Japan Ministry of Defense
高空飛行する偵察機RQ-4は、太平洋で緊張が高まる中、日本と同盟国による敵監視に有効だ
航空自衛隊JASDFは、2015年に米国から調達プロセスを開始した新しいRQ-4Bグローバルホーク偵察機の1機目を正式に飛行させた。高高度・長時間耐久型(HALE)無人航空機は、日本の状況認識を強化し、北朝鮮や中国など外部勢力からの攻撃を抑止し対応する方法を模索する中で、日本の監視能力の強化につながることが期待されている。
ノースロップ・グラマンが設計したRQ-4は、12月21日に非公開の場所で航空自衛隊が初飛行させた。日本が3月に最初のグローバルホークを受け取ってから8ヶ月後となった。グローバルホークは18.7時間の太平洋横断飛行でアメリカから飛来した。その1年前の2021年4月には、ノースロップ・グラマンがカリフォー二ア州パームデール施設で、日本のグローバルホーク無人航空機(UAV)による初の米国内飛行試験を実施した。グローバルホークは、国務省の対外軍事販売プログラムにより、合計3機が日本に購入されている。
12月21日、航空自衛隊で初飛行する日本の「RQ-4Bグローバルホーク」。出典:防衛省
「グローバルホークは、日本から比較的離れた地域での情報収集や、緊張が高まっる状況での持続的空中監視を行うため導入されます」と、航空自衛隊は3月の声明で述べていた。
2018年にノースロップ・グラマンが受注したグローバルホーク3機(ブロック30の構成をベース)の国防総省の契約は、4億8990万ドルだった。このUAVの日本仕様3機のそれぞれは、合成開口レーダー、赤外線/電気光学センサー、信号情報装置を備える。今回の受注では、地上管制システム2基と予備品、運用飛行試験支援、通信機器など支援サービスが含まれている。
グローバルホークは、重量14,950ポンド(6,781キログラム)の超大型無人機で、情報・監視・偵察(ISR)作戦を行うため設計された。高度6万5,000フィート(約2万メートル)を飛行し、34時間以上滞空できる。
2022年3月12日、日本に到着したRQ-4Bグローバルホーク。Credit: JASDF
航空自衛隊の新しいグローバルホーク部隊は、本州北部に位置する三沢基地に配備される。2014年から、アメリカ空軍は夏の間、台風や雷雨でグアムのアンダーセン空軍基地でのUAVによるISR業務に支障が出たため、自軍のグローバルホークを多数三沢に常駐させてきた。しかし、2020年以降、この移転は主にアンダーセンと横田基地間で行われている。
航空自衛隊は、三沢の新型グローバルホークを運用する専門部隊も発足させた。航空自衛隊の航空偵察群は、9月からアンダーセン基地の米空軍第4偵察飛行隊と訓練し、無人偵察機の飛行に必要な手順やプロトコルに慣れ親しんでいる。
ノースロップ・グラマンによると、グローバルホークは最終的に「地上の指揮統制部隊を含む」日本の情報資産と統合される。グローバルホークの新部隊によって、日本は、米国に加え、オーストラリア、韓国、NATO加盟国など、グローバルホーク無人偵察機の運用を行う同盟国に加わる。
グローバルホークは、広大な面積の島々からなる日本が、自国領土への接近をよりよく監視するのに役立つ。また、国際空域から他国を覗き込むことで、軍事活動の監視や広大な土地の監視も可能になる。また、将来的には日本の海軍作戦を支援することも可能だ。
グローバル・ホークは無防備で、半自動の「デスクトップ」のような「ポイント&クリック」インターフェースを使って操作される。運動能力では価値がないが、提供する情報は敵に対する運動作戦を実行する上で重要な意味を持つ可能性がある。
グローバル・ホークが日本の偵察活動に導入されたのは、日本が現在の地政学的情勢に対応し防衛政策を大きく転換しているときとなった。これは日本の国家安全保障戦略の中で強調され、日本国憲法第9条が自衛行動のみを行うべきであると述べているにもかかわらず、「相手国の領土で有効な反撃を行う」能力は、それでも「最低限の自衛手段」であると説明されている。
また、米国が自国部隊の規模を大幅に縮小している中で、日本がグローバルホーク運用を開始する。しかし、RQ-4は日本にHALEの能力を与え、このユニークな任務に対応できる実績のある成熟したシステムを提供する。
グローバル・ホークが日本と同盟国の情報収集に強力に貢献することは間違いない。■
Japan Flies Its RQ-4 Global Hawk For The First Time | The Drive
BYEMMA HELFRICH|PUBLISHED DEC 21, 2022 7:56 PM
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