スキップしてメイン コンテンツに移動

言葉だけ先行しながら米軍に北朝鮮対応の緊急体制見られず>トランプ大統領の資質が問われそう


言葉の使い方は本人の思考の裏返しで比較するとトランプと金正恩はよく似ているのではないかと思えます。すでに経済界には影響が出ているのですが、このまま言葉の応酬が続くのか、北朝鮮に先制攻撃をあえてさせるのか、どちらにせよ米軍が出動する体制を整えるのにはまだ時間がかかるということでしょう。それまでに言葉を使い果たしてしまいそうです。トランプ大統領の軍事センスが試されそうです。その責任は本人より補佐する面々が大といえますね。

There Are No Signs That US Forces Are About To Go To War With North Korea

北朝鮮と戦闘開始する構えが全く見られない米軍部隊


Despite President Trump's tough talk, America's military posture remains unchanged. トランプ大統領の強硬発言と裏腹に米軍の態勢に変化なし

 BY TYLER ROGOWAYAUGUST 11, 2017

写真 トランプ大統領と主要外交チーム AP


  1. ことばの応酬が先行し行動がともなっていない。ドナルド・トランプ大統領が思慮にかける声明で北朝鮮を非難したため一気にヒステリー状態になったが米軍が北朝鮮と戦火を開く兆候は見られない。確実に日常活動の範囲のままだ。
  2. 数時間前にトランプはこうツイートした。
「軍事解決の準備が完了して、照準を合わせ装填完了した。北朝鮮が愚かな行動に出れば対応する。金正恩には別の途を選んでほしい!」 Follow
  1. 朝鮮半島や周辺地域に展開中の米軍部隊はもともと「すぐ戦う」準備を維持している。さらにトランプの「炎と怒り」コメント、太平洋軍司令部およびジェイムズ・マティス国防長官も激烈なメッセージを出したが、朝鮮半島の戦場に出動する動きを示す装備は見られない。皆無だ。
  2. 戦闘航空機材を各地で支援する給油機の活動は見られない。該当地域にミサイル防衛装備の追加配備はなく、海兵隊、陸軍の地上増援部隊が韓国に出発する兆候はない。また韓国に向け出港する艦船はない。USSロナルド・レーガン空母打撃群も横須賀にとどまっている。
  3. 現地展開中の各部隊は長期戦略や防御の観点では相当の規模で約28千名あるが、いま開戦となれば適正規模とは言えない。仮に米国が先制攻撃で北朝鮮と限定戦するのなら、あるいは北朝鮮が米国、周辺同盟国を攻撃する構えを示したら、装備人員の大量投入が必要となる。
  4. こうしてみるとトランプ大統領の脅かしが空っぽであることがわかる。本人には戦闘準備のフェイントのつもりもないのだろう。このことから「炎の」発言はもっと大きな戦略の一部に過ぎないことがわかる。発言が真実なら行動が言葉を裏付けることになるのだが現実は逆だ。
  5. このため敵勢力に伝えるべきメッセージが明白かつ簡潔でなくなる。声明文の裏付けが目に見えなければ敵も信用しない。ここに信用度を巡る問題の本質がある。
  6. 同時に大統領の信ぴょう性、信頼性をめぐる問題が現れている。政治上の立場がどちらであっても国民が信頼できないと感じ、現実をうまく処理できないと思われる大統領では米国の国益に貢献できない。
  7. 「強力発言カード」を北朝鮮相手に使ってしまったわけだが、明らかに中身がない。もっと悪いことにこれが最初ではなく、内容はきびしい。トランプは前回空母打撃群が朝鮮半島とは反対の位置に展開していた事例から根拠のない軍事主張の教訓を学んだはずと思うかもしれない。残念ながらそうではなかったようだ。
  8. トランプは限定された情報時代で世界は回っていると考えているのかもしれない。本人はコンピュータを全然使わない。だがここに本人の危険な傾向が見え隠れする。トランプは自分がいえばすべて真実だと思う傾向がある。
  9. 実際には北朝鮮に向けた軍事圧力に新しい内容は皆無だ。金正恩一味は米大統領の発言と米軍行動の不一致を明確に把握しており、今後出てくる米軍最高司令官の発言を無視し、恐ろしい戦闘状態の実現回避で重要な局面を見逃すかもしれない。
  10. ツイッターや即応で発した憤激発言で大統領の外交軍事戦略の構想が判るのが現状だ。さらにトランプはヴェネズエラへの軍事介入も検討していると言っているのだ。
Contact the author: Tyler@thedrive.com

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ