2018年4月14日土曜日

速報 シリア攻撃実施命令をトランプ大統領が下した

United States, France, And UK Begin Air Strikes On Syria (Updating Live)

The strikes come after days of conflicting reports, rapid diplomatic exchanges, and threats of retaliation from Russia.

GOOGLE EARTH

化学攻撃がシリアのドウマで報告されほぼ一週間経過しドナルド・トランプ大統領は英仏と協調しバシャ・アル・アサド政権との関連がある標的の攻撃を承認した。これまでも攻撃は間もなくと見られていたが、攻撃実施の発表は大統領が国民に直接語る形で発表された。

トランプ大統領が攻撃命令を出したのはシリア政権の化学兵器関連施設で、米軍に英仏軍が加わる。

もっと重要な内容はシリア独裁者アサド大統領の政権を標的とした作戦はこれ以上強い警告を送る必要がないと判断されるまで継続されるとトランプ大統領が述べていることだ。つまり、米国は同盟国とともに今後作戦を拡大しアサドを政権の座から引きずり下ろす、あるいは内戦終結を受け入れさせるまで続けるということだ。

今後作戦の詳細は都度お伝えしたい。■

2018年4月13日金曜日

シリアを攻撃する米ミサイルはロシアが迎撃するのか

化学攻撃があったのは事実としか思えないのですが、ロシアが関与していたと直結できるのかわかりません。むしろ北朝鮮が関与していたのではと思えてならないのですが、双であればロシアが否定していても不思議ではありません。英仏と協調しての攻撃に実効力があるのかわかりませんが、発射の時期は迫っているようです。英海軍は地中海から潜水艦ミサイル発射で対応するようですね。

 

 

Can Russia Really Shoot Down U.S. Missiles in Syria? 米ミサイルがシリア攻撃に投入された場合、ロシアに撃墜能力があるのか


April 11, 2018


トランプ政権はシリア国内の化学兵器による攻撃に対して対応するべきかを決定済みのようだ。米大統領は水曜日にミサイル攻撃は必至と述べている。

「ロシアはシリアに向けたミサイルはすべて撃墜すると言っている。ロシア、待ってろよ。ミサイルは新型で高性能かつ『スマート』でそっちへいくから」とツイッターで述べている。

これに対してロシア外務省はさっそく反応して米側が化学攻撃と報道される内容の痕跡の証拠を破壊しようとしていると非難。ロシア、シリア両政府はそもそも化学攻撃の事実はないと否定している。国際査察チームは火曜日の段階で現地調査の準備に入っていた。

ホワイトハウスは先週末にイスラエル発射の巡航ミサイル数発をロシアが撃墜したことを受け、ミサイル攻撃の実施を決定したようだ。

イスラエル日刊紙ハアレツはシリア・アサド政権に新能力が導入されたと観測している。

「これまでそのような報道がシリアから出ていたが、今回はロシアが発表しているのが異なる」と同紙は伝える。

イスラエル軍筋には異なる見解がある。

「イスラエル空軍元高官によればミサイル撃墜はさほど困難ではない。巡航ミサイルには重く比較的鈍足でレーダーで簡単に捕捉できる。別の元空軍関係者はシリア軍がミサイル迎撃を簡単に行ったとは信じがたいとし、今回は8発中5発が撃破されており、ロシア軍の高性能ミサイル装備S400等でなければ不可能なはずという」■

2018年4月6日金曜日

硫黄島レーダー改修で西太平洋の監視能力拡充をねらう

Japan to upgrade radar system on Iwo Jima

硫黄島のレーダー施設改修へ
Kosuke Takahashi, Tokyo - IHS Jane's Defence Weekly
05 April 2018

  
本の防衛省(MoD)は西太平洋での中国軍事行動の強化への対応として硫黄島レーダー装備の改修をする。

航空自衛隊が訓練用に現在使っている監視レーダーを改修すると、伊豆、小笠原地方をカバーした警戒統制機能が実現するとMoD広報官がJane'sに4月5日説明してくれた。

広報官によれば5億円を平成29年度補正予算から使い改修を進め、衛星通信装備でレーダーを日本本土に展開するJADGE(Japan Aerospace Defense Ground Environment)に接続する。■

2018年4月5日木曜日

航空自衛隊E-767は米国内で性能改修を受ける/ ボーイングが国防総省から契約交付された

Boeing awarded further Japanese E-767 AWACS upgrade contract

ボーイングへ航空自衛隊E-767AWACS改修の契約を交付

  
航空自衛隊のE-767AWACS四機はすべて改修を受け、米空軍他が運用中の707原型との親和性を高める。Source: JASDF


Gareth Jennings, London - IHS Jane's Defence Weekly
04 April 2018

ーイングへ64.8百万ドルで日本のE-767AWACS各機のミッションコンピューターシステム改修契約を交付したと米国防総省が3月29日に発表した。

海外軍事販売制度(FMS)を使い、日本のE-767全機のミッションコンピューター改修は総額125.7百万ドルとなる。E-767の能力改修はこれが第四次で、航空自衛隊保有のE-767四機の改修作業はオクラホマ州オクラホマシティ、テキサス州サンアントニオ、ワシントン州シアトルの各地で行われ全作業は2022年12月31日までに完了する。

これまで三次にわたる契約で航空自衛隊機の能力改修が行われ初回は1998年-99年成立のミッションコンピュータ改修で2014年12月31日に完成している。その他機体製造関連とミッションコンピュータ能力向上が2015年に公布され2020年まで作業が続いている。

現在実施中の作業には機体に改良型ミッションコンピューター、電子支援装備、 航空運航警告衝突回避装置、AN/APX-119敵味方識別(IFF)トランスポンダー、次世代IFFのUPX-440、自動識別装置、データリンクのアップグレードが含まれる。■

米海軍向けF-35Cの前方配備先として岩国基地が浮上

一番遅れてF-35運用を開始する米海軍はF-35Cをどう運用するのでしょうか。センサー中継機に登用するとの構想もありましたが、攻撃の先乗り部隊に使うのでしょうか。いずれにせよ岩国基地が重要度を上げるのは確かなようです。

 

Get Ready, China and North Korea: The F-35C Is Headed to Japan 中国、北朝鮮は心せよ。F-35Cが日本配備を控えている


April 2, 2018


海軍はロッキード・マーティンF-35Cを2021年以降に日本へ配備し、中国への抑止力効果を期待する。読売新聞の報道で海軍は海兵隊岩国航空基地に同機を配備するとした。

「空母航空隊CVW5はF-35CライトニングIIを2021年以降に受領する」と米海軍は読売新聞取材に答えている。「F-35C飛行隊は前方配備でMCAS岩国に配備される」

F-35CはCVW-5に配備中のボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネットと交代する。現在は厚木基地に置かれているが、厚木配属の機数を60機減らす過程が始まっている。

海軍がF-35C部隊を最初から岩国に配備するのは海兵隊がSTOVL型のF-35Bを同基地に先に配備しておりF-35C運用に必要なインフラが完備しているので別のインフラ投資が不要となるためだ。

F-35Cは空母搭載をUSSカール・ヴィンソンで2021年開始する。海軍は正式な実戦能力宣言を2019年の想定でブロック3Fソフトウェアの実用テストが続いており、作戦能力獲得は2018年末と見込む。

「F-35事業全体のIOT&Eは9月に始まるので海軍向けF-35CがIOCを実現するのはIOT&Eと関連しつつ実証結果が出てからとなる。3Fの威力をIOT&E段階で確認するが、2019年2月の目標まで時間が足りないのも事実」とデイル・ホーラン少将(共用打撃戦闘機の艦載運用推進責任者)はUSNI Newsに買っている。「DoDとしては新型機をテストドライブしているようなものだ」

ただし海軍はF-35Cの作戦能力獲得宣言がわずかに遅れても2021年予定のカール・ヴィンソン搭載へ影響が出るとは見ておらず、同様に日本配備にも影響は出ないと考えている。「配備への影響が大きく出る要素は考えられない」とホーラン少将はUSNI Newsに語っていた。「新型機を艦隊に導入するのは常に複雑な作業だ」

F-35Cの日本配備が2021年以降にずれ込むこともありうる。日本は中国、ロシア、北朝鮮に近く、同機配備が実現すれば他国への抑止効果が強まる。ただし、必要ならF-35Cは上記三国に侵入し攻撃する強力な戦闘攻撃機にもなれる。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.


2018年4月4日水曜日

クウェイト向けF/A-18EE/F売却契約成立で喜ぶボーイング

閑古鳥状態だったスーパーホーネットがここにきて結構な受注を得ており、生産ラインは一気に2030年代まで維持できそうな気配です。日本も派生型EA-18Gを購入するんでしたね。


Boeing Awarded $1.16B Super Hornet Contract for Kuwait Fighter Program ボーイングのクウェイト向けスーパーホーネット契約11.6億ドルが成立


By: Sam LaGrone

April 1, 2018 9:58 PM

Two U.S. Navy F/A-18E Super Hornets on March 9, 2018. US Air Force Photo


ーイングが首を長くして待っていたクウェイト向けF/A-18E/Fスーパーホーネット28機の売却契約11.6億ドルが交付されたことがペンタゴン発表資料で判明した。

内訳は単座E型22機と複座F型6機でクウェイト空軍で供用中のF-18Cホーネット27機と交代する。

公表資料によれば契約ではレーダー警戒装置および兵装類も含む。ボーイングは手付金275百万ドルを受け取り2022年までに作業を完了する。

国務省は議会に対してクウェイトによるスーパーホーネット40機購入の意向を2016年に通告していた。


「戦略的パートナーとしてクウェイトは地域内安定の維持に欠かせない。F/A-18E/Fスーパーホーネット調達で米軍との共同作戦体制が拡充され、訓練のみならず将来の共同運用で域内安全の確保という共通目標の実現に迎うことが可能となる」

クウェイト以外にスーパーホーネットにはフィンランド、インド、スイス、ドイツ向け販売の可能性が生まれており、さらに米海軍にも追加購入の動きがあり、さらに海外向け販売が成約すればミズーリ州の生産ラインは2030年まで維持できそうだ。


契約成立でミズーリ州ヘイゼルウッド(総工程の47.2%)、カリフォーニア州ゴレータ(22.3%)、同州エルセグンド(20.1%)、の他テキサス、ミネソタ、アリゾナ、フロリダ、ニューヨーク、ニュージャージー、オクラホマの各州経済が恩恵を受ける。■

2018年4月3日火曜日

★近未来の戦場で勝敗を決する兵器をリスト化すると次の5つになった

5 Futuristic (And Terrifying) Weapons That Could Change Warfare Forever 戦争の様相を永遠に変える未来兵器はこの5種類だ





March 25, 2018

来の戦闘の姿を変える影響で最大の兵器5種類を選ぶのは困難だ。戦闘そのものの姿が絶えず変わっていくからだ。二大大国対立で通常兵力ゲームチェンジャーになる装備は非対称戦では使い勝手が悪いことがなる。例えばイスラエル軍がガザの戦闘員を相手に使用する装備がその例だ。


第五世代戦闘機がゲームチェンジャーになる可能性はあるがあまりの高速の一方現場上空に滞空できず市街地に潜む戦闘員の探知捕捉に不適であり、AK-47を携帯する敵に対抗するのでは費用対効果が劣る。ハイパーステルス装甲と軽量銃で武装した特殊作戦部隊に「インテリジェントな」小口径弾を使わせた方がはるかに経済的だ。


次の課題は兵器開発革命をどう定義するかだ。破壊力と殺傷力だけで威力を測っていいのか。あるいは逆に人的損害は最小限にしつつ交戦目的を達成できるかで装備を比較すべきなのか。どんな兵器なら敵の軍事行動を無力にし従来型兵器を無用な存在にできるのか。


以上を念頭に戦闘の本質をシナリオ的にとらえて兵装のリストを示した。大部分がまだ開発段階とはいえ、投入されれば戦闘の様相を変えるはずだ。リストが不完全なのは承知の上で今後の世界に影響を与えそうな戦闘のトレンドをつかみとていただけば幸いだ。


5. 「ハイパーステルス」別名「画期的ステルス」
科学陣は光波を捻じ曲げるメタマテリアル素材の開発を進めており、熱・視認性双方で大きく被探知性を下げることが可能になる。原理はかなり単純なため懐疑派は納得せず本当に見えなくなれば信じると言っている。「適合型カモフラージュ」がこのような素材で可能となり光を曲げる。


このような技術開発の軍用用途は明白で一般歩兵から特殊作戦部隊まで戦闘部隊が敵領土内で探知されずに活動できるようになる。あるいは探知されるまで時間を稼ぐ。このよ能力が実現すれば死傷者を減らしながら外科手術的な奇襲攻撃を仕掛けたり、敵をかく乱したり要人暗殺が可能となる。


カナダ企業がこの素材を米軍内で実証をしたとの報道があり、連邦政府の対テロ部隊も試行したといわれる。


もちろんこの素材がテロ集団の手に渡れば深刻な影響が生じる。


4. 電磁レイルガン
EMレイルガンは電磁場を使い飛翔体を発射し化学反応は使わない。時速4,500マイルから5,600マイルと高速飛翔が可能で射程も長大だ。技術は開発途中とは言え32メガジュール出力で100カイリ到達の実績も残している。


EMレイルガンの高速と長距離射程から攻守両面で利点が生れる。高性能防空体制のもとでも精密攻撃が可能だ。また通常型発射弾につきものの高性能火薬や燃焼性物質が不要となるのも利点だ。


海軍用EMレイルガン開発は2005年に米海軍研究本部が開始した。現在は連続発射「レップレイト」性能の実証段階にある。


米海軍はEMレイルガンの有効射程を64メガジュールで200カイリまで延ばす計画だが一回の発射で6百万アンペア(これはオーロラを天空に見せる電流よりも大きい)が必要で、これだけのエネルギーの実現に時間がかかりそうだし、ガンの素材が発射に耐えられるかも課題だ。


米陸軍も独自のEMレイルガン開発にむかっている。中国も開発中と言われ内蒙古自治区のBaotou砲撃演習場での衛星画像が2010年代末から出ている。


3. 宇宙兵器
宇宙空間の兵器持ち込みには国際批判が強いが、超大国は頭上の空間を次世代の戦場に変える技術開発を止める兆候がない。月面にミサイル発射装置を配備するとか小惑星のコースを変えて地上目標を攻撃するとか枚挙にいとまがない。すべてのシナリオが実現可能ではなく、SFの世界のままのものもある。だが技術上の突破口があと一歩のところまで来ている分野があるのも事実で戦争の姿を大きく変えかねない。


地球周回機を核兵器や非核の電磁パルス(EMP)で武装する可能性がある。EMP兵器を軌道上の衛星で作動させれば、電力網、衛星、指揮統制通信コンピュータ機能(C4ISR) を破壊し敵は軍事作戦遂行ができなくなる。EMP兵器の規模により攻撃効果は全土を対象にするか、外科手術的に特定の目標のみを選ぶことが可能だ。この兵器があれば敵が一発も発射できないまま戦争は終結する。情報化が進む米国に対してはそうだろうが、タリバンやハマスでは効果は疑わしい。


EMP兵器を低高度であるいは陸上発射ミサイルから作動させれば迎撃手段の前に脆弱となり先制攻撃効果も出せない。衛星に搭載したEMP兵器は普通の国家には手が出ない。さらに宇宙からの停電攻撃への対応時間はごく短く、狙われた国はEMP兵器の迎撃そのものが不可能となる。


ここ数十年間で出たり消えたりしているのが高出力の宇宙配備レーザー(SBL)で敵の弾道ミサイルを加速段階で狙うことだ。(これを加速段階迎撃BPIと呼ぶ) BPIの利点は速力が一番低い段階で弾道ミサイルを無力化して迎撃が成功する。


BPIとして投入中のイージスのような戦域大の迎撃は敵地近くに展開する必要があるが宇宙配備レーザーは高高度運用で標的となる国は迎撃が不可能だ。長距離弾道ミサイルさらに核ミサイルを入手する「不良国家」が増えるにつれSBL迎撃手段への関心は高まっており、予算が付きやすくなっており実現可能性が高まる。ただし、課題は軌道上でのメガワット級化学レーザーの実用化だ。


2. 極超音速巡航ミサイルと「即時汎地球攻撃」
極超音速巡航ミサイルが1990年代にあれば米国はアルカイダ首領のオサマ・ビン・ラディンをパキスタンまで待たずもっと早くアフガニスタンで除去できていただろう。


長距離でも正確に命中させる能力のある巡航ミサイルでずば抜けた効果が生まれる。だが勝敗が数分の差で別れる現代においてはあまりにも低速だ。対地攻撃巡航ミサイル(LACM)がアラビア海の米艦船から発射されアルカイダ訓練キャンプのあるアフガニスタンに到達するのに1998年には80分を要した。この攻撃はケニア、タンザニア両国での米大使館襲撃の報復攻撃だった。極超音速ミサイルがマッハ5+で飛翔すれば同じ距離を12分で飛翔したはずだ。これならテロ活動の主犯格の所在を突き止めた情報活動を活用して目的を達成できたはずだ。


いかなる場所でも迅速に攻撃したいとの思いから「迅速汎地球攻撃」構想が2001年に生まれた。ここからX-51A極超音速巡航ミサイル本体(HCV)が米空軍、ボーイング、DARPA、NASA、プラット&ホイットニー・ロケットダイン、米空軍研究本部推進機局の共同体制で実現した。ロシア、中国、インドが同様の性能の実現に向かっており一部には世界各地を攻撃可能な武器の開発競争になると警告売る向きもある。


米海軍が潜水艦発射型の極超音速ミサイル開発を目指しているとの報道がある。


1998年事例が示す通り、汎地球攻撃にはいろいろな狙いがある。敵国家の首脳陣を排除する攻撃、指揮統制機能他高価値目標の攻撃、外科手術的攻撃を地上の情報収集内容に基づいて実施することがある。高速度飛翔で地形を縫うように飛ぶ巡航ミサイルの迎撃は従来型防空装備では難易度が高く攻撃側の優勢度が高くなる。


1. 「意識ある」無人機
過去10年間でもっとも重要な開発内容は無人機の台頭だろう。技術の進展で無人機はこれまで有人機の独壇場だった任務を急速に実施できるようになった。無人航空機(UAV)の進歩で生身のパイロットはいつの日か無用の存在になると見る専門家もある。


今日の無人機は爆弾投下機材から海中ミニサブ、艦載偵察ヘリコプターから高高度飛行暗殺機材にいたるまで口のきけない存在で人員の介在が必要となる。機材の大部分は遠隔地から人員が操縦している(ただし自律化も増えている)が、ミッションの中核要素は標的補足からヘルファイヤミサイル発射の決定までやはり人員の介在が前提だ。


だがこれが一変する日がもうすぐ来そうだ。科学陣は人工知能の応用を進めており、無人機が独自に生死を分かつ「決断」を自ら下す日が来る。もちろん無人機はロボットであり、人間と同程度の知能はないし、意識があるとも言えない。だが演算能力の高まりでマシンが状況把握能力を身に着け状況適合能力も実現するだろう。こうした性能は引き続き向上していくのでいつの日にか無人機が「打ちっぱなし」兵器になる日が来ないとも言えず、生身の人間を超えた注意力の持続が現実になる可能性がある。長時間滞空しながら状況が許せば一秒単位で攻撃判断をする。さらに戦闘をマシンに任せ生死を分かつ決断をさせれば高まるばかりの人員の訓練費用や軍に定着させるコストの上昇を相殺できる。


ロボットに殺人許可を与えるのがビデオゲームの様相を示してきた戦争で次の論理的展開となる。そうした装備を配備すれば加害者と被害者の違いがはっきりし、武力行使の心理的抵抗が減る。無人機に戦闘任務をさせる決定が下れば、可能な限りその投入を「自由に」させたくなるはずで、早く対応した側が武力対立で有利になるはずだ。■

J. Michael Cole is a Taipei-based journalist, a Senior Fellow at the China Policy Institute University of Nottingham, a graduate in War Studies from the Royal Military College of Canada and a former analyst at the Canadian Security Intelligence Service.

2018年4月2日月曜日

★★台湾はF-35Bを2000年代初頭から求めていた。F-35Bが台湾に必要な理由のおさらい

今年中にトランプ政権からなんらかの答えが出るのではないでしょうか。北朝鮮に比べると中国の軍事力の方がはるかに強力でたちの悪い勢力になっているのは明らかで、台湾は最前線ということですね。日本もうかうかしていられないのですが。仮に台湾向けF-35B供給が販売かリース化で実現したとしても生産が間に合わず先に日本向け機材が完成していたら、また台湾情勢が風雲急となれば日本は台湾に機材を提供する懐の深さを示せるでしょうか。



Here's Why Taiwan Wants America's F-35 これが台湾がF-35を求める理由だ





March 31, 2018


米上院の有力議員二名が連名でトランプ政権にF-35共用打撃戦闘機の台湾への売却を求めている。
3月26日付の書簡でジョン・コーニン、ジェイムズ・インホフェ両議員がF-35Bの台湾売却を政権に求めた。無理ならF-16Vを売却すべきと主張している。
「F-35Bとその搭載する長距離センサーで台湾は中国のミサイル迎撃が可能となり、抑止力を2020年代も有効に維持できる。F-35Bは第五世代戦闘機と言うだけではなく、次世代の継戦能力を強化する効果がある」と両議員は述べている。書簡は米台ビジネス協議会が公開した。「ただし、F-35Bの台湾向け提供が時期尚早と判断される場合はF-16Vの追加提供で質量ともに台湾の戦闘機部隊の能力向上を実現することを期待したい」
書簡はいきなり出現したわけではない。台湾はF-35B導入の意向から照会を2002年から始めていた。その時点でDefense Newsによれば台湾はペンタゴンにF-35B導入の場合の価格および機材調達可能性の照会を当時の台北経済文化代表部(台湾の事実上の在ワシントン大使館)の国防調達部門長Wang Chi-linの署名入りで発送していた。
F-35Bが実戦配備に近づいた2017年春に台湾は改めて米国に同機売却を迫り、台湾国防相が公式に同機調達の意向を米国に示そうとしたとの報道がある。実際に台湾が公式要請を発出した形跡はないが、逆になぜそうしなかったのかはっきりしない。今でも台湾は同機導入を狙っており国防相Yen Teh-faは国会で「F-35には垂直離着陸能力があり台湾空軍当局の要求水準を満たす。実際に本件は米国に提起ずみだ」と答弁している。
台湾がF-35Bを指名する理由は理解できる。台湾国防省によれば中国には弾道ミサイル1,500発が台湾に照準をあわせている。またRANDコーポレーションの研究によれば台湾国内のジェット戦闘機運用可能な滑走路全部の破壊に必要な弾道ミサイルは155発ですむという。これに対して単距離陸垂直着陸可能なF-35Bは有事の際に短時間で各地に分散展開できる。これがあれば機体を無駄に地上で破壊されずにすむ。F-35Bなら台湾各地の短い民生用滑走路から運用できる。
F-35Bには別の効果も台湾で実現する。National Interest で今年1月に「同機のステルス性能があれば敵機多数と遭遇しても残存の可能性が高い。また強力な電子戦能力で敵レーダーを探知妨害でき台湾側機材が有効に戦闘しつつ残存できる」とマイケル・マッザとゲアリー・シュミットの両名が寄稿していた。
台湾の現有戦闘機部隊はF-CK-1、F-16、ミラージュ2000で構成される。このうち国産のAIDC製F-CK-1經國號戰機は1989年に配備が始まり、130機が生産され、近年も改修が続いている。Aviation Weekは「F-CK-1/Dの49機が改修を終えており、残る95機が改修待ちでF-CK-1A/Bのままだ。台湾空軍は改修予定を口にしているが結局何機が対象かは不明だ」とまとめていた。
米国はF-16A/Bブロック20計150機の売却で1990年代に合意していた。オバマ政権当時に台湾から新型F-16C/D66機購入の要望が出たが、米側が口を濁し結局導入済みF-16およそ140機の改修でF-16V仕様にすることで話がまとまった。改修ではアクティブ電子スキャンアレイ方式のノースロップ・グラマンAN/APG-83 拡張型アジャイルビームレーダーがある。台湾はフランスから1990年代末にミラージュ2000を60機導入し、現在も55機を供用中で、これについても近代化改修を模索している。さらに新型国産戦闘機開発の話もある。
台湾は中国本土からの圧力をここにきて強く感じている。中国軍の装備近代化ならびに高圧的な行動がその理由だ。コーニン議員も「1950年代以来初めて中国が台湾を対象にした戦闘能力を装備近代化で獲得した」と指摘している。
中国は台湾近辺に軍用機を飛行させることが増えている。War on the Rocksで昨年9月に出た分析では「戦略爆撃機の台湾周回飛行が2016年末に二回行われ、その後テンポがあがり、5回の周回飛行が行われている」とある。まだこの飛行は続いており、先週も実施されたばかりだ。
トランプ政権が両上院議員の要望をどう処理するかはまだわからない。■
Zachary Keck (@ZacharyKeck) is a former managing editor of the National Interest.

Image: Wikimedia Commons

2018年4月1日日曜日

米北太平洋岸を守る州軍F-15の訓練状況

ポートランド国際空港にはF-15部隊もいるのですね。那覇空港みたいですが、一度オレゴン州に行ってその姿を見たいものです。イラク、アフガニスタン戦では州軍もかなり動員されており、航空隊もその例外ではないようです。


This Is What It Looks Like When You Get Intercepted By An F-15C EagleF-15Cイーグルの迎撃をうけるとこうなる
ポートランド配備のF-15は太平洋北西部米本土の防空が任務でイーグルが横を飛ぶときは何かまずいことになった証拠

Portland based F-15s are tasked with protecting the skies over the Pacific Northwest, and if they show up off your wing, you did something wrong.


BY TYLER ROGOWAYMARCH 29, 2018
VIDEO SCREENCAP
142戦闘航空団はF-15イーグルの精鋭部隊だ。オレゴン州ポートランドに基地を有し、常時警戒態勢を敷き、スクランブルに備え民間航空機の非常事態にも対応するが、敵巡航ミサイルが海上発射された事態に備え、さらに「外来」飛行目標にも対応する。そのため隊員は独自の手順と技術を訓練され各種対象機材への対応に備えている。
F-15Cは離陸時重量が50,000lbs超でプラット&ホイットニーF100ターボファン双発が推力47,500lbをアフターバーナー付きで発揮する。わずか数千ポンドの機体で160hpピストンエンジンしかないセスナ172とは比較にならない。このためイーグルドライバーは小型機を相手に安全かつ効果の出る迎撃の実施に苦労することになる。
これを念頭に州軍航空隊は常時各種標的を想定した訓練を行っており、空で迷う軽量機のパイロットが侵入禁止空域に入るたびにスクランブルが発生している。訓練の想定ではセスナ機を民間航空パトロール部隊の提供で使っている
そんな迎撃の様子を映像で見てもらいたい。

映像は民間航空パトロール隊のパイロット、マイケル・クラリーが撮影した。イーグル隊の餌食にされたのは昨年6月だ。そのときの経験をマイケルは次のように語っている。
「2017年6月25日、29日予定のフェリックス・キーノート演習への参加を打診された。ミッションではセスナを「制限空域」に飛ばしてポートランド州軍航空隊のF-15がスクランブル迎撃するものだ。喜んで参加したいと申し上げた。
オレゴン州ベンド近くに移動するといきなり9AMまでにF-15隊がこっちにやってくるという話だった。9:05になり4時と8時方向にF-15二機がこちらへゆっくり近づいてくるのを視認した。
むこうはこちらが制限空域に侵入した問題の機体だと確認した。交信で三度繰り返し「赤、白、青のセスナN101SPへ制限空域に侵入中。左旋回し230へ進路変更してください」との呼びかけを聞いた。
今回は交信はすべて無視する指示だったので三回も呼びかけがあったがそのまま飛ぶと左翼のすぐそばまで両機が近寄ってきた。それでもこちらは交信に応じなかった。あちらは姿を消した。それから数分間姿を探そうとしたら、突然こちらのセスナの真正面に現れ、こちらの進路を変えさせようとした。
すごい体験だった。あれだけ鼓動が早くなったがまたやってみたい」
映像では142戦闘航空団の機体が低速ハイアルファ通過飛行をマイケルのセスナにかけたのがわかる。その後アフターバーナーを燃やし再度接近した。マイケルはイーグルの雷のようなエンジン音をセスナ機内で聞くのは妙な体験だったとWar Zoneに語っている。
TYLER ROGOWAY/AUTHRO
142飛行団のイーグルがPDXへ帰還中

州軍イーグル部隊は米国の領海近辺も同時に守る。マサチューセッツ、フロリダ、ニューオーリンズ、カロライナ、オレゴンの5個飛行隊が米国の空の守りの最前線だ。各機には高出力AESA戦闘機用レーダーAPG-63V3が搭載され、スナイパー目標捕捉ポッドもあり、長距離で敵味方識別が昼夜問わず可能だ。
FAA

同ポッドは安定した望遠光学画像を実現し、レーダーと併用して対象機のIDを視程外で識別できる。その他改修作業も実施中で随時その内容はお伝えしているとおりだ。
142ND FIGHT WING
ポートランド国際空港で緊急投入訓練で隊列を組みタキシー中のイーグル隊

142戦闘航空団はブリティッシュコロンビアから北カリフォーニアまで広大な空域の防衛についており、実際の演習では配備中21機のうち13機を24時間以内に投入可能にしたことがある。各機が30年以上の経年機であることを考えるとこの実績はすごい。
それでも各機はF-15C/Dで最新の機体である。USAFの戦闘機飛行隊は2003年以来縮小傾向にあるため州軍イーグルは海外で危機発生の場合には短時間で展開を求められる。
州軍航空隊は週末だけ戦士に変身する集団で、旧式機を飛ばしながら実際に投入されれば世界の終わりの事態なのか。実態はその逆でペンタゴンの航空戦力で最前線部隊だ。■
A special thanks to our friend and aviation photographer Paul Schweizerhof for pointing us towards Michael's video.
Contact the author: Tyler@thedrive.com