いいな、こんな機会があって。こっちも見てみたいですが、どこまで現実に感じられるでしょうか。ドローンという表現は無人機(英語では人=男性)の言葉を嫌ったヒラリーが意図的に使ったことばで米空軍では一貫して遠隔操縦機と正式に読んでいます。ヒラリーが落選してもドローンはまだ残っていますね。当ブログではヒラリーが嫌いなこともありドローンの表現は使っていません。航空自衛隊は大型のグローバルホークをまず導入し、プレデターは使わないのでしょうか。朝鮮半島攻撃用に使い勝手のいい機材のはずですが、運用態勢の整備が大掛かりですぐには間にあわないでしょうし、パイロット頂点としたヒエラルキーにひびが入るのは組織上抵抗があるのでしょうか。今は遠隔操縦ですが、自律飛行の機種の登場も待ったなしで悠長なことは言ってられないのですけどね。
ニューメキシコの澄んだ青空から飛び出したMQ-9リーパーがホローマンAFBにいる記者の頭上を通過した。
Don’t Fear the Reaper: A Rare Look inside Remotely Piloted Aircraft Operations at Holloman Air Force Base
リーパーを運用するホローマン空軍基地内の遠隔操縦機の運用状況を視察する貴重な機会を得た
- 何も聞こえなかった。雲一つない明るいニューメキシコ砂漠上空にバス車内からきらりと光るものが一瞬見えた気がした。もう一度眺めてみたが何もない。音もない。空には何もなかった。するともう一度光るものが見えた。今度は場所が分かった。だが遅すぎた。リーパーはすでに頭上にいた。
- ジェネラルアトミックスMQ-9リーパー戦闘航空機の飛行する様子は初めて見た。この経験はジェット戦闘機の雷鳴のような飛行、ターボプロップのうなりとは別格だ。わずか900馬力のハネウェル製ターボプロップの回転音はおもちゃのようだ。米軍装備で最高の威力がある機体の動力とは思えないほどだ。
- ホローマンAFBはニューメキシコにあり、米空軍第49遠隔操縦航空機(RPA)飛行団の本拠地だ。同隊には第6、第9、そして特徴ある第29攻撃飛行隊があり、MQ-9リーパー遠隔操縦機材の新規パイロット養成学校としてリーパー運用に必要なパイロット二人体制の初期資格につながる訓練を行う。第29攻撃飛行隊(ATKS)はMQ-9飛行要員の養成機関として全米唯一の存在と言われる。このため同隊は高い需要に対応している。
- 遠隔操縦機は誤解の対象となってきた。「ドローン」のフィクションや人的制御を離れて勝手に作動するとの危惧からだ。リーパーのような遠隔操縦機にフライバイワイヤで操縦する有人機以上の機能があるわけではない。
- 敵側が遠隔操縦機に電波妨害や制御を乗っ取りをしかける数少ない例が2011年12月に発生し、RQ-170センティネル遠隔操縦機をイラン軍が捕獲している。この事件は極めて異例で有人機のハイジャック(9/11米国襲撃事件など)のリスクの方が高い。
- 通信の保安措置により機体と飛行要員の接続状況は高度化し常に改良されている。遠隔操縦機が破壊されても操縦要員の生命に危害はない。この例が2009年のアフガニスタンで発生し飛行中に機体制御不良を起こした遠隔操縦機が米軍機により破壊されている。
- 先週のことTheAviationist.comはメディア向け視察の招待を受けてホローマン基地のRPA訓練運用施設を目にすることができた。同訓練校ではジェネラルアトミックスMQ-9リーパー各型を使い、プレデター運航要員の訓練を主に行っている。
ホローマンAFBで訓練ミッションに使うリーパー各機の遠景。
- 施設内見学では要員が各自の名札に半透明テープを貼り保安対策していた。訓練では現実世界を想定していた。プレデターパイロット向け訓練で正式な資格を取得したあとわずか37分後に実弾を戦闘地区内の実際の標的に向け発射すると教官が述べている。ここまでの戦闘即応度は現在の多術航空作戦で他に例がない。
氏名をテープで隠した米空軍MQ-9リーパーのパイロットがホローマンAFB上空を飛行する機体からのビデオ画像を説明してくれた。.
- プレデターの運用要員と機体は保安体制の上に保安措置を講じたニューメキシコ遠隔地の背後に配置されている。遠隔操縦機の投入で展開時間は限りなくゼロにちかづくため、ホローマン基地内の制御用コンテナにいると戦闘地区の前線滑走路の上に立つのと同じだ。
MQ-9機首下のセンサーボールの中に各種光学センサー、カメラが収まり、飛行要員んに飛行運用の様子を伝える
- ブリーフィングでは光学センサーや飛行制御計器のコックピット用画像情報が実際の飛行中機体からモニターに写されていた。軽飛行機のように見えるが実はステルスの戦闘航空機MQ-9プレデターなのだ。見ているとMQ-9は着陸アプローチ訓練をしており、パイロットの飛行制御入力に機体が反応する様子がわかった。これは実は高性能軽戦闘航空機なのだ。
MQ-9リーパー遠隔操縦機の「コックピット」を見るのは貴重な機会
- 2017年3月に米空軍ダリル・ロバートソン中将が空軍協会主催航空戦シンポジウムの報道円卓会議で「米空軍ではMQ-1プレデターやMQ-9リーパーの任務が他機種より多くなっている」と語ったとウェブサイトMilitary.comが伝えていた。
- 遠隔操縦機の運用拡大とあわせ飛行乗員の需要が高まることから第49飛行団が多忙な拠点になるのは当然だろう。■
運用上重要であることを反映してリーパー制御コンテナまわりの保安体制は厳重だ。
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