2023年3月25日土曜日

湾岸戦争73イースティングの戦いに見るM1エイブラムズの戦力と優れた戦術判断。ウクライナでも恐るべき威力を発揮する....



M1エイブラムス主力戦車31両がウクライナに向かい、本来の対戦相手のロシア戦車とどう戦うのかが、大いに議論されている。エイブラムスがソ連時代の旧型装甲車両に照準を合わせるのは今回が初めてではない。湾岸戦争の伝説的な73イースティングの戦いほど、戦力不一致をよく表している対戦はない。 

 


 
73イースティングの戦いは、20世紀の偉大な戦車戦の一つとしてよく知られている。M1A1エイブラムス戦車わずか9台が13台のM3A2ブラッドレー戦闘車、120人の歩兵と、訓練されたイラク共和国軍タワカルナ師団10機甲師団というはるかに大きな部隊と対峙する。 

 

数で劣るアメリカ軍にとってさらに悪いことに、イラク軍と装甲車は防御態勢のまま、実戦実績のないアメリカの戦車に歯向かうチャンスを待っていた。しかし、いざ戦闘が始まると、当時28歳のH.R.マクマスターの健全な軍事戦略と優れた軍事技術がイラク軍を蹂躙し、M1エイブラムス主力戦車とM3A2ブラッドレー戦闘車のワンツーが単に戦闘に有効なだけではないことを明白に証明した。まさに破壊的だったのだ。 

 
 

ウクライナは湾岸戦争とちがう 



73イースティングの戦いで何が起こったのかの前に、まず、適切な文脈で全体像を見てみよう。湾岸戦争は、米国主導で35カ国の連合軍が支援した大規模な軍事作戦だった。M1戦車3,100両以上を投入したアメリカは、連合軍戦闘機が支配する空域で活動しながら、アメリカと同盟国の巨大な兵站力の恩恵を受けていた。
 

 

エイブラムスは、起動だけで燃料約10ガロンを必要とし、1マイルあたり2~10ガロンの燃料を消費することで有名であるため、この点は重要だ。アメリカのM1エイブラムス主力戦車は、1970年代までにソビエト連邦が投入した新型戦車に対抗するため、特にヨーロッパでの戦争を念頭に置いて設計されました。しかし、この戦車は、地球上で最も裕福な国であり、強固なグローバルサプライチェーンを持つ国が運用する前提で設計されたも。 

 

言い換えれば、エイブラムスは技術的に高度な戦争機械であり、山ほどの資金を持ち、強固な補給線を維持するため必要な航空優勢を持つ国が使用してはじめて最高の効果を発揮する。 

 

ウクライナには、アメリカのようにエイブラムスを活用する資金も制空権もない。しかし、窮地に立たされたウクライナ軍には米装甲車両の技術的優位性でロシアの年代物の戦車を蹂躙するのに十分かもしれない。 

 

M1エイブラムスの威力 

 

アメリカのM1エイブラムス主力戦車は、就役から40年が経過した現在も、着実なアップグレードと改良の積み重ねにより、価値を保っている。 

 

最新型エイブラムスM1A2 SEPV3は、M256 120mm滑腔砲とM240機関銃を同軸上に搭載し、さらに共通遠隔操作兵器システム(CROWS)で操作する12.7mm機関銃も装備し、地球上で最も先進的で高性能な機甲システムだ。また、IFLIR(Forward-Looking infrared)光学系で目標を発見し、電子戦システム、アクティブおよびパッシブな各種防御手段を搭載している。 

 

しかし、現在の最新型エイブラムスも、1991年の湾岸戦争で活躍したアメリカの戦車も、イラク軍が運用するソ連時代のT-72やT-62と比べ、技術的にははるか先を進んでいる。そして、ロシアのウクライナ侵攻から1年以上が経過した現在、ロシア軍が大量に運用している戦車と同じものである。 

 

73イースティングの戦いは、アメリカのエイブラムスとブラッドレーの小部隊が、数的優位に立つイラク軍と対峙したもので、エイブラムスとロシア軍の戦車との比較について、興味深い洞察を与えてくれた。 

 

米側の訓練を受けたイラク指揮官との対決

 

1991年2月26日、M1A1エイブラムス戦車9両、M3A2ブラッドレー戦闘車12両、歩兵120人からなるH.R.マクマスター大尉指揮下のイーグル隊は、イラク陣地に向かい東進を命じられた。本来ならば、偵察ヘリコプターや、A-10サンダーボルトIIなどによる航空支援が必要だが、大規模な砂嵐が発生し、視界が極端に悪くなり、アメリカの航空戦力は足止めされた。 

 

マクマスターの命令は明確で、連合軍のキャンペーンマップの中心線から東に67km離れた東経67度まで前進し、直接交戦に持ち込まずイラクの防御陣地を特定することだった。マクマスターのイーグル隊は、イラク装甲車両を発見したら、その位置を報告し、後方から来る本隊を待つことになっていた。 

 

マクマスターとその部下が知らな買ったが、部隊のすぐ南の道路は、イラクのタワカルナ師団と第10機甲師団の旅団が占領しているイラク軍訓練場に直接つながっていた。イラク軍は、アメリカ軍の進撃を止めるよう命令され、戦いに備えていたのだ。 

 

「敵の指揮官モハメッド少佐の部隊は、同地を熟知していた。部隊は実弾射撃訓練で村を宿舎として使っていたのだ。ジョージア州フォートベニングの歩兵将校上級課程を卒業したモハメッドは、村を防衛にの理想的な地盤だと考えていた」と、マクマスターは戦闘を振り返る中で書いている。 

 

イラク軍には防御陣地というアドバンテージがあったが、重大な戦術的ミスを犯していた。地形のないイラクの砂漠を進むには、道に迷わないよう道をたどるのが普通だが、アメリカの先進的なエイブラムスやブラッドレーは、最新の全地球測位システムを搭載し、自由に移動できる。無自覚なままイラク軍指揮官は、道路に防衛線を向けたが、イーグル隊はその数キロ北側から接近し、ある程度の奇襲性を持っていた。

 

しかし、マクマスターは、モハメッド少佐の防衛戦略を高く評価した。村にZSU-23-4「シルカ」レーダー誘導式対空兵器を配備し、4基の巨大な23ミリ自動砲を水平線と平行に配置し、ジェット機ではなく陸上装甲車両を切り裂くために使うつもりだった。彼は、数十台の戦車とBMPを防衛陣地に配置し、その間に数百人の歩兵部隊をバンカーや急造の塹壕に散在させた。 

 

村そのものを防御力の高い蜂の巣にし、進撃してくるアメリカ軍を村の北と南に散らばらせ、そこに地雷を設置して進撃を止め、エイブラムスやブラッドレーが止まったら大火力で蹂躙する計画だった。さらに、アメリカ軍が防衛線を突破した場合に素早く対応できるよう、東側約3,000mにT-72主力戦車18両を円形に配置していた。 

 
 

イーグル隊の交戦開始 

イーグル隊は、赤外線照準器を覗きながらブラッドレー13両を先頭に、マクマスターのエイブラムス9両を後方に従え、猛烈な砂嵐の中ゆっくり進んでいった。やがて、イラク軍偵察隊が現れ、すぐ降伏し、イラク軍にアメリカ軍の進撃を知らせるまでには至らなかった。イーグル隊が前進すると、イラク軍BMP2両が戦車3両を従え偵察しているのを発見した。 

 

イラク軍が反応する前に、イーグル隊のブラッドレーの1台が停止してBGM-71 TOWミサイルで一番南の戦車に命中させた。数秒後、同じブラッドレーが2発目のTOWミサイルを発射し2台目の戦車に命中させ、3台目には25mmM242 Bushmasterチェーンガンで攻撃した。 

 

イーグル隊が北東のイラク軍に注意を向ける間に、南東にある小さな建物群に隠れていたイラク兵が発砲した。マクマスターは、その建物を素早く評価し、攻撃者の中に民間人が隠れている可能性は低いと判断した。彼はエイブラムス9両すべてに、120mm滑腔砲で建造物を攻撃する命令を下し、小銃による攻撃は開始と同時に終了した。 

 

その直後、イーグル隊で前進するブラッドレーのすぐそばで爆発が起きた。ブラッドレーの指揮官は赤外線光学系を覗き込み、約800m先にT-72戦車1両を発見した。TOWミサイルで応戦しつつ、2台目のブラッドレーと一緒に停止を命じた。遠くでは、T-72戦車の砲塔が、ジャック・イン・ザ・ボックスのように飛び出すのが見えたが、これはウクライナ戦ではよく見られる光景だ。 

 

主砲の弾薬を砲塔後部に収納するエイブラムスと異なり、ロシアのT-72は砲塔と車体の間に砲弾40発を円形に収納する。そのため、この部分に命中すると、連鎖的に全弾が爆発し、戦車から砲塔が吹っ飛ぶ。 

イラクの戦車4両とBMP2両がくすぶる中、マクマスターには戦いが始まったばかりであることがわかっていた。 


 

戦車隊、前へ 

マクマスターはスズメバチの巣を蹴ってしまったと気づき、無線でイーグル隊に陣地転換を呼びかけた。 

 

「イーグル隊、戦闘配置につけ。イーグル隊、戦闘態勢に入れ、戦車は先頭に立て、戦車は先頭に立て」と命令した。 

 

ブラッドレーが減速し、9両のエイブラムスが楔状に前進すると、イーグル隊にはさらに前進して70イースティングまで押し進めるよう命令が入った。その直後、マクマスターはモハメド少佐の罠の始まりを発見した。戦車5両が隣り合わせに配置され、北側にさらに3台が控えていた。マクマスターのエイブラムスのレーザー距離計は、距離を1,420ヤードと読み取った。41ポンドのM829A1徹甲弾の発射を指示した。この弾は、劣化ウラン貫通弾でフィン安定化がつき、敵の装甲を短時間で破壊するため特別設計されている。この弾は時速3,500マイルで最初のイラク戦車に命中し、わずか3秒でエイブラムスは2発目のサボ弾を発射し、もう1台のT-72をスコアカードから消した。 

 

残る6台の戦車は一斉に砲撃を開始し、エイブラムス9両が小高い丘の頂上に到達すると、125mm戦車弾をイーグル隊に浴びせかけた。周囲に爆発音が鳴り響く中、マクマスターは恐ろしいことに気がついた。 

丘の上からは、さらに39両のイラク戦車と54台の装甲車、歩兵数百人が見えたのである。決定的な交戦をしないよう命じられていたにもかかわらず、マクマスターのイーグル隊は今、砲撃を受けており、しかも多勢に無勢だった。 

 
 

「ごめん」 と伝えてくれ 

イーグル隊が自分たちの置かれた状況を理解したとき、無線で呼びかけがあった。 

 

ジョン・ギフォード中尉が、マクマスター大尉に「聞きたくないでしょうが、前進の限界です。70イースティングに到達しました」と無線交信してきた。 

 

これ以上前進すれば、命令違反になるだけでなく、イーグル隊が前方に出過ぎて、増援が間に合わない可能性がある。イラク軍の規模が大きければ、包囲される可能性さえある。しかし、マクマスターは、イラク軍のT-72が自分の部隊を十分に射程圏内に収めていることも知っていた。今や選択すべきは、戦うか、尻尾を巻いて逃げるかだ。 

 

「止まるなと伝えろ。連絡は取れているので、この攻撃を続けなければならないと伝えろ」。マクマスターは、「申し訳ないと言ってくれ」と答えた。 

 

イーグル隊の上空で爆発が続く中、13台のブラッドレーと9台のエイブラムスすべてが射撃し、積極的に前進した。イーグル隊が敵陣に到達するまでに、T-72を15両撃破した。 

 

ZSU-23-4対空システムが4連装23mm砲で攻撃してきたが、ブラッドレーの1両がTOWミサイルを発射し、すぐ無力化された。残りのブラッドレーは、M240機関銃と25mmブッシュマスターチェーンガンで歩兵陣地を攻撃した。 

 

イラク軍はイーグル隊に命中させることに成功した。しかし、T-72の125mm滑腔砲主砲がエイブラムスのチョバム複合装甲の前面に直接命中しても、弾丸は跳ね返されるだけであった。 

 

イーグル隊はイラク戦線に突入し、予備で待機中のT-72隊を発見した。互いに接近していたため、標的捕捉が容易となり、イーグル隊はわずか数秒で編隊を全滅させた。 

 

イーグル隊は23分で東経73度まで攻め込み、数的に優位かつ要塞化されたイラク陣地を完全に破壊した。イーグル隊は合計で戦車47両、装甲車34両を蹂躙し、しかも自軍は車両や兵器システムを一つも失うことなく、これを成し遂げた。 

 

マクマスターのイーグル隊は、イラク共和国軍の一個大隊をまるごと破壊したのである。■ 

 

Alex Hollings | March 22, 2023 

 
 

シリア情勢にも注目。イラン代理勢力が米軍基地を攻撃、F-15Eストライクイーグルが報復攻撃、ロシア空軍機が米軍基地上空を威嚇飛行....

 




USAF

攻撃は、イラン製自爆ドローンで米軍契約企業従業員1名が死亡し、米軍5人とその他従業員1人が負傷した後に行われた



リアにおける米国とイランが支援する民兵との間の緊張は、過去24時間で急上昇している。

英国が拠点の人権団体「シリア人権監視団」(SOHR)によると、イランが支援する民兵がシリアの米軍基地にミサイルを発射した。木曜日にイランのイスラム革命防衛隊(IRGC)関連のグループの施設に米空軍F-15Eマルチロール戦闘機2機が攻撃したことへの反応なのは明らかだ。情報当局は攻撃では、イラン製の使い切り自爆ドローンが投入されたとしている。

SOHRによると、「アル・マヤディーン地方のアイン・アリ神社近くの基地に駐留するイラン支援を受けた民兵は、今日の朝、シリアで最大の連合軍基地を抱えるアル・オマル油田を狙って、ミサイル数発を発射した」。一方、SOHRは、今朝、この地域の上空で戦闘機を目撃したと報告している。

シリア人権監視団によると、イランが支援する民兵が、アルオマル油田の米国施設にミサイルを発射した。(グーグルアース画像)

「シリアのグリーンビレッジにロケット攻撃があったことを確認できる」と、CENTCOM報道官ジョン・ムーア少佐はThe War Zoneに語っている。「死傷者は出ていない」。

負傷した軍人のうち2名は現地で治療を受け、さらに3名の軍人と米国の契約社員はイラクの連合軍医療施設に医療搬送された。

情報機関は、攻撃に使われたUAVは「イラン起源」と評価した。

米軍契約者の死亡、米軍兵士5名と別の米軍契約者の負傷を受けF-15Eの報復攻撃が実施された。国防総省のメディアリリースによると、死傷者は、シリア北東部ハサカ近郊の米国主導の反イスラム国連合基地のメンテナンス施設に対する現地時間木曜日午後1時38分頃の無人航空機攻撃で発生した。

F-15Eは、対ISIS作戦が縮小した後も、ほぼ継続的にシリア上空を監視している。F-15Eは、敵対する航空機や部隊が米国の前哨基地に接近する緊急事態に、しばしば迅速に対応している。実際、F-15Eは2017年、基地を脅かすイラン無人機に対して歴史的な殺害を行った。また、標的攻撃や主要なテロ対策ミッションを支援することも、この地域への前方展開部隊としての役割の一部となっている。


ストライク・イーグルによる報復攻撃は、この機体の多用途性を改めて示しており、米空軍が10年後までに、すでに比較的小規模な艦隊を約54%削減することを検討する中でのこととなった。F-15Eは、速度、航続距離、積載量、乗員数、その他の能力が非常に優れているため、需要が高い戦術ジェット機にもかかわらず、このような事態を招いている。

ジョー・バイデン米大統領の指示で動いたロイド・オースティン国防長官は、「空爆は(木曜日の)攻撃と、IRGCに属するグループによるシリア国内の連合軍に対する最近の一連の攻撃に対応し行われた」と述べた。

CENTCOM報道官マイク・ローホーンは、The War Zoneに、2021年1月1日以降、イランに支援されたグループがシリアの米軍と施設に対して、今年の4件を含む、78件の攻撃を行ったと語った。

米政府関係者は、今回の攻撃による損害の評価をまだ発表していない。しかし、SOHRは、空爆により「民兵8人が死亡した」としている。

SOHRによると、この攻撃で数人の民兵が負傷し、一部は重傷を負い、さらに死者が出たとの未確認情報もあることから、死者の数はさらに増えると予想される。

SOHRによると、「攻撃の後、アル・マヤディーン、アル・ボカマル、デイル・エゾールの各都市のイラン支援を受ける民兵組織は部隊を集め、新たな攻撃に備え、厳戒態勢を敷いた」と述べている。

イラン無人機は、ウクライナでロシア軍によって壊滅的な効果をもたらしたが、中東でも脅威が高まっていると、米中央軍のリーダーであるマイケル "エリック "クリラ陸軍大将は木曜日に下院軍事委員会で証言していた。

NBCによると、「イラン政権は現在、この地域で最大かつ最も有能な無人航空機部隊を保有している」と彼は述べた。

地域内外の部隊への無人機による脅威は、The War Zoneが長年にわたり強調してきたことであり、今や指揮官の主要な関心事となりつつある。

「一連の精密打撃は、米国の人員を保護し、防衛することを目的としている」と、ペンタゴンは木曜日の夕方、メディアリリースで述べた。「米国は、エスカレーションのリスクを抑え、犠牲者を最小限に抑えるべく、相応かつ意図的な行動をとった」。

「バイデン大統領が明言したように、我々は国民を守るために必要なあらゆる手段を講じ、常に我々が選択した時間と場所で対応する」とオースティンは述べた。「我々の思いは、殺された契約企業社員の家族と同僚、そして今日未明の攻撃で負傷した人々とともにある 」とオースティンは言った。

ロシアが再び、シリアで米国に問題を起こしている。

NBCニュースは、同地域の航空作戦を担当する米軍将校への最近のインタビューを引用して、武装したロシア軍ジェット機が3月にほぼ毎日、米軍駐屯地の上空を飛行しており、米露間の4年前の合意に違反し、エスカレーションの危険性があると伝えている。

「米中央軍の連合軍航空部隊司令官アレクサス・グリンケウィッチ中将は、水曜日にNBCニュースに、直近のロシアのアットタンフ駐屯地(ATG)のオーバーフライトは数時間前に起こったばかりで、今月に入ってからロシア機の領空侵犯回数は、2月の0回、1月の14回に対し今月は25回だと語りました」。


「このままだと過去の2倍になる」とNBCニュースに語った。

「彼らは定期的に我々のユニットの真上を飛んでいる。真上とは、約1マイル以内という定義だ」とグリニッジは言う。「ATGには地上部隊も駐屯しており、不快な状況だ」。





2021年1月27日、米中央軍の責任範囲内を飛行するF-15Eストライクイーグル。F-15Eは空対空と空対地の任務をこなすように設計されたデュアルロールファイターで、潜在的な侵略を防御し抑止する米空軍中央司令部の態勢を示している。(米空軍撮影:二等軍曹ショーン・カーンズ)

更新:3:14 P.M.EST

国防総省の最高報道官パット・ライダー空軍准将は、金曜日午後、メディアブリーフィングで、現在進行中のシリア情勢についてコメントを発表した:

  • イラン製ドローンによる攻撃を受け、米国は東部時間午後7時40分(現地時間午前2時40分)ごろ、シリア東部のデイルエゾール近郊のIRGC関連施設2カ所にF-15Eによる空爆を行った。米国は、この攻撃の結果を評価中。

  • ライダーは、レーダーが作動していると述べた以外、イラン製ドローンの攻撃を受けた米軍基地で防空システムが作動しているかについてコメントを避けた。金曜日のニューヨーク・タイムズは、「2名の米政府関係者」を引用し、イラン製と疑われるドローンが攻撃したとき、「シリア北東部の連合軍基地の主要防空システムは完全に作動していなかった」と報じていた。「なぜシステムが完全に稼働していなかったのか、それで基地防衛にどのような違いをもたらしたのかは不明」 と同紙は報じている。「保安上の理由から、施設の防御能力の種類については、戦力保護を非常に、非常に真剣に受け止めているということ以外、具体的に触れない」と、ライダーは金曜日に記者団に語った。「レーダーに関して言えば、私の理解では、完全な視界が確保されていた。CENTCOMが調査する」。

  • ライダーは、シリアのグリーンビレッジの米軍基地へのロケット攻撃は、F-15Eの攻撃に反応したものだと認めたが、イランとの地域内エスカレーション問題を軽視した。「現地時間午前8時5分頃、東部時間午前1時5分頃、シリア北東部のグリーンビレッジの連合軍を狙った10発のロケット攻撃があった。この攻撃で米軍や連合軍の兵士に負傷者はなく、装備や施設にも被害はなかった。エスカレーションという点では、シリアにおける焦点はISISを倒すというミッションにある。そして、それは我々の焦点であり続ける。我々はイランとの衝突を求めない。イランとのエスカレーションを求めることはない。しかし、昨夜の攻撃は、我々が人員の保護を真剣に考え、脅威を受けたら迅速かつ断固として対応するという非常に明確なメッセージを送るのが意図だった」。

  • イランには、代理勢力が米国や同盟国に発砲しないようにする責任がある、とライダーは言った。「各グループがイランの支援を受けていることは承知している。このような活動が起こらないようにするという点で、イランは確かに役割を担っている」と述べた。

  • ライダーは、攻撃に使用されたドローンの種類は知らなかったが、武器を発射させず墜落させたと述べた。

F-15Es Strike Back After Deadly Iranian-Made Drone Attack On U.S. Base In Syria (Updated)

BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED MAR 24, 2023 12:07 PM

THE WAR ZONE

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2023年3月24日金曜日

ウクライナ:旧式APCも十分役立っているようだ。その他現地ニュース(3月18日現在)

 



ウクライナへ寄贈された装甲兵員輸送車APCが、バフムートでロシア軍陣地に突撃する映像が公開された





道装甲車両と重機関銃の騒音が、東ウクライナの機械化戦争の楽器だ。

 ウクライナ軍撮影による興味深い映像では、M113とオランダが供給したYPR-765(M113をベースにしている)がワグナーPMCの陣地を攻撃する様子が報告されており、APCの後ろには悲惨で分裂した地獄絵図だけ写っている。映像は、第一次世界大戦の雰囲気が非常に強い。

中隊規模の部隊の車両は、順次前進、後退を繰り返し、 敵砲火を前に、部隊が注意しながら進んでいる。

 開戦1周年を迎え、ロイド・オースティン米国防長官は米国は「機械化歩兵数個旅団を訓練し装備を与えている」とCNN取材に述べ、厳しさをます前線でロシア防衛陣を突破できると語った。新しい旅団と高度な装備の組み合わせはまだ戦場に届いていない。

 しかし、ロシア戦線を突破するためには、先進的な装甲車だけでは不十分である。戦争末期の戦闘で示されたように、装甲車は歩兵や他のユニットから必要なサポートがないと、死の罠となる。

 3月15日にザポリツィア州のノヴォダニリヴカ近郊で行われたウクライナ軍の攻撃失敗の報道がその残酷な例だ。映像では、開けた場所で数台の装甲車が燃えているのが確認でき、ロシア側は、この攻撃を撃退したとした。

 いずれにせよ、100年前の塹壕戦が東ウクライナの泥沼で再現されたとしても、ロシア占領下のクリミアでの攻防と解放計画は、ウクライナに送られる西側の最新鋭装甲戦闘車両に依存するだろう。

 老朽化したM113とYPR-765は、より近代的な後継車両と比較して「先端の戦闘車両」とは言い難いが、この戦いでどれだけの役割を担っているかが分かる。これは驚くべきことであり、恐ろしいことでもある。ウクライナは明らかに、理想的とは言い難いものの、手持ちの装甲車両でやりくりしている。








最新情報

プーチンがクリミアを訪問

プーチンは、ロシアがウクライナからクリミア半島を奪取したと宣言してから9年目の今日、現地に行った。ちょうど昨日、国際刑事裁判所が本人を戦争犯罪で告発した。自分で運転して移動しているようだ。ロシアが1年以上前にウクライナへの全面侵攻を始めてから、クリミアを訪問するのは初めてだ。ロシア報道では、プーチンは黒海艦隊の本拠地セバストポリに滞在中、美術学校と児童センターを訪問したという。


ロシアが徴兵制度を拡大

 英国国防省が土曜日に発表した情報では、ロシアは継続的な損失を考慮し、徴兵制要件をまもなく調整するとある。報告では、ロシア下院(立法府)を通じ、徴兵年齢を18~27歳の男性から21~30歳の男性に変更すると提案されていると指摘した。同報告書は、法案が「可決される可能性が高い」と評価し、2024年1月に施行されるとしている。

 ロシアの徴兵制は、ウクライナがハリコフ地方で反撃に成功したことを受けて9月に実施した「部分動員」とは別のものだ。ウクライナでの兵役は厳密には禁止されているが、「数百人が行政上の手違いや契約締結の強要によって兵役に就いたと思われる」と最新情報は指摘している。

 現在、18歳から21歳の男性のほとんどは、高等教育を受けるため免除を主張しているが、年齢層が変われば、部隊が増え、兵役を強制されることが確実となる。徴兵が増えれば、結果的にウクライナで働く兵士が増え、徴兵された兵士が前線から離れた場所で後方勤務する。


バフムート南方アヴディフカが次の焦点か

 ドンバスでの戦闘が今週も激化する中、10年近く前線にあるウクライナの町で、新たな包囲網の企てが懸念されている。ロシア軍は、バフムートの戦闘から50km南下し、ドネツク市と空港の要塞からわずか数マイル北に位置するアヴディフカAvdiivkaに再び戦力を集中させていると報じられている。

 2014年にドンバス戦争が始まって以来、近隣の戦闘に耐えてきたため、町の西側の広々とした地形は、脱走や迅速な包囲に対し脆弱だと懸念されている。エミール・カステヘルミ(@emilkastehelmi)がスレッドで説明しているように、アヴディフカは近いうちにバフムートの包囲網と対になる可能性がある。

 同地域ではここ数日、戦闘が増加しており、特に街の北側のクラスノホリフカの近くでは、戦闘が激化している。3月17日にロシアの空爆がアヴディフカを狙い、住宅用高層ビル一部が倒壊する被害が出た。赤外線映像では、その後の同地域のウクライナ側陣地への空爆も確認されている。

 さらに、サンクトペテルブルクから動員されたロシア人によるものとされる最近のビデオでは、同地区での攻撃で70%の死傷者が出たと主張している。

 カステルヘミが指摘するように、ロシアが町を完全に包囲しなくても、町の防衛を続けるウクライナには負け戦になる。バクムートへの西側アプローチと同様、ウクライナ軍が援軍や脱出で頼る道は、ひどく開けた場所にあり、側面からの攻撃には脆弱だ。

 バフムートでは双方に多大な犠牲と装備品が出たため、同様の規模の2度目の攻撃となると、ウクライナの消耗が懸念されるだけだ。


ロシアがクリミア防御を強化

 さらに南では、ロシアがウクライナの攻撃を想定して、占領地クリミアの要塞化を続けている。イシュンの町の南、地峡西側で建設が進んでいる様子を通行人がビデオに収めた。

 ロシアは新しい要塞を建設しているだけではない。アゾフ海の海岸線では、アラバト海峡の南端にあるアラバト要塞にロシア軍がいることが衛星画像で確認できる。17世紀にオスマントルコ軍が築いた同要塞は、1853~1856年のクリミア戦争、ロシア内戦、第二次世界大戦で戦われた。

 最近では、2014年にクリミアを併合して以来、ロシア軍が砦を占拠している。衛星画像では、要塞周辺の塹壕線と戦闘態勢から再び戦争の準備に入ったことがわかります。


 絵に描いたような映像は、雪が降る中、光量の少ないM142 HIMARSの発射を捉え、誘導ロケットの煙跡が太陽光線に照らされながら筋を引く様子を映し出しています。




 ウクライナのイヘリアンOBON分離特殊目的大隊が試射するDSS PZD 556軽機関銃の映像も映し出されている。NATO 5.56 x 45mm装弾で、FN Herstalの由緒あるMinimiやアメリカのM249 SAWに似ているように見えます。





 最後に、ウクライナ軍は、"Shahid "として知られる、武装ロボットの使用を開始した。土曜日投稿のビデオでは、ウクライナ軍が頭上のドローンと4輪ロボットを使って、ロシアの陣地を攻撃している。


 MON-90対人地雷と12キログラムのTNTを搭載したロボットは、そのペイロードが爆発すると、かなりのパンチ力を発揮する。上空のドローンからの映像は、別の兵士がロボットを走らせ、その結果生じる爆発を映し出している。■


Ukraine Situation Report: Armored Personnel Carriers Make A Charge In Bakhmut


BYSTETSON PAYNE|PUBLISHED MAR 18, 2023 9:22 PM

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