2022年12月15日木曜日

大きく変わる日本の安全保障 トマホークミサイル導入で何が変わるのか

 


Japanese F-2 fighters conduct a joint military drill with U.S.B-1B bombers and F-16 fighters off Japan's southernmost main island of Kyushu on Nov. 5. (Joint Staff Office of the Defense Ministry of Japan/Reuters)


Updated December 12, 2022 at 9:45 a.m. EST|Published December 12, 2022 at 2:00 a.m. EST



ンド太平洋地域における安全保障上の脅威の増大と戦争のリスクに警鐘を鳴らし、日本は戦後前例のない大規模な防衛強化の一環として、米国製トマホーク巡航ミサイルを購入する。日米当局者が発表した。

 同ミサイル購入は日本の長距離攻撃能力を高め、攻撃的な武器を避けてきた長い伝統との驚くべき決別を意味する。また、中国が軍事的近代化を大規模に行い、北朝鮮が核開発を進める中、日本の通常兵器の抑止力強化につながる。

 日本は今月、新しい国家安全保障・防衛戦略の一環として、トマホーク導入の決定を進める。また、の防衛予算を大幅に引き上げ、NATO基準である国内総生産の2%、つまり世界第3位の規模にする。これらの措置は、日本が長年にわたる平和主義の束縛から脱却しようとしていることを示している。


ロシア侵攻をきっかけに、積極的な外交政策を打ち出す日本

「日本は防衛費を抑え、第二次攻撃力を持たないようにしたかった。しかし、我々を取り巻く状況はそれを許さない」と、藤崎一郎元駐米大使は言う。「多くの人が(戦争は)20世紀の問題だと思っていたが、今またそれを目の当たりにしている」。

 ミサイル取得と増大する防衛予算は、日本を西太平洋における極めて重要なパートナーと見なすバイデン政権の支持を受けている。米国と英国がオーストラリアの原子力潜水艦開発を支援したり、米国が韓国の弾道ミサイル製造の制限を解除するなど、日本との同盟関係の深化は、安全保障を強化する幅広い地域協力戦略の一部であると政府関係者は見ている。


「米国は一方的な措置を取るだけでなく、同盟国協力国に深い意味合いを持たせ、同地域における我々の能力を拡大しようとしている」と、まだ公表されていない計画について匿名を条件に米国政府関係者は言った。

 トマホークを数百発(400~500発)購入する決定は、日本が真剣に自衛を考えていること、そしてこの地域で間違いなく最も重要な軍事力を持つ二国間同盟が、北京と平壌の脅威に直面しより強固になっていることを中国と北朝鮮に知らしめることになると、関係者は述べている。

 日本関係者は、「このシステムの導入は、反撃能力に関する前向きな大変化の象徴だ」と述べた。射程1000マイル以上のトマホークミサイルで、中国本土の軍事目標が射程内に入る。

 日本は自衛的な政策から徐々にシフトしてきたが(2014年の憲法解釈変更で同盟国が攻撃された場合の軍事行動が可能になった)、変化は漸進的なものであった。今までは。



アジア主要国がロシアへの世界的な反発に参加、中国も視野に

ロシアの2月のウクライナ侵攻は、与党自民党が反軍国主義的な国民感情を抑え強力な国家安全保障政策を推進できる政治状況を作り出す上で「絶対に」重要な要因だったと、日本政府高官が述べている。

 世論調査によると、ウクライナ戦争後、日本政府が呼ぶ「反撃能力」に対する国民の支持は、2020年7月の37%から6月には60%以上と明らかに上昇している。

 日本人にとって、ウクライナ戦争は、中国による台湾侵攻の可能性をより一層高め、地域紛争が起きた場合の日本の軍事態勢に対する国民の懸念を深めている。

 8月、ナンシー・ペロシ米下院議長の台北訪問に激怒した北京は、台湾付近へ弾道ミサイルを発射し、日本の排他的経済水域に着弾させるなど積極的な軍事演習を行った。また、北朝鮮はこの1年間、核兵器開発を進め前例のない数の弾道ミサイルの発射実験を行い、日本上空にミサイルを飛ばした。

 ランド研究所で日本の安全保障と外交政策を専門とするジェフリー・ホーナングJeffrey Hornungは、「日本の戦略的思考における重要な進化」と述べた。「過去10年間の中国の行動が、日本に防衛をより真剣に考える軌道に乗せたのです」。

 岸田文雄首相は2月以降、より積極的な外交政策を推し進めている。先月末には、2027年までに防衛予算をGDPの2%にまで伸ばしたいと述べるという異例の行動に出た。もし成功すれば、5年後の日本は、アメリカ、中国に次ぐ世界で3番目の防衛予算を持つことになる。

 日本はトマホークミサイルを、5年ほどで納入できる「つなぎ」兵器と考えている。12式巡航ミサイルの射程を伸ばし、陸上の軍事目標を遠くから攻撃する能力を持たせようと取り組んでいるためだ。しかし、同プロジェクトは10年がかりになりそうだとの専門家指摘がある。

 日本はトマホークを搭載するため、駆逐艦の垂直発射システムを再構成すると、当局者は述べた。トマホークが最有力候補だったのは、「戦闘実績のある長距離発射」だからだと、別の日本側関係者は語った。


日本、そしてアジア全域で、ウクライナへの支援の輪が広がる

トマホーク陸上攻撃ミサイル(TLAM)は、レイセオンが製造している。1991年の湾岸戦争で使用され、遠距離から正確に攻撃できる能力を証明した。現在のミサイルは日本の領土に近い侵略者向けであるが、トマホークは中国や北朝鮮内の基地を攻撃する能力を与える。

 元米軍インド太平洋軍司令官フィル・デビッドソン退役大将は、トマホークを保有することは通常兵器に対する日本の抑止力に「大きな付加価値」をもたらすと語った。昨年退役したデビッドソンは、「ある程度の攻撃力は必要だ」と述べた。 「ワールドカップでは、ゴールを決めなければ勝てない。ディフェンスばかりしていてもダメだ。抑止力を持つには、敵にリスクを感じてさせることだ」。

 戦略国際問題研究所(CIS)の日本担当のクリストファー・B・ジョンストンChristopher B. Johnstoneは、地域のパートナーにも恩恵が及ぶと見る。「日本が自力で反撃できるようになれば、東アジアの抑止力に大きく貢献する」。

 日本とアメリカは軍事技術で緊密に協力している、と元政府関係者は指摘する。日本はF-35戦闘機を飛ばし、イージスミサイル防衛システムを使用している。どちらもロッキード・マーチンが製造している。海上での弾道ミサイル防衛訓練も行っており、先月はハワイ沖で成功を収めた。


米国は同盟国やゼレンスキーに侵略の危険性を納得させるのに苦労していた

日本政府関係者は、この動きは日本の防衛負担を担う意思と能力に対するアメリカの信頼も深めるだろうと言う。

「予算と安全保障戦略で我々の意図を裏付けています」と日本政府関係者は言う。「そしてそれは、日本の能力に対する米国の信頼を高めるはずだ。信頼は同盟にとって重要です」。

 今日までイギリスだけがトマホークを販売されている、とホーナングは指摘する。日本への売却は、「同盟国として本当に信頼できる国のトップクラスというメッセージになる」と彼は言った。

 中国は、日本の変化に憤慨している。今月のブリーフィングで、中国外交部の毛寧Mao Ning報道官は、日本の計画は「非常に危険」な展開だと述べた。

 「日本は侵略の歴史を真剣に反省し、アジアの近隣諸国の安全保障上の懸念を尊重し、軍事安全保障の分野で慎重に行動し、地域の平和と安定に資することをもっと行う必要がある」と毛報道官は言った。

 この問題に詳しい人々によれば、5月に日本の国家安全保障アドバイザーである秋葉剛男がワシントンでホワイトハウスのジェイク・サリバンと会談し、トマホーク購入のアイデアを持ちかけたという。サリバンは快く応じてくれたという。

 サリバンは秋葉に「検討プロセスを開始する」と言ったという。「そして、連絡を取り合う」。

 関係者によれば、東京は兵器購入の正式要請をまだしていないという。

 政府は国内の反戦感情に敏感で、自衛のための武器という枠組みを確固として持っている。「これは防衛的なものであり、攻撃的なものではない」と関係者は言った。「防衛的なものだと考えている」。

 しかし、同関係者は、「今回の(動きは)非常に異常である」と認めた。

 日本はアジアで初めて、西側諸国と共にロシアの侵略を理由に制裁を課し、ロシアは「非友好国」のレッテルを貼り、周辺での軍事活動を強化した。

 日本政府関係者は、ウクライナが長い困難の中で戦う意志を示した後、NATOの支持がどのように高まったかを見ていたと、6月までホワイトハウスの東アジア担当ディレクターだったジョンストーンは言う。「危機の際、米国やその他の国々が自国の味方であることを保証する最善の方法は、自国の防衛に投資し、戦う用意があることを示すことだ、と結論づけたのです。それがウクライナ戦争から日本が得た教訓だ」。

 実際、日本は新しいハードウェアや支出の増加だけでなく、多くの点で防衛態勢に著しい転機を迎えようとしている。今月、防衛省はサイバーセキュリティチームを現在の800人から2027年までに2万人に増員し、サイバーセキュリティ能力の大きなギャップを埋めるため人員を確保すると発表する。

日本はまた、平時から自衛隊が民間の港や空港を利用しやすくすることを検討しており、紛争時をにらんだ準備体制への懸念を反映している。■


Japan to buy Tomahawk missiles in defense buildup amid fears of war

By Michelle Ye Hee Lee and Ellen Nakashima 

https://www.washingtonpost.com/world/2022/12/12/japan-tomahawk-missiles-ukraine-war/?location=alert



Nakashima reported from Washington. Julia Mio Inuma in Tokyo contributed to this report.


着実に進む日本NATO間協力。まもなく出る新安全保障政策文書にも反映されるはず....

  

 

 

10月、北朝鮮が弾道ミサイルを日本上空に発射し、日本国民に避難勧告が出た。平壌は10日間で5回のミサイル実験を行い、米国、韓国、日本の合同軍事演習から1週間後に行われた。

 

 

北朝鮮による核兵器の開発・実験の進展や、その他の世界的な安全保障上の懸念から、日本は防衛力を強化し、新しい作戦方針を起草する必要に迫られている。自由で開かれたインド太平洋を強化するため、東京はNATOとの関係強化も模索しており、それは日本の防衛ニーズと同盟のグローバルな安全保障の目標に利益をもたらす。

 

日本はここ10年あまり、安全保障上の課題を共有し防衛協力を推進するため、NATOとの協力関係を構築してきた。岸田文雄首相がマドリードで開催された2022年のNATO首脳会議に出席し、日本は初めてNATO首脳会議に参加した。

 

「国際社会が歴史の岐路に立つ中、日本含むNATOのアジア太平洋地域のパートナーがNATO首脳会議に参加することは、欧州とインド太平洋の安全保障が不可分であるという認識を表明しています」と、岸田氏は首脳会議のスピーチで述べた。

 

岸田首相は、ロシアのウクライナ侵攻やインド太平洋で進行中の課題の結果として、日本がNATOとの関係をさらに深めることを検討していることを示唆した。

 

岸田首相は、モスクワによるウクライナでの核兵器使用の脅威と、北朝鮮の核の進展を懸念材料に挙げた。

 

「ロシアのウクライナ侵攻は欧州だけの問題ではなく、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙だ」と述べ、ウクライナの危機は東アジアでも同様に起こり得るとした。

 

 

グローバルな安全保障環境に対応するため、日本は新しい国家安全保障戦略を起草し、防衛費を増加させる政策を更新する。これにより、日本の国際的な同盟国やパートナーとのさらなる協力の扉が開かれると、岸田首相は指摘した。

 

日本の防衛省は、2023年度予算として400億ドル以上を要求しており、これは日本の歴史上最大額である。要求には100以上の項目がウィッシュリストに記載されていたが、具体的な資金額は記載されていない。予算文書によると、数値はドクトリンが発表された後に出る。

 

要求では、防衛近代化の優先事項として、スタンドオフ防衛、航空・ミサイル防衛、無人車両、クロスドメイン作戦、指揮統制、兵站、持続可能性の能力の7つの主要分野の概要が示された。

 

これらの技術は、多国間指揮統制システム、海上多用途航空機、機雷除去用無人海上船舶、潜水艦追跡システム、モジュール式地上基地防空システムなど、現在加盟国やパートナー国が開発中のNATOの知名度の高いプロジェクトの一部と大きな差はない。

 

さらに、宇宙とサイバースペースが競合環境として出現したことで、日本とNATO加盟国の間に、地理的距離にとらわれない新たな協力の機会が生まれていると、防衛大学校の非常勤教授で元NATO・欧州連合連絡官である長島潤は指摘する。

 

「新領域が戦場となり、軍が活動する戦場は著しく拡大する」と、日本国際安全保障産業協議会主催のイベントで、通訳を介して語った。

 

このような新しい戦闘領域では、データやソフトウェアで定義されたシステムに依存する、より複雑な技術が必要になると、彼は付け加えた。

 

NATOは、ビッグデータ、人工知能、自律システム、量子コンピューティングなどの最新能力を、新興・破壊技術(EDT)と呼ぶ。NATOのリリースによると、同盟は2021年に実施戦略を採択し、NATOがこれらの分野で敵の利用から保護しながら技術革新を加速させる方法について基礎を築いたという。

 

長島は、日本がNATOとのパートナーシップを強化することを望むなら、日本自身の能力を強化する一方で、NATOとの相互運用性を確保する必要があると述べています。

 

「基礎技術に関係者間でギャップが存在すれば、戦争の前提が失われ、装備協力が無意味になる」と同氏は述べた。

 

日本は近年、NATOとの相互運用性を実現しようとしている。例えば、日本はCNAD(Conference of National Armaments Directors)と呼ばれる兵器協力を推進する委員会に参加していると、NATOの産業関係コーディネーターであるLiviu Lazarは述べている。

 

同組織は、同盟全体のシステムの共同能力要件を担当しているため、「NATO軍の相互運用性を達成するための主要なツールです」と、イベントの中でLazarは述べている。日本のようなパートナー国が、装備や研究プロジェクトで協力することも可能だ。

 

また、NATOのパートナーシップ相互運用性イニシアティブの一環として、日本は2014年からプラットフォーム間の相互運用性で同盟と協力している。

 

同盟の相互運用性パートナーとして、日本はNATO産業アドバイザリーグループ(NIAG)に参加できる。

 

この組織は、NATO加盟国と一部のパートナー国の産業界の代表者を結びつけ、システム競争の段階に情報を提供する新しい能力のための研究、開発、生産に関する洞察を提供することができると、Raytheon Technologiesの政府およびNATO関係ディレクターであるルディ・プリーム・プリームRudy Priemは述べている。

 

このグループはすでに、NATOがボーイングE-3セントリーを空中警戒管制機の後継機をめざす「アライアンス・フューチャー監視管制」プログラムを協議中と、彼は指摘する。

 

さらに、この諮問グループの議論から、指揮統制システムから次世代航空機まで、将来の作戦環境に関する同盟の予測やニーズを理解できると、Priemは言う。

 

「NIAGに参加することで、可視性と能力計画を受け取ることができます。短期、中期、長期で何が起こるか意見を交換し、企業として設備や生産ラインへの投資を開始するのに興味深いものです」。

 

ジュネーブ軍縮会議の高見沢信茂前大使は、日本がNATOと能力開発でもっと協力する意向を示しても、日本のリスクを軽減するためには、他の非加盟国が過去に同盟とどう協力したかを理解することが重要だと、イベントで通訳を介して述べた。

 

高見沢は、非NATO加盟国とその産業界がどのように同盟と協力したか、成功例失敗例も含め、過去の事例が日本に参考になると付け加えた。

 

さらに高見沢は、同盟と日本との間の防衛協力は相互的である必要があると指摘した。

 

「NATOのために情報を集めるだけのシステムだと、各国の防衛上の脆弱性を改善するのに役立つのか、疑問が残るかもしれません」と彼は言う。「積極的な言い方ではないが、NATO以外のパートナーのメリットを語ることが必要だと思う」。

 

日本はこれまでNATO内組織に参加してきたため、NATOとの協力関係を強化する際に有利に働くとラザールは言う。

 

「白紙の状態から関係を築こうとするのと、実際にその関係を築くための政策的・政治的なステップをすでに数多く踏んでいるのとでは、大きな違いがある。...我々はゼロから始めるには程遠い」と述べた。

 

ラザールは、同盟はインド太平洋諸国との協力の必要性も強調している、と指摘した。2021年のNATOブリュッセル・サミットで、加盟国は同盟と日本、オーストラリア、韓国、ニュージーランドなど地域のパートナーとの間で政治対話と協力を強化することに合意した。

 

一方、日本とNATO加盟国(米国や英国など)との軍事的パートナーシップも、同盟との強固な協力の基盤となり得ると、長島は指摘した。

 

米国と日本は強力な軍事同盟国であり、レイセオンと三菱重工業が製造したSM-3ブロックIIAミサイル迎撃ミサイルなどの機能を共同開発、共同生産してきた。また、東京は米国製防衛装備品を頻繁に購入し、日米両国は頻繁に合同演習を行っている。

 

長島は、「アメリカから見れば、東と西、そしてヨーロッパと日本を見ている。アメリカから見れば、ヨーロッパと日本という東西の三角形に見える」と述べた。

 

両国は、オーストラリア、インドとともに四極安全保障対話の一員で、この4カ国は、インド太平洋地域における中国の主張に対する懸念が高まる中、技術協力の強化に動いている。

 

また、日本は最近、イギリスと新たなパートナーシップを結び、第6世代航空機F-Xとテンペストをそれぞれ開発する協力を行う。

 

こうした協力は、二国間または同盟外の国との連合で行われるが、「各国が協力し、NATOに装備をもたらすことは、NATOにとって良いことだ」とプリームは述べた。

 

最終的に、日本のNATOとの協力の範囲は、2022年末に発表される予定の日本の新しい国家安全保障戦略で定義されなければならない、と高見沢は述べた。その文書には、日本がNATOと防衛情報を安全に共有する方法、あるいはその逆の方法についての指針も含まれると、高見沢は付け加えました。

 

「理解するための資料が必要なのです。プロセスを理解したら......両方を明確にしなければならない」と高見沢は述べた。「いずれにしても、政治的リーダーシップと産業界のリーダーシップ双方が必要です」。■

 

Japan Seeks Deeper Defense Ties with NATO

12/6/2022

By Mikayla Easley


2022年12月14日水曜日

新規製造砲弾が払底してきたロシアは不安定な経年弾薬備蓄に手を付け始めた。その他ウクライナ戦の最新状況(現地時間12月12日現在)

Russian Ministry of Defense photo

 

新規製造弾薬が不足しているロシアは、40年前製造のロケット弾や砲弾に頼ることが多くなっていると、米国防総省が発表


 

国防総省によると、ロシアは9カ月以上にわたるウクライナ全面戦争で新兵器の在庫が枯渇し、劣化し、場合によっては40年以上前製造の、取り扱いに危険がある砲弾やロケット弾に依存度を高めているを高めているという。

 国防総省が「完全に使用可能」と呼ぶ、あるいは新しい砲弾やロケット弾のロシア在庫は、おそらく来年初めまでもつだろうと、米国防総省高官が月曜日、記者団に語った。

 

 

 しかし、在庫は「急速に減少しており、劣化したと思われる状態の弾薬をますます使用せざるを得なくなっている」と、高官は匿名を条件に語った。「このため、ロシア軍は本質的に、故障率の増加や予測不可能な性能、劣化弾薬に改修が必要かどうかなど、どのようなリスクを受け入れるかを選択しなければならない立場に置かれている。

 ロシアが古い弾薬に依存することで、不発弾、あるいはそれ以上の事態を招いていると、この関係者は言っている。

「弾薬を装填し、指をくわえて、発射されることを祈るだけだ。「どこかに落ちて爆発するように」と。

 

Russia is running out of new munitions the Pentagon said on Monday. (Photo by Leon Klein/Anadolu Agency via Getty Images)

 

 ロシアは「老朽弾薬備蓄を引き出しており、40年以上前製造の古い弾薬を使用する意思を示している」と当局者は述べた。

 その結果、「ロシア軍は、外国の供給業者や国内生産の増加、改修を通じ、使用可能な大砲やロケットの弾薬を補充するのに非常に苦労することになる」という。

 ロシアはイランと北朝鮮に目を向け、「信頼できる弾薬を手に入れようと」していると、当局者は述べた。

 しかし、ロシアはイランに短距離弾道ミサイル(SRBM)の提供を頼ることはできなくなるかもしれない。ウクライナ情報当局によれば、先月に予想されていたことである。

 イランは国際的な反発を恐れ、「ウクライナ戦争でロシアに提供する予定のミサイルの射程距離を制限しようとしている」と、イスラエルの4人の高官が、情報機関の報告を引用してアクシオスAxiosに語っている。

 米国の立場は、イランからロシアへのこのような武器移転は、国連安保理決議2231号に違反するというもので、とりわけイランの核、弾道ミサイル、武器移転は国連の承認が必要としている。

 アクシオスによれば、「イランはロシアに射程300km未満のミサイルのみ提供し、他のミサイルは決議の範囲内に収まるよう修正する計画だ」とイスラエル政府高官は語った。

 これには、射程300kmのFateh-110ミサイルシステムが含まれるが、このレポートによると、「イスラエル当局者によると、イランは、決議に違反しないように修正する」 という。

 イランは射程約435マイルのゾルファガルミサイルもロシアに送ることを検討していたが、アクシオスによると、その予定はなくなったという。

 ミサイルの輸出戦略を変更したという今回の報道が正確であると証明されるのを待つ必要がある。

 一方、英国のベン・ウォレス国防相は月曜日、米国と同盟国が提供するM142高機動砲ロケットシステム(HIMARS)およびM270多連装ロケットシステム(MLRS)用の誘導多連装ロケットシステム(GMLRS)より長距離の弾薬をウクライナに送ることを否定していないと明らかにした。

 これまでのところ、すでに戦場に大きな影響を及ぼしているこれらの発射台は、M30A1およびM31A1 227mm精密誘導ロケットを発射し、それぞれ高度な破片弾と統一高火力弾頭を備えている。両タイプとも最大射程は少なくとも約43.5マイル(約70キロメートル)とされている。

 しかし月曜日、ウォレスは、ロシアがウクライナの民間インフラを攻撃し続けるなら、英国がウクライナに提供するシステムについて「オープンマインド」を保つだろうと述べた。

 このような攻撃は「ジュネーブ条約含むすべての法規範に反する」ものであり、「戦争犯罪であるだけでなく、処罰されずに終わることのないようにしなければならない戦争犯罪である」と述べた。

 「ロシアが民間地域を狙い続け、ジュネーブ条約を破ろうとするならば、私は次にどうするか、心を開くつもりだ」。

 彼が言っていることが具体的に何なのかは明確ではない。空中発射式の高度兵器ストームシャドウと、潜水艦から発射するトマホーク巡航ミサイルだけが、すぐに思い浮かぶ。トマホークは非売品だし、ストームシャドーは何らかの形でウクライナに提供されれば、能力が大きくエスカレートする。

 

最新情報

戦場では、ドンバス地域の近くで「特に激しい戦闘があり、ロシア軍はバフムト市を奪取しようと攻撃的な地上作戦を行っている」と米国防省高官は述べた。戦闘は依然激しく、ロシア軍は少しずつ領土を獲得しているが、ウクライナは戦闘で荒廃したバフムトを保持し続けている。

 「ロシアはここしばらく、同地域に兵力と装備を投入しており、非常に力を入れていた」と同高官は語った。「それは、ハリコフやケルソンで起きているウクライナ反攻と同時進行していた。そこで激しい戦闘が行われていることは、必ずしも新しいことではないが、何らかの理由で、ロシアがこの特定地域を優先しているのを我々は見続けている。先ほど申し上げたように、ロシアは少しずつ領土を獲得しているが、それほど多くはない。しかし、ウクライナは攻撃を受けている都市を守り続けている」。

 バフムト攻撃は高いコストで行われ、「ロシアがこの作戦を遂行する方法」に合致していると、当局者は述べた。「彼らの戦闘方法は、重砲による攻撃と、戦力の投入である。数字で示すことはできないが、かなりの死傷者が出ているという報告が来ている」。

 「一方、ハリコフ、ケルソン地方では、ロシア軍が防衛線を強化する一方で、ウクライナ軍はこれまでの利益を強化し続けている」。と当局者は述べた。

 以下は、Institute for the Study of Warの最新評価から得られた重要な点である。


  • ロシア国防省(MoD)は12月11日、ヴァレリー・ゲラシモフ元帥が参謀総長の職を辞任または解任されたとのうわさを否定した

  • ウクライナとロシアの情報筋によると、ルハンスク州のスバトベ・クレミンナ線とドネツク州のライマン付近で、悪天候の中、戦闘が続いている

  • ロシアのミルブロガーは、ロシア軍がケルソン方面からクピャンスク方面へ200個以上の装備を移送したと主張し、ジオロケーション映像ではルハンスク州でロシアのT-90戦車が西へ向かったという。ウクライナ政府関係者は、より大規模なロシア軍集団は現在脅威ではないと述べている

  • ロシアとウクライナの情報筋によると、ロシア軍はバフムト周辺で戦闘を続けながら、わずかな領土を獲得した。ウクライナ軍東部グループ報道官は、ロシア軍は攻撃行動に大隊戦術グループ(BTG)から、より小規模の攻撃グループに戦術を変更したと述べた

  • ロシアとウクライナの情報筋によると、ウクライナ軍は、ロシアの主要兵站線に沿ったケルソン州のスカドフスク、ホラプリスタン、オレシキー、ノバ・カホフカを攻撃した

  • ウクライナ当局によると、ロシア占領当局は、占領下のウクライナで強制動員措置を強化した

 

 ロシア軍は、2014年から占領中のクリミア半島でも掘削を続けている。最近まで観光客のホットスポットだったクリミアのウォーターフロントでは、最近、ロシア軍による塹壕建設が進んでいる。ウクライナ当局はクリミア奪還の意図を公言しており、最近になってドローンや破壊工作の攻撃が相次いでいる。明らかに、ロシアは海からの襲撃の可能性に備えている。

 ロシアの宣伝マンで戦争犯罪人のイゴール・ガーキンでさえ、ロシアの要塞がウクライナの進撃を食い止めるられるか疑念を抱いている。

 クリミアへの最終攻撃ルートは、東側からザポリジャー州を経由する可能性があり、そこがウクライナの次の反撃の標的になる可能性がある。そのためか、ロシアが占領していた同州のメリトポリが攻撃を受け、破壊された橋の映像が初めてSNSに登場した。

 メリトポリでは、ホテル内のワグネルグループの兵舎がウクライナ軍のHIMARSで攻撃され、死者が出ているようだ。BBCによると、ロシア当局はわずか2名と主張し、ウクライナの元市長は「数十名」と主張している。

HIMARSは依然としてウクライナで恐れられている。

 戦車もまだ戦場で主要な役割を担っている。ウクライナ兵器追跡OSINTグループは、ルハンスク州での戦車対戦車の戦闘を撮影した貴重なビデオを公開し、ウクライナのT-64BV戦車がロシアのT-72B戦車をたった1発で消滅させた。

 また、ウクライナはドローンでロシア軍へ精密打撃を続けている。

 ロシア軍も、ウクライナに寄贈された軍用機器を含め、破壊を引き起こしている。

 英国から供与されたマスティフ装甲車3台が最近の戦闘で損傷または破壊されたのが確認された。

 ウクライナに寄贈されたフィンランド製のシスXA-185装甲兵員輸送車のように、両軍の装備品は引き続き捕獲されている。

 ロシアは、動員された予備兵に最も基本的な物資を供給するのに苦労し続けているようだ。

 そして、ロシア軍が物資を手に入れても、それは必ずしも本当に必要なものではないらしい。

 そして最後に、戦争がようやく終わったら、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、海岸を訪れてビールを飲みたいと言っている。

 少なくとも、この元コメディアンは別の有名なコメディアンにそう言ったという。

 David Lettermanの「My Next Guest Needs No Introduction」の最新エピソードで、そのすべてを聞くことができる。10月にキーウ地下鉄のホームの地下300フィートで行われたゼレンスキーとのインタビューは、月曜日に放送された。■

 

Ukraine Situation Report: Russia Relying On 'Degraded' Ammo Says Pentagon

 

BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED DEC 12, 2022 10:43 PM

THE WAR ZON


ウクライナ向けペイトリオット迎撃ミサイル供与で進展か。イランはロシアに追加弾道ミサイル提供をする模様。

 

US Army

ロシア向けイラン製弾道ミサイルが話題になる中、米国がウクライナにペイトリオット防空システムを送る計画が進んでいると報じられている

 

政府がペイトリオット地対空ミサイルシステムをウクライナに送る最終調整に近づいていると伝えられている。事実ならば、ウクライナの防空・ミサイル防衛能力に新たな大きなプラスとなる。また、ワシントンと同盟国協力国がウクライナへ提供する軍事援助の範囲が大きく拡大する。

CNNは本日、ペンタゴンや他の米政府関係者の匿名情報として、ウクライナへのペイトリオット供与が決定したと最初に報じ、早ければ今週中に正式発表の可能性があると伝えた。ロイド・オースティン米国防長官とジョー・バイデン大統領の署名がまだ必要だが、承認が期待されると報じられている

ペイトリオット・アドバンスト・ケイパビリティ-3(PAC-3)ミサイルの試射。 Lockheed Martin.

このニュースは、ウクライナ大統領府のトップであるアンドリー・イェルマクが先週末に行った、ウクライナとアメリカの国旗、受話器、ロケットなど絵文字だけで構成された不可解なツイートに続いて行われた。もちろん、これは今後納入される可能性のあるペイトリオットとは全く関係ない可能性もある。

しかし、国防総省は先月、ウクライナへのペイトリオットシステム供与を検討中と公に確認していた。ウクライナ政府は、が2月の全面侵攻前から、防空・ミサイル防衛を強化するためにペイトリオット取得を目指してきた。

実現すれば、ウクライナ軍のペイトリオット関連訓練は、ドイツのグラーフェンヴェール訓練場で行われる見込みだ。アメリカ軍はすでに、高機動砲ロケットシステム(HIMARS)含む他のシステムの使用について、ウクライナ人員をグラフェンヴェアーで訓練している。

しかし、CNN報道によると、ウクライナに提案されているペイトリオットの取引の全規模と範囲は不明としている。典型的なペイトリオット砲台は、AN/MPQ-65多機能フェーズドアレイレーダー、必要な射撃統制、通信、その他の支援機器、および最大8台のトレーラー搭載ランチャーを含む。

典型的なペイトリオット地対空ミサイルシステムの構成部品を示す図 via GlobalSecurity.org

さらに、取引が米国の在庫からペイトリオットを譲渡するのか、それとも第三国からシステムまたは何らかの購入を含む米国政府主導の取り決めなのかは明らかではない。ペイトリオットは、米陸軍内で、非常に需要が高く、比較的密度の低いシステムだ。

10月の記者会見で、統合参謀本部議長マーク・ミリー米陸軍大将は、ウクライナへのペイトリオット派遣の可能性について語り、現在多くの米国の同盟国協力国が同システムの異なるバージョンを運用中と指摘した。ミリー発言は、ウクライナの全国的な防空・ミサイル防衛ネットワークの近代化を長期的に支援する米国主導の取り組みに関する幅広い議論の中で出てきた。

11月にはポーランド政府関係者が、ドイツが保有するペイトリオット一部をポーランドに配備するよりも、ウクライナに直接譲渡した方が良いのではと提案した。ウクライナの地対空ミサイルの誤射でポーランドの農場で2人が死亡したと見られる事態を受け、その可能性が浮上し、現在は計画通りに進んでいるようだ。

米陸軍保有のペイトリオットを限定的に提供し、米国の同盟国協力国からの追加システムと組み合わせることで、ウクライナへの移転規模を拡大できる可能性もある。

いずれにせよ、旧型であってもペイトリオットシステムをウクライナに送ることは、現在弾道ミサイル防衛能力をほとんど持たない同国には大きな恩恵となる。昨日、イランからロシアに数百発の短距離弾道ミサイルを提供する可能性について、新たな報道が出ている。

大量のイラン製短距離弾道ミサイルは、防御力を持たないウクライナに大きな影響を与える可能性がある。ウクライナの送電網などは、ウクライナの防空部隊がこれらの脅威の多くを撃墜しているという主張にもかかわらず、ここ数ヶ月、空と海から発射された巡航ミサイルやイラン製の神風ドローンによるロシア攻撃で大きな被害を受けてきた。

ペイトリオットは最新の長距離地対空ミサイルシステムであり、ロシアの航空機、ドローン、巡航ミサイルに対する防御範囲をウクライナに拡大する。あわせて提供されるレーダーによっては、ウクライナ軍に航空早期警戒能力を追加することができ、既存レーダーともネットワーク化される可能性がある。

もちろん、米国製ペイトリオットの契約がまとまり、システムが納入されるまでにどれほどの時間がかかるか、また、十分な訓練を受けたウクライナ要員が実際に運用開始できる時期は不明である。

いずれにせよ、イラン製弾道ミサイルの攻撃に備え、ペイトリオット供与をめぐる米・ウクライナ当局の話し合いは、新たな局面を迎えているようだ。■

 

Deal To Finally Send Patriot Missiles To Ukraine Imminent: Report

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED DEC 13, 2022 3:09 PM

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