言葉の使い方は本人の思考の裏返しで比較するとトランプと金正恩はよく似ているのではないかと思えます。すでに経済界には影響が出ているのですが、このまま言葉の応酬が続くのか、北朝鮮に先制攻撃をあえてさせるのか、どちらにせよ米軍が出動する体制を整えるのにはまだ時間がかかるということでしょう。それまでに言葉を使い果たしてしまいそうです。トランプ大統領の軍事センスが試されそうです。その責任は本人より補佐する面々が大といえますね。
There Are No Signs That US Forces Are About To Go To War With North Korea
北朝鮮と戦闘開始する構えが全く見られない米軍部隊
Despite President Trump's tough talk, America's military posture remains unchanged. トランプ大統領の強硬発言と裏腹に米軍の態勢に変化なし
写真 トランプ大統領と主要外交チーム AP
- ことばの応酬が先行し行動がともなっていない。ドナルド・トランプ大統領が思慮にかける声明で北朝鮮を非難したため一気にヒステリー状態になったが米軍が北朝鮮と戦火を開く兆候は見られない。確実に日常活動の範囲のままだ。
- 数時間前にトランプはこうツイートした。
「軍事解決の準備が完了して、照準を合わせ装填完了した。北朝鮮が愚かな行動に出れば対応する。金正恩には別の途を選んでほしい!」 Follow
- 朝鮮半島や周辺地域に展開中の米軍部隊はもともと「すぐ戦う」準備を維持している。さらにトランプの「炎と怒り」コメント、太平洋軍司令部およびジェイムズ・マティス国防長官も激烈なメッセージを出したが、朝鮮半島の戦場に出動する動きを示す装備は見られない。皆無だ。
- 戦闘航空機材を各地で支援する給油機の活動は見られない。該当地域にミサイル防衛装備の追加配備はなく、海兵隊、陸軍の地上増援部隊が韓国に出発する兆候はない。また韓国に向け出港する艦船はない。USSロナルド・レーガン空母打撃群も横須賀にとどまっている。
- 現地展開中の各部隊は長期戦略や防御の観点では相当の規模で約28千名あるが、いま開戦となれば適正規模とは言えない。仮に米国が先制攻撃で北朝鮮と限定戦するのなら、あるいは北朝鮮が米国、周辺同盟国を攻撃する構えを示したら、装備人員の大量投入が必要となる。
- こうしてみるとトランプ大統領の脅かしが空っぽであることがわかる。本人には戦闘準備のフェイントのつもりもないのだろう。このことから「炎の」発言はもっと大きな戦略の一部に過ぎないことがわかる。発言が真実なら行動が言葉を裏付けることになるのだが現実は逆だ。
- このため敵勢力に伝えるべきメッセージが明白かつ簡潔でなくなる。声明文の裏付けが目に見えなければ敵も信用しない。ここに信用度を巡る問題の本質がある。
- 同時に大統領の信ぴょう性、信頼性をめぐる問題が現れている。政治上の立場がどちらであっても国民が信頼できないと感じ、現実をうまく処理できないと思われる大統領では米国の国益に貢献できない。
- 「強力発言カード」を北朝鮮相手に使ってしまったわけだが、明らかに中身がない。もっと悪いことにこれが最初ではなく、内容はきびしい。トランプは前回空母打撃群が朝鮮半島とは反対の位置に展開していた事例から根拠のない軍事主張の教訓を学んだはずと思うかもしれない。残念ながらそうではなかったようだ。
- トランプは限定された情報時代で世界は回っていると考えているのかもしれない。本人はコンピュータを全然使わない。だがここに本人の危険な傾向が見え隠れする。トランプは自分がいえばすべて真実だと思う傾向がある。
- 実際には北朝鮮に向けた軍事圧力に新しい内容は皆無だ。金正恩一味は米大統領の発言と米軍行動の不一致を明確に把握しており、今後出てくる米軍最高司令官の発言を無視し、恐ろしい戦闘状態の実現回避で重要な局面を見逃すかもしれない。
- ツイッターや即応で発した憤激発言で大統領の外交軍事戦略の構想が判るのが現状だ。さらにトランプはヴェネズエラへの軍事介入も検討していると言っているのだ。
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