2021年1月20日水曜日

こんなはずではなかった....オーストラリアがフランス設計次期潜水艦建造の難航に直面。代替策に現行コリンズ級の改修案が浮上するとは。

 案の定というか、オーストラリアが今になって選定の誤りを思い知らされているようです。日本がいまさら口を出す問題ではないのですが、おなじQuadのメンバーでもあり、無視もできません。でも、改コリンズ級といっていますが、そもそもコリンス級が期待はずれなので次代艦に期待していたと理解しているのですが.....オーストラリア国内の産業問題もからみ、解決は簡単ではないようです。

ーストラリアのアタック級新型潜水艦12隻建造計画が難局に直面している。フランス設計の通常型潜水艦建造費用が巨額になり、当局は供用中のコリンズ級6隻を改修する案に変更すべきか検討中だ。

Australian Financial Review 誌によれば、オーストラリア政府はナヴァルグループ(フランス)との契約を破棄する案を検討中だ。旧社名DCNSとして同社はコリンズ級後継艦としてショートフィン・バラキューダブロック1A案で2016年受注に成功した。その後、アタック級の名称が付き2030年代初頭の運用開始を目指し、AN/BYG-1潜水艦ペイロード制御など米製システムを搭載する。

DCNS

オーストラリア海軍向けアタック級潜水艦の想像図。


スコット・モリソン首相はアタック級建造事業に不快感を強めていると言われ、「コスト急増と期日の不遵守」からオーストラリア国防省とナヴァルグループの緊張が高まっていると同誌は伝えている。事業は現在690億ドル規模との試算だ。2016年のナヴァルグループ選定時には400億ドル予測だった。モリソン首相とフランス大統領エマニュエル・マクロンとの公式議題にまでなった。フランス政府はナヴァルグループの主要株主でもある。

「この潜水艦が建造できる保証がない」と匿名筋がAustralian Financial Review に明かしている。「ナバルグループが設計作業を仕切り、知財権はフランスが握り、オーストラリアは当惑するのみだ」

オーストラリア産業界の関与についても懸念が解消されていない。12隻はオーストラリア南部の押すボーン海軍造船所で建造の想定だ。戦略パートナー取り決めによりコスト換算で60%の作業は現地側になるとある。ただし、国防省とナヴァルグループの協議は決着しておらず、昨年末に設定した解決も達成できなかった。

「国防省とナヴァルグループが満足の行く形で契約改定できないと、オーストラリア産業界、特に中小企業は同事業に公正かつ意味のある形で参画できなくなる」とオーストラリア産業国防ネットワークを主宰するブレント・クラークがAustralian Financial Reviewに語っている。

実は同事業の難題はこれより前からあった。原契約ならびにオーストラリア政府とナヴァルグループとの交渉から大きなトラブルが発生し、政府による直接の事実照会に至らんばかりの状況になっていた。

アタック級にかわり、オーストラリア政府は現地子会社のナヴァルグループ・オーストラリアにコリンズ級を原型とした新型潜水艦を建造させる案を検討している。コリンズ級の就役開始は1996年だった。フランス親会社の管理をある程度緩めればコストが下がり、事業の透明度が高まるとの期待がある。ただし、この代替設計でアタック級と同等の性能を実現できるかは不明で、どこまで性能や機能が妥協になるかもわからない。

AUSTRALIAN DEPARTMENT OF DEFENSE

コリンズ級のHMASコリンズ、HMASファーンコム、HMASデシェノー、HMASシーンがオーストラリア西部に揃った。


アタック級事業は詳細設計段階に入っており、ショートフィンバラキューダIA原設計をオーストラリア版にする。Australian Financial Reviewではこの段階の作業で19億ドルかかる予測が23億ドルに増加しており、事業の実現可能性に更に疑問符をつけているとある。

ではオーストラリアは今から改コリンズ級の採用に向かい、スウェーデン企業コクムスの協力を再開すべきだろうか。同社はSaabの子会社でコリンズ級の設計の知的財産権を保有している。Saab/コクムスはコリンズ級後継艦入札に参加していないが、高性能通常型潜水艦建造では豊富な知見があり、ゴットランド級という高性能艦の建造実績もある。同艦は大気非依存型推進(AIP)方式を採用し、スウェーデン海軍に納入されたが、米海軍も2000年代中頃に同艦を借りアグレッサー潜水艦として運用したことがある。

改コリンズ級構想は前からあった。2015年にコリンズ級後継艦構想を絞り込んだが、オーストラリア国防省はコリンズ級改修案は不採択とし、費用投入のリスクに似合わないためという理由だった。

だがAustralian Financial Review 記事には国防相リンダ・レイノルズはSaabとアタック級代替策をめぐる交渉開始を否定していないとある。コリンズ級の設計会社としてコクムスにはオーストラリア潜水艦建造会社との関係が今も残っており、同級の供用期間延長を実現できる立場、というのが国防相の説明だ。

たしかにコクムスはコリンズ級の供用期間延長でオーストラリア海軍に関与しており、アタック級代替手段の実現可能性は実際に存在していることになる。

改コリンズ級には別の顧客もありそうだ。Saabはオランダ向けに新型潜水艦建造を企画中で、オランダの要求水準にはオーストラリアに通じるものがある。オーストラリア、オランダ両国が改コリンズ級設計案を採用すれば、コスト面で規模の経済効果が生まれそうだ。

U.S. NAVY

オランダ海軍のウォーラスは2025年に退役予定で、ナヴァルグループ、Saab、ティッセンクルップが採用をめぐり競合している。

オーストラリア海軍には同国の戦略通商海上輸送路をインド太平洋で確立するべく高性能潜水艦が必要だ。インド太平洋では対立の火種が多く、戦略地点も数多く存在する。オーストラリアの防衛予算は質量両面で域内大公国への優位性を確保する主眼で立案されており、とりわけ潜水艦部隊は南シナ海のパトロールを期待されている。

コリンズ級後継艦建造は研究開発、戦闘システム統合、国産建造準備、支援設備の整備など含め一隻あたり価格は80億ドルになるとの試算があるが、正確なものではない。オーストラリアがそもそもまちがった選択をしたと言える。2016年にナヴァルグループが落札した時点でThe War Zoneのタイラー・ロゴウェイは以下伝えていた。

「AIP性能を備えたディーゼル電気型潜水艦の単価はドイツのティッセンクルップから直接購入すれば5億ドルから7億ドルだろう。イスラエルのドルフィンII級がやはり5億ドルだ。だがショートフィンバラキューダはドルフィンIIを上回る艦容で戦闘機能や性能が追加されている。もっと重要なのは本国以外の地で建造する新型艦となり、アメリカ製戦闘装備も搭載することだ」


確かにアタック級の艦容の大きさがコストに反映される。ただし、オーストラリア海軍は大型潜水艦の運用実績がある。現行コリンズ級は排水量が3,500トンで、アタック級は4,000トン超の予想だ。詳細な諸元は不明だが、アタック級は全長295フィートで、コリンズ級は254フィートだ。他方でドイツの216型は選定から漏れたが価格は半額でもアタック級並の大きさだ。

この時点ではアタック級の詳細は不明のままだが、長距離運用を必要に応じ高速潜航できるよう修正されるはずだ。推進方式は不明だが、フランス製燃料電池を採用するとの噂がある。新技術バッテリーの搭載も検討されており、日本が採用したリチウムイオンバッテリーだろう。

オーストラリア海軍の要求内容による潜水艦は原子力潜水艦並みの性能を通常型推進方式で実現するものだった。そこでショートフィンバラキューダIAの採択は原子力推進型バラキューダを原型として理屈にかなっていたとも言える。ただし、採択によりオーストラリアの要求内容を満たす潜水艦となるはずが、とんでもない価格の艦になってしまった。フランスは自国向けバラキューダ級6隻に102億ドルを投入しており、補助金が入っているとはいえ、オーストラリアの690億ドルという事業規模と明白に異なる。米製装備の追加でオーストラリア艦がさらに複雑になればコスト上昇の可能性が残る。

オーストラリア政府が高性能フランス設計の潜水艦部隊整備に費用負担の覚悟があるのか、それとも低価格選択肢に変更する意向なのかがこれからの注目点だ。■

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Australia Reportedly Looking At An Alternative To Its Costly New French-Designed Submarines

BY THOMAS NEWDICK JANUARY 19, 2021

 



中国がインドネシアの戦略地点で傍若無人な水中調査活動を行っているのはPLAN潜水艦作戦に資するデータ収集が目的か。神経を高ぶらせるインドネシア

 


HI Sutton Image

 

国政府の観測船がAIS(自動位置情報システム)を切ったまま航行しているのをインドネシア政府が見つけた。インドネシアでは中国の無人水中機(UUVs)が見つかっており、関連を疑う声が出てきた。

 

観測船向陽虹Xiang Yang Hong 03は1月6日に海南島の三亜を出港している。インドネシア沿岸警備隊がスンダ海峡付近で同船を停船させたのは1月11日の週のことだった。重要地点の同海峡を通行する船舶はすべてAISを作動させることになっているが、向陽虹03はAISが故障したと説明したと記事にある。

 

「インドネシアは同海峡を通過する全船舶にAISを作動させるよう求めており、海洋観測の実施は禁止している」とAsia Timesが伝えている。

「海洋保安庁は向陽虹03は発信機を2回切り、南シナ海南端のナトゥナ諸島を通過し、その後カリマタ海峡に入った」

 

12月に中国製Sea Wing UUVがインドネシア領海内で見つかったのを受け、当局は同船を停船させた。近隣で少なくともSea Wing4機が見つかっている。この種のUUVは海流、音響、海中環境の測定に使われる。浮上潜水を繰り返す可変浮力で前進する。こうした水中グライダーは各国が利用している。

 

Undated photo of Xiang Yang Hong 03

 

グライダーが集めたデータの科学調査への活用に問題はない。だが軍事情報収集も可能で、潜水艦作戦を助ける。同様に水上艦のセンサー、サイドスキャンソナーや遠隔操縦機(ROVs)も活用できる。観測船が軍事情報収集に従事することも普通だ。

 

今回の発見から中国がインドネシア周辺海域の調査を進めていることがわかる。PLAN潜水艦に関連することだろう。スンダ海峡はロンボク海峡、マラッカ海峡と並び南シナ海とインド洋を結ぶ戦略的水路だ。すべてインドネシアの領海がからむ。PLANがインド洋で活動を強化するためには、広範囲の観測から最も安全な経路を選ぶ必要がある。

 

向陽虹03はインドネシア周辺さらにインド洋をしばしば訪れていることがMarineTraffic.comのAISデータで判明しており、ここ2年間でインド洋に数回移動している。

 

2019年11月に同船はスンダ海峡からインド洋に入り、インドネシア西端で海洋調査を展開し、ベンガル湾に移動した。同地区はインド・オーストラリア両海軍の潜水艦作戦で重要と言われる。2020年11月には再びインド洋入りしており、アラビア海の調査に従事している。

 

向陽虹03が潜水艦作戦に直接つながる調査にあたったのか、別の情報活動あるいは正当な科学研究調査に従事していたのか確定は困難だが、中国の意図について疑問が出てきたのは確かだ。

 

 

この記事は以下を再構成したものです。中国の動きに周辺国が神経を高ぶらせているのが感じられますね。同じことを日本領海で行っていない保証はなく、中国に厳しい視線を向け続けていかないといけませんね。

 

 

Chinese Survey Ship Caught ‘Running Dark’ Give Clues to Underwater Drone Operations

https://news.usni.org/2021/01/16/chinese-survey-ship-caught-running-dark-give-clues-to-underwater-drone-operations#more-82798


By: H I Sutton

January 16, 2021 11:48 AM


2021年1月19日火曜日

1月20日大統領就任式典を前に展開された首都上空の防空訓練ファイティングヴァーゴとは

 


資料写真 D.C.州軍航空隊のF-16Cがセスナ182をエスコートしている。アーマゲドン20-4の実機飛行演習が行われたテネシー州で2019年11月21日に撮影。(Air National Guard photo by Senior Master Sgt. Craig Clapper)

 

「ファルコンヴァーゴ」演習はワシントンD.Cの空域管制・制御を目的に繰り返し実施されている。


「ファルコンヴァーゴ」演習が米首都上空で1月14-15日展開され、1月25-26日にも実施される。北米防空司令部NORAD発表では「通常の防空演習」とあるが、この演習は「制限空域進入、ハイジャック、未確認航空機対応など各種シナリオを展開する。他のNORAD演習同様に慎重に立案され、緊密な統制のもと実施する」とある。

演習には米陸軍のセスナUC-35A双発機、米海軍のキングエア300、沿岸警備隊MH-65Dドルフィンヘリコプター、民間航空パトロール隊のセスナ182小型機の他、空軍のF-16ファイティングファルコン戦闘機を動員する。関係者によれば戦闘機が高度2,500フィートまで降下し、地上からも視認できる場合もあるという。

ファルコンヴァーゴ演習は繰り返し実施し、ノーブルイーグル演習を支援する形となる。ノーブルイーグル演習では「カナダ、米国上空の空域の監視統制を重視する」とある。NORAD広報資料では「同演習はNORADの通常訓練の一環」とある。

NORADの防空演習ファルコンヴァーゴに参加したDC州軍航空隊のF-16機

 

今回の演習が関心を呼ぶ理由がある。各種航空機が本土の安全を支援するべく動員されることもそのひとつだ。2001年9月11日以前に米国東部を舞台とした統合防空演習が関心を集めることは皆無といってもよかたった。沿岸警備隊機材も本土防衛ほか国境警備の支援にあたることも興味深い。

民間航空パトロール隊のセスナ182T軽飛行機が加わることから空域警備の実施訓練に加えSMI(低速移動機への対応)訓練も想定しているのだろう。

2019年11月18日-22日に実施された先回の演習「アーマゲドン20-4」はテネシー州ノックスビル近郊のマギータイソン空港を舞台に民間航空パトロール隊の軽飛行機を応答なく制限空域へ侵入する機体に見立てた。この際はF-16ファイティングファルコンが首都地区州軍の113航空団から発進し、警戒確認・エスコート飛行を民間航空パトロールのセスナ182Tを対象に実施した。■


この記事は以下を再構成したものです。


NORAD Conducts Planned “Falcon Virgo” Air Defense Exercise Over Washington D.C. Area.

January 14, 2021 Military Aviation

TOM DEMERLY


2021年1月18日月曜日

F-35のライフサイクルコストは負担不可能なのでNGADに期待せざるを得ない、と退任(?)間際のローパー空軍次官が見解を示した。その他、デジタルエンジニアリング、ABMS、空軍の価値観を語る。

 



F-35


F-35のライフサイクルコストが法外な水準なままのため、空軍は必要とする機数の調達ができない、このため次世代制空機(NGAD)が重要になると空軍で調達を仕切ってきたウィル・ローパー次官が退任を前に報道陣に語った。


「F-35事業は持続不可能だ。大量調達可能な価格水準からも遠い」


「このため次世代制空機が重要となる。戦闘に必要な装備を揃えた次世代戦闘機になるだけではない。調達の仕組みを根本から変えるだけではない。F-35より維持が容易な機体を実現する機会となり、現実にF-35の飛行時間あたりコストが下がっていない」


ローパーは1,763機のF-35調達構想を縮小すべきかの議論には与しない。「だがそれだけの規模の機材を維持できる価格水準でないことは確かだ。今後数年間がF-35事業の運命を決めるだろう」


NGADの実現を早め、実戦に耐える戦闘機部隊を整備すべきと言おうとしているようだ。


「(NGADの)今後には大きな期待があるが、最悪の事態想定で仕事したくない。空軍にTacAirポートフォリオを提供し選択肢を与えており、ボールは空軍にある」


ローパーの説明では空軍戦闘機は開戦当日から制空権確保の役目があり、「初日に勝利できないとその他の軍部隊が戦闘に入れなくなる」からだという。このためF-35では投入可能機材の規模が問題になり、同時に性能水準も重要要素だと指摘する。


「水準についてはF-35は問題ないと評価は一致しているが、次のステップとなるブロック4機体に注目している。機体数は飛行時間あたりコストが本当に下がるかで変わるが、このコストが機体取得価格より重要で空軍の調達数そのものが問われかねない」


主契約企業ロッキード・マーティンはブロック4改修でコンピュータ処理速度を引き上げ、ミサイル搭載数を増やし、コックピットディスプレイを拡張し、航続距離を伸ばし、無人機との連携機能を実現するとしている。だが政府会計監査局はブロック4改修費用は15億ドル増加し今や121億ドルになると把握している。改修が何度も遅延していることがあり、監査局は質面に注目している。「F-35は現場で信頼性、整備性の目標を満たしておらず、事業が期待する品質の機体を納入できていないことが露呈している」と報告書にある。


「ブロック4改修は今も続いており、ソフトウェアのアップグレードを参考にアジャイル開発手法を採用したことで性能は向上し、継続改善と従来機と性能の差の拡大が続きます」とロッキード・マーティン社広報は述べている。


維持可能な価格が実現するかという核心部分についてローパーは「その他の戦術機投入の選択肢に訴求力があり、混合編成案など空軍には選択肢が複数あり、各社の競合、外部圧力が業界にかかり、向上を迫れている中で、唯一の事業ではなくなっている」と語る。


ロッキード・マーティンは「F-35の価格水準の重要性は生産、維持両面で理解しており、他では実現不可能な機能を従来型機材並み価格で提供しようと努力中」と広報は言う。「現在納入中のF-35の機体価格は性能が劣る第4世代機を下回り、維持費用もこの5年で4割下げました」


ローパーはF-35の際限ない問題発生により空軍のソフトウェア開発チーム、共用事業推進室、ロッキード・マーティンが「全員同じ方向に走り、同じペースなのに違う結果を出している」と評した。空軍のソフトウェア開発拠点の頂点、通称ケッセルランが「システム維持に全力を投入している」とし、ロッキード・マーティンが導入したトラブル続きの自動補給支援情報システム(ALIS)に代わるシステムをODIN(運用統合データネットワーク)として開発中だと述べた。「この事業には通常の枠を無視し空軍各所の組織を動員している」。


航空業界のアナリストとして経験豊富なリチャード・アブラフィアは「1,763機というUSAF向けF-35Aの数字が国防調達で虚構の存在として君臨してきた」と評し、空軍がそれだけの規模の調達予算をどうやっても工面できない反面で、NGADが代替策になるとも早々に言えないためとする。


「他事業との兼ね合いもあり単年度で購入可能なのは50機でしょう。これが20年25年続いても1,000機1,200機にしかならない」とアブラフィアはいう。「変動要因として次世代戦闘航空機が調達段階に入れば大きい。NGAD試作機が飛行すれば影響が現実になります。同機が完成し生産開始し、運用開始するまでの期間を検討する必要があります。ただし、F-35調達を縮小し、予算をデジタルセンチュリーシリーズに流用する構想には欠陥があるように聞こえます」


NGAD とデジタルエンジニアリング


Lockheed Martin Skunk Works concept art of a sixth-generation fighter

ロッキード・マーティンのスカンクワークスによる第6世代戦闘機の構想図



ローパーに成功を最も期待している事業はなにか尋ねると、本人はNGADとデジタルセンチュリーシリーズのモデルと答えた。


「具体的に言うとデジタルエンジニアリングをフル活用して次世代制空機を実現したい。というのは次世代戦術機の製造以上の意味があるからだ」と述べた。NGADではデジタルの限界、空軍・宇宙軍の限界にも挑戦する。ローパーは宇宙軍参謀総長レイモンド大将にもデジタル作業の全体像を説明しており、宇宙軍は衛星にデジタル作業を応用している。


「この動きで空軍にメリットが生まれ、機材全般にも良い結果が生まれ、宇宙軍では衛星打ち上げロケットの性能向上を期待している。うまいたとえがないが、大きな機会であることは確かだ」


「デジタルエンジニアリングはここ8年間での最大の変化」と強調し、「このため24時間デジタルエンジニアリングの最新動向を学び、空軍と話についていけなくならないよう努力している。これで来週にも幹部をひと押しする。その後は実際の作業で結果が出てくるだろう」


ABMS


空軍がトップ優先事項とする高性能戦闘管理システムAdvanced Battle Management System (ABMS)で最初の成果が出てくることをローパーは退任予定の1月19日以前に期待している。


「大統領就任式を控え、リリースワン取得戦略を承認するのが最後の仕事になる。あくまでも普通の形で普通の事業としてテスト日程を組み、全て通常通りにすすめる」とし、「調達としては目立つところはないが、最初となるとやり方も変えないといけない」


「リリースワン」とはABMSパッケージの最初の成果で「16-17種類」の「製品」で構成し、例としてクラウドワン、プラットフォームワンがABMS事業の「実地」試験でテスト済みであり、すべて「軍事装備システムの小型版インターネット」になるとローパーは述べている。


「クラウドがあり、デバイスを接続し、大規模アナリティクスもある。宇宙他各方面の運搬手段があり、モノのインターネットを利用できる。携帯電話中継塔に匹敵する手段で各帯域で各種デバイスにデータを中継する。空軍ではデバイスが各種業務をこなす手段になっており、敵に対抗していく」


中でも航空機動軍団の給油機が「空中中継塔の機能となっており、各種帯域をつなぎ、データを戦術機材に送信し、通信妨害や位置測定、航法、計時できない環境でも対応している」という。給油機にはデータ処理作成用ソフトウェアが搭載され、「事態の進展に合わせ適宜アクションを取れる」というが、ローパーはABMS機能を搭載した給油機の種類に言及していない。ボーイングKC-46は通信情報収集センサーを搭載しており、ABMS機能としてゲイトウェイワン含む装備がつくとの報道もある。


ウィル・ローパー次官、左から二番目


ローパーはABMSを始めた時点で軍用モノのインターネット構想につながる基盤は皆無だったと言う。「二年前には軍用インターネットの基礎はどこにもなかったのでプロジェクト別に構築を迫られた。重要なことはインターネットのような存在は使わないことで、読者にはぜひこれを伝えてもらいたい」


読者は2021年度支出法案で空軍のABMS要求は半額に減額され、159百万ドルになったことを承知されているだろう。議会報告書では「正当化が難しい内容」と評している。


遺産と未来


誇るべき業績について尋ねると、空軍を「イノベーション重視」価値観に向かわせたことと答えた。この価値観はソフトウエア制作拠点の新設、代替調達方法を強力に追求したこと、新規企業中心に民間活力を利用する仕組みを構築したことなど各種手段で根付いたもので「空軍内部に構築するのは難しかった」と振り返る。「非常に硬いスポンジに水をかけるようなもので、表面と裏面こそ濡れるが、内部まで水分を通すには大量の水が必要で特に上層部には多大な労力を投入した。間違った印象を与えれば即座に否定される、とくに上層部には。今後の動向に期待している分野だ」


ローパーはバイデン政権のペンタゴンで仕事を続けるつもりがあるのかは明らかにしていない、また次の仕事についても言及していないが、これまでの業績に満足し引退生活を楽しむ素振りは皆無だ。次期政権でも本人の存在が必要だと訴えそうな気配がある。


「現時点ではわからない。政権交代はすでに一回乗り切っている。オバマ政権下の仕事のほうが現政権より長い。自分は政治家ではない。政治には関わりたくないし、自分なりの強い政治観もある。毎日こうやって仕事場に出てくるのは自分の技術知識や変革を率いる力で政府の変化やイノベーションを実現したいからで、さらに中国がある。中国は今後長期に渡り注視すべき対象で一政権だけの話ではない」


「中国はこちらを打倒する構想をねっており、このため国防分野に奉職している。またこのため懸命に働いてきた。これから先のことはわからないが、米国の優位性を取り戻す一環でいたいし、政権内部あるいは外部でもこれは可能だ」■


この記事は以下を再構成し、人力翻訳したものです。


Roper Hints NGAD Could Replace F-35; Why? Life-Cycle Costs

By   THERESA HITCHENS

on January 14, 2021 at 4:14 PM


2021年1月17日日曜日

B-21開発の最新状況 初飛行は2022年に変更、2号機製作が進行中。ソフトウェアテストを先行実施。受け入れ基地整備も進む。

 

B-21ステルス爆撃機の2号機生産がノースロップ・グラマンのパームデイル施設(カリフォーニア)で進む一方、初号機はロールアウトが2022年初頭、初飛行が同年中頃になると空軍迅速整備室のランドール・ウォルデンが明らかにした。

Air Force Magazine取材でウォルデンはB-21初飛行を2021年12月に想定していたが、2022年央の初飛行が今は「有望」と答えた。

戦略抑止力核兵器統合部門の副参謀長ジェイムズ・C・ドーキンスJr中将は1月14日、B-21の配備開始は2026年から27年を想定と述べた。議会予算局によれば空軍の開発調達コスト試算は2018年に100機製造の場合2016年ドル価格で800億ドルだった。

核の三本柱のうち爆撃機部門は「あと6-7年でB-21がB-52、B-2に加わる」とドーキンス中将はヘリテージ財団主催核搭載長距離スタンドオフ兵器に関する催事で発言している。

レイダーの初号機は最終組立段階に入っていないが、「爆撃機らしくなってきた」という。2号機が生産ラインに乗り、空軍が機体構造を検分する。初号機製造で得た知見を2号機に応用するとウォルデンは述べ、作業は迅速に進んでおり、作業チームは爆撃機2機を置くスペースを現場で確保中だという。

「すこぶる快調です。効率が非常に高くなり満足してます」とウォルデンは2号機について初号機との比較で語っている。

初飛行はノースロップ・グラマンが主要サプライヤー各社、テスト実施部門とすべての準備を完了するのが条件とウォルデンは述べている。

「その他航空機同様に予想外の事項があるはずです」とエンジン運転中やその他準備作業中に言及し、初飛行日程への影響もありうるとし、「一つずつ解決していきます」と述べた。

関係者は航空宇宙産業へのコロナウィルス感染の影響を抑えようと必死でB-21事業で大きな影響が発生しないよう努力している。

カンザス州ウィチタのスピリットエイビエーションはサプライヤーの一社でボーイング737向け作業員をB-21に配置転換した。ボーイング737MAXの担当だった作業員もレイオフを回避できたとウォルデンは紹介している。MAX発注は悲惨な墜落事故二例のあとに完全に干上がってしまい、さらにパンデミックで旅行需要が大幅減となっている。

「パンデミックで一部遅れが発生しているが、対応している。初飛行が大幅に遅れることはないでしょう」

ウォルデンは初飛行が近づく時点で空軍が同機の情報を開示すると述べた。

さらにウォルデンによればリスク低減のためエイビオニクスのテストにビジネスジェット機を使用中で、ハードウェア、ソフトウェア両面で改良を加えてからB-21に移植する。

「B-21用ソフトウェア」でビジネスジェット機を飛行させ、センサーやコード搭載の先行検討に活用している。

「ここ数ヶ月でハードウェア、ソフトウェアの成熟化に役立つテストが成功裏に進んだ」とし、「フライトテスト部門のみならず政府のテスト部門にも実施内容を伝え、システム統合効果が出るようにしている」

ハードウェア、ソフトウェアは地上、空中双方でテストするが、開発チームは事前のリスク低減策により初号機の初飛行は問題なく実施できると自信をもっている。

下院軍事委員会シーパワー兵力投射小委員会の有力議員ロブ・ウィットマン(共、ヴァージニア)はB-21で、空気取入口と排気口のため推力で問題が発生と2018年に発言していた。ウォルデンはこの問題は解決済みと述べた。「ウィットマン議員がこの問題を取り上げたのも『想定外』の一例です」

この点に関する技術的な詳細について言及を拒んだものの、「根本的な設計変更で解決できており、最終設計に向かっています」と述べた。

レイセオンテクノロジーズがエンジンメーカーのブラット&ホイットニーを買収したが、B-21には影響は出ていないとも発言。

B-21の配備基地整備に空軍は2022年度3億ドルを計上し、五年で10億ドルの支出規模となるとウォルデンは述べ、研究開発費用に2021年度だけで28億ドルを要求しているという。ただし、金額は流動的だとした。

この記事は以下を再構成したものです。

 

Second B-21 Under Construction as Bomber Moves Toward First Flight

Jan. 15, 2021 | By John A. Tirpak


北朝鮮が新型SLBMを軍事パレードで公表。結局、制裁措置でもミサイル核開発を止められず、平壌は開発継続を公言。こんな不良国家を西側社会はどう扱うべきなのか、バイデン新政権は早速真価を問われるでしょう。そして罵倒されるばかりの韓国は?

 

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Pukguksong-5 SLBM North Korea parade copy

朝鮮通信社/AP

 

 

国を最大の脅威と宣言した北朝鮮が潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)の新型を首都平壌の軍事パレードに登場させ、ミサイルテスト開始の準備に入ったようだ。金正恩を指導者として讃える軍事パレードは金日成広場で展開した。

 

このミサイルは北極星-5型と識別され、少なくとも4発がパレードで公開された。実物大模型なのか現物か不明だが、外観から北極星-3、-4の発展型と見られる。

 

KOREAN CENTRAL NEWS AGENCY

北極星-5ミサイル

 

 

北極星-4が公表されたのは2020年10月だが、試射された兆候はなく、北極星-3を同国最大の固体燃料弾道ミサイルとして潜水艦ではなく、水中発射台から打ち上げたと発表していた。

 

北極星-5の全長は北極星-4を上回り、先頭部分の設計変更がその理由だろう。また新型ミサイルの幅が拡大しているように画面上は見える。

 

北極星ミサイルが3、4、5と揃ったがそれぞれ北極星-1型SLBMや陸上配備の派生型北極星-2から大型化している。北極星各型は固体燃料方式で、液体燃料の火星シリーズと対照的だ。火星15、火星16が大陸間弾道ミサイル(ICBM)として知られる。

 

固体燃料方式の実用化は北朝鮮を優位にしている。短時間で発射できる以外に、潜水艦運用で安全度信頼度が高まるからだ。艦内での液体燃料注入は腐食性揮発性のため危険行為となる。


北朝鮮はSLBM開発に注力してきたが、潜航中の潜水艦からのミサイル発射の成功例は少ない。これまでのところ北極星-1の水中発射が唯一の例だ。

 

KOREAN CENTRAL NEWS AGENCY

2019年10月に北朝鮮は三年ぶりにSLBM一発を沖合発射台から打ち上げた。

 

 

それでも北朝鮮はSLBM構想を進めており、旧式ソ連時代のロメオ級ディーゼル電気推進潜水艦を改装し、弾道ミサイル発射艦にする事業がある。今後は潜水艦による二次核抑止力の実用化を狙うと見られる。

 

朝鮮中央通信は新型SLBMを「世界最強」とし、パレードに登場したミサイルで「いかなる敵も先制攻撃で徹底的に破壊する」としており、北極星-5を戦略兵器体系と位置づけている。北朝鮮はICBMでも同じ表現をしており、近隣国のみならず米国も照準と公言している。ただし今回のパレードにICBMは一切姿を表していない。

 

一方でSLBM最新型公表のタイミングは金正恩が核兵器開発を更にすすめると発表した直後であり、陸上水中問わず発射可能の長距離弾道ミサイルに「超大型弾頭」を搭載するとも公言していた。

 

朝鮮労働党大会が1月12日に終了し、金正恩は米国を「最大の敵」とし、米国による侵攻から祖国を守るため必要と北朝鮮の軍事力整備を正当化した。

 

KOREAN CENTRAL NEWS AGENCY

北極星-5のSLBM4発がトラックで運ばれ金日成広場に現れたが、実物大模型なのか実物か不明だ。

 

 

金はその他高性能兵器の開発も進めているとも述べ、戦術核兵器の新型、偵察衛星、極超音速兵器を例とした。北極星-5関連では原子力潜水艦があり、SLBM搭載といわれる。

 

原子力潜水艦構想に現実味があるのか、その他同様にきわめて疑わしいが、核ミサイル運用潜水艦は北朝鮮潜水艦戦力を増強する存在になる。北極星-5をロメオ級潜水艦で運用する作業も続いているが、北極星-1より大型化しており、ロメオ級に大型兵装搭載スペースがあるか不明だ。結局、新型の大型潜水艦でないと運用できないはずだ。

 

NKSTATEMEDIA

「新型」とされる北朝鮮のディーゼル電気推進潜水艦SSBの姿が2019年に公表された。ただし、実態は1950年代物のロメオ級潜水艦を大幅に改装したもので、SLBM搭載能力があるのか不明

 

北極星-5ミサイルを陸上配備ミサイルに転用する可能性もある。北極星-2がこのパターンで生まれ、KN-15となった。北朝鮮は陸上配備の中距離弾道ミサイル整備を続けており、北極星-5が原型の陸上配備型が加われば固体燃料式の利点を活かし、迅速発射が可能なミサイルが増える。

 

こうした新兵器はバイデン政権発足を睨んだ圧力の意味に加え、北朝鮮軍事力を韓国に見せつける意味もある。バイデンは北朝鮮指導部を 「悪党」と呼び、トランプ大統領の北朝鮮核兵器制限の動きを批判していた。バイデンが中央情報局長官に指名したビル・バーンズもトランプの北朝鮮対応を公然と批判している。

 

金正恩は米国との対話の可能性を否定はしていないものの、北朝鮮敵視政策の放棄を米国に求めている。党大会でも「誰が大統領になるにせよ、北朝鮮政策の本質は変わらない」と発言していた。一方で、北朝鮮の韓国への姿勢は以前にまして強硬となっており、党大会では韓国の「不正行為」を糾弾していた。

 

こうした展開を念頭に置くと誰もがバイデン政権と北朝鮮の関係の行方を想像しがちだが、現実味が高いのは何があっても北朝鮮が核兵器、長距離ミサイル開発を継続することだ。

 

 

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North Korea's New Submarine-Launched Ballistic Missile Is Its Biggest Yet

BY THOMAS NEWDICK JANUARY 15, 2021


2021年1月16日土曜日

多国間対潜航空戦演習シードラゴン2021がグアムで始まりました。海自はP-1で参加中です。

 米、豪、印、日の海軍部隊の共同演習ですが、アジア太平洋のQuad構想そのままですね。こうした積み重ねがいざというときに役立つのでしょう。1月28日までとのことです。海上自衛隊はP-1を第12飛行隊から2機派遣しています。P-1は各国部隊からも注目されるでしょう。記事は第7艦隊の公式発表から取りました。

 

Andersen Air Force Base (Jan. 12, 2021) A Patrol Squadron (VP) 5 P8-A Poseidon aircraft arrives in Guam for Sea Dragon 2021 Jan. 12. Sea Dragon is an annual multi-lateral anti-submarine warfare exercise that improves the interoperability elements required to effectively and cohesively respond to the defense of a regional contingency in the Indo-Pacific, while continuing to build and strengthen relationships held between nations.

シードラゴン2021に参加のためグアム・アンダーセン空軍基地に到着した哨戒飛行隊(VP)5のP-8Aポセイドン。(Photo by Lt. Cmdr. Kyle Hooker)

 

アンダーセン空軍基地、グアム----哨戒飛行隊5(VP-5)「マッドフォックシズ」隊とVP-8ファイティングタイガースのP-8ポセイドン2機が各国部隊と多国間対潜戦演習シードラゴン2021を1月12日に開始した。

 

VP-5とVP-8の海洋哨戒偵察機 (MPRA) はオーストラリア空軍、カナダ空軍、インド海軍、海上自衛隊と腕を磨くためグアムのアンダーセン基地へ移動してきた。

 

シードラゴン2021は対潜戦(ASW)の訓練を中心に据え、標的追尾から最終的にUSSシカゴ(ロサンジェルス級原子力潜水艦)の探知捕捉が最後に控える合計125時間の実地演習だ。座学で各国のパイロット、機内指揮官は戦術を練り、各国装備品の有効活用をめざし議論を詰める。

 

「シードラゴン2021で日本、インド、カナダ、オーストラリアとの協力体制を強化できると期待している」とVP-5のカイル・フッカー少佐が述べている。「COVID禍のため各国には課題だが、ともに適応し対応できるし、対潜戦の共同作戦能力を高める目標を達成できると見ている」

 

演習は各段階で評価し、最高得点の獲得国がドラゴンベルト賞を与えられる。ベルトは昨年導入され、ニュージーランド空軍(RNZAF)が受賞した。

 

米海軍最大の前方配備部隊たる第7艦隊は艦艇潜水艦50-70隻、航空機140、20千名を通常展開している。第7艦隊の作戦区域は124百万平方キロにおよび、国際日付線からインド・パキスタン国境、北は千島列島から南太平洋にひろがり、域内の安全と安定を守っている。第7艦隊は35カ国と協力関係を維持し、海洋の安全を実現しつつ人道救難ミッションや国際法さらに航行の自由を実施している。■

 

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Guam hosts Partner Nations in Exercise SEA DRAGON 2021

By CTF 72 Public Affairs | Jan. 11, 2021