2017年5月24日水曜日

★★歴史に残らなかった機体(9)ライアンXV-5



うーん、これはどうだったんでしょう。画期的な技術ともいえずパワーも不足気味だったのでは。しかしメーカーさんとしてはこのアイディアをどう展開するかそこはしっかり考えていたようで、夢の宴の後、といった感ですね。広告宣伝が先に行き過ぎたのですね。ライアンという会社は1960年代末に吸収合併されちゃいましたけどね。

RYAN AERONAUTICAL VIA THE SDASM ARCHIVES

Ryan Aeronautical Had Big Plans for the Vertifan Jump Jet ライアン航空機は自社ヴァーティファン技術に大きく期待をしていた


Company artwork shows proposals for vertical take-off and landing fighter jets, interceptors, sub hunters, and more. 同社イラストから戦闘機、迎撃機、対潜哨戒機他に展開する構想がわかる。


  1. 国防企業は自社製品売込みのためならなりふり構わなくなるものだが、対象製品が未来の戦争に直結しているとは限らない。とはいえ、冷戦たけなわの時期に公表された各社構想図をながめている中でライアン・エアロノーティカルが売り込もうとしたヴァーティファンVertifan・ジャンプジェットが気になる。
  2. ライアンの試作機XV-5Aヴァーティファンの初飛行は1964年5月25日で、試作機は二機作られ、米陸軍が発注したが、同社は試作機は次の段階へ進む一歩でジャンプジェット戦闘機を米空軍、海軍向けに西ドイツ空軍には迎撃機、対潜哨戒機、小型ゲリラ戦対応機材と各種用途で垂直離着陸技術の売り込みを期待していた。
  3. 1950年代末、米軍や同盟国の間にジャンプジェット技術へ関心が高まった。第二次大戦中の経験で滑走路を狙われれば、敵空軍の勝利は確実とわかった。さらに核兵器の登場でソ連により空軍基地が全部消去される事態を米国は恐れていた。
The two Ryan XV-5A prototypes. RYAN AERONAUTICAL VIA THE SDASM ARCHIVES
  1. 同じ懸念を共有していたのが西ドイツでソ連やワルシャワ同盟軍の隣にいるためだ。滑走路をつかわずに垂直離陸できる機体なら原爆投下含む攻勢を受けても有効に反撃できる。
  2. 垂直離着陸機はたくさんの国が実験しており、構想は多様だった。ライアンの設計ではジェットエンジンを複数装備し、離陸用のファン複数は水平飛行、垂直離着陸双方に使うねらいだった。ただしファン動力は独立していない。水平飛行から垂直飛行への切り替えにパイロットはジェット排気を一度遮断しファンの方向を物理的に回していた。
  3. ライアンは米陸軍向け試作機でジェットエンジン双発でリフトファンを主翼と機首に備えた。ヘリコプターの性能と固定翼機並みの巡航速度で陸軍は近接航空支援と救難任務を一緒に実現しようとした。
The COIN Vertifan RYAN AERONAUTICAL VIA THE SDASM ARCHIVES
  1. だがライアンは次も考えていた。想像図を見ると対ゲリラ戦用大型のヴァーティファン機が見える。図はXV-5とノースアメリカン・ロックウェルのOV-10ブロンコのハイブリッド版のようだ。図ではターボジェットエンジンで尾部プロペラを回している。場面は東南アジアのようで、当時米軍はヴィエトナムで戦闘拡大の最中だった。主翼下にはロケットポッドを搭載し前線基地から出動しゲリラを攻撃している。
Vertifan fighter jets for the U.S. Air Force. RYAN AERONAUTICAL VIA THE SDASM ARCHIVES
  1. ライアンは米陸軍以外の採用も想定した。別の図ではXV-5に近い機体が二機飛んでおり、空軍戦闘機への採用を想像している。手前の機体は主翼下に増槽二つを付けており、機関銃は四門のようだ。当時はF-100スーパーセイバーが現役で、同様の兵装だった。
A U.S. Navy Vertifan refuels in mid-air. RYAN AERONAUTICAL VIA THE SDASM ARCHIVES
  1. 別の図では胴体を延長した機体が海軍向け塗装でA-4スカイホークとF-4ファントム編隊と飛んでいる。A-4がヴァーティファンに「バディポッド」システムで空中給油している。図の機体が戦闘機仕様なのか不明で、攻撃機なのか、偵察機の想定なのか。武装搭載はないがポッドらしきものが主翼に見える。ライアンはもっと大型機の対潜機仕様も海軍に提案している。
RYAN AERONAUTICAL VIA THE SDASM ARCHIVES
Luftwaffe Vertifan intereptors. RYAN AERONAUTICAL VIA THE SDASM ARCHIVES
  1. 次が西ドイツ向けヴァーティファン三機の図だ。皆XV-5より胴体が長くファン二つずつが機体前方と胴体についている。前方にはM61ヴァルカン砲らしきものが見え、鋭くとがった機首は迎撃用レーダー搭載にうってつけだ。
  2. 当時のルフトバッフェは積極的に射出式離陸でF-104迎撃機を運用しようとしており、別途に国産でEWR VJ 101を開発中だった。ドイツVFW社は1970年代までこの開発を続け、 VAK 191B試作機にが生まれた。だがいずれもドイツ軍により採用されなかった。
  3. ヴァーティファンは結局失敗に終わった。信頼性の問題もあり、他軍との競争に勝てなかった。1965年4月にXV-5A試作機一機が飛行中に破壊され、パイロットが死亡している。翌年に残る試作機も事故でパイロットが死亡。事故は救難ミッションを再現し、マネキンを負傷者に見立て引き上げる途中でファンの一つにひっかかり機体安定性が失われた。
  4. ライアンはあきらめず、各種改良を施したXV-5Bを完成した。不幸としか言いようがないのは同じころに米陸軍は空軍との戦いに敗れ固定翼機運用を断念した。空軍とその支持派が陸軍のヴァーティファンを葬ったといえよう。
  5. 空軍は同技術に関心なく、試作機を廃止した。ライアンはヴァーティファンの買い手を見つけることはできなかった。ただ米海軍と海兵隊はホーカーシドレーP.1127のテストを開始し、その後海兵隊向けAV-8ハリアーに1971年として実現した。■
Contact the author: jtrevithickpr@gmail.com



2017年5月23日火曜日

ヴィエトナムがF-5再生を実施?


観測記事に過ぎないのですが、機数確保だけが目的ならあり得る話です。ただし、高温多湿の環境に何十年も放置されていた機材をつなぎ合わせても完成は少数機にしかならず、実効性の弱い発想ではないでしょうか。ハノイの空軍博物館にはF-5も展示されていましたね。


Is Vietnam Really Planning on Bringing Back 50-Year-Old American Fighter Planes? ヴィエトナムは真剣に50年前の米製戦闘機の再整備を検討しているのか


The National InterestMichael Peck May 21, 2017


ヴィエトナムは南ヴィエトナムから捕獲した機齢50年の米製F-5を本当に再生しようとしているのか。それともロシア製機材の購入に向かわせるためのロシアの策略なのか。ハノイが西側機材導入に前向きとの観測がある。
  1. 問題の機材は1975年に北ヴィエトナムが南を制圧した際に捕獲したF-5だ。北はこの他に大量の米製戦車、火砲、銃砲(M-16が百万丁あった)も入手し、1970年代中頃のヴィエトナム軍は世界有数の重装備となった。そこにF-5Aフリーダムファイター87機、F-5EタイガーII27機があった。ノースロップ製の軽量戦闘機は低価格で米国が冷戦時に第三世界に輸出を進めていた。
  2. ヴィエトナムは機体評価用にF-5を数機ソ連圏に送り、ソ連パイロットはタイガーIIの性能に感銘を受けたといわれる。一方で残りの機材は1978年のカンボジア侵攻時にハノイが利用した。ヴィエトナム空軍の主力はもちろんソ連製機材だが、パイロットはF-5を好んだといわれる。特にコックピットと機体取り回しが楽というのが理由だった。しかし、交換部品不足から機材を使いまわし使用可能なF-5Eは減った。
  3. ながらくヴィエトナムのF-5は全機飛行できない状態と思われていたが今週になりロシアのスプートニクニュースが「タイガー戦闘機の復活がヴィエトナム航空界にどんな意味を持つのか」との記事を配信し、「ヴィエトナムのメディア」筋がF-5の再稼働を検討中だと記事で伝えた。
  4. 西側アナリスト陣にとってこの記事は驚きだ。「F-5は全機修理不可能だと思っていました」と東南アジア安全保障を専門とするザカリー・アブザ(米国家戦争大学校)は述べている。「先月もヴィエトナム訪問しましたがだれもこの可能性を話ていません」
  5. 一番興味をひかれる点はスプートニク記事は単なる報道でなく、ロシア軍専門家筋の分析を伝えていることだ。ロシアのマカール・アクセネンコはイスラエル企業が機材再整備を行うのと見ている。タイのF-5で実績があるためだ。ヴィエトナムの場合は「短期間で安価に戦力予備機材を確保する」狙いがあるという。
  6. ただし記事では再整備したF-5はあくまでも緊急手段であり、ヴィエトナムは新機材が必要と指摘する。同国はロシアSu-27、Su-30を約40機運用しているが隣接する中国と比較すればいかにも小規模だ。
  7. アブザは「ヴィエトナムは練習機、戦闘機を導入する意向を公表している」とし、「価格、性能、信頼性や親和性からスホイの追加導入が一番よいはずですが、かなり時間をかけて検討中なのでモスクワもいらいらしはじめているはずです」と述べる。
  8. 確かにここ数年間でヴィエトナムが欧米軍用機の導入に前向きになっているとの記事が数回にわたり出ている。2016年5月にバラク・オバマ大統領がヴィエトナム向け武器禁輸の解除を発表した。
  9. 「ヴィエトナムは最大のロシア製武器購入国に入り、最近こそ規模が伸びていませんが、モスクワとしては路線変更は歓迎できないのは間違いないでしょう」
Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook.
Image: F-5E Tiger II. Wikimedia Commons/Creative Commons/Peng Chen

2017年5月22日月曜日

★★米海軍レイルガン開発の最新状況



レイルガンは砲弾自体の運動エネルギーで標的を破壊する構想ですが、莫大な電力が必要となるのがネックですね。海軍艦艇で対応が可能な艦が限られます。一方で並行して開発がすすむ新型砲弾HVPは既存火砲での運用も可能で効果が期待できます。

Navy Railgun Ramps Up in Test Shots はずみがつく海軍のレイルガン発射実験

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on May 19, 2017 at 4:00 AM

PENTAGON: 重量35ポンドの金属の塊がマッハ5.8で飛翔すると想像してほしい。毎分10回発射でき、砲身が使えなくなるまで1,000回発射できる。これが米海軍が進めるレイルガンで二年間以内に実用化する構想の進捗は順調だ。
  1. 「大きな技術進歩に向かいつつあります」と海軍研究部門のトム・バウチャー部長は述べる。バウチャーのチームが記者にペンタゴンで背景説明をしてくれた。省内での科学技術の展示会の席上だ。
  2. 三年前、当時の海軍作戦部長ジョナサン・グリナート大将がレイルガン開発を発表した。火薬を使わない電磁パルス効果の発射手段で海上試射をすると述べた。それ以降海軍は開発の方向性を変え、高速輸送艦(JHSVあるいはEFPと呼ばれる)に臨時配備するより陸上の恒久施設でのテストが費用対効果が高いと判断した。昨年11月17日にポトマック川を望む海軍水上戦センター(ヴァージニア州ダールグレン)にBAEシステムズが32メガジュールのレイルガンを設置し、初の射撃に成功した。(その時の様子はhttps://youtu.be/Pi-BDIu_umo を参照されたい)さらにレイルガン二基目が陸軍のホワイトサンズミサイル試射場(ニューメキシコ州)に搬入中で射撃用の空間が十分とれることから100カイリ以上という最大射程をためす。
  3. ホワイトサンズが長距離射撃性能を試す一方でダールグレンは兵装装備の確認が目的だ。これまでのテストでは中世さながらに砲撃を一日数回行っているだけだ。ダールグレンはバグ修正で毎時数回の発射をしようとしており、今年末までに毎分10回という目標の実現をめざす。比較すれば標準的な5インチ艦砲は毎分20発発射が可能だが、一分間で弾倉が空になる。戦艦の16インチ主砲は毎分二回だった。
  4. 毎分10回発射が可能となれば、ダールグレンは次に研究課題の中心を砲身寿命に移す。10年前の研究段階のレイルガンは発射一回で摩耗していた。莫大な圧力に耐える新素材で砲身の実現を目指すが現時点の試験用兵器では発射100回で砲身交換となる。目標は1,000回発射に耐える砲身の実現だ。
  5. 次の課題は出力だ。現在のレイルガンは 16 kg 弾を秒速2千メートル(マッハ5.8)で発射すると32メガジュールを毎回消費する。10回発射すれば20メガワット電力が必要だ。これだけの電力を供給できるのは原子力空母11隻とズムワルト級駆逐艦の3隻しかない。
  6. レイルガン発射には付帯設備が必要だ。一つのモデルがダールグレンにあり、海軍は20フィートコンテナー複数にバッテリーを満載し50回発射を可能とした。元海軍の戦略思考家ブライアン・クラークはレイルガンをEFP改装の輸送艦に搭載し、電源を貨物スペースに入れミサイル迎撃手段に転用できると述べている。
  7. レイルガン技術は現行の火砲にも応用できるので陸軍も欲しいはずだ。ペンタゴン戦略戦力整備室の支援を受けて、陸海軍は超高速発射弾Hyper-Veolocity Projectilesをレイルガンで実験しており、既存の5インチ海軍砲から155ミリ榴弾砲への応用も想定している。(HVPとしては共通だが異なる送弾筒sabotで包んでいる) 電磁インパルスの代わりに火薬を使うと初速は低くなるが5インチ砲でHVPを発射すると30カイリと通常の二倍程度の射撃が可能となる。
  8. HVPは火薬で発射できるがあらゆる点でレイルガンには匹敵しない。電磁発射式兵器は長距離に加え命中時の打撃効果が大きく、高性能火薬弾頭は不要となる。ただし巡航ミサイル迎撃のような重要任務の際はHVPを発射する火砲が30カイリ程度の範囲で第二防衛ラインを形成する。100マイルまでの長射程では大型レイルガンが対応することになる。■

★ドイツもF-35導入に動くのか



ドイツというと強力な経済力が思い起こされますが、国防に関しては状況は厳しいようです。米国が求めるような国防費の大幅増を阻む国内事情があるのでしょう。エアバスの構想が構想どまりのため、F-35採用は確実と思われますが、国政選挙が終わるまで動けないということでしょうか。それにしてもロシアのサイバー攻撃による他国選挙への介入は現実の問題なのですね。

AF-6, Flt 141, LtCol George "Boxer" Schwartz, Radar, LCL, 28 MarDARIN RUSSELL—2013 DARIN RUSSELL LOCKHEED MARTIN

Germany Might Join the F-35 Program ドイツがF-35導入に動く可能性

Officials in Berlin ask for more information on the Joint Strike Fighter as they try to replace their aging Tornado multi-role jets. ドイツ政府が供用打撃戦闘機の詳細情報開示を要望し、老朽化してきたトーネード多用途戦闘機の後継機選定に入っている



ドイツ空軍がロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機の追加情報を請求していることが明らかになった。旧式化してきたパナヴィア製トーネード多用途戦闘機の更新用候補のひとつとして2035年までの導入を目指す。
  1. 2017年5月にルフトヴァフェは米軍にJSF機密データの開示を要請したとロイターが伝えている。公文書ではドイツ政府・軍関係者は現時点では特定機種に絞り込んでいないと明言している。
  2. ただしドイツ国防相は「F-35含む機種の導入可能性を今年後半に検討する」としており、そのため「F-35の先端技術特にセンサー類の性能について秘匿情報の開示をもとめ、その他情報制御関連、作戦関連情報を求める」とある。
  3. ドイツがF-35採用に動けば、NATO加盟国でJSF導入を決めているベルギー、カナダ、デンマーク、イタリア、オランダ、ノルウェー、トルコ、英国に加わることになる。
  4. ドイツが同盟各国と共通装備を導入すれば補給面の問題が解決され、作戦能力が向上する。ロッキード・マーティンはオランダ、イタリアと共同して同機運用の支援拠点作りを進めている。  
  5. 2015年10月にオランダ政府はエンジンの試験・整備施設設置を100百万ドルで進める決定をしており、自国機材に加えイタリア空軍機にも開放する。イタリアは欧州唯一の最終組み立て点検施設FACOを稼働中で、イタリア向けF-35Bとオランダ向けF-35Aの最終組み立てを行う。将来は他のヨーロッパ各国向け機材の生産も実施する。  
  6. 地域内協力では政治面にも影響が出ている。ドイツが更新しようとしているトーネードとは英独伊が1960年代に始めた共同開発の産物だ。ドイツはその後ユーロファイター・タイフーン事業でも開発生産両面で関与している。ドイツは登記上は両機種を産んだ多国籍企業の本社所在地だ。
  7. 過去の経緯からドイツが第五世代戦闘機をエアバスに求めようとするのは当然だろう。ドイツはエアバスに出資しており、ユーロファイターもエアバス傘下にある。アルベルト・ギュティエレス(ユーロファイター社長、当時)は2015年にFlightGlobalに対して無人機部隊を将来の戦闘機部隊の中心にする構想を述べていた。2017年にエアバス・ディフェンスアンドスペースのCEOダーク・ホークは構想は次世代兵器システム(NGWS)として検討が進んでいるとドイツ国内誌 Handelsblattに述べている。「現在のところは設計前検討段階で機体の姿を研究中」とホークは述べ、「はるかに先進的な新技術」を採用すると語っていた。
  8. その時点でエアバスはフランスとドイツ両国にNGWSの推進役を期待していた。だが両国間で事業の進め方で対立が生まれる可能性が出てきた。ドイツは新型機を2025年にも稼働させ85機残るトーネードと交代させたいとする。これに対しフランスでもミラージュ2000の旧式化が進んでいるが、2040年まで待ち最新鋭機材を運用したいとの考えだ。
  9. ドイツにはこの日程は受け入れがたい。ルフトヴァッフェはトーネード(1998年生産終了)の更新を今すぐにも始めたいところだ。ダーシュピーゲル誌が稼働可能なのは66機しかなく、ドイツ国外で運用できるのは38機しかないと暴露した。タイフーンも同様に109機導入済みだが「展開可能」区分されたのは42機しかない。翌年にドイチェヴェレ放送は状況はさらに悪化しているとする報告書を入手している。
  10. トルコのインチリック空軍基地からISIS戦闘員の偵察用にトーネード6機の運用を2016年1月に開始した直後に苦しい状況に直面した。ドイツ紙ダスビルドは翌月に改修済みのコックピット内照明が強すぎ、夜間飛行できないと伝えた。テロリストは夜間に移動し探知を逃れようとする。2016年11月には2機がエルビルに緊急着陸した。イラク内のクルド人自治区の首都である。飛行中に緊急事態に遭遇したためだ。その後の点検で機体はトルコへ戻れる状態と判定したが燃料タンクの欠陥はそのままだった。同分遣隊は2017年2月にイラク、シリアでソーティー750回2,300時間の飛行を達成している。
  11. 対ISIS作戦のような遠征作戦の実施の必要もあるが、本国近隣地での脅威でも対応が必要になってきた。ロシアはクリミア併合(2014年)をきっかけにNATOに一層厳しい姿勢を示しており、ドイツは国防方針見直しに迫られている。二十年間にわたりドイツ国防軍はゆっくりと縮小してきたがソ連崩壊(1991年)のあとでヨーロッパ内での軍事衝突の危険は減少していたのも事実だ。
  12. ドイツ国防予算は2017年に370億ユーロに増え、2020年までに390億ユーロになる見込みだ。NATO加盟国に求められるGDP2%相当の負担をめざすとドイツは再確認しているがすぐには実現できないとしている。予算以外に隊員募集に苦しみ、装備近代化のペースも冷戦終結後遅くなっている。ドイツがF-35導入の負担に耐えられるかがトーネード更新時の検討事項になる。消息筋が追加情報の請求にあたりJSF機体価格の低下動向を注視しているとロイターに伝えている。
  13. 将来の部隊編成構想で政界で意見が一致していない。ドイツは人道救済・平和維持活動で貢献しており、2017年時点でコソヴォ、イラク、レバノン、マリ、ソマリアの各地に展開している。「難民対策だけで300億400億ユーロを支出しているのは軍事介入策がうまくいかなったからだ」とドイツ外相シグマー・ガブリエルは述べ、国防予算増は「安定化効果に直結すべき」との考えだ。
  14. ロシア含む敵対勢力に対応できる十分な防衛体制を維持し、とくにNATOが実施中のバルト地方航空警戒態勢活動に参加するなかでトーネードの機材更新はドイツの即応体制維持に待ったなしである。米国や同盟各国は議論の種となったJSFに多大な投資をしており、2017年4月に米空軍はF-35の8機を英国に派遣し、JSF事業に批判的な筋とともにロシアにメッセージを送っている。その中で突如としてエストニア、ブルガリアにも機材を展開したことがこの見方を裏付けている。
  15. F-35やエアバスのNGWS構想のような第五世代戦闘機はルフトヴァッフェに必要な機材であり、とくにロシアが長距離対空レーダー、地対空ミサイル、高性能戦闘機を配備する中でその性能がドイツに必要だ。ただし2017年9月の国政選挙で優先順位付けそのものが変わる可能性がある。選挙戦ではロシアによる影響と干渉が懸念されている。
  16. トーネード後継機がF-35になるのか別の機材になるのかを考える際にベルリンはヨーロッパやその他で軍にを求める役割を明確に定義する必要がある。■

2017年5月19日金曜日

★★もし戦わば(13)F-15 対 Su-35



ははあ、元記事が出たのは2年前なので、まさかF-15Cの早期退役の話が出るとは思っていなかったわけですね。ロシア製機材が頑丈に作ってあるというのは伝説の域に達していますが、最新機材がどうなっているかわからないというのはその通りです。ただし第三世界の敵を相手にしても楽勝を米空軍が期待できないとはつらいですね。

World War III Air Battle: America's F-15 vs. Russia's Su-35 第三次世界大戦になり米F-15とロシアSu-35が対決したらどうなるか

May 17, 2017

ボーイングF-15Cイーグルが米空軍で供用開始し40年近くになるがさらに数十年供用を続けそうだ。強力なF-15はさらに改修を受け敵脅威の進化に対応しているが、イーグルは今後も空の支配者でいられるのか。
  1. 答えは、その通り、しかも絶対に可能だ。イーグルは古い機材だがいまでも航空優勢戦闘機として最高の存在だ。現在飛行中の機材でF-15よりほぼ全面的に優れるのはロッキード・マーティンF-22ラプターだけといってよい。それでもF-15Cは全般的に優れた機体でライバル各社もこれは認めざるを得ない。
  2. ただしF-15の相手でもっとも高性能な機体がロシアのSu-35フランカーEだ。さらに高性能機材が開発中だが、実現しても機体単価が高額すぎ各所に出現する可能性は低い。Su-35は世界各地での脅威になっていないが、普及の可能性がある。インドネシアが同機導入を決定したとの報道があり、中国が購入にむけて交渉したこともわかっている。
  3. Su-35はあなどれない戦闘機であり、多くの面で改修済みF-15の性能と同等あるいは凌駕する。運動性能ではSu-35はF-15Cの最高速度よりわずかに低いが加速では強力なサトゥルン・イズディエ117S双発(推力各31,900ポンド)にものをいわせてイーグルを抜く。搭載兵装が少なければ、アフターバーナーなしで超音速飛行できる。
  4. 高高度で超音速に加速することが同機の大きな利点となる。F-15Cも鈍いわけではないがSu-35に対して有利にならない。ただしSu-35の真の利点は低速飛行時に発揮される。フランカー-Eは三次元推力偏向が可能で低速時に驚くほどの操縦性を発揮する。ただしヘルメット装着型目標捕捉システムや照準外でも発射可能なAIM-9Xやロシア製R-73の登場で、視界内交戦は「共倒れ」になる可能性が増えてきたとパイロットは感じている。そうなるとパイロットの技量というより運で雌雄が決まりそうだ。
  5. 長射程になるとF-15CおよびF-15Eが今でもSu-35に対して優勢なのはアクティブ電子スキャンアレイレーダーの搭載によるところが大きい。レイセオンのAPG-63(v)3およびAPG-82(v)1がイーグル各型にそれぞれ搭載され、Su-35SのティコミロフIRBIS-Eフェイズドアレイレーダーより威力が高い。これに対してSu-35の利点は赤外線捜索追尾システム(IRST)を機内に搭載していることだが、これもF-15部隊に強力なIRSTが近く搭載されれば相殺される。
  6. フランカー-Eの有利な点は電子戦装備だ。Su-35Sは強力なデジタル通信周波数メモリージャミング装置を搭載し、AIM-120AMRAAMミサイルの飛翔を混乱できる。米ミサイルはそれでも標的に到達するだろうが、確実に撃墜するために想定以上の本数を発射する必要がある。Su-35は大型空対空ミサイルを搭載し、対するF-15の防御用電子装備は旧式化している。米空軍はこの点を意識し76億ドルを投じてイーグル・パッシブ/アクティブ警告残存システムの改修を行う。
  7. だが本当のジレンマはSu-35と現時点のF-15イーグルはほぼ同等の機体であることで、米空軍はこれを憂慮せざるを得ない点だ。空軍はこれまで自軍が圧倒的に優勢な条件で空での戦いに慣れきっている。Su-35が相手では状況が変わり、フランカー-Eに至ってはイーグルより優れた面がある。条件が全く同じなら、F-15Cを目いっぱい改修しAESAまで搭載してはじめてSu-35と真っ向勝負となるといって良い。だがこれは米国がロシアやほかの超大国である中国と交戦する場合だ。その事態の発生の可能性は高くない。
  8. 可能性があるのはF-15が第三世界の国が運用するSu-35と交戦する場合だろう。その国のパイロットは米国並みの戦術、経験、訓練を受けていないはずだ。これでは現実に勝利するのはむずかしい。さらにロシア製機材の信頼性も実際は不明なので、高い訓練を受けていない整備陣や予備部品の不足があれば、第三世界国が機体の実力を引き出すことは至難の業だろう。ロシア、中国を除けば敵になりそうな国にはAWACSや地上誘導方式の迎撃能力はないはずで、同機の実力の発揮がさらに難しくなる。
  9. そこで結論だ。F-15が第三次世界大戦に投入される事態が生まれない限り、米空軍がイーグルを今後さらに20年間供用しても大きな問題にはならないだろう。実戦では空軍がこれまで経験したような一方的な大勝利に難しいが、だからといって米国が航空優勢を喪失する危険はない。
Dave Majumdar is Defense Editor for The National Interest. You can follow him You on Twitter: @DaveMajumdar.
This first appeared in 2015


★米海軍航空部隊で支援機材が果たす縁の下の力持ち的役割に注目



目立たない存在ですが電子戦機材のEA-18Gや新型E-2Dの役割は大きいようです。さらにここにF-35Cが情報の受け渡し促進役で加わるとどういう効果が生まれるのかが注目でしょう。

EA-18G Growler with Electronic Attack Squadron 131 prepares for takeoff on the flight deck of the USS George H.W. Bush.. While Navy F/A-18 Super Hornets deal death from the sky on ISIS, the EA-18 Growler is jamming enemy communications -- and potentially drones too. (Photo by Hope Hodge Seck/Military.com)USSジョージ・H・W・ブッシュ艦上で発艦の準備に入るEA-18Gグラウラー(第131電子攻撃隊所属) George H.W. Bush.. While Navy F/A-18スーパーホーネットがISIS空爆に投入される際にはEA-18が敵通信を妨害しており、無人機にも対応している可能性がある。 (Photo by Hope Hodge Seck/Military.com)

Navy Electronic Jamming Aircraft Take Quiet Toll on ISIS

米海軍電子攻撃機はISISを静かに狩る

DefensetechPOSTED BY: HOPE HODGE SECK MAY 10, 2017

ABOARD THE USS GEORGE H.W. BUSH, Persian Gulf — 米海軍F/A-18スーパーホーネットがイスラム国をイラクとシリアで空爆する一方で、EA-18グラウラーは敵通信に加え無人機も妨害している可能性がある。
  1. 空母ブッシュは今年初めからISIS攻撃作戦で数多くの出撃基地となっているが、ホーネット飛行隊4個が絶えず飛んでいる。だがこの戦闘でカギとなるのがグラウラー飛行隊とE-2Cホークアイで、遠距離から脅威を探知するとともに空爆を調整する機能だ。
  2. この作戦を統括するのがケン・ホワイトセル大将(ブッシュ空母打撃群司令)だ。艦上での取材で提督はグラウラーの性能に期待し、民生用無人機が攻撃用途に転用されている現状で重要性が強まっていると述べた。
  3. 「自家製無人航空機あるいは通信販売の無線操縦型を見たことがあるでしょう。ISISは自家製爆弾で自爆攻撃を仕掛けている。ではこれにどう対抗すべきか。一番簡単なのは通信を妨害して飛行できなくすることだ」
  4. グラウラーは外観ではホーネットと区別がつきにくいが、翼端にALQ-99ジャミングポッドとALQ-218レーダー警戒受信機を装着する。グラウラーはホーネット編隊に随行することが通常だが、その本領がどう発揮されているかは見分けにくい。
  5. ホワイトセル提督は敵の通信妨害で電子戦用機材に一定の役割があると見ており、無人機の無線操縦から即席爆発装置の起動までの多様な用途に期待している。
  6. 「グラウラーのミッションは難易度が高い。効果が成果を上げたのかが見えないためだ」と述べている。
  7. 艦上にはターボプロップ双発のホークアイもあり、特徴的な円盤状の回転レーダーを上に乗せ、ISIS戦も4年目に入り任務内容に変化が生まれている。ブッシュが搭載する第124艦載早期警戒飛行隊の作戦士官によればホーネットがミッションで飛ぶ際はホークアイも飛んでいるという。地上部隊との通信を中継したり、重要な敵脅威を事前に把握して飛行隊を守る。士官はクライン大尉とのみしておく。保安上の理由から本名は明かせない。
  8. 「声を聴いて相手がわかる。どんな連中か知っている」とクラインはホーネット飛行隊のことを指した。「F/A-18が単独で敵地上空を勇敢に飛ぶ光景を思い浮かべる人が多い。だが実際は一緒に飛ぶ別の機体がいつもあり、それがわれわれだ」
  9. クラインは2014年にもこの地域に派遣されており、当時はISIS戦が始まったばかりでホークアイへの依存度は高く、指揮統制を与え地上部隊指揮官の言わんとすることを解釈してパイロットを助けていた。今や、地上戦管理の仕組みはもっと複雑になり、ホークアイへの依頼は減っている。同飛行隊は相変わらず多忙だが、重点は空母の防御と支援に移っている。
  10. 「前回の派遣時とは大違いです。前回は毎日が多忙で4時間の任務が終わると大変でした」とクラインは述べる。「でもホーネット飛行隊からすれば何かあれば頼りになる存在です。何かあればすぐ対応できる状態にしています」■

2017年5月18日木曜日

中国の南シナ海進出では海南島への機材展開が要注意


中国の南シナ海重視姿勢が強く感じられる機材配備です。
どの程度の電子能力を有した機材なのかわかりませんが、機数が少なく今のところは稼働効率が悪そうですね。海南島が中国の海洋進出に重要な拠点になっていることに注目です。

Satellite image shows Chinese deployment of new aircraft to South China Sea 衛星画像から中国が新鋭機を南シナ海配備したことがわかる

By: Mike Yeo, May 12, 2017 (Photo Credit: China's Ministry of National Defense)

MELBOURNE, Australia — 中国が最新の早期警戒指揮統制機を南シナ海北方の空軍基地に展開している様子をとらえた衛星写真をDefense Newsが入手した。
  1. 撮影日は3月24日にで商用衛星画像企業DigitalGlobeの写真では陝西KJ-500ターボプロップAEW&C二機が加頼石Jialaishi空軍基地に展開している様子がわかる。同基地は海南島北側に位置する。別にY-8原型の旧型KJ-200 AEW&C一機とおそらくY-8JないしX哨戒機が見える。
  2. KJ-500の海南島配備は初のことで中国は特殊用途機を同島へローテーション配備してきた。派遣部隊は人民解放軍海軍PLANの飛行部隊から編成され中国北部から移動している。従来はKJ-200にY-8JあるいはXが加わり海南島南東部にある陵水Lingshuiから運用していた。
KJ-500 airborne early warning aircraft Hainan China3月24日撮影の画像で陝西KJ-500二機が海南島北部の加頼石空軍基地で確認された。Photo Credit: DigitalGlobe
  1. ただし陵水は駐機場等の大規模工場中であり分遣隊は臨時に展開していると思われる。3月24日画像で初めてY-8またはY-9が加頼石で視認された。
  2. 海南島で加頼石はPLANの大規模航空基地のひとつで他の基地から瀋陽J-11Bフランカー戦闘機三個飛行連隊、西安JH-7戦闘爆撃機一個飛行連隊が飛び、近隣の国際空域を飛行中の米軍機を迎撃することがよくある。
  3. KC-500は中国最新のAEW&C機材で旧式化したKJ-200の後継機となる。原型は陝西Y-9ターボプロップ輸送機で機体上部にレーダーディッシュを搭載し、内部に国産フェイズドアレイレーダーに固定アレイを120度ずつの間隔で三基搭載して全周探知を可能にしている。さらに機首と尾部に小型レーダーも搭載して探知を可能とする。
  4. レーダーディッシュ上部には衛星通信用ドームがあり、側方監視電子情報収集パネルが機体両側にあり情報集監視偵察用途にも使える。人民解放軍空軍では2014年末から2015年初めに供用開始された。計6機ある中で二機がPLAN向けとみられる。
  5. PLAN所属のKJ-500の別の写真では機体番号が海南島を本拠とする第9海軍航空師団のものと判明しており、そのとおりならAEW&Cを特殊機部隊所属にしてきたPLANの通例を破ることになる。このことから該当機は海南島に恒久的に配備されることがわかる。■

2017年5月17日水曜日

★深刻なサイバー攻撃の発信源は北朝鮮との証拠現る



北朝鮮が麻薬、密輸、化学兵器、ミサイル、とあらゆる悪事の温床であることが明らかです。目的のためには手段を選ばず周辺国が悪いと責任を転嫁する思考方法は全く受け入られません。仮に現体制が崩壊してもこの思考と技術を持った人員が拡散するのでは救いようがありません。


Made in North Korea: The WannaCry Ransomware Attack? サイバー攻撃に使われたワナクライ・ランサムウェアは北朝鮮製?


The National Interest

May 16, 2017



  1. 「ワナクライ」ランサムウェアにより世界各地のコンピューターシステムが混乱させられているが、見つかった証拠から北朝鮮による犯行の可能性が出てきた。
  2. Googleのセキュリティ専門家ニール・メータは15日にツイッターでワナクライの初期型とラザルスグループが使った悪意のあるコードを比較している。ラザルスは北朝鮮とのつながりが指摘されている。
  3. ラザルスはまずバングラデシュ中央銀行に攻撃をかけ、ニューヨーク連邦準備制度内の同行口座を狙ったが発信元のIPアドレスは北朝鮮のものとカスペルスキーラボが伝えている。ラザルスは81百万ドルを盗んだ。ラザルスの活動は今までもあったが、北朝鮮とのつながりが発見されたのは最近のことである。またSonyへのサイバー攻撃、ポーランド銀行への侵入にも関与している疑いがある。
  4. カスペルスキーはメータの発見を「ワナクライの発信元を探るうえで今までのところ最大の証拠」と述べている。さらに解析が必要と認めつつ、カスペルスキーの研究解析チームはメータが「ワナクライでロゼッタストーン級の発見をした」とForbes誌に述べている。
  5. 今回のランサムウェアが使うコードは北朝鮮とつながるサイバー犯罪者に特有のものだとニューヨークタイムズが報じている。
  6. 「現段階でつながりはまだ決定的ではありません」とシマンテックの調査員エリック・チエンがニューヨークタイムズに伝えている。「コード上の類似性がもう少しわかればもっと確実になります」
  7. 韓国のウィルス対抗ソフトウェア会社Hauri Inc.の幹部サイモン・チョイは北朝鮮製マルウェアの解析をしており、今回のワナクライ攻撃を受けた被害者がビットコインで支払いを求められているのは北朝鮮戦術の典型だという。チョイによれば北朝鮮は2013年から悪意のあるプログラムでビットコインを集め始めた。
  8. チョイは偶然にも北朝鮮ハッカーと接触し、ランサムウェアの作成に取り組んでいるのを知り、即座に韓国当局に連絡したという。
  9. 今まで見つかった証拠から北朝鮮が今回の攻撃の背後にいするとの断言はできないものの世界各地で数十万名にも上る被害者を生んでいるワナクライ攻撃がどこから来ているのかを示す最初の証拠であることにかわりはない。

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Image Credit: Creative Commons.


四回目で成功したKN-17の異例の飛翔は弾頭再突入技術の確立(で成功したらしい)



KN-17 launch

North Korea Tested Warhead Reentry in Latest Missile Launch

北朝鮮の最新ミサイル発射実験は弾頭部の再突入のねらいか

New KN-17 intermediate-range missile can hit Alaska, Guam with nuclear warhead

新型KN-17中距離弾道ミサイルはアラスカ、グアムも核攻撃可能

KN-17 launch / Getty Images
BY: Bill Gertz May 15, 2017 4:33 pm

北朝鮮の新型中距離弾道ミサイル実験の狙いは核弾頭の大気圏再突入だったとペンタゴンが見ている。
  1. ミサイルは南東部のコソンから発射され米情報機関はKN-17だとし、核弾頭搭載時の射程3,400マイルでアラスカとグアムに届く。
  2. ミサイル発射は土曜日の東部標準時4:30 p.m.で異例なまでの高高度およそ1,200マイルに到達しており、核弾頭の大気圏再突入能力を試している。
  3. 「核ミサイル開発で重要な一歩だが今の段階では同国は技術を獲得していない」と情報に詳しい国防関係者が述べている。
  4. 大気圏再突入後のミサイルは発射地点からおよそ400マイル先の日本海に着水した。
  5. KN-17は先月の平壌軍事パレードにも移動式発射台に乗せられて目撃されていた。ただし土曜日の発射は固定発射台からで移動式発射台は使っていないと上記国防関係者は述べている。
  6. 北朝鮮は第六回核実験を先月実施すると見られていたが、今のところ先送りになっている。ただしそのため中国が北朝鮮に強い圧力をかけたとの観測があった。
  7. 北朝鮮国営のKCNA通信社は15日になり、ミサイルは中距離弾道弾火星Hwasong-12で「主体兵器」のひとつ、つまり国産であると伝えた。また金正恩がテストに立ち会い、「ロケット研究関係者を抱きしめ、これまでの精進が大きな成果を生んだと述べた」と伝えている。
  8. 「試射は最大仰角で行い周辺国の安全に配慮した」とKCNAは伝え、「新開発の弾道ロケットの戦術及び技術諸元を確かめ、大型核弾頭搭載を検討した」と述べている。
  9. 「最悪の再突入状況でも弾頭の自動誘導の有効性が確認され、起爆装置の作動も正確だと分かった」(KCNA電)
  10. 今回のテストは韓国大統領文在寅Moon Jae Inの当選直後となり、文は北朝鮮との関係修復に意欲を示していた。選挙運動中に文は非核化と北との対話を同時並行で進めると述べていた。
  11. 「毎回のテストで北朝鮮政権が周辺国との関係をどう設定したいかを示している。今回の発射は文の出方を下がる意味もあるのだろう」とケン・ガウス(シンクタンクCNA主任研究員)が韓国の聯合通信に語っている。
  12. 今回の新型IRBMは4月5日が初のテストでこのときは打ち上げ直後に失敗している。二回目が4月16日だが、打ち上げ後数秒で爆発分解している。三回目も失敗に終わった。4月29日のことだった。
  13. 三回つづけて失敗したため米国が妨害工作として不良部品を北朝鮮につかませたとの報道も出た。
  14. 新型ミサイルの写真ではノーズコーンそばにフィン数枚が見え、同兵器は飛翔中に姿勢制御可能で迎撃ミサイルを出し抜く狙いがあると見る向きがある。
  15. KN-17を見た空軍の国家航空宇宙情報センターは一段式液体燃料で道路移動型ミサイルと判定した。
  16. KN-17は戦略級核ミサイルで軍事パレードでその存在を見つけたのも同センターだ。
  17. 同センターは中距離弾道ミサイルを投入するのは「補給拠点、域内の中心的軍事基地として航空施設、港湾、海軍艦艇を狙う」と見る。
  18. 「北朝鮮は弾道ミサイル開発を精力的に進めており、一部ミサイルやミサイル技術はイラン、パキスタン等に輸出されている」と同センターの2013年度版報告が述べている。「北朝鮮は核兵器保有も公言している。新型IRBMの他に旧式ノドン等MRBMも軍事パレードに登場している」
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★★★破損機材二機からF-15を再生したイスラエル空軍の実力に脱帽



すごい。やはり国家の存続がかかった緊張状態を毎日続けて70年になる国は違いますね。イスラエルを敵に回したくないものです。

Meet the Israel Air Force unit that frankensteined a totaled F-15

F-15二機の使用可能部分をつなぎ合わせて一機再生してしまったイスラエル空軍
By: Barbara Opall-Rome, May 15, 2017 (Photo Credit: Photo by Heidi Levine)

TEL NOF AIR BASE, Israel – ボーイングロッキード・マーティンなど米企業がさじをなげたことをイスラエル空軍第22補給処が普通にやりとげてしまった。
  1. 2011年の事故でボーイングが喪失扱いと断念したF-15Bアローヘッドが飛行再開している。来月で事故から6年になる。事故は離陸直後にペリカンを空気取り入れ口に吸ったことで大火災が発生した。乗員2名は緊急着陸に成功したが、機体後部は完全に焼け落ち修理不可能と判定された。
  2. その後三年余り、機齢35年の同機の処遇で議論が続いていた。機体の前方部は無傷なのでコックピットとエイビオニクスは予備部品にすればよいという声が出た。そこに第22補給処が前方部分と20年間も「機体の墓場」に放置されたままの単座型F-15の後部と接合する提案をしてきた。
  3. 「その案が出たのでボーイングに実施可能か照会したが、答えは返ってきませんでした」と第22補給処の指揮官マキシム・オルガド中佐がDefense Newsに語っている。「再度同社に聞くと、冗談と思って真剣にしなかったと判明したのです」
Arrowhead第22補給処は事故機の前方部分と20年間も「機体の墓場」で放置されていた別の機体の後部を接合した。 Credit: Photo by Heidi Levine
  1. ボーイングは声明文で第22補給処との協力関係は40年続いており、イスラエル空軍F-15の即応体制維持の一助となっている「同部隊のプロ意識や能力の高さには敬意を払っており、教えられることもあり相互に恩恵が生まれている」と述べた。
  2. 第22補給処の航空機技術部門の責任者ハイム・ミルンゴフ中佐は16年間の同部隊勤務を振り返り、大損傷を受けた機体「7機か8機」を現場復帰させているが、すべて同社が全損判定していたという。
  3. 先のアローヘッド機の例で言うと尾翼番号の122は焼け落ちた機体の番号110と機体を再生した同部隊の番号を組み合わせているとミルンゴフ中佐は説明。「複座機をそのまま捨てるのはもったいない」
Arrowhead再生し飛行できるようになった機体 Photo Credit: Israel Air Force
  1. オルガド中佐は総費用は百万ドル未満とし、部品代や人件費もすべて含んでの話だという。「同じ機体を調達すれば40百万ドルではすまないでしょう」
  2. 「他国なら廃棄して当然の機材を再生させる空軍は他にないでしょう。他国なら部品どり用ですよ。でもこれが本部隊の役目です。無駄な支出をする余裕はありません」
  3. 他にも無駄にできないのは時間だ。機体が毎日第22補給処にあれば作戦機材の即応体制が低いことになる。そのため第22補給処はボーイング、ロッキード、ベル他米メーカーとの連絡を欠かさない。
  4. メーカー案が空軍が設定した補修時間を超過すれば同部隊に1,300名ほどいる技術陣、機体構造専門家、ソフトウェア技術者等が解決のための次善策を探る。
  5. 「ロッキード、ボーイング両社とはいつも相談しています。知識の共有は合意事項であり、わが軍将校も米国に駐在しています。世界で機体をここまで過酷に取り扱う国はなく、欠陥が最初に出てくるのがここなんです。メーカーが先に問題を見つける場合を除けば、自分で解決策を見つけなくてはいけません」(オルガド)
  6. 中佐は別の例を出してくれた。2014年のガザ戦役でロッキードF-16のバルクヘッドに亀裂が発生した。「ロッキードは安全情報を出して、亀裂の点検前に燃料をすべて取り出せと伝えてきました。それだと一機に一か月かかります。全機点検すれば何年もかかります」
  7. そこでロッキードの連絡のかわりにオルガド中佐のチームは超音波試験装置で空軍の同型機すべての点検を三週間たらずで完了した。「われわれの解決策では分解作業を省略できました。一日で4機5機が点検できました。全機検査がおわると対応が必要な機材を対応の優先順位づけし、残りの機材はそのまま飛ばせました」
  8. だがそこで終わりではなかった。オルガド中佐によればロッキード・マーティンは亀裂が8ミリ以上見つかったバルクヘッドは交換の必要があると技術情報を改訂した。その場合該当機はバルクヘッド交換だけで18か月にわたり運用できなくなる。
  9. 「たしかにそのような亀裂は一部にありましたが、分解交換はしなかったです。かわりにハイムの部隊が補修方法を確立しました。メーカーは補修は不可能と言っていましたが、ハイム中佐の補修は効果があるだけでなく基地で実施できる点が大きいのです。補給処まで機体を移動する必要はないんです」
  10. 「そこで2014年7月にイスラエル空軍司令官アミール・エシェル処す砲が戦闘中の飛行隊基地を視察すると、即応体制が100パーセントになっていました。司令官は現地からこちらに電話をかけ当部隊の保全補修機能の高さを評価してくれました。もしメーカーの言う通りに補修を待っていたら飛行隊は戦闘に投入できなかったでしょう」
  11. ロッキード・マーティンはこの件について論評を避けている。
  12. イスラエル空軍に導入が始まったロッキードF-35アディール・ステルス戦闘機について、オルガドは第22補給処がここテルノフ基地内に大規模整備施設を建設中だ。一般的な保全活動は砂漠地帯の基地でもできるが、大規模整備は当初予定のイタリアではなくテルアヴィヴ南部のここでおこなうのだ。
  13. 「イタリアにもどこにも行きません。絶対に。各機はイスラエルに残します。いつ必要になるかわかりませんからね」(オルガド中佐)■