(U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Justin McTaggart)
2022年、世界は大国間戦争へ冷戦終結後でもっとも近づいた。
ロシアはウクライナへ本格侵攻を開始し、即座に制裁とキーウへの軍事支援の組み合わせを生んだ。春までに、米国と同盟国は、ロシア兵士の死、ロシアの軍事設備の破壊、ロシア経済の長期的な悪化を招く政策を進めていた。この戦争は世界にも波及し、これまで静かにくすぶっていた紛争の利害関係を劇的に増大させた。
以下、「第三次世界大戦」が発生する危険性が最も高い5地点だ。
ウクライナ
ウクライナ戦争が膠着状態に陥ったことで、ロシアが低迷する戦況を立て直すため核兵器を使用する懸念は夏よりは減少したように思われる。しかし、エスカレートの懸念は依然残っている。ロシアが進展しないことで、プーチン政権の安定が脅かされ、モスクワが危険な選択を考えるようになる可能性がある。長期的な継戦能力への懸念のため、キーウに膠着状態を打破するため危険な手段を取らせるかもしれない。
NATOへの戦争拡大はありえないが可能性はある。ロシアの核兵器使用は考えられないが、まったく不可能というわけでもない。
バイデン政権とヨーロッパ同盟国はエスカレーションのリスクに細心の注意を払っているものの、ワシントンがすべてのカードを握っているわけではない。キーウとモスクワのいずれかが、より広範な紛争、すなわち第三次世界大戦に発展しかねない紛争のリスクを受け入れるかもしれない。
台湾
台湾と中国の間で戦争が直ちに起こる懸念は、中国の壊滅的な伝染病の影響で、ここ数ヶ月わずかながら薄れてきている。しかし、両岸の緊張が依然大きいことに疑いの余地はない。バイデン政権が台湾防衛で危険な修辞的立場を取るのを厭わないのは、ワシントンが中国の攻撃の見通しに対し真の懸念を抱いていることを示している。同時に、こうした発言(およびナンシー・ペロシ下院議長の台北訪問のような賢明でない演出)は、中国のエスカレーションを誘発する危険性がある。
中国の紛争準備は誰の目にも明らかであるため、戦争の警告を受けると信じるに足る理由がある。しかし、最終的に米国や日本も巻き込んだ大国間戦争になる可能性が高い。
ギリシャ-トルコ
ロシアのウクライナ侵攻を受けたNATOの活性化に関する議論に紛れて、NATOの南側で危機的状況が生じている。この1年間、ギリシャとトルコ間の緊張は、トルコの積極的な外交政策への転換とエルドアン政権の脆弱性により、大幅に高まっている。エーゲ海のエネルギー開発をめぐる両国の争いが、現在の緊張を後押ししているが、議論の根底にある領土問題の不一致は数十年前から存在したままだ。
NATO同盟国が他のNATOの同盟国を公然と攻撃することはないと思われるものの、過去の紛争では、同盟の約束にかかわらず、両国は戦争寸前まで(時にはそれをわずかに超えて)いったことがある。トルコとギリシャの争いは直ちにNATOを巻き込み、間違いなくロシアによる日和見的介入を招くだろう。
朝鮮半島
ここ数ヶ月間、ソウルと平壌の間の緊張は着実に高まっており、北朝鮮の挑発行為(多くの場合、国際環境に関する金政権の特異で不可解な評価により引き起こされる)は、南側からの攻撃的なレトリックの反応を引き起こしている。北側は壮大な核兵器を持っているにもかかわらず、世界からまともに相手にされないという焦り、南側は重要な国家が無能で進歩のない兄弟に重荷を負わされているという焦りが、2国間の力学を動かしているようだ。
こうした緊張関係は今に始まったことではないが、歴史的には冷戦と冷戦後の自由主義的な国際秩序で制約を受けてきた。前者は終わり、後者はほころびつつある。平壌は今がチャンスと感じ、ソウルは隣国の横暴を許容する忍耐力を示すのに苦労するかもしれない。戦争が勃発すれば、通常兵器と核兵器が双方に恐ろしい犠牲を強いることになり、ロシア・ウクライナ戦争より早く破壊的なものに進展する可能性がある。
中国-インド
中国とインドによる散発的な戦闘が「世界の屋根」で続いている。ほとんど人が住めない山間部のわずかな領土を支配することへの真の利害は依然不明だが、中国もインドもこの紛争から手を引いてはいない。戦闘は今のところ極めて限定的だが、国家の威信を守る欲求で、最も賢明で賢明な指導者でさえ、急速に毒される可能性がある。
モディや習近平が当てはまるかは別として、それぞれが率いる政府は紛争の解決方法を見いだしていない。インドと中国のどちらかが、ある時点でエスカレーションで問題を解決しようとする誘惑に駆られるかもしれない。
第三次世界大戦が起きないことを祈る
ウクライナ紛争はすでに大国間戦争の様相を呈しているが、グローバル紛争に発展する可能性は依然低いままだ。ロシアのウクライナ侵攻は、国際社会の最善の努力にもかかわらず、大戦争が起こりうると証明している。平和の維持には慎重な政治的手腕が必要で、戦争へのエスカレーションの管理には並外れた技術が必要だ。■
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ByRobert FarleyPublished16 seconds ago
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