2023年6月19日月曜日

V-22オスプレイの生産はこのままだと2025-26年で終了。米三軍での運用面で有用性が再認識サれる一方、海外調達は振るわず、導入したのは日本だけだ。

 

Defense Dept. photo



年、陸軍がブラックホークの後継機としてベル・テキストロンのティルトローターV-280を選定し、アナリスト多数は、海兵隊と特殊作戦司令部が先行運用し、海軍が導入したV-22オスプレイの波瀾に満ちた歴史を考えれば、陸軍がティルトローター機体に賭けることに驚きを示した。



V-22は2055年まで飛行するとされているが、1990年代初頭に試作機5機中2機が墜落して以来、人命事故数件が発生している。「V-22事故」で検索すると、Wikipediaの "Accidents and incidents involving the V-22 Osprey "というページがヒットするし。オスプレイの墜落事故のその他悲惨な映像も見つかる。


しかし、オスプレイは徐々にその翼を広げ、現在では海兵隊で最も目につきやすく、頼りになるプラットフォームとなっている。


「V-22がCH-46後継機として登場したときから、V-22はとても魅力的でした」と、V-22共同プログラム・マネージャーブライアン・テイラー海兵隊大佐Col. Brian Taylorは言う。「当初は従来型中型ヘリコプターの役割で使用されていましたが、同機の能力が明らかになると、役割やミッションが信じられないほど拡大するのを目の当たりにしてきました」。


しかし議会からさらなるアクションがないと国防総省は2023年予算でV-22調達を終了し、2026年に最後の数機が納入されれば、生産ラインは停止される。


海兵隊が同機の新たな任務を模索し続ける中、生産ライン終了の可能性が出てきた。当初、V-22に期待されていたのは、部隊や装備、兵站を海上基地から目的地まで長距離移動させる突撃支援だったと、テイラー大佐は述べている。


「空中ネットワークなど新しいアプリケーションが視野に入ってきた、プラットフォームの航続距離と速度は本当に素晴らしいテンプレートまたはキャンバスとなります。将来の海兵隊がV-22を使用して、部隊設計を可能にするため際に助けとなる」と大佐は続けた。


V-22は、海兵隊がインド太平洋を中心とした海上作戦のために組織と装備を整える計画であるフォースデザイン2030で想定する分散型作戦に不可欠である、と大佐は言う。


各軍では、海兵隊のMV-22に360機、海軍のCMV-22が48機、空軍特殊作戦司令部でCV-22 56機が必要とされている。


「最終的にすべての航空機を完全に現場で運用するのが目標だ」「我々が体得してきた方法にかなり自信を持っており、海上から運用ができる。前方に展開地点からの運用も可能です。やっと本領を発揮し始めたところです」(テイラー大佐)。


しかし、その歩みは2月にV-22統合計画室が特殊作戦部隊のCV-22を飛行停止させ、ハードクラッチアセンブリのインプットクイルを交換したことで中断された。当時、海兵隊の広報担当者はハードクラッチ問題は2010年時点で判明していたと指摘していた。


テイラー大佐によると、影響を受けた航空機の修理プロセスは予定より早く進んでいる。当初は2024年までかかると予想されていたが、現在は2023年晩夏か初秋になるという。


「入力クイルは年間10個ほど作っていたのですが、今年は200個を超える生産になりました。このような増産がまさにアメリカの産業基盤のユニークな点だと思います」。


2026年に生産ラインが予定通り停止した場合、部品の生産量を迅速に増やす能力が今後不可欠となる。


航空機を維持・保守するため、各軍は62,000点もの部品を調達し続ける必要がある、とテイラー大佐は述べている。V-22プログラムオフィスとベル、ボーイングは、生産時の一貫した需要シグナルは出ないかもしれないが、部品に対する継続的なニーズがあると各サプライヤーに何年も伝えてきた。


「このような議論が、今、我々と国防物流機関のパートナーとの間で進行中で、維持契約でこの需要シグナルを業界が確認できるようにしています」。


「エレクトロニクスの陳腐化は、航空機の技術的な課題です」とテイラーは付け加えた。「私たちは21世紀の航空機に乗っていますが、エレクトロニクスの世界で物事が変化する速度は、一般的な航空機の変化よりもかなり速いのです」。


製造元のベルにとって、機体の維持は最優先事項だと、ベル・フライトのV-22副社長兼プログラム・ディレクターのカート・フラー Kurt Fullerは言う。同社は、同機の主要なアップグレードを提供し続け、労働力とサプライチェーン一部をアクティブに保つと述べている。


主要なプロジェクトの1つは、航空機のメンテナンスに関する長年の現場データに基づいたナセルのアップグレードとフラーは言う。


「データをもとに、構造以外に配線の設計も改善できます。空軍で実際に行っていることは、機体をアマリロに戻し、新しい生産型V-22の最終組み立てを行うアマリロで機体を新型ナセルでアップグレードし、工場から再び飛行させるのです」。


これにより、ベルは機体の即応性を高めつつ、人的資本が維持できるとフラーは言う。


それでも、生産終了で課題が生まれるとフラーは言う。「特殊な単品部品は入手が難しくなります」「当社は、サプライヤー500社にまたがる27,000人以上の従業員の産業基盤を持っており、一部は、修理やスペアパーツのサポートでまだ必要となるでしょう」「しかし、その産業基盤の大部分は、必ずしも一般的にスペアや修理を行う部品を提供するわけではない」。


しかし、対処するメカニズムが別にあると、ティールグループのシニアアナリスト、J.J.ガートラーJ.J. Gertlerは言う。


「一般的に、このような場合、調達終了時に、生産ラインの閉鎖でメーカーに発生する費用として操業停止費用の請求が行われますが、将来のための部品在庫の確保を含まるのです。


「もうひとつは、サステイナビリティのほとんどが、下請け会社から供給されているということです」と、ガートラーは続ける。「ベルやボーイングのものではありません。つまり、持続可能性を維持するため、V-22の生産ラインをオープンにしておくことは問題ではないのです」。


とはいえ、メーカー各社は生産ラインを稼働させ続ける理由があると信じている。ボーイングの広報担当者は、電子メールで「生産ラインを延長するあらゆる選択肢を模索している」と述べた。「私たちは、ビジネスと顧客のニーズに対応することに集中しています」。


海軍の空母艦載輸送機としてC-2グレイハウンドを徐々に置き換え中のCMV-22を、海軍はもっと欲しがるかもしれないとベルは考えており、オスプレイは同軍のミッションニーズをもっとカバーできると見ている。


 フラーは、「海軍と研究を行い、海軍も単独で研究を行いました。しかし、当社の研究では、インド太平洋地域における争奪戦のロジスティクスや分散型海上作戦、そしてそのような地域でカバーする必要のある海洋の広さをサポートするためプログラムが50%以上増加すると示すことができます」。


ベルは、数十年前に定義されたプログラム・オブ・レコードの航空機の数がまだ有効であることを確認するために、各軍および議会メンバーと密接に協力している。「このプログラムをさらに拡張することを期待して、その努力を続けているのです」とフラーは語った。


テイラーは、海軍がオスプレイの3回目の配備に向けて、オスプレイの能力を実感しているところである点に同意した。


「C-2後継機としてだけでなく、オスプレイが海軍にもたらすあらゆる能力を検討し始めている」。


しかし、海兵隊の約18万人の海兵隊の兵力で360機を想定しているのと同様に、海軍の48機のV-22はより大きな計画に基づいている。


「我々は全体的な海軍、海兵隊、空軍チームの一部であるため、航空機のすべてが各軍によって割り当てられた部隊構造の内部に収まる必要がある」 と彼は言った。


フラーは、海軍が、あるいは議会が、これ以上オスプレイを欲しがらないなら、一巻の終わりで、日本の調達以外に、同機に外国の買い手はない、と指摘した。


「何年か前から数カ国が興味を示していたが、生産ラインを維持できるだけの具体的なものはない」。


生産停止は、ベルよりボーイングに大きな打撃になりそうだ、とガートラーは言う。


「V-22製造と同じ工場で製造されるV-280で陸軍契約を獲得したばかりのベルには未来がある」と言う。「問題は、ボーイングと、ボーイングが同機生産の一部を担当するペンシルバニア州リドレーパークはどうなるのか、ということだ」。


そして、ベルは陸軍の未来長距離強襲機プログラムとしてV-280生産を進める立場にあるが、そのタイミングと生産は1対1の置き換えにはならない、とフラーは言う。


「ティルトローター以外では、V-22とV-280の間に共通性があまりありません。だから、V-22から多くの道具を再利用してV-280を作るという問題ではないのです」「V-280が本格生産に入る少し前に、V-22ラインがこの最後の機体をロールオフする予測なので、受注の観点からは、2つのラインのタイミングは、我々が望むような理想的なものではありません」。


V-280が生産に入ると海兵隊が注目するだろう、とテイラー大佐は言う。


「V-22と別の設計のV-280に大きな関心を寄せています」とテイラー大佐は言う。「陸軍とベルが同機のプログラムを進めていく中で、海兵隊が興味を持ち、どんな教訓を得ることができるのか、V-22に応用できるのか、あるいは将来的に他の装備に応用できるのか、見守っていくつもりです」。


ガートラーは、V-22の生産を延長する可能性がある方程式に、最後の変数があると指摘している。「議会は、軍が要求しない、あるいは必要としないものを予算計上する傾向がある」。「とはいえ、今年の予算状況は厳しく、不確実性が高いので、生産ラインを延長するのは普通より難しいかもしれません」。


議会や国防アナリストが、少なくとも2024年の一部について予期しているのは、暫定予算決議の扱いだ。


「その場合、V-22プログラムFTTeas支出は2023年レベルで固定されることになる」とガートラーは述べた。「資金をどのように使うのかが注目される。なぜなら、その資金は、いらないと言っているV-22を買うためにしか使えないからだ」。■


V-22 Production Winds Down As Deployments Ramp Up

6/13/2023

By Sean Carberry


レーザー兵器はここまで小型化できた。レイセオンの新型パレット装備はピックアップトラックで移動し、すぐ稼働可。ドローン対抗手段として注目。

 

レイセオンのパレット型レーザー兵装は米軍仕様で作られ、スタンドアローン仕様で移動可能な装備


レイセオンのパレット式レーザー兵器は、米軍仕様の10キロワットレーザーで初の移動式スタンドアローン構成となった


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レイセオン・テクノロジーズは、完全可搬型の戦闘対応レーザーを米空軍に納入したと発表した。最新のレーザーは完全に移動可能ですぐに配備が可能だという。▼「パレット積みされた新しいレーザー兵器は、米軍仕様の10キロワットレーザーとして初めて、必要な場所に移動できるスタンドアローン構成としました」と、同社プレスリリースに説明がある。▼社内呼称「H4」の今回の戦闘用レーザーは、レイセオンが空軍に納入した4番目の兵器で、米国防総省(DOD)に納入した装備としては8番目となった。▼これまでレイセオンの高エネルギーレーザー兵器システム(HELWS)や、史上最強の戦闘用レーザーと呼ばれるロッキード・マーチン製品など、開発中の類似の戦闘用レーザー兵器を数多く取り上げてきた。▼しかし、今回の最新のコンバットレーザーは、これまでにない携帯性とともに、即戦力として活躍できるのが特長だ。▼つまり、戦闘用の各種車両に搭載し、実戦にすぐ投入できる。▼21世紀の戦場は、さまざまな新しい脅威で常に変化しているため、このような汎用性と実用性の高さが重要な意味を持つ。▼もちろん、定格出力10kWは最も強力なものではないが、低価格ドローンの使用が急速に拡大している非対称攻撃から前方部隊を守るのに適している。▼レイセオン・テクノロジーズの高エネルギーレーザー担当シニアディレクター、マイケル・ホフルは、「空軍がドローンの脅威を感じる場所ならどこでも、非対称脅威を阻止するために配備できる実績あるレーザー兵器が4種類ある」と述べている。▼「固定場所であれ、フラットベッドであれ、あるいはピックアップであれ、レーザー兵器はコンパクトで頑丈で、すぐに使えるものです」。▼「当社は、この新しい技術を必要とする人員に現場で提供する空軍を支援することを誇りに思います」「システムの能力を信頼し、確信しています」と述べた。▼プレスリリースでは、新型レーザー兵器システムは、「高エネルギーレーザー兵器モジュール、ビーム監督を兼ねた長距離EO/IRセンサー、熱制御、内部電源、ターゲットソフトウェアで構成」とある。▼同リリースによると、レーザーシステムはノートパソコンとビデオゲーム風のコントローラーで操作でき、「必要な防御層を提供するため、既存の各種防空・指揮統制システムにプラグインできる」とある。▼DODは、戦闘用レーザーや、「トールのハンマー」として知られているマイクロ波システムのような他の指向性エネルギー兵器にますます注目し、多くの新たな脅威に対処している。▼開発中の強力な戦闘用レーザー兵器は、100kWから300kWの範囲で、飛来するミサイルや、場合によっては敵機を撃墜する可能性がある。▼しかし、なんといっても軍へのな脅威は、ドローン使用が拡大し続けていることだ。▼また、レーザーの弾薬は軽量で、従来型弾薬より大幅に安いため、現在、空中の脅威を撃墜する選択肢の通常弾薬よりレーザーを使用することには本質的なコスト・ベネフィットがある。▼このコスト・ベネフィットをイスラエル国防省が強調しており、従来型ロケット弾で敵のドローン、迫撃砲、ミサイルを落とすアイアンドーム・システムを補完するため、アイアンビームと呼ばれるレーザーシステムを配備している。▼イスラエルのナフタリ・ベネット首相のツイートには、「これは、1発あたり3.50ドルのコストで、向かってくるUAV、ロケット弾、迫撃砲をレーザーで撃墜する世界初のエネルギーベースの武器システム」とある。1発15万ドルとも言われるアイアンドームロケットのコストに比べれば、戦闘にレーザーを使用するメリットは歴然だ。▼レイセオンと空軍の発表では、H4の配備時期で具体的なことは述べられていないが、この兵器の可搬性と戦闘投入可能を考えれば、ほぼ即座に行動を開始できる可能性がある。■


Raytheon Technologies Delivers Fully Portable, Combat-Ready Laser to U.S. Air Force - The Debrief

CHRISTOPHER PLAIN

JUNE 13, 2023

·


Christopher Plain is a Science Fiction and Fantasy novelist and He Science Writer at The Debrief. Follow and connect with him on Twitter, learn about his books at plainfiction.com, or email him directly at christopher@thedebrief.org.


2023年6月18日日曜日

ウクライナ戦の最新状況現地時間6月16日現在 ロシア、ウクライナの宣伝戦、ベラルーシへ戦術核、ウクライナのNATO加盟への道筋、ロシアが敷設した地雷への対応、アフリカ代表団がキーウで空襲を体験など

 Nuclear Weapons Belarus

Russian MOD


米国当局は直ちに非難したが、プーチンが戦術核兵器の使用準備を進めているとは考えていないと述べている



ラジミール・プーチン大統領は金曜日、戦術核兵器が属国ベラルーシにすでに配備されていることを初めて認めた。これは、プーチン大統領が3月に行った、ベラルーシに戦術核を配備する公約を実行するものである。


サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)でプーチンは、今回の配備は、自国が負けることはないということを西側に思い知らせるものだと述べた。


ロイター通信によると、「ご存知のように、同盟国であるベラルーシのルカシェンコ大統領との戦術核兵器をベラルーシの領土に移す交渉が実現した」とプーチンは語った。


「核弾頭は、ベラルーシの領土に届けられた。しかし、最初のもの、最初の部分だけだ。夏の終わりか年末までに、この仕事を完全に行う」。


この告白は、今週初めにベルギーのブリュッセルで行われたウクライナ防衛コンタクトグループの会合で、ウクライナへの追加軍事援助が約束され、NATOへの警告として行われた。


ロイター通信によると、プーチン大統領は、「戦略的敗北を与えようと考えるすべての人々が、この状況に気づかないことがないように、抑止力の要素としてである」と述べた。


プーチンは、世界最大規模のロシアの核兵器を削減する交渉は、テーブルから外れていると付け加えたとロイターは報じた。


「(核兵器使用の可能性)について話すだけで、核の閾値が低くなる。我々はNATO諸国よりも多く持っているのに、彼らは我々の数を減らしたいと思っている。ふざけるなだ」とプーチンは言った。


プーチン発言は、ベラルーシの指導者アレクサンドル・ルカシェンコが、自国はすでにロシアから「ロケット弾と爆弾」を持っており、第二次世界大戦中に米国が日本の広島と長崎で使ったものより3倍強力であると述べた数日後のことである。


プーチン発言は、金曜日、ホワイトハウスによって直ちに非難された。ホワイトハウスのオリビア・ダルトン副報道官は、エアフォース・ワン機内で記者団に対し、「以前から言っているが、このような核のレトリックは非常に無責任だと考えている」と述べた。 「非常に無責任だ。そして、ここ数日言っているように、現時点で核態勢を調整する兆候も理由も見ていないことを、改めて強調しておきます」。


アントニー・J・ブリンケン国務長官は、バイデン政権はロシアが核兵器を使用する準備をしているとは考えていないと述べた。ブリンケンは、国務省で行われたシンガポール外務大臣との記者会見で、「我々は、状況を非常に注意深く、非常に慎重に監視し続ける」と述べた。「こちらに自国の核態勢を調整する理由はない。ロシアが核兵器を使用する準備をしている兆候はない。大統領は今週も、NATOの防衛、つまりNATOの領土の隅々まで防衛することに引き続きコミットしていると述べた。


モスクワとミンスク間の核協力の見通しは、昨年6月、プーチンが核搭載のイスカンダルMミサイルをベラルーシに譲渡すると発表して初めて現れた。発表の中でプーチンは、ベラルーシの攻撃機Su-25フロッグフットの一部を戦術核搭載用にアップグレードする可能性に言及した。ベラルーシは、連邦崩壊時に戦術核兵器と81基のSS-25「シックル」道路移動式ICBMを引き継いだが、後にロシアに返還している。



最新情報


戦果を自慢するプーチン

ウクライナも楽観視しているわけではない


ロシアの公式通信社TASSによると、プーチンは金曜日のSPIEFで、戦場ではウクライナは現在進行中の反攻で「成功する見込みはない」と言い放った。


「いわゆるヴレメフカ・バルジ(ドネツク州西部、モクリ・ヤリー川付近)で別の(ウクライナの反攻)試みが行われており、敵はいくつかのセクターで、戦車5台の支援を受けた部隊による攻撃を試みている。また、ザポリツィア地区でも、2台の戦車といくつかの装輪車両の支援による攻撃が行われている」と、質問に答える形でプーチンが発言した。「ウクライナ軍は第一線に近づくと直後に数台の戦車を失った。今、そこでは戦闘が行われている」とプーチンは述べた。「ウクライナ軍が成功するチャンスはなく、今後もないと考えている。他の(最前線の)方面についても同様だ。疑う余地はない」。"


プーチンは、タス通信が「最新のデータ」と伝えたものを引用して、ウクライナ軍が多くの犠牲者を出していると述べた。「ロシア軍と比較すると、10対1以上だ。これが事実だ」とプーチンは述べた。「本日現在、ウクライナ軍は186台の戦車と418台の各種装甲車両を失っている」と、ロシア指導者は言った。


「繰り返しになるが、大事なことは、どの方面にも成功がないことだ。敵は何の成果も上げていない」と述べた。


しかし、ウクライナは、バクムート周辺での戦闘で計画変更に取り組みながら、現在進行中の攻撃・防御作戦で「部分的成功」を主張している。


ハンナ・マリアール国防副大臣は、金曜日にテレグラム・チャンネルで「わが軍は、敵の空と砲の優勢な状況で作戦を展開している」と述べた。「我々が守勢に回っている方向では、1つの陣地も失われておらず、敵は前進できなかった」。



東部では、「ウクライナ国防軍は、防御と反攻の両方の行動を行っている」と彼女は言った。「敵は我が軍を占領した陣地から追い出そうとしており、特にドネツク州北部ライマンでは、一度に複数方向から攻撃作戦を行っている」。


バフクート周辺では、「全体的な敵対行為の激しさはやや低下した」と副大臣は述べた。「我が軍は、バフムートへのアプローチから敵を徐々に追い出すことを目的に、高台や森林帯を占領し、別々の地域で攻撃作戦を実施している。敵は、我が防衛軍の攻撃行動を阻止するためにあらゆる努力を払っている」。


ロシア軍は、「相当の戦力を有しており、(彼らは)他の方向からバクムート方面へ追加部隊を移動させ、増強を続けている」。"


しかし、ウクライナ陸軍司令官は、少し違った見解を示している。


ドネツク州北部からザポリツィア州中部にかけての前線では戦闘が行われているが、バフムート周辺での戦闘は依然として「緊張状態」にあると、オレクサンドル・シルスキー上級大将は述べた。


ウクライナ国防省のテレグラム・チャンネルでは、「南方でわが軍が前進し、この方面の領土と集落を失ったにもかかわらず、敵は最も戦闘能力の高い部隊の一部をバフムート方面に移動させ続けており、これらの行動に強力な砲撃とわが軍の拠点への攻撃機や陸軍航空機による攻撃を組み合わせています」とシルスキーは述べた。


「同時に、我々は別々の方向への攻撃行動を続けている...。このことを知った敵部隊は必死の抵抗をしてきた」。その結果、シルスキーは「我々の計画に定期的な調整と明確化が必要なことは明らかである。これが私の軍での仕事だ」と述べたが詳細は語らなかった。


一方、ドネツク州とザポリツィア州の前線南部では、「わが軍は一度に複数の方向で活発な攻撃行動を展開している」とマリアール副大臣は述べている。「南部に進出するすべての地域と方向で、わが部隊が戦術的な成功を収めている」。


ウクライナ軍は「徐々に前進している。現在のところ、各方向で最大2キロメートル。いくつかの解放された陣地や集落で部隊は地雷に直面する事態が続いている」。


ウクライナへのATACMS供与が浮上


下院軍事委員会委員長は、ウクライナ向けの陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS)短距離弾道ミサイルの調達に、2024会計年度予算で「8000万ドルを下回らない」費用をペンタゴンに要求している。


これは、今年初めにホワイトハウスが提出した米陸軍予算案で、ロッキード・マーチン製のATACMSに計上した730万ドルの10倍以上となる。

The chairman of the House Armed Services Committee wants the Pentagon to spend at least $80 million to procure Army Tactical Missile Systems (ATACMS) for Ukraine.


今週初めに提出された「議長マーク」で、マイク・ロジャース米下院議員(共、アラバマ)は、ATACMS購入費用にウクライナ安全保障支援イニシアティブ(USAI)資金を使うよう国防総省に指示している。


「委員会は、国防長官に対し、2023年12月31日までに、ウクライナ軍へのATACMSの調達と入手のためのUSAI使用の進捗状況について、議会の防衛委員会にブリーフィングを行うよう指示する」と、議長マークは書かれています。


しかし、このマークは、議長が提示したい文書に過ぎず、ATACMSの項目が最終的な国防権限法に入るかどうか、国防総省やホワイトハウスがどれほど反発するかは、現時点では不明。


これは明らかに、クリミア含む占領地の戦線後方にあるロシアの兵站拠点やその他目標を攻撃するために、ウクライナが長年要求してきた切実な兵器を与える政治的支持表明である。ATACMSは地上発射型の短距離弾道ミサイルで、米国が提供するM142高機動砲ロケットシステム(HIMARS)や、すでにウクライナで使用されているM270多連装ロケットシステム(MLRS)ランチャーから発射できる。


これまでジョー・バイデン大統領は、ロシアとの関係をさらにエスカレートさせる懸念から、ウクライナにATACAM(射程約200マイル)を提供する署名を拒否してきた。キーウは、米国が提供する武器をロシア国内で使用しないと繰り返し確約しているにもかかわらず、である。


しかし、先月、反プーチンを自称するロシアのパルチザン集団がロシアのベルゴロド州内で行った攻撃で使用した米軍装甲車の画像が公開され、この約束に疑問の声が上がっている。


このグループは、ウクライナ軍から車両を奪取したロシア人から車両を奪取したと主張しているが、国防総省とホワイトハウスは現在状況を調査中で、ウクライナに提供した武器はウクライナ国内での使用のみが目的としている。


NATO内でウクライナにどんな地位を与えるのか模索中


NATOはヴィリニュスで開催されるサミットでウクライナの加盟を議論するつもりはないが、条約同盟はキーウに代表権を与えようとしている。


イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長は、「NATO-ウクライナ評議会を設立するために働いている」と金曜日に述べた。この協議会は、「31の同盟国とウクライナが対等な立場でテーブルを囲み、同じ権利と協議の可能性を持ち、正しいと判断すれば一緒に意思決定もできる組織になる」とストルテンベルグは述べた。「うまくいけば、スウェーデンが加盟する33年も近い。これは政治的に異なるタイプの協力関係であり、政治面でウクライナをNATOに近づけることになる」。


目標は「新評議会の初会合をヴィリニュスで、ゼレンスキー大統領と行うことだ」とストルテンベルグは述べた。「我々は、ウクライナが過去10年間でNATOに近づいたことに同意している。NATOのドアは開かれている。ウクライナは同盟の一員となる。そして、それは同盟国とウクライナが決定することである。ロシアに拒否権はない」。


しかし、ウクライナは、このコンセプトに諸手を挙げて賛成しているわけではなく、代わりに完全加盟を望んでいる。


「ウクライナの立場は明確だ」と、ドミトロ・クレバ外務大臣は木曜日、ツイートで述べた。「加盟への強い一歩を踏み出さずにNATO・ウクライナ理事会を創設するのは、銃のない戦車を提供するようなものだ。NATOはウクライナを特権的なパートナーとしてだけでなく、同盟国として必要としている」。


ウクライナとの安全保障モデルの模索


金曜日にブリュッセルでの記者会見で、ロイド・オースティン米国防長官は、米国がウクライナにいわゆる「イスラエルモデル」の長期安全保障協定を提供する検討をしているかという質問に直球で答えなかった。


この構想は、今週初めにニューヨーク・タイムズが提起したもので、イスラエルが米国と結んでいる10年間の安全保障協定と同じようなものなのだろう。


タイムズによると、政権幹部がこのアイデアを議会に働きかけているという。その動機は、ウラジーミル・プーチン露大統領に、ウクライナに対する米国の安全保障援助はなくならないと納得させることだろう。また、今後半年や1年の間にウクライナにどれだけの援助を約束するべきかという政治的論争を回避する目的もあるのだろう。


オースティンは金曜日に記者団に、「現時点では、安全保障上の取り決めについて話すつもりはない」と語った。「ウクライナがこの戦いで成功するために必要な安全保障支援を確実に提供することに集中してきたし、これからも集中し続ける」。


また、米国とウクライナは、「皆さんが想像するように、今後ウクライナと二国間関係を持つ。そのような取り決めの担当者間でお互いに話し合っている。しかし、私の関心は、ウクライナが成功できるよう、適切な安全保障支援を確実に提供することにある。そして、これは戦場において本当に重要な時期的なポイントだと思います」。


ペイトリオット迎撃弾を使い果たした


ドイツのN-TVによると、ドイツはキーウのペイトリオット防空システム用の誘導迎撃ミサイル64発を「直ちに」ウクライナに提供する。


ドイツのボリス・ピストリウス国防相は、金曜日にブリュッセルで開催されたNATOの部局長会議2日目に、この供与を発表した。N-TVによると、これは「戦争の特別な局面において、防空を確保しているウクライナ軍に対する持続的な支援で非常に重要なサインである」と大臣は述べたという。


ロシアがウクライナの都市、特に最近のキーウを爆撃し続けているため、ウクライナはペイトリオット迎撃ミサイルの在庫を使い果たしている。これまでのところ、ウクライナパトリオット装備二基を保有しており、1つは米国製、もう1つはドイツとオランダの連合システムだ。来年末にはさらに5基が納入される予定だ。


アフリカ代表団もキーウでロシア攻撃を体験


キーウへの攻撃といえば、ウクライナの首都を訪れていたアフリカの指導者代表団は、ロシアのミサイルとドローンの乱射を受け、空襲用のシェルターに案内された。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、「アフリカの指導者たちが首都を訪問している最中に、ここ数週間で最大のミサイル攻撃をキーウに対して行い、『自信をつけた』」と、ウクライナのドミトロ・クレバ外相は金曜日のツイートで述べた。「ロシアのミサイルは、アフリカへのメッセージだ: ロシアは平和ではなく、戦争拡大を望んでいる」。


ロイター通信によると、南アフリカ、セネガル、ザンビア、コモロ、エジプトの指導者で構成される平和代表団は、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領との会談に先立ってウクライナ国防省(MoD)代表と会談した。


ゼレンスキー大統領との会談後、南アフリカのシリル・ラマフォサ大統領は、この取り組みは初期段階にあり、アフリカ諸国は「さらなる関与に参加する用意がある」と述べた。

また、各首脳は土曜日にサンクトペテルブルクでプーチン大統領と会談する予定で、「キーウとモスクワはそれぞれグローバル・サウスに求心しており、穀物やその他の食料供給を中断してアフリカ諸国を襲っている戦争を調停するチャンスがあると考えている」と、ロイター通信は伝えている。


ロシアは、「キエフへの大規模な複合空爆」として、6発のキンジャル空爆弾道ミサイル、6発のカリブ巡航ミサイル、2機の無人機をウクライナ首都に向け発射したと、KMVA代表のセルヒー・ポプコが金曜日のテレグラムで発表した。


ウクライナ空軍は、すべて撃墜したと主張している。


ロシアは旧型戦車を自走砲として使っているのか


また、ウクライナがロシアの骨董品、今回はロシアのT-54戦車を捕獲したと主張している。この戦車は、4月に初めて戦場に姿を現したもので、ソ連は1945年に最初のT-54を試作し、1956年にT-55が完成しました。両タイプのほとんどのバリエーションは、視覚的に非常によく似ており、今日、2つのデザインは一般的に単一のファミリーの一部と見なされている。


ロシアのテレグラム・チャンネルによると、ロシア軍は旧型戦車を自走砲として使用している。


ロシア地雷への対応


この反攻作戦におけるウクライナの最大の課題として、過去1年間に敷設された大量のロシア製地雷がある。戦場の画像や映像には、地雷を乗り越えて破壊・損傷したウクライナの装甲車が映し出されている。


その対策として、ウクライナは米国から寄贈されたM58 MICLIC(Mine Clearing Line Charge)システムを使用している。このシステムは、長さ350フィートのラインにC-4爆薬を1リニアフィートあたり5ポンド入れて発射します。このビデオは、ザポリツィア州で一度に複数のMICLICが使用されている様子を撮影したものです。しかし、このシステムは、都市部を含む攻撃兵器としても使用され、壊滅的な効果を上げている。


以上、今回はこの辺で。ウクライナに関する新たなニュースがあれば、この記事を更新する予定です。



Contact the author: howard@thewarzone.com


Ukraine Situation Report: Putin Says Tactical Nukes Now In Belarus

BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED JUN 16, 2023 8:21 PM EDT

THE WAR ZONE


2023年6月17日土曜日

(修正)F-35完成機体を引き渡しできなくなる事態が今夏発生する。エンジン換装問題はじめ課題も山積み。TR-3やBlokc4の実現がなかなか進まない事情とは....


防総省は今夏のF-35ステルス戦闘機納入を停止する一方、将来の改良に必要な技術リフレッシュ3(TR-3)ハードウェアを備えた量産機を確保する



幅に遅れているTR-3アップグレードは、JSFのブロック4近代化のサポートに不可欠だ。過去のコンカレンシー(すべての機能が完全にテストまたは検証される前にF-35が製造される、開発と製造の複合プロセス)の問題が、このアプローチを後押ししているようだ。国防総省で最も高価な兵器システムであるステルスジェットのタイムラインに、どのような影響が出るかはまだわからない。

F-35A Fort Worth

テキサス州フォートワースからテスト出撃するF-35Aステルスジェット。ロッキード・マーチン ロッキード・マーチン


国防総省は来月、ロッキード・マーティンのフォートワース工場(テキサス州)で生産ラインから出荷される一部新造F-35の受け入れを停止する予定だと、Breaking Defenseが初めて報じた。その理由として、TR-3ハードウェアの未熟さがある。このため、TR-3対象機材は第一線に納入されず、フォートワースに一時保管される。TR-3問題が解決され、引き渡しが可能になるまで2024年の春までかかるかもしれない。

 TR-3を搭載した最初の量産機は2月に形を整え始め、7月末に完成する。

 F-35合同プログラムオフィス(JPO)は、TR-3の遅れのため、新規製造機体がその間保管されることを意味するとDefense Newsに確認した。

 「この夏の終わりから、TR-3のハードウェア搭載のF-35は、戦闘能力がユーザーの期待に答えられるか検証されるまで引き渡しを止める」と、JPOのスポークスマンRuss Goemaereは述べている。「JPOとロッキード・マーティンは、これらの航空機が[受け入れ]が行われるまで、安全かつ確実に保管されることを保証する」と述べた。

 TR-3を搭載したF-35は一時的に保管されるが、TR-2ハードウェアを搭載したF-35は通常通り納入され続ける。

 現時点でどれだけのF-35が影響を受けるかは不明だ。

 ディフェンス・ニュースによると、ロッキードは、F-35を何機保管しなければならないかを言うのは時期尚早で、同社は今年のTR-3の生産数に関する当初の計画についてコメントしなかった。しかし、TR-2とTR-3の合計で、ロッキードは2023年に約150機を納入する予定だった。

 ロッキードは月曜日、今年これまで45機以上のF-35を納入し、現在さらに約50機のTR-2 F-35を製造中であると発表した。

The F-35 production line at Fort Worth. <em>Lockheed Martin</em>

フォートワースのF-35生産ライン。ロッキード・マーチン

 TR-3は、F-35のコアプロセッサー、メモリーユニット、関連エイビオニクスを大幅に強化するものでこの変更により、F-35は、新型レーダー含むブロック4近代化プログラムで計画されている新機能をサポートできるようになる。TR-3アップグレードが施された最初のF-35(特別装備飛行試験機)は、今年1月6日、カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地で初飛行した。

Glowing cockpit instrumentation of an F-35.&nbsp;<em>Photo by In Pictures Ltd./Corbis via Getty Images</em>

F-35のコックピット計器が光っている。写真:In Pictures Ltd./Corbis via Getty Images

 TR-3は、今年4月から納入の予定だったが、すでに遅れていた。現在の計画では、米軍がTR-3を搭載した新型F-35を受け取り始めるのは、開発テストがすべて完了した後となる。

 TR-3が実証されれば、F-35はブロック4の近代化を受ける準備が整うことになります。ブロック4では、搭載可能な精密兵器が増え、電子戦能力が大幅に強化され、目標認識能力も向上する。

 最善のシナリオでは、TR-3は今年12月に準備完了を宣言するが、2024年4月までかかる可能性があり、これだと以前の予想より12ヶ月遅れる。

 昨年、米政府会計検査院は、TR-3開発の課題が、2021年にブロック4全体の近代化努力のコストを3億3千万ドル増加させ、プログラム遅延の一因となったと報告していた。1月にTR-3による最初の飛行試験出撃を発表した際、JPOは、「TR-3プログラムは、ハードウェアとソフトウェアに関する技術的複雑性の課題を克服し、現在は能力を提供するための軌道に乗っている」と述べている。

 今年初め、F-35プログラムエグゼクティブオフィサーのマイケル・シュミット中将は、下院軍事委員会の戦術航空・陸軍小委員会で、TR-3ハードウェアの開発が遅れており、生産スケジュールに影響を及ぼしていることを明かした。同中将は、信頼性を含む改善が見られるものの、ソフトウェア統合に問題が残っていると述べた。

 シュミット中将は、下院軍事委員会の戦術航空・陸上部隊に関する小委員会で説明した。

 F-35納入を一時停止することは、ペンタゴンが「適切な戦闘能力」を持つジェット機を受け取る点では、長期的には理にかなっているかもしれないが、1年ですでに2度の生産停止を経験している同プログラムにとっては、良いニュースとは言い難い。

 昨年9月、F-35の納入は、部品に中国製材料が含まれていることを当局が把握したため、保留となった。この部品はF-35のターボマシンポンプの磁石で、「情報を伝達したり、完全性を損なったりするものではなく、この問題に関連した性能、品質、安全、セキュリティのリスクはない」とJPOは当時、声明で述べていた。セキュリティの見直しを経て、10月に納入が再開された。

 ついで昨年12月、納品前の受入れ飛行が一時停止され、引き渡しがストップした。これは、12月15日にフォートワースで起きた納品前のF-35B事故に対応したもので、後にエンジン振動が原因であることが判明した。その後、修正プログラムが導入され、再び納品が再開された。

 現在、今回の納入停止で何機のF-35が影響を受けるかは不明です。ロッキード予測では、TR-3のテストは今年12月に完了するとされ、最良のシナリオでは、少なくとも約5カ月間、一部の機体が保管されることになる。

 一方、悲観的なシナリオでは、TR-3の完成が来年4月になるとのJPOの予想に基づき、一部ステルス機は約9ヶ月保管されることになる。

 いずれにせよ、2023年4月にTR-3を搭載した機体を顧客に引き渡す従来の計画からすると、大きな後退となる。

 また、さらなる後退の頭打ちもあり得る。

 今年3月、米軍高官は、下院軍事委員会の小委員会で、エンジン・コア・アップグレード(ECU)の取り組みを進める計画概要を説明しながら、F135エンジンの限界を語った。

 JPOによると、F-35全機種に搭載されているプラット・アンド・ホイットニーF135ターボファンは、「仕様が当初から決まっている」ため、米軍はF-35全機種のエンジンアップグレード計画を重要視しています。これは、エンジンが想定以上の高温で日常的に運用されていることを意味し、メンテナンスとロジスティクスの負担を増大させ、F-35全体の即応性を低下させることにつながる。

F135 engines.&nbsp;<em>Pratt &amp; Whitney</em>&nbsp;F135のエンジン。プラット&ホイットニー 

 ECUのアップグレードは、TR-3とブロック4にも関連する。追加電力が必要となり、冷却ニーズが高まるが、ECUは電力・熱管理システム(PTMS)の改善を通じこれに対処することを目的としている。

 GAOは先月、F-35のコスト増とエンジン近代化に関する報告書の中で、「エンジンと冷却改善のオプションを評価したが、航空機が将来必要とする冷却量の要件を完全に定義していない」と述べている。報告書は、国防総省が「異なる(エンジンと冷却システムの)オプションのコストと技術的リスクを完全に評価するなど、いくつかの重要なステップを踏んでいない」と付け加えている。

 GAOは「議会はF-35プログラムのエンジン近代化を別プログラムとして管理する指示を出すよう検討すべきだ」と勧告した。GAOは、[国防総省]がGAO勧告と一致する別個のエンジンプログラムにコミットしていないため、議会に対してこの問題を追加した。直近では、米空軍、海軍、海兵隊がそれぞれ独自要件を立案する計画が浮上した後、F-35で別の冷却アップグレードを選択することになるかもしれないと明らかになった。そうなると、必然的にコストが上がり、さらなる遅延の可能性も出る。

 エンジン・コアのアップグレードの状況はF-35全般にとって重要だが、その遅れは、すでに遅れているTR-3プログラムや、それに依存するブロック4の近代化にも非常に大きな影響を与える可能性がある。

 最終的には、F-35の性能パラメータを満たすエンジンの確保は、特に電子パワーと冷却で要求が高まっる場合、今夏実施予定の最新の納入停止よりも大きな問題になる可能性さえある。■