2017年8月17日木曜日

★★朝鮮戦争2.0開戦の兆候はこう読み取れ





開戦は近づいているのか遠ざかっているのか。今の段階は政治上のレトリック合戦ですが、以下指摘するような事象が認められれば開戦はまじかでしょう。北ICBM実験を迎撃する構想は面白いですね。事前警告の上実施すれば先制攻撃にならないでしょうが、失敗のリスクが怖いのも事実なのでしょう。

Korean War 2.0? The Signs To Watch

これが朝鮮戦争2.0の兆候だ

 By MARK CANCIANon August 15, 2017 at 1:45 PM

グアム島周囲にミサイル四本を打ち込むぞと脅かしをかけた北朝鮮の太っちょ指導者金正恩は今日になって一歩引き下がったようだ。北朝鮮通信社が以下すばらしいツイートをしている。「卓越した将軍様金正恩は米植民地グアムに執行猶予を海中生物の懸念を理由に与えることとしたがロサンジェルスの運命は未定のままだ」
LAは北の脅威にさらされたままのようなので以下戦略国際研究所のマーク・カンシアンによる優れた原稿を掲載し、開戦の兆しの読み取り方をお伝えすることとした。編集部
ランプ大統領と金正恩の言葉の応酬から開戦が近づいているとの観測が強まっている。
ただし戦争は可能性が低いようだ。在韓米軍はじめ太平洋各地の米軍は平時体制のままだからだが、本当に戦争が近づいてきたらどうやってわかるのだろうか。
情報機関は攻撃の兆候と警戒(I&W)を見逃さないと目を光らせている。機密情報に触れる資格がない私たちは開戦が近づく様子はどんな形のI&Wとしてあらわれるのか。以下は過去の米国における戦闘前準備から引き出した要注意事象のリストで、1991年の砂漠の嵐作戦、1999年のセルビア内戦、イラク侵攻(2003年)に加えOPLAN5027と呼ばれる朝鮮半島内戦闘構想で判明している事柄をまとめた。
いかなる紛争の前にも五種類の行動が先行する。最初が外交攻勢で北朝鮮対抗連携を形成する。政治的団結を示す声明文を出すことが米国内の支援とともに国際的に理解されるため必要だ。近年の軍事衝突ではいずれも何らかの形で軍事連合が成立しており、各国をつなぐ目に見える努力が米国には必要だ。
韓国国内で休暇を取り消され配置先に呼集される隊員が増えれば開戦はまじかだろう。海軍部隊が増強され、太平洋上の配備が延長されたり、あらたな派遣艦船が増える。
韓国内に暮らす米軍属20千名は国外退去が必要となる。米国は韓国に60年以上駐留する間に学校、売店ふくむ地域社会そのものを持ち込んでいる。これを閉鎖するのは目立つ。最後に北朝鮮の対応への準備態勢がある。このうちミサイル防衛の強化があり、ペイトリオットミサイルとTHAADが陸上で、海上では海軍が弾道ミサイル防衛艦の配置地点を変更するはずだ。また韓国民間防衛拠点の活動状況も目に入ってくるはずだ。
軍事衝突の種類でI&Wも変わる。
空戦: 理論上米韓連合軍は開戦と同時に北朝鮮の標的を空爆・ミサイル攻撃するはずだ。米軍は韓国に100機を待機させており、韓国空軍には戦闘爆撃機が500機以上あるので相当の戦力だが第五世代機は皆無だ。米軍は日本にトマホークミサイル運用可能な艦船を配備しており、ミサイル攻撃はシリアの例のように事前警告なしではじまるかもしれない。艦船は日本が攻撃対象にならないよう日本近海から離れた地点まで進出の必要がある。
しかしながらこの攻撃は繰り返し実施できないことが多い。備蓄に限度があることと一部標的は強固かつ隠蔽されたりミサイルでの破壊が困難だからだ。このため航空機による反復攻撃が必要となる。米軍はステルス機を開戦段階で投入しリスク最小限で敵防空網を撃破することが多い。そうなるとF-22が米本土から移動すればすぐわかるはずだし、海兵隊のF-35Bが揚陸強襲艦へ移動するのが開戦近しと分かる目安になる。
B-2爆撃機を朝鮮半島上空に飛ばす必要はないだろうが、平時はホワイトマン空軍基地(ミズーリ州)から長時間をかけているのでグアムまで前方配備され移動時間を短縮することはありうる。が、奇襲効果を上げるべく投入されるかもしれない。
核攻撃:米国が核兵器を投入するとしたら北朝鮮の使用後に限られるはずなのでその動静で開戦は占えない。米国が核兵器を使うとすれば無警告発射となるだろう。核兵器は奇襲攻撃を受け迅速投入する前提だからだ。ただし条件はロシア、中国が米国の核攻撃を自国に向けたものと誤解しないことだ。このため、ICBMを米本土から発射する可能性は少なく爆撃機を使うだろう。その場合米本土を発進させるはずで外部から兆候を知ることは困難だ。
ICBMの迎撃破壊:北朝鮮のICBMテスト発射を撃破する可能性を専門家が検討しているのは北朝鮮本土を攻撃せずに金正恩の核開発をとん挫させられる効果があるからだ。その場合に韓国内配備のTHAADを使う可能性は低い。韓国から攻撃を加えたと北がとらえる危険があるためだ。かわりに弾道ミサイル迎撃能力のあるイージス駆逐艦を使うだろう。米海軍の駆逐艦の半数がこれに該当する。駆逐艦は北朝鮮沿海を遊弋しICBM発射の瞬間を待つ。北朝鮮の行動を予期し護衛部隊をつける。(1968年に発生したUSSプエブロ捕獲事件はいまだに米海軍の悪夢であり、北朝鮮沿岸で単独行動は許されない。)国際公海上に位置するため米海軍は自由に艦船を進出させられるが、艦船数隻の行動や出港準備は通常と違うと受け止められるはずだ。
全面的侵攻あるいは防御: 全面戦となると50万名の米軍兵員が北朝鮮を攻撃することとなり事前準備が相当必要となり目に入ることとなる。その場合の行動の一部は以下の通りだ。
  • 空輸輸送機の活動が増える:C-17、C-5あわせ270機が遠距離空輸用にあるが韓国への配備用に普段使わない機材が現場に呼び戻される。
  • 事前集積物資の出荷:米軍は戦闘継続用の物資を海外各地の貯蔵施設や艦船に備蓄しており緊急時に迅速な供給を狙う。このうち韓国内の物資は多数が大邱の集積場にあり、到着部隊用に払い出しが忙しくなる。事前集積船はグアムに停泊することが多く、韓国へ向け出港するはずだ。
  • 予備役の呼集:ベトナム戦終結後の米陸軍は方針を変え第一線部隊を多数とし、支援部隊を予備役に回している。当時の陸軍参謀長エイブラムズ大将はこれを意図的に行い将来の戦闘で予備役隊員の平時の生活を中断する政治的に微妙な措置を大統領が確実に行えるようにしたのだろう。このため師団規模以上の作戦遂行となると陸軍は一部予備役も呼集することになり、大規模戦になれば数十万名が呼集されるかもしれない。
  • 筆者の考える先行事象はこれだ:戦争捕虜を扱う警務隊。捕虜対応を任務とする部隊が展開しても敵を怯えさせる効果はないが実際の戦闘開始に備えて必要な措置だ。米陸軍には警務旅団二個が予備役部隊として準備されている。第300および第333警務旅団だ。
結論:米軍事行動は始まるだろう。(北朝鮮の動きは予測不可能) そのため上記を参考に報道を追ってもらいたい。上記のI&Wのいずれかが目に入れば、緊張して注意すべきだ。そうでなければ安心してよい。■


2017年8月16日水曜日

米海兵隊、陸上自衛隊合同ノーザンヴァイパー演習始まる



U.S. Marines, Japan Self-Defense Force Troops Begin New Ground Exercise Series Northern Viper 

米海兵隊、陸上自衛隊が新規地上戦演習ノーザンヴァイパーを開始

 By: Ben Werner
August 14, 2017 7:15 PM

米海兵隊第三軽装甲偵察大隊が実弾演習のため北海道大演習地に入る。.SAug. 14, 2017, in Hokudaien, Japan, during Northern Viper 2017. US Marine Corps Photo

  1. 米海兵隊2千名、陸上自衛隊1.5千名が参加しインドアジア太平洋を想定した新演習ノーザンバイパー2017が始まった。
  2. 三沢航空基地で米海兵隊が自衛隊と平和維持活動、人道援助、災害救援活動など多彩なミッションをこなす。会期は8月10日開始で8月28日に終了する。
  3. 「第一海兵航空団、第三海兵師団と自衛隊が共同訓練する」と海兵大佐ジェイムズ・F・ハープ(海兵隊航空集団36指揮官)が声明を発表。「今回の演習で戦略面で日本との関係を構築する」
  4. 海兵第一航空団は北海道で各種訓練を行う。強襲支援、航空攻撃、負傷者搬送を想定した訓練を実施すると海兵隊は発表。
  5. 「今回の演習が極めて重要なのは日本側と大規模訓練を行う機会はそうないからだ」とハープ大佐は述べる。「今回のような訓練は今後も続けて敵から地域を守る兵力投射を効果的に実施できるようにしたい」
  6. 今回の演習は日本北方で行われるため沖縄では不可能な演習環境が利用できる。「北海道演習地を使い沖縄では不可能な演習を行います」と第36海兵航空集団付の上級兵曹マーヴィン・M・マグケイルが語る。「実弾発射できる演習地が使えます」■

F-35を防空センサー機材として注目する米陸軍


ついにF-35はセンサー機材になってしまうのでしょうか。米海軍は最初からそのつもりですよね。面白いのは米陸軍が注目している点で、まさか陸軍が同機を保有することはないと思いますが、今後の動向に目が離せませんね。

U.S. Army Eyes F-35 As Missile Defense Sensor

米陸軍がF-35をミサイル防衛用センサーとして注目している


Aerospace Daily & Defense ReportAug 8, 2017James Drew | Aerospace Daily & Defense Report


Lockheed Martin
HUNTSVILLE, Alabama—米陸軍がロッキード・マーティンF-35ライトニングIIに関心を深めるねらいは対地攻撃、近接航空支援、ドッグファイトのいずれでもない。
  1. 陸軍はF-35の空中センサー機能を統合防空ミサイル防衛の要にしようというのだ。
  2. 陸軍はF-35で米海軍のノースロップ・グラマンE-2D高性能ホークアイが米海軍と同様に空を飛ぶ脅威の早期探知追尾を期待する。目標情報を陸上の迎撃部隊に提供しペイトリオットミサイルで地上レーダーが探知するより早く撃破する構想だ。
  3. 米陸軍宇宙ミサイル防衛司令部/陸軍戦略司令部(USASMDC/ARSTRAT) の関係者によれば秘密会合でF-35部隊で防空ミサイル防衛ミッションの支援が可能か検討したという。
  4. USASMDC/ARSTRATの将来戦闘センター長リチャード・デ・ファッタによれば共用打撃戦闘機を弾道ミサイル・巡航ミサイルへの対抗策にどう活用するか検討中だという。
  5. 検討にはF-35事業推進室や米空軍など同機の運用側も加わっている。
  6. 米陸軍がF-35に関心を示したのは2016年に海軍が行った実証がきっかけで海兵隊F-35Bがレイセオンのスタンダードミサイル-6の誘導に成功した。テストはホワイトサンズミサイル試射場(ニューメキシコ州)で行われている。
  7. ロッキードによれば標的の質量中心に初回で命中した。テストではF-35とイージス戦闘システムというロッキードの重要装備二種類が使われた。
  8. F-35は標的情報をアクティブ電子スキャンアレイレーダーで得られ、イージスの「砂漠艦船」施設へデータ転送を安全に行った。妨害の可能性が低い多機能高性能データリンク(MADL)を使った。
  9. 海軍の最終目標はF-35やほかの機材の搭載センサーを次世代ネットワークである海軍統合防空火器管制システムに統合することにある。E-2Dと同じ機能はないが低視認性のF-35は飛行速度が速く残存性が高くなる。またステルスにより敵にそれだけ接近することも可能だ。
  10. これまで陸軍は係留気球としてJLensなどで空中の敵探知追尾をめざしてきたが、気球、飛行船、風船は戦闘機と同じ対応は無理であり運航費用が低いものの機能が異なる。■

2017年8月15日火曜日

北朝鮮の化学兵器は現実の脅威、しかも戦闘投入の可能性が高い


核兵器は使えない兵器になるとしても化学兵器は先手必勝で投入の敷居が低いようです。日本もこの脅威に立たされているのですね。北朝鮮が化学兵器放棄の交渉に応じるとは思えないのですが、筋道としては当然なのかもしれません。確かに核兵器には関心が集まっても北朝鮮の化学兵器には不思議なほど世間は無知ですね。ここまでのさばらせてしまった責任を誰がとるのか。これから考えるべき課題ですよね。

 


Everything You Need to Know: North Korea's Chemical Weapons Are No Joke
北朝鮮の化学兵器備蓄は本当の脅威だ

August 10, 2017

  1. ここ数年は北朝鮮化学兵器は核兵器の陰に隠れている観がある。ただし危険がなくなったわけではない。朝鮮人民軍(KPA)は化学兵器投入は勝利の条件と強く認識している。北朝鮮が化学兵器を使用するのはほぼ確実であり、騒擾鎮圧から致死性神経ガスまで多様な使用をするだろう。
  2. 化学兵器は戦線で局地的な戦術優勢を生み、敵の航空兵力優位性を中和する効果を生む。北朝鮮が大量保有するミサイルや火砲で化学兵器を戦線をはるか超えた地点に発射できる。韓国にむけ非武装ラインから釜山まで広範囲に化学兵器を打ち込むだろう。
  3. KPAには運搬手段が多数あり開戦となればすべての制圧は不可能だろう。
北朝鮮は化学兵器をどう使うのか
  1. 北朝鮮は大量破壊兵器の分類を説明している。核兵器は戦略抑止力として金王朝の存続のためという位置づけだ。核兵器を有事に投入するシナリオは北にはない。使用すれば韓国、米国が北朝鮮体制を転覆する動きにでるためだ。
  2. その反面、化学兵器は作戦投入を想定している。北朝鮮軍は化学兵器環境での作戦を日常から訓練しており、防護装備や探知機を備えている。一部がシリアに送られている。
  3. 化学兵器は各種使うはずだが、主目標は敵防衛体制の制圧でKPAが米韓軍の突破を狙う。化学防護装備を身に着けると兵員の動きは制約され化学攻撃の効果を下げようと防衛体制は分散される。
  4. 戦場で何が起こってもおかしくなく、化学兵器の場合は特に予測困難だが北朝鮮の投入開戦直後のはずだ。戦況が不透明になれば化学兵器の投入効果は減り、逆効果を生むかもしれないからだ。
どんな化学兵器を使うのか
  1. 化学兵器で北朝鮮には選択が多数ある。また任務に応じ選択し一時的なマヒから死亡まで調整可能だ。
  2. 韓国国防省の2012年推計では北朝鮮の化学兵器備蓄は2,500トンから5,000トンの間で年間生産量は平時に4,500トンで戦時には12,000トンに上る。
  3. 北朝鮮の化学兵器は騒擾鎮圧、呼吸停止、出血、水泡、神経作用と用途別に分類している。このうち暴動鎮圧用にアダムサイト(DM)、CN、CSの各ガスや催涙ガスで群衆を解散させるが通常は生命の危険は発生しない。
  4. また呼吸器系に作用するガスも北朝鮮は保有していると思われる。ガスに短時間触れただけなら入院ですむが長く触れると死に至る。KPAは塩素ガス、ホスゲンガス双方を備蓄している。
  5. 血液に悪作用を起こすシアン化水素や塩化シアンも準備している。
  6. その他マスタードガスは皮膚を刺激し眼球や鼻腔内に粘液を分泌させる。
  7. さらに致死性の高い神経ガスがあり、神経系統の機能を損なうものとしてサリン、ソマン、タブン、VM、VXの各化学品を貯蔵している。
運搬手段
  1. 北朝鮮には多様な化学兵器運搬手段があり、長距離ミサイルから決死隊まで選べる。平壌の攻撃範囲は韓国にとどまらず中露国境まで広がる。
  2. ここで問題になるのが距離だ。朝鮮半島は短く中国国境から韓国南端までは500マイル未満しかない。平壌から非武装地帯までが100マイル、ソウルまではわずか120マイルしかない。
  3. ロケットやミサイルで北朝鮮は遠距離まで化学兵器を投入できる。米国防総省は2014年の推計では短距離ミサイル発射装置は100基未満とし、トクサ/KN-02ヴァイパー(ロシアSS-21スカラブ派生型)が射程75マイル、スカッドが最大185マイルから625マイルとする。ともに国境付近に配備されている。
  4. またノドンミサイルの発射台が50基ほどあり、スカッドをもとに開発したノドンは800マイル飛翔し、韓国や日本を北朝鮮内陸部から狙う。
  5. 砲兵隊が圧倒的に多く、多連装ロケット弾発射機5,100門、その他火砲が4,400門ある。ロケットでは122ミリ以上、火砲では152ミリ以上あると化学砲弾を運用できる。北朝鮮砲兵隊の多くは化学攻撃の能力がある。
  6. 北朝鮮人民空軍も化学攻撃能力があるが、機材が老朽化しており、韓国防空網の突破はほぼ不可能とみられる。通常戦で出動を求められることが多いだろう。とはいえSu-7BMK「フィッター」18機とSu-25「フロッグフット」32機に化学攻撃弾を搭載するだろう。
  7. 大規模な北朝鮮特殊部隊は確実に化学兵器を運用するはずだ。敵潜入訓練を受けており化学兵器投入後の混乱に乗じるだろう。
  8. 北朝鮮は化学兵器を隠匿するだろう。化学剤は潜水艦や無人機でも運び、地下トンネルも使い化学攻撃を韓国国内で展開するかもしれない。
どこが標的か
  1. 北朝鮮の狙いはハイテク兵器を運用する他国軍の動きを化学兵器で鈍らせることだ。なかでも韓国軍がまず標的になる。地上攻勢の突破口を開きソウルさらにその先への進軍をめざすはずだ。
  2. 化学攻撃の標的には空軍基地が選ばれるはずで基地機能を奪い、米韓軍の空軍力の優位性を奪おうとするはずだ。大邱航空基地は韓国空軍F-15K戦闘爆撃機の本拠地であり、米空軍はオサン、クンサン両基地を多用するがともに北朝鮮ミサイルの標的になる。
  3. 米増援部隊が到着する釜山など韓国の港湾各地も攻撃の標的になる。韓国軍予備役の拠点も化学攻撃を受ければ人員増派が困難になる。
  4. 北朝鮮特殊部隊は民間人相手にも化学兵器を使うはずだ。政治家を襲撃し、インフラ等価値が高い民間標的を狙えば社会はパニックになり政府への信頼も揺らぐ。1995年の東京サリンガス襲撃事件と似た事件が発生すれば、民間の士気が下がり社会が混乱する。パニックになった社会で深刻な問題が発生する。民間人が道路にあふれ脱出しようとするはずだ。
  5. さらに韓国国外の米軍施設も化学攻撃を受けるだろう。嘉手納空軍基地、三沢空軍基地、横田空軍基地が朝鮮半島の航空作戦の本拠地となるが(攻撃兵器を保有していないので日本攻撃で心配する要素は皆無に近い)化学攻撃の標的になる。さらに横須賀、厚木、佐世保に駐留する米海軍も標的となり、グアムの潜水艦基地、爆撃機基地も北朝鮮の長距離ミサイルの射程内に入っている。
結論
  1. 北朝鮮が化学兵器を投入する可能性は本当にあるのだろうか。北朝鮮通常兵力の敗色が濃くなればガス使用を必要と感じるだろう。KPAには戦場での勝利を確実にする手段は少なく、化学兵器を投入しても一気に戦況は好転しない。
  2. 化学兵器を投入すれば米韓両軍の「大量報復攻撃」が即座に実施される。米韓両国は核兵器以外の投入可能なすべての手段でKPA侵攻部隊の動きを封じようとするはずだ。北朝鮮の視点から見れば核兵器がでてこないのであれば化学兵器投入を政治的に恐れる必要はなくなる。
  3. シリアでの化学兵器使用に西側世界がしっかり対応しなかったことで「レッドライン」やガス使用への対応は空虚であると判明してしまった。シリア国民へのガス攻撃と米軍隊員へのガス攻撃では大きな違いがあるが化学兵器使用のタブーが消えていることは明らかだ。
  4. 北朝鮮の化学攻撃の脅威は現実であり、戦時に投入の可能性は高い。開戦となれば米韓連合軍は北朝鮮の指揮命令系統機能を低下させながら攻勢をかけないと化学兵器の影響を下げられない。北朝鮮軍令部が正しい情報を受け取れなければ命令を出せず化学攻撃の実施が困難になる。国連軍が迅速に攻勢をかければ鈍足の砲兵ミサイル部隊を捕捉できるはずだ。
  5. 北朝鮮の化学攻撃の脅威を緩和する最善の方法は時間をかけて化学兵器放棄を交渉することだろう。北朝鮮の化学兵器の放棄を説得できれば朝鮮半島や海外で被害が減るはずだ。このため米オバマ政権は全く関心を払ってこなかった北朝鮮への対話が必要で。世界が北朝鮮に化学兵器放棄を望むのであれば対話機会を作る必要がある。
Kyle Mizokami is a writer based in San Francisco who has appeared in The Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and The Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.
This first appeared in 2015 and is being reprinted due to reader interest.
Image: Reuters.

2017年8月14日月曜日

★★英海軍新鋭空母がはやくも演習に参加、しかしその実態は?




英海軍が大型空母二隻を整備する理由がよくわかりません。グローバルな打撃力を実現するとしてもF-35Bが12機程度しか搭載できないのであれば片手落ちでしょう。結局米海兵隊機材を搭載するのであれば図体は大きいのに中途半端な存在にならないでしょうか。むしろ艦を建造し運用は余裕がある同盟国に任せる賃貸物件のオーナーのような立場になるのでは。日本から見ればF-35B運用の実際を見てみたいところですがね。あらためて防衛力整備には強力な経済力が必要だと痛感させられますね。今後の日本が心配です。

USN

Royal Navy's New Supercarrier Trains Alongside Its US Counterpart For The First Time 英海軍新造超大型空母が米海軍と初めて訓練に加わった

The training mission off the coast of Scotland offers the first glimpse of future Royal Navy carrier operations. スコットランド沖合での訓練から英海軍の空母運用構想が垣間見えた

 BY JOSEPH TREVITHICK AUGUST 9, 2017

  1. 英海軍の新鋭超大型空母HMSクィーンエリザベスが随行艦とスコットランド沖合で多国間訓練演習の最終段階に入っている。同艦は米海軍USSジョージ・H・W・ブッシュ以下空母打撃群2(CSG-2)と行動をともにし、将来の二国間合同作戦のモデルを示している。
サクソンウォリアー2017演習とは
  1. 艦船15隻と6千名がドイツ、ノルウェー、スウェーデン、英国、米国5カ国から北大西洋に終結し8月1日サクソン・ウォリアー2017演習の幕が開いた。目的は各国間の海軍作戦の共同実施で目玉は空母二隻が参加したことだ。
  2. 空母2隻は随行艦、各国水上艦と対空、対艦、対潜戦の他飛行禁止区域の執行を想定した各種演習をこなしている。
  3. 小舟艇多数が襲撃してきた想定での防御策や、英米それぞれの補給艦が交代に洋上補給し相互作戦実施の効果を確認している。
空母は完成したが搭載機がない
  1. 空母での固定翼機運用はHMSアークロイヤル退役の2011年以来行っていない英海軍には空母運用訓練が重要でだ。小型ヘリコプター空母HMSオーシャンは2018年に退役する。だが両艦ともクイーンエリザベスや建造中のHMSプリンスオブウェールズに艦の規模、複雑さで劣る。
  2. 「米海軍の空母打撃群との指揮命令訓練を英本土近海で実施したいと思ってきました」と英海軍大佐ケン・ホウルバーグ(空母打撃群参謀長)が語る。「HMSクイーンエリザベスが今年後半に戦力化すると自前で空母打撃戦力が生まれます」
  3. 英海軍にはサクソンウォリアー演習で航空戦力を完全搭載した空母との共同訓練の機会が大きな意義となる。今のところクイーンエリザベスの航空戦力は不在だが、英空軍がユーロファイター・タイフーンを飛ばし航空戦力を提供した。
  4. 英国防省はあくまでもクイーンエリザベスは航空部隊と2026年までに完全戦力化すると説明している。しかし同艦の完全戦力の意味するところは明瞭ではない。War Zoneでは同艦が海上公試に出港した2017年6月の時点でこう説明している。
F-35B調達の行方
  1. 英国が調達規模を縮小する可能性は相当高い。2017年6月初めにタイムズオブロンドンは英空軍のF-35A調達費用を確保すべくF-35B調達は削減されると報じている。B型は48機に減るという。
  2. F-35Bが48機になるとクイーンエリザベスおよびプリンスオブウェールズで攻撃力が完全展開できなくなる。英海軍はまずB型42機を2023年までに運用開始し、空母に24機配備し、残り18機を訓練に投入するとする。
  3. 英空母はカタパルトや拘束装置がなく、スキージャンプと垂直着艦運用のためF-35Bに適化している。F-35B調達が予定通り進まないと英海軍に代替策がない。英海軍はアークロイヤル退役を機にハリヤー全機を用途廃止し米海兵隊が購入したため再活用は無理だ。共用打撃戦闘機がないまま英海軍要員はF-35の取扱い訓練を実物大模型で陸上で行っている。
英米共同運用に向かうのか
  1. 「当方はすば抜けて幸運です」と英海軍ジェイムズ・キャップス少佐(佐草温ウォリアー2017で海軍固定翼機作戦士官)はブッシュ艦上で語る。「ここジョージ・H・W・ブッシュにて今後の英空母打撃戦力の方向性が見えてきますし、米国がどんな体制になっているかもわかります」
  2. 英米間の軍事交流はクイーンエリザベスが戦力化し初の哨戒航海に出る2021年には通常のことになりそうだ。2016年12月に英海軍は米海兵隊F-35Bの英空母艦上運用で合意している。英米両軍の要員は相互に事前訓練したうえで共同運用に向かう。
英海軍の考える空母打撃群構想
  1. 2017年7月に英海軍の次世代フリゲートとなる26型シティ級の建造が始まった。同級は23型デューク級に交代することになる。
  2. 新型フリゲート艦に45型ダーリング級駆逐艦が加わり将来の英空母打撃群を構成する。残念ながら隻数が不足し空母打撃群の遠征作戦の支援がむずかしい。米海軍の空母打撃群では少なくとも誘導ミサイル巡洋艦一隻、誘導ミサイル駆逐艦二隻ないし三隻さらに高速攻撃潜水艦一隻以上が加わる。補給艦を必要に応じて呼び寄せる。
  3. サクソンウォリアー2017ではデューク級HMSアイアンデューク、HMSウェストミンスターの二隻がクイーンエリザベスに加わっている。この二隻だけで23型フリゲートの6分の一に相当する。
View image on Twitter
  1. このため英海軍が米海軍に空母打撃群の共同運用を提案する可能性は十分あり、自国水上艦艇の負担を軽減するはずだ。その他同盟国にも自軍艦艇を提供する動きがある。演習の広報写真撮影でクイーンエリザベスは米海軍のジョージ・H・W・ブッシュと並列航行し英海軍のその他水上艦とタイコンデロガ級巡洋艦USSフィリピンシー、アーレイ・バーク級駆逐艦USSドナルド・クック、ノルウェー海軍フリチョフ・ナンセン級フリゲート艦HNoMSヘルゲ・イングスタッドも加わった。
  2. サクソンウォリアーは8月10日に幕を下ろすが、クイーンエリザベスはその後ポーツマスに母港を移し今月末まで留まると英国防省は発表している。その後さらに海上公試を行い、2018年中に艦隊に編入される。
  3. その時点になれば英海軍が新編成空母打撃群の運用方針が判明するはずだ。■
Contact the author: jtrevithickpr@gmail.com

★米空軍第六世代戦闘機の技術開発の現況




米空軍が目指す新型戦闘機構想はいろいろな推測があり今一つはっきりしませんが(第六世代の用語も使わないと言ったり今回のように便利なので使ったり一貫しませんね)技術要素ははっきりしているようです。当面は該当技術の進展を横目に大日程を作るのでしょうが、米空軍の次の大プロジェクトになるのは必至ですね。


Air Force Starts Experiments for 6th Gen Fighter 

米空軍が第六世代戦闘機の実験作業を開始した

The Pentagon's 6th Generation Fighter may be stealthy and will likely have next-generation computers, electronic warfare technology, speed, weapons and sensors

ペンタゴンが目指す第六世代戦闘機はステルス、次世代コンピュータ、電子戦技術、速力、兵装、センサーいずれも優れた水準を目指す
Visit WarriorScout Warrior - 19 hours ago


  1. 米空軍が第六世代戦闘機の実験と構想固めを開始した。F-35を超える技術革新を空軍上層部は期待する。
  2. 「実験、開発計画策定、技術投資を開始した」とアーノルド・バンチ中将(国防長官付け軍副代表)が Scout Warriors取材で認めた。
  3. 新型機は第五世代F-35共用打撃戦闘機の後継機となり、2030年代中頃に登場するもので現在は空軍海軍が共同で構想設計の段階にあり、新型機が搭載する技術内容、性能水準の検討を進めている。空軍は新型機の機体構想を次世代航空優勢機 Next-Gen Air Dominanceと呼んでいる。
  4. バンチ中将は現在進行中作業の詳細を述べていないが、空軍が考える将来機材の中核性能を論じる航空優勢2030フライトプランに触れている。
  5. 20年後の戦闘機は次世代のステルス技術、電子戦能力、飛躍的なコンピュータ処理能力、自律飛行能力、極超音速兵器さらに各種センサーを埋め込んだいわゆる「スマートスキン」を機体両側面につけるはずだ。
  6. その姿の一片をノースロップ・グラマンが昨年のスーパーボウル中継CMで想像図(上)の形で示している。
  7. ノースロップ以外のメーカーも採用を狙い競合するはずだが、現時点ではノースロップが構想、技術開発、初期設計で一歩先にあるようだ。ボーイングも開発初期段階とDefesen Newsはまとめている。
  8. 海軍はF/A-18スーパーホーネットの退役が2035年の予定で後継機をめざす。
  9. 機体表面塗料、ステルス、人工知能、機体制御、戦闘空間感知の優位性、通信、データリンクがそれぞれ急速に進展中と海軍上層部は認識している。
  10. 専門家は第六世代機では各種の次世代技術がカギとみており、センサーの接続性の極大化、スーパークルーズ性能、「スマートスキン」による電子能力に注目する。
  11. スーパークルーズで新型機はアフターバーナーなしで超音速巡航でき戦術上で有利になる。現場での任務時間が長く確保できるからだ。敵機は先に燃料切れとなり新型機に有利になるシナリオだ。空軍ではF-22がスーパークルーズ技術を採用している。
  12. 接続性を極大化すると通信量とセンサー性能を最大活用できリアルタイムで衛星やその他装備とつながり戦闘状況の情報を共有できる。極超音速兵器の運用も想定するが、スクラムジェットの実用化など乗り越えるべき課題が残っており、初期テストは成功したがその後は失敗も続いている。
  13. 空軍主任科学者ジェフリー・ザカリアス博士がScout  Warriorに語っているが、米国は極超音速兵器の実用化を2020年代、極超音速無人機は2030年代、再利用可能極超音速無人機を2040年代と想定する。極超音速技術は将来の機材、兵器双方で有望だ。
  14. スマートスキンは機体を各種センサーと一体化させ次世代コンピュータで情報を整理統合しパイロットに表示する。一部がF-35で実用化されている。センサーデータの融合に高性能コンピュータを使い関連情報を各種センサーから集め、整理してパイロットに表示する。ノースロップが開発中の分散開口システムDistributed Aperture System(DAS)はF-35パイロットに戦闘空間の360度画像を提供する。これはF-35機体数か所にカメラを取り付けても抗力を増やさずレーダー探知性も下げる。
  15. スマートスキンに分散型電子装置を組み合わせれば各種システムの機外装着が不要となり利点が生まれると専門家はみる。抗力削減、速力増、操縦性改善が実現しながらセンサー性能が向上するからだ。
  16. 第六世代戦闘機の高性能ステルス性能で敵防空網への対処がさらに向上する。敵側も高性能デジタルコンピュータ処理をで広範囲の周波数を探知し、遠距離からステルス機探知が可能になる予測がある。
  17. 第六世代新型戦闘機はレーザーや電子攻撃も運用可能となるはずだ。■


2017年8月13日日曜日

X-47Bをテスト機材としてMQ-25A受注を狙うノースロップ・グラマン



写真はかなり解像度が低いのですがあきらかにX-47Bですね。熱のゆがみではなくデジタルズームのためでしょう。かなり遠距離で視認していますね。

Modified X-47B Breaks Cover As Testbed For MQ-25 Bid

X-47BがMQ-25開発用のテスト機に使われ久しぶりに姿を現す
Aug 12, 2017Guy Norris | Aerospace Daily & Defense Report

Anonymous
LOS ANGELES—ノースロップ・グラマンが米海軍が求めるMQ-25Aスティングレイ無人給油機にむけた空中給油システムのテストでX-47B無人機(UAV)をテスト機につかっている。
  1. ノースロップ・グラマンのMQ-25Aにむけた準備の様子がこのたびAviation Weekが入手した写真で判明した。改修ずみX-47Bが米空軍の第42工場(カリフォーニア州パームデール)で撮影され主翼装備空中給油ポッド(WARP)を左主翼下に、落下式燃料タンクを右主翼下につけている。
  2. また写真では給油用プローブが右主翼についており、機体はAV-2/502、つまりX-47B二号機のようだ。X-47Bは海軍の求める空母運用無人機実証事業(UCAS-D) で製作され、同事業は2015年に終了している。
  3. 写真では高温のゆらぎのため詳細が見にくいが、WARPはCobham34に酷似しており200から325ノット速度域での使用する。同システムは毎分400米ガロンを移送する動力にラムエアタービンを使うが写真上でWARPの先端にこれがはっきり見える。
  4. 右主翼下のポッドはF/A-18ホーネット、F/A-18E/Fスーパーホーネットの標準補助燃料タンクに似ており、FPU-8(330ガロン)またはFPU-11(480ガロン)落下タンクのようだ。
  5. 米海軍が「ソルティドッグ」と呼称したX-47Bが海軍航空システムズ本部のパタクセントリヴァー基地(メリーランド)から今年1月パームデールに移動したがその後同機の動静は聞かれなかった。
  6. 改修したX-47Bの登場は海軍から正式なMQ-25A提案要求(RFP)が今年後半に予想される中でのことで、MQ-25Aは海軍初の空母搭載無人実用機となり早ければ2019年から2020年に登場する。RFP初版は6月に出ており、技術製造開発(EMD)契約を2018年に交付するとしている。要求内容はボーイングジェネラルアトミックスロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマンの各社に送付されている。
  7. ノースロップ・グラマンに照会したが回答を差し控えるとのことだった。■

2017年8月12日土曜日

★★PAK-FA(T-50)の制式名称がSu-57に、エンジン換装で本格生産は2020年以降




PAK-FAの意味がやっと分かりましたが、エンジン換装、各種改修をうけ本格生産が2020年以降開始というのは思ったよりゆっくりしていますね。おそらく機体価格が高くロシア軍に予算が足りないのでしょう。Su-35などの方がコスパがいいとみているのかもしれません。しかしいきなり50番台ということは第五世代だからでしょうか。Su-37があるのでその続き?よくわかりません。 

Russia's Fifth-Generation PAK FA Fighter Jet Officially Named Su-57

ロシア第五世代戦闘機PAK FAの制式名称がSu-57になった
© Sputnik/ Alexei Druzhinin
14:55 11.08.2017(updated 15:02 11.08.2017)

  1. MOSCOW (Sputnik) — ロシアの第五世代戦闘機はPAK FAあるいはスホイT-50と呼ばれてきたが制式名称がSu-57になったとロシア航空宇宙軍総司令官ヴィクトル・ボンダレフ上席大将が8月11日発表した。
  2. Su-57は単座双発エンジンの多用途ステルス戦闘機で航空優勢の確保と攻撃任務に投入する前提で設計されている。高性能エイビオニクスとアクティブフェイズドアレイレーダーを搭載する。
  3. 初飛行は2010年だった。合同航空機企業体社長のユーリ・スリュサールはSu-57の就役を2019年と語っている。
  4. T-50はPAK-FA(Prospective Airborne Complex of Frontline Aviation第一線航空運用の将来機材複合体構想)の一環としてエイビオニクス、ステルス、武装の改修を受けている。8月9日に設計主任セルゲイ・コロコフが同機用次世代エンジン製作に取り組んでいると認め、推力増と燃料効率改善、さらに製造単価の削減と信頼性がいずれも現状機材より向上するという。
  5. 来年には6機がロシア航空宇宙防衛軍に引き渡される予定で2020年までに55機納入し、その後本格生産になる。■

言葉だけ先行しながら米軍に北朝鮮対応の緊急体制見られず>トランプ大統領の資質が問われそう


言葉の使い方は本人の思考の裏返しで比較するとトランプと金正恩はよく似ているのではないかと思えます。すでに経済界には影響が出ているのですが、このまま言葉の応酬が続くのか、北朝鮮に先制攻撃をあえてさせるのか、どちらにせよ米軍が出動する体制を整えるのにはまだ時間がかかるということでしょう。それまでに言葉を使い果たしてしまいそうです。トランプ大統領の軍事センスが試されそうです。その責任は本人より補佐する面々が大といえますね。

There Are No Signs That US Forces Are About To Go To War With North Korea

北朝鮮と戦闘開始する構えが全く見られない米軍部隊


Despite President Trump's tough talk, America's military posture remains unchanged. トランプ大統領の強硬発言と裏腹に米軍の態勢に変化なし

 BY TYLER ROGOWAYAUGUST 11, 2017

写真 トランプ大統領と主要外交チーム AP


  1. ことばの応酬が先行し行動がともなっていない。ドナルド・トランプ大統領が思慮にかける声明で北朝鮮を非難したため一気にヒステリー状態になったが米軍が北朝鮮と戦火を開く兆候は見られない。確実に日常活動の範囲のままだ。
  2. 数時間前にトランプはこうツイートした。
「軍事解決の準備が完了して、照準を合わせ装填完了した。北朝鮮が愚かな行動に出れば対応する。金正恩には別の途を選んでほしい!」 Follow
  1. 朝鮮半島や周辺地域に展開中の米軍部隊はもともと「すぐ戦う」準備を維持している。さらにトランプの「炎と怒り」コメント、太平洋軍司令部およびジェイムズ・マティス国防長官も激烈なメッセージを出したが、朝鮮半島の戦場に出動する動きを示す装備は見られない。皆無だ。
  2. 戦闘航空機材を各地で支援する給油機の活動は見られない。該当地域にミサイル防衛装備の追加配備はなく、海兵隊、陸軍の地上増援部隊が韓国に出発する兆候はない。また韓国に向け出港する艦船はない。USSロナルド・レーガン空母打撃群も横須賀にとどまっている。
  3. 現地展開中の各部隊は長期戦略や防御の観点では相当の規模で約28千名あるが、いま開戦となれば適正規模とは言えない。仮に米国が先制攻撃で北朝鮮と限定戦するのなら、あるいは北朝鮮が米国、周辺同盟国を攻撃する構えを示したら、装備人員の大量投入が必要となる。
  4. こうしてみるとトランプ大統領の脅かしが空っぽであることがわかる。本人には戦闘準備のフェイントのつもりもないのだろう。このことから「炎の」発言はもっと大きな戦略の一部に過ぎないことがわかる。発言が真実なら行動が言葉を裏付けることになるのだが現実は逆だ。
  5. このため敵勢力に伝えるべきメッセージが明白かつ簡潔でなくなる。声明文の裏付けが目に見えなければ敵も信用しない。ここに信用度を巡る問題の本質がある。
  6. 同時に大統領の信ぴょう性、信頼性をめぐる問題が現れている。政治上の立場がどちらであっても国民が信頼できないと感じ、現実をうまく処理できないと思われる大統領では米国の国益に貢献できない。
  7. 「強力発言カード」を北朝鮮相手に使ってしまったわけだが、明らかに中身がない。もっと悪いことにこれが最初ではなく、内容はきびしい。トランプは前回空母打撃群が朝鮮半島とは反対の位置に展開していた事例から根拠のない軍事主張の教訓を学んだはずと思うかもしれない。残念ながらそうではなかったようだ。
  8. トランプは限定された情報時代で世界は回っていると考えているのかもしれない。本人はコンピュータを全然使わない。だがここに本人の危険な傾向が見え隠れする。トランプは自分がいえばすべて真実だと思う傾向がある。
  9. 実際には北朝鮮に向けた軍事圧力に新しい内容は皆無だ。金正恩一味は米大統領の発言と米軍行動の不一致を明確に把握しており、今後出てくる米軍最高司令官の発言を無視し、恐ろしい戦闘状態の実現回避で重要な局面を見逃すかもしれない。
  10. ツイッターや即応で発した憤激発言で大統領の外交軍事戦略の構想が判るのが現状だ。さらにトランプはヴェネズエラへの軍事介入も検討していると言っているのだ。
Contact the author: Tyler@thedrive.com