2022年6月22日水曜日

ウクライナ戦の最新状況(現地時間6月21日現在)セベドロネツク含むルハンスク州完全制圧を6月26日に彫っていしたロシア

The situation in the Donbas. (ISW)




シアによるウクライナ侵攻が118日目となった。火曜日、ロシア軍は週明けまでにウクライナの戦略都市セベロドネツクを攻略しようと、圧力を強めている。


時間との戦い

ウクライナ政府関係者によると、クレムリンはルハンスク州を占領する期限を6月26日に設定した。現在、ロシア軍は州の約95パーセントを支配している。ルハンスク州の最後の主要都市セベロドネツクといくつかの村だけが、完全にロシアの支配下にない、まだウクライナの手中にある、あるいは争っている状態だ。


ロシア軍はセベロドネツクの大半を支配しているが、同市の工業地帯にあるアゾット化学工場からウクライナ軍を追い出せていない。さらに、西側から同市につながる橋を破壊したにもかかわらず、セベロドネツクの包囲と、ウクライナの補給線と通信線の遮断に失敗している。


「ウクライナ情報筋は、今後1週間がロシア軍にとってセベロドネツク攻略を完了させる決定的なものとなり、ロシア軍はこの地域に兵力と装備を集中させるだろうと述べた。ウクライナ情報筋は、戦闘が続いているアゾット工業地帯を除き、ロシア軍がセベロドネツク全域を支配していることを確認した。 戦争研究所は、「ロシア軍は、セベロドネツク-リシチャンスクでの作戦の激化を支援するため、バクムト-リシチャンスク高速道路T1302沿いのウクライナ通信路を妨害する作戦を強化しているようだ」と、紛争に関する最新の作戦アップデートで評価している。


一方、南部では、ウクライナ軍がケルソンとザポリジャー方面で反撃を続けているが、勢いを得ていない。戦場の全域で、戦争はゆっくりと計画的な前進と消耗を繰り返している。


ロシア軍の損失

欧米の情報機関による評価と独立した報告書は、ウクライナの犠牲者の主張をある程度裏付けている。例えば、オープンソースの情報研究ページ「オリックス」は、約800台のロシア軍戦車を破壊または捕獲したことを目視で確認し、この評価は英国国防省によって確認されている。


他のウクライナ側の主張のほとんどについても、同じような独立した検証が存在する。つい最近、米国防総省は、ロシア軍が1,000両以上の戦車、数十機の戦闘機やヘリコプターを含むあらゆる種類の戦闘車両数千台を失ったことを認めた。


さらに、西側情報機関の関係者を引用した最近の報道では、ロシア軍はこれまでの戦争で最大2万人の死者を出しているという。

実際の数字を確認するのは、現地にいないと非常に難しい。しかし、戦争の霧やその他の要因を調整した後、西側の公式数字はウクライナの主張とかなり近いという。


火曜日現在、ウクライナ国防省は以下のロシア軍損失を主張している。

  • 戦死者34,100(負傷、捕虜は約3倍)

  • 装甲兵員輸送車3,606

  • 車両および燃料タンク2,537

  • 戦車1,496

  • 大砲752

  • 戦術無人航空機611

  • 戦闘機、攻撃機、輸送機 216

  • 多連装ロケット(MLRS) 239

  • 攻撃・輸送用ヘリコプター 181

  • 撃墜した巡航ミサイル137

  • 対空砲台98

  • 橋渡し装置などの特殊装備59

  • ボートおよびカッター 14

  • 移動式弾道ミサイル「イスカンダル」4


この数週間、ドンバスで継続的な圧力と攻撃作戦にもかかわらず、ロシアの死傷者の割合は大幅に減速している。このことは2つのことを示唆している。1つ目は、ロシア軍の指揮官が攻撃作戦に慎重になっており、目的を達成するために複合兵器をフル活用していること、2つ目は、ウクライナ軍の戦闘力や弾薬が不足していること、これは3カ月以上にわたってロシア軍と戦っていれば当然予想されることである。最近の現地からの報告によると、この2つの要因はいずれも事実であり、戦いの疲労が双方に追いついてきているようだ。


先月の大半は、スロビャンスク、クリビヤリ、ザポリジャー周辺でロシア軍の死傷者が最も多く、激しい戦闘が行われていたことを反映している。日が経つにつれ、激しい戦闘はスロビャンスクの南東にあるバフムト方面、ウクライナの重要な町セベロドネツク、ライマン周辺に多く移行していった。


その後、ヨーロッパ最大の原子力発電所があるザポリジヤ周辺でのウクライナ軍の反攻により、最も多くの犠牲者が出た場所は、再び西に移動している。


火曜日、ウクライナ軍は、ロシア軍が進攻しセベロドネツクを後方から遮断しようとしているバフムト付近と、ドネツクに近いアブディフカ方向で最も大きな犠牲を出した。 

ロシア軍の東方再攻略の目的は、ドネツクとルハンスクの親ロシア派の離脱地域を完全に支配し、これらの地域と占領下のクリミアの間に陸上回廊を作り維持することであると表明している。■


YOUR TACTICAL UPDATE ON UKRAINE (JUNE 21)

Stavros Atlamazoglou | June 21, 2022

https://www.sandboxx.us/blog/your-tactical-update-on-ukraine-june-21/

2022年6月21日火曜日

ウクライナ戦の最新状況(現地時間6月20日) 黒海のロシア天然ガス海上掘削施設(ウクライナから強奪したもの)にウクライナ軍歌ミサイル攻撃した模様、スネーク島攻撃は怪しい

Boyko Towers

Uncredited

黒海北西部は自由射撃区域の様相を呈しており、新兵器の到着でその傾向がさらに強まりそうだ。

シアは、黒海北西部のガス掘削装置に早朝攻撃してきたウクライナに報復を約束し、クリミア半島防衛を強化するとしている。

一方、ウクライナの情報筋はThe War Zoneに、スネーク島を攻撃したと伝えてきた。しかし、The War ZoneがPlanet Labsから入手したウクライナ時間正午前撮影の低解像度衛星画像では、新たな大規模破壊や火災は見られない。

今朝の衛星画像では、スネーク島に新たな大きな破壊は見られない。 PHOTO © 2022 PLANET LABS INC. ALL RIGHTS RESERVED. REPRINTED BY PERMISSION.

占領下のクリミア当局者は、オデーサの南約70キロにあるとされるチェルノモルネフテガズChornomorneftegazの掘削装置へ攻撃があったと確認した。Yahoo Newsによると、2011年から2012年にかけてウクライナは海上天然ガス掘削プラットフォームを購入したもので、2014年のロシアによるクリミア併合でロシアが押収していた。

これに対し、ロシアはオデーサにミサイル攻撃を仕掛けている。ロイターは、ウクライナの南方作戦司令部を引用し、ガス掘削施設の攻撃後、ロシア軍がウクライナ南部に14発のミサイルを発射したと報じた。

ロイター通信によると、ミサイル攻撃でオデーサの食料倉庫が破壊されたが、民間人の死亡はないとウクライナ軍は述べている。

オデーサへの攻撃に加え、占領地クリミアの少なくとも1人の関係者は、ガス掘削施設攻撃を受け防衛を強化していると述べている。

ロシア国営メディア「タス」のテレグラムチャンネルによると、「ウクライナによる掘削装置への攻撃後、クリミアの重要施設の保護は強化されるだろう」と、占領下のクリミア出身のオルガ・コビティディ Olga Kovitidi上院議員は述べた。

コヴィティディ議員の発言の前に、ロシアはS-300対空システム2個部隊をクリミア半島に送り込んでいる。

「クリミアには十分な防空システムがあり、クリミア橋を含む半島陸地部分はすべてカバーされている」と、タス通信によると、クリミア占領地のセルゲイ・アクシオーノフSergei Aksyonov知事は述べた。アクショノフは先週、ロシア本土とクリミアを結ぶケルチ橋が、まもなく手に入る長距離砲によって脅かされる可能性があるとしたウクライナの将軍の発言に言及したようだ。

ウクライナの元海軍大尉で元参謀のアンドリ・リゼンコAndrii RyzhenkoがThe War Zoneに語ったところによれば、ガス装置への攻撃に加え、ウクライナはスネーク島を攻撃した。

スネーク島攻撃は現地時間の午前4時頃で、「ロシア側に大きな損害を与えた」という。

2回目の攻撃はその約4時間後で、ウクライナ軍がガス掘削プラットフォームを攻撃したと、リゼンコは述べた。

「少なくともうち1つは大きく損傷した」とリゼンコはThe War Zoneに語った。「炎上し、ロシアがそれを確認しました」。

攻撃はともにウクライナ軍用機によって行われたと、リゼンコは語ったが、機種については明言しなかった。

しかし、ロシアメディアは、ガス掘削プラットフォーム攻撃は、長距離砲撃で行われたと報じている。

チェルノモルネフテガズ掘削プラットフォームへの攻撃は、「英国または米国製のロケット弾によるものである可能性が高い」と州議会副議長ヴィクトル・ボドラツキViktor Vodolatskyがテレグラムチャンネルで述べた。

米国がウクライナに供給しているHIMARSランチャーが発射するM30/M31誘導ロケットの射程は約43マイルで、ウクライナ国内に搬入されているかも明らかでなく、今のところ、搬入されたとの報告はない。NATOが供給するハープーン対艦ミサイルも、使用された可能性がある。実際にハープーンでロシア艦船を攻撃したとの主張もある。

ウクライナはネプチューン対艦ミサイルも持っているが、紛争前の在庫数はごくわずかだったと考えられている。少なくとも2基は、今回のプラットフォーム設置場所からそう遠くない場所で、ロシア黒海艦隊の旗艦モスクワ攻撃に使用されている。有人機の使用ははるかに危険だが、ウクライナは以前、西方のスネーク島で空襲に成功したことがある。しかし、それ以来、ロシアの局所防空能力は、大幅に強化されている。TB2のドローンによる攻撃も可能だが、小さな弾薬のためプラットフォームに大きなダメージを与えたとは考えにくい。

要するに、現時点ではプラットフォーム攻撃にウクライナが何を使ったのか、正確には分からないということだ。スネーク島攻撃に関しても、実際にあったかどうか不明だ。

タス通信はテレグラム・チャンネルでコビティディ議員の引用として、「ウクライナの攻撃で影響を受けた、オデーサ近郊の黒海でチェルノモルネフテガズが開発した油田の生産は停止しているが、人的被害は回避された」と報じている。

しかし、ガスはクリミアに「通常モードで」供給され続けていると、アクショノフは述べている。「ウクライナによるタワー攻撃にもかかわらず、ガス供給でリスクはない」。


ロシア側は「捜索・救助のための艦船をセバストポリから派遣した」と付け加えた。その後ロシアは「オデーサに大規模なミサイル攻撃を行い、セヴァストポリにあるミサイル艦ほとんどを出撃させた」と述べた。

 

占領下のクリミア当局によると、チェルノモルネフテガズのタワーには109人がいて、21人が避難している。


黒海のリグからのガスの流れが最終的にどのような影響を受けるかはともかく、ウクライナは掘削施設への攻撃でメッセージを発した。


親ロシア派のテレグラムチャンネルAzmilitary1によると、「ロシアはクリミアのチェルノモルネフテガズの掘削プラットフォーム攻撃の報復として、意思決定センターに攻撃を加えるだろう」とクリミアの議員Mikhail Sheremetは発言している。


国防総省の報道官は、ウクライナに送られる予定のHIMARSなど長距離砲撃手段でクリミアは十分に標的となるとThe War Zoneに語った。■


Ukraine Attacks Russian-Occupied Oil Platforms, Snake Island Strike Rumors Swirl

BYHOWARD ALTMANJUN 20, 2022 4:42 PM

THE WAR ZONE


Know Your Enemy: 日本の防衛力増強は軍国主義の復活だというお決まりの文句。ここで言う世界や近隣諸国ってどこのこと?

 Know Your Enemy第三回目も中国で、防衛力増強に舵を切った日本への公然たる非難ですが、お決まり文句の近隣諸国とは実は中国自体のことですよね。(当面、T2でも同じ記事を投稿していきます。ご了承下さい)

新ブログ Know Your Enemy https://knowyourenemy2022.blogspot.com/


 

今回のポイント:自らの軍事力の急拡大が日本の行動を変えた背景には目をつむり、単純に日本の防衛力増強=軍国主義復活と火をあおり、国際社会にアピールする。その間に既成事実を積み上げ、手遅れの状況を作る。一方で強い日本の出現は困る。

   

https/globalfirepower.com

 

国際社会は日本の無鉄砲に冷水を浴びせるべき 環球時報社説

 

米世論は、日本の防衛に関する最近の動きに注目を強めている。ここ数十年で最大の「軍事」改革を日本が完了しつつあると考えるアナリストが増えている。米メディアには、「日本の軍事力は、アジア太平洋の軍事パターンを覆すほど強いのか?」と問うものも出てきた。日本が第二次世界大戦後の「平和主義」を脱却しつつあるとの報道もある。報道の真意はともかく、地域諸国の警戒に値する重要な問題だと提起しているのは確かだ。

 

過去数十年間、日本は防衛分野で「控えめ」かつ「抑制的」な印象を国際社会に与えてきたが、これは日本が「ハローキティ」であることを意味するものではない。アメリカの一部メディアによると、日本のよく訓練され、よく装備された自衛隊は、世界で最も強力な軍隊の一つであるという。Global Firepower Index (GPI)で、日本は総合軍事力で世界第5位にランクされている。

 

ロシア・ウクライナ戦争の勃発は、日本国内の右翼勢力の「再軍国主義化」の野望を誘発した。日曜日、岸田文雄首相含む日本の与野党指導者がテレビで、原子力潜水艦の取得を検討すべきかを議論した。直前に、自民党から5年以内に防衛費のGDP比率を1%から2%に引き上げる提案が出た。日本は「不安」を喧伝し強調してきた。このことで日本の近隣諸国は戸惑い、不安になっている。経済発展から軍拡へ国家の重心を移してきた日本は、東アジアの平和と安定に対し最大の隠れた危険勢力になりつつある。

 

その過程で、ワシントンの放漫主義は、日本の右翼政治家に非現実的な幻想を許してきた。防衛の抜本的な転換を求める日本の動きを前に、ホワイトハウスのカート・キャンベル・インド太平洋政策調整官は、何の懸念も示していない。キャンベルは日本を「責任ある国」と評し、「遠い過去の記憶は現代の懸念を生んでいない」と述べた。ここからワシントンが日本の軍国主義を束ねてきた縄を解こうと身を乗り出す様子が見える。中国封じ込めの輪を作るために日本を利用する功利的な考え方が、地域のリスクや結果に対する懸念を圧倒している。

 

ワシントンによる全体的な作戦を考えれば、日本の右翼勢力の本当の危険性は見えなくなる。日本は世界で唯一、第二次世界大戦における侵略の歴史を公然と否定しているが、米国は自らの地政学的利得のため日本の野心へ支持を与え続けてきた。日本が中国に対し頻繁に吠え、必要であれば噛みつく能力を維持させるが、自信をもって日本を支配下に置くことを望んでいるのである。つまり、アメリカは日本が地政学的な衝突で粉々になろうが知ったことではなく、一方で日本はアメリカの身勝手さを利用して、軍事・政治上の制約を完全に解き放ち、目的を達成しようと考えており、これが危険な企てにつながっているのである。

 

現在、日本の政界全体に明晰な頭脳が不在の傾向がある。ほとんどすべての政党が、防衛力増強の必要性を主張し、「敵地攻撃」を主張する声がある。このようなシナリオは、第二次世界大戦後、一度も登場したことがない。日本社会全体の思想傾向は戦前とは大きく変化しており、軍国主義を復活させる土壌は十分ではないものの、危機を利用して、極端な主張者を刺激し、社会の制約を突破しようとする可能性は無視できない。特に、ワシントンは、世界の世論を脅かす日本の「再軍国主義化」の火を消すと同時に、日本に米国の地政学的競争の最前線に立つイニシアチブを与えている。

 

日米が何を言おうと、日本が行っているのは、地域の軍拡競争を再燃させ、地域の平和で安定した環境を崩壊させることである。歴史の傷跡は人々の心に鮮明に残っており、本当の危機が静かに迫っている。日本の軍国主義復活を防ぐためにも、地域の安全保障上のジレンマを回避するためにも、国際社会は日本の無鉄砲さに冷や水を浴びせる必要がある。■

 

 

International society should throw cold water on Japan’s foolhardiness: Global Times editorial

By Global Times

Published: Jun 21, 2022 01:08 AM

https://www.globaltimes.cn/page/202206/1268610.shtml

 


第二次大戦の戦場アッツ、キスカが再び米戦略で重要地点に浮上。北極圏を巡る中露への対抗上で。

 Aleutian island

1942年8月時点のアリューシャン列島の米軍基地。Wikimedia Commons



  • 1943年5月、米軍は日本軍からアッツ島とキスカ島を奪還する戦いを開始した。

  • アリューシャン列島の一部である各島は、太平洋作戦で重要地点となった。

  • 太平洋と北極圏に重点を移す今日の米国はアラスカの軍事的な重要性を再認識している。


本軍との残酷な戦いから79年、米国領の辺境地が再び注目の的になっている

 1943年5月11日、アメリカ兵はアッツ島上陸を開始した。アッツ島は、隣のキスカ島とともに、1年前から日本軍に占領されていた。

 アリューシャン列島の最西端に位置し、アンカレッジから約1,500マイル離れている。日本による占領は、1812年戦争以来、アメリカ領土が外国勢力に占領された初めてのケースとなった。

 同島に上陸した日本軍は、中部太平洋のミッドウェイ島を攻撃・占領した部隊を含む、大規模作戦で最北端の部隊であった。アメリカは、1943年半ばに大軍を送り込み、島を奪還した。

 しかし、アッツの戦いは3日で終わる想定が、3週間に及ぶ苦闘となった。

 79年後の今、アリューシャン列島とアラスカは、北極圏へのアクセスが容易になり、ロシアや中国との競争の場となり、米国にとって再び重要な場所になっている。




Attu Aleutian Alaska Japan invasion World War II

1943年6月、アッツ島で壕にこもる日本軍に銃と手榴弾で迫る米兵たち。 (AP Photo)


アリューシャン列島作戦


日本は1942年6月、真珠湾攻撃からちょうど6ヶ月後にキスカとアッツを占領した。日本軍上陸に先立って行われたダッチハーバー空襲では、米軍兵士43人が死亡、航空機11機が破壊された。

 アリューシャン列島での日本の目的は、ミッドウェー侵攻の前にアメリカ軍の注意をそらすこと、人口希薄な島々を前線基地に使わせないことの2つだった。

 日本軍はアリューシャン列島に上陸して数ヶ月で数千名の兵力を配備し、要塞、バンカーやトンネルなど重要インフラを建設した。キスカ島には港湾施設と滑走路も建設された。

 米軍はアラスカの重要性と防衛力不足を認識し、アラスカ駐留を増強した。キスカとアッツが占領された時点で、アラスカ防衛司令部の兵力はわずか2万4千人であったが、1943年1月に9万4,000人になった。

 1943年2月末までに、米軍は近隣の島に上陸し、アッツとキスカに空襲を行う飛行場を建設した。3月中旬までに、アメリカ海軍の封鎖で日本軍への補給と増援を断ち切った。

 4月1日、アメリカ軍司令官はアッツ侵攻を許可した。「ランドクラブ作戦」と名付けられたこの作戦の目的は、アッツの日本軍守備隊を撃破し、キスカへ向かうことであった。


綱渡りで機関銃座を攻撃する


5月11日の初回上陸は、空と海からの砲撃に先行され、勝利が目前に迫っていると多くが確信するほど、無敵の状態だった。

 しかし実際には、2500人以上の日本軍守備隊が内陸部に防衛線を張り、アメリカ軍の進攻に小グループで待ち伏せしていた。

 さらに悪いことに、アメリカ軍は日本軍とともに天候という2つの敵と戦っていることに気づいた。アッツは1年のうち約250日間、霧や雨、雪に覆われ、風速は時速120マイルにもなる。

 米軍は適切な防寒具を持たず、凍傷、壊疽、塹壕足などに見舞われた。ドナルド・E・ドゥイネル中尉は、「険しい場所だった」と回想した。「まるで冬に綱渡りをしてトーチカを攻撃するような険しさだった」。

 アメリカ軍は高地を占領し、日本軍を海岸沿い区域に押しやった。


Attu Aleutian Alaska Japan invasion world war ii

アッツのビーチに上陸する米軍の増援部隊(1943年6月23日)。 (AP Photo)


 5月29日、敗色が濃くなる中、戦える最後の日本軍は、高地を占領し、捕獲した大砲をアメリカ軍に使用し、捕獲した食糧や物資で自国の拠点に退却する目的で、大規模なバンザイ突撃を行った。

 あるアメリカ兵が「騒音と混乱と殺戮の狂気」と表現したように、日本兵約800人がアメリカ軍の本陣に侵入し、後方地域まで到達した。戦闘は白兵戦の激しいものであったが、アメリカ軍は立ち上がり、日本軍を押し返した。

 5月30日には、島は安全になった。少なくとも2,351人の日本兵の遺体が回収され、アメリカ軍が埋葬した。日本軍から奪還した他の島々と同様、守備隊は敗北を受け入れず自決した。降伏した日本兵はわずか28人だった。

 戦闘があまりにも激しかったので、日本軍は7月末に霧と闇にまぎれてキスカ島から密かに撤退した。日本軍が撤退したにもかかわらず、8月中旬にキスカに上陸したアメリカ軍とカナダ軍は、ブービートラップや味方の攻撃、厳しい環境で犠牲者を出した。

 アリューシャン作戦では、合計で549人の米軍兵士が死亡し、1,148人が負傷した。


新たな重要性


アラスカはソ連に近いことから、冷戦期には防空やミサイル防衛で重要な位置を占めていたが、第二次世界大戦中の作戦の記憶はその後数十年の間で薄れてしまった。

 しかし、米国が大国間競争に舵を切り、アラスカへのアクセスも良くなった現在、アラスカの軍事的重要性が再認識されており、最近の活動にも表れている。

 2007年、ロシアは長距離爆撃機の哨戒飛行を再開し、アラスカ防空識別圏に進入することもある。2020年、米政府関係者によると、これらの飛行へのインターセプトは冷戦後最高水準に達した。

 アラスカ周辺のロシア海軍の活動も活発化している。2020年に行われた大規模な訓練では、ロシア軍艦50隻が米国沿岸から約200マイルの米国の排他的経済水域で活動し、米国漁船と衝突した。

 中国も北極圏に関心を示している。中国は自らを「近北極国家」と宣言し、砕氷船団を増強している。中国軍艦は2015年に初めてアラスカ沖で活動し、2021年8月にもアリューシャン列島沖に中国艦4隻が現れた。


US special operations with Stinger on Shemya

コブラデーンレーダーを背景に、シェミヤ島でスティンガーミサイルを使った訓練を行う米軍特殊作戦部隊(2021年10月)。 US Special Operations Command


 米軍はアラスカでの態勢を強化している。陸軍は同地駐留部隊を刷新し、第11空挺師団を再発足し、新装備や訓練拡充に投資している。

 空軍は、北極圏に長く駐留してきた米軍部隊で最大の規模であり、第5世代戦闘機数十機をアラスカの基地に展開している。海兵隊はアラスカでの訓練を増やそうとしており、海軍はノームに新しい港湾施設を建設し、アラスカでの活動を強化したいとする。

 アラスカの新たな重要性は、アリューシャン列島にも及んでいる。2019年、米海軍と海兵隊は、ベーリング海峡の南にあり、かつて米海軍の主要基地があったアダック島で訓練を行った。

 2020年後半には、米国の特殊工作員が、米国本土よりロシアのほうが近いシェミヤ島に展開し、「重要地形と重要インフラの確保」を実践した。

 北極の氷が後退し、ロシアや中国の活動が活発化するなか、米軍にとってアラスカの重要性は今後ますます高まっていくだろう。■


79 years after a brutal battle to oust the Japanese, a remote piece of US territory is the center of attention again

Benjamin Brimelow 12 hours ago


日本周辺の中露海軍艦艇の動き(6月17日現在)/海自リムパック派遣隊の動き

 

ロシア艦艇の動きを統合幕僚監部が公表した June 17, 2022. JMSDF Photos

 

メディア関係者の方へ P1、P3という機種は存在しません。P-1、P-3と正しく表記刷るよう努めてくださるようお願いします。

シア海軍と日本の防衛省から月曜日、ロシア艦艇が日本近海の東シナ海とフィリピン海を航行中との発表がそれぞれあった。

 一方、海上自衛隊のインド太平洋派遣2022(IPD22)は米海軍と訓練を行い、インド太平洋5カ国の艦船はハワイでの環太平洋演習2022(RIMPAC2022)に向けグアムを出港し、一緒に航海している。

 ロシア海軍は、駆逐艦RFSマーシャル・シャポシニコフMarshal Shaposhnikov(543)とRFSアドミラル・パンテレイエフAdmiral Panteleyev(548)、ミサイル観測艦RFSマーシャル・クリロフMarshal Krylov が、コルベット艦とフィリピン海で補給船ペチェンガPechengaと運用されたと発表した。発表では、防空、対潜戦を太平洋艦隊所属機と共同訓練したと付け加えた。金曜日にロシア側は、ロシア太平洋艦隊分遣隊がフィリピン海に入り、模擬敵潜水艦の捜索と対空訓練に従事していると発表していた。

 日本周辺のロシアや中国の軍艦の動きは、防衛省が監視しており、統合幕僚監部(JSO)が報道発表している。金曜日に統合幕僚監部は、木曜日に伊豆諸島付近で駆逐艦1隻とコルベット4隻のロシア艦船5隻を目撃し、その後スミス島と鳥島の間を南西に航行したとする発表をした。その後、同じ海域でマーシャル・クリロフとロシア駆逐艦1隻が南西に航行しているのが目撃された。

 報道発表に記載された艦番号と画像から、マーシャル・シャポシニコフとアドミラル・パンテレイエフ、コルベット艦RFSソベルシェヌィSovershennyy(333)、RFSグロムキーGromkiy(335)、RFSグレミャーシチーGremyashchiy(337)、RFSロシア連邦の英雄アルダー・トシデンザポフHero of the Russian Federation Aldar Tsydenzhapov(339)とマーシャル・クリロフと確認された。、厚木航空基地第4航空集団のP-1海上哨戒機(MPA)と駆逐艦「こんごう」(DDG-173)と「てるづき」(DD-116)がロシア艦船を監視したと発表している。

 金曜日、JSOは、5隻のロシア船が宮古海峡を北西に航行し、東シナ海に入ったと発表した。艦番号と画像は、アドミラル・パンテレイエフ、アドミラルソヴェルシェヌィ、アドミラルグロムキー、ロシア連邦の英雄アルダル・ツィデンザポフ提督、マーシャル・クリロフに対応する。「てるづき」と補給艦「ときわ」(AOE-423)、那覇基地第 5 航空群の海上自衛隊 P-3C オライオン MPA がロシア艦を監視した。

 ロシア艦9隻からなる第2グループは、金曜日に北海道の宗谷岬の北25マイルで発見されたと、同日のJSO報道発表にある。艦番号と画像から、コルベット艦 RFS Koryeyets(390)、RFS R-29(916)、RFS R-20(920)、RFS R-24(946)、RFS R-298 (971)、RFS R-19 (978)、 RFS R-261 (991)、アルタイ級補給艦、病院船 Irtysh と確認された。その後、ラ・ペルーズ海峡(宗谷海峡)を西に進み、日本海に入った。ミサイル艇JS わかたか(PG-825)と海上自衛隊八戸航空基地第2航空群のP-3Cオライオンがロシア艦を監視した。

 日曜日に、宮城県金華山の東約137マイルの海域で、人民解放軍海軍艦艇3隻が南に向かい航行するのが目撃され、艦番号と画像から、駆逐艦CNSラサLhasa(102)、CNS成都Chengdu(120)、補給艦CNS東平湖Dongpinghu(902)と判明したと日本当局が発表した。PLAN艦は駆逐艦 JS まきなみ(DD-112)に監視された。報道発表には、6月 12 日に対馬海峡で目撃されて以降の PLAN 艦の動きの詳細と、艦番号794 東調Dongdiao 級情報収集艦の動きも記載されている。東平湖と東調794は、6月12日に津軽海峡を一緒に航行していた。 金曜日のJSOのリリースによると、ラサと成都は木曜日正午に北海道の礼文島の南西230km付近を北東へ航行中に目撃され、その後ラ・ペルーズ海峡を東に航行していた。同発表では、「わかたか」と海上自衛隊第2航空群のP-3CがPLAN艦を監視したことある。

 一方、海上自衛隊のIPD22派遣は、金曜日から日曜日にかけて太平洋上で駆逐艦USSサンプソンSampson(DDG-102)、補給艦USNSラパハノックRappahannock(T-AO-204)と演習を実施し、JSいずも(DDH-183)とJSたかなみ(DD-110)が初参加した。IPDは2019年より海上自衛隊の年次配備となっており、IPD2022では水上部隊2個が参加し、1つは「いずも」と「たかなみ」で構成し、2番目の水上部隊は駆逐艦JSきりさめ(DD-104)で構成する。また、艦名非公表の潜水艦も配備される。

 また、6月29日から8月4日までハワイで開催される環太平洋合同演習(リムパック2022)に向け、インド太平洋地域の五カ国海軍の艦船が木曜日から土曜日にかけて多国間航行演習を実施した。参加したのは、インド海軍フリゲート「INS Satpura」(F48)、フィリピン海軍フリゲート「BRP Antonio Luna」(FF-151)、インドネシア海軍フリゲート「KRI I Gusti Ngurah Rai」(332)、シンガポール海軍フリゲート「RSS Intrepid」(69)、マレーシア海軍コルベット「KD Lekir」(FSG26)だった。■

 

 

Chinese, Russian Warships Active Near Japan Ahead of RIMPAC 2022

By: Dzirhan Mahadzir

June 20, 2022 12:56 PM

https://news.usni.org/2022/06/20/chinese-russian-warships-active-near-japan-ahead-of-rimpac-2022