2025年8月1日金曜日

西側諸国はロシア、中国、イランの枢軸の実態の理解で大きな誤りを犯している(National Security Journal)


年6月の米イスラエル・イラン危機の際、イランの救援にロシアも中国いずれも駆けつけなかった。モスクワと北京は、イスラエルの軍事作戦とイランの核施設に対する米軍の空爆を非難したが、イランを実質的に支援する措置はほとんど取らなかった。

多くの評論家は、この危機がロシア、イラン、中国、北朝鮮の間のいわゆる「混乱の軸」の限界を浮き彫りにしたと結論付けた。一部はさらに、ロシアと中国の政策が中東で失敗しており、この軸は重要な局面で崩壊すると指摘した。

ロシア・イラン・中国軸は健在だ

テヘランは、特に米国がイランの核兵器開発を阻止するため武力行使を辞さない姿勢を示したこの危機において、自称戦略的パートナーに頼ることができなかったことは疑いようのない事実だ。

しかし、この見方は間違っている。ロシア・イラン・中国の軸は崩壊していない。それどころか、これらの国々は、12日間の戦争以前よりもさらに緊密に連携し、米国の利益を損なう行動を取る意向を強めているように見える。

宇宙協力の軸

ロシアとイランは、従来の軍事分野以外でも協力関係を拡大し続けている。今月初め、モスクワのソユーズロケットが、イランの通信衛星をロシア極東から軌道に打ち上げた

この打ち上げは、単発的な出来事ではない。3年前、ロシアはカザフスタンのバイコヌール宇宙基地からイランの衛星「Khayyam」を軌道に打ち上げた。モスクワは、ここ数年、中東全域で宇宙協力を静かに拡大しており、中国も同様の動きを見せている。さらに、ロシア、イラン、中国、北朝鮮は、宇宙分野でも協力関係にある。

宇宙協力には、監視、通信、航法情報の共有が伴う。アナリストたちは、宇宙が複数の領域にわたる現代の戦争を可能にするため、宇宙が軍事作戦の未来であるとますます認識している。そして、欧米が宇宙における責任ある国家行動の規範の確立を目指す中、その最大の敵は、こうした取り組みに反対する姿勢を明らかにしている。

激動の軸

欧米は、最大級の敵国間の軍事協力を見逃してはならない。ロシア、中国、イラン、北朝鮮はいずれも、先進的な無人偵察機の開発に注力しており、一部の専門家が指摘するように、その開発速度は欧米を上回っている。今年 7 月、ロシアはモスクワと平壌間で数十年ぶりの商業飛行を開始し、ロシアと北朝鮮の協力と関係深めの機会がさらに増えることになる。ロシアの外相セルゲイ・ラブロフは7月初旬に北朝鮮を訪問し、軍事分野を超えた関係深化のもう一つの例を示した。一方、中国製エンジンはフロント企業経由でロシアに秘密裏に輸送され、モスクワが西側の制裁を回避してガルピア-A1攻撃ドローンを生産するのを支援している。

クレムリンはテヘランへの戦闘機供給、特にSu-35の引き渡しを遅らせている。しかしイランは、テヘランが兵力投影し、抑止力を再確立し、劣化した防空システムを回復するため、J-20ステルス戦闘機やHQ-9B防空システムなどの先端兵器の調達をめざし、もう一つの「混乱の軸」のメンバーである中国に軸足を移している

確かに、モスクワが6月にイランを支援しなかったことは、イスラム共和国内で批判を呼んだ。しかしテヘランは現在、核問題においてモスクワ(および北京)の外交支援を求めている。「私たちは[ロシアと中国]と継続的に協議し、スナップバック発動を防止するか、その影響を軽減するため努力しています」と、イラン外務省のエスマイル・バガエイ報道官は最近発言した。12日戦争の前、ロシアはイランに8基の追加原子力発電所を建設する計画だったと報じられている。この記事執筆時点では、モスクワとテヘランがこれらの計画を放棄した兆候はない。

混乱の軸」には確かに限界がある。しかし、それは意図的なものです。ウラジーミル・プーチンが20年以上にわたり中東政策を推進してきた基盤は、ロシアの利益を優先し、いずれかのパートナーへの過度のコミットメントを避けるための柔軟性だった。

モスクワとテヘランの戦略的パートナーシップ協定には相互防衛条項が含まれておらず、中国のテヘランに対する防衛コミットメントはさらに弱い。事実、モスクワと北京には米イスラエル・イラン危機に介入しない余裕があった。危機後のイランは他に頼れる相手がない。

次に何が起こるか?

モスクワにイラン支援すの行動を予期していたアナリストたちは、同盟やパートナーシップの性質を、パートナーに対してより深いコミットメントを提供する傾向にある自由民主主義国家の視点で分析している。

この期待は、まさに自由主義的世界秩序の基盤を成す価値観から生じており-「混乱の軸」が目指す同じ価値観でもある。もしそのメンバーが成功すれば、はるかに危険で不安定な世界が生まれる。

これは長期戦であり、自由主義的な自由世界は敵対勢力への抑止に焦点を当てるべきなのだ。■

著者について:

Anna Borshchevskayaは、ワシントン近東政策研究所のシニアフェローであり、Putin’s War in Syria: Russian Foreign Policy and the Price of America’s Absenceの著者である。



The Big Mistake the West Is Making About Russia, China, and Iran

By

Anna Borshchevskaya

https://nationalsecurityjournal.org/the-big-mistake-the-west-is-making-about-russia-china-and-iran/




YF-23ブラック・ウィドウIIステルス戦闘機が米空軍へ残したメッセージ(National Security Journal) — 性能が優れていたF-23が採用されていたとしても、米国国防制度の欠陥の犠牲になっていただろう。ではNGADは大丈夫なのか




The two Northrop-McDonnell Douglas YF-23 prototypes in flight. The aircraft on display at the National Museum of the United States Air Force is the darker one on the right. (U.S. Air Force photo)

飛行中のノースロップ・マクドネル・ダグラス社製YF-23プロトタイプ2機。右側の黒い機体が国立アメリカ空軍博物館に展示されている。(米空軍撮影)


要点とまとめ - より速く、よりステルス性の高いYF-23ブラック・ウィドウIIがF-22との競争に勝っていたとしても、やはり失敗だっただろう。ブラック・ウィドウのほうが現代戦に適した優れた機体だった。

-F-23が採用されていたとしてもF-22プログラムを機能不全に陥れた「予算の近視眼」と「官僚の臆病さ」という壊れたシステムの犠牲になっていただろう。

-本当の失敗は、間違ったジェット機を選んだことではなく、アメリカの政治的・軍事的体制に正しいジェット機をサポートする規律がなかったことだ。


YF-23YF-23ナショナル・セキュリティ・ジャーナル写真。2025年7月19日、米空軍博物館にてハリー・J・カジアニス撮影。


YF-23ブラック・ウィドウIIステルス戦闘機の失敗 

同機はブラック・ウィドウと呼ばれたが、陽の目を浴びることはなかった。ノースロップYF-23は、ロッキードのF-22ラプターよりも速く、ステルス性が高く、多くの点で生存性が高かった。しかし、YF-23は先進戦術戦闘機(ATF)コンペティションに敗れ、そして「あったかもしれない」世界の墓場へと消えていった。

 しかし、YF-23が戦闘でどのような性能を発揮したかということだけではない。YF-23も同じような短期的思考と政治的潮流の変化によって、削減され、中途半端な状態で放置され、静かに首を絞められていたのだろうか?不快な答えは、どんなに優れた航空機でさえ同じ運命をたどったかもしれないということだ。それは政治的、官僚的、そして究極的には戦略的なものだった。

 ノスタルジアに浸るのはやめよう。そう、YF-23は驚異だった。設計の限界を押し広げ、機動性よりも速度と低観測性を優先した。菱形の主翼、傾斜した尾翼、フラッシュマウントされたエンジンインテークは単なる美的革新ではなく、空力とステルスの特徴であり、ショーマンではなくプレデターのプロフィールを与えた。ラプターと比較すると、より優れた航続距離とより低いレーダー断面積のために、失速後の機動という航空ショーの演出を犠牲にしている。

 YF-23は、ドッグファイトのようなアクロバット飛行ではなく、初見初撃殺の優位を目指して作られた。冷戦後期には、近接空中戦は美徳ではなく、負債になりつつあったからだ。目視範囲を超えるミサイルとセンサー・フュージョンの世界で敏捷性が過大評価されつつあった。

 YF-23の最大の強みは、皮肉なことに、政治的な場では最大の負債であったかもしれない。あまりにも先走りすぎたのだ。その先鋭的なデザインは、国防総省の上層部や政治的な利害関係者の間で、同じような直感的な信頼を呼び起こすことはなかった。ロッキードX-35の方が派手だった。より親しみやすく。より売りやすかった。そして、生存性ではなく販売性が勝利した。これは警告のサインだったはずだ。


戦闘機自体ではなくシステムの失敗だった 

 勝者であるF-22でさえも短絡的判断の犠牲となった。750機導入として構想されたF-22は、かろうじて187機にとどまった。なぜか?お決まりの言い訳がある。コスト超過、冷戦後の「平和の配当」、そしてテロ対策だ。

 本当の失敗は、間違った戦闘機を選んだことではなく、正しい戦闘機を選んだとしてもそれを維持できないシステムを構築していたことなのだ。真実は残酷だ。アメリカはもはや、大国同士の戦争を抑止したり、抑止が失敗した場合に勝利するのに十分な規模と殺傷力を兼ね備えた戦闘機隊を生産し、維持できる防衛機構を保有していない。ブラック・ウィドウが負けたのは、同機が十分でなかったからではない。政治家、官僚、国防産業複合体が、真剣な航空戦力を真剣なフォロースルーでバックアップする気概も規律ももはや持ち合わせていないからだ。調達は雇用プログラムとして扱われる。戦略は劇場として演じられる。そして、国防総省、議会、請負業者などシステム全体が、あまりに少量で、あまりに遅く、あまりに大量に実戦配備することに安住するようになっている。

 これが腐敗の核心である。アメリカはまだ、最先端の戦闘機を設計する方法を知っている。コンペを開催し、ロールアウトを演出し、プロモーション・ビデオを制作することもできる。しかし、もはや約束を質量に変えることはできない。時間内に飛行隊を配備することもできない。大規模な製造もできない。

 持続的な投資、冷酷な優先順位付け、そして失敗を糧とする官僚的な飯の種を断ち切る意思などである。


YF-23背面。画像出典:ナショナル・セキュリティ・ジャーナル


 YF-23は決して単なる失われた機体ではない。それは、民主主義の兵器庫が遅滞のショールームと化したことを示す、初期の警告だった。そして我々はそれを無視した。



F-22の失敗はYF-23でも失敗だっただろう

しかし、真実はもっと残酷だ。冷戦後、アメリカは大国間競争に対する首尾一貫した大戦略を持たなかった。調達希望リスト、脅威のインフレ、パワーポイントの空想はあったが、規律もなく、目的も明確でなく、長期にわたって航空優勢を維持するために必要な種類の投資を維持する気概もなかった。F-22の時もそうだった。YF-23もそうなっていただろう。

 それでも、YF-23がまったく同じ運命をたどったかとは言い切れない。その空力的な利点とステルス・プロファイルは、間違いなく進化する脅威環境への適応性を高めた。より長い航続距離は、距離の専制が作戦計画を支配するインド太平洋において、より有用であっただろう。その速度と低観測性は、急速に改善される中国の防空ネットワークに対して、より信頼できる抑止力として機能したかもしれない。F-22はフルダ・ギャップに最適化されていた。YF-23は、意図的か偶然かは別として、太平洋戦域のプレビューのように見えた。

 さらに、もしYF-23が選ばれていたら、ノースロップ、ひいてはアメリカの防衛産業基盤はまったく違った形で発展していただろう。ロッキード・マーチンによる航空支配の独占に統合される代わりに、より多様で競争的な状況が見られたかもしれない。そうなれば、技術革新が進み、コスト規律が向上し、産業のボトルネックも減っていただろう。  NGADプログラム(第6世代後続機)は、ロッキードの繰り返しではなく、真の国家プロジェクトのように見えたかもしれない。ブラック・ウィドウはアメリカの兵器庫全体にその翼を広げ、戦闘機の設計だけでなく、指揮統制の哲学や無人チーム編成にも異なる出発点から影響を与えただろう。

 妄想はやめよう。全盛期のF-22を死に至らしめた深い構造的問題(戦略的な漂流、予算の近視眼、官僚的な臆病さ)は、YF-23にもつきまとっていただろう。結局のところ、これは単なる調達の失敗ではなかったのだ。

 想像力の失敗だった。1990年代から2000年代にかけて、米国の政治クラスは大国間の紛争が再び起こることを想像できなかった。制空権は生まれながらのものではなく、ハイエンドな戦争は次のプログラム見直しを待ってくれるものではないということを理解できなかったのだ。

 YF-23はF-22よりも優れた性能を発揮しただろうか?ほぼ間違いなく、航続距離、ステルス性、戦略的妥当性において。YF-23プログラムはF-22プログラムよりも生き残っただろうか?ほとんどないだろう。政治的な意志がなければ、最高の兵器でさえ格納庫に放置される。

そして私たちはまたここにいる。NGADは前進しているが、予算見通しはすでに四面楚歌であり、政治クラスは再び大衆演劇と財政の瀬戸際外交に気を取られ、調達文化は依然としてリスク回避と不透明性に陥っている。

 歴史は繰り返さない。韻を踏むことさえない。しかし、歴史はおなじみのテーマに何度も回帰する。そしてアメリカは、YF-23の悲劇を新たな鍵で再現しようとしているようだ二しか見えない。■



The YF-23 Black Widow II Stealth Fighter Has a Message for the U.S. Air Force

By

Andrew Latham

著者について アンドリュー・レイサム博士

Andrew Lathamは、Defense Prioritiesの非常勤研究員であり、ミネソタ州セントポールにあるマカレスター・カレッジの国際関係学および政治理論の教授である。編集部注:この記事中の写真(「ヒーロー」画像以外)とビデオはすべて、2025年7月19日から20日にかけてNational Security Journalがオハイオ州デイトンにある米空軍博物館を訪れた際に撮影したものである。予算」と「スタッフの少なさ」の問題から、この戦闘機をより近くで撮影するよう要請したが、拒否された。


2025年7月31日木曜日

日本が発注していたF-35Bの初号機が数日以内に国内へ到着する(Breaking Defense)

 

日本は現在、米国以外で最多のF-35を発注しており、F-35A通常型離着陸機(CTOL)105機とF-35B42機の157機を導入する


2024年10月20日、「いずも」型多機能駆逐艦「かが」(DDH-184)に初めて着艦するF-35B。(ダリン・ラッセル中佐撮影)。


衛省によると、日本向け短距離離陸・垂直着陸(STOVL)仕様のロッキード・マーチンF-35BライトニングII第5世代戦闘機の第1号機が8月上旬に米国から到着する。


 防衛省の九州防衛局は先週末、4機のF-35Bが8月7日に新田原基地に到着すると発表した。

 飛行機はアメリカ人パイロットによって新田原に飛来し、9月には基地上空でデモ飛行を行い、航空機の騒音、特に垂直着陸時の騒音に対する住民の懸念を和らげる予定だ。

 日本は以前、2026年3月31日に終了する2025年度中に、8機のF-35Bを新田原に引き渡すと発表していた。機体は航空自衛隊の臨時F-35B部隊に配属される。同部隊は初期ロットの移行とベッドダウンを処理するために設立された。

 米国の同盟国として日本は現在、米国以外で最も多くのF-35を発注しており、F-35A通常離着陸機(CTOL)105機とF-35B 42機に分かれた157機の計画がある。

 航空自衛隊の第3飛行隊をF-35Aに機種転換し始めた。 CTOLジェット機は現在、名古屋にある三菱重工業の最終組立・チェックアウト(FACO)施設で現地組み立てしている。   

 航空自衛隊のF-35Bは、海上自衛隊のヘリコプター駆逐艦「いずも」と「かが」に装備される。

 日本は、新田原基地の南160kmにある馬毛島に新しい航空基地を建設中で、同地にF-35Bが垂直着陸用インフラが整備される予定で、艦上作戦の訓練も含まれる。それはまた、航空自衛隊が本拠地で垂直着陸を実施する必要がないことを意味する。

 しかし、当初2027年だった馬毛島の開港日は、2029年か2030年にずれ込むことになり、航空自衛隊は新基地が開港するまでの間、新田原で垂直離着陸の訓練を行う必要がある。このことは、航空機騒音の増加を警戒する住民を落胆させたと報じられている。

 馬毛島が航空機の運用に対応可能になるまでに、日本は40機のF-35Bの保有を見込んでおり、防衛省身の数字では、新田原で2029年まで月100回の垂直着陸が行われる予測で、うち40回が夜間垂直着陸になるとしている。■



First Japanese F-35Bs to arrive in-country within days

The US ally currently has the largest number of F-35s on order outside of the United States, with plans for 157 jets split into 105 F-35A Conventional Take Off and Landing (CTOL) aircraft and 42 F-35Bs.

By Mike Yeo on July 30, 2025 8:00 am

https://breakingdefense.com/2025/07/first-japanese-f-35bs-to-arrive-in-county-within-days/



大地震後のロシア原子力潜水艦基地の現状を巡り疑問が浮上(TWZ) — 津波で頭がいっぱいの日本でこの視点は皆無でしたが、日本付近に危険なロシア海軍の基地があることを忘れてはなりません

太平洋に津波を発生させた大規模な地震の震源地は、戦略的なロシア海軍施設群からわずか75マイルの地点だった

The epicenter of a huge 8.8-magnitude earthquake that occurred early this morning off the coast of Russia's far eastern Kamchatka Peninsula, triggering tsunami waves across the Pacific, was only around 75 miles away from a cluster of key Russian naval bases.

カムチャツカ半島のリバチイ潜水艦基地にある、ロシア海軍のボレイ級核弾頭搭載潜水艦「アレクサンダー・ネフスキー」。ロシア国防省

7月30日ロシア極東のカムチャッカ半島沖でマグニチュード 8.8 の大地震が発生し、太平洋全域に津波が押し寄せた。この地震は、核弾道ミサイル潜水艦を配備する基地を含む、ロシアの主要海軍基地群からわずか 75 マイルほど離れた場所で発生しており、これらの基地がどのような被害を受けたのかが懸念される。

BBCが報じた米国地質調査所のデータによると、カムチャチカ沖の地震は、史上 6 番目の規模だった。また、これはここ数年で地球上で最も強い地震でもある。記事執筆時点では、ロシア当局は地震と津波の影響を過小評価し、死傷者の報告はないと述べている。津波の脅威は終了したと宣言したものの、余震リスクを警告している。オンラインでは、カムチャツカ各地の建物やインフラの被害を映した写真や動画が拡散されている。同半島にあるクリュチェフスカヤ・ソプカ火山も現在噴火している。

現在の主要な懸念は、地震の震央から西北西約75マイル(65海里)に位置するアヴァチャ湾のロシア海軍施設だ。これには、ペトロパブロフスク・カムチャツキー海軍基地とリバチイ潜水艦基地、および別々のミサイル搭載施設と造船所が含まれる。

2023年に撮影されたリバチイ潜水艦基地の衛星画像。Google Earth

2024年に撮影されたペトロパブロフスク・カムチャツキー海軍基地の衛星画像。Google Earth

アヴァチャ湾全体を俯瞰した衛星画像。Google Earth

この中でリバチイは特に注目すべき基地で、ロシア海軍が現在運用するボレイおよびボレイ-A級核弾頭搭載弾道ミサイル潜水艦(SSBN)のほとんどが母港としている。ロシアは近年、残存するすべてのソ連時代デルタ級SSBNボレイ型に置き換える動きを進めている。デルタ III 級潜水艦 リャザン(船体番号 K-44)は、入手可能な衛星画像から、リバチイにまだ存在しているようだが、実際に運用されているかは不明。

ロシア海軍の太平洋艦隊に最新型として就役した、ボレイ級核弾頭搭載弾道ミサイル潜水艦 皇帝アレクサンダー 3 世ロシア国防省

アヴァチャ湾の海軍基地には、原子力推進だが通常兵器を装備したヤセン-Mおよびオスカー誘導ミサイル潜水艦(SSGN)のほか、さまざまな原子力および通常推進の攻撃型潜水艦も配備されている。ヤセン-M級は、現在のロシア海軍で最も先進的な潜水艦のひとつであり、米国当局者は、この潜水艦を特に重大な脅威と定期的に指摘している。

ロシア海軍のヤセン-M級ミサイル潜水艦。ロシア海軍

カムチャツカ基地の桟橋に停泊するオスカーII級ミサイル潜水艦「トヴェル」。ロシア国防省

また、ロシア海軍が最終的に世界最長の潜水艦である「ベルゴロド」(K-329)を同基地に移す計画があるとの報告もある。高度に改造されたオスカーII級潜水艦ベルゴロドは、核動力・核弾頭搭載の超長距離ポセイドン魚雷(ステータス-6とも呼ばれる兵器)を搭載するように設計されており、水中諜報任務も遂行可能とされている。

本日朝、地震が発生した際にアヴァチャ湾にどの潜水艦がいたかは不明だ。最近数週間、地域上空の曇り空により、港湾に停泊していた船舶を特定する手がかりとなる公開衛星画像の入手が制限されている。

リバチイとペトロパブロフスク・カムチャツキー海軍基地には各種水上艦艇も配備されているが、ロシア海軍太平洋艦隊の主要水上戦闘艦の大部分は、南西約1,400マイル離れたウラジオストクを母港としている。アヴァチャ湾のヴィリュチンスクにある海軍造船所は、ロシア海軍の太平洋における潜水艦作戦を維持する重要な施設だ。

現時点では、アヴァチャ湾のロシア海軍施設やその桟橋に停泊していた船舶が、本日の地震と津波の波により損傷を受けたという明確な兆候はない。湾の地理的条件が資産を保護する役割を果たした可能性がある。

「カムチャツカにあるロシア海軍の海軍基地に重大な損害を受けたという情報は持っていない。すべてが通常の範囲内にあると考えている」と、現役の海軍関係者との緊密な連絡を維持する退役ロシア海軍将校で、Xで@Capt_Navyを名乗る人物が本誌に語った。「これらの基地は、敵の核攻撃の可能性を念頭に設計・建設された」。

一方で、比較的軽微な波や水位の上昇でも、重大な影響を及ぼす可能性がある。潜水艦や他の艦船が係留施設に激しく衝突する「アライジョン」(衝突ではなく接触による損傷)と呼ばれる事故が発生する可能性があり、実際に損傷が生じた可能性がある。また、開いたハッチやアクセスポイントから大量の水が流入する可能性もある。重メンテナンス中の潜水艦や他の艦船は特に脆弱だったはずだ。

少なくとも、今日の出来事は、戦略的価値の高い弾道ミサイル潜水艦含む重要な軍事施設や資産を、単一の比較的狭い地域に集中させるリスクを浮き彫りにした。

ロシア当局が最大の危険は既に過ぎ去ったと表明する中、アヴァチャ湾のロシア海軍施設の状態に関する詳細が徐々に明らかになりそうだ。■



Questions Swirl Around Status Of Russian Nuclear Submarine Base After Historic Earthquake

The epicenter of a huge quake that sent tsunami waves out across the Pacific is just 75 miles from a cluster of strategic Russian naval facilities.

Joseph Trevithick

Jul 30, 2025 2:24 PM EDT

https://www.twz.com/sea/questions-swirl-around-status-of-russian-nuclear-submarine-base-after-historic-earthquake


ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭からThe War Zoneチームの一員です。以前はWar Is Boringの副編集長を務め、Small Arms ReviewSmall Arms Defense JournalReutersWe Are the MightyTask & Purposeなど他の出版物にも寄稿しています。