2024年8月30日金曜日

ポーランド向けF-35がロールアウトし、ヨーロッパで同機運用が600機になる日が来る。ロシアの過失はヨーロッパの抑止力を高める効果を生んだ(Breaking Defenen)

 


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2024年8月28日、テキサス州フォートワースでロールアウトされるポーランド初のF-35。(Bartosz Głowacki/Breaking Defense)



「ポーランドは、ロシア、ウクライナ、ベラルーシと同時に国境を接する世界で唯一の国。国境を変えないため、最高の装備、最高の能力、最高の友人が必要だ」(ポーランド国防副大臣)。



F-35プログラムの苦境がヘッドラインを1年間独占した後、ロッキード・マーティンは今日、F-35で新たな展開を祝った。ポーランド向けのステルス戦闘機の第1号機が、ポーランド軍代表、米国政府高官、その他要人が見守る中、同社工場で盛大な式典でロールアウトされた。

 ポーランド空軍総監のイレネウシュ・ノヴァク空軍大将は式典の中で、「この航空機はポーランドだけでなく、地域の安全、NATOの信頼性、抑止力に大きく貢献する」と述べた。「だから我々はこれを使い、目標を達成するつもりだ」と述べ、出席したポーランド人パイロットたちに幸運を祈るとともに、「離着陸の回数が均等になるように」と祈った。今日発表されたF-35は、ポーランドが発注した32機のうちの最初の1機だ。2020年にワルシャワは、通常離着陸型機についてワシントンと46億ドルの契約を結んだ。この発注には、プラット・アンド・ホイットニー製のF135エンジン33基と訓練、ロジスティクス・サービスが含まれている。このジェット機は、ロッキードの混雑した国際生産ラインから数年かけて一度に一握りずつ納入される予定で、ポーランド国防省は2030年までにすべてが到着するはずだと以前述べていた。 


ワルシャワのF-35納入がほぼ予定通りに進んでいることは、フォートワースで頭を悩ませた1年を経て、ロッキードとポーランドにとって歓迎すべきニュースだ。国防総省は先月、ソフトウェア問題に起因する納入凍結の実施から丸1年を経て、テクノロジー・リフレッシュ3をアップグレードした戦闘機の受け入れを開始したばかりだ。TR-3は基本的に、ブロック4として知られる一連の新機能に必要となるハードウェアとソフトウェアを提供するもので、今日ロールアウトされたようなアップグレードを装備したジェット機は、長引くソフトウェアのねじれが解決されるまで、少なくともあと1年間は訓練任務に限定される。 


そして、ワルシャワはその訓練着手に時間をかけるつもりはない。ポーランド空軍関係者はすでにアリゾナ州ルーク空軍基地を訪れ、F-35の整備作業の感触を掴んでいる。数カ月以内にポーランド軍パイロットは、アーカンソー州のエビング空軍基地で新しい国際訓練ハブを発足させる予定だ。ロッキードのボス、グレッグ・ウルマーによれば、最初の航空機はその後、2026年に国内で引き渡される予定だ。 


ポーランドがF-35のフリートを間もなく導入するのは、ロシアのウクライナ侵攻によって拍車がかかった同国の防衛支出急増の中でのことだ。戦争が始まって以来、ポーランドはアパッチ・ヘリコプターの大量発注に同意するなどの措置を取り、新兵器の購入資金を調達するためにワシントンから数十億ドルの融資を受け、戦闘機の追加購入含む他の近代化イニシアチブも視野に入れている。


NATOの東側に位置する重要な同盟国であるポーランドは、ロシアの次の一手を警戒している。 「ポーランドは世界で唯一、ロシア、ウクライナ、ベラルーシと同時に国境を接している。国境を変えないためには、最高の装備、最高の能力、そして最高の友人が必要です」と、チェザリー・トムチク国防副大臣は語った。テキサス州選出の民主党議員マーク・ヴィージーも同様に、「(ウクライナでの戦争が)ヨーロッパの他の地域にも広がることは絶対に避けたい」と述べた。「だからこそ、今日ここでこのロールアウトを祝うことは非常に重要なことなのです」。ロールアウトの傍らで本誌の取材に応じたノヴァク大将は、ワルシャワが導入するF-35が安全保障環境に大きな変化をもたらすと確信している。


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2024年8月28日、ロッキード・マーティンのテキサス施設でロールアウトされるポーランド初のF-35。(Bartosz Głowacki/Breaking Defense)


ロシアの侵攻を受けて「ポーランドの人々は脅威を感じ」、それが軍事的近代化を促したとノヴァク大将は語った。「ポーランドのチェス盤が描かれたこのジェット機が背景にあることで、私は今、より自信を感じています」と彼は言い、背後に展示されているF-35をジェスチャーで示した。


ポーランドは、国境を接するドイツとチェコ共和国がすでにF-35プログラムに署名しているように、近隣のF-35運用国に加わることになる。他のいくつかのNATO同盟国も顧客であり、ジェームズ・ヘッカー米空軍大将のような当局者が「デザインによる統合」と呼ぶ軍事計画を強化している。NATOの防空責任者であるヘッカーによれば、2030年までにNATO大陸では600機以上のF-35が運用されることになっており、そのうちおよそ50機がアメリカによって飛行される。「NATO加盟国32カ国すべてで必要なのです」。■


‘Game changer’: Lockheed unveils Poland’s first F-35

"Poland is the only country in the world that shares the common borders at the same time with Russia, with Ukraine and with Belarus. To keep the borders unchanged, we need the best equipment, the best capability and the best friends," said Deputy Minister of National Defence Cezary Tomczyk.

By   Michael Marrow

on August 28, 2024 at 2:13 PM

https://breakingdefense.com/2024/08/game-changer-lockheed-unveils-polands-first-f-35/


米海軍の艦艇建造が低迷している理由―解決策はあるのか。深刻な米国内の産業基盤と労働事情(AP)

 


米国の艦艇建造が、過去25年で最悪の状態になった背景に何があるのか?


海軍が紅海でフーシ派の反乱軍のミサイルを撃ち落とす艦艇を低コストで建造できるかは、ゴミ収集車の部品を作っていた25歳の労働者にかかっている。

 ウィスコンシン州マリネットにあるフィンカンチエリ・マリネット・マリンの溶接工ルーカス・アンドレイニは、造船所が従業員の雇用と維持に苦戦するなか、訓練を受けた何千人もの若い労働者のひとりだ。  

 人手不足は、海軍が世界的な脅威の拡大に直面するなか、艦船建造と整備の滞りにつながっている無数の課題のひとつである。国防の優先順位の変化、土壇場での設計変更、コスト超過と相まって、アメリカは自由に使える艦船数で中国に遅れをとっており、差は拡大しつつある。  

 海軍の造船は現在「ひどい状態」にあり、この四半世紀で最悪だと、議会予算局の長年にわたる海軍アナリスト、エリック・ラボは言う。「この問題から抜け出す早く簡単な方法は見当たらない」。

 マリネット・マリンは、海軍の最新型水上艦艇である誘導ミサイルフリゲート艦6隻の建造契約を結んでおり、さらに4隻の建造オプションもある。しかし、ラボによれば、同社には1年に1隻のフリゲート艦を製造する労働者しかいない。労働者はどこに行ってしまったのか? 

 業界の主な問題の1つは、高齢化した労働者が数十年の経験を引きずって退職するなか、新造艦建造という困難な仕事に従事する労働者の雇用と確保に苦労していることだ。 

 全国の造船所は、ハイテク軍艦建造に必要なスキルを労働者に提供するため、訓練アカデミーを設立し、高等専門学校と提携している。潜水艦建造業者と海軍は製造業でのキャリアを促進する提携を結び、造船所は採用後の労働者を引き留めるために特典を提供している。 

 アンドレイニはノースイースト・ウィスコンシン技術専門学校のプログラムを通じてマリネットでの仕事の訓練を受けた。それ以前は、生産ラインの溶接工としてゴミ収集車の部品を作っていた。造船業は「劣悪な労働環境で、安全でない」という汚名を着せられている仲間もいるというが、現実はそうではないと彼は言う。自分の役割を果たし、船員や友人が無事に帰国できるようにできるのは幸せなことと、父親がベトナムで海軍にいたアンドレイニは言う。

 同じく溶接工で、専門学校のプログラムを卒業し、シングルマザーでもあるアロニー・レイクは、長期的に安定した仕事ができることを喜んでいる。 

 32歳のレイクは、多くの若い人たちが、「自分の手を使って具体的な成果を生み出すやりがい」のある職業に興味を持っていると思うと語った。同校は、近隣のポーツマス海軍造船所と提携し、原子力潜水艦の修理に必要な技術を労働者に教えている。「すべてのアメリカ人のために偉大な国家を建設し、今日の脅威と課題から防衛するために、私たちの才能と、卒業生の場合は新たに開発した技術をどのように提供するのが最善かを検討することは、私たち全員に課せられた責務です」というが、雇用を得た労働者が定着するのだろうか?

 ウィスコンシン州では、マリネット・マリン造船所に提供される1億ドルの海軍資金の一部が、デル・トロが「ひどい」と評した同造船所の従業員定着のためボーナス支給に使われている。

 ミシシッピ州で駆逐艦や揚陸艦艦を、ヴァージニア州で航空母艦や潜水艦を製造するハンティントン・インガルス・インダストリーズ社を含め、目標を達成している造船所でも従業員確保が懸念となっている。  同社は、大学や公立学校と訓練提携を結んでいる。ミシシッピ州では、100万平方フィート(92,900平方メートル)以上の屋根付き作業エリア、クールダウン・ステーション、水分補給ステーション、ファーストフードチェーンのチックフィレイ(Chick-fil-A)を併設したダイニング・エリアなどが強化された。ハンティントン・インガルスはまた、海軍およびヴァージニア州ニューポートニューズ市と協力して、作業員や船員のための新しい駐車場を建設した。


数十年来の問題 米国造船業の現在の苦境の責任の多くは海軍にある。海軍は造船会社が建造開始後に、仕様を頻繁に変更し、アップグレードを要求し、設計を微調整している。

 海軍の最新空母USSフォードにおけるコスト超過、技術的課題、遅延、ステルス駆逐艦計画におけるロケット支援投射砲のコスト高騰、故障がちだった海軍の軽装甲沿海域戦闘艦の早期退役などがその例だ。  海軍は、マリネット・マリンで建造中の新型フリゲート艦について、こうした過去の教訓から学んでいるという。新型フリゲート艦は、大型駆逐艦よりも製造コストが低いにもかかわらず、同様の武器システムを搭載していることから珍重されている。 

 海軍は、ゼロから始めるのではなく、フランスやイタリアの海軍ですでに使用されている艦船設計を選んだ。15%は米海軍の仕様に合わせ、85%はそのままにすることで、コスト削減と建造のスピードアップを図るものだった。 

 しかし、実際は逆だった:ワシントンに本拠を置くシンクタンク、ハドソン研究所のアナリスト、ブライアン・クラークによれば、海軍は85%を再設計し、コスト増と建造遅延を招いたという。

 2022年8月に着工したコンステレーション級1番艦の建造は、現在予定より3年遅れており、引き渡しは2029年にずれ込んだ。 最終設計は未完成だ。 


脅威の変化と計画の変更 さらに問題を複雑にしているのは、海軍がコントロールできないこと、つまり世界的な脅威の性質の変化だ。海軍はその歴史を通じて、過去数十年の冷戦であれ、中東での戦争、中国やロシア海軍との競争の激化、ソマリア沖の海賊行為、イエメンのフーシ派反乱軍による商業船への執拗な攻撃など、さまざまな危険に適応しなければならなかった。 

 それだけではない。造船所の統廃合と資金調達の不透明さが、船舶建造のペースを乱し、長期的な投資と計画を妨げている、と全米造船業協会(Shipbuilders Council of America)のマシュー・パクストンは言う。 海軍は、造船問題を深刻に受け止めていると主張している。「我が国を防衛し、平和を促進する海軍の役割は、かつてないほど拡大し、重要性を増している。「共通の課題を解決するため創造的な解決策を見出そうと業界のパートナーと協力し続けています」。■



Navy warship production in worst state in 25 years. What’s behind it?

By David Sharp, The Associated Press

 Aug 12, 2024, 03:30 AM


https://apnews.com/article/navy-frigate-shipyard-workforce-retention-318c99f2161c4284e5ddcf0c1fa2b353


2024年8月29日木曜日

日本とインド、ステルスアンテナUNICORNの輸出契約へ。もがみ級フリゲート艦はオーストラリアも関心を寄せている。防衛装備品輸出が加速するか注目(Naval News)

 





FFM-2 Kumano

JS Kumano (FFM-2) at IMDEX Asia 2023.


日本とインドは、統合型ステルスアンテナシステム「UNICORN」のインド向け輸出で合意した

 

8月20日にニューデリーで開催された第3回2+2閣僚会合で、両国の外務・防衛担当大臣は、防衛装備品や共同演習における二国間防衛協力を強化するための一連の措置に合意した。


Japan, India agree to proceed with UNICORN


 共同声明では、4大臣が「統一複合無線アンテナ(UNICORN)および関連技術の移転の進展と、関連取り決めの早期調印を高く評価する」と述べており、横浜ゴムのホームページによると、UNICORNは、従来甲板上のマストの複数箇所に取り付けられていた各種空中線(アンテナ)を1本の支柱に集約し、ステルス性を向上させたものとある。ステルス性に優れる以外に、アンテナを最適配置することで、外部から発射される電波の最大探知距離の向上や、メンテナンスや設置作業の簡素化も実現した。 

 横浜ゴムは、ユニコーン全体を覆うアンテナカバー(レドーム)の開発を担当した。航空機用レドーム開発で培った技術を生かし、電波の透過性を最大限に高めるとともに、基本的な耐候性や落雷からアンテナを守る耐雷性を備える。 

 一方、NECはTACAN(戦術航空航法システム)のアンテナ設計技術とハードウェアのシステムインテグレーション技術を提供した。

 UNICORNは、複数のアンテナを重ね、全体をレドームで覆うことで、アンテナのレーダー断面積(RCS)を小さくし、敵に探知されにくくすることでステルス性を高める。UNICORNは、尖塔状のドームに多数のアンテナなどを搭載している。

 UNICORNは2023年度、公益財団法人防衛基盤整備協会の最優秀賞を受賞した。この賞は、防衛装備品の開発・生産において特に顕著な功績のあった個人または団体を表彰するもので、防衛装備庁(ATLA)が主催している。 

 UNICORNマストの特徴は以下の通り:

  • NATO加盟国やその他の西側諸国が使用する軍事戦術データリンクネットワークであるリンク16用のアンテナ。 

  • TACAN(Tactical Air Navigation System)は、艦載ヘリコプターに艦の方向と距離に関する情報を提供するアンテナ。

  • 敵味方識別(IFF)アンテナ 

  • 対艦ミサイルのシーカーが発する電波を探知するレーダー用ESM(Electronic Support Measures)、すなわちES-R。 無線通信を傍受する通信用ESM、すなわちES-C。

  • UHF/VHF 送受信アンテナ UHF/VHF 無線通信用のアンテナで、近距離通信に使用される。

  • ORQ-2B-4オフショア・ワイヤレス・ルーター。

  • ソナーがバイスタティックおよびマルチスタティック探知を行う際の情報共有手段を提供するWi-Fi帯域。


新FFM計画 海上自衛隊は、2023年度まで合計12隻の「もがみ」級フリゲート艦を建造し、2024年からは12隻の新型FFMを2028年まで取得する。新型フリゲート艦は、基本的に三菱重工が提案した設計で建造される「もがみ」級を改良したものになる。Naval Newsは以前、このリンクで "新型FFM "について報じている。 


オーストラリアが次期フリゲート艦候補に「もがみ」級をリストアップ オーストラリア海軍のTier 2 / SEA3000要件の一環として、オーストラリアは海上自衛隊の「もがみ」級フリゲート艦を、同海軍の次期フリゲート艦の候補にリストアップしており、他にドイツの「Meko A-200」、韓国の「Daegu class FFX Batch II and III」、スペインの「Navantia ALFA3000」を候補にしている。■


Japan and India progress towards UNICORN stealth antenna deal

Japan and India have agreed to proceed with Tokyo’s planned export to New Delhi of the UNICORN integrated stealth antenna system that is currently used for the Mogami-class multirole frigate of the Japanese Maritime Self-Defense Force.

Kosuke Takahashi  27 Aug 2024

https://www.navalnews.com/naval-news/2024/08/japan-and-india-progress-towards-unicorn-stealth-antenna-deal/


これがF-35製造の現場だ。フォートワースのロッキード・マーティン製造施設の内幕。(The War Zone)

 史上最も先進的なマシンF-35の製造の現場 : 組み立てから初飛行まで、F-35ステルス戦闘機はこうして製造されている(原注 以下はLockheed Martin社によるスポンサー記事)


  

ロッキード・マーティン


キサスでは何でも大きくなると言われる。フォートワースにあるロッキード・マーティンの生産施設に到着したときの第一印象でこれを感じた。空軍第4工場の廊下を歩くと、ここが航空史上で非常に重要な場所であり、F-35ライトニングII生産の現在の拠点であることが視覚的に思い起こされる。


生産ラインに足を踏み入れ、左右を見渡すと、目の前にあるものを正確に理解するのに少し時間がかかる。見渡す限り、亜鉛クロメート下塗り塗装を施した鮮やかな緑色のF-35が、ノーズからテールまで2列に長く左右に並んでいる。


ロッキード・マーティンはこの第5世代ステルス戦闘機を年間156機フル生産中だ。毎週3機の完成機が製造ラインから出てくることになる。需要を満たすため巨大な生産活動は、数え切れないほどの工程、熟練した職人たちの小さな軍隊、そして生産性、品質、効率を向上させるための技術の進歩によって支えられている。


F-35国際事業開発ディレクターのグレッグ・デイは、生産ラインを見下ろすプラットフォームで本誌取材に応じ、「F-35を選択した顧客はすでに世界中に19カ国あり、現在11国向けの機体が製造され、この生産ラインを流れています。「この生産ラインは世界各地の1,650社以上のサプライヤーが部品を納入している集大成なのです」とデイは言う。


F-35の製造

空軍第4工場は1942年4月18日にフォートワース西部で操業を開始し、当初は爆撃機が生産の中心であったため、この施設は「爆撃機工場」というニックネームで呼ばれた。1940年代初頭からB-24リベレーター2743機のがここで製造され、1940年代後半から1950年代初頭にかけて約400機のB-36ピースメーカーが製造された後、作業は116機のB-58ハスラー超音速爆撃機の製造に移行した。


1960年代初頭には564機のF-111アードバークの開発と最終的な生産が開始され、フォートワース施設に新たなニックネームが生まれた。当時、約3万人の従業員が第4工場で働いており、主にF-111プログラムをサポートしていた。F-16ファイティング・ファルコンの開発は1970年代初頭に始まり、これがフォートワースでの業務の中心となった。


フォートワースのF-35製造ラインは、F-16を製造したのと同じ建物にある。1990年代後半に始まったF-16からF-35の生産への移行では、メイン工場のフロアのほぼすべての面積が更新された。


フォートワースで生産中のF-35。ロッキード・マーティン

ロッキード・マーティン/ランディ・A・クライテス


F-16からF-35への移行は、F-16の工具や治具を床からボルトで外し、その場所に新しいF-35の工具を設置するだけの簡単な作業だったところもある。また、第5世代戦闘機の生産に必要な、より精密な装置を設置するために、コンクリート床を解体して取り替える必要があったケースもある。


最初のF-35A(AA-1型機)の生産は2004年にフォートワースで開始され、最終組み立ては2005年5月に開始された。同機は2006年2月19日にラインからロールオフし、同年7月7日に正式にお披露目され、当時の米空軍参謀総長マイケル・モーズリー大将がライトニングIIと正式に命名した。これは、F-35の3つのバリエーションで製造された13機の量産試験機のうちの最初の機体であり、2007年4月から顧客向けに製造された低速初期生産(LRIP)F-35のバッチがこれに続いた。


F-35はステルス性を追求した設計であるため、製造には専門的な工具と工程が必要で、レーダーシグネチャーを低く抑えるために外部コーティングが設計構成を補完している。さらに、3種類すべてのバリエーションに高度なセンサーとエイビオニクスが詰め込まれており、その一部はプログラムの進展に合わせて更新される予定だ。


「エンジニアリングの観点から見ると、F-35は非常に多くのことをしなければならない。飛行し、計算し、あらゆる種類のセンサーやシステムを搭載し、さらに可能な限りコンパクトで軽いフォームファクターでなければなりません」とF-35製造オペレーション担当副社長のスティーブ・ハウズは説明する。


F-35を製造するアプローチは、ロッキード・マーティンがF-16ファイティング・ファルコン、F-117ナイトホーク、F-22ラプターで培ってきた経験を活かしている。F-35では、3つの異なるバリエーションを1つの生産ラインで生産する複雑さが加わる。F-35A、B、Cのいずれにも製造ステーションは適応できる。


「ステーション自体は、(F-35の)3型式すべてを同じステーションで作業できるように作られています。「例えばF-35Cの場合、主翼が大きくなっているので、スライダーで調整します」。


例えば、イギリス向けF-35BにはBK(イギリスのBモデル)というプレフィックスが付き、その後に生産番号が順番に続く。つまり、最初の英国製F-35BはBK01である。


F-35前部胴体と年間120セット以上の主翼はすべてフォートワースで生産され、作業員3,000人以上、生産リーダー品質専門家2,000人以上、エンジニア、500人以上の資材取扱者が週7日24時間体制で操業している。


F-35前部胴体は全数フォートワースで製造されている。ロッキード・マーティン


「最初の課題は、適切な部品を適切なステーションに適切なタイミングで供給することです」とハウズは言う。「だから、資材の移動の最適化に毎日取り組むチームがある。別のチームでは、正しい仕事を正しい順序で行っているか、あるいは時間を節約するために部品を入れ替えられないか、などを評価します。私たちは、製造プロセスのさまざまな要素について、どのように行っているかデータを評価し、より良い方法を常に検討しています」。


「ライン内での部品の移動の仕方は、部品によって異なります。例えば主翼の組み立てラインのように、2~3日ごとにステーションからステーションへと工程が流れていくエリアもあります」とハウズは説明する。「最初のステーションでは、大きな構造部品をボルトで固定します。それから次のステーションに移動し、例えば穴あけ作業を行い、次のステーションでブラケットを取り付ける。


各作業は、エンジニアリング仕様書や技術図面とともに、作業の実施方法の詳細を提供する電子作業指示書のセットとして行われる。これらはオペレーションカードと呼ばれ、電子作業指示システムには、各作業を誰が行い、どのような材料を使用したかが詳細に記録されている。F-35の製造にはおよそ1,700枚の作業カードが必要という。

フォートワースで製造中のF-35主翼。ロッキード・マーティン


各ステーションには複数の小型コンピューター端末があり、オペレーターはそこでサインインして作業指示を受ける。指示書には、識別番号と完了すべき作業の詳細が記載されており、F-35のどのバリエーションにも対応できる。作業指示書には、前回と今回で作業に違いがあるかどうかも詳細に記載される。


特定のタスクの実行方法に大幅な変更がある場合は、追加トレーニングが必要になることもある。その変更を実施する特定のジェット機と特定の日を決定するのは、製造エンジニアのチームだ。


「製造エンジニアは、その変更によって工程がどのように変わるかを理解している。新しい工具が必要か?新しい治具が必要か?メカニックに新しいトレーニングが必要か?工具の更新が必要であれば、それがデジタル生産システム内の別のプロセスの引き金になります」(ハウズ)。


例えば、主翼はパルスラインと呼ばれ、さまざまな製造ステーションを移動しながら製造される。あるワークステーションから次のワークステーションへの大型部品の移動には、固定式オーバーヘッドレールシステムが使用される。主翼は一体として作られ、製造中にアクセスしやすいように、高さ調節可能な治具に取り付けられ垂直に立ち上がる。


各F-35には4つの主要部品が含まれる。機首とコックピットを構成する前部胴体はロッキード・マーティン社製。中央胴体はノースロップ・グラマンが製造し、中央主翼(主翼取り付け部とエンジンマウントを含む)はジョージア州マリエッタにあるロッキード・マーティン施設で製造される。外翼はフォートワースのロッキード・マーティンとイタリアのレオナルドが製造。後部胴体はBAEシステムズが英国で製造。F135エンジンはプラット・アンド・ホイットニーが供給し、F-35B用のリフトファンはロールス・ロイスが供給する。


天井クレーンで吊り上げられ、最終組み立てに向かうF-35A。ロッキード・マーティン


テキサス州フォートワースにある最大のFACOと、イタリアのカメリと日本の名古屋にある2箇所の小規模FACOである。ロッキード・マーチンによれば、156機という年間生産機数には海外のFACOも含まれているが、大部分はフォートワースで製造され、カメリは年間約15機、名古屋は10機以下である。


「エレクトロニック・メイト・アンド・アラインメント・システム・ステーション(EMASS)は、4つの主要な構造が組み合わされる場所です」とハウズは説明する。「基本的には、4つの主要な部品があり、レーザーアライメントを使用してそれらを整列させ、一緒に取り付けようとしています」。


メイト工程では、レーザーガイド付きアライメント治具を使用して、航空機の主要部品を3回組み合わせます。最初の1回目は、部品を合わせてギャップを測定する。その後、シム(公差のギャップを埋めるためのアルミニウム片)が製作されたら、それを取り付けるために再び分離される。その後、機体を再びひとつにまとめ、シムと相手側構造物の両方に穴あけ加工を施す。最後にもう一度部品を分離し、穴のバリ取りを行った後、恒久的なファスナー取り付けのための3回目の最終嵌合を行う。


EMASSの後、機体は車輪に乗せられ、天井クレーンで吊り上げられ、最終的なシステムやエンジンの取り付けとともに、制御面が追加される最終組み立てへと向かう。


進化し続ける製造工程

F-35Aの製造が始まって20年が経過し、F-35の製造方法は大きく変わった。たとえば、不合格となるような欠陥を検出するために設計されたレーザー超音波検査(Laser Ultrasonic Technology:レーザーUT)装置によるカーボンファイバー製翼表皮やその他の複合材部品の検査などである。レーザーUTは、従来の水結合超音波検査機よりも10倍速い速度で部品を検査する。


「フォートワースにあるロッキード・マーティンの先端製造技術チームのメンバーであるジョン・オルソンは、「低観察性プラットフォームの要件は、すべての主要な嵌合インターフェースと、航空機の外型ライン上のすべてのパネルと表皮に極めて厳しい公差を強いるものです。オルソンは、また次のように語っている。また、多くの作業にロボットを使用しています。例えば、航空機に2万個以上の穴をロボットで開けたり、製造ラインと航空機の最終仕上げ施設の両方で、低視認性コーティングを施工するロボットを使用しています。


フォートワースの生産ラインに並ぶF-35の

列。ロッキード・マーティン


「生産能力も大きく変わりました」とオルソンは言う。「スピードと品質の向上、そして技術投資の機会の必要性を認識した。時間を節約し、品質を向上させるために、オートメーションを導入するためにお金を使う。技術改善の例を挙げればきりがないが、自動ドリルは良い例だ。彼らの仕事は、それぞれの翼を、翼単体だけを取り出して、それぞれに2,000から3,000の穴を開けることです」。


「例えば、同じ部品を何度も何十万個も作るような消費者向け製品に比べると、航空機の用途では特にロボティクスは厄介です。生産量がその支出を正当化できない場合、ロボットを使う意味がないこともあります」とオルソンは説明する。「しかし、F-35プログラムでは、複数のロボット・オートメーション・プロジェクトを成功させることができるところまで技術が向上しました。ある工程で新技術を使用することができると考えた場合、ビジネス・ケースを分析し、それが理に適っていると判断すれば、その技術を導入します」。


3Dプリンターの利用

製造基準の絶え間ない分析は、F-35製造の重要な要素である。機体内部の武器格納庫には、各種空対空ミサイルや空対地兵器を格納する必要がある。ロッキード・マーティンは、製造される各航空機にすべての武器構成が適合するかどうかを評価しなければならない。この目的のために、エンジニアは、各機体がF-35のすべての承認された兵器の許容レベルを満たしていることを確認するために、かなり変わったフィットチェック装置を作った。


「設計チームは、ありとあらゆる爆弾やミサイルの構成を1つの巨大な塊としてCAD(コンピュータ支援設計)で3Dモデルを作成した。それは奇妙なコブのような、でこぼこのようなものでした」とオルソンは言う。「それを3Dプリントして、武器庫に入る可能性のあるミサイルや爆弾の構成の外側の金型ラインを表す6つのセクションを作りました。その6つのセクションをくっつけて、物理的にベイに入れます。ベイのドアを閉め、寸法をチェックして、すべてが収まることを確認する」。


MCASユマのF-35B、1機はウェポンベイが開いている。ジェイミー・ハンター


「これは積層造形の素晴らしい例で、私たちは今でもフィットチェックの一部にこのような製造方法を使用しています。しかし、それはかなり不便な方法でした。そこで、ベイに設置する3Dレーザースキャナーに移行しました。ベイ全体をスキャンし、実際の店舗と設計仕様を比較した自動レポートを提供します。少しはみ出しすぎている部品などがあれば教えてくれます。私たちはすべてのジェット機をチェックするために、このスキャンを行っています」。


フォートワースのF-35チームは、生産プログラムで適切な場合には新技術を活用してきた。


「私たちはまた、単純な意思決定が得意な人工知能(AI)の利用も始めました。例えば、各航空機のある部分について行う品質チェックがあり、データに基づき、仕様に正確に一致していなければなりません。そのため、品質チームによるレビューが必要なのですが、現在ではそのためにAIを使用しています。また、他の検査についてもAIを検討しています。例えば、検査対象の画像を使用し、AIがそこにあるべきでないと考えるものを強調表示するといったことです。つまり、品質管理ソリューションです。


「AR(拡張現実)を使う分野もあります。タブレット端末をかざしたり、ゴーグルをかけたりすることで、機体にオーバーレイ表示された情報を見ることができる。これは現在、新しい手順のトレーニングツールとしても使用しています。特にトレーニングには効果的でここ数年、全体的なトレーニングにかなりの時間を費やしてきました。フォートワースには実際の航空機部品や3Dモックアップがある教室があり、新しい訓練生が製造現場に出る前に安全な環境で穴あけなどを行えるようになっています」。


F-35の生産ラインを動かしている従業員チームは、F-35に命を吹き込む重要なリソースである。適切な人材、適切なスキルセット、そしてF-35の特注訓練を受け入れる能力を持つ人材の採用は不可欠である。


「理想的には、航空宇宙と防衛の経験と教育を受けた人材を求めています」とハウズは言う。「F-35の生産システムのニーズに特化したトレーニング教材を開発し、使用することで、私たちは自らの才能を成長させることができるのです。経験の有無にかかわらず、各従業員は工場に配属される前に数週間の初期トレーニングと評価を受けます。その後、年1回の訓練と特定の技能訓練で補われ、タッチ・ワークとサポート・チームの継続的な育成を可能にしています」。


F-35の改良

すでに述べたように、F-35プログラムは時間をかけて進化し、改善するという考え方で考案された。ロッキード・マーティンは、C2D2(Continuous Capability Development and Delivery)と呼ばれる原則を採用している。航空機に関する新たな要件が顧客と請負業者によって要求され、合意されると、同社は開発エンジニアリングを開始し、実験室と運用環境の両方で能力をテストする。


要件の開発が成熟し、変更のための最終的なソリューションになると、エンジニアリング変更がリリースされ、生産統合のためのリードタイムが組み込まれる。


ブレークインが設定されると、すべての漸進的な変更が各エンジニアリング図面、プロセス仕様書、または材料仕様書に対して行われる。その後、エンジニアリング文書がリリースされ、電子作業指示チームが更新された指示を工場に提供する。その結果、ブレークインの尾翼番号の変更が航空機に実施される。


飛行試験

完成し、ステルス・コーティングが機体に施されると、各F-35はフォートワースのラン・ステーションに移動し、製造受け入れ飛行の準備が整う。ラン・ステーションはF-111以前から使用されている格納庫で、工場に隣接して横一列に連続して設置されており、隣接する海軍航空基地フォートワース統合予備基地の誘導路と滑走路にアクセスできるようになっている。


「我々は機体の状態、機体の構造を知っている」。ロッキード・マーティンのF-35テストパイロット、スコット・"シャーク"・マクラーレンは言う。「ソフトウェアの状態もわかっているし、エドワーズ空軍基地(カリフォーニア州)やパトゥーセント・リバー海軍航空基地(メリーランド州)でのテストも終えている。そのため、飛行試験で新型機をここに運び出すと、まず一連の地上試験を行う。


「機体を始動させると、独自のシステムチェックを行い、その状態をフィードバックしてくれる。私は機体がどこにあるべきかを知っているので、それらの(情報の)断片を組み合わせ、リスクレベルを少し上げて滑走路の端までタキシングアウトすることができる。私はすべてのプロセスを経て、今いる場所のリスクを理解し、次のステップに進む自信が持てるまで前進しない。それが私たちのフライトテストのメンタリティであり、機体が準備万端であることを確認するために、全プロファイル、全チェックリストを確実にこなすためのビルドアップなんだ。


「F-35Aの受け入れ作業には、およそ2回のフライトが必要となり、。このフライトで、準備すべてが整い、地上滑走の通常のスケジュール通りに進めば、チェックリストの全項目が終わる。ただし、F-35Bではチェック項目が多岐にわたるため、3フライトに拡大している。機体はホバリングに入り、いくつかのドアを開けたりする。でも、その間に燃料も消費する。だから、そのためのスペースを確保するために、3回目の飛行を拡大する必要があるんだ。F-35Cについては、F-35Aと非常によく似ている。約2回のフライトですべてのチェックを完了させる。


「ATAC(エアボーン・タクティカル・アドバンテージ・カンパニー)のミラージュF1がついてくれている。こちらが離陸するとき、チェイス機としてすぐそばにいて、障害が発生したときの通信などのバックアップをしてくれる。ダラス・フォートワース空域には旅客機が飛んでいるから、デコンフリクトしたい。この2つはほんの小さなことだが、チェイスがあるのは多くの理由がある」。


ここで説明した生産試験と並んで、F-35の新機能を進化させる開発試験がある。「開発、設計、実験室の仕事の多くはここフォートワースで行われ、私もその多くに参加しています」とマクラーレンは言う。「その開発プロセスの最後に、エドワーズとパックス・リバーで飛行テストに向けた(試験)航空機をアップデートする。新しいソフトウエアとハードウエアの組み合わせに必要な飛行テストの厳密さを経る。私たちはすべてのレポートを見て、製品版として送り返す。そのため、私たちはその(開発)プロセスが終了するまで、何も見ていないことになる」。


F-35の近代化 TR-3の納入開始

2018年のSDDの集大成によって、F-35の本来のベースライン能力の開発は終了した。現在行われている近代化作業はブロック4と呼ばれるもので、新造F-35をアップグレードし、2000年に当初のプログラム要件が設定されて以降に出現した脅威に対処できるようにするものである。また、プラット・アンド・ホイットニーF135エンジンを中心とした近代化作業も行われており、ブロック4以降の強化に必要な出力と冷却のニーズに対応している。


テクニカル・リフレッシュ3は、ブロック4を支える「計算馬力」を提供するために設計された、ハードウェアとソフトウェアの大規模なアップグレードである。一般にTR-3と呼ばれる同アップグレードには、より高い演算能力を持つ新しい統合コア・プロセッサ、パノラマ・コックピット・ディスプレイ、強化されたメモリ・ユニットなどが含まれる。TR-3は2023年1月に飛行試験を開始し、生産ロット15-17がTR-3のアップデートを含む最初のF-35となった。


最初のTR-3標準生産機は2023年2月に製造が開始され、機体は同年7月末までに完成する予定だった。しかし、TR-3の中核要素である新しいプロセッサーとソフトウェアの開発とテストに関連する遅れが生じたため、TR-3構成のF-35納入は一時的に保留された。しかし、チームは生産を継続し、2024年7月にF-35統合プログラム・オフィス(JPO)と連携して、F-35 TR-3構成機の納入を開始したと発表した。


この初期フェーズで納入された機体には戦闘訓練機能が含まれ、チームがTR-3の完全な戦闘能力に向けて前進する上で重要な一歩となる。今後、ロッキード・マーティンは、TR-3の挿入とブロック4の機能に関連するソフトウェアの継続的なアップデートを期待し、その過程で主要なマイルストーンとなるソフトウェアのドロップを見込んでいる。


「ロッキード・マーティンはテック・リフレッシュ3に非常に注力している」とグレッグ・デイは本誌に語った。「今日、テック・リフレッシュ3の能力の95%以上が飛行中であり、テストと評価が行われていることは重要なことだ」。


TR-3機の納入許可は、ブロック4の標準F-35が、最初は訓練形態ではあるものの、戦闘飛行隊に加わるための次の重要なステップとなる。ブロック4標準機は、F-35プログラムの新時代を示すものであり、これはプログラムにとって大きな進歩である。


重要なことは、F-35に対する世界中の顧客の関心が衰えず続いていることである。「F-35に対する継続的な関心が示されており、直近ではギリシャが20機調達を決定するなど、採用が続いています」とグレッグ・デイはコメントした。「また、韓国がF-35発注60機に増やし、現在、ルーマニアがF-35に関心を示していることから、当社は米国政府を支援しているところです」。■


Building The F-35 – One Of The Most Advanced Machines Ever Made

Branded Content: From assembly to getting airborne for first flight, this is the story of F-35 stealth fighter production.

Jamie Hunter

https://www.twz.com/sponsored-content/building-the-f-35-one-of-the-most-advanced-machines-ever-made


2024年8月28日水曜日

中国のレーダーテスト施設に未知の全翼機が出現した(The War Zone)

 Chinese mystery aircraft

2024年2月のGoogle Earth上のエアバス衛星による写真で、中国東部河北省の保定近郊のレーダーテスト施設に全翼機が写っている。(画像出典:Google Earth) 



中国の謎の航空機は、実際の機体ではなく、レーダー特性をテストするために使用された模型かもしれない。 


今年初め、中国東部の河北省保定市Baoding,Hebei provinceにある中国のRCS(レーダー断面積)試験場の衛星画像に、謎の全翼機が現れた。同機は、開発中のUCAV(無人戦闘空中機)のモデルのようで、ノースロップ・グラマンのUCAV「X-47B」に外観が似ている。


同じ施設は、Hongdu GJ-11 Sharp Swordのステルス特性のテストにも使用されている。GJ-11のモックアップが非公式な写真で実物大の空母試験施設で目撃されていることから、GJ-11はいずれ中国の空母から飛来するかもしれないと観測筋は考えている。


Aviation Weekが最初に報じた未知の航空機の最新の写真は、2024年2月12日にエアバス衛星によって撮影されたもので、Google Earthで見ることができる。写っているのは、2021年9月にコバート・ショアーズが衛星写真を総合的に分析した河北省のステルス機試験施設である。


謎の航空機 

同機は滑走路の東端、格納庫の後ろにある。写真解析ツールを使用すると、航空機の全翼幅はおよそ55.64フィートと出た。有人飛行用のコックピットはないようで、ドローンかUCAV(無人戦闘機)の可能性を示唆している。


しかし、今のところ、この機体はテスト用の模型に過ぎないようだ。その模型が計画中のドローンに関わるものなのか、それともフルサイズの航空機なのかはまだわかっていない。また、航空機はレールに取り付けられた格納庫の下に置くことで、頭上の衛星からカバーされない。この構造体は前後に転がすことができ、詮索好きな頭上の偵察から機密試験体を守ることができる。


デザインは、ノースロップ・グラマンのX-47Bに似ており、混合翼胴の機体とクランク・カイト翼の構成を共有している。X-47Bが無尾翼であるのに対し、中国の正体不明の航空機は、後縁に向かって2つの小さな傾斜した垂直安定板を備えているようだ。


中国のレーダー実験施設の拡大衛星写真。(:Google Earth) 


エンジン用のエアインレットが見えないのは、テストモデルでは省略されている可能性があるため。おそらく、腹側に組み込まれているか、単に写真に写っていないだけだろう。


本誌の取材に対し、中国軍事航空アナリストの第一人者であるアンドレアス・ルプレヒトは、「PLA空軍のRCS試験施設で目撃された」ことから、この「形状」は「本物」だと語った。つまり、この画像はフェイクでも加工でもないということだ。


しかし、ルプレヒトは実際の飛行モデルではなく、"他の多くの、時にはさらに奇妙なものと同様に、そこでテストされた形状に過ぎない"かもしれないと考えている。PLAの兵器開発計画における実際の位置づけは不明である。


試験施設 

滑走路の東端にあるエプロンには台座があり、通常、さまざまな実験のために試験モデルが設置されている。エプロンのすぐ横(東方向)には可動式格納庫があり、謎の航空機はその横にある。これは、コバート・ショアーズが報告したように、この場所がRCS(レーダー断面積)の実験施設であることと一致する。


西には、さらに2つの台座があり、1つはほぼ中央に、もう1つは遠くにある。「2013年以降、敷地は順次整備されてきた。西端のエプロンは拡大され、2016年には大きな格納庫が建設された。2016-17年と2020-21年に活動が急増したようだ」とコバート・ショアーズは言う。




一般的に、このような施設では、エンジニアが物品を設置し、その周囲にレーダー/Sを設置してその戻りを分析する。これは、航空機の想定されるLO(低視認性)およびレーダー吸収素材と、前面、側面、背面からの電磁放射に対する脆弱性の両方を検証するためである。


同様に、このような施設は、レーダー自体の性能、特にステルスを打ち負かすレーダーの性能をテストする役割も果たす。中国はYLCシリーズのレーダーにこの能力があると主張している。


F-117Aナイトホークの開発に直接つながったロッキード・マーチン・スカンク・ワークスの「ハヴ・ブルー」は、テスト中に台座に取り付けられた姿が有名な写真に収められている。ハヴ・ブルーは内向きの傾斜尾翼を持ち、空力的に不安定な設計であったが、強力なFCS(フライト・コントロール・システム)によって維持されていた。


中国のGJ-11 UCAV 

一方、AVIC(中国航空工業総公司)が開発したGJ-11シャープソードは、最終的に導入される予定だと考えられている。このドローンは、PLA海軍が空母搭載可能なUCAV能力の獲得に向けて積極的に推進していることの表れとも考えられている。


GJ-11は2019年10月のPRC(中華人民共和国)建国70周年を記念する軍事パレードで初めて公式に公開された。また、昨年12月下旬に実物大の空母試験施設にドローンのモックアップを設置した非公式の写真でも確認されている。


武漢にある施設には、J-15、J-35/J-31/FC-31ジャルファルコン、KJ-600のダミーが飛行甲板に置かれていた。別のPLA専門家、リック・ジョーは、これを「飛行翼型UAV/UCAVが空母航空を意図していることをほぼ確認した」とし、GJ-11は「すでにテストされている可能性が高い」と付け加えた。その後2024年2月、シンガポール航空ショーでスケールモデルが展示された。



Mystery Flying Wing Aircraft Model Appears in Satellite Images of China’s Radar Test Facility

August 22, 2024 China, Drones, Troubled Areas


https://theaviationist.com/2024/08/22/mystery-flying-wing-aircraft-china-radar-test-facility/