2022年9月21日水曜日

B-21レイダーの機体公開は12月初旬か。米空軍に最大のクリスマスプレゼントとなる同機は予算内、工期内で完成した事自体がニュース。

 

B-21 Raider. Image Credit: US Air Force.

B-21レイダーの一般公開が迫る 

クリスマスがやってくる。ノースロップ・グラマンのB-21レイダーもやってくる。アメリカ空軍の新鋭長距離戦略爆撃機の公式公開が先に到着する可能性がある。B-21レイダー・ステルス爆撃機は12月第1週にデビューを飾る。

レイダー発表の詳細に触れたのは調達・技術・兵站担当空軍次官補アンドリュー・ハンターAndrew Hunterで9月20日の空軍協会主催イベントでのこと。B-21ロールアウトの週は、レーガン国防フォーラムと重なり、数十人の軍高官がカリフォルニアに集まると、Defense Oneが最初に報じた。

B-21にステルスモードはない

B-21レイダーはステルス機だが、ノースロップ・グラマンがパームデール施設で製造していることはすでに知られており、最新情報によると、試作型6機が製造されている。

同機は、来年の前半に初飛行すると予想されている。

10年以内に就役する長距離重戦略爆撃機は、通常弾と核弾頭両方を運搬できる二重能力貫通攻撃型ステルス爆撃機として設計された。B-21は、情報、監視、偵察、電子攻撃、通信、その他機能を含む長距離攻撃用の大規模なシステム・ファミリーの構成要素となる。さらに、レイダーはスタンドオフ弾、直接攻撃弾の幅広い組み合わせを使用できる。

B-21は就役開始時点で、冷戦時代のB-1Bランサーを代替し、B-2スピリットやB-52ストラトフォートレスと運用される予定である。最終的には、レイダーが後者2機にも取って代わり、空軍で唯一の爆撃機となる。

B-21は費用対効果の高いプログラム

また、空軍はB-21開発において、コスト削減の努力をしてきたとアピールしている。ノースロップ・グラマンとの技術・製造開発契約で製造中のB-21試験機は、量産機製造用と同じ工具、プロセス、技術者を用いて、生産ラインで製造されている。

「B-21試験機は、構造的にもミッション・システム的にも、これまで見てきた中で最も量産型に近い機体だ」と、今年初め、空軍迅速能力局長ランドール・ウォルデンRandall Waldenは説明していた。「このプログラムでは、高忠実度の飛行試験キャンペーンと効果的な生産移行への道を開くため、正しい決断がなされている」。

4月、空軍省はノースロップグラマンにB-21レイダープログラムの事前調達として1億800万ドルを交付した。先行調達資金として、B-21の最初の生産ロット製造に必要な長期のリードアイテム取得にあてられる。先行調達費を認めたことで、21世紀の爆撃機隊の基幹機の配備への空軍のコミットメントが再確認された。

B-21

米空軍の長距離爆撃機B-21レイダーを、武装型無人次世代制空権プラットフォームが護衛する様子の想像図。Mike Tsukamoto/staff; Greg Davis/USAF

B-21: 専門家の意見

オバマ政権時代の国防総省元高官は、「B-21レイダーがほぼ予定通り、予算内で完成したことは間違いなく喜ばしい」と説明している。「今の課題は、有事に中国やロシアの空域に大量に侵入できるだけでなく、プロジェクト全体のコストが妥当であると保証するために、空軍が同機を十分な機数で入手できるようにすることです。私がこれまで見てきたところでは、もし空軍がこの飛行機を100機、いや120機手に入れれば、米国の安全保障は素晴らしい状態になる」。■

The B-21 Raider Could Be the Ultimate Christmas Gift for the U.S. Air Force - 19FortyFive

ByPeter Suciu

Expert Biography: A Senior Editor for 19FortyFive, Peter Suciu is a Michigan-based writer who has contributed to more than four dozen magazines, newspapers, and websites with over 3,000 published pieces over a twenty-year career in journalism. He regularly writes about military hardware, firearms history, cybersecurity, and international affairs. Peter is also a Contributing Writer for Forbes. You can follow him on Twitter: @PeterSuciu.


2022年9月20日火曜日

台湾防衛:F-35、攻撃型潜水艦、海兵遠征部隊、さらに域内同盟国が迅速に動けば中国の台湾攻撃を阻止できる

 

米国と同盟国の第5世代航空戦力が十分な速度で対応できれば、台湾海峡で制空権は迅速に確立できる

国が台湾を揚陸攻撃するために海上戦力を増強すれば、米国や同盟国の監視衛星や商業衛星でさえ確認できる可能性が高い。しかし、急成長する中国海軍の規模と殺傷力を考えれば、そのような見通しは明らかに、国防総省、台湾、太平洋地域の同盟各国に大きな脅威を与えている。

特に中国が準ステルス性の055型駆逐艦、新型075型飛行艇、運用可能な空母2隻からなる艦隊を出現させていることを考えれば、このような不測の事態での防御は極めて困難に思われるかもしれない。阻止できるだろうか?

このような脅威があるからこそ、米海軍は同盟国との共同パトロールや、空母2隻での作戦など戦争準備訓練を続けているのだろう。中国の台湾侵攻を阻止する鍵は、水上艦艇の「前進」だけではなく、米国の海中・航空優勢で決定される可能性が高い。もちろん、米海軍のヴァージニア級攻撃型潜水艦は、静音化技術でステルス性を高め、魚雷を装備し、敵の島や海岸線付近で秘密裏にISR任務を遂行できるため、台湾に近づく中国船を探知し攻撃するには最適の立場にある。

F-35B

F-35B

Lockheed Martin

米国は現在、F-35数百機を運用し、太平洋で定期的に「前方哨戒」と抑止の任務に従事させていることから、米国と同盟国のもう一つの利点は間違いなく空からもたらされるはずだ。簡単に言えば、米国と同盟国の第5世代航空戦力が十分な速さで対応できれば、台湾海峡上空の制空権を迅速に確立できるように思われ。これは決定的であり、最終的には潜水艦とともに、接近する中国軍を撃破するための米海軍で最良の機会となり得る。

中国は第5世代ステルス機J-20を少数運用しているが、陸上から展開しなければならず、海上で接近し活動するのは不可能だまた、空母から運用するJ-31第5世代機を開発中だ、初期段階にあり、信頼できる数はない。また、おそらく最も重要なことは、中国は海兵隊のような F-35B 垂直離着陸型第5世代航空機を保有していないため、影響力のある規模の第5世代航空機で海上戦の前方作戦を行うことが困難である点だ。確かに、中国の台湾への揚陸攻撃は、いかなる形であれ、航空優勢がなければ非常に困難であり、米国と同盟国のF-35の数と近接性を考えると、達成できない可能性が高い。

例えば、アメリカ級揚陸強襲艦は、13~15機のF-35Bを搭載でき、空母から発進するF-35Cで補完すれば、制空権を迅速に確立するのに十分な位置づけとなる。なぜか?J-20やJ-31に米国の第5世代戦闘機に匹敵する能力があるとしても、米国と連携した第5世代編隊に対抗できる数は存在しないからだ。有名な孫子の言葉を借りれば、「質量が重要」である。これは一見、時代を超えた概念だが、極めてハイテクな戦争環境の今日でも当てはまる。

J-20とJ-31に関しては、ペンタゴンの各種報告書やウィットマン含む議員は、中国の第5世代ステルス戦闘機技術の多くがアメリカから盗んだものに見えると落胆を表明している。中国による米国兵器仕様のサイバー窃盗は、米国議会の報告書や国防総省のニュース記事、十分なソースに基づく独立系論説などで、米国の深刻な懸念として公然と議論されている。確かに、J-31の外観構成を見れば、ステルスで混合翼ボディのF-35と驚くほど似ている。J-20は、F-22とF-35の両方と外観が似ている。

 

J-20

J-20

CCTV

「J-20の技術のほとんどがアメリカから盗まれたものなんだ。しかし、私たちはそれに対処しなければなりません。しかし、それは私たちの技術を保護するために何をしなければならないかを思い出させてくれるはずです。また、F35ブラボー(F-35B)、アルファ(F-35A)、チャーリー(F-35C)は非常に高性能な機材であり、私たちが次のステップに進もうとしていることを思い起こさせるものです」とシーパワー兵力投小委員会の委員るロブ・ウィットマン下院議員Rep. Rob Wittman(共バージニア州選出)は、ウォーリアーとのインタビューで、「これらの機体をどう活用し、他のプラットフォームも使える領域に移動するべきか」と語っている。

しかし、中国と米国の第5世代航空機の本当の差は、外形と全く関係のない技術や性能パラメータにあるようだもちろん、レーダー吸収材の性質や効果は重要であり、それは中国機について十分に知られていない可能性があるが、ステルス構成だけでは優位性や航空優勢の確保は十分ではないだろう。

中国のJ-20、J-31、F-35を比べれば、高性能な機体は、コンピューティング、AIによるデータ管理、センサー範囲と忠実度、武器範囲と精度の質で決まる可能性が高くなる。例えば、空軍のウォーゲーム演習でF-35が見せたように、F-35は次世代コンピュータを使ったセンシングとオンボードコンピューティングにより、安全な距離から敵機を発見し破壊することができる。このような能力をF-35がしばしば実証しており、優位性を確実にする。したがって、どの航空機が優れているかという答えは、米国の第5世代機と比較した場合の中国の第5世代機の航続距離、照準、感知能力など、多くの未知の、あるいは決定困難な変数と関係する可能性がある。

ウイットマン議員は、3隻構成の海兵隊遠征部隊(MEU)の前方に配置されたF-35米軍揚陸攻撃隊が、中国の台湾侵攻に対して重大な障害となると見ている。

「MEUは、3隻とLPD、LHAで構成され、完全配備されています。このプラットフォームと全体像がもたらすものは、中国にとって脅威となります。特に、台湾で揚陸作戦を行おうとする場合、台湾に上陸し台北を奪取するためには、部隊が大きな障害になるのです。向こう側に補完装備はない」とウィットマン議員は述べた。

 

J-31

J-31

Chinese Internet

たしかに中国は空母から発進する第5世代機J-31や、水陸両用攻撃艦から運用できる垂直離陸型の第5世代機を十分な数保有していない。中国は、新世代の075型揚陸艦の建造を急いでおり、3隻目が建造中である。しかし、これらの艦はヘリコプター運用はできても、第5世代航空戦力を備えているようには見えない。したがって、中国が揚陸作戦で進攻する場合、米国、日本、韓国の第5世代航空戦力で完全に破壊される可能性が極めて高いことは、ある程度自明であると思われる。

中国による台湾への攻撃を抑止または破壊する上で最も重要な要因は、米国の同盟国だろう。米海軍が、飛行艇、無人偵察機、第5世代航空機で武装した空母二隻と海兵遠征隊で十分に「前進」していれば、攻撃してくる中国の揚陸部隊を破壊できないまでも、対抗できるだけの時間的余裕をもって到着できる可能性がある。

例えば、日本と韓国は共にF-35の保有国であり、日本は弾道ミサイルを追跡・迎撃するイージス戦闘システムを運用する米国のパートナーである。太平洋にいる日米艦艇は、台湾に向かう中国の弾道ミサイルを探知し、打ち落とすことができる位置にある。台湾への攻撃では、中国沿岸から台湾に弾道ミサイルの一斉発射が先行することがほぼ確実であるため、これは非常に重要である。

「中国を最も効果的に抑止する方法は、日本やオーストラリアなど同盟国が迅速に戦闘に参加できることを中国に知らせることである。問題は、どれだけ早く軍を集められるか?そして、どれだけ早く同盟国を現地に連れて行けるか?それが鍵になる。なぜなら、この地域のすべての同盟国が、必ずしも最初から戦いに参加するとは限らないからです。だから問題は、どうすればより良い方法で、迅速かつ効果的に、同盟国を活用できるかということだ。とウィットマン議員は語った。

国防総省は、日本、韓国、オーストラリアなど太平洋地域の主要な同盟国との連携、共同訓練、戦略イニシアチブを強化・拡大する取り組みを加速している。このような同盟関係は抑止態勢で最も重要である一方、極めて高い戦闘能力を持つ戦力となり、急速に成長し続けている。例えば日本は最近、数十億ドル規模のF-35を購入したが、これは第5世代機を台湾や中国との国境に近づける動きである。韓国もF-35を導入しており、近年は米国のF-35と共同で戦域維持活動としてパトロールを行っている。

第5世代航空機の近接性に加え、Global Firepowerによれば、日韓両国で約100万人の兵士を擁する大規模な地上軍を保持していることは、極めて重要である。台湾侵攻に対する米国の対応は、台湾が併合される前に、空や海から攻撃してくる中国軍を破壊することを望むのは確かだが、米国と同盟国は、台湾を占領する中国軍を強制的に「追い出す」準備も必要であると認識している。

台湾がエイブラムス戦車など地上戦用プラットフォームの調達を続けているのは、このような事態を想定してのことだろう。しかし、第5世代ステルス機の制空権と長距離攻撃、数百万人規模の地上部隊があれば、米日韓の部隊が中国を台湾から追い出し、台湾を奪還することは現実的に思えてくる。しかし、そのためには、移動が困難な重装甲兵器を配備し、水陸両用で上陸できる安全な橋頭堡が必要だ。海軍の遠征用高速輸送船、Ship-to-Shore Connectorなど、エイブラムス戦車を船から海岸に輸送できる手段はたくさんあるので、このような作業は決して不可能ではない。攻撃型潜水艦と第5世代の航空戦力は、中国の揚陸攻撃部隊が台湾に到着する前に、完全に排除するか無力化するのに十分な位置にあると思われるため、中国は攻撃を明らかに避けるべきだろう。

「数週間前だが、キャンプ・ペンドルトンに神話の人物を訪問し、とても光栄に思った。スミス将軍と一緒にキャンプ・ペンドルトンから、USSマキンアイランド艦上の第13MEUを視察した。海兵隊員や海軍隊員は、F-35やV-22をフル装備しており、誇らしく思った」とウィットマン議員は、「信じられないほどの戦力の艦だ」と語った。

ウィットマン議員は、海軍海兵隊がこのシナリオを念頭に置き戦略文書を作成し、戦術を練り上げているのを嬉しく思うと述べた。

「いいかね、わがほうの海軍海兵隊員諸君は信じられないくらい直面刷る問題をこのように分的的に考えており、同時に信じられないくらい創造性と想像力を発揮して 中国が潜在的に我々に課しているリスクという複雑な問題を解決しているんだ」(ウィットマン議員)■

How US F-35s & Attack Subs Could Destroy a Chinese Amphibious Attack on Taiwan - Warrior Maven: Center for Military Modernization

KRIS OSBORN, WARRIOR MAVEN - CENTER FOR MILITARY MODERNIZATION

SEP 16, 2022

Kris Osborn is the President of Warrior Maven - Center for Military Modernization and the Defense Editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.


米国は台湾防衛できるのだろうか。シナリオを検討すると米空母喪失が必至。中国も相当の損失を覚悟すべきだ。

  

 

Al Jazeera

 

国は、中国が台湾を攻撃した場合にどう対応するかについて、長年にわたり戦略的な曖昧さを維持してきた。今、ジョー・バイデン米大統領は、この問題に新たな関心を寄せている。バイデンは9月18日、60ミニッツのインタビューで、米国は中国から台湾を守るため戦うと述べた。これは、5月の東京での発言に続くもので、バイデンは、米国は台湾を守るため戦闘に参加すると述べた。現在、アメリカは台湾に武器を提供しているが、アメリカは北京の「一つの中国」政策も認めている。攻撃が現実になった場合、アメリカはどう軍事対応するだろうか。

 

 

言論戦がミサイル戦にかわる

台湾は中国大陸の沖合約110マイルに位置する。北京は同島を自国領と主張している。習近平国家主席は、完全な統一は避けられないと考えており、「一つの中国」政策を維持するため武力行使を否定していない。米国を巻き込んだ銃撃戦は、双方で死と破壊を生み、血生臭いものになるだろう。

 台湾で戦争が始まると、中国は台湾の軍事目標に衝撃と畏怖のミサイル攻撃を行うだろう。陸上、船舶、航空機から発射されたミサイル数百発が台湾で炸裂する。

 アメリカ海軍は、空母戦闘団と、駆逐艦、フリゲート、巡洋艦が護衛するスーパー空母、潜水艦でこの地域に臨む。中国の対艦ミサイルの射程圏内に入らないように、台湾を攻撃する艦船や飛行機に向け水平線超えミサイルを発射する。

 米国はF-35のようなステルス戦闘機も飛ばすだろう。中国はレーダーを回避する特性を持つJ-20戦闘機などで対抗するだろう。両者の間でミサイル交戦がとなる可能性が高く、海軍はイージス戦闘システムで敵ミサイルを追い払うだろう。

 

グアムを死守する 

グアムもまた、中国攻撃にさらされる可能性がある。中国に最も近い米国領土であるグアムは、東アジアで最も戦略的な島だ。グアムを守らなければ、台湾防衛は難しい。中国はH-6爆撃機で、グアムまで到達可能な極超音速兵器含む巡航ミサイルや弾道ミサイルを発射するだろう。グアムでは現在、長距離対ミサイルシステムの「終末高高度防衛システム」を運用している。現在進行中のミサイル防衛の近代化は、グアムに追加の防空を想定しているが、アップグレードの完了は2026年と予想されている。

 米国はまた、中国にサイバー攻撃を行い、レーダーやセンサーシステムを無効化し、ミサイルの標的や誘導システムを妨害するはずだ。中国はおそらく、台湾に対して独自のサイバー作戦を行うだろう。

 

揚陸作戦に備える

台湾に部隊派遣する前に、中国は同盟国の武器輸送を阻止するため、おそらく台湾を封鎖するだろう。また、台湾の飛行禁止区域や船舶航行禁止区域を巡回し、領空領海の支配を固めるだろう。中国は潜水艦を台湾付近に配備し、台湾に陸上攻撃用の巡航ミサイルを発射する。その後中国の揚陸攻撃作戦が始まる。

 

 

Taiwan

(U.S. Air National Guard photo by Tech. Sgt. Ryan Campbell)

 

中国は陸、海、空からアメリカの空母をミサイル攻撃できる。つまり、アメリカは空母の1隻が損傷したり破壊されたりする想定で立案しなければならない。考えられないことだが、米海軍はこの事態が起こりうると覚悟すべき時期に来ている。このような事態が発生した場合、海軍はもう1隻の空母を動員して穴を埋めることになる。一方、アメリカの空母1隻を破壊または損傷させた中国は、台湾に揚陸攻撃を続ける。

 これはアメリカにとって最悪のシナリオだが、どちらにもあてはまる。アメリカは、中国空母と支援艦多数を撃沈できる。これは中国の決意を強めるか、あるいは抑止し外交のとりかかりになる。

 

 

China-Taiwan Invasion

ROC M60 tank. Image: Creative Commons.

 

台湾の国防予算が足りない 

台湾はもっと国防費を増やすべきだ。台北は国防予算を14%増額し、来年は194億ドル(約1兆円)とした。一方、中国は2021年から6.8%増の2,294億7,000万ドルを支出する。米国も今月、台湾に11億ドル相当の防空ミサイル対艦ミサイルを売却すると発表した。上院外交委員会は9月14日、さらに多くの金額を承認し、45億ドルの軍事支援を解除した。

 

 米国にとって、台湾防衛で良い選択肢はない。中国攻撃の各シナリオは、米海軍の損失につながる。最善の希望は、各軍のコミュニケーションで被害を減らし、外交と停戦の余地を作ることだ。バイデンは、まず軍事的オプションを確立せずに台湾を保護する方法を考え直した方がよい。国防総省は、台湾防衛で支払われるはずの代償をホワイトハウスに理解させる必要がある。■

 

Could the U.S. Military Really Defend Taiwan from an Invasion by China? - 19FortyFive

ByBrent M. Eastwood

 

Expert Biography: Serving as 1945’s Defense and National Security Editor, Dr. Brent M. Eastwood is the author of Humans, Machines, and Data: Future Trends in Warfare. He is an Emerging Threats expert and former U.S. Army Infantry officer. You can follow him on Twitter @BMEastwood. He holds a Ph.D. in Political Science and Foreign Policy/ International Relations.


2022年9月19日月曜日

プーチンの次の手は? Foreign Affairs投稿論文が窮地に立つロシアの動きを予想

 

 

クライナ戦で初めて、ウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナ占領地を失う深刻な事態に直面している。初期段階でのキーウとチェルニゴフ方面からの後退は、南部と東部でのロシア軍優勢と釣り合うものであった。対照的に、9月10日にハリコフ地方でロシア兵がほぼ全滅し、東部と南部の約2,000平方マイルの領土をウクライナ軍が迅速に奪還したのは、ウクライナの優勢を明らかに示し、ロシア軍は今後もこうした攻勢に屈する可能性があることを示した。ウクライナのハリコフ攻勢は、ロシア軍の無敵伝説を打ち砕いた。また、西側諸国の期待で新たな段階を告げている。欧米の指導者や戦略家は、突然、この戦争でウクライナが優位に立てる想定が可能になった。視点の変化が、ウクライナへの軍事的支援で新たなダイナミズムを生み出すのは間違いなさそうだ。ウクライナは戦い続けるより和平を訴えるべきだという主張に反論がある。

 

 

しかし、視点が最も劇的に変化したのはロシアの方で、ウクライナと欧米の双方に新たな大きなリスクを内包している。2022年2月のキーウ奪取電撃戦の失敗以来、プーチンは2つのボールを持ち続けている。一つは、ウクライナの軍事力が弱く、戦争の長期化はロシアに有利と推察し、平時体制のロシア軍で長期的に戦争を持続させること。もうひとつは、ロシア社会が戦争と無縁でいられるようにすることである。一般ロシア国民が戦争の犠牲にならない限り、プーチンは国内の高い支持率を維持できると考えているからである。しかし、ハリコフ周辺でのウクライナ軍の戦果が、計算を狂わせている。

 

今やプーチンは厳しい選択を迫られている。ロシアの軍事的コミットメントを限定し、現在の兵力を維持したままロシア社会の隔離を続けるか、それとも大量動員を指示するかである。いずれにせよ、プーチンの正統性を脅かす重大な選択肢となる。前者を選択した場合、プーチンはロシア戦勝の期待を捨て、完全な敗北にいたるリスクを冒すことになる。プーチンが解放した国家主義的な親戦力は、戦争遂行に不満を募らせている。迅速な作戦で土地と栄光を約束されていた。それどころか、わずかな領土の前進に膨大な死者を出し、今やますます不安定に見えている。このままでは、プーチン政権に新たな亀裂が生じかねない。

 

一方、総動員は、国内での慎重な戦争管理を根底から覆すことになる。ウクライナの3倍もの人口を抱えるロシアにとって、兵力の大幅増強は理にかなった選択だが、戦争の人気は遠のくばかりだ。「特別軍事作戦」というロシア語用語も難読化されてきた。クレムリンの「非ナチ化」のレトリックにもかかわらず、ロシア国民にとってウクライナ戦争は、ロシアが第二次世界大戦で耐えた闘争とまったく異なる。動員を発表することで、クレムリンは、ほとんどのロシア人が戦う準備ができていない戦争に国内で反対を招く危険を冒すことになる。

 

プーチンは別の選択肢を選ぶかもしれない。総力戦と現状維持の中間で、戦争を変えようとするかもしれない。プーチンは行動派を自認するが、いざとなると優柔不断になりがちで、事態を解決せずに踏み込むことを好む。2014年のクリミア併合後に、ロシアはウクライナ東部に進出し外交協定を結び、その後何年も前進も後退もせず逡巡している。シリアでは2015年にロシアが動き、バッシャール・アル・アサドを軍事的に支援し、情勢はアサドに有利になったものの、シリアは依然として宙に浮いており、戦争の政治的解決はまったく見えてこない。

 

プーチンは、ハリコフ周辺で軍部を挫折させただけでなく、ウクライナでの贅沢な政治的目的と、貧弱で非効率的な作戦を一致させることによって、自らの政権にダメージを与えている。ウクライナでは、プーチンが現在直面している選択肢のいずれもが重大な結果をもたらす。プーチンの次の行動が何であれ、欧米はウクライナ軍が攻勢を続けるため最も必要な装備品を供給し続けるべきだ。しかし、ウクライナと同盟国に最大の苦痛を与える新たな方法を模索する一方で、国内では圧力の高まりに直面するかもしれないモスクワは広範な影響を考慮する必要がある。プーチンは絶望的な時期に理にかなった手段の追求はできないだろう。

 

帝国の呼びかけ

プーチンがロシア国民を動員し、徴兵制を導入し、何十万人もの兵士を新規招集する決定を下した場合、ロシアと西側諸国の双方に厳しい新たな試練がもたらされる。部分的であっても、クレムリンによる動員は、国が戦争状態にあることを完全に認識させることになる。また、戦争はロシアにとって実存のものとなる。これまで、ウクライナ侵攻は、ロシア国民の多くに戦争として提示されてこなかった。特別軍事作戦と称してきたが、実際には、ウクライナとウクライナ同盟国やパートナーについての妄想的な過信と誤った思い込みの上に成り立つ選択戦争であった。しかし、動員により、ロシアは公然と大規模戦争に身を投じることになる。「特別作戦」はすべてのロシア人が戦い、勝利する必要のある戦争に変わるだろう。この決定で、ロシア指導部は敗北を容認できなくなり、交渉による決着の見込みをさらに低くする。

 

プーチンにとって、この路線は危険だ。これまでのロシアの軍事的パフォーマンスを見る限り、多数の兵士を戦場に投入することが、モスクワに良い結果をもたらすとは考えにくい。また、兵士の訓練には時間がかかり、それに見合った軍備の増強が必要である。また、戦闘に無関心のロシア人を多く動員することで、ロシア軍の士気問題は解決どころか、悪化となる可能性もある。なによりも、全面的であれ部分的であれ、動員は必ずしもロシアの勝利を意味しない。動員は、達成可能な戦略的目的に結びつけられるべきなのだ。

 

プーチンは、戦争で力を得た軍国主義者、民族主義者、この動きを歓迎する勢力を取り込みつつ、動員を追求することで、軍事的危険に対処しなければならなくだろう。軍事的な危険は、タイミングの問題である。新兵は十分な訓練を受けてから戦闘部隊に編入する必要があるが、何カ月もかかる。ロシアの将校団が前線で拘束され、すでに大量に戦死している。そして、プーチンの命令で動員が進めば、時間とともに、西側の武器や支援がウクライナに流れ込み、ウクライナ軍の戦力が強化される。ロシアが冬を待ち、春に新鮮な戦力で新たな攻勢をかけようとすれば、2022年2月当時より準備と戦力が整った国が相手となる。

 

愚かな大戦争より、愚かな小戦争の方がいい

しかし、プーチンにとって、動員中に国内の広範な支持を維持することも同様に困難であろう。クレムリンから見れば、開戦から半年間、プーチンは国内政治をうまく処理したといえる。総動員体制にならない限り、クレムリンの信奉者とロシア民族主義者は、征服戦争や西側との決着に興奮し続けることができた。当初はウクライナに敵意を抱いておらず、戦争に驚いたロシア国民多数は、クレムリンの積極的な働きかけにより、何が起こっているのか無視できた。専門家に任せておけばよい特殊作戦だった。しかし、動員をかければ、都市部のロシア人の日常生活から戦争を切り離すことは不可能になる。プーチン政権で政治からの離脱を教育された彼らが動員されることになる。父や兄弟、息子が戦死することを受け入れなければならない。ここまでの大規模な意識改革をロシア国民に要求することは、プーチンに逆効果になる可能性がある。

 

動員をかけても、戦争の論理での欠陥は解決しない。戦略的な誤りを繰り返せば、誤りが倍加される。そのような動員は、プーチンが侵攻を決定した際の本質的な戦略的誤算を最小限に抑えることはできないだろう。この戦争がロシアの経済的、安全保障的利益に反していることを覆すことはできないだろう。この点で、プーチンが直面している動員に関する政治的ジレンマは、戦争の性質に直接関係している。ナポレオンもヒトラーも、ロシアを侵略しようとした際に、ロシア軍の戦力と決意を見くびっていた。しかし、米国や他の多くの国々と同様に、ロシアも選択戦争に悩まされてきた。1905年の日露戦争は、朝鮮半島をめぐる外交が決裂したことで始まり、ニコライ2世がロシアの名誉のため長引かせたが、モスクワにとって最悪の結末となった。1979年のソ連のアフガニスタン侵攻もそうであった

 

ウクライナと西側諸国にとって、ロシアの動員は心理的ショックになる。ロシア軍の弱点は今後もウクライナに有利に働くが、動員はロシア指導部が国内支持を犠牲にしてでも敗北を食い止めよる新たな決意を示すことになる。もしプーチンが全面的に参戦すれば、欧米は改めてプーチンの心理状態や軍事的エスカレーションの可能性を見極めなければならなくなる。

 

撤退と長期化

プーチンに可能なもう一つの選択肢は、何らかの形で撤退することである。この道を選ぶと、真の勝利の見込みは断念せざるを得なくなる。東部と南部で獲得した領土を維持するため最小限のコミットメントに縮小し、戦争を継続させようとする可能性もある。ウクライナ東部に対する2014年のアプローチに戻ることもできる。占領地をロシア支配下に置きながら前進せず、それによって国全体が不安定になるが、ロシア軍のプレゼンスは大きくなる。しかし、勝利を断念するというのは、攻撃的な作戦をやめるということである。プーチンは決してあきらめないだろう。戦争は後からエスカレートする、ウクライナへの思惑は変わっていない、戦略的な忍耐力が成功の決め手だ、など言い出すだろう。そのためには、戦争が続いても平穏に暮らしたいロシア国民の願望に頼らざるを得ない。そのため、ロシア人が戦争を無視し続けられるようにウクライナ東部の膠着状態は維持する必要がある。ウクライナの最近の成果から見れば、それが達成可能かどうかはわからない。今後、キーウはロシアに政治的に都合の良い膠着状態を与えないよう、可能なかぎりの努力をするだろう。

 

プーチンにとって、ロシア軍の劇的な後退に直面してから、ロシア国民に軍事的無策を売り込むのは容易ではない。これまでクレムリンは、自軍の無敵神話と防衛戦争という物語に依拠して、「特別作戦」への支持を煽ってきた。しかし、時間が経つにつれ、行き詰まり、野心を大幅に減退させた事業は、すでに推定7〜8万人のロシア人の死傷者を出した戦争の無益さを露呈することになりかねない。これからもっと多くの家族が戦争に巻き込まれることになる。また、このような事態になれば、ロシアの軍事・治安組織は、約束された勝利を実現できなかったとして、ますます攻撃にさらされることになるだろう。また、ロシアの軍事・治安組織は、約束された勝利が得られない中、ますます攻撃されることになるだろう。

一方、膠着状態の維持を願うプーチンは、立ち止まることを知らないウクライナ軍を相手にしなければならない。ウクライナの実力は、武器供与の増加で向上していく。ゼレンスキーの指導の下、ウクライナ人はこの戦争で勝利を願っている。ロシアが重大な誤算を犯せば、再び壊滅的な敗北を喫し、決定的になるかもしれない。ウクライナにはロシアに攻め込まれたくないという動機があるが、ケルソン周辺でのウクライナの反攻が遅々として進まないことから、ウクライナの攻勢がすべてハリコフ周辺のように成功するわけではないことがわかる。

 

より悲惨に、より危険へ

出動と撤退の双方に伴う国内リスクを考えれば、プーチンが中道を模索する可能性がある。ウクライナと西側諸国にとって、この選択肢は総動員よりは危険度が低いものの、今後数カ月から数年にわたる深刻な課題であることに変わりはない。プーチンは、動員によるリスクを回避しながら戦争を遂行する新たな方法を模索し、行動方針を採択する可能性がある。志願兵、徴兵兵、ワグネル傭兵(囚人など)を強制的に徴集し、密かに動員をかけることでお茶を濁そうとするかもしれない。ウクライナに対し新たなテロ行為を行うかもしれない。例えば、エナジーや水道といった重要インフラを攻撃し、冬が近づく中で人々の意思を断ち切るかもしれない。また、病院や学校など民間の重要な標的への攻撃を強化し、サーモバリック兵器など周囲に壊滅的な影響を与える醜い攻撃にも手を染めるかもしれない。要するに、シリアで使ったような極端な戦術を繰り返す可能性がある。同時に、プーチンは支持基盤を強化するべく、国内の反対意見を弾圧し、「裏切り者」を訴追する新方法を見出すかもしれない。

 

中道を選択することは、緊迫した状況におけるプーチンの優柔不断さの典型であろう。プーチンは、公然と動員をかける代わりに、ロシアの立場が最も強い地域でウクライナを相手にささやかな成功を収めるため、新しい資源を動員できる。また、直接戦闘にさらされていないウクライナの地域でも、重要インフラを攻撃し、ウクライナ全体の正常な感覚を混乱させ、米国や欧州の復興支援努力を阻害するためできる限りの手段を講じて、大混乱に陥らせることができる。そうすることで、プーチンは2022年2月以来ウクライナに付きまとっている危険な雰囲気を維持しようとするだろう。ロシアが簡単に勝つはずの戦争だったのだから、国内でシナリオをコントロールするのが難しければ、武力で異論を潰すこともできる。現政権にはそのために十分な装備がある。

 

この中道は、西側諸国の決意と忍耐を必要とする。プーチンは、これから冬にかけてエナジー危機と闘うヨーロッパと西側諸国から、ウクライナ支援が減少することに賭けているのだろう。ウクライナで残忍な戦闘が起きれば、ウクライナに課された条件にかかわらず、敵対行為を終わらせるよう求める声が高まる可能性がある。欧州諸国は、キーウに明確な圧力をかけなくても、自国の在庫や経済力が手薄になったという理由で、軍事支援を制限する可能性がある。ハリコフ地方でのウクライナの成功は、この種の戦争疲労をしばらく先送りする。しかし、ウクライナが成功と自国民や欧米の聴衆に与えた士気の高揚を繰り返せるかは不明である。

 

西側は忍耐、ロシアは崖っぷち

ウクライナと欧米の同盟国の双方にとって、ロシアが出動しない方が望ましい。より良い結果は、プーチンが勝利の見込みを断念することだ。しかし、プーチンの選択を左右する手段は限られている。一つは、武器や情報の提供によりウクライナ軍に有利な現状を維持することだ。ウクライナの政治体制は十分な耐久性を持っていることを証明ずみだ。また、優れた戦闘能力と有能な軍事的リーダーシップもすでに証明されている。このような国内的な強みと、西側諸国が供給する高性能な兵器が組み合わさり、ハリコフ周辺のロシア兵を威圧した。それがクレムリンをも脅かしたかは誰にもわからないが、クレムリンはウクライナの軍事力の増大を長い間無視するしかない。この力が強まれば強まるほど、ロシアはウクライナで何もできなくなる。ウクライナは抑止力を身につけていくだろう。

 

現実を踏まえ、西側はプーチンがロシアの限界とウクライナの能力の論理を内面化することを期待できる。最良のケースでは、プーチンは9月初旬に始まった戦術的・戦略的後退を黙示録的な言葉ではなく、最終的な交渉の範囲と目的を規定する軍事的選択の結果として受け入れるだろう。ウクライナはここ数日、数週間で交渉上の立場を大幅に改善した。ロシアはまだパワーバランスの変化を認めておらず、要求もトーンダウンしていないが、将来、戦争の収穫が急速に減少する場面に直面したとき、そうしておけば利益を得られるかもしれない。プーチンが攻撃作戦を放棄し勝利を断念すれば、交渉を拒否しても、ウクライナの部分的勝利となり、欧米も部分的勝利となる。そのため、不満足に見えるのだろう。しかし、2022年2月24日時点のウクライナの状況からすれば、最高の結果である。

 

ロシアが出動した場合、ウクライナと欧米は冷静に、この7ヶ月の成果を積み重ねていかなければならない。プーチンのロシアは、戦争のコンセプトを明確にできず、失敗から学ぶこともできず、世界トップクラスの軍隊の機能の多くを実行できないでいる。動員そのものは、この状況を何ら変えられないだろう。動員がもたらす最大の危険は、ウクライナよりもロシアに関係するものかもしれない。ロシア国民は動員に抵抗するかもしれない。その場合、1917年の皇帝政府同様に、現政権は崩壊し始めるだろう。あるいは、総動員後にロシアが敗北する可能性もある。クレムリンの壁の向こうではハッピーエンドに聞こえるかもしれないが、ロシアが崩壊すれば、これまでの国際システムが根底から覆され、国境を越えて不安定になる。プーチン主義国家が崩壊したら、次がどのような体制になるかは誰にも予想がつかない。

 

ウクライナは抑止力を身につけつつある

米国と欧州は、ウクライナの成功へのプーチンの反応がどうであれ、ウクライナが戦い続けるために、そして何よりも攻勢を続けるために必要な支援を継続する必要がある。同時に、独仏は電話外交で、プーチンに戦争の無益さと、欧州のエナジー危機と世界の飢餓危機を煽ることでウクライナへの支援を弱体化させようとしていることを、不器用ながら伝えられる。プーチンがエスカレートし核の脅威に訴える場合でも、欧米諸国は怯むべきではない。この通常戦争をNATOとロシアの対立に発展させたくないという、目に見えない戦争ルールをロシアに思い起こさせるべきだ。核兵器によるエスカレーションは、このルールに反し、NATOの関与につながる可能性がある。それは誰にとっても不利になる。

 

ウクライナの戦果で、ロシアが攻撃できないほど強いウクライナを構築する確かな道が開かれたといえる。これは大成果だ。問題は、プーチンがどのような軍事的目的で、どのような政治的メッセージで、ロシアの暗い立場をどう処理しようとするのかである。断念するためには、政治的に自分を作り直さなければならない。1990年代の混乱から救われたロシア、安定した消費志向の中産階級が生まれつつあるロシア、政治から離れた私生活が楽しい娯楽であったロシアである。プーチンは侵略することで、ゼレンスキーのウクライナを奈落の底に突き落とそうと考えていたのだろう。■

 

Putin’s Next Move in Ukraine | Foreign Affairs

Mobilize, Retreat, or Something in Between?

By Liana Fix and Michael Kimmage

September 16, 2022

 

  • LIANA FIX is Program Director in the International Affairs Department of the Körber Foundation and was previously a Resident Fellow at the German Marshall Fund of the United States.

  • MICHAEL KIMMAGE is Professor of History at the Catholic University of America and a Visiting Fellow at the German Marshall Fund of the United States. From 2014 to 2016, he served on the Policy Planning Staff at the U.S. Department of State, where he held the Russia/Ukraine portfolio.

ウクライナ戦の教訓 大型野砲に再び注目が集まる

 

 

M109A7 Paladin

Army photo

 

大型野砲は戦場の王者と呼ばれ、名将たちは大量の大砲を武器に戦場を制圧してきた

 

 

しかし、飛行機が発明された。1945年以降、特にアメリカやNATO諸国、イスラエルなど欧米先進国の軍隊では、大砲に代わって「空飛ぶ大砲」が火砲として好んで使われるようになった。機動性があり、長距離で華やかな航空機は、ベトナム、シナイ半島、砂漠の嵐などの紛争で、精密攻撃を行うためのハイテクかつ低人力の道具とみなされた。

 しかし、ウクライナ戦争は違う。航空兵器の役割は比較的限定的で、野砲が支配的な武器として台頭している。

 榴弾砲や多連装ロケット砲をどう使うか、どう破壊するかが両陣営に重要な課題だ。

 ウクライナは、砲兵部隊の未来を垣間見せているのかもしれない。この紛争は歩兵の悪夢であると同時に砲兵の実験場となった。牽引式榴弾砲、トラック搭載砲、自走式装甲砲、ロケットランチャーなど、各国が製造した近代砲の数々がウクライナに投入されている。

 英国王立軍統合研究所の陸戦アナリスト、ニック・レイノルズNick Reynoldsは「ウクライナは砲の将来を評価する上で非常に良い研究材料だ」と言う。

 ウクライナで航空兵力が大きな役割を果たせなかったのは、ウクライナの航空機の数が少ないことや、ロシア空軍が臆病であることなどのためだ。当初は成功したが、攻撃用ドローンですら効果が薄くなってきた。

 しかし、高性能な防空システムの時代に、東欧や台湾のような争いでは航空兵力の活動自由度は低くなるかもしれない。同時に、高価な航空機や限られた備蓄しかないスマート弾は、近接航空支援ではなく、側面からの遠方攻撃に割り当てられるかもしれない。

 航空機に比べれば柔軟性に欠けるが、砲兵は天候に左右されず、砲撃に弱い空軍基地に頼らず火力を24時間365日提供できる。

 また、露・ウクライナ戦争は射程距離の重要性を浮き彫りにしている。ソ連時代の大砲がロシアの反砲台攻撃を受けるや、ウクライナは長射程の西側の大砲やロケット弾を求めてきた。米国とNATOの155mmと105mm榴弾砲、特にGPS誘導弾を50マイルまで発射できるM142高機動砲ロケットシステム(HIMARS)により、ウクライナはロシアの弾薬庫、指揮所、重要な橋へ破壊的な攻撃を行い、反撃で大きな損害を受けることなく攻撃を行えるようになった。

 レイノルズは、「射程距離は、敵を深く攻撃する能力と同様に、兵力保護の要因として非常に重要であることが証明された」と述べている。

 特に、20年近く対戦闘員戦に専念してきたため、砲兵が萎縮していた米陸軍に興味深いことだろう。

 ロシアのBM-30スメルチ多連装ロケットランチャー(射程距離約45マイル)に比べ、米国のM109A7パラディン155mm自走榴弾砲は通常弾で約15マイル、ロケット弾で20マイルしか射程がない。陸軍は遅ればせながら、パラディンにオートローダーを搭載し、さらにXM1210のようなロケット弾を搭載した「エクステンデッド・レンジ・キャノン砲」Extended Range Cannon Artillery, ERCAで追いつこうとしている。

 ウクライナ戦争で浮き上がった別の課題は、機動性だ。歴史的に見れば、砲兵は歩兵や騎兵、戦車と戦場で歩調を合わせることが課題だった。しかし、ウクライナで機動力は生き残ることの同義語になった。ドローンと対砲台レーダーは、砲兵が発射すると瞬時に位置を特定できるため、射撃撤収戦術が必須となった。

 米国の105mm榴弾砲M777を受領したウクライナは、自走式ではなく牽引式の兵器で、発射後の移動に3分以上かかる現実のため喜びが抑えられた。ウクライナでは、この脆弱性はある程度緩和されている。なぜならロシアのキルチェーン対応は遅いため、「ハイエンド戦では対砲撃に脆弱との仮説があるが、牽引砲の威力は強力で実行可能なままだ」とレイノルズは指摘する。

 しかし、キルチェーンは、米軍のJADC2(Joint All-Domain Command and Control)コンセプトのように、より緊密な指揮システムを各国が開発するにつれて、急成長していくだろうとレイノルズは述べている。

 元米陸軍砲兵将校で、ランドコーポレーションの主任研究員デビッド・ジョンソンDavid Johnsonは、将来の砲装備が自走式になる理由は機動性にあると考える。牽引砲は、パラディン含む戦車のような兵器よりシンプルであるのが利点だ。パラディンは、大砲を撃つだけでなく、重装甲車同様の重メンテナンスを乗員に要求する。

 牽引式野砲は「訓練がずっと簡単だ」とジョンソンは言う。「特に長距離の移動で、トラックに曳航される榴弾砲はメンテナンスの必要性が少ない」。

 牽引砲は、武装や訓練が不十分な相手なら問題ない、とジョンソンは言う。しかし、高度な技術と武器を持つ敵は別問題だ。

 「牽引式だと移動に時間がかかる。大砲の撃ち方を熟知している有能な敵と戦う場合、撃ってから移動することになる。素早く動かないと、反撃に遭うからです」。

 ジョンソンは、トラック搭載兵器、特にフランスのシーザー(155mm榴弾砲を6輪トラックに搭載)に興味を示す。

 中国も新型155mm砲PCL-181をはじめ、車輪付き砲を使用している。車載砲は、装甲自走榴弾砲の火力と機動性を持ちながら、重量やメンテナンスの問題がない。

 「ある意味、両方の長所を兼ね備えている」とジョンソンは言う。「唯一の課題は、車輪付きの車両はオフロードで機動性があまりないことです」。

 それでも、ジョンソンは装甲自走榴弾砲を好む。不整地や泥濘地での機動力は、装甲保護と同様に有用だ。

「ヨーロッパでの激戦地では、パラディンやドイツのPzH2000のような装甲装備が望ましいでしょう」と言い、「無能な敵との戦闘を常に想定できない」。 Extended Range Cannon Artilleryがパラディンを強化したものであるということは、陸軍が今後も重装甲榴弾砲に依存し続けることを示すものだ。

 また、ウクライナ戦争では、大砲が単なる大きな銃ではなく、兵器、センサー、ネットワークなどエコシステム全体であることを示しています。例えば、ウクライナとロシア両国は、互いの大砲の位置を特定するため無人偵察機を使用している。この技術は、「レーダーや音響探知機など、他のターゲット機能よりも圧倒的に優れていると証明済みだ」とレイノルズは言います。しかし、「電子探知機と対砲台レーダーが一般的な方向探知能力を提供しなければ、(無人航空機に)敵の砲兵隊を狩るように指示できません」。

 実際、無人機は、砲兵の指示能力が限られる場合は、重要な実現手段になるかもしれない。ウクライナでは、「より能力の高いNATO軍と比べ、双方が前方監視員を十分に活用していないようだ。おそらく、通信システムの不備とスキルの限界のためだろう」とレイノルズは指摘する。また、砲弾やロケット弾にも注意が必要だと考えている。

 「機械化部隊の普及、防衛陣地の掘り下げ、大規模弾薬庫などの目標を破壊する必要性から、弾薬の致死性と破壊力も非常に重要だ」と述べた。

 また、「弾薬在庫の量、弾薬製造能力、砲身など交換部品の製造能力では専門的なエンジニアリングが必要で、容易に確立できない」と大砲を支える産業インフラの重要性を指摘する。

 ウクライナ戦争では、榴弾砲とロケットランチャーの収束が進んでいると思われる進展にも指摘している。カチューシャのような第二次世界大戦型のMLRSは無誘導ロケット弾を大量発射し、不正確なことで有名だが、高火力の威力で目標に壊滅的な打撃を与えることができるHIMARSのようなロケットランチャーは、橋のようなピンポイント目標の破壊に十分な精度の誘導ロケット弾を、榴弾砲に近い精度で数発だけ発射する。逆に、ERCAのような新型榴弾砲は、ロケットと従来の砲弾を掛け合わせた長距離弾を発射する設計だ。

 ジョンソンは、完璧な野砲とは、高い発射速度、高い機動性、ある程度の装甲保護、照準データの迅速な処理能力を備えたものであるべきと見ている。そこには、戦車や艦艇の設計者にはおなじみの、火力、防御力、機動力のバランスをどうとるかという古典的なジレンマがある。ロボット工学、電動車両、より長距離の砲弾やロケットなど新技術によって、この変数は多少調整されるかもしれまない。しかし、ジレンマは残る。

 これらのことから、将来の砲装備には、装甲砲や車輪付き砲のほか、厳しい環境やよりシンプルな武器を必要とする部隊で牽引される砲が含まれそうだ。

 ジョンソンは、「各種砲装備が混在することになる」と語っている。「本当に重要なのは、各砲をどう使用するかです」。■

 

 

ANALYSIS: Ukraine War Proves Big Guns Are Back


9/16/2022

By Michael Peck

 

Michael Peck is a freelance journalist.