2020年4月5日日曜日

これが米陸軍の最強兵器5点だ




強力な兵器に関する限り米陸軍に不足ということばは存在しない。中には驚くほど高価格な装備、複雑すぎる装備もあり、政治家や防衛産業がイチオシの装備が第一線の兵員に嫌われることもある。

とはいえ、今日の米陸軍は小規模戦、対戦闘員戦から大規模機械化戦までの各種設定で驚くほどの規模の火力を展開できる。以上を念頭に米陸軍の花形装備を見てみよう。

AH-64

米陸上部隊の最強兵器が航空機というのは皮肉だ。だが米軍の戦闘実績や今後発生しそうな戦闘を見れば、航空戦力が最大なまで決定的な力を発揮するのは確かだ。

30ミリ機関砲、ヘルファイヤミサイル、高性能センサーを搭載したアパッチは速力、火力、航続距離の組み合わせで地上部隊の有効射程に入る前に敵軍を撃破する力を陸軍に実現した。アパッチは砂漠の嵐作戦からアフガン戦に至るまで各地で投入されてきた。

重要なのはアパッチは陸軍が独自運用する航空戦力であり、空軍や海軍の機材による近接航空支援に依存しなくても良い点だ。攻撃ヘリコプターが地上部隊の代わりになることは今までもこれからもない。だが地上部隊は攻撃ヘリコプターによる支援をありがたく感じるはずだ。


M-1 エイブラムズ

M-1エイブラムズが世界最高の戦車なのかは相手が誰かで変わり、もっと重要なのは相手の出身国により変わる。とはいえ、M-1が世界最高の部類の戦車であることは間違いない。

車体重量60トンのM-1A2は120ミリ主砲を搭載し、劣化ウラン装甲は3フィートの厚みがあり、時速40マイル超で走行できる。1991年にはソ連製装甲車両をイラクで撃破し、中国の99式戦車も同様に撃破できるだろう。戦闘中に破壊されたエイブラムズはごく少数だが、ISISがイラク政府のM-1を捕獲したり破壊しているのは戦車自体というより乗員の質の問題だろう。

M-109A6 パラディン

強力な自走式榴弾砲である同装備は最近米国が関与した小規模戦では出番がなかったが、強力な装備であることは確かだ。パラディンはM-109走行式装備の最新版で、ロケット推進式の155ミリ榴弾を20マイル地点まで飛ばす。GPS誘導またはレーザー誘導のエクスキャリバー弾も発射できる。

TOW対戦車ミサイル 

対戦車ミサイルではロシアが最大の供給国のようで、西側の装甲装備がロシア他の各国に大きな脅威になっている証拠だ。だが米陸軍も対戦車ミサイルを整備していることはしばしば忘れられている。

TOW(チューブ発射式、光学追尾優先誘導方式)対戦車ミサイルは供用開始し45年近くになる今でも強力だ。ヴィエトナムではロシア製戦車を撃破し、アラブ=イスラエル戦争、イラン=イラク戦さらに今はシリアで威力を発揮している。新型のTOW 2Bは地下壕破壊用ミサイルにもなり、エアロモデルは戦車上空で爆裂し薄い上部装甲を貫通する。

M2 .50口径機関銃

80年もの間供用されてきた機関銃を陸軍最強の兵装とするのには抵抗があるかもしれない。だがM2「マジュース」は数え切れない戦役に投入され効果を上げてきた驚くべき銃である。

フランクリン・ロウズヴェルトが大統領に就任し、ドイツでヒトラーが権力を掌握したころに開発されたM2は世界各地で対空、対車両、対人攻撃用の機関銃として機関砲に近い威力を発揮してきた。最新の改良版M2A1では簡単に交換できる弾倉と夜間の閃光減少装置がつく。■

この記事は以下を再構成したものです。

These Five Weapons Show Why No One Can Beat The U.S. Army

When it comes to lethal weapons, the U.S. Army has no shortage.
April 4, 2020  Topic: Security  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: ArmyMilitaryRussiaChinaU.S. ArmyM1 Abrams Tank

2020年4月4日土曜日

F-35よりグリペンに魅力を感じる国とは....

Saab Gripen

空宇宙産業の大手企業で Saab AB ほど特異な存在はない。共同開発が当たり前の現代の戦闘機開発で、小国スウェーデンが自力で輸出競争力のある戦闘機を生産している。JAS 39グリペンは数カ国が供用中でさらに十数カ国で採用の検討対象となっている。

開発の経緯
グリペンの誕生は1979年で、スウェーデン政府がそれまで供用してきたドラケン、ヴィゲンの後継機を国内で開発する決定をしたことが出発点だ。高性能ジェット戦闘機開発の能力を有する航空宇宙産業がある国でもスウェーデンは最小規模で、グリペンは同国の産業基盤を健全に保つ効果も生んだ。▶グリペンは第4世代機 (F-14、F-15、 F-16、F/A-18、 MiG-29、 Su-27) の全盛期に誕生し、各機の開発過程で得られた教訓を盛り込んだ。スウェーデンは意図的にステルス性能を付与しなかった。各国で購入可能な価格帯を実現するためだ。▶初飛行は1988年12月で初期作戦能力を1996年に獲得した。生産実績は306機で、事故で10機喪失している。

特徴 
グリペンの特徴は機体サイズの小ささと第4+世代の他機より低い価格だ。グリペンの単価は60百万ドル未満とされる。Jane’sの報道では運行経費で同機を下回る機種はないとある。▶グリペンはパイロットに優しい設計で有名で、画面表示が簡単に把握でき、インターフェイスが比較的単純だ。武装面ではメテオ空対空ミサイルを世界で初めて搭載し、視界距離外(BVR)兵装として最大80マイルまで敵機を追尾し破壊する。グリペンCではメテオを4発搭載し、グリペンEでは7発になる。▶グリペンEの最大離陸重量は16.5トンで、最大速力はマッハ2かつスーパークルーズを実現。航続距離は1500kmだ。BVR戦とドッグファイトで各機に劣らない。

供用国・検討中の国
Saabがグリペン輸出に成功したのはハンガリー、チェコ、タイ、ブラジル、南アフリカで、入札中はフィンランド、カナダ、ボツワナ、コロンビア、クロアチア、インド、インドネシア、フィリピンの各国だ。その他同機に関心を示す国は多い。▶Saabは技術移転に比較的寛容で、現地企業に一部部品製造を任せている。防衛支出の国内説明がつくので各国政府にグリペンは訴求力のある選択となる。▶ただし英国にグリペン輸出の拒否権があることに注目だ。これはBAEシステムズの関与が理由だ。このためアルゼンチンは同機を取得不能となった。▶グリペンの商業的成功は本質的な性能水準が理由ではないという向きがある。Saabをめぐり賄賂提供の噂が度々出ているが、訴追まで至った例は少ない。ブラジルではグリペン取得から当時の大統領ルーラ・ダ・シルバが窮地に追い込まれた。大統領の息子へ資金が流れたとされ、真相は未解明だ。▶スイスではグリペン22機の導入をめぐり住民投票騒動になり、清廉さを誇るオーストリア、チェコでも贈賄捜査がスキャンダルに発展している。

今後
各国の需要からグリペン生産ラインは今後も安泰だろう。グリペンを「戦闘機の将来像」と表現する向きがあるのは同機の価格帯と相当の性能さらにアップグレードが容易なためだ。「ソフトウェア第一」の姿勢で他機種よりもアップグレードが容易かつ安価に可能となる。▶とくにグリペンEは長期に渡り防空戦闘機として活躍するだろう。

まとめ 
グリペンの実戦投入例はまだない。グリペンは二級空軍部隊の主力で、実戦が現実になっていない各国で低価格から選択肢となっている。とはいえ、そうした各国でも実戦となればグリペンの性能を発揮する場となろう。低価格とあわせ整備が簡単なグリペンは戦闘投入の備えができている。■


Image: Saab.
この記事は以下を再構成したものです。

Not an F-35, But a Beast: Sweeden's Gripen Fighter Is One Heck of a Fighter Jet

Cheap, at least in this case, does not mean bad--or non lethal.
April 3, 2020  Topic: Security  Region: Europe  Blog Brand: The Buzz  Tags: SaabJAS-39 GripenSwedenFighterCorruption

Robert Farley, a frequent contributor to TNI, is a Visiting Professor at the United States Army War College. The views expressed are those of the author and do not necessarily reflect the official policy or position of the Department of the Army, Department of Defense, or the U.S. Government.

2020年3月31日火曜日

横田基地でこんな訓練をしているのは中国を意識し太平洋の有事に備えるため

  • 中国が突如ミサイル攻撃に踏み切れば、各地の航空基地が標的となり、航空機運用は通常ではない形で継続するというのが迅速戦闘展開構想で、今回は東京都でこれを試したということなのでしょうね。

Yokota Performs First-ever C-130J Assault Landing on Foxtrot Taxiway
第36空輸飛行隊所属の C-130J スーパーハーキュリーズが横田航空基地のF誘導路に着陸した。200年3月26日。今回は訓練で横田の施設を使い、主滑走路が何らかの理由で使用不可となっても運用を継続するのが目的だ。

横田航空基地---チームヨコタが3月26日F誘導路にC-130Jを初めて強行着陸させた。F誘導路はC-130Hが1991年から2001年にかけ使っていたが、横田基地の輸送機はその後主滑走路を利用していた。

誘導路の再利用で、演習では着陸地帯LZとなった。誘導路は主滑走路の代わりに着陸に使われる。滑走路が使えない場合にC-130はLZを使い前線部隊に物資補給をする事が多い。▶訓練では基地チームが短く狭く、混み合い、標識もない着陸帯で運用ができるかを試す意味もあった。▶臨時滑走路に航空機は単独で着陸できない。このため訓練にはC-130J乗員に加えチーム全員が航空運用を経験する意味もあった。▶「全員の努力で演習が成功し、全員が力をあわせたのはとてもよかった」(第374作戦支援隊(OSS)の飛行場運用責任者アーロン・チャーチ少尉)▶374OSS飛行場運用業務には航空管制、飛行場整備、レーダー・気象観測装備運用員を含む各種技能が必要で、すべて機能して横田基地を運用している。▶「飛行場運用でLZの測定・標識が必要で、C-130を着陸させるのはATCの任務です」とチャーチ少尉が述べた。「ここ横田基地の374OSSはそれぞれ技を磨き必要な事態に備えています」


今回の運用訓練は太平洋空軍PACAFのめざす「迅速戦闘展開」 Agile Combat Employment , ACE 構想の一部だ。▶「PACAFが基本作戦構想を作ったACEが現実になった。ここで訓練方法や隊員が実施できるようゼロから鍛えている」(チャーチ少尉)▶今回の飛行場運用訓練は初めてで、ACEに向けた訓練を各隊員が行いC-130J乗員にも強行着陸の予行演習となった。■


この記事は以下を再構成したものです。

Yokota Performs First-ever C-130J Assault Landing on Foxtrot Taxiway

By Yasuo Osakabe | 374th Airlift Wing | March 30, 2020

E-4B,E-6B-C-32Aの3機種を一気に新型機と交代させる....2020年代末が目標

こうした支援機材も更改の時期が迫っているのですね。特殊仕様の機材ばかりですが、大胆に予想すればE-4Bは777X、E-6は787、C-32はNMA(実現すれば)になるのでは。あ、みんなボーイングですね。エアバスを採用することはありえないと思います。

20200329_new_nightwatch (copy)
JOSH PLUEGER/U.S. AIR FORCE

ファット空軍基地を拠点とする「審判の日」機が姿を消す日が近づいている。
4機あるE-4Bナイトウォッチ別名国家空中作戦センターの後継機さがしを空軍が始めた。10年以内に交替する。審判の日の名のは核戦争が発生した場合に同機が核兵器の運用で重要な役割を果たすからだ。国防長官の移動にも使われている。
昨年12月に空軍は次期機体「残存可能空中作戦センター」(SAOC)を求めると公告を発表した。2月には事業者向けに説明会を開催した。
「国家的緊急事態や地上指揮統制施設が破壊された場合にSAOCが高度なまで残存可能な指揮統制通信(C3)機材として米軍に指示を出し、緊急作戦命令を発出し、民間向け諸機関との調整を図る、と空軍は説明。
議会は2019年、2020年通じ20百万ドルを計上し、E-4B、E-6Bマーキュリー、C-32Aの後継機選定作業を開始させた。トランプ政権は76.4百万ドルを2021年度予算に求めており、今後5年で5億ドル程度で新型機を求めるとしている。新型機は2020年代末に供用開始する。
大型で白色塗装のE-4はネブラスカの空ではおなじみの存在だ。1970年代中ごろにオファット空軍基地に配備された。機体は軍用仕様のボーイング747-200だ。
「747でも一番古い機体だ」とドン・ベイコン下院議員(共、ネブラスカ)はオファット基地の第55航空団を2011-12年に指揮していた時代を回想して述べた。「予備部品を見つけて保守管理するのは本当に大変だった」
同時に各機は空軍機材の中でもっとも運営経費が高い期待でもある。Business Insiderの試算が2016年にあったが、E-4Bを飛ばすと毎時160千ドルかかる。同機に続き高額なのはB-2ステルス爆撃機だがこれより30千ドル近く低い。
海軍のE-6Bはオクラホマシティに配備されているが、よくオファットに飛来している。主な任務はトライデント弾道ミサイル潜水艦とVLF(極長周波)通信を維持することで、洋上を正確な円弧を描く飛行を維持して全長5マイルのアンテナを伸ばす。
22機あるE-6Bはボーイング707-320の軍用仕様機で最後まで残る707機でもある。
C-32Aは6機あり、ボーイング757-200ジェット旅客機を副大統領、大統領夫人他閣僚の輸送用に使っている。製造は1990年代後半でアンドリュース空軍基地(メリーランド)が本拠地だ。副大統領が搭乗するとコールサインは「エアフォースツー」になる。
E-4Bが古くなったと言ってもオファットの第55航空団が世界各地で運用中のC-135を原型とする偵察機よりは新しい。
各機は1960年代前半に製造されており、RC-135のうち2040年代前に新型機と交代するのはごく少数だ。■

この記事は以下を再構成したものです。

Pentagon seeks $76 million next year to start replacing Offutt-based 'Doomsday' jets

 Mar 29, 2020

2020年3月29日日曜日

やはり中国ウィルスは生物兵器開発から生じたのか

世界の政治経済に大きな影響を与えている発生源が中国なのは明らかなのですが、各国は医療体制の崩壊を食い止め、死亡者を抑え込むのに必死で冷静に発生理由を考える余裕がありません。しかし、事が落ち着けば中国は国際社会から厳しい目にさらされ、中国人が一番恐れる面子の喪失、さらに政治経済体制の変更、または中国の退場につながるのではないでしょうか。そうなるとコロナウィルスなどという名称は笑止千万となります。中国の存在を極力表に出さないよう尽力したWHOも責任を取らされるでしょう。そのため本ブログでは中国ウィルスの名称を今後も続けます。2020年が中国衰退のスタートととなるのかは歴史が証明していくでしょう


COVID-19は生物戦の開発途中に生まれたのか。生物兵器の開発中にウィルスが意図的か偶然から漏出したと米中両国が陰謀説で非難しあっている。こうした事例で生物兵器投入が主張される事が多い。生物戦の試みはあったが、成功事例は稀だ。研究が進歩しても、生物手段の制御、管理がむずかしいため実際の投入となっていない。

生物戦の歴史

伝染病流行を見て、戦争に使えると考える人は常に存在してきた。感染者を敵地へ旅行させる、死体や汚染物を敵地に投入する等だ。実際にこうした策が試されてきたが、成功例はわずかだ。

その中でアメリカ先住民を天然痘に罹患させたヨーロッパの入植者の事例は数少ない成功例だ。とはいえ、効果はごく限られていたとの証拠がある。フォートピット駐留の英軍が天然痘患者の使った毛布をポンティアックの戦いでインディアンに使わせたが、効果は疑わしかった。数十年後に今度はオーストラリア原住民に英軍が同じ戦術を使ったとの記録がある。ただし、アメリカ入植者が先住民へ疾病を持ち込んだのは事実で、その最大の例がメキシコだ。コルテスの現地征服を天然痘流行が助けた。北米でも天然痘はじめ疾病の流行で先住民が減少したところに入植者が入り込んだ。

工業化の時代の初期での戦争で画期的な生物兵器の投入機会が増えた。第一次大戦でドイツは米国の家畜に炭疽菌感染を試みたが失敗している。第二次大戦中の主要国で生物戦の研究開発が続いたが、実際に投入したのは日本とソ連だけだ。日本は中国戦線に集中し、腺ペストやコレラを戦闘員民間人を区別せず流行させようとした。中国側に死者が発生したが、日本軍にも被害が生まれている。戦後も中国ではコレラ大流行が定期的に発生している。

ソ連が1942年にドイツ軍の侵攻を食い止めようと野兎病を生物兵器として投入したとの主張がある。ドイツ軍の夏攻勢の勢いがスターリングラードで衰えたが、感染が意図的に実施されたとする証拠は弱い。

ソ連と米国はそれぞれ生物兵器の大規模開発を戦後に開始し、旧敵側の研究成果を活用した。両国で事故やテストで民間人に被害が発生しているが、大規模流行は回避してきた。冷戦中に米ソが生物兵器を大規模投入したとの証明は難しいが、農作物の収穫を減らす効果がある生物学的手段を投入されたとしてキューバが米国を数回にわたり非難している。

非国家勢力は生物戦で一定の成果を上げてきた。ラジニーシ宗教カルト集団が1980年代のオレゴンでサラダバーにサルモネラ菌を入れようとしたが、大きな成功といえなかった。オウム真理教カルト集団は炭疽菌を1990年代に東京で散布しようとしたが、うまくいかず化学兵器に変更した。9-11事件後に、炭疽菌を郵送する手口で米国人に死者が生まれた。

避けられないリスク

感染を兵器に使うと使用側にも被害が生じるのが最大のリスクだ。上の例でも攻撃開始した時点で攻撃側に罹患発生の場合があり、攻撃防御双方に被害が生じる。

生物兵器攻撃の成功を左右するのは敵味方をどこまで区別できるかだ。自然の免疫性を自軍が有する場合に最大の効果が生まれる。前出のコルテスと原住民の関係がこれに当たる。ただし生物兵器の影響は使用後も残ることがあり、当初の想定を超えた流行が発生することもある。
これ以外に、対象国の政治経済制度がパンデミックの回避能力で攻撃側より劣ると生物兵器が効果をあげやすい。同様に家畜や農産物への攻撃が大規模被害を生む場合がある。ただし、大流行を発生させ敵に大きな損害を与えつつ自らには軽度の影響しか発生しないと考えれば大きなリスクとなり、さらに国際条約上で非難され、違反を指摘される。

まとめ

人類の歴史を通じ疾病で死亡した人口は戦争の被害者を上回ってきた。疾病を兵器として投入が試みられてきた。自国内の流行を敵国にしわざと非難されてきた。だが生物戦の成功事例は限られ、逆に国際社会は生物戦へ反感を強めた。将来において国家なりテロ集団が生物兵器を効果的に使う方法を発見する可能性はあるものの、本当に効果を生むかは推測の域を出ない。■

Robert Farley, a frequent contributor to TNI, is a Visiting Professor at the United States Army War College. The views expressed are those of the author and do not necessarily reflect the official policy or position of the Department of the Army, Department of Defense, or the U.S. Government.

この記事は以下を再構成したものです。

Does Coronavirus Prove Biological Warfare Is Coming?

March 28, 2020  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: CoronavirusBiological WarfarePandemicMilitaryWar

2020年3月28日土曜日

中国の廉価版輸出専用戦闘機JF-17にF-16のDNAが入っている

https://www.reutersconnect.com/all?id=tag%3Areuters.com%2C2013%3Anewsml_GM1E96C1U5301&share=true

JF-17戦闘機は輸出用の機材。中国は同機の改良を行ってきた。そのJF-17に米F-16のDNAが入っているとはどういう意味か。

JF-17「サンダー」多任務戦闘機は中国の輸出用機材の成功例だ。最初から輸出想定で開発され、供用までの道は決して平坦ではなかったがし、開発期間は数十年に及び米国もその途中で関与している。設計面ではMiG-21とF-16ファイティングファルコンを融合させた。最新型JF-17では性能をさらに上げている。だがJF-17誕生に米国がどう関与したのか。古い設計の機体が十分に通用するのだろうか。

JF-17はパキスタン空軍が運用する成都航空機(CAC)製J-7戦闘機のアップグレード構想から生まれた。パキスタンはソ連に対抗するアフガニスタンのムジャヒディン支援で中継役を務めていた。米国はパキスタンへの防衛協力に前向きだったが、ソ連の次世代軽量戦闘機MiG-29配備を見たパキスタンは対抗可能な機種を求めてきた。

ここから生まれたプロジェクトセイバーIIでJ-7近代化改修をCACとグラマンが共同実施した。セイバーIIはJ-7の機体延長、空気取り入れ口の変更を主にした。ただしセイバーIIでは米戦闘機はおろかMiG-29の水準にも到達できず、セイバーIIは打ち切りとなった。

だがこの3国は1980年代末にと「スーパー7」事業を立ち上げた。今回は翼幅を延長し、F-16に近くしたほか、以前の空力学的改良も採用した。グラマンは1989年に天安門事件を理由に事業から抜け、事業はその後10年を中国とパキスタンの交渉を横目に薄氷を踏む展開となった。1992年には事業採算の事前評価が行われ、結果が良好だったため開発合意書が締結された。

1998年、中国とパキスタンはスーパー7事業を再開した。費用はパキスタン政府とCACの折半とし、機体名称はJF-17に変更された。グラマンが抜け、新しいエンジンが必要だった。ロシアのミコヤン設計局から解決策としてクリモフRD-93エンジンが提示された。これはMiG-33用のエンジンだったが同機開発は中止となっていた。

もうひとつ革新的な技術が開発中に加わった。境界層隔壁なしの超音速空気取入口(DSI)で、その後改良を加え現行のJF-17に採用されている。試作一号機が2003年に初飛行した。2006年には機体は完成度を高め量産に入ろうとしていた。

パキスタン向け第一陣はブロックIと呼ばれ、ブロックIIのJF-17は改良が加わり、複合素材で軽量化した他、空中給油機能、フライ・バイ・ワイヤの全面的採用し、レーダーも変更した。中国からRD-93の代わりに自国開発のWS-13の提示があったが、パキスタンはロシア製エンジンに固執した。

ブロックIIIで中国はAESAレーダー搭載をめざし、エイビオニクスや兵装互換性も改良したいとする。標準型JF-17ではMIL-STD-1760標準のデータバスが一部で使え、西側や東側兵装と互換性がある。ただし、JF-17の弱みは搭載機関砲で、MiG-21以来の銃身二本のGSh-23のままだ。同機関砲は他機種の兵装より劣る。ただし、近代戦での機関砲の使用頻度を考えると、さしたる問題ではないかもしれない。

JF-17最大の利点は価格だ。わずか15百万ドルという基本価格にかなう機体は中古機材も含め存在しない。ブロックIIもほぼ同額で、ミャンマーは単価16百万ドルで導入している。貧乏国でもこれだけの低価格で比較的新型の機材を入手できる。その価格で本当に戦闘に対応できるかは未実証だが、パキスタンは同機の性能に満足しているようだ。中国は旧世代の格安戦闘機MiG-21を改良してF-16の設計要素を盛り込むことで現代の要望にあう機体を完成させたのである。■

Charlie Gao studied political and computer science at Grinnell College and is a frequent commentator on defense and national-security issues. This first appeared in 2020 and is being reposted due to reader interest.
Image: Reuters

この記事は以下を再構成したものです。

Why China's Jf-17 Fighter Has American F-16 "DNA"

A complicated history.
March 26, 2020  Topic: History  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: ChinaAir ForceMilitaryTechnologyJetFighterJF-17Pakistan