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歴史に残る機体(35)EA-6プラウラーはグラマン艦載機最後を飾り、文字通り縁の下の力持ちとなった電子支援機材として重宝された。

 歴史に残る機材32


The EA-6B Prowler Has Been Retired, But Its Impact On Air Warfare Will Live On Forever

グラマンA-6イントルーダーの系譜は、60年にわたる供用を経て終焉を迎えた

EA-6Bプラウラーは、同型機の最後の運用者となった海兵隊が正式に退役させた。米海軍が同機を2015年7月に退役させて、終焉の日はじわじわと近づいていた。プラウラーの退場は、グラマンのA-6イントルーダー・ファミリーの60年にわたる信じられないほど成功した実績の終わりを意味する。

すべてはYA2F-1に始まり、推力ベクトルノズルと、設計時(1950年代)には高度なコンピュータシステムを備えた、非常に野心的な空母艦載攻撃機だった。同機は1960年に初飛行し、その後A-6イントルーダーへ改良された。同機は、非常に大量の爆弾を搭載し、悪天候や夜間でも超低空飛行で敵地深くまで侵攻する、信じられないほどの攻撃力と正確さを備えた核搭載可能攻撃機であった。A-6は1963年に就役し、10年間ベトナムで戦い、その後、リビア、イラクなどで活躍した

グラマンと海軍は、このイントルーダーから、敵防空レーダーを妨害するイントルーダーの電子戦型EA-6Aを短期間で誕生させた。この機体はわずか28機しか製造されず、1963年に初飛行した。しかし、コンセプトは成功し、ベトナムの危険な空で苦労して学んだ教訓も手伝い、4人乗りEA-6Bイントルーダーの再設計につながった。1968年に初飛行、1971年に就役した空母搭載可能な電子戦専用ジェット機である

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EA-6A prototype., USN

EA-6Bは海軍と米海兵隊で48年間にわたり活躍し、その性能と必要性は増す一方だった。1998年に米空軍のEF-111レイヴンが退役すると、EA-6Bはアメリカの空軍力での電子戦支援で唯一の機体となり、同機以外には空軍のEC-130Hコンパス・コールが限られた能力を提供するだけだった。 

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EA-6A and EA-6B side by side. , USN

時代が進むにつれて、プラウラーの技はより多くなっていった。プラウラーはAGM-88高速対レーダーミサイル(HARM)を発射し防空体制制圧を支援し、ALQ-99ジャミングポッドで電子妨害支援も可能になった。EA-6Bの電子戦装備は、通信システムの妨害にも使用され、プラウラー・コミュニティは、イラクとアフガニスタンのアメリカ軍と同盟軍の地上部隊に恐怖をもたらした遠隔起爆型即席爆発装置(IED)を破壊する機能で、空中からの支援能力を高めた。

海兵隊の最終的なICAPIII機は、非常に高性能な機体となった。このアップグレードにより、プラウラーの状況認識、通信能力、妨害効果、ヒューマンマシンインターフェースが飛躍的に向上した。EA-18Gグラウラーの電子戦システム開発のベースとなったが、一部情報筋によると、ICAPIIIプラウラーは、グローラーよりさらに優れているという。

ここ数年、ほんの一握りの海兵隊プラウラーがLITENINGターゲット・ポッドを搭載し飛行し、従来とは異なるオーバーウォッチと監視の役割を果たしながら、必要に応じ妨害任務も同時にこなしてきた。

プラウラーは著しく時代遅れの航空機であったにもかかわらず、そのキャリアの黄昏時に真のマルチロール・プラットフォームとなった。

海兵隊航空基地チェリーポイントを拠点とする米海兵隊の最後のプラウラー飛行隊、Marine Tactical Electronic Warfare Squadron 2、通称VMAQ-2「Death Jesters」も2019年3月8日金曜日、基地での式典で同機に別れを告げた。

USMCは、EA-18Gグラウラーなど電子戦専用機の購入していない。その代わりに、同軍はボルトオンのIntrepid TigerポッドとMQ-21 Blackjackドローンを使用し、飛行部隊全体に電子戦能力を分散させる方針だ。しかし、はっきり言って、これらのシステムは、それなりに能力はあるものの、EA-6BやEA-18Gが提供する広範囲の敵の防空システムに対するハイエンド電子攻撃能力は提供しない。

アメリカ海兵隊が購入するF-35BとCは、強力な電子戦機能を持つが、大規模な戦力保護やプラウラーやグㇻウラーが提供する広域妨害ではなく、自己防衛に重点を置いている。

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DoD

2016-2025 Naval Aviation Vision文書では、米海兵隊の中央集権的な電子戦戦略の脱却について次のように述べている。

EA-6B Prowlerの2019年度退役後の電子戦(EW)要件に対処するための海兵隊の包括的計画は、海兵隊空地任務部隊(MAGTF)EWで、最新技術を使用し航空プラットフォーム(無人、固定翼、回転翼の資産)、ペイロード、地上EWノード、サイバー効果を統合し指揮官に有機的かつ持続的EW能力を提供する。MAGTF EW構想は、海兵隊がこれまで低密度・高需要のEWに集中していたのを、分散型・ネットワーク型・プラットフォーム非依存型のアプローチに移行させる。MAGTFのEWは、地上部隊や高度な統合防空システムに対抗する第5世代航空機を支援するため統合EW資産を補完する」。

EA-6Bは、国防総省が保有する高速ジェット機の仲間に比べれば比較的小さな機体だが、総飛行時間は26万時間を超え、現役時代はほぼすべての主要な米軍作戦に参加していた。EA-6Bのレーダー・スクランブル機能によって、どれだけのパイロットと航空機が救われたかは、数えることができない。

message-editor%2F1552091840163-aasddavv.jpg一番手前の機体の左翼についたライティングポッドに注目。

USMC

この数字は本当に驚くべきことだ。プラウラーが電子トリックを駆使して1機救うごとに、他の多くの飛行機とサービスマンが、墜落機を救出するため敵地に飛び込む作戦が不要になったことを意味することを忘れてならない。つまり、EA-6Bはアメリカの戦闘機の生存率に累積的な影響を与えたのだ。

また、F-117が初めて出撃して以来、プラウラーはアメリカのステルス航空機の静かな担い手として、ステルス技術の「カクテル」にほぼ不可欠な存在として働いてきた。F-117が唯一戦闘で失われたのは、アライド・フォース作戦時で、ステルス機が敵領空に深く入ったが電子攻撃の傘としていのEA-6Bが不在の夜だったことは注目に値する。

地上の兵士にも同じことが言える。電子戦の天使が頭上を周回していたために、命も手足も無事で脱出できたことを知らない人がどれだけいるか。今や、電子戦は戦闘の主要領域となりつつある。電子攻撃関連の技術は、かつてないほど重要かつ効果的であり、はるかに大きな能力が生まれつつある。数十年にわたるEA-6Bの運用は、EA-18Gグラウラーの開発のみならず、今後数十年にわたり戦闘に勝利するための電子戦戦略や技術に影響を与えてきた。

グラマンを象徴する同機はもう使用されていないが、EA-6Bと、その頑丈な機体に精力的に取り組んだ人々、それに搭乗した人々、その他設計や長年にわたるプラウラーの維持に携わった全員が残したのは素晴らしい遺産だ。それは、地球上のどの飛行機にも真似できない、信じられないような、しかししばしば誤解される記録だ。EA-6Bは本当に、一般人がほとんど何も知らないまま最も重要な戦闘機だった。

「グラマン鉄工所」の戦術機の系譜で最後の機体に最後の別れを告げたが、私たちはプラウラーをこれほど壮大で長続きする成功に導いてくれたすべての人に感謝の言葉を述べるしかない。■

 

The EA-6B Prowler Has Been Retired, But Its Impact On Air Warfare Will Live On Forever

BYTYLER ROGOWAY|UPDATED DEC 1, 2019 6:46 AM

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