この問題に詳しい人々によれば、5月に日本の国家安全保障アドバイザーである秋葉剛男がワシントンでホワイトハウスのジェイク・サリバンと会談し、トマホーク購入のアイデアを持ちかけたという。サリバンは快く応じてくれたという。
サリバンは秋葉に「検討プロセスを開始する」と言ったという。「そして、連絡を取り合う」。
関係者によれば、東京は兵器購入の正式要請をまだしていないという。
政府は国内の反戦感情に敏感で、自衛のための武器という枠組みを確固として持っている。「これは防衛的なものであり、攻撃的なものではない」と関係者は言った。「防衛的なものだと考えている」。
しかし、同関係者は、「今回の(動きは)非常に異常である」と認めた。
日本はアジアで初めて、西側諸国と共にロシアの侵略を理由に制裁を課し、ロシアは「非友好国」のレッテルを貼り、周辺での軍事活動を強化した。
日本政府関係者は、ウクライナが長い困難の中で戦う意志を示した後、NATOの支持がどのように高まったかを見ていたと、6月までホワイトハウスの東アジア担当ディレクターだったジョンストーンは言う。「危機の際、米国やその他の国々が自国の味方であることを保証する最善の方法は、自国の防衛に投資し、戦う用意があることを示すことだ、と結論づけたのです。それがウクライナ戦争から日本が得た教訓だ」。
実際、日本は新しいハードウェアや支出の増加だけでなく、多くの点で防衛態勢に著しい転機を迎えようとしている。今月、防衛省はサイバーセキュリティチームを現在の800人から2027年までに2万人に増員し、サイバーセキュリティ能力の大きなギャップを埋めるため人員を確保すると発表する。
日本はまた、平時から自衛隊が民間の港や空港を利用しやすくすることを検討しており、紛争時をにらんだ準備体制への懸念を反映している。■
Japan to buy Tomahawk missiles in defense buildup amid fears of war
By Michelle Ye Hee Lee and Ellen Nakashima
Nakashima reported from Washington. Julia Mio Inuma in Tokyo contributed to this report.