2025年2月9日日曜日

RC-135リベットジョイント偵察機が前例のない任務をメキシコ沖で遂行した理由に注目(The War Zone)―トランプ政権は麻薬流入の阻止に本気です。そのために軍の投入もためらいません。なぜ前政権はこれをしなかったのでしょうか

 



Rivet joint flew off Mexico.  

USAF/Google Earth composite (flight track line for illustrative purposes only)


悪名高いカルテルが活発な地域に隣接するカリフォルニア湾の狭い海域上空で、48時間で2回の飛行任務を遂行した。

ンラインのフライト追跡データによると、米空軍のRC-135Vリベットジョイントが昨日、メキシコのバハ半島と本土の間のカリフォルニア湾で、極めて異例な飛行を行った。戦略的偵察機は今日も同様の飛行を行った模様だ。

 リベットジョイントは米国で最も優れた情報収集能力を持つ機体のひとつで、同機がメキシコ沖に現れたことは重大な進展である。これは、ドナルド・トランプ大統領就任以来、メキシコとの国境沿いでの作戦に対する米軍による支援が大幅に増加していることや、麻薬カルテルに対する米軍による前例のない直接行動の可能性が取り沙汰されていることと関連している。

 追跡ソフトウェアによると、機体番号64-14845のRC-135Vは2月3日、ネブラスカ州オファット空軍基地から南カリフォルニア上空に向けて南西に飛行した。オファット空軍基地は第55航空団の拠点であり、空軍のリベットジョイント機の大半を管理しているほか、その他にも各種ISRおよび高度に専門化された指揮管制機を管理している。同機はその後、バハ半島の太平洋沿岸に沿い南に向かい、カリフォーニア湾上空へ移動した。その後、同機は同じルートを逆方向にたどりオファット空軍基地に戻った。

 追加の飛行追跡データによると、64-14845は本日、ほぼ同じルートで出撃したことが示されている。

1月3日(左)と1月4日(右)に追跡された、RC-135Vのシリアル番号64-14845を示すADS-B Exchangeのスクリーンショット。ADS-B Exchange

 1月3日以前にも、カリフォーニア湾上空をリベットジョイントが飛行していた可能性もあるが、本誌は独自にそれを確認できていない。

 カリフォーニア湾は比較的狭いとはいえ、中央には公海および公空があり、64-14845が飛行中にメキシコ領空に入った形跡はない。

 メキシコ沖での64-14845の活動について問い合わせたところ、米空軍は米北軍司令部(NORTHCOM)に転送した。また、ワシントンD.C.のメキシコ大使館にも問い合わせた。

RC-135V/Wリベットジョイント。米空軍

 西半球での作戦、特に麻薬対策作戦を支援するためにRC-135V/W リベットジョイントが使用されていることは広く知られているわけではないが、新しいことでもない。特に、リベットジョイントは北米軍の任務を遂行するためある程度定期的に飛行している。

 さらに、太平洋側のバハ付近の国際空域で、通常はカリフォルニア州南部の沖合訓練区域での演習支援を目的として、RC-135V/Wが飛行しているのが確認されている。

 とはいえ、どう考えても、カリフォルニア湾でのリベットジョイントのの出撃は、非常に珍しいものであり、同機にとっては全く新しい収集エリアである。そこから、64-14845はメキシコ北西部に耳を傾けることができた。同地域は、悪名高いシナロア・カルテルの影響下にある。

 旅客機サイズのRC-135V/Wには、通信やその他の電子送信を傍受するさまざまなシギント(SIGINT)システムが搭載されている。また、この航空機は、無線からレーダーまで、それらの信号を発信する発信源の位置を特定し、分類することもできる。

 典型的な任務では、RC-135V/Wの乗組員は24名以上で構成され、その中には、収集した情報を即座に分析できる言語学者、電子戦担当官、その他の情報専門家も含まれる。リベットジョイントには、広範な通信アレイも搭載されており、データをほぼリアルタイムで現地の近隣部隊に送信したり、あるいは世界中のノードに送信して、さらなる分析や配信を行うことができる。

リベットジョイントの乗組員構成を示す空軍のブリーフィングスライド。下部の注釈は、機上での情報データの「処理、解析、配信」、すなわち PED 能力に言及しており、情報をほぼリアルタイムで送信できることを示している。米空軍

 傍受した通信の雑音や位置情報、その他の情報を組み合わせることで、特定の個人またはグループのいわゆる「生活パターン」を把握することができる。そして、その情報は、情報収集戦略のさらなる改善や、標的を絞った地上襲撃や攻撃の計画・実行に役立つ。

 同様に、リベットジョイントが提供するデータは、特定の地域における敵対勢力または潜在的な敵対勢力、特に防空部隊や指揮統制ノードの配置状況を詳細に記した、いわゆる電子戦力図の作成にも役立つ。ただし、これはメキシコ沖の飛行には当てはまらない。

 カリフォーニア湾上空のリベットジョイント飛行は、カルテルの活動やその他の違法行為に関する貴重な追加情報を提供できる可能性がある。また、カルテルの重要地域で何が起こっているかについてより正確な状況認識も可能になる。これは、1月にトランプ大統領が就任して以来、国防総省が南の国境周辺での存在拡大について公式に発表している内容に沿ったものである。

 「南西部の国境全体において、現役の軍人たちが、人員、車両、船舶、航空機に関するリアルタイムの状況認識を提供し、また、[米国税関・国境警備局] の資産のオペレーターレベルのメンテナンス、移動、配置についても [米国税関・国境警備局] と協力するものと期待しています」と、米軍高官は先月語っていた。「また、状況認識を高めるために、追加の空中偵察、監視、支援部隊が国境に移動する可能性もあると予想しています。」

 USNIニュース昨日、米海軍の海上哨戒機P-8Aポセイドンが現在、米軍のISR支援強化として、メキシコ国境に沿って飛行を行っていると報じた。P-8Aはまた、広範なSIGINT能力を備え、電子光学および赤外線ビデオカメラを搭載した砲塔も装備している。

 RC-135V/W他のISR機が収集した情報は、陸上および海上での阻止活動の支援を含め、米情報機関や法執行機関に提供される可能性がある。米軍は、麻薬密輸やその他の違法行為の疑いがあるものについて、航空偵察プラットフォームからほぼリアルタイムで情報を収集し、国境沿いの法執行機関に提供する実績をすでに持っている。

 また、メキシコ当局に対しても、麻薬対策やその他の作戦を支援するために、特定の情報を提供している可能性もある。メキシコ大統領のクラウディア・シェインバウムは、米国との貿易戦争を回避するため表向きの合意の一環として、麻薬密売対策の支援として、国境の自国側に1万人の軍隊を配備することを約束した。シェインバウムの前任者であるアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドールは、2021年に1万人の軍隊を国境に派遣することで合意しており、これはジョー・バイデン前大統領政権との間で結ばれた以前の合意の一部であった。

 カリフォーニア湾にリベットジョイントが現れたのも、標的攻撃を含む、メキシコの麻薬カルテルに対する米軍の直接行動の可能性について公然と議論されている最中である。先週金曜日、ピート・ヘグセス国防長官はFoxニュースのインタビューで「あらゆる選択肢がテーブルの上に置かれる」と述べたが、行動の決定はすべてトランプ氏に委ねられると付け加えた。

 空軍のRC-135V/Wが提供する能力は、その存在がそのような作戦意図の先駆けとなり、利用可能な情報収集の質と量を劇的に増加させる可能性があることを意味する。リベットジョイントは、より大規模な作戦に備える段階で、この一般的な役割で日常的に使用されている。一例として、トランプ大統領の就任1期目の2018年4月、米国主導によるシリア国内の複数の目標に対するミサイル攻撃に先立ち、リベットジョイントがシリア沖で日常的に飛行していた。

 同時に、RC-135V/Wは世界中で定期的に情報を収集するためにも使用されている。記事執筆時点では、そのような直接的な軍事活動が差し迫っている、あるいは計画されている兆候は一切ないことを強調しておくことが重要だ。さらに、たとえメキシコ政府の明確な承認を得て飛行が行われたとしても、そのような行動を取れば、広範囲にわたる影響が及ぶ。

 しかし、カリフォーニア湾でリベットジョイントの出撃を公然と行うことを国境で拡大する米軍の存在と併せて考えると、メキシコ全体にわたる広範なシグナルを明確に麻薬カルテルに送っていることになる。■

RC-135 Rivet Joint Surveillance Jet Just Flew Unprecedented Mission Off Mexico

An RC-135V flew two sorties in the past 48 hours over the tight confines of the Gulf of California that sits adjacent to a notorious cartel hot spot.

Joseph Trevithick

https://www.twz.com/air/rc-135-rivet-joint-surveillance-jet-just-flew-unprecedented-mission-off-mexico


高速インターネット導入で、米海軍空母上の生活はここまで変化している(The War Zone)―新世代の乗組員にはここまで配慮が必要なんですね。そういえば日本の新型艦も個室が基本になるとか。時代が変わりましたね

 An F-35C LIGHTNING II takes off from Nimitz-class aircraft carrier USS Abraham Lincoln (CVN 72) during training with Japanese Maritime Self-Defense Force (JMSDF), Jan. 22, 2022. Operating as part of U.S. Pacific Fleet, units assigned to Carl Vinson and Abraham Lincoln Carrier Strike Groups, America and Essex Amphibious Ready Groups, alongside JMSDF, are conducting training to preserve and protect a free and open Indo-Pacific region. (U.S. Navy photo by Intelligence Specialist 1st Class Jeremy Faller) 

US Navy


USSエイブラハム・リンカンが、乗組員へ高速インターネットを導入する取り組みで先陣を切った。その戦術的および社会的影響が明らかになってきた

海周辺でフーシ派と戦ったUSSエイブラハム・リンカーン(CVN-72)は、同時に、米海軍の派遣艦船におけるインターネット接続のレベルを大幅に向上させるテストベッドとしても機能していた。海上での接続性の大変化が、過酷な派遣任務中の乗員の生活から、艦と航空部隊が敵に戦力を集中させる方法に至るまで、あらゆるものにどこまで影響を与えたのか具体的な詳細が明らかになってきた。

 空母に配備されたF-35統合打撃戦闘機は、スターリンクやワンウェブのような商業プロバイダーより広い帯域幅が戦術レベルで意味する効果を示す好例です。海兵隊戦闘攻撃第314飛行隊の各機は、昨秋、空母のインターネット革新により、重要なミッションデータのファイル更新を記録的な速さで実行した。この機能は艦隊全体に拡大される。

 「このファイルは、特定の運用環境における脅威を識別し、対抗するための情報更新と設計強化を提供します」と、海軍は10月のリリースで発表した。「この更新には、100以上の情報変更と複数の設計改善が盛り込まれ、航空機の生存性と攻撃力を大幅に強化しました」。

 通常、このような更新には長い時間がかかるが、リンカンの戦闘システム担当将校であったケビン・ホワイト大佐の努力により、空母がインターネットに接続しやすくなり、今回は非常に迅速に完了した。

 「海軍はF-35のミッションデータファイル更新を記録的な速さで完了したと報告がある」と、今週、本誌が出席した年次WEST会議でホワイト大佐は述べていた。「F-35によるイエメンへの初の戦闘攻撃が報告されました。攻撃の性質が強化されたのは、それが可能になったおかげです」。

 昨年、リンカンが中東に派遣され、非軍事衛星群経由でのインターネット接続で艦船が、より効果的に戦うことができることを示した画期的な出来事となった。また、訓練やメンテナンス、乗組員の士気維持など、勤務時間が長く寄港回数が少なくても、多様な利点をもたらす。

 ホワイトは、F-35が「毎日データを摂取し、呼吸している」と指摘し、データを陸上の司令部と共有する必要があると述べた。同氏が先駆者となった接続性の革新により、このようなデータ転送が可能になり、今後さらに複雑化していくだろう。

 「艦内にデータがなければ、途方に暮れることになるでしょう」とホワイトは述べた。「そのため、大容量ファイルの転送機能が戦闘準備態勢を高めます」。 

 ホワイト大佐の研究は、米海軍のSailor Edge Afloat and Ashore (SEA2) プログラムの一部だ。このプログラムは艦艇に高帯域幅で耐障害性の高いグローバルな接続性を提供することが目的だ。このプログラムは主にリンカン艦上のホワイト大佐によって構想され、テストされたもので、昨年実施された展開でシステムが機能することが証明された。このようなSEA2システムは、他の艦船でもテストされている。海軍は、この取り組みで使用している民間プロバイダーとして、スターリンクとワンウェブを挙げている。

 これは、通信機能の一部を国防総省の専有衛星から切り離す一方で、商業衛星群や携帯電話プロバイダーに依存することで、海上での船舶の接続性を高め、個人利用と戦術利用の両方を実現しようというものだ。

 ホワイト大佐の講演では、そのメリットについて現実的な見通しが示されましたが、本誌はこの取り組みの技術的側面について昨年に詳しく報道していた。

 SEA2は海軍の公式プログラムとして資金提供される予定となっている。このプログラムは「Flank Speed Wireless」という名称で、技術革新を拡大しながら、企業レベルでの接続性を強化する取り組みが進められている。現在、海軍情報戦システム司令部(Naval Information Warfare Systems Command)に配属されているホワイト大佐は次のように述べている。

「リンカンが巡航中、毎秒1ギガバイトのダウンロード速度で転送を行い、アップロードでは200メガバイトの速度で転送を行った。5,000人の乗組員が個人用および業務用に利用できるようにした」。

 ホワイトは、過去2年間のリンカンで接続関連の機器故障は1件もなかったと述べ、5か月半の巡航中に780テラバイトのデータが転送されたと述べた。

 「ペタバイトを目標に掲げていましたが、達成できませんでした」とホワイトは語る。「ですから、安堵感はさらに高まります」。

 リンカーンは1日平均4~8テラバイトのデータを転送しており、これは現在の艦隊の能力の50倍に相当する。ホワイトのチームは、2人のフルタイムのシステム管理者(1人は日中、もう1人は夜間)を配置して、7,000件のIPアドレスを管理していた。

 特にリンカンが紅海の武器交戦区域にいた場合、司令官の判断でシステムがオフにされることがあり、その使用はいつも任務の後回しにされていた。

 「詳細は割愛しますが、これはカウンター検出可能ではありません」と、リンカンの指揮官であるピート・「リピート」・リーベ大佐はWESTの出席者に語りました。「彼らは、我々の位置を知ることはできませんでした。武器使用可能海域の奥深くまで行ったとき、我々はすべてをオフにしました。電子メールのトラフィックをオフにし、WiFiもオフにしました」。

The U.S. Navy says it is on the verge of having persistent, reliable, and secure high-speed internet connections across its fleets thanks to a project leveraging commercial satellite constellations like SpaceX's Starlink.

米海軍は、スペースX社のスターリンクのような商業衛星群を活用するプロジェクトにより、艦隊全体で持続的かつ信頼性が高く安全な高速インターネット接続を実現できる寸前まで来ていると述べている。商業衛星群が、空母エイブラハム・リンカン(CVN-72)に設置されている様子。(米海軍)

 しかし、システムが稼働中は、任務上の利点だけでなく、リンカン乗組員にも利点がもたらされた。リーベ艦長によると、107日間も寄港することなく海上にいたそうだ。「乗組員たちがWiFiに接続し、自宅と連絡を取り合えたからこそそれを実現可能にしたのです」。

 ホワイト大佐によると、リンカンの水兵の平均年齢は20.8歳だという。また、リーべは、若者を軍に引きつけるためには、海軍は彼らがデバイスと生まれつきつながっていることを認識する必要があると指摘しました。

 「次世代の水兵は、携帯電話を手に育っており、携帯電話なしでは落ち着かないのです」とリベ氏は言います。「私は必ずしもそれを好んでいるわけではありませんが、それが現実です。海軍に優秀な人材を集めたいのであれば、海上でも帯域幅を提供する必要があります」。

 また、より優れた接続性は、艦の管理機能にも役立っているとリーベ艦長は述べ、医療や歯科その他の業務が以前よりはるかに容易になっていると語った。

「すべてに帯域幅が必要ですが、ホワイトのチームが艦にそれを提供してくれたので、運用が円滑に、より効率的に行えました」。

 ホワイト大佐によると、故郷の家族とFaceTimeができる水兵は、ストレスをあまり抱えずに、目の前の生死に関わる任務に集中できたという。

 「私たちが試みたのは、安全なオンライン接続を確保し、水兵たちが生活の連続性を維持できるようにすることでした。」とホワイトは語った。「接続を切る時間になれば、水兵たちは戦場に駆けつける準備ができています。戦いに駆けつける準備ができているのです。それが、エイブラハム・リンカンで私たちが目にしたことです」。

 強化された帯域幅により、乗組員のうち38名が自分の子供の誕生に立ち会うことができたほか、他の乗組員でも子供のスポーツイベントを観戦できたとホワイトは語った。インターネット環境が改善されたことで、配属中に博士号や修士号取得を目指す乗組員もあらわれた。また、家庭に置いてきた個人的な問題や法的問題に対処する乗組員もいました。ある士官は、艦から遠隔で妻に委任状を発行した。

 乗組員の治療用の歯科用画像は、強化された帯域幅を通じて転送され、そのクラウンは後に艦に届けられた。ただし、医療データベースは依然として「やや扱いにくい」とホワイトは指摘しているが、艦の戦術的オンラインシステムの負荷は軽減された。

 コンテンツのストリーミング配信に関しては、著作権侵害や「許可されていない活動」という課題があった。しかし、リンカンは乗組員にNetflixのようなサービスを提供することができ、スポーツイベントやファンタジー・フットボールの統計情報など、インターネットの基本的な娯楽へのアクセスも可能になった。

また、広い帯域幅により、乗組員はAmazonやその他のオンライン販売業者から注文できるようになった。通常、艦に荷物が届くまで約1か月かかったが、士気向上の効果は否定できないと彼は言う。

 リンカーンに乗艦中の若い水兵には、インターネット接続は当然のように利用できるものと考えており、リンカンに搭載されていることで、彼らには大きな後押しとなっていると、リンカンが搭載する第133電子攻撃飛行隊の指揮官エリック・デント中佐は本誌に語った。

 「インターネット接続機能は、…組員にとって本当に大きな後押しとなります。彼らは、インターネットは水道や食料と同様に自分たちに提供されるものと考えていますから」とデント中佐は語った。 

 運用面では、「最も荒涼とした海域」から、リンカンは帯域幅を活用してノーフォークの司令部と接続し、同艦の年次サイバーセキュリティスキャンを「地球の裏側から」実施したとホワイトは述べた。

 「すべてのデバイスをスキャンし、コンプライアンスに準拠して運用する権限を検証しました」。「彼らはオンラインでファームウェアとデバイスの構造を検証しました。これは、前進するスケーラビリティの要素を示しています。艦隊全体で、このような能力を大々的に利用できるようにすべきです」。

 リンカンは、同じようにオンラインで接続できるように、僚艦の空母ハリー・S・トルーマンとカール・ヴィンソンも支援したと述べ、戦術面でも利点が見出された。

 「戦術的な接続システムの多くでは商業利用が承認されています。私たちはその機会を最大限に活用すべきです」とホワイトは述べました。「高速で低遅延であり、優先ルーティングパスも利用できます。私たちは展開中にユースケースを実証し、今後活用していく画期的な能力をいくつか実証できました」。

 グアムに寄港中のリンカンは6つのセルラーアンテナで現地のセルラーサイトに接続したとホワイトは語った。最終的に、同艦は海上でテストを行い、海岸から100マイル離れた場所で5G接続を達成した。

 「そして、すぐにテストを終了しました。なぜなら、これは海上環境を想定した装備でなかったためです」とホワイトは付け加えた。「テストは終了しましたが、可能性を示したことに変わりはありません」。

 ホワイトは、寄港中に艦船がWiFiアクセスに費用を支払っていない場合、納税者の負担も軽減できると指摘し、乗組員は演習前にオンラインでイタリアの同盟国と知り合うことができ、そうしたパートナーシップの個人的な側面を強化することができたと述べた。


Cmdr. Kevin White poses with Lt. Giovanni Scozzi, combat systems officer on the Italian aircraft carrier Cavour, using a live video call function enabled by SEA2 to plan a bilateral exercise between the two ships

空母エイブラハム・リンカン(CVN-72)の戦闘システム担当将校であったケビン・ホワイト中佐(当時)は、空母のインターネット帯域幅の強化により実現したビデオ通話中に、イタリアの同僚と並んでポーズを取っている。(米海軍)

帯域幅の拡大は、艦内での訓練の増加も意味する。つまり、通学のため外出する必要のない水兵も出てくるということだ。また、水兵たちは迅速にメンテナンスに関する質問の回答を陸上から得られるようになった。

 「サポートリソースへのアクセスが信頼性の高いものになるだけで、メンテナンスの効率は確実に向上します」とホワイトは語った。

 紅海でフーシ派と戦う任務に就く間、リンカンは、配備中の艦船を米国本土の水準に近づける重要な試験場となった。適切なセキュリティプロトコルやその他の組織的なガードレールにより、配備帯域幅は、洋上での艦船とその乗組員の活動に変革をもたらす可能性を秘めている。■


How Life Aboard A Navy Aircraft Carrier Changed When High-Speed Internet Arrived

USS Abraham Lincoln spearheaded efforts to bring high-speed internet to sailors underway and now we're learning more about its tactical and social impacts.

Geoff Ziezulewicz

https://www.twz.com/news-features/how-life-aboard-a-navy-aircraft-carrier-changed-when-high-speed-internet-arrived


日本が注目しないニュース:米国がソマリア国内のISISへ空爆を複数回実施(Task & Purpose)―ISは消滅したのではなく活動が目立たなくなっているだけなので警戒心をゆるめてはいけません。日本に必要なのは地政学の視点です

 A fighter jet takes off down the runway of an aircraft carrier.

U.S. Africa Command photo.



ソマリア北部での作戦は、トランプ大統領2期目で最大の軍事作戦となった


軍はソマリア北部で空爆を2月1日開始し、同国内のイスラム国支部のメンバーを標的にした。米アフリカ軍司令部AFRICOMとピート・ヘグセス国防長官は、土曜日にこの作戦を発表した。トランプ政権が発表したソマリアでのアメリカ軍の作戦はこれが初めてである。トランプ前大統領は、アフリカ諸国内で大規模な空爆を行った。


攻撃はソマリア北部のプントランド州で行われ、ヘグセスはゴリス山脈内で発生したと明言した。AFRICOMによれば、攻撃でISISの "複数の"工作員が殺害された。ドナルド・トランプ大統領はソーシャルメディアで、この作戦はISISの幹部計画者を標的にしたと明らかにした。


使用された正確な軍事資産は特定されていないが、AFRICOMはその発表とともに、USSハリー・S・トルーマン艦上で運用されている第1空母航空団の写真を公開した。この航空団とトルーマン空母打撃群は、イエメンのフーシ派に対する軍の戦いの一環として、数週間前から紅海やイエメンとソマリア近海で活動している。


ソマリアの大統領府は、「ソマリアは、このような事態が発生することを恐れている」と述べた。ハッサン・シェイク・モハムド大統領府もXで空爆を確認し、米国から報告を受けたと述べた。


今回の空爆は、米軍が1月30日にシリア北西部で空爆を行い、アルカイダ系組織「フーラス・アルディン」の指導者を殺害した後に行われた。 これがトランプ政権下で初めて発表された軍事行動だった。トランプ第1次政権時代、米国はソマリア国内で大量の無人機攻撃、空爆、特殊作戦を実施し、合計219回に及んだ。最初の任期では、前任のバラク・オバマよりも無人機攻撃の回数が大幅に増加し、ジョージ・W・ブッシュよりも無人機戦争をエスカレートさせた。■


NICHOLAS SLAYTON

CONTRIBUTING EDITOR

Nicholas Slayton is a contributing editor for Task & Purpose, covering conflict for over 12 years, from the Arab Spring to the war in Ukraine. His previous reporting can be found on the non-profit Aslan Media, The Atlantic, Al Jazeera, The New Republic, The American Prospect, Architectural Digest, The Daily Beast, and the Los Angeles Downtown News. You can reach him at nicholas@taskandpurpose.com or find him on Twitter @NSlayton and Bluesky at @nslayton.bsky.social.


US carries out multiple airstrikes on ISIS in Somalia

The operation in northern Somalia are the largest declared military operation so far in Trump's second term.

NICHOLAS SLAYTON

https://taskandpurpose.com/news/africom-somalia-isis-airstrikes/


2025年2月8日土曜日

ドナルド・トランプは孤立主義者ではない(19fortyfive)―トランプ外交を小馬鹿にする向きは後悔することになります。リアルポリティクスが復活するのであればキッシンジャーも喜んでいたことでしょう

 



評家はドナルド・トランプ大統領の外交政策に「孤立主義」のレッテルを貼り、グローバルな関与からの後退を危惧している。しかし、これは政権のアプローチを誤って表している。

 現政権の戦略は、米国を孤立させるのではなく、国際関係のリアリズム学派に深く根ざした「自制」“restraint”の概念に近い。冷戦後の「ルールに基づく国際秩序」が衰退し、大国間競争が台頭する時代において、自制という大戦略は、アメリカの覇権主義という高価で持続不可能な重荷に代わる、現実的で持続可能な選択肢を提供する。


自制と孤立主義はちがう

孤立主義とは、同盟の解消、経済的交流の最小化、軍事的コミットメントの削減など、国際問題からの包括的な撤退を意味する。歴史的に見ると、アメリカは戦間期にこのような姿勢をとり、第二次世界大戦で介入が必要になるまでヨーロッパでの紛争を避けてきた。

 対照的に、現政権の政策は孤立主義ではない。むしろ、中国のような台頭する大国とバランスを取り、ロシアやイランのような修正主義的な国家主体からの脅威を鈍らせることに重点を置き、米国のコミットメントを再調整する意図的な努力が見られる。自制はアメリカの力の限界を認め、核心的な国益に資する関与を重視する。

 この戦略は、介入主義より軍事力に支えられた外交を好む。孤立主義は同盟国を見捨てることを示唆するかもしれないが、自制は同盟国が自国の防衛により大きな責任を負うことを奨励することであり、それによって米国の負担を軽減しつつ、必要不可欠な安全保障上のパートナーシップを維持するものである。

 自制は、パワー・ダイナミクス、国益、国際システムの無政府性を優先する国際関係のリアリズムの伝統に深く組み込まれている。 現実主義者は、国家は自国の安全保障や経済的幸福に直接役立たない不必要な関わり合いを避けるべきだと主張する。

 バランシング、抑止力、戦略的プラグマティズムといったリアリズムの基本概念は、現政権の外交政策アプローチと一致している。リアリズムの観点からすれば、世界秩序はアメリカの揺るぎない覇権主義から多極化へと移行しつつあり、台頭する大国と復活する大国が影響力を競い合う。

 この変化により、米国の戦略は支配から戦略的競争へと移行し、自国の重要な利益につながらない紛争には関与せず、選択的なコミットメントを行うことが必要となる。世界の警察官として行動し続けるのではなく、自制することで、米国はもはや世界規範の揺るぎない執行者ではなく、ポスト・アメリカン・エンパイアの瞬間に適応しなければならないことを認識するのである。


自制戦略を説明すると

自制の戦略は、バランシングと鈍化という2つのメカニズムで機能する。バランシングとは、同盟国やパートナー国を自国の安全保障により大きな責任を負うよう促すことで、アメリカの負担を減らすことである。NATO同盟国が国防支出義務を果たすよう政権が主張しているのは、NATOを放棄するのではなく、欧州諸国が自国防衛に有意義に貢献するようにしむける努力である。

 同様に、インド太平洋地域では、日本、インド、オーストラリアといった地域大国との結びつきを強化することで、米軍の直接的なプレゼンスだけに頼ることなく、中国の影響力拡大に対抗することができる。  一方、鈍化とは、アメリカのイメージ通りに国際システムを作り直そうとするのではなく、差し迫った脅威を無力化するためにアメリカの力を的を絞って行使することを指す。例えば、イランに対する政権のアプローチは、イラン核合意から離脱し、長期的な軍事介入を行うのではなく、最大限の経済的圧力をかけた。

 同様に、北京を地政学上の主要な競争相手と認識した政権は、米国の経済的・軍事的な重点をそれに合わせてシフトさせる一方で、軍事的対立は避けている。

 「ルールに基づく国際秩序」は米国の一極支配のもとで主に機能していたシステムであるが、これガ衰退しているというのは、戦略的帰結を顧みず自由主義規範の世界的執行者として振る舞う余裕が米国にもはやないことを意味する。軍事力による人道的介入と民主化推進の時代は、ほとんど成功を収めず、多くの犠牲を伴う失敗をもたらした。この新しい現実において、自制は後退ではなく、台頭しつつある多極化世界への適応となる。権力の中心が複数存在する世界では、アメリカの優位は持続可能でも望ましいものでもないという認識である。

 終わりのない戦争やグローバルな警察活動で疲弊する代わりに、米国はより規律正しく、焦点を絞った外交政策を採用しなければならない。 自制の戦略の下、米国は敵対勢力を抑止し続けるべきだが、敵対勢力を変革させることは避けるべきだ。

 これは、不必要な選択戦争を避けつつ、強力な防衛力と同盟関係を維持することを意味する。また、アメリカの安全保障上の利益は、行き過ぎた外交政策ではなく、持続可能で戦略的に焦点を絞った外交政策によって最も良くなることを認識することを意味する。


ドナルド・トランプは孤立主義者ではない

現政権に「孤立主義者」というレッテルを貼るのは、自制という現実主義の原則との整合性を見落とす誤った表現である。世界との関わりを断つのではなく、新たな脅威とのバランスを取り、差し迫った危険を鈍らせる一方で、不必要なコミットメントを減らすことを目指している。  大国間競争の時代において、自制はアメリカの安全保障を優先し、同盟関係をより効果的に活用し、過去数十年間の介入主義を特徴づけてきた戦略的疲弊を回避する道を提供する。

 自制は、時代遅れの世界支配モデルにしがみつくのではなく、アメリカ帝国に世界を相手にした現実的かつ持続可能な大戦略を提供するものなのだ。■


Donald Trump Is No Isolationist

By

Andrew Latham


About the Author: Dr. Andrew Latham 

A 19FortyFive Contributing Editor, Andrew Latham is a professor of international relations at Macalester College in Saint Paul, Minn., a senior Washington fellow at the Institute for Peace and Diplomacy, and a non-resident fellow at Defense Priorities in Washington, D.C. He regularly teaches courses on international security, Chinese foreign policy, war and peace in the Middle East, Regional Security in the Indo-Pacific Region, and the World Wars. Professor Latham has been published in outlets such as The Hill, The Diplomat, Canadian Defence Quarterly, The Conversation, Wavell Room/British Military Thought, Defense One, and Responsible Statecraft.



https://www.19fortyfive.com/2025/01/donald-trump-is-no-isolationist/


英国の新型ドレッドノート級弾道ミサイル潜水艦のデザインで詳細な情報が入ってきた(The War Zone)―核保有国の誇りで英国はSSBN新規建造に乗り出すのでしょうか。もっと意味のある国防予算の使い道が別にあるとも思うのですが

 A detail model has provided what’s likely our best idea of how the U.K. Royal Navy’s new Dreadnought class nuclear ballistic submarine, or SSBN will appear. The four Dreadnought ‘bombers’ represent one of the most important U.K. defense programs for many years and it’s notable to see how many advanced features the design includes, as the Royal Navy seeks to find the optimum balance between speed, stealth, and firepower. The four new SSBNs will replace the Vanguard class that entered service in the 1990s.  

Rolls-Royce/LinkedIn



流線型の船体、X字型の艦尾、ポンプジェット推進、コンフォーマルミサイルキャリッジが英国海軍が間もなく就役させるドレッドノート級戦略原子力潜水艦の特徴となる


国海軍の新型ドレッドノート級原子力弾道潜水艦(SSBN)の外観で、詳細なモデルからこれまででもっとも鮮明なアイデアが得られた。 4隻のドレッドノート級潜水艦は、英国にとって最重要国防計画であり、英国海軍が速度、ステルス性、そして強力な破壊力という最適なバランスを追求する中で、設計に数多くの先進的な機能が盛り込まれていることは注目に値する。4隻の新型SSBN(英国では「ボマー」と呼ばれている)は、1990年代に就役したヴァンガード級に交代する。

 新型ドレッドノートがどのような外観になるかを示す素晴らしい模型が、英国下院で最近公開された。これは、政府の「議会における核週間」におけるロールス・ロイスの核ポートフォリオ展示として行われたものである。イベントの模型の写真が、その後、同社によりLinkedInに掲載され、この記事のトップに掲載した。ロールス・ロイスは、ドレッドノート級原子力潜水艦の加圧水型原子炉3(PWR3)原子力推進プラントの設計と供給を担当している。



An artist's impression of the Dreadnought-class submarine.

以前発表されていたドレッドノート級原子力潜水艦のイメージ。BAEシステムズ


過去には、英国海軍と潜水艦の製造元であるBAEシステムズが、上の図のようなSSBNのアーティストによるコンセプトを公開していたが、ここまで詳細なものではなかった。しかし、英国海軍はすでに、排水量17,200トン(18,600トン)、全長153.6メートル(504フィート)など、限定的ながら仕様を公開している。

 非常に流線型の艦体形状に加え、SSBNは目立って目立たない傾斜したセールを備えている。これは、現代の潜水艦の設計でますます一般的になっているものだ。一部の設計ではさらに踏み込んで、2019年に登場した中国の小型潜水艦に見られるように、セールを小さなフェアリングに置き換えている。一方で米海軍は、将来の原子力攻撃潜水艦に、必要に応じて上昇するが、それ以外は潜水艦の速度、機動性、音響ステルス性を維持するため隠されている、非伝統的なセールを装備する可能性を検討している。ドレッドノート級のセールは、より穏健なアプローチだが、小型セールへの移行を明確に反映している。模型では、セール上部に少なくとも3点の潜望鏡とセンサー用マストが設置されている。


未来のドレッドノート級戦略原潜のインフォグラフィック。BAEシステムズ 比較的小型潜航舵が、側面に設置されている


 セールの前、船体上部にポストのような構造物が見えるが、英国の原子力攻撃型潜水艦にも同様の位置に装備されている迎撃ソナーである可能性が高い。

 この新型潜水艦は、5層の構造で、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)がどのように構成されるかを視覚的に示している。

 また、ドレッドノート級は、従来のSSBNと比較して、セール後方にあるミサイル格納庫の低さが際立っている。以前のSSBでは箱型に突き出ているのに対し、この部分は実際には船体にやや沈み込んでいるように見える。ミサイル格納庫は実際には3つの独立したミサイル格納庫に分かれ、それぞれに4本のミサイル発射管(「クアッドパック」と呼ばれる)が備えられ、合計12本の発射管がある。

 ヴァンガード級のSSBNは16基のミサイル発射管を備えていたが、実際には条約の規定に従い、パトロール時に8基が搭載されている。


作戦海域訓練を終え、HMNBクライドに戻ってきたHMSヴェンジェンス。同艦は、英国海軍のヴァンガード級潜水艦4隻の最終艦だ。Crown Copyright POA(Phot) Tam McDonald


英国国防省は過去にも、ドレッドノート級の各艦に搭載された12基のミサイル発射管のうち、実際に運用されるのは8基のみであり、残りの4基は艦の安定性を確保するためにバラストが充填されると述べていた。

 ミサイル発射管の総数が削減された理由については、完全には明らかになっていないが、米国における同様の傾向を反映している。米海軍の新型コロンビア級戦略原潜では、オハイオ級戦略原潜の24基から16基に減少している。しかし、オハイオ級のミサイル発射管4基は、ロシアとの軍備管理協定の結果で非活性化されている。

 ドレッドノート級は、後継となるヴァンガード級戦略原潜と同様にトライデント2D5ミサイルを発射する。

 現行のイギリス海軍のSSBNは抑止力パトロール中に最大40個の弾頭を搭載し、トライデントミサイルはそれぞれ複数の弾頭、またはMIRV(多弾頭再突入体)を搭載できる。理論的にはトライデント1基につき14個のMIRVを搭載できるが、弾頭の種類によって異なり、1回のパトロールで40個の弾頭を搭載すると、ミサイル1基あたり5個となる。

 現在、ヴァンガード級戦略原潜は、米国のW76弾頭(1970年代に開発され、現地ではMk 4/Aとして知られている)を搭載したトライデントを搭載して出航している。英国は新型のA21核弾頭を開発中だ。A21は以前は単に「後継弾頭プログラム」として知られていましたが、現在は「アストレア」とも呼ばれている。

 アストレアは、2030年代に就役開始が予定されている米国のW93と並行して開発中で、前者は後者の派生型である可能性が高い。

 ドレッドノート級潜水艦のその他の兵装として艦前部の533mm魚雷発射管4基から発射されるスピアフィッシュ重型中距離魚雷が含まれる。


Submariners check a Spearfish torpedo in the 'bomb shop' aboard the Royal Navy nuclear submarine HMS Tireless after arriving in Southampton for a five day visit. (Photo by Chris Ison/PA Images via Getty Images)

潜水艦乗組員が、英国海軍の原子力潜水艦HMSタイヤレスの「爆弾庫」でスピアフィッシュ魚雷をチェックしている。写真:クリス・アイソン/PA Images via Getty Images クリス・アイソン – PA Images


 SSBNの後部には、ポンプジェット推進システムや、英国の潜水艦に初めて搭載されたXラダーなどの詳細が確認できる。

 ポンプジェット推進器は、特に高速での潜水艦の騒音を低減するように設計されている。英国海軍によると、ドレッドノート級は同海軍の潜水艦の中で最も静粛性に優れ、少なくとも20ノットの最大速度を達成できるという。潜水艦の性能は一般的に機密事項であるため、実際の最高速度はこれより高いことはほぼ確実だ。

 一般的に、ポンプジェットはプロペラよりも多くの利点があり、とりわけ騒音を伴うキャビテーションなしで高速航行が可能である利点がある。つまり、より長距離をよりステルス性を保ったまま航行できるということだ。また、ポンプジェットは潜水艦の性能のほとんどの領域で効率を発揮し、浅瀬での航行に特に優れている。その一方で、プロペラより重量が増え、コストも高く、構造も複雑となる。


英国海軍の「アスチュート」級もポンプジェットを装備している。クラウン著作権

 推進器のすぐ前方にX型舵がある。 英国海軍によると、「従来の潜水艦は、速度と作戦深度の関係から従来型の舵を使用してきましたが、制御性と安全性の向上でX型舵の使用が可能になりました」とある。

 X字型の船尾構造は操縦性、効率性、安全性を向上させ、また、従来の十字型と比較して、潜水艦の作動範囲の大部分において音響特性を低減させるのに役立つ。X型船尾構造は人気が高まっており、現在では米国海軍の新型戦略原子力潜水艦コロンビア級をはじめ、世界中のさまざまな潜水艦設計に採用されている。しかし、米国艦ではフィンが千鳥状に配置され、上部の2つのフィンは前方にややずらして取り付けられているが、ドレッドノート級のフィンは、模型に見るると、すべて同じ位置に取り付けられている。

 模型ではわかりにくいが、ドレッドノート級は、3人のシェフと1人の医師を含む130人の乗組員を収容する。また、英国海軍の潜水艦では初めて、女性乗組員用の個室、トイレ、洗濯設備が個別に設けられる。

 ドレッドノート級は2030年代初頭に就役する予定で、総事業費は約430億ドルと推定されており、これは英国の防衛プログラムで単独では最も高額な費用となる。この数字には、トライデントミサイルの弾頭の交換費用は含まれていない。

 ドレッドノート級は英国の軍事能力を強力に表現するもので、核保有国のエリートグループの一員となる。

 また、このプログラムは、英国海軍が新型の26型フリゲート艦や31型フリゲート艦、アスチュート級攻撃型潜水艦、新型のフリート・ソリッド・サポート艦や多目的支援艦(MRSS)など、28隻の軍艦や潜水艦を受け取る艦艇建造計画の中心でもある。

 これは、2030年までに国防費を国内総生産の2.5%に増やす公約を含む、新たな軍事戦略の一環だ。

 ドレッドノート級の建造は、7隻からなるアステュート級建造が完了次第、イングランド北東部のバロー・イン・ファーネスにあるBAEシステムズの複合施設で行われる。BAE施設には、数億ドルを投じたアップグレードが予定されており、ドレッドノート級の建造を可能にするための拡張も含まれている。昨年10月には、当時も報告したとおり、バローインファーネスにあるデボンシャー・ドック・ホール(DDH)で「重大な」火災が発生しましたが、ドレッドノート級の建造スケジュールに影響が出るという報告はない。


BAEシステムズのデボンシャー・ドック・ホール(英国カンブリア州バローインファーネス)で建造中のアスチュート級潜水艦。BAEシステムズ


ドレッドノート級の初号艦がバーウィン・イン・ファーネスで姿を現すまでには、まだ待たねばならないが、ロールス・ロイスが発表した最新モデルは、英国海軍の次世代原子力弾道潜水艦の外観について、これまでで最も有益な情報を提供していると思われる。■



Our Best Look Yet At Britain’s New Dreadnought Class Ballistic Missile Submarine Design

A highly streamlined hull, x-shaped stern, pumpjet propulsion, and conformal missile carriage are all features of the Royal Navy’s forthcoming Dreadnought class SSBN.

Thomas Newdick

https://www.twz.com/sea/our-best-look-yet-at-britains-new-dreadnought-class-ballistic-missile-submarine-design