2021年1月26日火曜日

中国の弱み② 海外基地が確保できない、真の同盟国ネットワークがないまま、艦艇を長期間海外で活動させられない(とりあえず今の時点では)

中国の弱み ② カンボジアで海軍基地確保の動きがありますが、中国は価値観の共有といった同盟関係の深化に至らず、場所だけ利用して使い捨てするイナゴのような勢力にではないでしょうか。トランプ政権はPRCをOC(組織犯罪集団)と認定しようとしましたが、まさしくここに中国の弱みがあると思います。


タンザニアの首都ダル・エス・サラームに寄港した中国軍艦。Aug. 16, 2017. Xinhua Photo

 

「世界最大の海軍」の大きな弱点は国外に造船所や港湾施設を正しく運用できる人員が確保できず、艦艇の遠隔地派遣が継続できない点だと中国の弱みを研究した共著者が明らかにした。

 

戦略予算分析センターのオンラインフォーラムでトシ・ヨシハラは「中国国内のアナリストには米国が享受する横須賀やインド洋のディエゴガルシアの技能員は夢のレベル」と指摘した。

 

中国は人民解放軍海軍を支援してくれる「遠隔地」国を確保するのに苦労しており、有事となれば弱点を露呈するだろう、という。さらに米国が第二次大戦後に構築してきた基地、整備施設、同盟国を超える内容を入手するのは中国には極めて困難で、巨額費用が必要となる。

 

ヨシハラは「全ての場所で中国と競うことは不可能」とし、このため米国は同盟国協力国と「中国の狙いを困難にさせる」選択肢を追い求めるべきと主張した。例として「インド洋の防衛能力の実証」があり、中国の弱みを突くべく「ディエゴ・ガルシア防空能力」を示すのが「ピンポイントで具体的な効果を生む」という。報告書では画期的技術を運用すれば中国式思考の裏をかくことが可能とある。

 

報告書では中国を局地大国かつグローバル大国と位置づけていると当日司会したジョン・リーが紹介している。

 

「中国の強みと弱みは時代ともに変化して」おり、米国の同盟国・協力国により状況が動けば同時に変化していく。オーストラリアから参加したリーは習近平主席が「ハイリスク、ハイペイオフ戦略」を追求しており、中国は「遠隔地、近隣地、大陸周辺部にあまねく資源を配分している」とする。

 

中国がグローバル軍事大国を目指すのは「大規模な経済権益」追求のためとヨシハラは述べた。中国は10年近く前のリビア危機から教訓を得て、内戦発生国で「自国民を保護する」必要を痛感した。中国指導部は自国に「自国民とその財産を保護する資源も意思双方が存在する」と見ているという。

 

だが「中国の基地構築は負債」になると見るのは“Seizing on Weakness: Allied Strategy for Competing with China’s Globalizing Military”(中国の弱みを逆手に取る:中国のグローバル拡大する軍事力に対抗する西側戦略)の著者ジャック・ビアンキだ。

 

基地受け入れ国は自国と関係ない有事でも危険に巻き込まれる。この弱みを和らげようと「新しく約束すれば別の約束を招き」有事対応はできても、費用はどんどん上昇するというのがビアンキの意見だ。

 

Chinese sailors. Xinhua Photo

 

現在、中国はジブチに基地を持ち、アフリカ東海岸と南太平洋で利用可能な施設を模索している。パネルディスカッション参加者から中国はまず商用利用を持ちかけ、ダム、高速道路、空港や港湾といったインフラ構築を提案するのが常套手段との指摘が出た。

 

中国が持ちかける巨額借款返済案で返済不履行が実際に発生しており、低品質医療製品で医療従事者が危険になる事態もあり、中国の言うままに実施に移し、中国製品を購入することへ警戒心が高まっている。

 

最近は「デジタル版シルクロード」構想で世界の通信ネットワーク近代化を中国が提案しており、他国で追随できない規模だ。米国はファーウェイはじめ中国企業との事業はスパイ活動に道を開くとの警告を各国に出している。

 

ビアンキからは中国は新規施設の立ち上げコストを負担することで海軍用の港湾施設等を維持しているとし、中国の負担コストは米国の同等施設より高額になっている可能性があると指摘している。

 

報告書ではこうした関係から「成果が即座に出る」ことはないとし、信頼や価値観の共有、相互作用の仕組みが構築されていること、さらに密接な関係の実績といった目に見えない成果があってこそ結果が出るとある。中国が受入国候補と見る各国との関係にこうした必須条件は不在とある。

 

ヨシハラは中国が遠隔地に海軍基地を持つ問題の要点は機能の質、受入国の耐久性、信頼性に加え、該当国の施設や人員そのものと指摘する。

「グローバル展開はとても困難」とビアンキも発言した。

 

ビアンキは中国共産党が海外基地保有問題に直接関与する事態が来ると見ている。その理由として中国指導層が「包囲陣への恐怖心」を陸上海上双方で抱く歴史的背景を上げた。

 

報告書では「中国には逃げ場のないジレンマが大陸と海洋の2方面にあり、世界規模の野望への制約となっている」とあり、中国の戦略思考家は海上への動きを「ロシアとの和合で海洋進出の余裕が生まれたこの三十年の変化のたまもの」と表現している。

 

ヨシハラは「近隣地区の安全保障課題が」陸海での中国の拡張主義の「重しになる」可能性に言及した。「沖合での引火点になりそうなのが、台湾、尖閣諸島、スプラトリー諸島でこうした場所を想定した装備ではグローバル規模のミッションには投入できない。たとえば短距離弾道ミサイルや沿岸配備の戦術戦闘機、さらに沿岸戦闘艦艇では遠隔地での運行に支障が出る」という。

 

「第一列島線」の課題では台湾が筆頭で、米国が航行の自由を掲げ台湾海峡を通行する計算済みリスクを取る、台湾に軍事装備販売を増やす、非対称防衛体制に重点を移す、あるいは米高官の台湾訪問が増えることが想定される。

中国はこうした動きはすべて「一つの中国原則」に反すると非難するのが常だ。中国の解釈は台湾は中国の地方省にすぎず、最終的に本土へ再統一されるとする。米海軍艦艇の台湾海峡通過で中国は空母を同じ海峡で通行させた。

 

ビアンキ、リーの両名は台湾は中国対応で自らの役目の重要性を認識すべきと主張し、従来型装備への予算投入を非対称型防衛体制に切り替えるべきとする。中国の脅威に対抗し、日本との協力関係を深化させる政策も必要との意見だ。

 

米国と条約上の同盟国であるフィリピンも第一列島線に位置する。トランプ政権は2020年初頭に中国の過剰な領土主張を一蹴し、スプラトリー諸島問題でフィリピンを有利にるる見解を発表した。

 

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Chinese Navy Faces Overseas Basing Weakness, Report Says - USNI News

By: John Grady

January 22, 2021 4:19 PM

 

バイデン就任直後に第一線軍用機を台湾へ大量飛来させたPRCの意図は何か。一方で、USSロウズベルト打撃群が南シナ海入り。台湾・南シナ海の動向に注意。

 台湾へは神経戦、宣伝工作などあらゆる手段を中国が行使してくるでしょうが、台湾には効果が出てきていません。面子を潰されたと感じれば、大陸側がどんな動きに出るかわかりません。今日の台湾は明日の沖縄、日本本土です。台湾との連携を深める時期が来ていますが、日本政府はどう動くでしょうか。こうした日常の出来事にはご関心が低いようです。

 

人民解放軍のH-6爆撃機が台湾防空識別圏付近を飛行している。Sept. 18, 2020. (Taiwan Ministry of National Defense via AP)

 

中両国の軍事活動が台湾・南シナ海周辺で活発化しており、バイデン政権が台湾支援継続を表明するや両陣営による外交面の舌戦も鋭くなってきた。

 

台湾国防省は台湾防空識別圏へ飛来する中国軍機の状況を毎日公表しており、1月23日24日の週末にはそれぞれ13機、15機を探知した。

 

今回は人民解放軍の活動としては目立つ動きで、従来は台湾防空識別圏に侵入するのはこれまで数機止まりで、対潜哨戒機や情報収集機が多かったからだ。今回は西安H-6K爆撃機、成都J-10、瀋陽J-16、さらにロシア製スホイSu-30が飛来した。

 

台湾周辺にこれだけの機材を飛ばした理由が台湾へメッセージを送るためだったのかは不明だ。

 

これまでも航空活動の強化はあった。米高官の訪台を睨んで挑発行為していた。今回は台湾の事実上の駐米大使蕭美琴Bi-khim Hsiaoがバイデン大統領就任式典に参列し、台湾外交使節として就任式参加は1979年以来初となった。

 

今回の中国軍航空活動の強化に対し米国務省が早速反応し、「PRCによる台湾含む隣国への嫌がらせ活動が続くパターンに懸念している」と声明発表し、「中国政府は軍事、外交、経済面で台湾へ圧力をかけるのを止め、かわりに台湾の民主政体と意味のある対話をすべきだ」と主張した。

 

土曜日に米海軍空母USSセオドア・ロウズベルトもバシー海峡を経由し南シナ海へ進入した。C-2Aグレイハウンド輸送機がフライト追跡ウェブサイトに現れ、海峡から高度を上げる状況が見えたことで空母が同地域に入ったことをうかがわせた。米インド太平洋軍の公式発表が翌日あり、同空母打撃群が「海洋安全保障作戦として、固定翼回転翼機の航空活動を実施する他、海上攻撃演習や戦術訓練を水上艦、航空機間で行う」とある。

 

同司令部は韓国駐留の米空軍U-2高高度偵察機も動員しているようで、やはり上記ウェブサイトでオサン基地を離陸し、南シナ海に進出する状況が月曜日朝にみつかり、同日中に帰投していた。

 

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China, US step up military activities near Taiwan

By: Mike Yeo 


2021年1月25日月曜日

歴史に残る機体30 ロッキード・マーティンF-16ファイティングファルコンはベトナム戦の教訓から生まれた軽量高機動戦闘機。F−35の遅延で2040年代まで供用される傑作戦闘機になった。世界中で多数が供用中。

 歴史に残る機体30


 F-16は米国、同盟国双方が供用中だ。なかでも性能向上型は驚くほど高威力ながら購入しやすい価格を実現している。

 

F−16ファイティングファルコンは傑出した機体だ。世界トップクラスの戦闘機でありながらコスト性能比が優れる。高速かつ高い操縦性を有する軽量戦闘機の欠点は航続距離、ペイロードが大型双発機のF-15イーグルより劣ることだが、価格を見ればそんなことは二の次になる。1999年当時の単価18百万ドルは2017年価格で27百万ドルに相当する。この価格性能比が各国空軍部隊に魅力となり、現在も世界で最も多く運用中の戦闘機で製造4,500機中、2,700機が26カ国で現役だ。

 

F-16誕生の背景には空軍がヴィエトナム戦で直面した難題があった。F-4ファントムは高速大型戦闘機だったが、北ヴィエトナム空軍に苦戦を強いられた。一つには空対空ミサイルの技術成熟度が足りなかったためで、ドッグファイト技量も未熟だった。ここからファイターマフィアと呼ぶ一派が生まれ、空軍はこれまでの設計思想を捨て、安価かつ軽量で運動エナジーを最大活用し、ドッグファイトに耐える機体を実現すべきと唱え始めた。当時開発中だったF−15イーグルも故障しがちの空対空誘導ミサイルへの依存度が高いと批判した。ただし、イーグルはその後双発大型機でも操縦性が高い機材は可能と実証したが、コストに目をつむればという条件で、ミサイル技術が大きく進歩したわけではない。

 

 

軽量戦闘機を求める声はペンタゴンにも広がり、単純な経済の問題だった。空軍はF-15を好み、一方で戦闘飛行隊全部に同機を配備するのはあまりにも高額の予算が必要だったので、「ハイロー」ミックスの機材配備を決定する。そこから試作機2型式が生まれ、1974年に性能比較が行われた。ノースロップYF-17とジェネラルダイナミクスYF-16である。後者が応答性がよい評価を全員一致で得たが、YF-17はその後ホーネットに進化し、米海軍海兵隊が共用している。F-16Aの量産仕様初号機は1980年に部隊配備され、その後複座のF-16Bも加わった。

 

単発F-16はデザイン技術の最新動向を取り入れ運動性能を最大限活用するねらいだった。強力なブラット&ホイットニーF100エンジンに機体下部に空気取入口を備え、推力重力比が優れたのは機体の軽量化に成功したためで、高高度ならマッハ2を出せる。主翼はデルタ形状に近く、ハイロールが可能となった。バブル状のキャノピーでパイロットは優れた視界を確保し、30度傾斜つきの座席は過激な機体操縦のG対策である。実際にF-16は過激な操縦が可能で旋回で9Gまで可能だ。これはF-22ラプター登場までは最大だった。空軍アクロバティックチームのサンダーバーズが同機を採用した理由だ。

 

F-16では機動性を最大限にすべく空力学的に不安定な形状に意図的にされている。問題があればフライト制御システムが自動補正する設計だ。ここに当時は革命的とまで言われたフライバイワイヤー制御が加わり、パイロットの制御を電子インターフェースで伝え、油圧やケーブル経由の手動制御は姿を消した。フライバイワイヤーの信頼性が高いこともあるが、同時に機内コンピュータで必要に応じパイロット制御を補いファルコンの機体限界を超える事態を回避する。別の特徴として統合スロットルがジョイスティックにつけたハンズオンスロットル及びスティック(HOTAS)があり、パイロットの制御がよりスムーズになった。フライ・バイ・ワイヤーとHOTASの組み合わせはその後の戦闘航空機で標準仕様となった。

 

ファルコンは多任務戦闘機の想定で生まれ、最大17千ポンドまでの兵装または電子戦装備をハードポイント17箇所に搭載可能で、精密誘導兵器のマーヴェリックミサイルやレーザー誘導爆弾を運用できる。20ミリヴァルカン砲も搭載しバックアップ兵装として利用できる。

 

ファイターマフィア派は誘導ミサイルを信用しなかったが、F-16では最初から誘導ミサイル運用を想定し、APG-66ドップラーレーダー、ヘッドアップディスプレイ、照準コンピュータによりミサイルの威力を最大に引き上げる。この効果を実証したのが1982年のイスラエルで、F-15とF-16A編隊でべカー渓谷でシリア機と3日に渡る激烈な空中戦を展開した事例だ。イスラエルのファルコンはシリアのMiG-21、-23を44機撃墜しながら被撃墜機は皆無だった。その前年の1981年にファルコン8機編隊でバグダッドのオシラク原子炉を空爆し、マーク84(2千ポンド爆弾)16発を投下し、サダムフ・セインの核兵器開発を中断させた。

 

1980年代中頃になると今も供用中のF-16C、複座のD型が運用を開始した。エイビオニクスを更新し、液晶ディスプレイや新型APG-68レーダーで長距離ミサイル交戦が可能となり、AIM-7スパロウやAIM-120AMRAAMミサイルの運用が可能となった。C型D型はその後数回に渡り性能改修を受け、GPS誘導兵装やAIM-9Xサイドワインダー熱追尾ミサイルも導入され、パイロットはヘルメット搭載照準システムにより視界内の敵機を自機の機首を敵に向けずに攻撃できるようになった。

 

米軍のF-16が初めて実戦投入されたのが1991年の湾岸戦争で、13千回にわたり爆弾、マーヴェリックミサイルによる空爆を展開した。この内最大規模のバグダッド空爆では72機が投入され、2機が対空ミサイルで撃墜され打逸出したパイロットが捕虜となった。「ワイルドウィーゼル」任務をこなした機材はイラクの地対空ミサイル陣地をAGM-88Harmミサイルで撃破した。

 

空軍はA-10のかわりにF-16を近接航空支援に投入できないか検討し、138戦闘飛行隊のF-16C、D型にペイヴクロー30ミリガトリング砲ポッドを搭載した。しかし、軽量ジェット機には発射反動が大きく飛行姿勢が揺れたため構想は断念され、A-10は存続を許され、その後何度も続いた空軍上層部による廃棄案を生き残った。

 

終戦でF-16は飛行禁止空域が設定されたイラク上空のパトロール任務につき、AIM−120スコーピオン長距離ミサイルで高速MiG-25フォックスバットを撃墜している。

 

湾岸戦争後にファルコンは米軍NATO軍の航空作戦が展開したユーゴスラビア、イラク、シリアでいつもその姿を見られた。1990年代のセルビア、コソボで米軍及びベルギー軍のF-16が敵戦闘機を撃墜しているが、セルビア軍の地対空ミサイルで2機が犠牲となった。海外へ販売された機体には実戦の機会も訪れた。パキスタン軍のF-16は1980年代に国境地帯でソ連アフガン機合計10機を撃墜した。1992年にはヴェネズエラ空軍のファルコン2機がOV-10を2機、トゥカーノ練習機1機を撃墜してユーゴ・シャベス支持勢力によるクーデターを阻止した。

 

ファルコンの撃墜実績は72機で、被撃墜数は2機で実際の状況には不明の点がある。パキスタンの一機は事故での喪失、ギリシアのミラージュがトルコF-16を模擬空中戦で撃墜している。ファルコンはレバノン、イラク、リビア、シリア、アフガニスタン、パキスタンで空爆の中心として活躍している。

 

最高水準の性能を誇るF-16は米空軍機材ではない。ブロック62仕様のE型、F型をアラブ首長国連邦が発注している。この新型では一体型燃料タンクがつき、欠点だった航続距離不足を最小限の空気抵抗追加で実現しながら、APG-80アクティブ電子スキャンアレイレーダーも搭載する。AESAレーダーは戦闘機搭載レーダーでは最高水準といわれ、高解像度と低探知性を両立している。更に高性能のブロック70仕様がインド国内生産を想定し検討に入っている。ただし、こうした新型ファルコンの機体単価は急上昇している。

 

F-35の遅延と価格上昇を受けて米空軍ではF-16の1,200機を2040年代まで供用すべく機体寿命を12千時間まで延長する。ファイティングファルコンは戦闘機材として性能は実証済みで、飛行時間あたり経費も22千ドルと双発F-15の42千ドルより魅力的だ。

 

F-16の欠点をあげるとしたら、米空軍で供用中機材のレーダーが旧式化していること、燃料搭載量が少ないこと、戦闘行動半径が増槽をつけないと340マイルしかないことだろう。ペンタゴンは同機を改修し、APG-83AESAレーダーへの換装や一体型燃料タンクの採用に向かう。F-16にはパイロットから「ヴァイパー」の愛称がつき、今後数十年に渡り世界各地の空軍で重要な役目をこなしていくはずだ。■

 

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Yes, the F-16 Is Still a Mighty Warplane

January 23, 2021  Topic: Security  Region: Americas  Blog Brand: The Reboot  Tags: F-16Fighting FalconU.S. Air ForceMilitaryTechnology

by Sebastien Roblin

 

Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring. This piece was originally featured in August 2017 and is being republished due to reader interest.

Image: Reuters.


2021年1月23日土曜日

新国防長官ロイド・オースティンとはどんな人物なのか。バイデンとの関係は、レイセオンとの関係、退役後7年未満のため再び規程免除扱いとなったが一部議員から疑問の声も

Lloyd Austin, a recently retired Army general, smiles during his conformation hearing

人事公聴会で笑みを見せるロイド・オースティン退役陸軍大将。Jim Lo Scalzo/Pool via AP


  • 米上院はロイド・オースティン退役陸軍大将を初の黒人国防長官として承認した

  • オースティンは40年にわたり陸軍で勤務し、黒人として初の中央軍司令を努めた後に2016年に退役した

  • オースティンはジョー・バイデン、ボー親子と関係を築いた。ボーはデラウェア州軍将校だった

  • オースティンは議員の支持を集めたが、規程免除には党派を超え反対もあった


院は1月22日、ロイド・オースティンをジョー・バイデン政権の人事を承認し、初の黒人国防長官が誕生した。


バイデンは昨年12月時点でオースティンに国防総省を任せる意向でアトランティック誌に寄稿し、『四十年以上に渡り、米陸軍に仕えたオースティンは多くの課題に並なずれた技能と深い自身の高潔さで立ち向かってきた』『実証済みの真の兵士でありリーダーだ』とバイデンは記し、さらに『オースティンの実力と国防総省に関する深い知識が今後直面する危機や課題で効果を大いに発揮するだろう』と付記している。


オースティンはアラバマ出身でウェストポイント士官学校を卒業し、1975年に少尉任官した。2003年のイラク戦でバグダッドの戦いでの功績を認められ銀星章を授与されている。第三歩兵師団、第10山岳師団のあと、XVIII空挺部隊でイラク、アフガニスタンの戦闘を経験。その後、初の黒人統合参謀本部理事となった。


バイデンとの関係はオバマ政権時代にさかのぼり、当時オースティンはイラクの米国及び有志連合国部隊で司令官で、その後黒人として初の中央軍司令官となった。バイデンはホワイトハウスのシチュエーションルームで何度も一緒になったと述べている。


もうひとつ二人をつなげた要素がバイデンの子息ボーで、オースティンの幕僚としてデラウェア州軍からイラクに派遣され、日曜日礼拝にも一緒に参列していた。オースティンはボーについて「極めて特別な人物」「真の愛国者」「良き友」と評しているが、ボーは2015年に死去している。


オースティンは2016年に大将で退役した。バラク・オバマ大統領はオースティンを称賛し「懸命な判断と迅速な指導力」があるとし、さらにオースティンが「退役後も別の形で祖国に仕える道をさがす」のは確実と述べた。


オースティンは退役後7年未満のため、海兵隊大将だったジェイムズ・マティス同様に国防長官就任に規程除外措置が必要だ。


オースティンの軍退役が最近のことに一部議員がこだわり、退役から日が浅い元将官を国防長官に据えるのは軍へのシビリアンコントロールに反するとの意見がある。


今週火曜日の公聴会でオースティンは議員の懸念をそらそうと「民主体制の安定と安全のためシビリアンコントロールは有効に機能すべきであり、軍事部門は民生部門に従うべき存在」と発言した。


「政治任命で閣僚になることと軍で任務をこなすことは次元が異なると理解しています」「承認いただければ、国防総省の任務を全うし、常に戦争の抑止を目指し、我が国の安全を確実に守ります。また軍へのシビリアンコントロール原則を遵守します」と述べた。


オースティンは国防産業企業レイセオンとのつながりは国防長官としての決定に影響を与えないと各議員に明白に伝えた。


オースティンは軍内部での過激主義の一掃、性的暴行との戦いを差支援し、コロナウィルス対策を優先事項に上げると意見表明した。同時に中国、ロシアの大国ライバルの挑戦の存在を認めるとともに長年にわたる中東の対立抗争を終わらす必要があると述べた。


1月21日に上下両院がオースティンの国防長官就任に規程免除を認めた。上院は22日に朝に93対2でオースティン人事を承認した。


この記事は以下を再構成したものです。どんな人なのかわからない点もまだありますが、早速山積みの国防関連の課題でどんなリーダーシップを発揮するのか、国防予算をめぐる環境が厳しくなる中で国防力をどう維持構築するかお手並み拝見というところですね。


Senate confirms retired Gen. Lloyd Austin as America's first Black defense secretary

Ryan Pickrell 

 

ゴルフを楽しむトランプを狙う無人機の影....大胆すぎる画像を投稿してハメネイのツイッターアカウントも閉鎖。まさか米国内で暗殺を企てるとは思えませんが、中東独特の大言壮語なのでしょうか。

 

VIA TWITTER

ルフを楽しむドナルド・トランプ前大統領を狙う無人機という思わせぶりな画像をカセム・ソレイマニ司令殺害へのイランの「復讐」とした投稿がイラン最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイのアカウントに1月21日現れた。米軍は2020年1月にソレイマニ司令をイラクで無人機で殺害し、以後イランが報復を誓い、トランプ自身を狙うと表明していた。

投稿15時間後にツイッター社は@khamenei_siteアカウントを停止する措置に出た。別のアカウント@Khamenei_tvは現在も閲覧可能だ。同じ投稿内容がインスタグラムの同人ページから削除されているが、アカウントは閲覧可能なままだ。画像はオンライン上で拡散し、イランの準国営通信社タスニムのツイッターアカウントでも見られたが、今は削除されている。

不快感を与える画像にイランの全翼型無人機の影が写っており、イランが捕獲した米RQ-170ステルス無人機に似ている。同機は小型爆弾投下が可能で、下にはトランプと思しき人物がゴルフコースでスイングしている。ホワイトハウスを去った翌日に実際にトランプはフロリダのトランプ・インターナショナルゴルフクラブ・ウェストパームビーチに向かった。

画像はもちろん合成だが、首脳暗殺に無人機を投入する可能性は現実になっている。実際にヴェネズエラ独裁者のニコラス・マドゥーロ暗殺の動きが2018年にあった。この際は不発におわったが、今や「無人機の大群」が投入される時代で無人機が暗殺に投入される事態がさらに現実味を帯びている。

VIA TWITTER

イランのシャへド-161がRQ-170のリバース・エンジニアリングなのは一目瞭然だ

反トランプの画像にはファルシ語でテキストが入っており、「復讐を。ソレイマニ殺害を命じた人物には報いを与える」とあり、最初が赤字になっている。2020年12月にハメネイはソレイマニ暗殺に「必ず復讐する」と公言していた。ソレイマニはイスラム革命防衛隊のクッズ部隊司令で国外で戦闘行為、テロ活動を指揮していた。

「ソレイマニ将軍殺害を命令したもの、実行したもの双方に天罰を与える。報復はこの瞬間にも行う」とハメネイは2020年12月16日にツイートしていたが、トランプの名前は出していなかった。

「殺害を命じた下手人の米国大統領に正義の手が及ばないなどと考えてはならない」「暗殺に関与した犯罪者に安全な場所はこの世にない」とイラン最高裁長官エブラヒム・ライシも元日イベント会場で発言。

同じ会場でクッズ部隊司令になったエスマイル・ガーニは「米本国にいても犯罪のつけを払わせる」と述べた。

ソレイマニ殺害の無人機攻撃の時点で米国務長官マイク・ポンペイオはソレイマニが「喫緊の」脅威で殺害により「米国人の生命を救えた」と述べていた。

トランプ大統領は攻撃直後に「大統領命令により米軍が完璧な精密攻撃に成功し、ナンバーワンテロリスト、カセム・ソレイマニを殺害した」と声明文を発表した。

この攻撃後にイランは報復として弾道ミサイル一発をイラク国内の米軍基地に発射した。人員に死亡はなかったが、100名超が脳障害の治療を受けた。トランプは強い口調で非難したものの、米軍は直接の対応を示さなかった。

ソレイマニ殺害の「復讐」は何度も繰り返し話題になったが、殺害一周年当日に報復行為は現れなかった。イランを封じようと米軍はペルシア湾で活動強化し、B-52を定期的に上空飛行させたほか、オハイオ級誘導ミサイル潜水艦がホルムズ海峡から湾内に移動した。

ハメネイ投稿の画像に無人機が写っていること、イラン国内で大規模軍事演習が連続実施され、無人機、ミサイルを重視していることでイラン装備品への関心が高まっている。演習には中距離弾道ミサイルが発射され、1,000マイル先のインド洋に到達し、イランは対艦弾道ミサイルの試射と主張。実際に当時同海域にいたニミッツ空母打撃群から100マイルの地点に着水している。新型無人機ではサイドワインダーミサイルのクローンを発射し、空中標的に命中させている。

他方でイランは米国への言葉の攻撃を続けており、トランプが大統領職を辞しても相変わらずだ。ジョー・バイデンが大統領の就任当日にイラン外務省報道官サイード・ハティブザデはツイッターに「言葉以上の」行動を求める投稿を出し、「世界は米国に自ら問題解決を求めている」とした。

ハメネイが米国及び英国製のCOVID-19ワクチンを「全く信頼できない」とし、「他国を汚染させようと考えている可能性も皆無ではない」と投稿し、ツイッター社はこれらを削除している。

米イラン間の緊張の背景にはトランプが2015年核合意から脱退したこともある。逆に米国はイラン制裁措置を再開し、イラン経済に大打撃となり、イラン政府はこれを機会に米国敵視運動を動員している。ただし、バイデンはイランが完全なる遵守を守る前提で核合意復帰を目指すと発言していた。

バイデン大統領のもと、米イラン間の今後がどうなるかにかかわらず、トランプ政権の影は各方面に残りそうだ。

 

この記事は以下を再構成したものです。

Iranian Supreme Leader's Tweet Suggests Drone Assassination Of A Golfing Trump

Ayatollah Ali Khamenei was slapped with a Twitter suspension for the image that called for revenge against the former U.S. president.

BY THOMAS NEWDICK JANUARY 22, 2021



2021年1月22日金曜日

注目の機体 ジェネラルアトミックスのステルス無人機アヴェンジャーがロッキードのリージョンポッド搭載で敵ステルス機を探知、排除する可能性。忠実なるウィングマンの一例となりそう。

  •  

A General Atomics Avenger drone carrying a Lockheed Martin Legion Pod.

GA-ASI

 

 

ェネラルアトミックスが自社のアヴェンジャー無人機にロッキード・マーティンのリージョンポッドLegion Podを装着し飛行テストを実施した。リージョンポッドは赤外線探知追尾センサー(IRST)を搭載し、遠距離の探知追尾に加え、その他各種センサー装備も搭載可能だ。リージョンポッドの搭載でアヴェンジャーは「忠実なるウィングマン」となり、単独または他の無人機との自律飛行も可能となる。

 

ジェネラルアトミックスの航空機システム部門GS-ASIがフライトテスト実施を2021年1月15日に発表したが、実際の時期・場所は明らかにしていない。フライトは90分間でアヴェンジャー主翼下のパイロンでポッドを搭載した。GA-ASIはロッキード・マーティンとの共同作業は「コンセプトから飛行まで」三ヶ月未満で実施できたという。

 

GA-ASI

フライトテストでロッキード・マーティン製リージョンポッドを搭載したジェネラルアトミックスのアヴェンジャー無人機。

 

 

「今回の飛行実証でアヴェンジャーRPA(遠隔操縦機)は迅速反応性能を示した」とGA-ASI副社長戦略開発担当J.R.レイドが報道資料で述べている。「アヴェンジャーはソフトウェア、ハードウェアでセンサーを統合し必要とされる性能を発揮できる偉大な機体になった」

 

ロッキード・マーティンのミサイル火器管制装備開発部門で固定翼センサー事業を担当するケネン・ネルソンは「アヴェンジャーRPAへのリージョンポッド搭載でリージョンポッドシステムの柔軟対応能力の一例となり、戦闘機から無人機まで対象に防御機能を改めて実証できた」とコメントしている。

 

リージョンポッドのアヴェンジャー搭載が両社の独自企画なのか発注元の要望に沿うものかも不明だ。1月6日、GA-ASIから別の発表があり、空軍が改装アヴェンジャー2機を借り上げ、スカイボーグ事業の代理機にするとあった。

 

この2機は「改良型データリンクとスカイボーグ・システム・デザインエージェント(SDA)の中核ソフトウェア含むペイロード」を搭載すると同社は発表。「両機は2021年2022年にわたり各種試験に投入され、有人機からアヴェンジャーを操作し、有人・無人機間でデータ情報を交換する」とある。

 

スカイボーグは空軍研究本部(AFRL)が統括し、人工知能(AI)による「忠実なるウィングマン」無人機の制御に加え、完全自律運用無人戦闘航空機(UCAV)の実現を最終的にめざす。

 

2020年12月にGA-ASIはボーイングクレイトスと並び個別契約交付を受け、スカイボーグシステム搭載新型試作無人機を開発する。空軍が昨年公表した映像の無人機モデルは機首にIRSTセンサーを搭載している。

 

同じく2020年12月に同社は国防高等研究プロジェクト庁(DARPA)が開発のソフトウェアをアヴェンジャーに搭載しフライトテストを実施したと発表していた。テストでは半自律飛行のアヴェンジャー5機と模擬空対空戦を行い、脅威対象の探査も行った。

 

アヴェンジャーは機内兵装庫で空対空兵器が運用でき、リージョンポッドも搭載すれば空対空戦用機材になる。ポッドにはデータリンクが付き、敵機情報を有人・無人機に伝える。IRST21センサーは標的情報の発信も可能で、IRST21搭載機が複数あれば三角測量で正確に把握でき、忠実なるウィングマンや自律飛行無人機の仕事を助ける。

 

IRSTはパッシブ方式なので敵機は探知されていることに気づけない。同時にIRST運用機の存在、位置を示さない。レーダーに代わる手段として電子ジャミング環境でも敵機探知が可能となり、ステルス機材やミサイルのレーダー波回避機能にも影響を受けない。

 

リージョンポッドはモジュラー方式のオープンアーキテクチャー構造なので性能の追加が可能だ。

 

LOCKHEED MARTIN

ロッキード・マーティンはリージョンポッドの性能を紹介している。 

 

以上まとめれば、リージョンポッドのアヴェンジャー搭載で新しい可能性が広がることになる。また空軍が期待するスカイボーグ性能の一端がわかる。

 

ステルス、ネットワーク化無人機にIRSTを搭載すれば敵陣営の高性能ステルス機も脅威に感じるようになる。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

General Atomics' Stealthy Avenger Drone Flies With Infrared Search And Track Pod

BY JOSEPH TREVITHICK JANUARY 15, 2021

 


2021年1月21日木曜日

原設計が1950年代の大統領専用ヘリコプターも今年中に新型機に交代。海兵隊が全力で整備し運用しています。

 今回の大統領の交代でトランプ大統領をホワイトハウスから移動させたマリーンワンの姿を見た方も多いのではないでしょうか。基本的に旧型の同機は海兵隊整備部門の献身的な仕事で長い供用を支えているのですね。しかし、今年中に新型機に交代するということです。VC-25もそのうちに交代となりますが、民間でも見かけなくなった747-200をどんなコストをかけても整備支援する姿に国家の威信が見えてきますね。

Photo by Tech. Sgt. Robert Cloys

 

VH-3大統領専用ヘリコプターはマリーンワンとして長年共用されてきたが、退役が近づいてきたと米海軍航空システムズ本部が発表した。

 

1月15日発表によれば海軍航空システムズ本部は東部機材整備センター*FRCE)でT58-GE-400B大統領専用ヘリコプター用エンジンの最終整備を完了し、第一海兵隊ヘリコプター飛行隊 (HMX-1) による大統領、副大統領、閣僚、海外賓客の輸送任務に投入する。

 

FRCEが整備を担当する大統領専用ヘリコプターのVH-3Dシーキングは新型VH-92Aに2021年中に交代する。

 

整備修理拠点は海兵隊チェリーポイント航空基地(ノースカロライナ)にあり、大統領専用ヘリコプター事業、ゴールドプレイトプログラムに50年にわたり関与している。

 

FRCEの仕事ぶりには定評があり、VH-92A運用の支援体制の準備がすでにはじまっている。

 

「当センターの大統領専用ヘリコプター事業支援の長い歴史を誇りに思う」とセンター司令マーク・E・ニエト大佐が述べている。「FRCEの人員は誇りを持って、特別の支援をこの重要ミッションに提供してきました。新型機支援にも同様に臨みます」

 

FRCEが大統領専用ヘリコプター業務を開始したのは1967年のことで、当時は海軍航空機材再整備施設(NARF)と呼ばれていた。ジェネラルエレクトリックT58-GE-8CエンジンでVH-3A型を運用していた。VH-3AはシコースキーH-3シーキング対潜ヘリコプターを改装し大統領の短距離移動手段となった。

 

その後、エンジンは二回の換装を経て、T-58-GE-400Bが1985年に採用され、今日に至っている。

 

ゴールドプレイト事業で航空機整備に関与した専門職には誇りと任務達成感を強調する向きが多い。

 

「整備員としてテストを経て点検に合格した対象が実際に飛行するのを見れば達成感があるものです」「大統領が乗るヘリコプターに関係していると誇らしく感じます」(2005年から従事する油圧系統整備員チャールズ・モーガン)

 

「歴代の大統領5名に仕えてきました」と語るダン・スミスは1983年に同センターへ配属され、1990年代から大統領専用ヘリコプター事業に携わった。2016年にいったん退役したが2018年に復職を求められた。「ゴールドプレイトプログラムに復帰でき名誉に思います。一緒に働く仲間には以前の同僚の子息もいますよ」■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

Legendary VH-3 Sea King is one step closer to retire

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ByDylan Malyasov

Jan 9, 2021

Modified date: Jan 9, 2021

 

About this Author

Dylan Malyasov

U.S. defense journalist and commentator. Aviation photographer. Dylan leads Defence Blog's coverage of global military news, focusing on engineering and technology across the U.S. defense industry.