2025年3月4日火曜日

ボーイングのリトルバード・ヘリコプターが生産終了へ(The War Zone)

Boeing expects to shutter its production of the Little Bird light helicopter after fulfilling a current contract with the Thai armed forces.

Boeing



ボーイングがベトナム戦争がルーツの象徴的なヘリコプターの製造を終了する一方、MDヘリコプター社は今後も存続する


ーイングは、タイ軍との契約を完了した後、リトル・バード軽ヘリコプターの生産を終了する。リトル・バードは、AH-6軽攻撃型とMH-6強襲型のヘリコプターを運用する米陸軍の有名な第160特殊作戦航空連隊(SOAR)で使用されていることでよく知られている。 ボーイングは過去15年間で、サウジアラビアとタイへのAH-6iの輸出販売を2度だけ成功させた。 別会社のMDヘリコプターズもリトルバード派生型を今後も生産を続けるようだ。

 複数の報道機関が、ボーイングがリトル・バードの生産ラインを閉鎖すると報じている。同社は、昨日ロンドンで開幕したDefenceIQ International Military Helicopter Conferenceでこのニュースを明らかにした。


飛行試験中のタイ向けAH-6i。 ボーイング


ボーイングのバーティカル・リフト・プログラム事業開発・戦略担当ディレクター、マーク・バリューは、エイビエーション・ウィーク誌に対し、「くAH-6iの生産を中止するつもりだ。「タイ向けの生産は完了するが、AH-6が欲しいという国がすぐ現れない限り、生産にギャップが生じるためだ」と述べた。

 エイビエーション・ウィークによると、バリューはまた、「同機のサプライチェーンを再構築することは、時間がかかるだけでなく、生産コストが高くなる」という。

 本誌はボーイングに直接問い合わせた。

 ボーイングは現在、2022年に確定した1億400万ドル弱の契約に基づき、タイ王国陸軍にAH-6iを8機納入する作業を進めている。米国政府は2019年に売却を承認していた。

 シングル・タービン・エンジンのAH-6iは、1960年代にヒューズ・ヘリコプターズが開発し、ベトナム戦争中に米軍の軽偵察ヘリコプターとして活躍して有名になったOH-6カイユースと、その後の改良型モデル500をベースとしたH-6を進化させたものだ。1984年にマクドネル・ダグラスがヒューズ・ヘリコプターズを買収。その後、ボーイングは1997年にマクドネル・ダグラスを吸収し、リトル・バードと旧ヒューズ・ヘリコプターの製品ラインを傘下に収めた。


1960年代、米陸軍の試験飛行中に目撃されたYOH-6Aのプロトタイプ。 アメリカ陸軍

 リトル・バードの物語は、ボーイングが1999年にAH-64アパッチを除き、継承したヒューズ・ヘリコプターの製品ラインを事実上すべてMDヘリコプターに売却したことで、やや混乱したものとなった。しかし、ボーイングはその後もリトルバードを継続し、第160特殊作戦部隊のためにアップグレードされたミッション強化型リトルバード(MELB)もそのひとつである。


2024年、公開デモンストレーションで見られる第160特殊作戦航空連隊のMH-6リトルバード。 ジェイミー・ハンター


 同社はまた、無搭乗のH-6UバージョンとAH-6Sと名付けられた改良型軽攻撃型も開発した。 AH-6Sは、頓挫したアームド・エアリアル・スカウト(AAS)計画で米陸軍に提案された。輸出用のAH-6iはAH-6Sをベースにしている。

 すでに述べたように、ボーイングがAH-6iの顧客を見つけたのはタイとサウジアラビアの2カ国のみで、後者は2014年にサウジアラビア国家警備隊(SANG)用に24機を発注した。ヨルダンは2010年に少なくとも18機のAH-6iを購入する意向書に署名したが、期待された契約は成約しなかった。

 これに比べ、MDヘリコプターズはヒューズ・モデル500由来のリトルバードで国際軍事市場で大きな成功を収めており、関連する商用モデルの販売も行っている。これには、現在は消滅したアフガニスタン空軍に納入された数十機のMD-530FU軽攻撃型も含まれ、一部は2021年8月のタリバンによる政権奪取後に米国に戻ってきた。

 ボーイングが今後、第160戦隊のリトル・バード・フリートの支援にどの程度関与し続けるかは不明だ。陸軍は以前、AH-6/MH-6の約半数を、陸軍の未来攻撃偵察機(FARA)プログラムに選ばれた設計の特殊作戦バージョンに置き換えることを期待していた。しかし、FARAは昨年中止され、第160軍は現在、少なくとも短期的には、リトルバードフリートのさらなるアップグレードの選択肢を検討している。

 ボーイングにとって、リトル・バードの生産ラインを閉鎖する計画は、軍事および商業ポートフォリオ全体が大きく混乱している中でのことである。このため、米空軍向けの新型機エアフォース・ワンを含む非常に注目度の高いプログラムの大幅な遅れや、数十億ドル規模の財務上の損失が発生している。 2023年、同社はF/A-18E/Fスーパーホーネット戦闘機の生産を停止し、そのリソースを他事業に集中させる意向を発表した。

 AH-6iの主要な新規顧客がすぐに現れない限り、ボーイングのリトル・バードは幕を閉じることになりそうだが、この象徴的なヘリコプターのバージョンはMDヘリコプターズを通じて生産され続ける。

更新:2/27/2025

ボーイングはリトル・バード生産ラインの将来について、本誌に以下の追加声明を提供した:

「現在の注文を完了することにより、当社は同機の生産を終了する予定であり、プラットフォームの顧客ベース向けに維持とサポートに重点を移行する予定です」。


Boeing’s Little Bird Helicopter Production Set To End

While Boeing will stop making the iconic helicopter that traces its roots to the Vietnam War, MD Helicopters will continue on.

Joseph Trevithick

https://www.twz.com/air/boeings-little-bird-helicopter-production-set-to-end


DARPA(国防高等研究計画局)が軌道上で大型構造体を建設しようとしている(The National Interest)―いつも飛び抜けた構想で楽しませてくれるDARPAですが、今回は画期的なインフラづくりに注力するようです

 



NOM4Dプロジェクトは、民間宇宙セクターにとって間違いなく恩恵となるが、米軍にとっても戦略的意味をもたらしそうだ

ランプ政権の言うとおりなら、米国は国内製造業に革命を起こすことになる。トランプ大統領の任期が終わるまでにそれが実現するかどうかは別として、過去50年にわたって依存してきた製造業のグローバル化ネットワークに依存し続けることはできないと、米産業界が理解していることは事実である。 革新的な方法として検討されているのが、軌道上での製造である。

 国防高等研究計画局(DARPA)と、2022年に開始された新規軌道・月製造、材料、質量効率設計(NOM4D)プログラムである。NOM4Dの目標は、宇宙での製造のために原材料を軌道上に輸送する方法を開発することである。これまでのところ、このプログラムは過去3年間で予想を上回る成果を上げており、DARPAは実験室でさらなる研究を行う必要性を感じていないほどである。

関係団体

カリフォーニア工科大学(Caltech)やイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校などのパートナー機関とともに、2026年に軌道上でテストされるプロジェクトが少なくとも2つある。そのひとつは、NOM4Dプログラムのもうひとつのパートナーである宇宙製造スタートアップ企業モメンタスMomentusとの共同実験である。

 実験では、Caltechの複合ファイバーロンゲロン組立ロボットを使用し、軌道上でアンテナ開口部の部品を組み立てる。DARPAは、軌道上での組み立てが可能であると証明できれば、宇宙空間での大型構造物の建設に向けた第一歩になると考えている。

アメリカの軍事・民間宇宙プログラムの構築

NOM4Dプロジェクトは、発展途上の民間宇宙部門に恩恵をもたらすだけでなく、宇宙での足場拡大にますます力を注いでいる米軍にとっても、真の戦略的意味を持つ可能性がある。 特に、月や火星のような天体の資源を利用するという長期的な目標が、アメリカの宇宙植民地化の成功を左右するからだ。

 メタマテリアルを使った構造物を大規模にテストすることは、人類の宇宙定住を可能にする鍵である。 新しい宇宙経済を支える支柱のひとつとなるだろう。

 この分野で重要なブレークスルーを最初に達成できた国(または企業)のいずれかが、前世紀のSF作家の荒唐無稽な夢を実現することができるだろう。 そしてDARPAは、中国ではなく、米国が最初にそこに到達することを確実にするための努力を主導している。

 月や火星(そしてその先)に巨大な施設や設備を建設するのはまだ何十年も先の話だが、少し身近なところでは、DARPAのNOM4Dチームが現在開発している方法は、米国が地球を回る軌道の優位性を再び確保する(そしてそこから月やその先へとその優位性を拡大する)上で大きな影響を与えるだろう。NOM4Dの実験がうまくいけば、地球での生活をより良いものにするまったく新しいシステムを構築することができる。

アメリカは宇宙ベースの太陽エナジーを手に入れるかもしれない

宇宙太陽光発電の革命について考えてみよう。 国家安全保障局(NSA)は、2007年時点で、この技術がゲームを変える可能性のあるエナジー生産方法だと認識していた。 実際、それ以来、中国はこの技術に多額の投資を行っている。 米国もそれに倣うべきだ。

 NOM4Dの技術を応用して地軸軌道上に巨大な集光装置を設置すれば、米国は安価な代替エナジー革命をリードすることができる。

戦略的側面を忘れてはならない

さらに、この技術の戦略的意味合いも大きい。 民間経済に恩恵をもたらすだけでなく、斬新なエナジー源は、米軍が地球上のあらゆる部隊や基地に信頼性の高いエナジーを供給することを可能にする。

 さらに、通常であれば地球上で建設し、軌道上で爆破する設備も、すべてを軌道上で建設することができるため、大幅に削減することができる。これは、2026年に軌道上で開始される予定のNOM4D実験の目的ではない。しかし、これらの実験は、民間宇宙経済や、米国が宇宙における戦略的優位性を維持するための軍事宇宙計画のための宇宙船全体の創造につながるかもしれない。

 つまり、アメリカの製造業の拡大と、新たな国家宇宙経済の台頭が合致するのである。 これは、米国の発展をより良い方向に大きく変えるだろう。


2025年2月19日

By: ブランドン・J・ワイチャート


https://nationalinterest.org/blog/techland/darpa-is-going-to-build-superstructures-in-space


著者について ブランドン・J・ワイチャート

ブランドン・J・ワイチャート(Brandon J. Weichert)は、The National Interestのシニア・ナショナル・セキュリティー・エディター、Center for the National Interestのシニア・フェロー、Popular Mechanicsの寄稿者であり、地政学的問題について様々な政府機関や民間団体と定期的にコンサルティングを行っている。 ワシントン・タイムズ』、『ナショナル・レビュー』、『アメリカン・スペクテイター』、『MSN』、『アジア・タイムズ』など、多数の出版物に寄稿。 著書に『Winning Space: How America Remains a Superpower』、『Biohacked: The Shadow War: Iran's Quest for Supremacy』などがある。 最新刊『A Disaster of Our Own Making: How the West Lost Ukraine』(邦訳『西側諸国はいかにしてウクライナを失ったか』)は書店で購入可能。 ツイッターは@WeTheBrandon。




DARPA Is Going To Build Superstructures In Space

February 19, 2025

By: Brandon J. Weichert


https://nationalinterest.org/blog/techland/darpa-is-going-to-build-superstructures-in-space


About the Author: Brandon J. Weichert

Brandon J. Weichert, a Senior National Security Editor at The National Interest as well as a Senior Fellow at the Center for the National Interest, and a contributor at Popular Mechanics, consults regularly with various government institutions and private organizations on geopolitical issues. Weichert’s writings have appeared in multiple publications, including the Washington Times, National Review, The American Spectator, MSN, the Asia Times, and countless others. His books include Winning Space: How America Remains a Superpower, Biohacked: China’s Race to Control Life, and The Shadow War: Iran’s Quest for Supremacy. His newest book, A Disaster of Our Own Making: How the West Lost Ukraine is available for purchase wherever books are sold. He can be followed via Twitter @WeTheBrandon.



2025年3月3日月曜日

シコースキーがX2テクノロジーをヘリコプターのF-35として想定(The Aviationist)―X2は反転二重ローターと推進プロペラで高速かつ取り回しのよい新次元のヘリコプター実現を狙う技術ですね。

 

An head-on view of the S-97 Raider. (All images credit: Stefano D'Urso/The Aviationist)

The S-97 over Sikorsky’s Development Flight Center.

The Raider banking left at the end of a high speed pass.

The S-97 Raider and, in the background, an MH-60R Seahawk, providing a quick comparison between the two main rotor technologies.






コースキーは、将来のX2航空機に関する構想ビジョンを共有し、興味深いことに、低空領域におけるF-35ライトニングIIとして構想している。

 2024年に米陸軍の将来型攻撃偵察機(FARA)プログラムが中止された後も、シコースキーはX2技術の開発に積極的に取り組んでいる。同技術はNATOおよび韓国の次世代ヘリコプタープログラムの候補のひとつとなっている。


共同開発

X2テクノロジー・デモンストレーションの初日、ロッキード・マーチンのフューチャー・バーティカル・リフト・インターナショナル部門のディレクターであるルイージ・ピアンタドージは、X2テクノロジーに関する同社のビジョンと、NATOの次世代回転翼機能力(NGRC)イニシアティブの現状についてプレゼンテーションを行った。後者に関しては、同社はエアバスおよびレオナルドとともに、詳細なプラットフォーム構想の研究を委託されている。

 現在、シコースキーと親会社であるロッキード・マーティンが提供しているX2コンセプトは、これまでのX2テクノロジーと米陸軍のフューチャー・バーティカル・リフト・プログラムの成果を基に構築されている。X2コンセプトは、ヘリコプターの運用方法を完全に変える可能性を秘めており、軍事および民間部門双方で新たな可能性への道を開こうというものだが、現在は軍事部門に重点が置かれている。

シコースキーの開発飛行センター上空のS-97。

次世代の回転翼航空機へのニーズ

ウクライナ紛争などを含む現在の運用環境の分析から、先進的な回転翼航空機が必要であることが浮き彫りになっている。紛争により、ヘリコプターの脆弱性が再び浮き彫りになり、生存性を最大限に高め、敵対勢力による標的捕捉を困難にするために、低空飛行と高速飛行が求められている。

 低空・高速飛行は、発見をより困難にするだけでなく、敵対勢力が反応する時間を短縮し、ヘリコプターに武器を向ける時間を短くする。逆に、高速飛行であっても、高高度を飛行すれば発見は容易になり、敵対者に反応する時間を与えることになる。

 したがって、生存性は高度と速度に直接的に関連する。数値で示すと、高高度では発見率は100%に近づき、生存性は大幅に低下する。しかし、高度500フィート以下で飛行すれば、探知率は約40%にまで低下し、100フィートでは探知率は7%と最小限に抑えられ、生存能力は大幅に向上する。

 従来の単一メインローターヘリコプターに対するX2テクノロジーの大きな利点は、優れた敏捷性を維持しながら、より高速で低空飛行できる能力だとシコルスキーは述べています。


低空領域におけるF-35のパートナーとしてのX2

シコースキーは、X2テクノロジーとF-35ライトニングIIの興味深い比較を行った。F-35は、精密な標的設定、センサーとデータ融合、激しい戦闘環境下での生存性、安全な通信など、高高度領域における能力でよく知られている。

 シコースキーは、X2テクノロジーで強化された生存性、融合された戦域認識、高度なターゲティングソリューションを提供することで、低空域でもこれらの利点を再現できると考えている。結局のところ、シコースキーはF-35の製造元であるロッキード・マーチンの一部であり、これらの能力は、現在中止となった米陸軍の未来攻撃偵察機(Future Attack Reconnaissance Aircraft)が想定していた武装偵察任務に大いに役立つだろう。

 また、F-35がヨーロッパで達成したことを考慮すると、この比較は理にかなっている。当初はNATO同盟国の一部でしか採用されていなかったF-35が、今では10年以内に700機以上が配備される見込みで、ヨーロッパで最も普及した戦闘機となってきた。現在、NGRC構想には5カ国が参加しているが、さらに多くの国が参加し、F-35の協力関係を再現し、欧州全域のヘリコプター部隊の標準化を進めることも可能となる。

シンプルさとモジュール性がコスト効率の高い設計につながる

高度な性能にもかかわらず、X2は基本的にシンプルでモジュール式のテクノロジー、とシコルスキーは主張する。モジュール式であることはコスト削減につながり、拡張性と適応性のあるソリューションを実現しり。現在、あらゆる新しい軍事プログラムで採用されているMOSA(モジュラー・オープン・システムズ・アプローチ)は、プラットフォームを常に最新状況に保ち、低コストで維持する最良のツールとなる。

 例えば、戦場に新たな脅威が現れた場合、完成機メーカー以外の企業でも、それに対抗するアップグレードされたシステムを開発し、それを機体に迅速に搭載することができる。多くの場合、アップグレードはライン・リプレイサブル・ユニット(LRU)の交換のみで済み、これは飛行ラインでも迅速に実施でき、最小限のコストとダウンタイムで済む。


飛行力学の違い

高速回転飛行におけるな空力上の課題は、非対称揚力だ。前進するブレードが後退するブレードより多くの揚力を発生させることで、不安定な状態を引き起こす可能性がある。だが同軸二重反転ローターは、両側で揚力をバランスさせるため、根本的な問題を解消する。

 また、従来のヘリコプターでは、メインローターのトルクを相殺し、ヨー制御を行うためテールローターが必要だ。X2では、2つのメインローター間でトルクをバランスさせ、トルク差を利用してヨー制御を行う。

 これにより、テール部分に後部に取り付けられたプッシャープロペラを前方への追加推力用に確保できる。このプロペラは、高い旋回能力や高い位置での機体減速など、さらなる利点をもたらす。

 タイトな旋回を行う場合、X2はプッシャープロペラに逆推力を加えて減速し、負荷係数を最大限に高める。旋回を終えると、前方推力が再び導入され、効率的に速度を回復する。この方法により、旋回を高速で終えながら、旋回半径を可能な限り小さくできる。

 従来のヘリコプターで着陸する場合、減速するには機首を上げる必要があり、特に不慣れな着陸地点に接近する際には、飛行の最も重要な局面のひとつで視界が低下する可能性がある。また、減速を開始する適切なタイミングを計画する必要があり、つまりヘリコプターはより低速でより長い距離を移動する必要がある。

 一方、プッシャープロペラは、パイロットが着陸地点を遮るものなく見渡しながら減速し、より素早く速度を落とすことを可能にする。シコースキーは、UH-60ブラックホークとの比較を行い、X2 はより高速で走行を開始した場合でも、停止までに必要な距離が34%少ない約 500m であることを示した。レイダーは高速通過の最後に左に傾斜した。


拡張性と多様性

X2テクノロジー・デモンストレーションに関するレポートの第1部で述べたように、最初のX2デモンストレーターは2008年に飛行した。このテクノロジーはその後、S-97レイダーと同様のレイダーX用に拡張され、さらに14トンのSB>1デファイアントにまで発展し、拡張性を実証した。

 シコースキーによると、複数国が14~15トンの範囲の回転翼機の要件を評価しているが、明確な要件は設定されていない。しかし、同社は12トンの構成が能力と価格の最適なバランスを提供できる可能性があると信じており、軍に費用対効果の高い持続可能なソリューションを提供し、最終的には商業市場にも提供できると考えている。

 その主な利点は、多様な任務に複数のプラットフォームを投入するのではなく、単一プラットフォームを各種用途に合わせて再構成できるため、機材管理を最適化し、取得コストを削減できるという、多用途への適応性だ。12トンのX2コンセプトについて、シコースキーは、攻撃、海上、空挺、捜索救助、および多用途の任務に合わせ機内を迅速に再構成できる可能性を評価している。


自律性

X2は、フライ・バイ・ワイヤ(FBW)システムにより、有人から無人への移行が容易になるため、オプションとして無人操縦機能が統合されている。実際、FBWシステムには包括的なセンサーと制御装置が含まれているため、無人操縦機能を追加するには、FBWシステムを搭載していない従来の航空機と比較して、ソフトウェアの修正と最小限の追加作業のみで済む。

 無人操縦機能は、UH-60 OPV(オプション操縦機)プログラムを通じてすでに実証済みだ。2024年10月、ロッキード・マーティン・ロータリー・アンド・ミッション・システムズ社長のステファニー・ヒルは、300マイル離れた場所からフライ・バイ・ワイヤのUH-60ブラックホークヘリコプターの実験機を操縦しました。

 タブレットとデータリンクを使用して、MATRIX 自律飛行システムを搭載したヘリコプターに離陸とホバリングを自律的に実行するよう指示し、その後、同乗しているパイロットからの入力なしで旋回飛行を行い、再び着陸した。この公開デモンストレーションは、少なくとも2020年以降に実施された複数のテストに続くものです。

 このシステムは、パイロットを置き換えるのではなく、AIによる支援でパイロットを補佐し、地表への制御飛行の防止、悪天候時の航行の容易化、作業負荷の軽減を支援する。 主な考え方は、複雑な任務ではパイロットを支援し、遠隔地への補給任務など日常的な任務ではパイロットに代わり任務を遂行できるように、ヘリコプターに自律性を装備することだ。

 もちろん、これを実現するには、航空機に複数のセンサーを装備し、空間認識能力と人工知能アルゴリズムを備える必要がある。これにより、地形、交通、燃料、天候、空域制限などを考慮した最適な飛行経路をシステムが決定し、任務の安全な遂行が可能になる。


技術的優位性

将来の技術的進歩、例えば、積層造形やハイブリッド電気推進などは、成熟すればX2の能力をさらに強化する可能性がある。これらの技術はすでに現在利用可能とはいえ、成熟度がまだ十分とはいえない。

 オープンシステムアーキテクチャ(OSA)は、航空隊と能力の管理方法を変化させることができます。システムが小さなインターフェースのコンポーネントに分割されることで、ヘリコプターのほとんどすべての部品を、新しい要件に合わせて取り外し、交換、アップグレードすることが可能となる。

 また、センサーとコンピューターが収集したすべてのデータは、運用とメンテナンスの改善にも利用できる。ダウンタイムを最小限に抑える効率的なメンテナンスにより、ヘリコプターの能力を最大限に活用することが可能となる。


NATO次世代ロータークラフト能力(NGRC)

NATOは新たな運用上の課題とギャップを特定し、次世代ロータークラフト能力(NGRC)イニシアティブを推進している。NGRCは、NATOの複数の同盟国向けの新しい中型多用途ロータークラフトのコンセプト開発を目的としている。

 NATO支援・調達機関(NSPA)は、NGRCの運用能力およびサポート能力を満たす可能性のある統合プラットフォーム構想を実現する最先端技術を特定し、活用するよう請負業者に要請している。また、デジタル設計および開発プロセス、先進材料および製造における革新も求めている。2024年、NSPAはエアバス・ヘリコプターズ、ロッキード・マーティン・シコルスキー、レオナルドの3社に詳細なプラットフォーム構想研究を実施する契約を交付した。

 現在、NGRCには6か国が参加しており、5つの研究が進められている。そのうち3つは産業界との共同研究、2つは内部研究です。完全な電気推進は今後20~30年は実現不可能であるという結論に達した新型エンジン研究、ロッキード・マーチンに委託されたオープン・システム・アーキテクチャ(OSA)研究、初期要件を精査するために2024年に3社に委託されたプラットフォーム・コンセプト研究などがある。


共同開発

シコースキーは、X2技術の大部分は国際パートナーと共同開発が可能であり、米国国防総省の技術移転規制の対象となるとしている。企業やパートナーとの新たな契約は、技術を継続的に改良するエンジニアリングコミュニティの維持にも役立つ。

 旧式機種に代わる次世代の回転翼機に対する世界的な需要は大きいことから、海外との協力の可能性も決して低くない。実際、NATOだけでも2035年以降に900機以上の軍用ヘリコプターの更新が予定されており、また韓国では次世代ヘリコプタープログラムに400機のヘリコプターが必要になると見込まれている。

 NATOの公式な提案依頼書は来年にも発表される予定で、すでに専任のプログラムマネージャーと専門家チームが配置されている。また、準軍事、法執行、商業用途など、幅広い市場の可能性も、この技術の恩恵を受けるだろう。■



TAGGED:Lockheed Martin次世代ロータークラフト能力NGRCS-97 RaiderSikorskyX2 技術デモンストレーション


Sikorsky Envisions X2 Technology as the Helicopter Equivalent of the F-35

Published on: February 26, 2025 

 Stefano D'Urso


KC-46タンカーで亀裂が見つかり、すべての納入を停止中(The War Zone)―航空自衛隊の機材は大丈夫なのでしょうか。それにしても日本で運用中の機体から問題が全く聞こえてこないのはなぜ?

 


The Air Force will inspect all 89 of its KC-46A Pegasus aerial refueling jets after cracks were found on two set for delivery to the Military Delivery Center.  

(U.S. Air National Guard Photo by Senior Master Sgt. Timm Huffman)





米空軍は89機のKC-46を点検し、問題が機材共通かどうかを確認中


空軍は、軍納入センターに送られてきた4機の新型機のうち2機で亀裂が見つかったため、89機のKC-46Aペガサス空中給油タンカーの全機を検査する予定であると、空軍がThe War Zoneに独占的に語った。この問題は、メーカーのボーイングが発見したと空軍は述べている。

 さらに、ボーイングは「根本的な原因を完全に理解し、効果的な是正措置計画を実施するまで、納入を一時的に停止する措置をとっている」と、空軍は問題を抱えたペガサス・プログラムの最新問題についての本誌の問い合わせに答えた。


 点検後、亀裂が発見された場合、「機体は次回飛行する前に修理を受ける」と空軍は説明している。

「ひび割れは飛行制御面やヒンジではなく、一次構造や二次構造に見つかった」と空軍は本誌に伝えた。

 ボーイングは問題の解決に取り組んでいると述べた。

 「KC-46A型機の潜在的な問題を評価し、保有機および生産中の機体への潜在的な影響を軽減するため、顧客と緊密に連携中です」。

 ペガサス・プログラムは、納入前から問題に悩まされてきた。2019年1月に最初のKC-46Aを受領するまで、予定より何年も遅れていた。

 以前お伝えしたように、KC-46のブームだけでなく、ブームオペレーターがブームを受領機に誘導するため使用するリモート・ビジョン・システムについても、長年の深刻な問題を解決への努力がまだ続いている。これらは、プログラムに影響を与えた多くの問題のうちの2つに過ぎない。

 ボーイングは現在、KC-46のブームの剛性の問題対処する契約を結んでおり、ハードウェアとソフトウェアの変更を伴う修正を行っている。 リモート・ビジョン・システム(RVS)に関しては、請負業者はまったく新しいバージョンのものをタンカーに組み込んでいる。この決定は、オリジナルのRVSで複数の問題があり、使用が危険であるばかりでなく、ブームオペレーターが体調を崩す危険性があると判明したためである。

 2024会計年度のDOTE報告書は、KC-46Aが 「適性指標の多くを満たしていない」ことを明らかにした。

 「稼働率(80%以上基準値)と任務遂行率(90%以上基準値)はFY24を通じわずかに低下し、基準値要件を大きく下回っている。 さらに、主要任務(空中給油)を遂行できない(ブームの破損などによる)部分的な任務遂行可能機を考慮すると、実質的な任務遂行可能率は平均でさらに24%低下する。 このプログラムは、修理部品の供給問題により、メンテナンス修理時間の長期化に悩まされ続けている」。

 2024年3月、「KC-46Aプログラムでは、ブームに関連する部品の破損が発見されたため、新型機の納入が2ヶ月遅れた。「製造ラインを離れた航空機の検査で、ジンバルナットのロックワイヤーが破損しているのが見つかった」。


これらすべての問題は、ボーイング社に多大な犠牲を強いている。 ブレイキング・ディフェンスは1月、「同社は第4四半期に、ペガサスに関して8億ドルの損失を計上したことを明らかにした。ボーイングはこの損失の一部は、9月にシアトルで起きた機械工組合のストライキによるもので、その結果、KC-46の原型となった双発の767型機などのジェット旅客機の生産が7週間もストップした」と、ブレイキング・ディフェンスは付け加えた。 同社はKC-46の固定価格契約締結以来、数十億の損失を出している。


U.S. Airmen tour a KC-46 Pegasus July 15 at Barksdale Air Force Base, Louisiana. The KC-46 was on site to perform its first refueling with the 307th Bomb Wing. (U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Celeste Zuniga)

7月15日、ルイジアナ州バークスデール空軍基地でKC-46ペガサスを見学する米空軍兵士。 KC-46は第307爆撃航空団と最初の給油を行うために現場にいた。 (米空軍撮影:Celeste Zuniga一等空兵) Celeste Zuniga一等空兵


これは、1950年代後半のアイゼンハワー政権時代に初飛行したKC-135タンカーの老朽化したフリートを置き換えるために作られたプログラムにとって、また新たな打撃である。さらに、最後のKC-10エクステンダー給油機は昨年9月に退役している。■


Cracks In KC-46 Tankers Halt All Deliveries

The USAF is inspecting its fleet of 89 KC-46s to see if the problem is systemic and Boeing is working to figure out a fix.

Howard Altman

https://www.twz.com/air/cracks-in-kc-46-pegusus-tankers-halt-all-deliveries


ウクライナが欧州と技術共有により自国内で西側兵器を製造し、勝利できる(19fortyfive)―これまでのウクライナへの支援はもはや持続できなくなりそうなので新しい方法を模索する必要があります

 


Bradley Fighting Vehicle

ポーランド射撃場で、第1騎兵師団第3機甲旅団戦闘チームが、ブラッドレー戦闘車で25mmカノンを発射している。 このような射撃場で戦闘準備態勢を確保するために、部隊員は車両システムに習熟していく




2月に開催された2025年ミュンヘン安全保障会議に国防関係者多数が集まった。 政府高官、政策立案者、国防専門家が「グローバル・ガバナンス、民主主義の回復力......(そして)大西洋を越えたパートナーシップの未来を含むグローバルな安全保障上の課題」を議論した。さらに、「地域紛争と危機」や世界における欧州の役割も話し合われた。

 多くの議論がロシアのウクライナ侵攻についてのもので 死と破壊の3年間にもかかわらず、戦争に終わりが見えないまま続いている。

結論の出ない結果、不透明な未来

ロシアの侵略に対抗するため、数十カ国がウクライナに数千億ドル規模の防衛、医療、人道、財政援助を行ってきた。 この援助はウクライナがロシアから領土を守るのに役立ち、ウクライナ人の命を救ってきた。

 しかし、ウクライナへの国際援助は間もなく変わるだろう。 最近、ドナルド・トランプ大統領は、アメリカのウクライナ支援は高すぎると主張した。 彼はすべての対外援助をほぼ全面的に凍結すると発表し、アメリカ国際開発庁(USAID)を閉鎖すると明言した。 ウクライナはUSAIDで最大の援助先のひとつであり、援助凍結の決定は、数多くの組織がプログラムのための資金を受け取れなくなることを意味した。 USAIDからの援助はウクライナの存続に不可欠だった。

 トランプはまた、ウクライナを助けるためヨーロッパがもっと努力すべきだと主張している。「欧州連合(EU)は、今よりもっと多くの支援金を支払うべきだ」と、トランプ大統領は先月、ウクライナへの支援について質問された際に述べた。

 トランプ政権の高官たちもこれに同意している。 例えば、ピート・ヘグセス米国防長官は最近、EUとNATOに対し、ウクライナ支援でより大きな役割を果たすよう求めた。同様に、JDバンス副大統領は、欧州は「自国の安全保障においてより大きな役割を担う必要がある」と述べ、米国がウクライナへの援助活動だけでなく、欧州への関与を縮小し始めることを示唆した。

 トランプとバンスは以前から、アメリカはヨーロッパとウクライナを援助しすぎていると主張してきた。 しかし、その数字とはどのようなものなのだろうか?

 2022年2月のロシアの開戦以来、米国はウクライナに1750億ドルの援助を計上してきた。しかし、このうち割り当てられたのは1000億ドルに過ぎない。一方、ヨーロッパはウクライナに2410億ユーロの支援を約束し、1250億ユーロが割り当てられた。イギリスはウクライナ支援のために128億ポンドの拠出を約束している。

 援助物資の分配には課題もある。 報告によると、ウクライナ兵はこの援助が届くより前から西側の弾薬や武器を使用している。 さらに、米国と欧州連合(EU)の統治機関は、ウクライナ軍がロシア軍に対抗する勢いがあるときに追加支援を送るのが遅かった。 具体的には、米国議会は2023年10月から2024年4月まで、EUは2023年6月から2024年2月まで、援助について審議していた。 これらの遅れは大きな代償となった。

 米国が援助を削減し始めた今、ウクライナを支援し続けようとする欧州大陸にはさらなる圧力がかかるだろう。

 しかし、ヨーロッパにはプレッシャーを和らげる方法がある。例えば、欧州連合(EU)はウクライナに国防イノベーション事務所を開設した。 この構想は、ウクライナとEUの国境を越えた協力を促進しようとするものだ。 また、防衛イノベーションにおけるウクライナのニーズと能力の特定にも取り組む。 最後に、同事務所は「ウクライナの防衛イノベーション関係者に、EUのプログラムや可能な資金調達へのアクセスについて情報を提供する」。 全体として、このプログラムは、ウクライナの防衛能力を向上させるための努力を合理化しようとするものだ。

 しかし、この事務所だけでは不十分だ。 欧州諸国は、ウクライナがロシアに反撃するため必要な能力を確実に獲得できるよう、さらなる手段を追求すべきだ。 技術共有が一つの選択肢であり、兵器製造の重複を減らし、資源をプールし、EUとNATOの間で相乗効果を生み出す方法となる。 技術共有はまた、製造上の欠点に対処し、各国がそれぞれの強みを発揮できるようにする。

 技術共有は、ウクライナの工場で西側の兵器や装備を製造する機会をウクライナ国民に提供することにもなる。そのような工場があれば、ウクライナで戦争に必要な武器を生産できるため、ヨーロッパの防衛産業基盤の負担が軽減される。 ウクライナが生産すれば、ウクライナ防衛支援にかかる欧州各国の数十億ユーロを節約できる。

リスクはウクライナ、NATO、EUにとって価値がある

NATOにもEUにも加盟していない国と技術を共有するのはリスクが高いとの批判があるかもしれない。 しかし、技術共有がうまくいくことを示す具体例がある。例えば、英国はEUのメンバーではなくなったものの、EUとデータ共有の枠組みを確立している。同様に、米国と英国は、オーストラリアがNATOに加盟していないにもかかわらず、オーストラリアと技術共有関係を結んでいる。

 最後に、ロシアによるウクライナ侵攻を通じて、ウクライナは西側の技術や兵器を容易に使用できることを示した。 戦時中、彼らはこの技術を効率的かつ効果的に使用し、ウクライナの成功は、西側諸国との相互運用が可能になりつつあることを示唆している。 技術共有は、ウクライナと他の大陸との結びつきを強化する次のステップとなるだろう。


 ウクライナ支援の未来は変わりつつある。技術共有を促進することは、ウクライナと欧州の防衛関係を強化することになる。 ウクライナがロシアから自国を防衛に必要な兵器を提供すると同時に、EUやNATO加盟国の兵器生産にかかる負担を軽減することができる。 最後に、技術共有は欧州大陸における防衛イノベーションを活性化し、より強固で安全な欧州の実現につながるだろう。

 EU、NATO、ウクライナの防衛関係強化の可能性は無限である。 技術共有は真剣に検討され、探求されるべきである。■


How Ukraine Can Build Western Weapons at Home – And Win

By

Mark Temnycky


https://www.19fortyfive.com/2025/02/how-ukraine-can-build-western-weapons-at-home-and-win/

About the Author: Mark Temnycky 

Mark Temnycky is a nonresident fellow at the Atlantic Council’s Eurasia Center and an accredited freelance journalist who has been covering Eurasian affairs for nearly a decade.