2024年7月13日土曜日

GCAPのパートナー各国が2025年の開発契約マイルストーンに向け足並みを揃えてきた(エイビエーションウィーク記事より)



グローバル・コンバット・エアクラフト・プログラム(GCAP)戦闘機を2035年までに完成させるため、業界のパートナーは厳しいスケジュールに直面している


BAEシステムズ


  • BAE-レオナルド-三菱のGCAP合弁企業は今年設立される見込み

  • GCAPが第6世代戦闘機市場の先陣となる可能性が高いため、輸出は重要な焦点となる

  • 英国のEJ200エンジン搭載実証機の初飛行は2027年と予想される英国での航空機プロジェクトは政治との絡みで、人々の記憶に残っている


英国航空機公社のTSR.2は、1960年代に時代を先取りして生まれた超音速核攻撃機だった。しかし同機は、ミサイル技術の飛躍的な進歩、政権交代、そしてアメリカから既製品のジェネラル・ダイナミクス製F-111を購入するオプションと重なった。



1965年に労働党新政権によりキャンセルされたTSR.2は、コストの上昇、軍部間のいさかい、そしてアメリカ製を購入したほうが安上がりだという期待の犠牲になった。


それから60年後、英国はまた新たな新型戦闘機の開発に着手しようとしており、今回はイタリアと日本との共同開発である。


グローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)の開発における重要な決定は、2024年に発足した労働党主導の政府によって下される。この計画は、特に無人航空機システムにおいて、技術革新が著しい時期に実施されるものであり、ロッキード・マーティンのF-35統合打撃戦闘機という既製品のプラットフォームを獲得する選択肢もまだ残されている。


TSR.2の開発と没落に関するレポートが、GCAP構想の上級指導者の必読書であるのも不思議ではない。


TSR.2(写真)の開発と中止とグローバル・コンバット・エア・プログラムの間には類似点が見られる。クレジット:Ron Appelbe/AW&ST Archive


来年の今頃までには、英伊日の3カ国の政府は、GCAPの中核となる乗員付き戦闘機(英伊のユーロファイターや日本の三菱F-2に取って代わるプラットフォーム)の全面的な開発契約を締結したと思われる。3カ国はまた、輸出市場の一部を確保することも望んでいる。


スケジュールは厳しい。日本はこの航空機を2035年に第一線で使用できるようにしたいと考えているが、新しいエンジン、先進的なセンサー、エイビオニクスを備えたクリーンシートで低視認性の戦闘機を提供し、さらに試作機を飛行させ、テストを実施し、サポート体制を整えるのに、10年という時間はあまりに短い。しかしこれは、ユーロファイター・プログラムに要した時間の半分での開発を目標とし、各国が自らに課した課題である。


その準備のために、3カ国の企業は数十億ドルを費やし、国内、二国間、三国間で技術の成熟に何年も取り組んできた。日本は三菱X-2先進技術実証機を飛行させ、英国は2027年にもう1機を飛行させる予定だ。また、ボーイング757の飛行テストベッドも、レオナルドUKのセンサー開発努力を支援するために運用される予定である。


この1年間、業界パートナーは作業配分の局面に釘を刺す作業を行ってきた。今後数カ月以内に、英国のBAEシステムズ、イタリアのレオナルド、日本の三菱重工業の3社が合弁会社を設立する見込みだ。これは、業界のパートナーに代わって戦闘機プログラムを管理するユーロファイター社のような存在となる。この新法人がGCAPを産業的にリードし、イギリス、イタリア、日本から開発契約を受けることになる。


これとは別に、プログラムを管理するために、3カ国政府はGCAP国際政府機関(GIGO)を設立した。GIGOは英国を拠点とする組織で、米国のF-35ジョイント・プログラム・オフィスと同様の運営を行う。GIGOの役割には、各フェーズの契約締結、要件の定義と優先順位付け、パートナー間の問題解決などが含まれる。


英国国防省のリチャード・バーソン未来戦闘航空部長は2月、議会の国防特別委員会で、「私がこの仕事を始めた当初、納入体制を整えるための条約を締結するには3~5年かかると言われた。「しかし、我々は最初の提携合意から1年以内に署名を行った。. . . これは、3国間の並外れた努力の証です」。


このプログラムの主な目標は、行動の自由と変更である。この点については、パートナー3カ国はF-35の取得を通じ苦労してきた。


「GCAPはF-35と同じことをやろうとしているわけではない」とイギリス空軍参謀総長のリチャード・ナイトン空軍大将は言う。「F-35を補完し、強化し、パートナーに異なる一連の能力を提供し、主権的な能力によってもたらされる利点を最大限に活用するために、非常に意図的に設計されている」。


ウェストミンスター上空のGCAP戦闘機の完成予想図


ファーンボロー・エアショー期間中、GCAPの焦点は技術成熟作業と英国実証機の開発に当てられると思われる。クレジット:BAEシステムズ

これまでのところ作業は迅速に進められているが、3カ国の財政状況、特にGCAPで提案されているような複数年にわたるプロジェクトに対応できるような政府の財政体制が整っていない英国では、努力はまだ困難な状況にある可能性がある。産業界は、以前のプログラムが異なるフェーズに入ったときに経験したストップ・アンド・スタートのアプローチによってGCAPが遅れる可能性があり、タイムラインにリスクが加わることを恐れている。


欧州の未来戦闘航空システム(FCAS)のように、ワークシェアをめぐって意見の相違が生じる可能性もある。レオナルドのロベルト・チンゴラーニCEOはここ数カ月、日本のメディアに対し、ワークシェアの面で対等なパートナーシップが必要だと率直に語っているが、イタリアは技術成熟のために行った投資について、まだ公に情報を共有していない。イタリアの関与が明らかな分野には、赤外線捜索・追跡システムや電子戦システムがある。


他の国々のプログラムへの参加や輸出についても疑問が残る。サウジアラビアの関心は以前から知られている。ユーロファイター・プログラムに近い関係者の中には、サウジアラビアの購入は、同国がGCAPへの加盟を得られるかどうかとの関連性を示唆する者もいる。サウジアラビアの統合参謀本部長官で空軍の将来能力委員会委員長を務めるサウジアラビア空軍のハメッド・アラムリ空軍大将は、5月に開催された王立航空協会イベントで、リヤドは第6世代戦闘機プログラムにおいて「対等なパートナー」になることを目指していると述べた。「サウジアラビアは単なる顧客ではなく、世界的なイノベーターになることを目指している」と彼は指摘した。


英国とサウジアラビアは、2023年初頭に発表された、戦闘航空関係と将来的な戦闘航空パートナーシップ創設の可能性を探る1年間の研究に取り組んでいた。サウジアラビアのような第4国をGCAPに加えることは、強大な財源をもたらすが、コストと時間のかかる既存協定の解体を必要とする可能性があり、タイトなスケジュールに遅れをもたらしかねない。


輸出に関しては、パートナー諸国は第6世代戦闘機市場で先行者利益を確保することを望んでいる。結局のところ、ヨーロッパのFCASのスケジュールは、GCAPよりも少なくとも5年遅れている。また、米国は次世代制空権プログラムから生まれたプラットフォームを輸出したがらないだろう。


ただ各国が数百機以上の航空機を購入する可能性は低いため、開発コストを分散させるためにも先行者メリットは不可欠だろう。現在のところ、GCAPにはF-35の発注数に匹敵する質量と規模の経済が欠けている。


特に難しいのは、日本に防衛輸出に関する厳しい規則があることで、日本がGCAPに参加することで、輸出規制を見直すことに合意した与党間で話し合いが行われている。輸出は、日本と防衛装備品や技術移転協定を結んだ国に限定されるかもしれないと、メディアは報じている。


ファーンボロー・エアショーでは、2022年のショーで発表されたプロジェクトである、技術熟成作業と英国実証機の開発に焦点が当てられそうだ。


BAEは、飛行制御ソフトウェアの開発、射出座席試験、実証機の飛行範囲全体で2機のユーロジェットEJ200を動作させるための蛇行ダクトを開発するための空力エンジン試験の進捗状況について最新情報を提供している。同社は、プラットフォーム開発のさらなる進展と、おそらく航空機の平面形状について発表する予定である。


ユーロファイターの開発を支えた実験機プログラムのデモンストレーターと同様に、UKテンペストのデモンストレーターは、機体に想定される低観察材料や技術など、「リスクの高い要素」を証明することが期待されている。この戦闘機はまた、超音速で内部の武器庫からミサイルを発射する計画もある。


爆弾倉を持つ最後の英国製航空機は、1950年代後半に初飛行したブラックバーン・バッカニアであったが、亜音速で飛行中に爆弾を投下するのみであった。


テンペスト実証機の初飛行は2027年に予定されている。■


GCAP Industry Partners Align For 2025 Development Contract Milestone

Tony Osborne July 08, 2024


https://aviationweek.com/shownews/gascc-riat/gcap-industry-partners-align-2025-development-contract-milestone


令和6年防衛白書でわかったASEVの最新動向について(Naval News)

新しい防衛白書でASEVについて新しい画像が公表され、Naval Newsが伝えてくれましたのでご紹介します。将来の拡張性も考慮して艦体が大型化していますが、電力容量も考えるとこの大きさで間に合うのでしょうか。また2隻建造するとありますが、3隻ないと常時パトロールができなくなるのではないでしょうか。もともとは地域住民のエゴで断念したイージス・アショアの代替なのですが、配備が完了するまでとんでもないコストになっていますね。

令和6年度防衛白書


防衛省がASEVの最新イメージを公開


日本の防衛省は最新の防衛白書で、イージスシステム搭載艦(ASEV)の最新画像を公開し、説明を加えた。



陸上イージス・アショアに代わる弾道ミサイル防衛(BMD)システムとして海上自衛隊はASEV2隻の調達を計画している。ASEV1号艦は2028年3月末までに、2号艦は2029年3月末までに就役する予定である。

 7月12日に発表された2024年防衛白書で公開された最新の画像は、ASEVの詳細設計の進展を示している。

 防衛省によると、ASEVの大きさは全長190メートル、全幅25メートル、基準排水量1万2000トン。これに対し、海上自衛隊の最新型イージス艦「まや」級は全長170メートル、全幅21メートル、基準排水量8,200トン。また、ASEVはトン数で米海軍の最新イージス艦アーレイ・バーク・フライトIIIの1.7倍である。

 艦橋構造のデザインは「まや」級イージス駆逐艦を踏襲しているらしいが、窓の形状は「もがみ」級フリゲート(通称FFM)のように横長になっており、視認性を向上させつつ、人員削減による艦橋スタッフの少人数化にも対応している。

 主兵装の構成も、Mk-45(Mod.4)5インチ/62口径(127mm)主砲を含むまや級に似ているようだ。

 ASEVが、全方位監視と警戒を向上させるために、FFMに搭載されているOAX-3電気光学・赤外(EO/IR)センサーシステムと同様の機器を搭載するかは、まだ不明だ。

 各国軍艦の設計に詳しい日本の海軍専門家は、匿名を条件に本誌の取材に対し、空中線やその他の装備は第一ファンネルの外周の突起部に集中しているようだと語った。

 「主エンジンの排気煙による熱問題や、その部分での電波干渉の影響はないのだろうか」と専門家は指摘し、「このような艤装を見るのは初めてなので興味深い 」と付け加えた。

 専門家はまた、第1ファンネルと第2ファンネルの構造についても注目した。

 「通常の艦船では、SSMはそこに設置される。甲板の作業通路になる部分に何らかの構造物が配置されているのは、将来的に長距離ミサイルなどを増設するためのスペースを確保するためかもしれない」と専門家は指摘している。

 海上自衛隊の元幹部も、匿名を条件に本誌取材に対し、ASEVはまだ設計段階であり、設計次第で細部の変更が続くと予想している。

 「将来的には、もがみ級フリゲート艦のように、船体側面にハッチを増やし、装備を隠しステルス性を向上させることになるだろう」と元幹部は語った。


ASEVの兵装とセンサーシステム

 2隻のASEVには、もともとイージス・アショア用に調達されたロッキード・マーチン社のSPY-7が搭載されることになっており、イージスシステムのバージョンは、SPY-7をベースライン9(BL9)に統合するために改良されたJ7.Bとなる。

 2024年4月4日、ロッキード・マーティンは、ASEV用の初の実写トラックAN/SPY-7(V)1レーダー(SPY-7)のデモンストレーションに成功したと発表した。

 防衛省は最新の白書で、SPY-7はSPY-1の5倍の追跡能力を持ち、ロフテッド軌道で発射されたミサイルや同時に発射された複数の弾道ミサイルに対処できると述べている。

 ASEV艦は、垂直発射システム(VLS)セル128個を搭載する。これは、まや級護衛艦のMk41 VLS 96セル(前方64セル、後方32セル)を上回る。

 また防衛省は、ASEVのVLSは、滑空段階で極超音速滑空体(HGV)に対処する将来装備に対応できる拡張性が与えられると説明している。


ASEVのその他兵装には以下が含まれる:

  • SM-6、別名RIM-174標準長距離アクティブミサイル(ERAM)

  • SM-3ブロックIIIA地対空ミサイル

  • 他の艦船が追尾した対空目標を遠隔射撃することを可能にする協同交戦能力(CEC)など。

2032年以降に搭載が想定された装備(拡張性/将来の増加):

  • 水上戦における脅威範囲外からの敵艦隊に対処するため12式SSMの改修

  • 敵の脅威範囲外で地上部隊に対処するトマホーク・ミサイル

  • ドローンによる飽和攻撃に対処する高出力レーザーなど


 防衛省は、今年度から2隻のASEVの建造を開始した。建設費を含む取得費用として、今年度予算に3731億円を計上している。さらに、各種試験準備や試験場などの運用支援施設などの関連費用として815億円(5億400万ドル)を確保している。つまり、2024年度だけでASEVの費用として4546億円が計上されている。■


Japan’s MoD Unveils Latest Image Of ASEV

Kosuke Takahashi  12 Jul 2024


https://www.navalnews.com/naval-news/2024/07/japans-mod-unveils-latest-image-of-asev/


2024年7月12日金曜日

注目の新型ISR機材XRQ-73は全翼機電動ハイブリッド機。予定通りの性能なら大きな役割を演じそうだ

Northrop Grumman has offer a new and interesting look at its secretive XRQ-73 drone.  

NORTHROP GRUMMAN

A secretive stealthy drone being developed under the Defense Advanced Research Projects Agency's Series Hybrid Electric Propulsion AiRcraft (SHEPARD) Demonstration program has now been designated the XRQ-73.The previous rendering of the XRQ-73 that DARPA released. DARPA

DARPA

XRQ-73ハイブリッド電動ステルス全翼機ドローンの外観写真が流出


XRQ-73 SHEPARDの新しい写真で謎めいたドローンに少し光を当てる

ースロップ・グラマンが、XRQ-73として知られるシリーズ・ハイブリッド電気推進AiRcraftデモンストレーション(SHEPARD)ドローンの最初の写真を公開した。画像では、同社の子会社スケールド・コンポジットとDARPAが連携して製造され、画期的で高効率、そしてささやくように静かなハイブリッド電気推進システムが特徴の同全翼機をよりよく見せてくれる。

 XRQ-73の最初の画像が公開されたとき、これがデザインのレンダリングなのか、それともCGで作られた背景に実際の写真を重ねたものなのかは不明だったが、私たちは後者だと考えていた。新しい写真はこれを確認し、XRQ-73の機体が製造されたことを示している。

 XRQ-73は、ロッキード・マーチンのスカンクワークのRQ-170センチネル、P-175ポールキャット、X-44Aに大まかに似た無尾翼飛行翼の平面形状を持つ。

 非常に目立つのは、機体中央部の上部にある2つの比較的巨大なエアインテークだ。これらの吸気口は中央のフェアリングの両側にあり、フェアリング自体も前部に2つの長方形の開口部を持ち、これがもう1組の吸気口と思われる。これらが何のためにあるのかは不明だが、ハイブリッドパワープラントと機体の電子機器の冷却が最有力だろう。また、離着陸時にパワープラントにさらにクリーンなエアフローを提供する可能性もある。

 一方、先行するXRQ-72Aでは、胴体前部の2つの多断面インレットが2つの燃料式ジェネレーターに空気を送り、そのジェネレーターが中央胴体後部の上部に取り付けられた4つのダクテッド・ファン・プロパルサーに電力を供給していた。これらの推進器は胴体自体には埋め込まれておらず、DARPAの関係者は以前、このコンセプトをより生存性が高く、運用に適した機体で「包む」計画だと述べていた。

 前回のレンダリングでは見えなかったXRQ-73のもうひとつ興味深い特徴は、機体中央部の下にある大きなファセットフェアリングだ。これは、さまざまな種類の電気光学、レーダー、パッシブ無線周波数のペイロードを扱うことができるセンサーエンクロージャである可能性が非常に高い。この一般的な配置は、似たような形状のRQ-170センチネルにも存在する。

 また、機首にオフセットされたエアデータ・プローブも新しい。DARPAは、XRQ-73の飛行試験を今年後半に行いたいと述べている。これは、ノースロップ・グラマンが述べているように、「ハイブリッド電動アーキテクチャーとコンポーネント技術を活用し、新しいミッションに特化した航空機設計を迅速に成熟させる」プログラムの包括的な野心とも一致する。その目的は、XRQ-73が不特定の「緊急な運用上の必要性」を満たすため比較的早く運用可能であるかを実証することである。

 RQシリーズという名称から、このドローンは主に情報収集・監視・偵察(ISR)を目的としていると考えてよいが、他の任務も排除すべきではない。この種のステルスで非常に静かなドローンは、侵入が容易でないエリアでの隠密偵察や、長距離運用が必要なミッションに理想的であるように見える。RQ-170のどこか下、ノースロップ・グラマンのBatのような小型カタパルト発射設計より上で、このようなシステムが無人航空機システム全体のヒエラルキーの中で最も適合しそうな場所である。

 MQ-9リーパー・ドローンではますます脆弱になっている半紛争地域でも生き残り、持続できること、また特殊作戦や秘密情報主導の作戦を支援できることが、このドローンに適している可能性が高い。極めて静かで、赤外線シグネチャが比較的低く、レーダーシステムへの探知が少ないことは、このような用途、特に気づかれることなく長期間にわたって生活パターンを監視するのに非常に有益だろう。

 この航空機は、機体設計において明らかに低観測性の特徴を備えているが、少なくともレーダーに対しては、超低観測性のプラットフォームに分類される可能性は低い。赤外線と音響シグネチャは、ハイブリッド推進システムにより、その性能クラスとしては極めて小さい可能性があるが、レーダーを回避する能力は、中程度の脅威環境、コンポーネントの感度、コストとバランスが取れているように見える。

 サイズに関しては、事前のレポートでも取り上げている:

 XRQ-73の性能に関する詳細は今のところ発表されていないようだが、DARPAによれば、重量約1,250ポンドのグループ3の非搭乗型空中システム(UAS)であり、"作戦上代表的な......ミッション・システム "を含むとのことである。米軍の定義では、グループ3のUASは重量55~1,320ポンド、高度3,500~180,000フィートで飛行でき、最高速度は100~250ノットである。

 XRQ-73の重量は1,250ポンドで、XRQ-72Aよりかなり大きくなる。XRQ-72Aの翼幅は30フィート、機首から翼端までの長さは11.2フィート、垂直翼端スタビライザーを含めた高さは4フィートであった。

 この設計は、XRQ-72Aを製造したGHO(Great Horned Owl)プログラムの経験に大きく影響されていることが分かっている。特に、ハイブリッド電気アーキテクチャーと "コンポーネント技術の一部"は、2000年代初頭から2010年代のある時期まで実施された初期のプログラムから導入されたもので、その詳細についてはこちらをご覧いただきたい。


 SHEPARDプログラムは、空軍研究本部(AFRL)および海軍研究局(ONR)と協力してDARPAが2021年から実施している。       SHEPARDは、Air-Ground Autonomous VEhicles(AGAVE)と呼ばれる、DARPAの以前のより広範なハイブリッド電気推進プロジェクトから発展したものである。

 全体で見れば、XRQ-73は魅力的なプログラムである。その推進システムと低被視認性の特徴のおかげで、特にこのドローンがより重く、ジェットエンジンを搭載したRQ-170より多数調達できれば、アメリカの情報収集能力に大きな影響を与える可能性がある。

 今のところ、この計画にはまだ多くの秘密が隠されているが、年内に初飛行が予定されており、そう遠くないうちにもっと多くのことが明らかになる可能性が高い。■



Our Best Look Yet At The XRQ-73 Hybrid-Electric Stealthy Flying Wing Drone

A new photo of the XRQ-73 SHEPARD sheds a little more light on the enigmatic drone, which is due to fly this year.

THOMAS NEWDICK, TYLER ROGOWAY

POSTED ON JUL 10, 2024 7:46 PM EDT

https://www.twz.com/air/our-best-look-yet-at-the-xrq-73-hybrid-electric-stealthy-flying-wing-drone



F-22ラプターの正式な後継機は今のところないと米空軍が発表

 ラプターを使いまわすしか選択がないのでしょうか。作戦投入できる機体が数十機しかなくても、CCAを多数随行させれば戦力として通用するという目論見は本当に通用するのでしょうか。

A new report from the Government Accountability Office raises questions and concerns about the Air Force's push to retire 32 Block 20 F-22 Raptors.The Air Force has no official replacement for its fleet of F-22 Raptors, the head of Air Combat Command said Wednesday. USAF


空軍の次世代制空権計画で開発中の第6世代戦闘機がラプターに取って代わるはずだったが、その将来はますます不透明になってきた

世代制空権(NGAD)プログラムの有人「戦闘機」コンポーネントに対する空軍の支援が枯渇する可能性を示すもうひとつの兆候かもしれない。航空戦闘司令部のトップは、F-22ラプター・ステルス戦闘機の代替計画は現在存在しないと述べた。元々、NGAD構想の下で開発されている乗員付きの第6世代ステルス戦闘機は、アメリカ空軍の戦力構造の中でF-22に取って代わる予定だったら。

「率直に言って、現時点でF-22の後継機はない」とケネス・S・ウィルスバック大将は言う。「F-22は素晴らしい航空機だ。同機のアップグレードをいくつか計画している」。

空軍はF-22ラプターの正式な後継機を持っていない、と航空戦闘司令部のトップは水曜日に述べた。アメリカ空軍

アメリカ空軍

NGADがF-22の後継機かどうか直接尋ねられたウィルスバックは、明言を避けた。

「ほとんどの人が知っているように、我々はNGADの調達先を選定しているところだ。「だから、NGADについてあまり多くを語るのは賢明ではないし、私の弁護士からも助言を受けている。

「しばらく取り組んできたことで、公にはなっていないことがたくさんある。「CCA(協働型戦闘機)はその一部であり、一般に公開されているものだ」。



第6世代ステルス戦闘機の乗員想定図が、3機のドローンと共に飛行する。Collins Aerospace ドローンと一緒に飛行する第6世代ステルス戦闘機のレンダリング。Collins Aerospace ドローンのトリオと一緒に飛ぶ第6世代の搭乗員付き戦闘機のレンダリング。コリンズ・エアロスペース

NGAD有人戦闘機プログラムの将来が一層不透明になってきた。空軍は、急速に変化する空戦の現実を見据えつつ、1機あたり約2億5000万ドル以上と言われる機体費用を削減しようとしているからだ。多くの重要な近代化優先課題に対処しなければならないことに加えて、予算が大幅に超過している。

それでもウィルスバックは、NGADのダウンセレクトは今年中に行われるだろうと予想している。ボーイングとロッキード・マーチンが契約獲得の候補に挙がっている。

NGADは、空軍の戦術空戦近代化の取り組みである。新しい有人戦闘機の開発に加え、NGADには幅広いサブプログラムがある。乗員付き戦闘機と協調して働くことを目的とした、何百、何千もの高度なまで自律的なCCA(Collaborative Combat Aircraft)無人機もNGADの中心的な構成要素となる。新しい武器、センサー、ネットワーキング、戦闘管理能力、先進ジェットエンジンなども、より大きなNGADの「システム・オブ・システム」の一部である。

ジェネラル・アトミクスのCCA候補機 ジェネラル・アトミクス

ウィルスバックは、このシステム群に遅れが生じれば、旧式のブロック20 F-22の退役に関する空軍の計算が変わることを認めた。

「ブロック20の維持に賛成だ。「多くの訓練価値を与えてくれるし、仮に緊急事態に陥っても、ブロック20を戦闘状況で使うことができる。彼らは非常に有能だ」。

以前の記事で述べたように、空軍が32機のブロック20ラプターを処分した場合、運用、訓練、テストにおいて深刻な問題に直面する可能性があり、関連費用を支払わなければならないリスクもある、と議会の監視団は最近警告した。現在のラプター保有機の5分の1弱を占めるこれらの戦闘機を、より新しい基準に引き上げるには法外な費用がかかるという同軍の評価にも疑問が投げかけられている。

NGADがラプターに取って代わらないとしても、ウィルスバックは可能性のある代替策を提示しなかった。

もし有人戦闘機だとしても、その次に何が来るのか、空軍は変曲点に立たされることになる。■

https://www.twz.com/air/air-force-now-says-it-has-no-official-f-22-raptor-replacement

Air Force Now Says It Has No Official F-22 Raptor Replacement

HOWARD ALTMAN

POSTED ON JUL 10, 2024 5:59 PM EDT

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2024年7月11日木曜日

余剰A-10がヨルダン空軍の手に渡る可能性がでてきた。ウクライナへの譲渡はどうなる?

 


ヨルダンというのは意外ですが、ゆくゆくウクライナへ譲渡する前のテストケースであるとも言えます。A-10を運用するには航空優勢が確保されていることが条件となりますので今の段階でウクライナで運用するのは時期尚早なのかもしれません。The War Zone記事のご紹介です。



ヨルダンが本当にA-10に興味を示せば、地上攻撃能力を高めることになり、その他国への移籍の道も開けるかもしれない


院軍事委員会は国防総省に対し、退役したA-10対地攻撃機をヨルダンに譲渡する可能性を検討するよう指示した。

  

ヨルダンでA-10攻撃機を将来的に運用する可能性が浮上している。米空軍は、2020年代末までに由緒あるウォートホグの運用を停止する予定である。A-10は、ウクライナ含む他国への派遣が検討されている。


月曜日、上院軍事委員会は国防総省に対し、A-10をヨルダンに移譲することを検討するよう正式に指示した。これは、来る2025会計年度の国防政策法案(国防授権法(NDAA))の新しい草案に添付された報告書の中で発表された。年初時点で、空軍は現役部隊、予備役部隊、空軍州兵部隊にまたがり、およそ218機のA-10を保有していた。


具体的には、「委員会は国防長官に対し、2025年2月1日までに、引退するA-10機をヨルダンに譲渡することの実現可能性と是非について、上院と下院の軍事委員会に報告するよう指示する」と、上院軍事委員会の報告書は述べている。「報告書には、ヨルダンが自力で航空機を維持する能力の分析を含める」。


ヨルダンのA-10取得への関心がどの程度活発なのか、いつからウォートホグに注目したのかは不明だが、同機への真の欲求がなければ、この件が浮上したとは考えにくい。本誌はヨルダン政府に問い合わせた。上院が最近の報告書を発表する前、コロンビアとウクライナだけが、A-10の取得に関心を示していたことが知られている。


4月の下院軍事委員会の公聴会で、フランク・ケンドール空軍長官は、A-10を取得する可能性に関心を示している国があることは知っているが、その時点で活発な議論が行われているとは認識していない、と述べた。同じ公聴会で、長官は問題の国がウクライナではないことにも言及した。空軍は、その後の本誌の質問に対し、ケンドールが言及した国を特定することを拒否した。


ウクライナ当局は、ロシアが2022年2月に全面侵攻を開始した直後、A-10の入手を公に検討した。当時、米政府関係者は、当時保管されていた約100機のワーソッグの一般的な状態を理由に、要求を押し切った。アリゾナ州のデービスモンサン空軍基地に保管されているA-10の多く、特に数十機の旧型A型は、飛行不能であり、長年にわたるスペアパーツの共食いのために、合理的に現役に戻せなかった。ワートホグは1984年以来生産が中止されており、老朽化したジェット機のサプライチェーンが複雑になっている。また、操縦するパイロットや、機体をサポートする整備士を養成するために何が必要かという問題もある。



同時に、空軍がA-10を永久に退役させる方向に向かっているため、ボーンヤードに送られるウォーソッグには、新しい強化翼を含む大幅な延命改造やその他の大幅なアップグレードを近年受けた新型のA-10Cも含まれる。象徴的な30ミリGAU-8/Aアベンジャー砲で最もよく知られるウォートホグは、幅広い種類の弾薬を使用できる有能な精密攻撃プラットフォームである。昨年、GBU-39/B小口径爆弾(SDB)が追加されたばかりだ。A-10Cはまた、特定のエリアを長時間滞空する能力など、A-10Cのトレードマークである他の特徴も維持している。


中東におけるテロ対策やその他の作戦における米国の同盟国であるヨルダンにとって、A-10は、合理的に維持できれば、近接航空支援や一般的な空対地能力において、貴重な後押しを提供できる。ヨルダンは現在、シリア国境沿いで麻薬撲滅キャンペーンにも積極的に取り組んでおり、空爆も行っていると伝えられている。A-10は、許容空域での低強度作戦の支援に特に適しており、武力監視や国境パトロール任務にも使用できる。


ヨルダン空軍の固定翼戦闘機は現在、60機近いF-16AM/BMバイパー戦闘機と、少数のターボプロップ軽攻撃機で構成されている。数年前、ヨルダンはガンシップに改造されたCN-235とC-295貨物機のポケットフリートを売りに出したが、これらの航空機の現状は不明である。そのため、A-10は同軍の対地攻撃能力を拡大し、F-16を空中からの脅威を含む他任務に解放するのに役立つ可能性もある。4月にヨルダンのF-16は、大規模な報復攻撃の一環として、イスラエルに向かうイランの無人機多数を撃墜した。


「委員会は、米国とヨルダン・ハシミテ王国との長年の同盟関係を高く評価するものである。委員会は、ヨルダンが2024年4月13日の夜、イスラエルに向かうイランの脅威から自国の領空を防衛したことを称賛する。「委員会はまた、ヨルダン国内および米中央軍の責任範囲全体で、無人航空機システムを含む増大する空の脅威に対抗するために、F-16機を含むさらなる重要な能力の必要性を認識している」。


ヨルダンは現在、ブロック70F-16C/Dバイパー12機の取得に取り組んでいる。


報告書では、国防総省に対し、イランとその代理勢力の脅威に対抗することに特に重点を置き、ヨルダンの防空・ミサイル防衛力の拡大を求めている。


国防総省がヨルダンへのA-10譲渡が実現可能かつ望ましいと最終的に結論付けるかどうか、あるいはヨルダンがそれと関係なく積極的にA-10の取得を追求するかどうかは、まだわからない。上院がA-10をヨルダンに送る可能性を提起しただけで、他の潜在的な将来の運用国、特にウクライナについての議論が再燃する可能性が十分にある。ヨルダンのA-10部隊運用がますます現実味を帯びてくれば、他の利害関係者が現れる可能性もある。


実行可能だと判断されれば、ヨルダンにA-10を送ることは、同国の空軍にとって歓迎すべきことであり、米空軍を去った後のウォーソッグの新たな可能性を開くことにもなる。■


Surplus A-10 Warthogs Could End Up In The Jordanian Air Force


JOSEPH TREVITHICK

UPDATED ON JUL 10, 2024 1:37 PM EDT



2024年7月10日水曜日

AIを悪用し偽情報を流す悪質なロシア、中国の集団が西側を撹乱し民主主義への攻撃を続けている

 情報工作、情報戦は今年各国で選挙があることもあり、特に警戒すべき事項です。その中で例によってロシア、中国にAI技術を悪用した有害な工作がすでに始まっており、無垢な大衆がこれに騙されつつあると警鐘を鳴らすDefense One記事のご紹介です。ただやられるばかりではなく、そうした悪辣な集団を破滅に追い込む攻撃ができないものでしょうか。

ロシアと中国につながるアクターが偽情報による工作でOpenAIを利用している

アメリカ製AIツールが世界中で偽情報の流布を後押ししており、ツールのメーカーが懸念している。

AI企業OpenAIの新しい報告書は、ロシアと中国に拠点を置く勢力が、ウクライナ、台湾、モルドバ、米国などのトピックに関し偽情報活動を強化するために生成人工知能を使用していることを明らかにした。

OpenAIツールを使って効果やリーチを向上させた過去3ヶ月の情報工作5件を報告書が詳しく述べており、敵対勢力がどのように高度なAIツールを使って、地政学的な出来事の認識に影響を与えているかを示している。

中心的な発見:生成AIは、英語(または他の言語)の能力が非常に低いオペレーターでも、より本物らしく聞こえるようにでき、投稿やコメントに個性を与え、ネイティブスピーカーのように見せることができる。このツールを使って、投稿コメント数を増やし、米国やウクライナなどに対する大規模な民衆感情を印象づけたアクターもいた。オンライン・ユーザーがインターネットのコンテンツが合法的かどうかを判断する際の数少ない兆候が言葉遣いの悪さがあるため、これは非常に重要だ。

Bad Grammarと呼ばれる親ロシア派グループは、OpenAIのツールを使って「ウクライナとモルドバの大統領は、汚職、民衆の支持の欠如、欧米の『干渉』に自国民を裏切っている」と非難した。Telegram上の英語コメントは、移民、経済的苦境、その日のニュース速報といったトピックに集中していた。これらのコメントは、時事問題の文脈を利用して、米国はウクライナを支援すべきではないと主張していた」という。ロシアは最近、モルドバへの情報工作を強化しており、モルドバがロシア侵攻の標的になる可能性を示唆している。

Doppelgangerと呼ばれるロシアで活動する別のグループは、このツールを使い英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポーランド語のコンテンツを投稿し、実際以上の人気があるように見せていた。このキャンペーンが9GAGにミームや動画を投稿するたびに、3〜5つのアカウントが返信し、たいていは「ハハハ」や「笑」といったシンプルなメッセージだった。これらのアカウントはそれぞれ、このキャンペーンのコンテンツにしか関与しておらず、ほとんどが同じ日付に作成されていた。この行動は他のユーザーから批判的なコメントを集め、その多くはこのアカウントを「ボット」と呼んだ。

投稿のリーチを操作するためのAIの使用は「当社のモデルを使って大量の短いコメントを生成し、それをテレグラム、X、インスタグラム、その他のサイトに投稿した」点で共通している。

中国のアクターは、荒らしコンテンツを流すためにツールを使用することはあまりなく、代わりにAIを使用して操作を洗練させ、プラットフォームやそのセキュリティ上の欠陥、オンライン視聴者の感情などの分析を拡大している。Spamouflageと呼ばれる中国のグループは、「ツールを使ってコードをデバッグし、ソーシャルメディア分析について助言を求め、ニュースや時事問題を調査し、コンテンツを生成してブログ・フォーラムやソーシャルメディアで公開した」。そして彼らは、「当社のモデルを使って、ソーシャルメディアへの大量の投稿、特に中国語投稿のセンチメントを要約し、分析した」。IUVMという集団はは、「当社のモデルを使ってウェブサイトのタグを作成し、それが自動的にグループのウェブサイトに追加されたようだ」。

OpenAIの分析では、いずれのキャンペーンも、Breakout Scaleで測定されるレベルの大きなインパクトを達成できていない。しかし、敵対者が米国ベースのAIツールを使って、Telegramのような外国のソーシャルメディアプラットフォームや、Xのような国内のソーシャルメディアプラットフォームで、視聴者の認識に影響を与えようとしていることを示している。

国家安全保障当局は、選挙関連の偽情報におけるAIの脅威の高まりについて数カ月前から警告を発しており、ODNIのアヴリル・ヘインズ長官は3月、スロバキアで親ロシア派が政府指導者が汚職に関与していることを示すと称する偽の音声コンテンツを作成し広めたことで、AIが今年初めのの選挙で重要な役割を果たした可能性があると述べた。

OpenAIの報告書は、AIが生成したコンテンツに明確なラベルを付けるよう法整備を進める同社の取り組みを追ったものだが、AIが生成したコンテンツの検出は改善されつつあるものの、悪質な行為者はモデレーターの対応より先にコンテンツを生成し、拡散させることができることも示している。■

How Russia-, China-linked actors use OpenAI for disinformation - Defense One

BY PATRICK TUCKER

SCIENCE & TECHNOLOGY EDITOR, DEFENSE ONE

MAY 31, 2024 04:46 PM ET


ウクライナ情勢報告:ウクライナ(およびNATO)による Tu-22M3バックファイア盗難計画を阻止したとロシアが主張しているが...

 Russia claims Ukraine plotted to steal one of its Tu-22M Backfire bombers.  

PHOTO BY RUSSIAN DEFENCE MINISTRY/ANADOLU AGENCY VIA GETTY IMAGES



ウクライナへのロシアのミサイル攻撃で重要な役割を果たしてきたTu-22M爆撃機は、以前もウクライナの陰謀の標的となっていた


シア当局は、Tu-22M3バックファイア-C爆撃機のパイロットを説得して盗み出そうとしたウクライナの試みを再び阻止したと発表した。

ロシア連邦保安庁(FSB)は、ウクライナ特殊部隊が「NATO諸国の特殊部隊」と共謀し、パイロットに爆撃機を「ハイジャック」させ、ウクライナに持ち込もうとしたと主張した。

 FSBによれば、国名不詳のNATO加盟国が計画の「準備と実行」に関与していたという。

 「ウクライナの諜報機関は、金銭的報酬とイタリア国籍付与のためにロシア軍パイロットをリクルートし、ウクライナへ同爆撃機を飛ばし着陸させるよう説得するつもりだった」とFSBは主張した。

 ロシアのタス通信は、この作戦で集められた情報の結果、ウクライナのオゼルノエ空軍基地が攻撃されたと報じた。日付や証拠は示されていない。キエフ・ポスト紙は、「ウクライナの第39戦術航空旅団の本拠地である同基地での既知の唯一の攻撃は、ロシアの全面侵攻初期の2022年2月27日だった」と報じた。NASAのFire Information For Resource Management System (FIRMS)は月曜日に火災の兆候を示していない。


A satellite image shows no fires at the Ozerne Air Base in Ukraine. FIRMS



 ウクライナがロシア人パイロットを誘き寄せてバックファイア爆撃機を盗み出そうとしたとして非難されるのは、少なくとも2度目である。この長距離、核搭載可能なジェット機は、ウクライナへのKh-22/Kh-32シリーズ(AS-4キッチン)超音速スタンドオフ巡航ミサイルの発射に大きく関わっている。

 ウクライナ当局は、2022年夏にSu-34フルバックやSu-24フェンサーと同様にTu-22M3を強奪しようとした奇妙な計画が裏目に出たことを認めている。

 ウクライナ国家安全保障局(SBU)は昨年、この事件を受け、ウクライナ軍人が国家反逆罪で起訴されたと発表した。

 SBUによれば、事件を調査した結果、ロシアが2022年7月23日にウクライナの「カナトヴェ飛行場」に「大規模なミサイル攻撃」を行うのに十分な情報を得たため、起訴されたという。SBUはリリースの中で、この攻撃は司令官を殺害し、17人の飛行士を負傷させ、2機の戦闘機を破壊し、滑走路といくつかの建物に「大きな損害」をもたらしたと述べた。

 ウクライナは2023年8月、ロシア人パイロットにMi-8AMTShヒップ戦闘輸送ヘリコプターをハイジャックさせることに成功した。マキシム・クズミノフが国境を越えて飛行機を飛ばした。

 だがパイロットの遺体は2月、スペイン地中海沿岸のアリカンテ地方にあるビリャホヨサの団地下の駐車場スロープで発見された。報道では、正体不明の武装集団に殺害され、12発の銃弾が撃ち込まれたとされている。■


Ukraine Situation Report: Plot To Steal A Tu-22M3 Backfire Thwarted Russia Claims

Tu-22M Backfire bombers, which have played a key role in Russian missile attacks on Ukrainian cities, have been the target of a previous Ukrainian plot.

HOWARD ALTMAN


https://www.twz.com/air/ukraine-situation-report-plot-to-steal-a-tu-22m3-backfire-thwarted-russia-claims