2022年12月29日木曜日

2022年、米海軍の一年

アーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦USSスプルーアンス(DDG-111)の乗組員が、2022年6月4日ミッドウェー海戦への敬意を表す式典で、電子攻撃飛行隊(VAQ)133の「ウィザード」所属のEA-18Gグローラー2機がフライバイする中、国歌斉唱し国旗へ敬礼した。US Navy Photo

この記事は、2022年の米海軍トップストーリーを振り返るシリーズの一部。

年の米海軍はインド太平洋地域でのプレゼンス重視と、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、欧州での継続的な抑止任務の必要性とのバランスを取ろうとした。

ロシアがウクライナ侵攻を続ける中、米第6艦隊の安定したプレゼンスにより、海軍艦艇は今年、域内全体でNATOや他のヨーロッパ同盟国と演習や作戦行動を行った。

また、今年は戦争の影響もあり、中東での空母運用と一線を画す年となった。

新型空母USSジェラルド・R・フォード Gerald R. Ford(CVN-78)は、初の運用ストレステストに出港し、搭載する新システムを駆使し大西洋全域の同盟国やパートナーと訓練を行い、初めて海外寄港した。

整備面では、海軍は依然として潜水艦整備の滞りに苦労しており、ヴァージニア州ニューポートニューズ造船所ではUSSジョージ・ワシントン(CVN-73)の供用期間中燃料補給とオーバーホールは予定より19ヶ月近く遅れている。

ニミッツ級空母USSカール・ヴィンソン(CVN-70)とUSSニミッツ(CVN-68)が2022年2月13日に太平洋を航行した。米海軍写真

インド太平洋

海軍は今年もインド太平洋地域で空母プレゼンスを維持した。

2021年初め、USSカール・ヴィンソン(CVN-70)は西太平洋で活動していた。同空母は、海軍向けF-35CライトニングII共用打撃戦闘機とCMV-22Bオスプレイを搭載した第5世代空母航空団として、インド太平洋へ展開した。

1月下旬に南シナ海での作戦行動中、ヴィンソン搭載の航空団のF-35Cがランプストライクで甲板端に乗り上げた。パイロットは無事脱出し、その後、海軍の引き揚げ作業員が南シナ海でF-35Cを回収した。

「事故が起こったとき、我々は着陸する必要のある航空機を追加空輸していた。そのため、訓練が再開できた。ワイヤー4本をすべて交換しなければならず、飛行甲板の全員(航空団員も含めて)が緊急事態に対応するのを見て、畏敬の念を覚えた。4本のワイヤーをすべて交換しなければならなかったからだ。私たちは、着陸区域の異物除去のために、飛行甲板から物を拾い上げなければなりませんでした」と当時国防関係者がUSNI Newsに述べていた。

一方、USSエイブラハム・リンカン(CVN-72)は1月上旬、米海兵隊F-35Cと海軍CMV-22Bオスプレイ航空隊とインド太平洋に展開した。約1カ月間、米海軍は2個空母打撃群を米第7艦隊で活動させた。

リンカンは派遣期間中、主に第7艦隊で活動し、日本やフィリピンと演習した。また、7月にはハワイ沖で2年に1度の環太平洋合同演習に参加した。

海軍の前方展開空母、USSロナルド・レーガン(CVN-76)も、5月から8月にかけ春のパトロールと今秋のパトロールでインド太平洋で活動した。

ナンシー・ペロシ下院議長が台湾訪問し、中国が非難を浴びせた際、レーガンは台湾近海に展開していた。当時は、USSトリポリTripoli(LHA-7)も台湾付近で活動していた

USSトリポリ(LHA-7)は、2022年4月7日、カリフォルニア州ノースアイランド海軍航空基地を出発した。 US Navy Photo

トリポリは5月に初出発し、F-35BライトニングII共用攻撃戦闘機を搭載した「ライトニング空母」または「強襲揚陸艦空母」コンセプトをテストした。

「ある日はF-35Bを飛行甲板に、ある日はMV-22を、またある日は海兵隊を上陸させることができます」。米第7艦隊司令官カール・トーマス中将 Vice Adm. Karl Thomasは10月、強襲揚陸艦の試験コンセプトについて、「汎用性が非常に高い装備で、第5世代戦闘機を14機搭載している。各機は信じられないほど高性能なセンサーだ」と述べた。「まだ実験段階だが強襲揚陸艦をフルサイズ空母とどう統合するのか、試してみたかった」と述べた。

トリポリは、マキンアイランド水陸両用準備集団が米第7艦隊で活動を開始した11月末に7ヶ月の派遣から帰還した。12月中旬にはニミッツ空母打撃群が責任範囲に展開した。

また、台湾海峡通過や南シナ海で航行の自由作戦を継続し、中国から批判を受けた。

2022年3月25日、ニミッツ級航空母艦USSハリー・S・トルーマン(CVN-75)の飛行甲板でレンジファインダーを覗く、 US Navy Photo

ヨーロッパ 

2021年末、ロイド・オースティン国防長官は、ロシアがウクライナ国境沿いに部隊を集結させたため、USSハリー・S・トルーマン空母打撃群に米中央軍ではなく、地中海にとどまるよう命じた。それ以来、米海軍は米第6艦隊に一貫して空母を配備している。

トルーマン(CVN-75)は8カ月間、地中海全域で運用された。USNI Newsによると、トルーマンは、米欧州軍司令部での米空母の連続運用で過去20年の最長となった。

ロシアが2月末にウクライナへの侵攻を開始した際も、同空母は駐留を継続した。トルーマン空母航空団は展開中、NATOとの任務のため、1日に80~90回出撃することもあった。

8月、ジョージ・H・W・ブッシュ空母打撃群は、トルーマン CSGが帰投できるよう、米第 6 艦隊担当水域に移動した。それ以来、ブッシュ (CVN-77)は、同地域で活動している。

2022 年、トルーマン は 2 回、ブッシュ は 1 回、NATO 指揮下に入った。1月にトルーマンが初めてNATOの指揮下に入り、冷戦後初めてNATOが米空母の指揮を執った。

地中海での一貫した空母のプレゼンスに加え、キアサージ水陸両用待機群は2022年の大半、米第6艦隊全域でも活動した。

USSキアサージ Kearsarge(LHD-3)とUSSガンストン・ホール Gunston Hall(LSD-44)は、6月にバルト海でBALTOPS 2022に参加し、NATO諸国やその他協力国に加わった。一方、USSアーリントン Arlington(LPD-24)は、4月にギリシャ海軍と訓練し、6月には米アフリカ司令部のアフリカンライオン2022演習に参加した。

USSジェラルド・R・フォード(CVN78)は、ジェラルド・R・フォード空母打撃群の一員として、ルイス・クラーク級ドライ貨物船USNSメドガー・エヴァーズ(T-AKE-13)と洋上補給した(2022年11月2日)。米海軍写真US Navy Photo

大西洋

今年はUSSジェラルド・R・フォード(CVN-78)の新しいシステムと技術を運用面で強調する最初のチャンスとなった。

フォードは10月初旬にバージニア州ノーフォーク海軍基地を出発し、シェイクダウンクルーズを行い、ハリファックス(ノバスコシア州)とポーツマス(イギリス)に初めて海外寄港した。

第12空母打撃群司令官グレゴリー・ハフマン少将Rear Adm. Gregory Huffmanは、10月にフォードに乗艦し、USNI News取材に応じ、「これは、ほぼ全機体制の航空団が打撃群と一緒に働くチャンスだ」と語った。

「同盟国協力国と、フォードが新しい能力でどのように各艦船と相互作用できるのか、そして全体的な観点からどのように戦術が変わるのかについて、理解することができます。そのため、新技術を探求し、そこからどのような作戦を展開できるかを見極めたい」。

フォードは秋に東部大西洋でカナダ、デンマーク、ドイツ、スペイン、フランス、オランダ艦船と一緒にシルバーウォルバイン演習に参加した。

2019年9月27日、乾ドックを離れるUSSジョージ・ワシントン(CVN-73)。HII Photo

艦艇整備

海軍は、空母と潜水艦の両方でメンテナンス作業の遅れを取り戻そうとした。

2023年度予算案では、USSジョージ・ワシントン(CVN-73)の中間核燃料補給と複合オーバーホールを2023年3月まで延長するとある。現在、HIIのニューポートニューズ造船で行われているこのオーバーホールは、当初は2021年8月に終了の予定だった。

同空母は2017年8月に初めてRCOHに入った。RCOH遅延のニュースに続き、乗組員の自殺が発生した。海軍によると、2019年以降、ジョージ・ワシントン乗組員6名が自殺しており、当局は7人目の乗組員の死を自殺と断定している。

一方、海軍当局は潜水艦整備の滞りを嘆いている。

海軍海洋システムズ本部NAVSEAによると、過去10年間、海軍の攻撃型潜水艦で予定通りに保守点検を終えたのは3分の1以下のみだという。

NAVSEAのビル・ガリニス中将Vice Adm. Bill Galinisは9月の会議で、「潜水艦の稼働率、特にヴァージニア級で工数が大幅に増えている」と述べた。「理由を理解するために深掘りしている。継続的なプロセスだ」。

11月、攻撃型潜水艦プログラムのエグゼクティブオフィサー、ジョナサン・ラッカー少将Rear Adm. Jonathan Ruckeは攻撃型潜水艦50隻のうち18隻がメンテナンス中あるいはヤードに入るのを待っていると述べた。

2000年当時、米海軍は攻撃型潜水艦の保守を年間12隻分(平均 200日間)開始していた。現在では、450日から700日程度のメンテナンスが年間5回程度行われている。

「作戦サイクルが長くなったのは良い。しかし、艦艇が入港すると、より緊張した状態になり、準備が十分ではありません」と、ラッカー少将は年次海軍潜水艦連盟シンポジウムで述べている。

ラッカー少将によれば、攻撃型潜水艦のメンテナンス期間中に行われる作業の約30%は予定外のもので、これが滞留を助長しているという。また、海軍が資材を十分に事前購入していないことも問題だ。

ラッカー少将によると、2026年までに、海軍は整備期間が始まるまでに資材90〜95%のを事前確保したいとしている。だが実際は約40〜50パーセントの資材を揃えている。

海軍は2019年度に平均1,500~1,600日の整備遅延が発生し、2022年度に約1,100日にまで引き下げたと、ラッカー少将は述べている。海軍は、2026年度に700日にまで減少すると予想している。■

Top Stories 2022: U.S. Navy Operations - USNI News

By: Mallory Shelbourne

December 21, 2022 5:12 PM

2022年12月28日水曜日

歴史に残る機体(35)EA-6プラウラーはグラマン艦載機最後を飾り、文字通り縁の下の力持ちとなった電子支援機材として重宝された。

 歴史に残る機材32


The EA-6B Prowler Has Been Retired, But Its Impact On Air Warfare Will Live On Forever

グラマンA-6イントルーダーの系譜は、60年にわたる供用を経て終焉を迎えた

EA-6Bプラウラーは、同型機の最後の運用者となった海兵隊が正式に退役させた。米海軍が同機を2015年7月に退役させて、終焉の日はじわじわと近づいていた。プラウラーの退場は、グラマンのA-6イントルーダー・ファミリーの60年にわたる信じられないほど成功した実績の終わりを意味する。

すべてはYA2F-1に始まり、推力ベクトルノズルと、設計時(1950年代)には高度なコンピュータシステムを備えた、非常に野心的な空母艦載攻撃機だった。同機は1960年に初飛行し、その後A-6イントルーダーへ改良された。同機は、非常に大量の爆弾を搭載し、悪天候や夜間でも超低空飛行で敵地深くまで侵攻する、信じられないほどの攻撃力と正確さを備えた核搭載可能攻撃機であった。A-6は1963年に就役し、10年間ベトナムで戦い、その後、リビア、イラクなどで活躍した

グラマンと海軍は、このイントルーダーから、敵防空レーダーを妨害するイントルーダーの電子戦型EA-6Aを短期間で誕生させた。この機体はわずか28機しか製造されず、1963年に初飛行した。しかし、コンセプトは成功し、ベトナムの危険な空で苦労して学んだ教訓も手伝い、4人乗りEA-6Bイントルーダーの再設計につながった。1968年に初飛行、1971年に就役した空母搭載可能な電子戦専用ジェット機である

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EA-6A prototype., USN

EA-6Bは海軍と米海兵隊で48年間にわたり活躍し、その性能と必要性は増す一方だった。1998年に米空軍のEF-111レイヴンが退役すると、EA-6Bはアメリカの空軍力での電子戦支援で唯一の機体となり、同機以外には空軍のEC-130Hコンパス・コールが限られた能力を提供するだけだった。 

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EA-6A and EA-6B side by side. , USN

時代が進むにつれて、プラウラーの技はより多くなっていった。プラウラーはAGM-88高速対レーダーミサイル(HARM)を発射し防空体制制圧を支援し、ALQ-99ジャミングポッドで電子妨害支援も可能になった。EA-6Bの電子戦装備は、通信システムの妨害にも使用され、プラウラー・コミュニティは、イラクとアフガニスタンのアメリカ軍と同盟軍の地上部隊に恐怖をもたらした遠隔起爆型即席爆発装置(IED)を破壊する機能で、空中からの支援能力を高めた。

海兵隊の最終的なICAPIII機は、非常に高性能な機体となった。このアップグレードにより、プラウラーの状況認識、通信能力、妨害効果、ヒューマンマシンインターフェースが飛躍的に向上した。EA-18Gグラウラーの電子戦システム開発のベースとなったが、一部情報筋によると、ICAPIIIプラウラーは、グローラーよりさらに優れているという。

ここ数年、ほんの一握りの海兵隊プラウラーがLITENINGターゲット・ポッドを搭載し飛行し、従来とは異なるオーバーウォッチと監視の役割を果たしながら、必要に応じ妨害任務も同時にこなしてきた。

プラウラーは著しく時代遅れの航空機であったにもかかわらず、そのキャリアの黄昏時に真のマルチロール・プラットフォームとなった。

海兵隊航空基地チェリーポイントを拠点とする米海兵隊の最後のプラウラー飛行隊、Marine Tactical Electronic Warfare Squadron 2、通称VMAQ-2「Death Jesters」も2019年3月8日金曜日、基地での式典で同機に別れを告げた。

USMCは、EA-18Gグラウラーなど電子戦専用機の購入していない。その代わりに、同軍はボルトオンのIntrepid TigerポッドとMQ-21 Blackjackドローンを使用し、飛行部隊全体に電子戦能力を分散させる方針だ。しかし、はっきり言って、これらのシステムは、それなりに能力はあるものの、EA-6BやEA-18Gが提供する広範囲の敵の防空システムに対するハイエンド電子攻撃能力は提供しない。

アメリカ海兵隊が購入するF-35BとCは、強力な電子戦機能を持つが、大規模な戦力保護やプラウラーやグㇻウラーが提供する広域妨害ではなく、自己防衛に重点を置いている。

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DoD

2016-2025 Naval Aviation Vision文書では、米海兵隊の中央集権的な電子戦戦略の脱却について次のように述べている。

EA-6B Prowlerの2019年度退役後の電子戦(EW)要件に対処するための海兵隊の包括的計画は、海兵隊空地任務部隊(MAGTF)EWで、最新技術を使用し航空プラットフォーム(無人、固定翼、回転翼の資産)、ペイロード、地上EWノード、サイバー効果を統合し指揮官に有機的かつ持続的EW能力を提供する。MAGTF EW構想は、海兵隊がこれまで低密度・高需要のEWに集中していたのを、分散型・ネットワーク型・プラットフォーム非依存型のアプローチに移行させる。MAGTFのEWは、地上部隊や高度な統合防空システムに対抗する第5世代航空機を支援するため統合EW資産を補完する」。

EA-6Bは、国防総省が保有する高速ジェット機の仲間に比べれば比較的小さな機体だが、総飛行時間は26万時間を超え、現役時代はほぼすべての主要な米軍作戦に参加していた。EA-6Bのレーダー・スクランブル機能によって、どれだけのパイロットと航空機が救われたかは、数えることができない。

message-editor%2F1552091840163-aasddavv.jpg一番手前の機体の左翼についたライティングポッドに注目。

USMC

この数字は本当に驚くべきことだ。プラウラーが電子トリックを駆使して1機救うごとに、他の多くの飛行機とサービスマンが、墜落機を救出するため敵地に飛び込む作戦が不要になったことを意味することを忘れてならない。つまり、EA-6Bはアメリカの戦闘機の生存率に累積的な影響を与えたのだ。

また、F-117が初めて出撃して以来、プラウラーはアメリカのステルス航空機の静かな担い手として、ステルス技術の「カクテル」にほぼ不可欠な存在として働いてきた。F-117が唯一戦闘で失われたのは、アライド・フォース作戦時で、ステルス機が敵領空に深く入ったが電子攻撃の傘としていのEA-6Bが不在の夜だったことは注目に値する。

地上の兵士にも同じことが言える。電子戦の天使が頭上を周回していたために、命も手足も無事で脱出できたことを知らない人がどれだけいるか。今や、電子戦は戦闘の主要領域となりつつある。電子攻撃関連の技術は、かつてないほど重要かつ効果的であり、はるかに大きな能力が生まれつつある。数十年にわたるEA-6Bの運用は、EA-18Gグラウラーの開発のみならず、今後数十年にわたり戦闘に勝利するための電子戦戦略や技術に影響を与えてきた。

グラマンを象徴する同機はもう使用されていないが、EA-6Bと、その頑丈な機体に精力的に取り組んだ人々、それに搭乗した人々、その他設計や長年にわたるプラウラーの維持に携わった全員が残したのは素晴らしい遺産だ。それは、地球上のどの飛行機にも真似できない、信じられないような、しかししばしば誤解される記録だ。EA-6Bは本当に、一般人がほとんど何も知らないまま最も重要な戦闘機だった。

「グラマン鉄工所」の戦術機の系譜で最後の機体に最後の別れを告げたが、私たちはプラウラーをこれほど壮大で長続きする成功に導いてくれたすべての人に感謝の言葉を述べるしかない。■

 

The EA-6B Prowler Has Been Retired, But Its Impact On Air Warfare Will Live On Forever

BYTYLER ROGOWAY|UPDATED DEC 1, 2019 6:46 AM

THE WAR ZONEMUST READ FEATURES

 


2022年12月27日火曜日

北朝鮮ドローンの国境侵入に対処できなかった韓国軍。逆に武装練習機を一機喪失し、懸念が広がる(12月26日)

 


South Korean KA-1 light attack aircraft. (Korean Aerospace Industries photo)

 

北朝鮮ドローン侵入への対応中に、南朝鮮KT-1ターボプロップ武装練習機が墜落した

 


 

国軍は月曜日、5年ぶりに発生した国境線超えしたドローンに対し、戦闘機や攻撃ヘリなどスクランブル発進させ、小型攻撃機が離陸時に墜落した。

 AP通信によると、KA-1プロペラ軽攻撃機の乗員2人はパラシュートで安全に脱出し、合計5機の北朝鮮ドローンが韓国領空に侵入した。KA-1は韓国のKT-1訓練機を兵器化したもので、70ミリロケット弾と12.7ミリ機関銃ポッドを搭載可能。


聯合ニュースによると、事件はソウル時間の月曜日午前10時半前に、韓国軍が北朝鮮の無人機と推定される「未知の物体」数機を検知して始まった。

 聯合ニュースによると、物体は京畿道の国境地帯で探知されたと、合同参謀本部関係者の話として伝えている。

 聯合ニュースによると、「各機は軍事境界線を越えて飛行し、金浦、江華島、坡州地域で飛行が目撃され、民間便の(一時)停止につながった」という。AP通信は、韓国の合同参謀本部を引用し、ドローン5機のうちの1機が、首都圏北部にまで移動したことを報じた。

 「APによると、軍は北朝鮮無人機を撃墜するため、威嚇射撃と戦闘機や攻撃ヘリで対応した」が 「攻撃ヘリは合わせて100発を発射したが、北朝鮮の無人機が撃墜されたかどうかは判明しなかった。国防省によると、韓国地上での民間人の被害は直ちに報告されていない」。

 AP通信によると、韓国は自国領空での対応に加え、「北朝鮮ドローン飛行への対応措置として、国境付近と国境を越えて北朝鮮の主要軍事施設を撮影するため監視資産を派遣した」と合同参謀本部は述べている。合同参謀本部は詳しく説明しなかったが、AP通信によれば、「一部の観測筋は、韓国が北朝鮮内で無人機を飛ばした可能性が高いと述べている」。

 ソウルが北朝鮮内の偵察活動を公に認めたことは「極めて異例で、北朝鮮の挑発に厳しく対応する尹淑烈大統領率いる保守政権の決意を反映していると思われる」とAP通信は報じている。「北朝鮮はより激しい暴言や兵器実験、その他の挑発で対応する可能性があると、一部のオブザーバーは述べている」。

 月曜日の事件は、朝鮮半島の緊張が高まる中で起こった。金曜日に、平壌は2発の短距離弾道ミサイル(SRBM)を発射したが、米韓合同軍事演習に対する明らかな反応であった。

 米インド太平洋軍は金曜日に声明を発表し、「我々は弾道ミサイルの発射を認識しており、同盟国協力国と緊密に協議している」と述べた。「米国の人員や領土、同盟国に差し迫った脅威をもたらすものではないと判断しているが、ミサイル発射は北朝鮮の非合法な大量破壊兵器と弾道ミサイル計画がもたらす不安定化の影響を浮き彫りにしている。韓国と日本の防衛に対する米国のコミットメントは、依然鉄壁のままだ」。

 韓国国防省によると、米国は12月20日、北朝鮮への武力示威としてB-52爆撃機とF-22ステルス戦闘機を飛行させた。

 韓国国防省は、韓国軍機との共同訓練のために、「核を含む利用可能なすべての手段で韓国を保護する合意の一部」と述べたとCBSが伝えている。

 韓国のF-35とF-15戦闘機も参加した訓練は、済州島南西の海域で行われたと、国防省は述べている。

 「米国のF-22戦闘機が4年ぶりに韓国に配備され、韓国軍との訓練のため一週間滞在した」と国防総省は述べた。

 北朝鮮からの弾道ミサイル発射は、かなり日常的になっている。しかし、より挑発的になってきた。明らかに、北朝鮮は注目を集めるため、武力衝突を避けあらゆるレバーを引いている。2017年以来初めて国境を越えてドローンを飛ばしたことは、何よりの証拠だ。

 北朝鮮はこれまで主に小型で粗悪な偵察用無人機を使用してきたが、標的用無人機に近いものなど、より大型のタイプを保有していることが知られている。さらに、近年は中国の設計を模倣し、全般的な改善を図っていることが指摘されている。これには、より高性能な「マンインザループ」タイプや、商業モデルに基づいて開発されたタイプも含まれる。

 

 

韓国国防省が提供画像で、2014年4月6日、韓国・三陟の山で墜落したドローンの残骸が確認された。ここ数週間、韓国では北朝鮮製とみられる無人機3機が見つかっている。(Photo by Handout/South Korean Defense Ministry via Getty Images)

2014年4月2日、韓国国防省が提供した配布画像で、2014年3月31日、韓国と北朝鮮の国境の島、白ニョン島で墜落したドローンの残骸が確認された。北朝鮮製とみられるドローンは、この数週間で2機発見された。(Photo by South Korean Defense Ministry via Getty Images)

 

 

 北朝鮮は大型無人機システムも保有しており、対空ミサイル用の標的用無人機に似たものを保有している。

 北朝鮮はウクライナの動向、特にイラン製シャヘドShahed-136ドローンやウクライナ独自の即席長距離神風ドローンをめぐる動向を注視しており、それに応じ自国の技術開発、調達、運用計画を調整するはずだ。このようなシステムは韓国に非常に深刻な問題となり、紛争の序盤に北朝鮮が展開するはずの圧倒的かつ重層的な混沌の発生を懸念している。■

 

First North Korean Drone Intrusion In Five Years Spurs South To Scramble

BYHOWARD ALTMAN, TYLER ROGOWAY|PUBLISHED DEC 26, 2022 12:39 PM

THE WAR ZONE


2022年12月26日月曜日

B-21レイダーを中国海軍力への対抗策に投入する....長大な航続距離とペイロード、ステルス性能でインド太平洋の海上ミッションで中国の脅威になりそう

 

ハンガー内のB-21レイダーは2022年12月2日一般公開された。将来のハイエンド脅威環境での運用を想定した同機は米国の航空戦力の優位性確保で大きく期待されている。(U.S. Air Force photo)

空軍の新型ステルス重爆撃機B-21「レイダー」は米海軍の海上ミッションでどう運用できるか、シンクタンク、ランド研究所RAND Corporationに意見を求めた。B-21は、対艦攻撃用にどんなペイロードを搭載するのか?B-21は米軍戦域司令官からどのような海上任務を要請されるのか。B-21は、どのように対アクセス/領域拒否の突破に貢献できるのか?B-1、B-2、B-52の重爆撃機ではできない任務を、B-21はどのように果たすのか。


米空軍は、外国からの脅威のペースに追いつくために、約100機以上の新型ステルス重爆撃機、第二次世界大戦の有名な「ドーリットル空襲」にちなんだ「レイダー」の名称でB-21全翼機の製造と取得を決定した。


B-21は、B-2A「スピリット」ステルス爆撃機より小さく、B-21のペイロードも小さいとされるが、B-2の20機より多く生産することで改善される。それでも、B-21の多くの特徴、技術仕様、性能特性は厳重に守られた秘密のままで、アナリストやジャーナリストの「経験的推測」を誘っている。B-21「レイダー」は、最終的に引き継ぐB-2A「スピリット」よりもステルス性能がはるかに高いと言われ、ノースロップ・グラマンがB-2、B-21双方の製造元だ。


米空軍は、2023年から飛行試験運用を開始する前に、B-21を一般公開した。しかし、B-21のデザインや特徴を隠すため、夜間にスポットライトを当てて公開し、機体後部や上部は公開されず、上の格納庫写真にあるように前部のみ公開した。

B-21「レイダー」は、第5世代機と異なる特徴を持つ「第6世代機」と呼ばれる。2022年12月現在、ノースロップは6機のB-21を組み立て中と言われている。

アメリカ空軍の新型ステルス爆撃機B-21は、B-2ステルス爆撃機と非常によく似ている。どちらも全翼機だが、B-21は新技術を導入し、遠隔操縦で戦闘に参加したり、ドローンを制御できる可能性を秘める。 USAF



ランド研究所に聞く

ランド・コーポレーションのシニア・マネジメント・サイエンティスト、ダン・ノートンは、B-21が海上でどのように運用される可能性があるかというNaval Newsの問い合わせに2022年12月中旬以下回答してくれた。

Naval News: 米空軍B-21「レイダーズ」は、B-1、B-2、B-52ではできない利益を海軍にもたらすだろうか?


ダン・ノートン(ランド研究所):B-21は最先端のステルス性能を有し、B-1やB-52では困難な紛争環境での運用を可能にするはずだ。空軍は同機を大量購入する計画で、B-2よりもはるかに多い出撃回数を確保できる。このように、B-2はレガシー機に対し重要な優位性を持っているはずだ。大規模紛争では、一部の敵の水上戦闘機を攻撃し、その他の敵のISRを提供し、米海軍と協調して作戦目標を達成するため使用されるだろう。


Naval News: B-21はどんな場合に使用し、ステルス爆撃機の投入でオーバーキルにならないか?


ノートン: 米国はここ数年、敵国を抑止し同盟国を安心させるために、ヨーロッパと太平洋で活動する爆撃機タスクフォースを使用してきた。B-21も同様に使われることになるだろう。使用する爆撃機の選択は、部隊の稼働率、地域基地の適合性、計画されている作戦の種類、その他要因で決定される可能性がある。B-21がオーバーキルになる理由はわからない。その存在は、DoD(国防総省)にとって作戦の重要性を示すかもしれない。


Naval News: B-21が米海軍に利益をもたらし、世界的な抑止力として機能するため、どんな想定があるか、また、どのようなペイロードを搭載するのか。


ノートン: B-21は、現行機と同じように、紛争を抑止し、抑止が失敗した場合には敵の陸・海・空の戦力に対抗する役割を果たすよう期待される。B-21はJASSM-ER、LRASM、JDAMの各種直接攻撃兵器を搭載する予想がある。さらに、極超音速兵器を搭載する可能性もある。通常兵器と核兵器双方で抑止力を高める航空機となる。


Naval News:「第6世代」技術とオプションの有人化は、戦闘指揮官にとってゲームチェンジャーや戦力増強剤として、どのように方程式を変えるのだろうか?


ノートン: B-21はかなり新しい設計なので、メンテナンスが容易で、戦力構成を大幅に拡大し、紛争時の出撃回数が大幅に増え、作戦目標達成のオプションを戦域司令官に与えるはずだ。オプションで有人機にする意味は、まだわからない。この機体は非常に高価であるため、指揮官が無人機であっても過度のリスクを負わせるのをいとわないかは定かでない。


Naval News: ランドは、太平洋と大西洋の両方でグローバルな海洋上の違いを生み出すために、B-21を何機取得すべきと考えるか。


ノートン:計画されている購入機数が要求を満たせると仮定しているが、自分でこの問題を検討したことはないし、検討結果も知らない。


Naval News: B-21は、小型武装UAV、UCAV、ステルス戦闘機・爆撃機と海上抑止任務をどのように果たすだろうか。


ノートン:B-21はセンサーと大きな武器庫を備え、各種ターゲットを発見し、追跡し、交戦できる。例えば、LRASMを搭載したB-21は、大型水上戦闘艦の攻撃に使用できる。これに対して、はるかに少ない弾薬を搭載した他のプラットフォームでは、効果的が少ないかもしれない。また、B-21は他のプラットフォームよりも飛行距離が長いため、より広い範囲のターゲットと交戦できる可能性がある。B-21の特徴として、一部のプラットフォームでは不可能な領域で活動できる可能性がある。これらの要素は、海上抑止力を強化するはずだ。



Naval News: 国防総省は、空母、軍艦、潜水艦の建造と比較して、新しい重ステルス爆撃機部隊に投資すべきだろうか?なぜ、あるいはなぜそうしないのか?


ノートン:各装備は、異なる長所と短所を持ち非常に異なるプラットフォームだ。水上戦闘艦は、陸上基地から1000マイル離れた空域を何週間も守り続けられる。潜水艦は、敵の領土の近くで活動し、敵軍を攻撃できる。水上戦闘艦や非ステルス機では難しい。爆撃機は、速度、航続距離、柔軟性、運搬能力などで有利だ。紛争が始まったときに母港にいる水上戦闘艦部隊が到着するまで、数週間かかることもある。爆撃機なら1日で到着する。航空機は、数百マイル離れた新しい標的を数十分で攻撃するため迅速に移動できるが、これは他の資産では無理だ。また、艦船では母港に戻り数週間かかる補充も、航空機なら迅速に行える。


Naval News: B-21「レイダー」とMQ-9「リーパー」、XQ-58A「バルキリー」を海上作戦で使用した場合の序列について、シナリオはどうなるか。


ノートン:MQ-9リーパーはステルス機ではない。比較的短距離の兵器を搭載する。MQ-9リーパーもステルス性がなく、短距離兵器を搭載し、敵国との大規模紛争で重要な役割を果たすとは思えない。XQ-58のような航空機は、海軍や空軍の戦闘機と、海上作戦でさまざまな役割(追加武器搭載、追加センサー、電子戦など)を果たすだろう。B-21は、この中で圧倒的に高い能力を有する。大規模紛争の海上作戦で使用される期待がある。


Naval News:B-21は2020年ドル価格で1機6億ドル以上するそうだ。そんなB-21で抑止パトロールや米国のプレゼンスを誇示する危険を冒せば過大コストにならないか?


ノートン:米国は、国際空域や友好的な空域にいながら、潜在的な敵の近くで軍を運用してきた長い歴史がある。国際法に従い、安全かつプロフェッショナルにこれを行ってきた。B-21が同じように使われない理由はない。

 国防総省では、マルチドメイン作戦がますます重視されている。これは、異なる領域の戦力のそれぞれの強さを活用することで、1つの領域では実現できない効果を得るものだ。これは今後も続くと思う。B-21は、上記のように海軍やその他部隊と様々な方法で使用できる。


コメント

Naval Newsが報じたように、B-21にUCAVのバリエーションはなく、代わりに "optional-manned "となる。

 有人・無人チーミング(M-UT)により、B-21編隊は、戦闘機・爆撃機の護衛、情報・監視・偵察(ISR)プラットフォーム、戦闘空中哨戒(CAP)、デコイ、電子戦、「先制攻撃」パッケージとして機能する小型UCAVを制御し、B-21編隊は安全距離で後方に下がり観察、識別、指導、評価、UCAVを制御・調整する可能性がある。

 実際、2022年12月8日のAir and Space Forces誌の記事では、B-21のM-UTのシナリオで、潜在的な海上任務について述べている。「空軍のリーダー、プランナー、オペレーター、そして業界のパートナーを集めた非機密ワークショップでは、(B-21/UCAV攻撃パッケージのためB-21とチームを組む有人-無人機について)検討し、洞察を得られた。「この夏(2022年)に開催された3日間のワークショップは、空軍が 『自律型共同プラットフォーム(ACPs)』と呼ぶも有人機と並走し、ある程度の独立性で運用できる比較的安価なドローンのコンセプト開発が目的の1つであった」。

 ワークショップで決定したミッションとドローンの正確な内訳は以下の通りだった。


海上脅威への対処 

ACP 1:防御的対空、40機 

ACP 2:ISR、通信中継、10機 

ACP3:ストライク、20 機

トランスポーター・エレクター・ランチャー(TEL)への対処

ACP1:護衛、敵防空戦力の制圧、10機 

ACP2:ISR、敵制空値(SEAD)、攻撃型対空、144(爆撃機1機あたり24)機 

ACP3:ISR、SEAD、攻撃型対空、120(爆撃機1機につき20)。

航空基地攻撃 

ACP1:エスコート、8機 

ACP2:SEAD、当初16機、その後32機 

ACP3:ジャミング、8機


 上記のACPパッケージは、開発中の小型UCAVを巻き込むウォーゲームシナリオ。第6世代B-21の試作と飛行試験が始まれば、各地の米軍司令官は、B-21がINDO-PACOM地域とならび世界各地の海上任務を想定し計画することになろう。■


Which Maritime Roles For The USAF’s New B-21 Raider?

Peter Ong  24 Dec 2022


Which Maritime Roles for the USAF's New B-21 Raider? - Naval News


Peter Ong is a Freelance Writer with United States and International Federation of Journalists (IFJ) media credentials and lives in California. Peter has a Bachelor's Degree in Technical Writing/Graphic Design and a Master's Degree in Business. He writes articles for defense, maritime and emergency vehicle publications.