2021年6月19日土曜日

歴史に残らなかった機体23 グラマン-新明和の革新的すぎたASR-544-4がここにきて注目を集める理由-----インド太平洋で水陸両用輸送機が求められている

 

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Grumman:Shin Meiwa ASR-544-4

JOHN ALDAZ COLLECTION VIA TWITTER

 

 

 

グラマンと新明和がジェット飛行艇にエアクッション機能を付与した機体を提案していた

 

体重量70トンのジェット対潜哨戒機が穴ぼこだらけの滑走路や非整地、さらに氷上から運用できたら?グラマン-新明和共同提案のASR-544-4が実現していれば、日本のみならず他国にも多方面で活躍できる高性能対潜哨戒機になっていたはずだ。残念ながら冷戦時の同提案は実現しなかったが、その内容には相当の革新性があり、今も通用するものがある。

 

日米共同事業の背景にあったのはベルエアロシステムズが開発したエアクッション上陸艇システムACLSで、レイクLA-4軽揚陸機に応用された。

 


                        JOHN ALDAZ COLLECTION VIA TWITTER

                        グラマン/新明和の合作ASR-544-4に米海軍マーキングがついた姿

         

1960年代末から1970年代にかけ、各種機体にゴム舟艇のようなACLSを装着する試みがあり、いかなる地点でも運用が可能となると期待されていた。ACLSを装着した機体は真の水陸両用機として車輪付き降着装置、スキー、フロート、あるいは舟艇状の機体は不要となるはずだった。

 

ACLSは機体下部に空気膨張式バッグをつけ、地上ではエアクッション機となり、水上でも同様に機能する構想だった。圧縮空気で膨らませ、ゴムスカート内部につけた数千もの排出ノズルで空気の層を作り、機体を浮かせる構想だった。一体型の「ピロー」をブレーキとして使い着陸時の減速を図るしくみだった。機体が停止するとノズルをふさぎエアクッション効果を止める。

 

この構想を軍用機に応用するべく米国防総省はカナダの通商産業省、ベルと組んでデハビランドカナダのDHC-5バッファロー双発ターボプロップ短距離離陸機を選び、ACLSの実証を試みた。圧縮空気供給用にターボプロップエンジンを二基追加した同機はXC-8Aと呼称され、「パッファロー」の愛称がついた。同機はACLSを使った離陸に1975年3月に成功した。ただし、ACLSを完全膨張させ着陸をしたかは定かでない。とはいえ、最大の懸念事項はゴム製エアバッグの耐久性にあり、固い表面に触れて摩耗や裂傷しやすいと判明した。


                            BELL

                            XC-8A 「パッファロー」が ACLS で地上移動した

 

 

他方でACLSにグラマンと新明和が目を向け、海洋哨戒機の機能性を上げる手段として期待した。1973年にASR-544-4として出てきた機体は主に海上運用するものの、整地あるいは非整地滑走路での運用も想定した。

 

主翼全幅104フィートで優雅な後退角をつけ、同じく後退角付きのT字尾翼のASR-544-4には1950年代に登場したマーティンのジェット飛行艇試作機P6Mシーマスターを思わせるものがあった。エンジン搭載方法が画期的で、ターボファン二基を主翼上で機体近くに搭載し、三番目のエンジンを尾翼下部につけるというものだった。主翼上のエンジン排気は15度下に長し、離陸性能を向上させる狙いがあった。

 

機体全長は111フィートで乗員10名での運用を想定し、作業スペースとあわせ寝台、ギャレー、洗面所を設定した。ミッション装備として機首にレーダー、磁気異常探知機を翼端につけ、潜航中の潜水艦探知をねらった。さらに機内からソノブイを投下する。機体下部の兵装庫は二つあり、魚雷8本を搭載し、主翼下四か所に対艦ミサイルを搭載するはずだった。

 


                            JOHN ALDAZ COLLECTION VIA TWITTER

 

機体下部には長さ44フィート幅24フィートのACLSがつき、最大高は6.7フィートとなり、使用しない際には機体内に格納する構想だった。膨張用の空気は機体右側の専用エンジン二基が供給し、境界層制御に使うブリードエアも同時供給するはずだった。また、主翼上面にガスを供給して離陸着陸時の効果を助けるねらいもあった。静かな水面からの離昇は向かい風で21秒で完了すると試算され、1、700フィートの水面が必要とされた。

 

JOHN ALDAZ COLLECTION VIA TWITTER

ASR-544-4の機体下部には膨張時のACLSがつき、機体前方後方に兵装庫がつく

 

その他の性能ではミッション半径が1,400カイリ、最大離昇機内輸送量が12千ポンドと計算された。最大速力はマッハ0.9となり、プロペラ式の他機よりも早く移動できた。

GRUMMAN

ASR-544-4の三面図

GRUMMAN

グラマン新明和案の構造図

 

ASR-544-4で想定した性能水準の具体的な内容がはっきりしないが、1980年に供用開始の想定だった。まず海上自衛隊に新明和PS-1、US-1の後継機として対潜哨戒機ならびに救難捜索機とする想定だった。興味深いのはUS-1は水陸両用機で、PS-1は飛行艇として水面からの運用のみの設計となっていたことだ。各機には専用エンジンが付き、境界層制御をする想定で、ASR-544-4と似通っていた。

 

日本には水陸両用機や飛行艇の製造、運用の長い経験があり、さらに高性能機材が必要となるとみていた。ASR-544-4が正式採用され生産されていれば、当時供用中の陸上機S-2やP-2ネプチューンや初期の飛行艇にかわり活躍していただろう。ただし、そのネプチューンはその後P-3Cオライオンに交代している。

 

海上自衛隊では陸上運用の固定翼機と水陸両用機を併用し、後者ではさらに進歩した新明和US-2が生まれ、同機は短距離で離水する性能で注目の的だ。P-3は改修を受け、いまっも海上自衛隊に残るが徐々に国産四発ジェットの川崎P-1哨戒機に交代しつつある。.

 

ただし、米海軍での採用可能性となると話は別で、海軍はすでに1960年代の時点で水陸両用機の哨戒任務をあきらめており、ASR-544-4に任務を見つけられていたか疑わしい。製造も運用も高価につく機体になっていたはずだ。さらに型式の異なるエンジン五基を搭載する同機の保守点検は難題になっていたはずだ。ジェット水陸両用機ではロシアが唯一の運用例で、ベリエフBe-200がロシア海軍に昨年納入され、捜索救難用とで飛行している。同機の寸法はASR-544-とほぼ同じだが、機体構造は舟艇状で、降着装置は通常の車輪方式となっており、エアクッション方式は採用していない。

 

UNITED AIRCRAFT CORPORATION

ロシア海軍向けBe-200ES 水陸両用機の一号機

 

ASR-544-4の運用は降着装置がないことでさらに難しいものになっていただろう。PS-1と同様の移動用車輪が陸上で必要とされ、ACLSは空気を抜く。搭乗員の機内外への移動も独特の形となり、燃料補給や兵装搭載も大変だったはずだ。

 

結局ACLSは構想としてよかったが、実用にならなかったものの、米国はじめ一部で1990年代まで研究は続いていた。今日ではこの構想が飛行船の各種地形からの運用に提案されている。

 

興味を惹かれるのはACLSが現在再び注目されていることで、MC-130JコマンドーII多用途戦術輸送機の水陸両用型に採用の可能性があることだ。これまでもC-130にエアクッション効果の着陸方式を応用する検討があり、以前からの構想が今回は実現に向かうかもしれない。

 


LOCKHEED

ACLS-搭載型の C-130構想図

 

ASR-544-4の設計案は真の水陸両用機の実現につながる大胆な提案として今日でも輝いている。■


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An Air Cushion Patrol Seaplane Was Once In The Works With The US And Japan


2021年6月18日金曜日

台山原発への世界の懸念に環球時報が予想通りの反論。しかし、日本批判を潜り込ませ、かつその論調は低劣。やはりCCPの品格を反映しているのかな。

 環球時報は中共のプロパガンダ紙といわれますので、この記事、かなり長文です、は公式見解を意識して書かれているのでしょう。それにしてもなぜ日本に悪意のある書き方をするのか、理解に苦しみます。当然ながら今回の事態を米政府が注視していることはまったく記述がありません。西側の報道が間違うこともありますが、自由な報道は官製のお手盛り報道とは全く違う機能を果たします。さて、放射能レベルの上昇自体を軽視するような態度は理解に苦しみますね。

   

Photo:Xinhua

Photo:Xinhua

 

 

際原子力エナジー機関(IAEA)が中国原子力エナジー集団(CAEA)から台山原子力発電所に関する情報提供を受けたことを6月16日認め、放射線漏れは発生しておらず、環境への懸念もないとした。

 

CAEAからはIAEAに「発電所の一号機で小規模の燃料棒不良があり、同機原子炉冷却水で放射能が増加した」と伝えている。

 

CAEAはさらに原子力発電の稼働ではよくある事象であり、手順撮りに対処しているともIAEAへ伝えた。現場のモニタリング結果と専門家の評価によれば、同機の運転状況は一次冷却水の放射能レベルも含め正常状態の範囲内であるという。

 

台山原子力発電所周辺の放射線モニタリングは正常値のままで、同発電所からの放射能漏れが発生していないことを示していると中国生態環境省MEE)は6月16日発表し、放射能漏れと伝えたCNNを否定し、事態への懸念を払しょくした。

 

中国の最上級安全規制機関MEEは台山原発周辺で放射能許容限界の引き上げを認めたことはなく、ここでもCNN報道は事実と反すると同省は述べた。同原子力発電所の安全は保証付きと同省は発言。

 

一号機の一次冷却材中の体積あるいは重量あたり放射能量が運転中に上昇したが、安定運転の許容範囲内であると判明した。

 

一号機の冷却回路中の放射能レベル上昇は主に燃料棒破損に関連している。制御不可能な要素が燃料棒製造過程、輸送段階、現地投入段階に発生し、燃料棒の一部に損傷が発生するのは避けられない。また、原子力発電所の運転ではよく発生するとMEEは説明している。世界各地の原子力発電所多数で燃料棒破損は見つかっているが、運転に支障は生じていないことがデータからわかる。

 

台山発電所の一号機炉心には燃料棒が6万本あるが、破損したのは5本程度とみられ、全体の0.01パーセントにすぎず、設計上の燃料棒事故想定の0.25パーセントを大きく下回ると当局は説明。

 

さらに一号機の主要回路で放射能レベル上昇が発生したが放射能漏れ事故とは全く違う状況とMEEが強調している。原子炉冷却系統の圧力限界とならび放射能を封じ込める機能を果たす封じ込めシール材は要求に合致しており、放射能は外部に全く漏れていない。この二つの物理的な守りが安全を確保しているという。

 

CNNは14日月曜日に「中国安全当局が放射能探知の限界を引き上げている」とし、あたかも発電所が運転停止を逃れようとしているとの報道をした。その際に同発電所を共同運用するフランス企業フラマトムの書簡を引用し、「米エナジー省あてのものをCNNが入手した」と述べていた。

 

MEEはそうした主張を認めず、CNNが間違った報道をしたと述べた。

 

中国の国家核安全局が台山発電所周辺の許容放射能限界を引き上げた事実はない。逆に同局は原子炉冷却材から発生する不活性ガスの放射能レベルの上限を審査承認した。

 

こうした限界値は運転管理のため設定したもので、発電所外部のモニタリングとは無関係だと説明している。

 

中国国内に設置してあるリアルタイムの全国放射線環境データ評価システムのデータでは大気中の放射線量を計測しつつ、発電所周辺では大きな変化がないことを示している。

 

6月15日の大気中の放射能レベルは台山発電所周辺で155 nGy/hで基本的に安定しており、2020年第4四半期の平均値(10月は157.2 nGy/h、11月158.8 nGy/h 、12月160.9)と大差ない。

 

放射能漏れが発生すると大気中の線量が長期にわたり上昇する。例として2014年始めに一部観測所で数万nGy/hが記録されたが、2011年の福島原子事故の発生が原因という。

 

福島事故を受け中国政府は数回にわたり文書を発出し、それが現在の国内原子力発電所の安全レベル向上の中心となっている。

 

2011年の福島原発事故後で中国は新規原子力発電所の承認を停止した。2012年に安全院が原子力発電安全計画(2011-20年)を制定し、中長期の開発案が生まれた。こうした文書で原子力発電所建設が再開され、安全基準を引き上げている。新規原子力発電所では第三世代の安全基準を満たす必要がある。

 

2016年1月に中国は原子力緊急事態に関する白書を公開し、正しい原子力緊急事態の対象方法を法制度、機構面ともにシステムとして確立している。

 

今回の台山発電所は第三世代進化型原子炉技術をフランスから導入し、安全基準は既存の第二世代原子炉よりはるかに高くなっている。フランスのエナジー業界大手フランス電力(EDF)の運転炉よりも高い。アモイ大学のエナジー経済研究センター所長のLin Boquiangが解説してくれた。

 

「中国の原子力発電の基礎は安全であり、開発側としても安全は生命線となっている。仮に事故が発生すれば、損失は計り知れない」(Lin)

 

その中で日本政府の記事への反応ぶりを中国のネティズンは「ばかげている」とか「聖人ぶりすぎ」と評していることが注目される。福島原発の排水処理での無責任ぶりも念頭にあるようだ。

 

加藤勝信官房長官は15日記者会見で中国に「放射能漏れが発生しているとの報道に関し、透明性かつタイムリーな説明を世界に対して求めたい」と述べているものの、日本が設置したモニタリングポスト47か所でいずれも異常値は検出されていないとNHKが報道している。

 

「福島事故が世界最高レベルの原子力災害との事実を日本は忘れたのか。今後は他国の原子力発電の正常運転を妨害しようとしている。善悪を区別できず恥ずかしくないのか」とのコメントがSina Weiboに出た。

 

現時点で中国の各機関は外務省や今回の発電所を運営する中国広核能集団も含め台山発電所は正常に安全な運転を続けており、状況は安定していると述べている。

 

香港、マカオの当局は同発電所に近いこともあり、同発電所や周辺地区の環境データに何ら異常はないと発表している。

 

EDFは事故の可能性は排除し、放射能レベルは限度内だと14日月曜日発表した。

 

MEEは今後も台山発電所一号機の主回路内部の放射能レベルを注意深く見守り、現地監督指導を強化しつつ環境モニタリングで安全な運転を実現していくと発表した。また、今後もIAEAやフランス原子力安全規制当局と接触を保つという。■

 

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No leak at Taishan Nuclear Power Plant and no increase in environment radiation limits: China's Ministry of Ecology and Environment refutes CNN report

 

By Chen Shasha and Lu Yameng

Published: Jun 16, 2021 02:01 PM


米空軍の最新動向。NGADは複数機種構成になる。KC-46の進捗に耐え兼ね、KC-Y公示が発出。A330MRTTの採用となるのか。

 


NGADはさておき、KC-46は米国以外には日本、イスラエルぐらいしか採用がないのですが、このままA330MRTTが米空軍も採用すれば、日本も対応を考えざるべき事態が生まれそうですね。




ポイント: ボーイングはこれまでKC-46で50億ドル近くを失いながら、進捗は予定から遅れつつ、それでいて生産をこなせない観がある。


F-22後継機は航続距離が伸び、兵装搭載量が増え世界最高峰の制空戦闘機でありながら、対地攻撃もこなす機材になると空軍参謀総長が議会で発言した。


次世代制空戦闘機(NGAD)は単一機種ではなく、各型式で異なる任務をこなす機体になるとCQブラウン大将は下院軍事委員会(HASC)の2022年度予算要求公聴会で明らかにした。


一番驚かされたのはNGADに「対地攻撃能力も付与し、航空部隊や統合部隊に選択肢を広げる」とブラウン大将が発言したことだ。


Air Force Magazineは「空軍戦闘軍団司令官マーク・D・ケリー大将はNGADは二型式とし、インド太平洋向けに長距離大ペイロード型、ヨーロッパ向けには短距離型とすると述べた」と伝えている。


また本日の公聴会で飛び出したビッグニュースがある。一部議員がボーイングに対し旧型KC-135の代替用給油機KC-46を低リスク策で実現するのに時間がかかりすぎ、かつ製造が順調でないと痛烈に批判した。現時点でKC-46は安全な空中給油実施のためカメラシステムを刷新する必要が生まれている。ボーイングは50億ドル損失を発生させながら、事業は数年に及ぶ遅延となっており、製造の基本条件もうまくこなしていないように映る。


HASCで同給油機問題を扱う有力議員ロブ・ウィットマン下院議員はブラウン大将、空軍長官代行ジョン・ロス両名にボーイング向け契約の「見直しを強く求める」と発言した。


空軍上層部の両名は現行の固定価格契約をやり直せば費用増加はほぼ確実と返答した。現在は追加発生費用はすべてボーイング負担としており、空軍並びに納税者は追加費用を一切心配しなくてよい構造になっている。「契約構造を見直せば、事業がさらに遅延するのは確実なので、見直し策には効果はないと考える」とロス長官代行は発言した。


ボーイング幹部を動揺させたにちがいないニュースをDefense Oneが伝えている。空軍が別機種の給油機KC-Yとして160機程度調達の事業への入札希望企業を募集する公告を本日公開した。


「空軍は140-160機程度の民間機派生型給油機を納入可能な企業を求める。機材は年間12-15機納入とし、KC-46Aの生産終了時点で空軍の給油機材を補完するものとし、かつ次期給油機へのつなぎとする」と同文書にある。「民間機派生型給油機は2029年の運用開始とする。空軍は同事業の要求性能をまとめる段階にあるが、基本性能は次期給油機事業の第一段階にもとづくものとし、その他要求は追って空軍が決定する」


ここで想定する戦略給油機メーカーはエアバスしかない。ロッキード・マーティン及びブラジルのエンブラエルは戦術給油機のKC-130、KC-390をそれぞれ生産している。ロッキード・マーティンは「米空軍の調達先選定公示に応じ、ミッション投入可能案を提示し、空軍が求める今後の給油機性能に対応したい」と早くも対応する姿勢を示している。


現行事業をめぐりエアバスはボーイングに敗退した経緯がある。だが、エアバスのA330多用途給油輸送機は米国同盟国のオーストラリア、フランス、英国、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、シンガポール、韓国に加えNATO共同事業体が採用しており、ボーイング案は劣勢に立たされているのが現状だ。エアバスが入札参加を決めれば、A330には採択可能性は十分ある。


ただし前回の選定中にボーイングは各議員に米国に本社を置く企業を採択すべきと働きかけエアバスを打倒した経緯がある。なお、ボーイングからはKC-Y入札参加の意向が表明されている。今回のような大型案件への外国企業参加には議会が抵抗を示す可能性があるが、ボーイングのKC-46生産のお粗末な実績がそもそもの原因で、ドアが開きつつあるといえよう。■



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Air Force Starts KC-Y Tanker Search As Lawmakers Slam KC-46

By   COLIN CLARK

on June 16, 2021 at 7:29 PM




2021年6月17日木曜日

(再出)B-21は2機完成済みとの次官補発言を空軍が訂正しているが、レイダーが一般の前に現れる日はそこまで来ている.....

 NORTHROP GRUMMANB-21 render with B-1Bs

ここがポイント B-21は2機が完成し、来年の初飛行を前に地上テストの準備に入っている。

空軍の爆撃機部門の近代化が勢いをつけてきた。高度機密に覆われたノースロップグラマンB-21レイダーステルス爆撃機は2機が完成したとの報せが入ってきた。一方で空軍はレイダー引渡しが始まる2020年代中ごろまでB-1Bは退役させない。空軍内部にはハイエンド脅威に対応できる爆撃機数は十分なのか懸念が強まっている。

B-21の最新状況は爆撃機部隊全体の状況とあわせ昨日の下院軍事委員会公聴会で明らかになった。空軍次官補ダーリーン・コステロからB-21の2機がカリフォーニア・パームデイルのプラント42で完成したと発言があった。初飛行は当初今年12月予定だったが、2022年初頭に変更される。同年中ごろにテスト飛行を展開する。空軍では完成したB-21の2機をどう活用するか明言していないが、地上テストやシミュレーションに活用されるのは確実だろう。

ただしB-21の進展から爆撃機225機体制の実現で空軍に懸念を生んでいる。空軍はB-21と冷戦時のB-52を大幅改修した2機種構成の実現を目指し、現有のB-2(20機)、B-1(61機)、B-52(76機)の合計が157機だが、すべてをこのまま供用し続けるわけではないとする。B-1が45機になる日が近づいており、爆撃機合計は142機になる。

空軍参謀次長デイヴィッド・S・ネイホム中将は225機体制を席上で確約し、B-1およびB-2を退役させれば単純計算で新体制はB-52が76機とB-21の149機になると述べた。ここで忘れてならないのはB-21については機数は確定しておらず、B-52の全体機数に変化がない前提になっていることだ。

B-21で前回の数字は最低145機としたフランク・ケンドール(バイデン大統領により空軍長官に指名された)のものだたった。その前まで空軍はB-21は最低100機生産する予定とのみ明らかにしていた。

「B-21は迅速調達できない」とS・クリントン・ハイノート中将(戦略統合調達担当空軍参謀次長)は同公聴会で発言した。「爆撃機戦力構成に与えるリスクは高い」とし、「うまく処理する必要がある。B-21戦力化は可能限り加速化する必要がある」

U.S. AIR FORCE/AIRMAN FIRST CLASS QUENTIN MARX

B-21レイダー耐環境シェルター試作型の建設がエルスワース空軍基地(サウスダコタ)で今年2月に始まった

最新の2022年度予算要求で空軍はB-21関連で28.73億ドルを求め、前年度から3千万ドル追加した。空軍は増額分を「初期生産準備」に必要としている。

B-21はエドワーズ空軍基地(カリフォーニア)でのテスト後にまずサウスダコタのエルズワース空軍基地へ配備される。その後、ホワイトマン空軍基地(ミズーリ)、ダイエス空軍基地(テキサス)へ配備が続く。両基地はそれぞれB-2とB-1の配備先になっている。

B-1では消耗度が高い17機がまず退役し、45機のまま、レイダーの到着を待つ。ネイホム中将によれば、B-21が加わるまでB-1はこれ以上の退役はない。「45機を下回らせない。現地指揮官が現在の戦力を今後5年、7年、10年と求めてくるはずだからだ」となるとB-1で燃料系統問題で最近も飛行停止措置があったが、機数削減は打ち止めになりそうだ。

ここ数年はアフガニスタンや中東でB-1が酷使されてきた影響が大きいのをハイノート中将も認めており、今回退役させるB-1の17機は運航経費が高く、供用を続ける価値がないという。

45機になってもB-1の利用率は向上するとネイホムは述べ、理由として整備作業が最も必要な機体が退役するからだという。運用整備面の改善とともに、B-1B各機はここにきて装備運用能力を大幅向上させており、極超音速ミサイル運用のほか、その他装備を外部パイロンに搭載し、対艦攻撃ミッションを新たに追加している。

U.S. AIR FORCE/AIRMAN 1ST CLASS DAMON KASBERG

長距離対艦ミサイル(LRASM)がB-1Bに搭載を待つ。テキサスのダイエス空軍基地。

 

事業全体はB-21の今後の日程次第であり、関係者は新型機の戦力化にあたり、F-35が同時開発で発生させた事態を繰り返さずに進展できるか気をもんでいる。同時開発とはテスト前に量産を始めることで、コステロ次官補はレイダーでこれは想定していないと発言した。もちろん、B-21でもテストにより何らかの変更が発生する可能性は排除できず、事業全体が遅延するリスクになる。

U.S. AIR FORCE/TODD MAKI

空軍次官補ダーリーン・コステロ(調達、技術、補給活動担当)

実際にB-21の稼働が始まってから、空軍の需要にこたえるべきか増産の可否を決めるとコステロは発言。B-21がRQ-180などその他機材の機能も強化できるとわかれば空軍全体に大きな効果が生まれる。

実際にB-21が公開されるまで、同機では多くが謎のままで、空軍関係者は実際の性能について口を閉ざしたままだ。例として、同機が核兵器運用性能があるのか不明だ。現在のB-2は可能だが、B-1全機は核兵器運用ができない。B-52の一部は核運用能力を取り除いている。この話は新START条約で戦略核兵器削減上で核兵器運搬装備にも上限があるため重要となる。重爆撃機もここに入り、米ロ両国に適用される。ただし、同条約は2026年に失効し、その後どうなるかは不明だ。

U.S. AIR FORCE/SENIOR AIRMAN LILLIAN MILLER

AGM-86空中発射式巡航ミサイルがB-52Hストラトフォートレスに搭載される。ルイジアナのバークスデイル空軍基地。

 

搭載する兵装種類に関係なく、B-21で空軍の爆撃戦力は大きな向上が生まれ、20機あまりのB-2やB-1をB-21の150機近くと交代させ、空軍は厳しい空域でも敵防空網突破可能な戦力の整備を進める。一方で必要とされる規模よりはるかに小規模の爆撃機部隊での対応を迫られそうだ。■

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Air Force Corrects Top Official's Statement On B-21 Bomber Progress (Updated)

BY THOMAS NEWDICK JUNE 9, 2021


台山原子力発電所で何が起こっているのか。燃料棒破損を中国が認めたが、相変わらずの透明性欠如で状況がわからず、米国も原発所有企業が反米企業リストにあるため手が出せないようです。

  • 状況はどうなっているのか、例によって中国の透明性欠如のため、ちっともわかりません。当初報道では米国が支援するなどと言っていましたが、原発の所要企業が悪い筋なので簡単に手を差し伸べられない事情があるのですね。本当に困った国ですね。

Taishan Nuclear Power Plant

PUBLIC DOMAIN


ポイント 中国はすべて制御下だと世界に保証しているが、中国南方の原子力発電所の状況はホワイトハウスも注視し続けている。


 

山原子力発電所Taishan Nuclear Power Plant で燃料棒数本が破損し、原子炉建屋内に放射性ガスがたまっている状況を中国がついに認め、生態学のみならず地政学的でも大事故になりかねないとの危惧が世界に広がっている。中国政府は今週に入り放射能異常値は発電所の外で探知されていないと述べたものの、同発電所を共同所有し運営を支援するフランス企業は「放射能の脅威が迫っている」と警告している。

 

原子炉の一つで燃料棒を取り巻く蒸気と冷却水中に放射性ガスがたまってきたことに懸念が高まっている。中国は燃料棒のうち「5本くらい」が破損したと認めているが、発電所自体は600本あまりの燃料棒のうち四分の一が損傷しても安全操業が可能といわれる。フランスの原子力エナジー企業フラマトム(フランス電力EDFの傘下)が発電所の状況を管理し運用支援しているが燃料容器が原子炉内で劣化したことで今回の事態が発生したと説明している。「希ガスが主回路上に発生する現象は知られており、研究され原子炉運営上では想定済み」とEDFは声明を発表している。しかし、ニューヨークタイムズ記事によれば放射性ガスがたまっている原因は「設計、製造、あるいは管理の不具合によるもの」と専門家が見ている。正反対の観測がでているのだが、現時点で台山の危険度がどこまでなのか把握できない。

 

ASSOCIATED PRESS/BOBBY YIP

台山原子力発電所の建造現場で。2013年。

 

台山は広東省にあり、マカオ、香港、広州といった人口稠密地に近く、深センにも近い。この立地で原子力事故となれば健康面の影響は避けられない。香港含む周辺4都市は世界の人口トップ50圏内にあり、合計4千万人が暮らす。

 

GOOGLE MAPS

発電所は主要都市に近い場所にある。

 

CNNはバイデン政権筋の話として米政府は台山の状況は「危機レベル」ではなく、「発電所内関係者や周辺住民に深刻な安全上の脅威となっていない」と見ていると伝えた。しかし、CNNが同時に入手した資料では中国の安全担当官が発言所周辺の放射線許容水準を引き上げ、発電所閉鎖を回避しようとするのを米国は非難している。

 

中国外務省報道官趙立堅Zhao Lijianは報道会見で記者質問にこたえ、「放射線で異常値は発電所周辺で全く探知されていない」と述べた。中国報道機関はほぼ同じ内容を伝えている。「原子力発電所の安全性は保証つき」と中国生態環境省が述べたとChina Dailyが伝えている。「CNN報道は間違いだ」

 

ホワイトハウスの安全保障協議会はここにきて数回開催されており、状況把握につとめている。協議会を主宰するのは中国担当NSC上級ディレクターのローラ・ローゼンバーガー、軍備管理担当の上級ディレクターのマロリー・スチュワートだ。さらにホワイトハウスは中国フランス両国政府と連絡を密にしており、エナジー省(DOE)の専門家の意見も聴取している。CNNが米政府関係者に現時点での評価を尋ねたが、断られた。とはいえ現在有効な各種条約によれば米国は原子力災害による中国一般国民へのリスクをあらかじめ把握しておく必要がある。

 

CNNではフラマトム社から米エナジー省に放射性ガスの増加による危険度の評価の支援を求めてきたと報じている。フラマトムの親会社EDFが同発電所の株式30パーセントを、中国広核集団(CGN)が70パーセントをそれぞれ保有する。だがCGNは米国の外交政策に反する企業としてリストアップされており、このため米国の、あるいは米国所有の企業は同社と商取引が禁じられている。フラマトムは米国に対し禁止措置を一時的に止め、米国の原子力専門家の支援を受けられるよう要請してきたといわれる。

 

「状況は所内並びに周辺住民に放射能の危機を今にも生みそうなので、フラマトムは技術データとともに技術支援を入手する許可をすみやかに得て、発電所の運転を正常に戻す必要がある」と6月8日付でフラマトムがエナジー省に送った書簡が伝えているとCNNは報道した。

 

深刻な見出しの報道がある一方で、一部専門家には原子力災害が発生寸前との評価に疑問を投げかける向きもある。国際原子力エナジー機関(IAEA)からは放射性事故が発生したとの報告は入っていないとの声明が出ている。南カリフォーニア大の原子力安全専門家、ナジメディン・メシュカティはニューヨークタイムズに燃料棒破損はたびたび発生しており、台山の現状がそのまま周辺住民の深刻な脅威とは考えにくいと述べている。

 

一方で、EDFエナジーの広報は状況は深刻ながら制御下にあると述べている。「炉心溶融の事故想定ではない。放射能汚染も想定しておらず、あくまでも制御しながらの放出だ」と述べた。EDFは別の声明文も発表しており、同じ論調だ。「入手できたデータを見ると、同発電所は安全許容範囲内で運転中だ」とし、「当社チームが関係者とともに状況評価とともに解決策を模索しており、問題解決を目指している」とある。

 

台山原子力発電所の燃料棒破損で発生する危険度では評価がわかれているが、原子力災害が人口稠密地付近で発生し、放射線レベルが危険な水準になれば、中国や香港の住民にパニックが発生しかねない。ただでさえ、南シナ海をめぐり緊張が高まっる中で、原子力災害が加われば、健康上の影響が中国国内に限定される保証もない。

 

台山での状況の推移については今後も新情報が入手次第お伝えていきたい。■

 

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Global Concerns And Questions Grow As China Admits Fuel Rods At Nuclear Plant Are Damaged

BY BRETT TINGLEY JUNE 16, 2021