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ロシア、中国の「合同パトロール」が拡大し、両国機はそれぞれ相手国内の基地へ着陸した模様。

  

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最新の長距離爆撃機の訓練では、日本と南朝鮮の戦闘機がTu-95MSとH-6Kミサイル爆撃機にスクランブル発進した

 

 

ロシアと中国の長距離爆撃機が日本海と東シナ海で「合同パトロール」を行い、南朝鮮と日本の戦闘機がスクランブル対応した。今日の演習では、初めてロシアと中国の航空機が互いの飛行場に着陸し、協力関係の拡大をうかがわせた。

 ロシア航空宇宙軍(VKS)のTu-95MS「Bear-H」が中国上空を飛行する映像では、少なくとも一部のロシア機は浙江省の中国空軍基地に着陸したとされる。

 ロシア機が中国基地で給油を受けたかは未確認だが、その可能性は高いと思われ、その後、自国の基地に戻った。一方で中国軍機もロシアの飛行場に着陸した。いずれにせよ、Tu-95爆撃機が中国を訪問したのは今回が初めてと思われる。

 

 ロシア国防省の公式映像では、Tu-95MS爆撃機がロシア極東のアムール州ウクラインカ空軍基地を出発する様子が映っているが、これがPLAAF爆撃機が訪れたのと同じ飛行場かどうかは不明。

 爆撃機の訓練には、Tu-95MSの他に、人民解放軍空軍(PLAAF)のH-6Kが参加した。両機は冷戦初期に設計されたが、その後改良が重ねられ、最新型は高性能空戦型巡航ミサイル各種を搭載する。

 Tu-95MSは核兵器搭載機だが、H-6Kの核運用の状況はあまり明らかではない。ペンタゴンによる中国軍に関する最新報告書では、新しいH-6N型を北京の「初の核搭載空対空給油可能な爆撃機」と表現している。

 

防衛省提供のPLAAF H-6K爆撃機の写真。 JASDF

 

ロシア国防省によると、Tu-95MSは約8時間飛行し、VKSのSu-30SMおよびSu-35Sフランカー戦闘機が護衛した。

 

Tu-95MSのコックピットから見たVKS Su-35S。この戦闘機には少なくとも2発のR-73シリーズ(AA-11アーチャー)空対空ミサイルが搭載されている。 Russian Ministry of Defense screencap

 

 

ロシア国防省は、「航路のいくつかの段階で、戦略ミサイル機は外国の戦闘機を伴った」と付け加えた。これは、F-15Kスラムイーグルを含む韓国空軍(ROKAF)戦闘機がスクランブル発進したことを指しているようである。韓国軍は、中国軍機2機とロシア軍機6機が防空識別圏に侵入し、戦闘機を発進させたと発表した。

 ソウルの合同参謀本部(JCS)は、PLAAF H-6 2機が現地時間今朝5時48分頃から南朝鮮南部と北東部沿岸の韓国防空識別圏(KADIZ)に「繰り返し出入り」したと発表した。中国の爆撃機は当初、済州島の南にある水没した岩石と海洋研究センターがあるレオ島から北西78マイルの地点から侵入し、午前6時13分にKADIZを離れた。

KADIZは領空ではないが、韓国はここで活動する外国航空機が自らを特定するようよう期待している。ロシアと中国の航空機がトランスポンダーを付けていたのか、管制当局に確認したかは不明だが、ロシア軍用機はこうした手続きを無視することが多い。

 午前6時44分、PLAAF爆撃機は南部の港湾都市ポハンの北東からKADIZに再突入し、午前7時7分に再び区域から退出した。

 その後、JCSの説明によると、2機のPLAAF爆撃機はウルルン島の北東124マイルの地域から飛行し、午後12時18分にKADIZに再突入した。この時、VKS の Tu-95MS 4 機と Su-35S 2機が随伴していた。各機は午後12時36分に退出するまで18分間KADIZにとどまったと言われる。

 

Tu-95MS Bear-H

本日公開されたロシア国防省の公式映像のスクリーンショットに見られるTu-95MS Bear-HRussian Ministry of Defense screencap

2機のTu-95MS爆撃機を示す今日の日本の防衛省の別の配布資料 JASDF

 

「我が軍は中国とロシアの航空機がKADIZに進入する前に空軍戦闘機を派遣し、潜在的な有事に備えて戦術的な措置を実施した」とJCSは声明で述べている。

 ロシアと中国の航空機が韓国の主権的な領空を一切侵犯していない。

 同時に、KADIZはロシアが承認していないことにも注意が必要だ。一方、中国は、KADIZは韓国領空を構成しておらず、これらの領域で他国が移動の自由を行使することは適切と指摘している。

 日本の航空自衛隊の戦闘機も対応した。日本の防衛省は、中国の爆撃機2機が東シナ海から対馬海峡を通り、日本海に飛来した際に戦闘機が遭遇したと発表した。

 防衛省が提供した地図では、2機(PLAAF J-16フランカー多機能戦闘機と推定)が、少なくとも一時的に、爆撃機が東シナ海上で護衛していたことも示されている。防衛省が今日発表した2枚の写真には、J-16がはっきり写っている。一方、別の2機の未確認の中国戦闘機も、対馬海峡を通過する間、爆撃機に同行していた。

日本の防衛省が発表した、ロシアと中国の爆撃機の飛行経路と、PLAAF J-16と推定される2機(紫色)、さらに中国の未確認戦闘機2機(灰色)を示した地図 Japanese Ministry of Defense

この防衛省の写真には、爆撃機を護衛していたPLAAF J-16の姿がはっきりと写っている。JASDF

JASDF

 

 ロイター報道によると、H-6に加え、種類は明らかにされていないロシア無人機2機も加わっていたという。これは中国無人機の誤認かもしれない。

 アジア太平洋地域におけるロシアと中国軍用機による共同演習は、過去にも行われており、最近では5月にソウルのJCSがロシアと中国の航空機がKADIZに入ったことを確認した。

 ロシアと中国の航空機がKADIZに入ったことで、過去には緊迫した事件も起きており、特に2019年には、中国との合同航空訓練中に韓国空軍戦闘機がロシア軍機に向け数百発の警告射撃を行ったが、モスクワはこれが起きたことがないと反論している。

 2020年12月には、ロシアと中国の航空機の大編隊がKADIZに入り、2機のTu-95MSと4機のH-6K爆撃機に、Su-35S戦闘機数機を含む少なくとも13機のVKS航空機が同行したとソウル防衛省が発表している。

 近年、ロシア軍と中国軍が関与する合同軍事演習が注目を集めた例は他にもある。2021年には人民解放軍とロシア軍がZAPAD/INTERACTION訓練に参加し、この後半部分は初めて中国本土で実施された。ペンタゴンの最新の中国に関する報告書によると、PLAとロシア軍は、₍₍両軍の理解と協力を深めるために、理論・システム訓練、武器交換、集大成の演習を行った」とある。

 それはさておき、ロシアのウクライナ戦争に対する中国の支援の程度は不透明なままだ。北京は一貫して曖昧な立場のままで、ロシアへの支援を公には認めていない。しかし、最近、大型輸送機An-124による両国間の飛行が軍事物資の移動に関連しているのではないかとの憶測が流れ、中国が公表している以上に深く関与している可能性が指摘されている。

 ロシア国防省は、今回の航空演習は「第三国に対するものではない」と指摘したが、こうした緊密な軍事協力の政治的関連性が消えたわけではない。

 ここ数週間、北京はモスクワと経済面で緊密に協力する意向を示しており、習近平国家主席はエナジー関連でロシアと「より緊密なパートナーシップを築く」用意があると宣言している。中国はロシアの石油とガスの主要な顧客であり、この関係が拡大すれば、ウクライナ戦争での制裁によるモスクワの収入減に役立つだろう。

 

 軍事的なパートナーシップの継続と並んで、エナジー分野での協力関係の強化は、北京とワシントンの関係をさらに悪化させる可能性がある。ロシアに対する実行中の制裁措置は、中国がロシアから石油とガスを購入することを妨げないが、それでもジョー・バイデン大統領は、プーチンの制裁逃れを支援し続ければ、不特定の結果を招くと北京に警告している。

 ウクライナ危機と北京との関係悪化を抱える米国にとって、ロシア軍と中国軍の接近は最悪のタイミングだ。南朝鮮にとっても、対北朝鮮関係で緊迫している時期に、ロシアと中国の爆撃機が合同で自国沿岸をパトロールすることは、望ましくない。■

 

 

Russian, Chinese Bombers Land At Each Other’s Airfields After Joint Patrols

BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED NOV 30, 2022 1:32 PM

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