2021年2月4日木曜日

今度は実現するか、米空軍の軽空母構想。垂直離着陸無人機を搭載する前提で、アメリカ級強襲揚陸艦の転用、フォード級の小型版を主に検討している模様。

 The amphibious assault ship USS America.

USN 

海軍が軽空母CVL構想を再び検討している。アメリカ級強襲揚陸艦を航空運用に特化する案と新鋭フォード級超大型空母の小型版の2つが検討対象とされる。

海軍海上システムズ本部(NAVSEA)の艦艇設計部次長ジェイソン・ロイド海軍少将が軽空母構想の現状を先週の海軍技術学会のオンライン会合で紹介した。海軍でCVL導入構想はこれまで何度となく現れては消えていた。

ロイド少将は「10年前の結論が今でも正しいとは限らない」とCVL構想が再び検討対象になっている現状について触れ、「沿海域での戦闘と大国間戦闘では全く違う相手の戦いとなり、必要になる装備も異なるのは当然だ」

さらにロイドはアメリカ級、フォード級以外も検討対象とし、「各種選択肢を比較し、コストと戦力を検討している」と述べた。

航空運用を想定した現行艦からCVLを実現しようというのは当然とも言える。軽空母実現が早まり、既存設計の利用で建造費も節約できるからだ。

USN

強襲揚陸艦USSアメリカとニミッツ級USSセオドア・ロウズヴェルト

 

アメリカ級のCVL転用構想は以前からあり、有望な結果が想定されている。USSアメリカ、姉妹艦USSトリポリは強襲揚陸艦だが、従来の同種艦にあったホーバークラフト等の発進回収に使うウェルデッキがない。ただし、三号艦のUSSブーゲンビルでウェルデッキが復活する。

海軍は海兵隊と共同で排水量46千トンのアメリカと合わせ旧型のワスプ級強襲揚陸艦を「ライトニング空母」としてF-35B共用打撃戦闘機の運用試験に使っている。

USN

USSアメリカにF-35Bを13機搭載し、「ライトニング空母」構想の実証を2019年に行った。

 

アメリカにはカタパルト、拘束装置がなく、斜め甲板もないので、固定翼機の発艦、着艦を同時に処理できず、出撃回数も増やせない。

NAVASEAの水上艦設計・システムズエンジニアリング局を率いるケイリー・フィリングも軽空母構想検討に加わっており、ロイド少将に同席し、USSアメリカを原型とした通常動力CVLでは原子力空母と同程度の航続距離は実現不可能と述べた。正規空母は強襲揚陸艦より高速航行可能だ。このため、排水量10万トンのフォード級の「軽量化」版の検討がされているという。

「フォードの出撃回数に対抗するのは無理とわかった。フォードは航空機発進を短時間で多数実現するよう最適化されているので、これに匹敵する性能は実現できないのです。原子力空母の航続距離と高速航行も対抗できない性能です」とフィリングは述べた。

ロイド少将も近年の航空機材特に無人機の分野で垂直離着陸性能の開発があり、将来のCVL運用を大きく変える可能性に触れた。空母は有人機の運用を主眼に発展してきた。

USN

米海軍が2030年の空母航空戦力を想定した図では有人機が依然として中心になっている。

では将来のCVLの航空団構成はどうなるか。小型無人機が多数を占めれば艦への影響は大きい。ロッキード・マーティンが提唱のステルス無人垂直離着陸機(VTOL)構想の高性能偵察侵入用無人装備システム(VARIOUS*)は艦上運用を想定し、各種任務を担わせる構想で発表から10年がたっている。

*Vertical Takeoff and Landing (VTOL) Advanced Reconnaissance Insertion Organic Unmanned System,

LOCKHEED MARTIN

VARIOUS無人機の想像図

 

その他にも垂直離着陸機の構想があり、国防高等研究プロジェクト庁(DARPA)は戦術利用偵察ノード(TERN)およびXV-24Aライトニングストライク構想を発表している。もっと最近でも海兵隊がベルV-247ヴィジラント・ティルトローター無人機の利用を模索している。

DARPA

DARPAの戦術利用偵察ノード(TERN)機の想像図。

DARPA

XV-24Aライトニングストライク無人機でMV-22オスプレイを護衛する想像図。 

BELL

V-247 ヴィジラント無人ティルトローター機がヘルファイヤーを発射する想像図。

将来のCVLも高性能無人戦闘航空機材 (UCAV) を通常の離着陸機として活用しそうだ。海軍で開発が進むMQ-25Aスティングレイ艦載無人機に空中級以外の任務を与える動きがあり、実際に情報収集監視偵察(ISR)機能が二次的任務に想定されている。

ただし、海軍が現行の空母設計に近く超大型空母より小型の艦を検討対象にする可能性もある。フォード級以外にニミッツ級も対象になりうる。小型空母が実現すれば作戦運用が柔軟になるとの主張がある。また運用コスト維持コストが下がりながら航空戦力を運用出来る利点も明白だ。現行の空母部隊にストレスがかかっている現状を考えると、こうした利点の意味は大きい。

「第二次大戦中の空母と今日のニミッツ級空母は全く違うと言えます。発艦、着艦を同時進行す能力などこれまでの実績と経験から導いた解決方法です」とロイド少将は述べ、「そこでCVLですが、大幅に価格が低下すると言ってきましたが、たしかに超高価にはなりませんが、反面で断念すべき内容もあります」

今回の新研究の結果からCVLが実現する保証はない。海軍がすすめるバトルフォース2045構想は正式承認を受けていないが、政権交代もあり内部作業が止まっている。バイデン大統領の国家安全保障チームに国防長官ロイド・オースティンも加わり、国防安全保障問題を新鮮な視点で検討しているところだ。

ここしばらくは海軍は軽空母含む新規艦種含む将来の艦隊構成の検討を続けるはずだ。■


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Navy Looking At America And Ford Class Derivatives In New Light Aircraft Carrier Studies


Greater emphasis on unmanned aircraft, including ones that take off and land vertically, could also impact light aircraft carrier proposals.

BY JOSEPH TREVITHICK FEBRUARY 2, 2021


2021年2月3日水曜日

F-15EXが初飛行。米空軍向けF-15生産の再開でC/D型の更新へ。さらにE型との交代が取り沙汰され、生産規模は拡大しそう。

 

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VIKING AERO IMAGES

 

 

空軍向け新規製造のボーイングF-15EXイーグル初号機が2021年2月2日初飛行した。同期はF-15史上最高性能機体といわれ、ミズーリ州セントルイスから離陸し、F-15A試作機の初飛行から50周年を祝い「ヴァイキングテイクオフ」を行った。F-15EX取得の動きは2018年7月に The War Zoneが真っ先にお伝えしている。

 

今回はアレックス・ファーウェルによる素晴らしい画像を掲載したのでご覧頂きたい。

 

機体番号20-0001が空軍が取得する一号機で昨年度の調達を示している。ボーイングは230億ドル近くの契約を交付され、新規製造戦闘機を納入する。

 

VIKING AERO IMAGES

F-15EX roars over the runway at Lambert Field before executing a near-vertical climb on its first flight.

 

 

230億ドルは総額で、このうち2020年7月13日に空軍は12億ドルで初回ロット8機取得を明らかにし、議会が2020年度国防予算で承認した。

 

空軍はさらに12機を2021年度予算で要求しており、5カ年で76機を調達するが、最終的に144機とし、F-15C/D型の陳腐化に対応する。空軍が低視認性機材と高性能第4世代機のバランスをはかる中で調達規模が増える可能性もある。非公式ながらF-15Eの後継機としても取り沙汰されている。

VIKING AERO IMAGES

F-15EX serial 20-0001 screams into the vertical. 

 

2020年6月30日に空軍はジェネラル・エレクトリックにF110-GE-219エンジン(数量非公表)で契約交付しており、初期生産のF-15EX用としている。プラットアンドホイットニーもF100-PW-229エンジンを代替策として提示すると見られる。

 

「F-15EXは導入しやすい価格かつ即投入できる機材で老朽化してきたF-15C/D部隊を一新する」と航空戦闘軍団司令のマイク・ホームズ大将が述べている。「F-15EXは配備されれればすぐ戦力となる」

 

ホームズ大将はF-15C/Dを運用中の各基地は「数ヶ月でEX運用可能となる」と述べており、ボーイングも搭乗員、整備員ともに「数日で機種転換できる」としている。

V

 

ただし、第一線部隊への配備前にエグリン空軍基地(フロリダ)できびしい試験過程が待っている。8機が同基地に配備される。このうち、まず2機が2021年度第2四半期に到着する。残る機材も2023年度中に加わる。

 

その後、EXはまずF-15C/D訓練部隊の173戦闘飛行団があるキングスレーフィールド基地(オレゴン)に届けられ、実戦部隊としてはオレゴン州ポートランドの142戦闘飛行団123飛行隊「レッドホークス」が初となる。その後、マサチューセッツ、ルイジアナ、カリフォーニアのF-15C/Dと順次交代する。ただし、各飛行隊にはF-35Aの配備も選択肢として残っている。

 

F-15EXが導入されるとF-15C/Dと比較してどんな変化が空軍に生まれるのだろうか。大きな相違点は機体内部にある。オープンミッションシステムズ(OMS)で最新の航空技術を迅速搭載できる。EXはフライ・バイ・ワイヤ飛行制御、新型電子戦装備、高性能コックピットも搭載しており、このうちF−15QA(カタール向け)で開発した低プロファイルHUDが目立つ。またミッションシステム系も新型とする。

 

F-15C/Dの更新機材以外に空軍はF-15EXの性能向上に大きな余地があることから「航空優勢の確立及び維持」効果に期待している。ひとつが「兵装トラック」として第5世代機を上回る搭載量を実現することで、大型極超音速兵器が開発中だが第5世代機の機内にはおさまらない。

 

またF-15EXがゆくゆくはF-15Eストライクイーグルの後継機になる可能性もある。ただし、この実現は物議をかもしだしそうだ。空軍はこれまで一貫してF-35Aの1,763機調達方針を維持してきたからだ。ただし、F-15EXがF-15Eと同等の装備で納入されることに注目している。レイセオンのAN/APG-82(V)1アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダー、新型高性能ディスプレイコアプロセッサー(ADCP) II、EPAWSS防御装備だ。

 

ボーイングはF-15EXの輸出も提示しており、想定するのはインド空軍の新型戦闘機構想だが、同国の機材選定は多様な選択肢から決定する事が多く、ボーイングもF/A-18E/Fスーパーホーネットも候補で、F-15EXと競合しかねない。

 

米空軍での活用の行方、他国での採用の可能性もあるが、50年前のF-15A初号機からイーグルの新型が姿を表してきたことの意義は大きい。F-15EXの設計寿命は2万時間もあり、今後50年間にわたる供用は確実だろう。■

 


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The Air Force's New F-15EX Eagle Just Took To The Sky For The First Time (Updated)

The flight comes nearly 50 years after the F-15A first flew. This latest Eagle iteration is set to replace the USAF's F-15C/D fleet, and maybe more.

BY THOMAS NEWDICK FEBRUARY 2, 2021


ニミッツ打撃群に帰国命令。海上展開は240日超。米海軍は空母の作戦体制を長期間海上で維持することで世界情勢の変化に対応している。

 

USS Nimitz (CVN-68) steams in the Indian Ocean on Jan. 6. US Navy Photo

 

 

USSニミッツ(CVN-68)が八ヶ月にわたる海上展開を終了し、米西海岸に向かう。これはロイド・オースティン国防長官の命令によるもので、米政府関係者二名がUSNI Newsに確認した。

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このまま米本国へ戻れば、ニミッツ打撃群は2月末までに帰港するが、2月1日時点で240日にわたる展開となっていた。これは昨年USSエイブラハム・リンカーン(CVN-72)の294日に次ぐ長さだ。

 

米海軍最古参となったニミッツと随行艦は6ヶ月にわたり中東を中心に展開し、イランとの緊張が高まる中で米軍プレゼンスを2019年5月から示してきた。

 

クリス・ミラー長官代行(当時)から同打撃群は大晦日に帰国命令が出たが、トランプ政権は1月はじめにイランがカセム・ソレイマニ殺害一周年に不穏な動きに出るのを警戒し、帰国命令を取り消していた。

 

ニミッツの母港はワシントン州ブレマートン、その他打撃群はサンディエゴが母港で家族との再会は久しぶりとなる。ニミッツは定期点検を終え、乗組員はCOVID-19感染を予防するため二週間の措置期間に入っている。

 

同打撃群はソマリア沖への展開、インド海軍との共同訓練を経て、昨年7月からオマーン湾、北アラビア海で作戦展開していた。

 

海軍作戦部長マイク・ギルデイ大将はニミッツに交代する打撃群は未定とした。アイゼンハワー空母打撃群は東海岸で配備前訓練中で、ソマリア沖にはマキンアイランド揚陸即応集団が海兵隊F-35BライトニングII共用打撃戦闘機一個飛行隊を搭載し展開中だ。■

 

この記事は以下を再構成したものです。


USS Nimitz Heading to West Coast After SECDEF Orders Strike Group Home - USNI News

By: Sam LaGrone

February 1, 2021 12:23 PMUpdated: February 2, 2021 6:56 AM


2021年2月2日火曜日

イスラエル陸軍はこう戦う。周囲を敵に囲まれた同国の戦闘理論は一歩先をゆく。装備品から脳生理学まで、イスラエルの思考は参考になる。

 

 

 

スラエルの敵国はヒズボラのようにイスラエルの弱点をついてくるはずだ。そこでイスラエルは敵の先へ進もうとしている。

 

ヒズボラはイスラエル北部に構え、退避壕に武器を隠し、民間人に紛れ込む。イスラエルが2006年のレバノン南部への侵攻を再度試みれば、民間人の犠牲を回避しつつ、自軍の死傷者も最小にする必要がある。イスラエル国防軍は世界有数の高性能装備を導入し、こうした課題の解決が求められている。

 

脅威となるのは

 

IDF関係者と将来の戦闘にイスラエル地上部隊がどう対応するのかを話し、次の戦闘での課題と機会双方の見識が得られた。中東でここ数年緊張が高まっているのは、米国とイランに加えイランとイスラエルの関係で顕著だ。イランも無人機や弾道ミサイルといった新技術を実用化しようとしており、イスラエルも多層防空体制の実力を試している。

イスラエルは多年度防衛計画をモメンタムと称し、戦場に展開する隊員に最高の技術とあわせ、敵の脅威内容をきめこまかく伝える情報を利用可能にするとある。ただし、イスラエル陸軍にもその他民主主義国家同様の複雑な問題がある。国内が死傷者の発生に懸念し、国際社会も戦闘発生に懸念を示すことだ。

 

ヒズボラが連日ミサイル何千発をイスラエルに向け発射する予測がある。イスラエルはこの状況を実際に経験したが、当時のロケットは小さく精度も劣っていた。その後、イスラエルは米国の支援のもと各種防空装備を実用化した。デイヴィッズスリング、アロー、アイアンドームの各装備で、アイアンドームは米国に納入されている。

 

どの装備をどこに投入するか

 

イスラエル司令官には降下部隊、特殊部隊、歩兵旅団を最大活用する課題がある。イスラエル軍は大規模歩兵旅団が中心の構成で,装甲旅団三個が支援する。ここに降下部隊やエリート部隊が加わり、イスラエルの侵攻作戦で先鋒部隊となる。

 

今日の戦闘では敵の村落を占領するのでは不十分で、各種部隊や技術を組み合わせる勝負となる。昨年のゴラン高原演習を視察したが、イスラエルが戦車と歩兵部隊を村落を想定した地点に向かわせる様子がみられた。IDF関係者からはイスラエルは村落の平定といった戦術面の成功のみならず、特殊部隊や小規模部隊で敵脅威そのものを打破する必要もあるとの発言があった。

 

イスラエルの敵はイスラエルに通常戦で戦車対戦車、歩兵対歩兵の形で対決することはない。ヒズボラのようなテロ集団はイスラエルの弱点を模索している。同時にイスラエルも数年だけの兵役につく徴集隊員で構成する部隊を訓練する必要がある。新世代の兵士が毎年入隊し、新しい技量を提示する。例えば今日の18歳はスマートフォン、ヴィデオゲームを日常から駆使している。

 

イスラエル専門家もその他西側専門家と同じ用語、考え方を使う。つまり、人員機能最適化Human Performance Optimization (HPO)や神経可塑性neuroplasticityを利用し、脳機能が兵士の動きにどう影響するか理解しようとしている。最新技術で若年兵の技能と同じ効果が得られる。

 

脳機能を理解することでイスラエルは現代の戦闘兵士に適正な戦闘実施概念を与えたいとする。イスラエルが考慮する要素の一つが時間だ。今は1914年ではなく、塹壕戦を何年も繰り広げることはない。かわりにイスラエルは最良の技術を投入して最大限の速さで結果を実現したいとする。そこで、各旅団にシミュレーション多数を経験させ、コンピュータの活用で「デジタル背骨」を各部隊に実現させようとする。これは機動性のある司令所であり、各旅団を実弾の飛び交う任務に投入し、将校はシミュレーションで訓練することだ。

 

イスラエルはこう戦う

 

各国の軍部隊に新装備品が導入されている。IDFではF-35、サアル新型コルヴェットがある。だが歩兵部隊では以前とさしてかわらない。イスラエルではキャメル事業があり、次世代装甲戦闘車両の開発が続いているが、まだ実用化に至っていない。

 

イスラエルが実現をめざすのが「マルチディメンション」戦闘だ。各部隊に能力多数を盛り込み、多くの技術を導入し、火力支援を自由に活用させる。戦闘能力が高まった部隊は米海兵隊のようになり、独自に航空機材や艦船を利用する。

 

マルチディメンジョン部隊と指揮命令のコンセプトを使うイスラエル陸軍は決定的な勝利を、迅速に実現しようとするはずだ。ここで時間の要素がからむ。IDF司令官は1967年の6日間戦争でイスラエル軍の功績を覚えている。その際に数百名が戦死したが、現在では死傷者発生率が同様に高くなるのは甘受できない。本国では視聴者が戦場の様子を見ているはずだ。敵もこのことを理解している。

 

テロ活動を展開し脆弱地点を狙う敵に対抗するため、イスラエルは敵勢力にうまく対峙する必要がある。このため無人装備や人工知能を広域で常時監視・自動標的認識に投入すべく、イスラエル国防専門家が投入されている。兵員もこうした技術を駆使する訓練を受けるだろう。地上部隊隊員は空中装備へのアクセスを携帯し、指一本で正面の敵の状態を把握できるようになる。

 

戦闘の中の戦闘War Within a War

 

戦闘の中の戦闘とは時間の制約の中で知識を集結し、精密かつ決定的な戦闘効果を実現しつつ死傷者を減らすことを意味し、敵をいち早く探知し照準をあわせることにつながる。ヴィエトナム戦での米軍隊員には強力な火力の後ろ盾があったが、イスラエルではこれは利用できず、精密弾を使い、非対称的な手段で戦闘結果を実現する。

 

各種技術を戦場に投入したいとIDF関係者が述べている。つまり、無人機をもっと多く、人工知能も動員する。各兵員にもっと多くの技術を利用可能とする。敵も高水準技術を保有しており、無人機やスマートフォンを使うはずなので、イスラエルはこれに対応する必要がある。

 

イスラエルが使う用語は一般的かつ構想段階だが、これからの兵士に新技術を駆使させることにつながる。各国の軍で無人機やタブレットコンピューターやレーザーといった新装備の導入が遅れがちなのは調達が遅いためだ。さらに軍の通信は妨害に強く、暗号化の必要がある。つまり軍用無線は民生技術より遅れがちだ。イスラエルは軍事理論をこの数年で進展させたようだ。オープンアーキテクチャをイスラエル防衛産業は実現し、新技術を地上部隊に導入したいとする。イスラエルはこれで各隊員が展開する戦闘のありかたが根本的に変わると見ている。■

 

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Explained: Inside Israel’s Plans to Fight the Next Major War

January 31, 2021  Topic: Israel  Blog Brand: The Buzz  Tags: IsraelMilitaryF-35IranU.S. MilitaryMissiles

by Seth J. Frantzman

 

 

Seth J. Frantzman is a Jerusalem-based journalist who holds a Ph.D. from the Hebrew University of Jerusalem. He is the executive director of the Middle East Center for Reporting and Analysis and a writing fellow at the Middle East Forum. He is the author of After ISIS: America, Iran and the Struggle for the Middle East (Gefen Publishing) and Drone Wars: Pioneers, Killing Machines, Artificial Intelligence and the Battle for the Future (Forthcoming Bombardier Books). Follow him on Twitter at @sfrantzman.


2021年2月1日月曜日

F-117がKC-135の空中給油を受けられるようになった。「退役」したはずのナイトホークにはまだまだ役目がありそう。

 

USAF

初飛行から日が浅いF-117がKC-135から給油を受けている。A-7Dがチェイス機で飛んでいる。

手前のF-117は塗色が灰黒色の初号機。撮影時期は1984年。

 

 

空軍航空機動軍団(AMC)からKC-135ストラトタンカー全機にF-117ナイトホークへの空中給油を許可する正式通達が出た。

 

この通達でF-117向け空中給油は1980年代の状況に復帰することになり、まさしく『バックトゥザフューチャー」で、公式に退役後13年になるF-117は『ブラックジェット』でなくなった。

 

今回の通達は「KC-135,F-117機間の空中給油業務認可」の表題で、航空機動軍団司令部で作戦・戦略抑止・核装備統合担当のジョエル・D・ジャクソン少将が署名している。日付は2021年1月1日で同軍団の作戦・搭乗員標準化・評価部門A3Vの発出だ。

 

この文書からF−117の活動範囲が広がっており、もはや退役機材として孤高の存在ではないことがわかる。実際に同機は退役後も飛行を継続している。遠隔地のトノパ試射場空港を根拠地とするF-117各機が視認される事例がこの数ヶ月増えている。さらに作戦基地に前方配備され、空母打撃群の演習も支援している。また白昼にネリス空軍基地でステルスアグレッサー役をこなし、レッドフラッグ演習に登場している。

 

公式退役後のF-117各機はエドワーズ空軍基地から移動し、トラヴィス空軍基地のコールサインシエラ99のKC-10から空中給油を受け極秘フライトテストを頻繁に行っていた。最近はKC-135がシエラ98のコールサインで給油役を交代しており、広大なネヴァダ試験訓練場で行動していた。

 

KC-135全機でF−117向け空中給油が可能となったことで、今後はナイトホークを大規模部隊展開 (LFE) 演習の訓練サイクルに投入できる。同時に配備基地から遥か離れた地点への移動も可能になり、東海岸でF-117が演習にステルス機として参加する姿も見られそうだ。

 

第5世代機あるいはステルス無人機で専任アグレッサー部隊が編成されるまでのつなぎとしてF-117にステルス・アグレッサーの役割が期待される。

 

とはいえ、公式には退役から13年が経過し、一部分解されモスボール状態だったはずのナイトホーク部隊(全45機)が運用の幅を広げていることに驚くしかない。ネリス基地ではレッドフラッグ演習が展開中であり、F-117が突如現れる姿を見られるかもしれない。その場合、同機は他のアグレッサー機同様に標準型KC-135Rの空中給油をうけるはずだ。

 

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中国の弱み③ 実戦経験が欠如し、硬直した訓練を繰り返す中国空軍部隊には西側の新戦術に対抗する技量が不足している。突き詰めれば形式主義の中国式思考習慣そのものに弱点があるのではないか。

 

 

機材が最新鋭でも、パイロット訓練内容に欠陥があり、実戦経験が欠如する国は性能を駆使できない。

 

 

2015年のタイとの合同演習で中国航空戦術の大きな欠陥が露呈した。

 

運用機材こそ新型だが、中国パイロットは遠距離からの攻撃に反応が遅れ、積極的な行動を取れず脆弱さを示した。▼この演習はファルコンストライク2015で同年11月に二週間に渡りコラット王立タイ空軍基地で展開され、初の両国共同訓練だった。

 

 

 

中国はJ-11戦闘機を持ち込んだ。▼タイ空軍はF-16に加え、グリペンも動員した。タイ空軍はJAS-39C/D型グリペン12機を供用する。

 

航空サイトAlert 5がその際の経緯をまっさきに報じた。最初の7日間にわたりJ-11はグリペンを苦しめた。▼J-11はロシアSu-27が原型でドッグファイターとして優秀性を見せつけた。▼模擬航空戦闘初日にJ-11とグリペンは視界距離で交戦した。結果は中国側の圧勝だった。▼強力な双発エンジンを搭載するJ-11は機関砲と赤外線誘導ミサイルPL-8でグリペン16機を撃破し、被撃墜は皆無だった。

 

一方、単発のグリペンは近接戦ではAIM-9赤外線ミサイルと機関砲を使用する。▼グリペンは推力重量比では他機種より劣り、ドッグファイトで制約がつく。▼だがグリペンには長距離攻撃性能が付与されている。

 

二日目になり中国パイロットは撃墜成果がなくなる。▼その後演習が進むと中国は初日の成果を再びあげようと必死になった。▼演習は視界外交戦のシナリオとなり、グリペンはAIM-120中距離ミサイルを搭載し、J-11の中距離ミサイルPL-12より性能がまさることを証明した。

 

三日目、タイ側はJ-11を19機「撃墜」し、グリペンの損失は3機だった。▼終盤の3日間でタイは中国の22機を撃破し、自軍の損失は3機だった。▼最終的に軍配はタイ空軍に下り、グリペンはJ-11を42機撃墜し、J-11はグリペン34機を撃墜した。

 

総合するとタイの撃墜成果の88%は19マイル以上の射程で発生しているが、同じ距離で中国の撃墜は14%だった。▼グリペンは31マイル以上の距離でも10機を撃墜しているが、この距離でJ-11は一機も撃墜できなかった。

 

Alert 5は「中国軍パイロットは状況認識力が劣っていた」とし、「機体周囲より前方に注意を払いすぎた」と報じた。▼演習でJ-11は僚機をエスコートしていたが、「協調性が不足」していたという。▼中国パイロットについて「ミサイル攻撃の回避の経験不足」があったという。▼反応があまりにも機械的で、場面に応じたミサイルへの回避行動の判断を正しく下せなかった、とAlert 5にある。

 

中国もパイロット訓練の改善の必要は認識している。2005年頃の中国空軍は米空軍のレッドフラッグ演習に刺激を受けたため現実的な航空演習を採用している。▼だが演習から熟達した技量のパイロットが生まれておらず、中国製機材の性能を活かしきれていない。

 

「専門文献や中国軍高官の発言から従来の訓練では実戦に対応出きないことは承知しているようだ」と米国防情報局は2019年1月公表の中国軍事力評価で解説している。▼「非現実的な訓練内容により中国空軍の航空戦闘能力の発展が遅れている」▼中国軍も「自軍パイロットと『強豪国空軍部隊』パイロットの技量の差を認識している」とDIA評価が続く。▼「訓練の弱点を克服するべく、司令官の一人が空軍演習は威容を見せつけるのではなく『戦闘に備える』内容にすべきと発言した」とある。

 

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How a 2015 War Game Showed the Chinese Air Force’s Flaws

January 30, 2021  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Reboot  Tags: ChinaMilitaryAir ForceJ-11JAS-39 Gripen

by David Axe 

 

David Axe served as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring and Machete Squad. This first appeared earlier and is being reposted due to reader interest.

Image: Wikipedia