2017年5月2日火曜日

もし戦わば(12)戦艦大和対戦艦アイオワ



歴史上の仮定を論じるのは楽しいのですが、結局答えはわからないものです。そこが楽しいのでしょうが。太平洋が艦隊対決が基本だったのに対して大西洋では大型艦の直接行動が多く、事例も異なっていますね。しかし戦後70有余年で海軍海事に関する一般人の語彙は退化していますね。warshipを戦艦といったり、xxx classを型といったり、一番違和感のあるのが韓国式のxxx号という言い方です。韓国や中国でxx号というのは結構ですが、なぜ日本がまねをする必要があるのですか。戦艦大和であって大和号ではないのです。セウォル号は日本ならセウォルですんだのですがね。

Duel of the Superbattleships:Japan’s ‘Yamato’ versus America’s ‘Iowa.’ Which would win? 超大型戦艦大和対アイオワの直接対決で勝者は?

December 11, 2013 Michael Peck 1


  1. 究極の戦艦対決になっていたはずだ。一方の日本海軍の大和(排水量65千トン)は世界最大の戦艦だ。対戦相手は第二次大戦当時の米戦艦の花形アイオワ(排水量45千トン)だ。両艦は相まみえていないが対戦していたら結果はどうなっていただろうか。
  2. その答えを出したのがジョン・パーシャル(歴史家、著作にShattered Sword: The Untold Story of the Battle of Midway )でマニアックな日本帝国海軍に関するサイトCombinedfleet.comで各艦の模擬海戦を想定している。(注 Combined Fleetは連合艦隊のこと)
  3. パーシャルは大和とアイオワを五つの視点で比較した。主砲、装甲、水面下防御、射撃管制、「戦術要因」(速度、ダメージコントロールなど)である。

主砲

  1. 大和の18.1インチ砲は最大の戦艦主砲であった。米側の数の威力に対抗すべく、日本海軍は米よりも強力な火砲を各艦に搭載する策を選んだ。大和の18.1インチ砲9門は重量3,200ポンド砲弾を26マイル先まで発射でき、アイオワの16インチ主砲9門は2,700ポンド砲弾を24マイル飛ばした。
  2. 日本海軍の砲弾は米側より威力が劣ったが、射程距離では大和が優位だった。だが目標にまず命中させることが重要だ。第二次大戦時の射撃管制を考えると時速30マイルで移動する戦艦を25マイル先で命中させる可能性は低かっただろう。
  3. パーシャルの想定では距離を23マイル未満に縮める操艦をともに両艦がとっている。この距離では大和、アイオワの主砲はそれぞれ相手艦の装甲を貫徹可能。「このため、運が大きな要因となります。アイオワの射撃管制の方が優秀ですが、大和に運があば初弾あるいは二回目射撃でアイオワは撃破されていたのでは」
優位性:互角

装甲

  1. ここでは大和が有利だ。艦側面の装甲の厚さは16インチあり、アイオワは12インチだった。甲板装甲は大和が9インチ、アイオワが6インチで目を引くのは大和の主砲砲塔の26インチ装甲でアイオワは20インチだった。
  2. 「大和の建造思想は主砲威力で圧倒しながら英米のいかなる戦艦の攻撃にも分厚い装甲で耐えることだ」とパーシャルはまとめている。「そうなると防御も『力づく』方式になる。装甲は決して最優秀ではないが装甲の量は多いので問題にならない」
  3. 大和の装甲は各所で分厚いがアイオワの装甲は重要部分でも分厚くない。しかし、パーシャルが指摘するように米側は特殊鋼という軽量かつ強靭な材料で艦体、艦内を建造しており、米戦艦は小型軽量でも大型艦同様の装甲効果がある。
  4. とはいえ、パーシャルは大和にわずかながら優位性を認める。両艦ともに射撃管制機能を損傷して距離を縮める必要が生まれれば、大和主砲の強靭さにはアイオワ主砲弾でも手に焼いたはずだからだ。
優位性:大和

水面下防御

  1. 戦艦で水面下の装甲がなぜ重要なのか。戦艦は敵と主砲で応酬するが、魚雷もある。このため戦艦では喫水線下にも大装甲を施す傾向がある。
  2. この話はドイツ戦艦ビスマルクにすべきだった。同艦は英プリンスオブウェールズの14インチ砲が手前着弾し海中から喫水線下の軽装甲を貫徹したため沈没した。
  3. 日本海軍は質的優位性をめざし、戦艦で長距離射撃で同様の水面下破壊効果を狙う訓練をしていた。「砲弾による水中効果の可能性は極めて低い」とパーシャルは指摘。「だが主砲から砲弾を一定量発射すれば奇妙な出来事が起こらないとは限らない」
  4. パーシャルは各国戦艦7隻を比較検証し水面下装甲では大和とアイオワが一番優秀と見る。ただし大和の場合は上部と下部装甲帯のつなぎめが拙劣で、沖縄で米軍機攻撃を受けた際にここから浸水を許している。
優位性:アイオワ

射撃管制

  1. 目標がフットボール競技場三面分の大きさがあっても25マイル先で移動する間に命中させるのが砲術の腕の見せ所だ。ここにアイオワ最大の優位性がある。日本の射撃管制レーダーは低性能だが米射撃管制用レーダーは当時世界最高性能だった。
  2. 「1945年のテストで米戦艦ノースカロライナは高速連続450度旋回を中でも一貫して射撃解を得ていた」(パーシャル)
  3. 「当時の戦艦では突出した性能で、米戦艦は射撃しながら操艦できたが、他国ではどちらか片方しかできなかった」
  4. だが日本には優秀な測距儀と夜間双眼鏡があり、奇襲攻撃のガダルカナル夜戦で米海軍に大損害を与えた。ただし光学系装備は悪天候や煙幕で効果が減る。
  5. 「光学装置は方位角を得るのに有用ですが、射程距離の確定は不得意です」とパーシャルは言う。「第二次大戦中のレーダーは射程情報を正しく与えましたが、方位角は話が別です。そこで優秀な光学測定装置とトップクラスのレーダーの組み合わせの方が世界トップクラスの光学装置とがらくたのレーダーの組み合わせより実効性があるのです」
優位性:アイオワ

戦術要因

  1. パーシャルは他の要素をまとめており、速力、ダメージコントロールもその一環だ。アイオワの33ノットは大和は27ノットで距離を広げる、詰める際に有利だ。大和の排水量はアイオワの三分の一ほどの差があり損害の吸収力で差がつく。
  2. だがダメージコントロールとなると米海軍は日本他より先を行っていた。
優位性:アイオワ

勝者は …

  1. ではどちらが勝っただろうか。数字だけでは、アイオワが射撃管制能力で有利だ。だが幸運な一発二発があればレーダーは破壊され、大和の18.1インチ主砲はアイオワに甚大な被害を与えたはずだ。
  2. 両艦とも相手に一定の優越性をもっているが、差はわずかで主砲や装甲同様に運が大きな意味を持っていたはずだ。
  3. もちろんこのシナリオは仮定にすぎず、家庭内提督やウォーゲーム愛好家の世界だ。大和とアイオワが主砲でヘビーウェイト級ボクサーのように対決する場面はなかった。巡洋艦、駆逐艦、潜水艦が取り巻いていた。
  4. 戦艦同士の唯一の海戦事例はビスマルクが巡洋艦プリンツオイゲンを従えて英戦艦プリンスオブウェールズおよび巡洋戦艦フッドと対決したデンマーク海峡海戦だ。
  5. 大和対アイオワの直接対決の想像は好奇心をそそるものがあるが、空虚だ。1945年当時でも戦艦時代は終わりつつあり、航空機の大群の前に生き残れなかった。大和は沖縄特攻に移動中の1945年4月7日に米艦載機に圧倒され撃沈された。
  6. アイオワは第二次大戦後も朝鮮戦争を経て1980年代に現役復帰している。陸上へ艦砲射撃は多数行ったが敵戦艦に一発も主砲を開いていない。■

RQ-4グローバルホークがグアムから横田基地に移動中



アンダーセン空軍基地から飛来した RQ-4 が横田空軍基地に2017年5月1日に到着した。YASUO OSAKABE/U.S. AIR FORCE

Global Hawks arrive at Yokota for 5-month deployment グローバルホーク部隊が横田に到着、5か月間運用へ


By SETH ROBSON | STARS AND STRIPESPublished: May 1, 2017

YOKOTA AIR BASE, Japan — RQ-4グローバルホーク偵察無人機が横田空軍基地に5月1日夜到着し、5か月間の日本起点の運用を始める。
  1. 第69偵察集団第一分遣隊の5機と要員105名が5月から10月まで在日米軍、第五空軍の本拠地から運用すると米空軍が発表した。
  2. 第一分遣隊司令ジェレミー・フィールズ中佐が東京上空を飛行して滑らかに着陸する同機を眺めていた。「日本に移動できてうれしい」と感想を述べた。
  3. 第一分遣隊はグローバルホークの離着陸を受け持つが、ミッションを遠隔操作で実施するのはノースダコタ州グランドフォークス施設とカリフォーニア州ビール空軍基地だと中佐は説明。
  4. 無人機部隊は夏季にグアムのアンダーセン空軍基地から三沢基地に移動し台風シーズンを避けるのが通例だが、滑走路補修で昨年から三沢移動が不可能になっていると中佐は述べた。
  5. またCV-22オスプレイの横田配備が2020年に先送りされたためグローバルホークは東京地区へ移動しやすくなった。
  6. 来年夏に滑走路補修が完成すればグローバルホークは三沢へ移動するという。
  7. ノースロップ・グラマン製の同無人機は高度60千フィートと民間航空機より高い空域を飛行し、34時間滞空し、14千マイルの飛行距離がある。北朝鮮の核開発状況の監視に役立つだと指摘する声もある。
  8. フィールズ中佐は朝鮮で緊張が高まる状況で同機が何らかの役割を果たすのか言及せず、分遣隊の業務は通常通りだという。
  9. 同隊の任務には日本と連携しての人道援助、災害救助、海賊対策、対テロ活動があると中佐は説明。■

★★AV-8B供用期間延長を決めた米海兵隊の苦しい事情



F-35開発の遅れ→既存機の稼働数不足→用途廃止済み機材の回収・既存機種のSLEPという構図でハリアーはさらに老骨に鞭をうつことになります。米国製の機体なのでオリジナルより頑丈なのでしょうが、相当のしわ寄せが第一線部隊に来るでしょうね。F-35問題はいろいろな影響を及ぼしています。


The Harrier will live longer as the Hornet falls apart

ホーネット機材不足でハリアーの供用期間延長へ

By Harold C. Hutchison Apr. 28, 4:01 PM

  1. 米海兵隊のF/A-18ホーネットでの悩みが本来なら退役するはずの機体に朗報になっている。
  2. Foxtrot AlphaによればAV-8Bハリアーが改修を受け供用期間を延長する。ここにきてハリアーの信頼性は上昇しているが機体の老朽化も目立つ。
  3. この背景に海兵隊ホーネットの稼働可能機体が減っていることがある。海兵隊は昨年にデイヴィス-モンタンの機材置き場からホーネット23機を再復帰させこの問題の解決策にしたが、それだけで足らず海軍から機材譲渡をうけた。
  4. 海兵隊はF/A-18C/DホーネットとAV-8BハリアーをF-35BライトニングIIで交代する予定で、F-35Bは日本に配備されている。
  5. 当初ハリアーをまず用途廃止させる予定だったが、F-35配備の遅れと見直しでハリアー運用が変更となり、ハリアーの機体が意外にまだ飛行時間が残っていると判明したため供用期間を伸ばすこととなった。
  6. その結果、海兵隊はハリアー改修を進め、AMRAAMミサイル新型の運用やGBU-54レーザー共用直接攻撃弾も搭載できるようになった。その他改修でハリアー各機は2020年代まで供用を続ける。
av-8b harriers flying over desert空中給油を受けてアフガニスタンのヘルマンド地方上空を飛行する海兵隊231攻撃飛行隊のAV-8Bハリアー Dec. 6, 2012. (U.S. Marine Corps photo by Cpl. Gregory Moore)
  1. ハリアーは1971年から海兵隊航空戦力の柱で、砂漠の嵐作戦、テロ対策で近接航空支援をしてきた。ハリアーとシーハリアーが実戦に投入されたのはフォークランド戦争が初で英軍はハリアーでフォークランド島をアルゼンチン軍から奪還している。■

★★透明人間に一方的に撃墜された!最新空戦演習に参加した編集者の手記



なるほどマジュンダー編集員は貴重な体験をしましたね。広報用の体験飛行ではなく、空軍関係者向けのフライトでステルスの威力を体で体験したとのことでうらやましい限りです。最近は自衛隊への関心が高まっているのか安易な取材も増えているようですが、航空編集者、防衛編集者が確立されれば自衛隊側も広報の仕方を変えていかざるを得ないでしょうね。その前にF15などと平気で記載する記事の書き方を変えてもらわないとね。


“It's Like Fighting Mr. Invisible”: How I Went to War Against Stealth F-22 Raptors and F-35s (And Lost Bad)「透明人間相手に勝負したみたいだ」ステルスF-22やF-35相手の空戦でコテンパンにやられた編集者の体験


May 1, 2017



  1. 先週水曜日、米空軍のアトランティック・トライデント17演習の訓練飛行に参加を許された。ヴァージニア州のラングレー=ユウスティス共用基地でのことだ。
  2. 演習にはNATO主要三カ国の空軍部隊も参加し、機材はロッキード・マーティンF-22を演習ホストの第一戦闘飛行団が飛ばし、ロッキード・マーティンF-35A共用打撃戦闘機、英空軍のユーロファイター・タイフーン、フランス空軍のダッソー・ラファールが参加した。米空軍からはボーイングF-15Eストライクイーグルが391飛行隊から、ノースロップ・グラマンT-38タロン練習機が第一飛行団所属の71戦闘教育飛行隊から加わり、「レッドエア」として敵役に回った。
  3. ラプター運用部隊とは長い付き合いがあることから第一飛行団司令のピーター・「コーチ」・フェスラー大佐が記者をF-22、F-35、タイフーン、ラファール参加の演習を直接視察する機会を与えてくれた。このため空軍は記者を71戦闘教育隊のノースロップT-38Aに乗せ、アトランティック・トライデント第三週目で演習ピークの様子を見させてくれた。
  4. 最初の仕事はラングレー空軍基地内の病院で臨時の72時間有効飛行診察を受けることだった。内容は何度も経験した海軍のクラスI飛行前医学診察と似ていた。空軍軍医からは検査はクラスI内容を短く手直ししたものと聞いた。クラスIは海軍パイロットに必須だ。結果を受け軍医は飛行許可を出してくれた。
  5. 今回の飛行は空軍が「習熟課程フライト」と呼ぶもので広報向けフライトではなく他の任務につく一般の空軍関係者向けであり、編集者はパイロット同様にT-38A用の生存訓練を受ける必要があり、着水時の生存方法を装備すべてつけた状態で行い、各種通信装置の取り扱い方、またT-38A用の古めかしい飛行装備の装着方法も学んだ。とくに強調されたのがパラシュートとシートへのハーネス装着方法だった。
  6. 空軍教官は記者含むクラス(B-52パイロット一名、E-3パイロット一名、E-3レーダー要員一名)向けにT-38Aの射出脱出方法を細かく説明し緊急脱出方法を教えてくれた。脱出の手順が強調されたのはT-38Aにゼロ/ゼロ射出座席がついていためだ。パラシュート訓練もあり、仮想現実ゴーグルをつけての着地シミュレーションもあった。
  7. 翌日は第71戦闘教育飛行隊に赴き飛行装備を体に合わせた。空軍技官はまずOTS600イマージョンスーツをあてがったが、これは寒い大西洋上空を飛ぶことからの選択とはいえ、きわめて不快な着心地だ。次に難燃性ノーメックス飛行服とブーツをGスーツの上に着た。その後にパラシュート、ハーネス、シートキットを付け、ヘルメットとマスクを調整した。71FTSの技官は記者を飛行可能にすることにかけて完璧なプロとわかった。
  8. 翌朝に71FTSの飛行業務部に出頭しパイロットに会った。印象的な若者でコールサイン「ツァー」で(保安上の理由から空軍から飛行隊の中枢将校の実名は公表しないよう求められている)パイロット養成課程を出て初の任務とのことだった。26歳の彼はクラスのトップ近くの成績で第43戦闘飛行隊に赴任し次の課程のF-22「Bコース」でラプター操縦をフロリダのティンダル基地で学ぶとのことだった。
  9. 71FTSでは若手パイロットが経験豊かなパイロットから学びながら、ラプターの強み弱みを学び、F-22の戦術、運用技法、手順も体得することでツァーや同輩の若手パイロットに有益な学び効果を実現する。一緒に飛ぶのは「スコア」のベテランF-16パイロットと旧知の「ファングス」で、彼とは10年以上前にネリス空軍基地で初めて会い、F-22の運用テストパイロットだった。こうしたベテランから学べばツァーは次の任地でF-22をうまく飛ばすことができるだろう。
  10. 今回のソーティーではT-38A三機がヴォトカ飛行隊として飛ぶ。スコアが編隊リーダーでヴォトカ1、ファングスがヴォトカ2でツァーと編集者がヴォトカ3だ。我々の前にはアグレッサー部隊がMiG役として飛び、後方にもF-15Eが敵役として飛ぶ。F-15Eを投入するのはF-22以下各機相手に現実的な高性能敵機の役をさせるためだ。タロンはロシアのMiG-29フルクラム、F-15Eはスホイのフランカー役だ。
  11. 装備を整え機体に搭乗しストラップを付けるとツァーは急いでチェックリストに目を通し、起動させた。機体は滑走路にタキシングし編隊離陸した。われわれ三機は編隊を組み上昇し演習空域に移動し戦闘を開始した。T-38Aのアグレッサーとしての通常の飛行空域は高度10千フィートから14千フィートだが当日は悪天候のため氷結を避けるため急いで22千フィートへ移動した。
  12. .戦闘になると三機のタロン=フルクラム編隊は青軍機との交戦を目指し機体を制御した。タロンはロシア第四世代機と同様のエイビオニクスも運動性能ももちあわせていないが、有視界範囲内なら戦闘機同様の行動をそれなりに示すことができる。
  13. そこにT-38をアグレッサーに使う意味がある。F-22に対してラプターの知識を使って弱みをどう活用するかを情け容赦なく考える敵になるのだ。有視界範囲に入るとタロンはひどく面倒な存在になった。タイフーンを飛ばす英軍パイロットもタロンが意味のある敵役になったと認めている。
  14. ツァーと記者の乗るヴォトカ3を撃墜したのは英空軍のタイフーンだ。開戦後数分間以内にヴォトカ1と2も撃墜されたが、こちらには攻撃を受けていることもわからなかった。ツァーは回避行動をとったが、タイフーンはF-22と連携して急速かつあっさりとこちらへ向かってきた。不運にも天候は荒れており基地にすぐ戻り燃料を補給するよう指示されたが、通常はT-38は演習中に数回「復活」し空戦に臨むのである。記者の結論は百聞は一見にしかず、であり、ラプターとタイフーンの組み合わせはそこまで強力なのだ。
  15. 「イーグルでもJ-20でも同じように感じたはず」と空軍高官がフライト後に記者に語っているのは目に見えない敵に攻撃されることの感想についてだ。「保安上の理由から説明できませんが、『敵装備を選択』することが可能なのです」
  16. ラングレー基地への帰還の途中で今回の体験には目を開かれる思いがした。記者はラプターやF-35を初期段階から取材してきた。ステルスの威力を頭で理解するのではなく、実際に体験するとはるかによく理解できる。こちらの編隊にはAWACSやGCIから攻撃をうけそうだとの警告は一切なかった。気が付いたら撃墜されていたのだ。目に見えない敵と戦えといわれても無理だ。
  17. ラプターはステルス以前に搭載性能そのものが理由で世界最強の戦闘機だが、F-35も操縦性能は中庸だがレーダー断面積の小ささやセンサー性能ゆえに極めて危険な敵になると記者は理解できた。「双方のパイロットが9ミリ銃を携行してキャノピーを飛行中に開いて決闘するとしたら」と上記の空軍高官が編集者に語った。「透明人間との勝負ですよ」■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.

2017年5月1日月曜日

アフガニスタンをどうするのか、国内情勢は最悪に向かっている


しばらく朝鮮に関心が集まり、忘れ去られそうなアフガニスタンですが状況は相当悲惨なようですね。このままではタリバン駆逐はおろか何十年かけても国土復興のめどがつきません。トランプ大統領には地政学も勉強いただいて出口戦略を考えてもらいところですが、お得意の取引の材料がありません。そうなると米国のコミットメントを終了し、アフガニスタンという国が消滅する可能性もあります。

アフガニスタンで戦死者が急増、同国は崩壊一歩手前

War Casualties in Afghanistan Hit All-Time High as Country Stands on Brink of Collapse

1,170億ドルを投入してきた米国で成果はわずか、それでも派兵規模増強を求める声

U.S. war effort tops $117 billion, but little progress seen amid calls for more U.S. troops

US army soldiers walk as a NATO helicopter flies overhead at coalition force Forward Operating Base (FOB) Connelly in the Khogyani district in the eastern province of Nangarhar
米陸軍兵士の背後にNATOヘリコプターが飛行する。連合軍前方配備基地FOBコネリー(アフガニスタン東部ナンガラールのホヤニ)にて / Getty Images
     
April 30, 2017 11:59 pm

  1. アメリカが1,170億ドルを投入してきたアフガニスタン戦は16年目に入り、米史上最長の戦闘となるが、紛争による死亡者が記録更新で増えており、米戦略そのものに疑問が提示られている。テロ集団タリバンが国土の三分の一を実効支配する一方、国内では深刻な汚職が蔓延している。
  2. ドナルド・トランプ大統領はアフガニスタンの今後で厳しい選択を迫られそうだ。国内再建プロジェクトは失敗続きの上、同国国民と米業者間の汚職で進展が遅れている。米軍首脳部から派遣部隊の増強を求める声が出ており、トランプに投票した国民層の怒りが高まっている。
  3. 米国納税者は昨年だけでも48百万ドルをアフガン治安部隊向け弾薬類調達で負担し、32.3百万ドルで国内統治経済機能の強化を支援している。米国はこれまで110億ドル以上でアフガン軍用に兵装類、通信装置、航空機、車両等を調達してきた。米納税者の負担が今後も減りそうもないのはタリバンが国内主要地区を相変わらず支配しているためだ。
  4. 治安情勢による国内死傷者は2016年は11,418名と、統計をとりはじめた2009年以来最高になったとアフガニスタン再建特別監査長官SIGARがまとめた最新の四半期報告が指摘している。米国は公表直前に同国に最大規模の爆弾を投下している。
  5. アフガン国民軍は訓練・給与支払いの大部分を米国頼みでタリバン戦闘で相変わらず大量の死傷者を出している。戦死率が高いため軍は弱体化し国土の奪還を実現する作戦能力はないとSIGARは評価。
  6. 2016年年間と2017年早々の治安事件は国連が統計を発表開始して最高水準になったとSIGARは指摘する。
  7. 「危険で屈強な反乱勢力が支配あるいは影響力を行使する地域にアフガン国民のおよそ三分の一が暮らしている」とSIGARは述べる。「死傷率が高く能力不足のためアフガン軍と警察部隊の戦力は低下中だ。アヘン生産は記録的水準に近づいている」
  8. 「反乱勢力と戦いアフガン治安部隊の指導支援を2002年から実施してきた米軍隊員にも死亡2,400名、負傷者20千名が発生している」とSIGARは述べている。「数千名規模の連合軍・契約業者も紛争で命を落としている。だがなんといってもアフガニスタン国民の犠牲が突出している。米軍の2001年以来の戦死者合計の二倍程度の戦死者が2016年だけで発生している」
  9. トランプ政権がアフガニスタン政策を見直す中でSIGARは新政権に援助提供方法の見直しを求めており、とくに蔓延する汚職を意識している。
  10. SIGARは米契約企業および軍関係者を数か月にわたり調査し刑事訴追三件、二件の懲役刑、刑宣告一件、民事損害賠償請求40百万ドルにつながったと報告書にあり、汚職調査は今後拡大するという。
  11. 去る二月には米陸軍ジョン・W・ニコルソンJr.大将が情勢は「行き詰まり状態」とし、米訓練を受けた要員の中に多数の死傷者が今後生まれると注意喚起している。
  12. 「保安関係の事件や軍事衝突が増えた」のはここ数か月のことで「民間人被害は高水準に達した」とSIGAR報告にある。アフガン軍は「引き続き高い損耗を受け、反乱勢力が一部農村部を再掌握している」
  13. 「国連調べでは治安事件は2016年11月18日以来2017年2月14日までに5,160件と前年同時期から10%増、2014年-15年比較でも3%増えている」と報告書にある。「うち2017年1月の実績は1,877件とこれまでの国連記録で最多だ」
  14. 米軍指導部は苦境に立つアフガン軍補強のため米軍の増派、装備品供与の増加を求めている。
  15. ニコルソン大将は米製UH-60ブラックホーク調達予算の認可を求め老朽化が目立つロシア製Mi-17ヘリコプターと交代させたいとする。
  16. アフガニスタンは大量のアヘン生産を続けており、高収益作物としてタリバンの戦費調達を助けている。
  17. 麻薬取引でテロリストが武器、資金を得て活動を継続している。アフガニスタンは2016年だけでも4,800トンのアヘン生産をしたとSIGARは指摘している。■

★THAADの効果を訝しる専門家



メーカーは想定条件での性能実現を目指し、達成すればいかにも必勝の装備のように宣伝するものです。技術的にはどうかと思う点もあるのは事実です。たしかにミサイル防衛ではわからないことが多いのですが、使えるものならすべて使うというのが防御の考え方でしょうね。日本がTHAADではなくイージスアショアの導入に動いているのも何らかの理由があるはずです。

US anti-missile system in South Korea has limits 

韓国に配備したTHAADにも限界がある

(Photo Credit: Shon Hyung-joo/Yonhap via AP)
SEOUL, South Korea — 北朝鮮核問題はここ数十年にわたりくすぶり続けながら時々燃え上がる解決策のない状態のままで確実に言える事柄は少ない。そんな中で米太平洋軍最高司令官が米ミサイル防衛の実力に絶対の自信を示した事には驚かされる。韓国で数日内に稼働開始となり北朝鮮ミサイルを迎撃可能だという。
  1. 「発射すれば命中する」とハリー・ハリス海軍大将は4月26日公聴会で述べた。
  2. ただし世界に唯一残る冷戦型対決の中では真実はそこまで明確ではない。THAAD最終高高度広域防衛装備には限界もあり未知の問題もある。
  3. ただしハリス大将発言の裏付けとなるデータがある。THAADは試射に12回成功したとハーヴァード・スミソニアン宇宙物理学研究所の宇宙物理学者ジョナサン・マクダウェルが述べている。
  4. ただし制御された条件でのテストで実戦とは大違いだ。事前予告なくミサイル多数が発射される場合もある。「本国のテストに成功しても実戦配備でそのまま作動するとは限りません」(マクダウェル)
  5. たとえば北朝鮮が短距離ミサイルを一斉発射した場合はTHAADの対応能力を超えるとディヴィッド・ライト(グローバル安全保障を憂う科学者連盟の副理事長)は語る。
  6. THAAD配備場所はソウル南方125マイルほど離れた地点で、「ソウルめがけて発射されたミサイルには対抗できず、ソウル防衛の手段になりません」(ライト)
  7. もっと歯に衣着せぬ発言をする科学者もいる。
  8. ハリス大将のTHAAD性能発言は「技術的には不正確」とセオドア・ポストル(マサチューセッツ工科大学教授)は指摘する。「THAAD迎撃ミサイルの標的の敵ミサイルは姿勢を傾けたり迎撃前に意図的に分離すれば対抗は可能」という。
  9. THAADの防衛装備としての性能は「極めて低いはずで、おそらくゼロに近い」とポストルは述べている。■

★★米海軍、空軍の次期主力戦闘機(「第六世代」機)はどこまで準備が進んでいるのか



目新しい内容はないのですが、それだけ要素技術の開発が着実に進んでいることを伺わせます。ご承知と思いますが、空軍、海軍は機体の統一化を断念しており、別の機体になりそうです。無人機に積極的な海軍と消極的な空軍の違いが目立ってきそうです。第六世代機の名称は使わない問の動きもあるのですが、わかりやすいのも確かですね。

Visit WarriorNavy, Air Force Are Exploring Concepts for a Next-Generation 6th Generation Fighter to Come After the F-35 F-35後継機の第六世代戦闘機で米海軍、空軍が概念づくりを進めている

KRIS OSBORN
Yesterday at 12:27 PM

ペンタゴンが目指す第六世代戦闘機はステルス性を重視しつつコンピュータ、電子戦技術、速度、兵装、センサーを一新する。
  1. 20年後に登場するはずの戦闘機は次世代のステルス技術、電子戦、コンピュータ処理アルゴリズム、自律運用の拡張、極超音速兵装、またいわゆる「スマートスキン」と呼ぶ機体側面へのセンサー埋め込みを実用化するはずだ。
  2. ノースロップ・グラマンはすでに一年以上前のスーパーボウル生中継中CMでその輪郭を示していた。
  3. ノースロップ以外にも新型戦闘機競作に加わる国防企業があるはずずだが、まだ要求内容が明確でない中で、ノースロップが構想づくり、技術初期設計作業を以上の方向で進めていると言っても誤りではない。ボーイングも開発初期段階の作業に取り組んでいるとDefense Newsが伝えている。
  4. 新型機は第五世代機F-35共用打撃戦闘機の後継機として2030年代中頃に投入されるはずで、空軍と海軍がそれぞれ概念をまとめている。空軍・海軍は共同で概念の初期取りまとめ協議をしており、搭載技術や性能の定義付を急いでいる。うち、空軍では次世代航空優勢戦闘機Next-Gen Air Dominanceの名称を与えている。
  5. 海軍用機材は2035年までに退役するF/A-18スーパーホーネットとの交替をめざすと海軍は説明している。
  6. 海軍は2040年時点の空母航空隊の姿としてJSFの海軍仕様F-35CとEA-18グラウラー電子戦機をまず想定する。そこに海軍仕様の第六世代機を加える構想で、有人無人運用がそれぞれ可能とする。
  7. 機体塗布、電磁スペクトラム、人工知能、機体制御、戦闘状況認識、通信、データリンクそれぞれの個別技術が急速に進歩していると海軍は認識。
  8. 海軍関係者は同時に新型空母運用無人機を並行開発すると述べた。これもノースロップ製のX-47B実証機は空母発着艦に成功した初の機体となっている。
  9. アナリスト陣は第六世代機開発メーカー各社は次世代技術としてセンサー接続性の極大化、スーパークルーズ性能や機体そのものを電子的に設定する「スマートスキン」も導入すると見ている。
  10. スーパークルーズで新型機はアフターバーナーなしで超音速巡航が可能となる。これにより、現場上空での滞空時間が長く確保でき、F-22はこのスーパークルーズ性能を実現している。
  11. 最大限の接続性とは通信機能とセンサー機能を大きく伸ばし、衛星や他機等とリアルタイム接続を実現し戦場情報を利用することだ。極超音速兵器の搭載も想定するが、スクラムジェット極超音速飛翔など開発中技術の進捗度に依存する。
  12. 空軍主任科学者ジェフリー・ザカリアス博士はScout Warriorに極超音速兵器の実用化予定を2020年代、極超音速無人機の実現を2030年代、再利用可能極超音速無人機を2040年までに実用化すると語った。将来の戦闘機材には極超音速技術が兵器、あるいは推進手段としてまたは双方が必要要素になるのは疑いがない。
  13. 機体のスマート表皮は機体にセンサー技術を分散装着し機体と一体化させることを意味する。ここに次世代コンピュータのアルゴリズムを使いパイロットに情報を整理統合して提示する。この一部はF-35でデータ融合として実現しており高度コンピュータ技術が投入され各種センサーから戦闘関連情報を収集、整理統合してパイロットの前に一つの画面上に表示する。さらにノースロップの分散開口装置Distributed Aperture SystemでF-35パイロットは戦場の360度画像を見られる。カメラは機体に組み込み式で、抗力を増やさず、かつステルス性を損ねない。
  14. スマートスキンに分散型電子装置を組み込めば機体に装備をぶら下げる必要がなくなり、機体表面そのものがセンサーの開口部となるとアナリストは説明する。これで抗力を減らしながら速度、操縦性を向上させるが、センサー性能も改善される。
  15. 第六世代戦闘機は高性能ステルス技術を搭載し防御性能の向上が実現しそうだ。敵側の防空体制が装備更新で高速処理とネットワーク機能を組み合わせ従来より広範な周波数帯での探知を可能になっておりステルス機の早期探知も不可能ではなくなっている。
  16. また第六世代戦闘機はレーザー兵器や電子攻撃能力も搭載することになりそうだ。■



2017年4月29日土曜日

★★最新装備を有する同盟諸国に期待する米国、お寒い足元事情が足かせ



投稿したロビン・レアードは著名な軍事安全保障アナリストです。表題だけ見るとまた米装備を各国に買わせるつもりかと誤解してしまいましたが、本家の米国が40年だ、60年だと機材を使いまわしている間に各国の装備が更新され、米国より高い性能を実現しているので米国も利用したいというお話ですね。その背後に米国内の諸制度が時代にそぐわなくなっているという指摘です。時代の変化についていけないのであれば新しい思考を取り入れるべきでしょう。

F-35 and TyphoonF-35 とタイフーン

Allies Can Help US Lower Weapons Costs, Build New Force 同盟諸国が米防衛装備費用の低下、新しい軍組織の構築に役立つ


By ROBBIN LAIRD on April 26, 2017 at 3:17 PM


  1. 15年間を対ゲリラ戦に費やしてきた米国と同盟国は再び大国との対決と言う課題に軸足を移しつつある。
  2. その一貫で米国と同盟国が中核装備を共通化する意義を再確認する必要が生まれている。
  3. F-35、P-8、トライトン、グラウラーを米国以外に全部導入する同盟国があり筆頭がオーストラリアだ。
  4. 米F-35AがRAFレイクンヒース基地に向かうのを見た我々は同基地からわずか30マイルも離れていないRAFマーハム基地を失念しているが英軍初のF-35飛行隊がここに編成される。2つの基地が共通機種を運用することで米国は大きなシナジー効果を今後期待できる。
  5. オーストラリアが運用するウェッジテイル指揮統制機、KC-30給油機はともに米軍にはない機材だ。
First Australian F-35オーストラリア向け F-35一号機
  1. 主要同盟国がCONOPS作戦行動構想を米国より進んだ形で構築している。皮肉にもその動きを米防衛産業が製造した装備で現実化している。英、豪両国に第五世代機への移行に反対を唱える向きはないのに、米国には過去に縛られた考え方をする向きが多く議論の決着が付かない有様である。
  2. これまでのように戦略方針や新装備をまず整備するのが米国で、その後に同盟国に売り込めばよいという問題ではない。いまや米国は同盟国とともに変革を進めながら戦略を組み直すべき段階に入っている。
  3. 米国の問題は旧来の国防装備調達のしくみが生む障壁や文化の壁、政治の壁なのだ。
  4. オーストラリア空軍所属のウェッジテイルが21世紀の選択肢として有効性を実証しているのに、米国はAWACS近代化改装を目指している。世界でエアバスA330MRTT給油機を導入する国がオーストラリア、サウジアラビア、UAE、英国、シンガポール、フランスと増えているのに米空軍には新型給油機が皆無という状況だ。
Wedgetail refueled by KC-30AKC-30Aから給油を受けるウェッジテイル
  1. 同盟国が保有する新型装備を米国も利用し、新時代にふさわしい作戦構想を形作ることが米国の死活問題だ。だが米国の調達制度と長年しみついた発想による性能要求制度で可能性を自ら狭めているのが現状だ。どうしてこうなったのか。
  2. オーストラリア訪問で筆者はウィリアムズ財団のセミナーに参加し、統合共同作戦部隊を一から作る方法の議論に参加した。
  3. AWACS近代化改修を2030年までに実現しようとし、スーパーホーネット対F-35の比較議論に花が咲き、40年前のA-10対戦車攻撃機を温存しようとする国では大胆な軍事変革は困難だ。
  4. セミナーが終わりこの課題を退役空軍司令官ジョフ・ブラウンにぶつけてみた。「抜本的な変革の必要があることはわかっています。だがこれまでのやりかたが大木のように太陽を隠して正確な狙いがつけにくくなっています」
  5. ブラウンにはAWACS改修構想は「驚くべき話に聞こえる。AWACSをウェッジテイルに置き換えれば燃料費節約分だけで数年間で元がとれるのに」「しかし米国のやり方では旧型機運用を続けるのと退役させることの交換条件がなかなか成立しません。新型機を投入して戦力化を短期間で実現できません。新装備には維持管理でも新発想が必要なんです」
  6. ブラウンに米国式調達・維持管理方式で一番耳の痛い点をつかれた。「F-35にはこれまでと大幅に違う維持管理方法が必要なのに議会が政府補給処の維持を求めており、産業界と政府の共同歩調に大きな成約が横たわっているのです」
  7. トランプ政権は軍再構築をめざすが、「500億600億ドルを追加投入しても米軍が直面する兵站面の不足を解消できないでしょう。米軍が今後弱体化するのではと不安で仕方がない。追加予算が手に入れば従来型構造の軍を運用できるのにと願望するだけでは何も解決しない。現在の予算問題や議会の干渉がつづけば米軍は空洞化していくでしょう」とブランは述べた。
  8. ブラウンの見るところ、C-17の運用支援モデル例は新しい兵站活動の取り組みであり、新発想を広げる好機だという。「全米で活気を取り戻す動きがある。米国は世界で一番革新的な国のはずだ」
  9. 「そのひとつがC-17運用支援モデルです。運用面で画期的な産業界の協力を得ることで支援経費は下がり、上がることはありません。この方式を今後導入すべきではないですか」
  10. 「今の関心はP-8とF-35です。米国式の支援方式と議会からの要求で政府直営の補給処を保護する動きになっていることで軍の活動に足かせとなっており、今後の即応体制にも悪影響が広くでそうだ」
  11. では制度を刷新するため何をすべきだろうか。「新装備に投資をしながら、優先度を高くし、一方で意味のない事業は廃棄するのです」とブラウンは述べる。「イラク、アフガニスタンでの支出は半分で済んだはずです。同等の戦力を有する国相手には役に立たない装備ですからね」
  12. 他の同盟国にもブラウンの論点は理解できる。レッドフラッグ17-1に参加したRAF高官は「ウェッジテイルがあればAWACSはいらない。AWACSは足手まといだ。ウェッジテイルは第五世代部隊の支援にぴったりだ」とまで述べている。
  13. オーストラリア給油機は現行の米空軍給油機との比較で稼働率や性能面で高い実績を示している。
  14. ミッチェル研究所の所長デイヴィッド・デプチュラは空軍を中将で退役しており、ブラウンの言い分は正しいという。「戦闘の様相を一変するほどの手段が揃っているので、過去のしがらみにとらわれない新しい方法を適用すべきなのです」
  15. 米軍事力を再び偉大にする道は皮肉にも最先端装備を有する同盟諸国との相互交流にあるのかもしれない。■を

2017年4月28日金曜日

中国初の国産空母が4月26日進水したが....



The National Interest

China's First Home-Grown Aircraft Carrier Is Ready: Should America Be Worried? 中国初の国産空母をアメリカは真剣に心配する必要があるのか

April 26, 2017

  1. 中国が空母二号艦を4月26日進水させた。一号艦はソ連艦を再生した遼寧で人民解放軍海軍に2012年就役した。新型艦は初の国産設計で中国船舶重工集団が大連で建造したと新華社通信が伝えている。
  2. 同艦は山東と命名されるはずだが、現時点ではCV-001Aと呼称され2020年までに艦隊編入される見込みだ。
  3. 中国空母は米空母とは比較にならないが、中国にはアジア近隣諸国にはない兵力投射能力手段となり軍事力の象徴だ。
  4. 「新型空母建造を続けて中国は近隣国から一方抜きん出ているとのメッセージが出ている」とパトリック・M・クローニン(新アメリカ安全保障センターのアジア太平洋地区安全保障部長)がニューヨーク・タイムズに語っている。
  5. 「中国造船業は人民解放軍海軍(PLAN)を2020年までに世界第二位の海軍部隊にする」と述べるのはアンドリュー・エリクソン博士で、有名な中国海軍専門家で中国海軍の発展史に並々ならぬ知識を有する博士はDiplomat誌上で「このまま続けば2030年までに数でも質でも米海軍と肩を並べる存在になるのではないか」という。
  6. 中国の軍事問題専門家Cao Weidongの説明では中国には大型作戦艦艇多数が必要で各種脅威に対抗するためとし、空母は二隻では足りないという。中国はより大型で戦闘能力の高い原子力空母複数建造に向かっているとCaoはCCTVで語っている。
  7. もうひとりの中国軍事専門家Yin Zhuoは南シナ海、東シナ海でそれぞれ空母戦闘群を展開させる必要があると述べ、各国との領土争いを念頭に置いている。各方面で少なくとも三隻ずつが必要だという。
  8. 中国がここまでの規模の建艦を目指しているのかは不明だが、拡大する権益を守るため強力な海軍部隊が必要だと中国は主張。空母以外に中国は新型駆逐艦、巡洋艦、補給艦を建造中だ。■
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2017年4月27日木曜日

★北朝鮮国内取材に各国報道機関が大金を払っていた


平壌取材は好きなように利用されただけだったのでしょうか 取材(あくまでも当局の指示通り)をして帰国しながらまったくその際の経験を語らないメディアは良いように利用されただけなのでは?

The National Interest

Report: North Korea Makes Big Money Off the Journalists Who Attend Its Parades 北朝鮮が国内取材を許した各国報道記者から大金を徴収したとの報道

April 26, 2017


  1. 北朝鮮は海外ジャーナリストに国内取材を認めた代償に数十万ドルを請求しているようだ。
  2. 金日成生誕105周年祝賀を北朝鮮は迎えた北朝鮮は海外記者121名の取材を許した。
  3. この機会を利用し国際制裁中の同国が外貨あら稼ぎをしたとロイターは伝えている。
  4. 一名に付き平壌取材7日間で2,500ドルを請求し、外貨が北朝鮮政府機関の懐に入った。ロイターによればこの金額は平均的北朝鮮労働者の年収5年分に相当する。その他航空運賃、宿舎費、滞在費,査証手数料として取材陣から合計30万ドルを手に入れたという。
  5. 平壌を前に訪ねた別のジャーナリストによれば査証手数料は175米ドルほどで、北京平壌往復航空券は500ドルだという。ホテル7泊が800ドルで食費等の合計も300ドルあれば十分だという。北朝鮮が手配する護衛向けの費用が300ドルで通訳も兼ね各地を案内する。携帯電話の利用料は法外にまで高い金額を請求される。
  6. 国内各地の取材は厳しく制限され、取材記者が撮影した画像も聞北朝鮮検閲官が見せたくない画像は躊躇なく削除している。
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