2016年11月23日水曜日

11月23日ヘッドラインニュース



11月23日のヘッドライン

筆者が注目する記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがあります。

ロシア空母での着艦事故の原因は着艦ケーブルの不良とエンジン燃料切れ
MiG-29Kが先週地中海で空母クズネツォフへの着艦に失敗し、海中に落下した原因が判明したとロシアメディアが伝えている。先行して着艦した機がケーブルを切断し、燃料切れになっていた。状況を監視していたNATO艦船が援助を申し出たが拒絶されている。


原潜シーウルフの謎に満ちた運用状況
機密保持が特に厳重なシーウルフ級原潜の行動はほとんどうかがい知ることができないが、北極海下で運用されている模様。温暖化の進展で北極海が改めて注目されており、米海軍原潜の活動再開にロシアも警戒中。

ロッキードが韓国空軍F-16改修を12億ドルで受注
韓国空軍のF-16計134機がロッキードによる改修でF-16V仕様に変わると相当の戦力増強が期待される。AESAレーダー搭載も含む。世界各地に引き渡し済みのF-16が4570機あり、性能改修事業はロッキードに有望な事業になっている。

ジェット推進式アヴェンジャーUAVが初飛行に成功
11月14日、ジェネラルアトミックス・エアロノーティカルシステムズのアヴェンジャーExtended Rangeが初飛行に成功。原型のプレデターCアベンジャーはすでに13千時間のフライトを実施している。20時間飛行が可能で、各種センサーを搭載する。

冷戦時のミサイルを再就役させてまで沿海防衛を強化するスウェーデン
冷戦時に計画されたものの途中で装備調達が中断したミサイルRBS-15を再就役させ、博物館入りしていた発射トラックとあわせ、東部ゴットランドの防衛体制を強化する。バルト円が地方の安全保障環境の変化に対応したロシアをにらんだ動きだろう。



2016年11月22日火曜日

11月22日のヘッドラインニュース


11月22日のヘッドラインニュース

F-35Aトルコ向けの引き渡しは2018年開始

トルコ国防相から発注中のF-35A24機のうち、最初の2機を2018年に受領するとの発表があった。

カナダはCF-18後継機にスーパーホーネット導入を選択

自由党政権はF-35導入の当初案の代わりにボーイングからスーパーホーネットを導入する方針に変更はないことがわかった。


民間向け超音速旅客機の実証機「ベイビーブーム」登場
新興企業ビームテクノロジーズが小型実証機をデンヴァーで11月15日公開した。2017年から飛行試験を開始し、その後に45席マッハ2.2で1,000nm飛行可能な超音速旅客機への本格開発を狙う。


トランプ政権の国防関連人事構想が浮上
国防長官にはタレント前上院議員の名前があがり、中国関連の知識の深さが注目。ウィン前空軍長官はゲイツ長官により罷免されているが、副長官として強力な存在になるだろう。その他陸軍長官にはヒップ(有力ロビー団体会長)、空軍長官はマッコイ(宇宙輸送協会会長)、海軍長官はフォーブス下院議員(退任予定)が有望。トランプは業績により断固たる処分を行う方針のようだ。


ISISがマッドマックスになった
ISIS戦闘員が装甲を施した自動車で自爆攻撃をイラク軍、クルド人部隊に繰り返している。モスル攻防戦で捕獲された車両が公開された。vehicle-borne improvised explosive devices, or VBIEDs 車両搭載即席爆発装置の名称がついている。


B-21はロシア防空網を突破できるのか
新型爆撃機はステルス性能を向上させ世界最優秀の防空体制に十分対抗できる設計。構想図には機体に排気管がまったくついておらず熱探知を免れる新技術が実用化される模様。無人運用も可能となり、ステルス対抗技術の効果を上回る性能を発揮する。



間もなく登場 開発テストを切り上げて不完全なままで作戦投入するF-35の問題点


2016年11月21日月曜日

歴史に残る機体12 ダグラス A-3ホエール





This ‘Whale’ saved 700 planes during the Vietnam War

Nov 17, 2016 6:55:54 am
歴史愛好家がヴィエトナム戦当時の米海軍機を話題にするとF-4ファントムが中心になる。各軍が共用した同機は海軍でエース2名を生み出した。ランドール・「デューク」・カニンガムとウィリー・ドリスコルだ。そしてもちろんA-6イントルーダーがある。同機は小説で映画化された「Flight of the Intruder」(邦題イントルーダー 怒りの翼)でも有名だ。
だがもっと注目されて然るべき一機がある。
The RA-3 Skywarrior decked out in camouflage and displaying its various reconnaissance package options. (Photo from Wikimedia Commons)
RA-3Bスカイウォリアー、カモフラージュ塗装で搭載可能な各種偵察装備を展示している。(Photo from Wikimedia Commons)
それはダグラスA-3スカイウォリアーで機体の大きさから別名「ホエール」と呼ばれる。たしかに大きな機体で全長76フィート、翼幅72フィートで最大離陸重量は82千ポンドにのぼった。最大航続距離は2,100マイルでペイロード12,800ポンドを搭載した。
当初こそ爆撃任務をこなしたが、スカイウォリアーがその名を輝かせたのは電子戦と空中給油で、海軍は85機をKA-3B給油機に改装し、うち34機にはジャミングポッドを搭載しEKA-3Bとした。
The KA-3 could carry a lot of av gas. (Photo from Wikimedia)
空中給油中のKA-3B. (Photo from Wikimedia)
給油機として空母航空隊各機に燃料を補給しただけでなく、敵レーダーを妨害し、攻撃部隊の探知を遅らせる活躍もしている。
別にRA-3B偵察機も生まれ、ERA-3B電子アグレッサー機、EA-3B電子偵察機も加わった。
KA-3BとEKA-3Bは北ベトナム領土奥深くまで空爆部隊を送り込んだだけではない。各機は空母帰還用の燃料も補給し、対空兵器の損害を受けた機体も助けた。航空史家ジョー・ボーガーの算出では海軍・海兵隊所属機700機以上がホエールの空中給油で救われている。
この数字は大きな意味がある。EB-66E爆撃機が1972年のイースター攻勢作戦で撃墜された事例では、大規模救出作戦で、唯一の生存者アイシール・「ジーン」・ハンブルトン中佐の回収をめざした。途中で5機を喪失し、米軍11名の生命が失われ、2名が捕虜になった。
A-3最後の派生型EA-3Bは1991年の砂漠の嵐作戦にも投入され、VQ-2飛行隊が運用し、その後退役した。E-3として民間がエイビオニクスのR&D用途に2011年まで飛行させていた。
初飛行1952年の機体としてはなかなかのものではないか!
WATM contributor Harold Hutchison was consulting senior editor at Soldier of Fortune magazine and is the author of the novel Strike Group Reagan. He has also written for the Daily Caller, National Review, Patriot Post, Strategypage.com, and other national web sites.
EB-66(A-3が原型の空軍仕様)事案はバット★66の邦題で映画化されていますね。艦上爆撃機としてこれだけ大きな機体が生まれたのは核爆弾が小型化できなかったからです。



11月21日のヘッドラインニュース



11月21日のヘッドラインニュース

スペイン向けA400M初号機引き渡し

スペイン空軍はA400M(MSN44号機)をセビリアの同機最終組み立てラインで11月17日に受領した。



中国が海外基地確保に意欲、しかし莫大な企業部門負債が世界経済に脅威

米中委員会が議会向けにまとめた最新年次報告書があきらかになった。負債の拡大で国家財政がピンチになりそう。特に企業部門の負債合計はGDP比169パーセントに達しており、世界経済にも脅威となる。一方でジブチに加え東アフリカ沿岸国やモルディブで基地の確保を目指している。


英空軍:10億ドルでプレデターBを導入

英国は空軍向けにプレデターBを最大26機調達する。現行のMQ-9リーパーより高性能な成果を発揮することを期待。英軍名称はプロテクターとなる。そのほかAH-64アパッチ、P-8ポセイドンも英国に販売される。


ハリヤーとライトニングIIで近接航空支援に効果をあげるのはどちらか

AV-8B+ はMk 82 500-ポンド爆弾14発、あるいはMk 84 2,000爆弾, CBU-87や CBU-100クラスター爆弾, AGM-65マーヴェリック対地攻撃ミサイル, GPS誘導方式JDAM、レーザー誘導爆弾を搭載できる。また25ミリGAU-12機関砲を内蔵し300発を発射可能。F-35BはJDAMは運用できるが、 2,000ポンド爆弾は使えない。


謎の無人シャトルX-37Bは軌道上で何をしているのか

米空軍が運用中の同機はこの瞬間も軌道上にあり、連続500日以上飛行中。中国の宇宙ステーションを偵察すべく軌道を変更したとの報告もある。



2016年11月20日日曜日

トランプ大統領は次期大統領専用機にどんな注文を出すのか


まあエアフォースワンはともかく、F-35と核攻撃兵力の整備でトランプ大統領がどんな判断をビジネス感覚で出してくるか注目されます。産軍複合体の後ろ盾なく当選できたので業界としても不安な面持ちであることは確かなようです。1月の大統領就任式までは観測がさかんになるでしょうね。自分のお金があると色々自由になっていいですね。747から派生したもう一つの重要機材E-4については後継機構想はまだ浮上していないようです。

War Is BoringWe go to war so you don’t have to

Will Trump Be Satisfied With Plans for a New Air Force One?

President-elect likes luxury and has criticized plane maker Boeing

by JOSEPH TREVITHICK
大統領選で一年以上にわたりドナルド・トランプは米軍拡充を曖昧に語ってきた。トランプ政権が発足後に構想を現実にしていくと期待したい。
  1. トランプは既存の国防事業で責任も引き継ぎ、その中に新型技術向上型エアフォースワンも含まれる。2016年1月に米空軍からボーイングに「大統領ミッション用の」747を3機製造する契約を交付したと発表があった。
  2. 空軍は新型機投入は2024年以降と見る。その時点でトランプが再選されていてもホワイトハウスの主でいられるのはわずかだろう。
  3. そうなるとアメリカの新指導者が同機を利用することは少なくなる。トランプはエアライン経営に失敗したものの航空分野に熱意を持ち、なんでも「一番」がいいと公言するナルシストである。贅沢を好み、選挙期間中はボーイングに批判的だった。
  4. ペンタゴンが大統領一行の移動用に専用機材を確保するのは1944年以来の伝統であり、大統領が搭乗した機材は「エアフォースワン」のコールサインとなる。
  5. 2016年現在、空軍にはボーイングVC-25Aが二機あり、747-200B旅客機を改造した各機は大統領移動用に待機している。ボーイングがホワイトハウス同様に同機の各種装備については口を閉ざしているのは理解されよう。
  6. 最新の通信機材、防御装備、他が搭載されているはずだ。ホワイトハウスによれば各機に医療室があり緊急時対応の医師が待機しているという。乗員30名で70名超の乗客に対応する。キッチンは100名以上の食事を提供できる。
U.S. Air Force VC-25s. Air Force photo
  1. ただし機体は老朽化が進んでいる。ボーイングが両機を納入したのは1990年12月のことだ。
  2. そこでペンタゴンは最新式の747-8を選定し、新型エアフォースワンを取得することとした。新型機の最大の改良点はエンジンだ。
  3. 2016年度現在でVC-25の運航費用は一時間あたり180千ドルを超えており、B-2ステルス爆撃機の二倍の水準だ。新型エンジンの燃料消費率改善がこの経費を押し下げそうだ。ジェネラル・エレクトリックの次世代エンジン四発を搭載した747-8VIP仕様は無給油で8千マイルを飛行できるとボーイングは説明。VC-25同様に空中給油能力も備えるだろう。
  4. また無線通信能力もその他装備同様に引き上げるのだろう。2016年7月時点で空軍はまだ詳細を詰めている段階だった。
  5. 2016年9月29日に空軍はボーイングに25百万ドルを交付し、機体の「非公開要求内容」用とした。その時点で同社は168百万ドルを事業費として受領している。
  6. ペンタゴンは機体単価を発表していないが、ボーイングは民生用の747-8のVIP仕様改装費用は360百万ドルを超えると発表している。空軍は新型機は最低30年間の供用に耐えることを期待している。
  7. トランプがホワイトハウスを去るまでに新型機が登場する可能性はないが、トランプが新型エアフォースワンに注文を加えボーイングの納入に影響を与えることはありえる。VC-25はロナルド・レーガン大統領がホワイトハウスを去る1990年1月に発注している。
  8. レーガンは生前に新型機に乗る機会はなかった。2004年6月の死去で一機が遺体をワシントンDCへ搬送した。
米国境警備隊ヘリコプターの後ろにトランプフォースワンが駐機している。2016年共和党全国大会にて。Customs and Border Protection photo
  1. トランプから新型エアフォースワンについて言及は今までないが、明らかに本人には独自の趣向がある。2016年大統領選中に自家用ジェット機で各地を飛び回っていた。
  2. 報道陣はトランプの専用機ボーイング757を「トランプフォースワン」と呼んでいた。747より小型だが100百万ドルする同機は45名までしか搭乗しなかった。
  3. 同機にはエアフォースワン並みの暗号化無線装置、対空ミサイル用おとり装置、緊急医療設備こそ搭載されていないが、純金装飾が各所につき、木材パネルが多用されている。
  4. 「シートベルトはじめあちこちが24k金メッキ」とトランプ選対広報のアマンダ・ミラーが解説している。「客室部分は全部が木の内装です」
  5. 驚くようなことではないが、トランプの家紋がヘッドセット、枕、他機内あちこちについている。エアフォースワンの大統領専用寝室にはそこまでの装飾調度はないと想像できる。
  6. トランプの贅沢好きがエアフォースワンに影響をあたえるだろうか。報道によれば次期大統領はホワイトハウスでの暮らしを極力回避しようとしているという。
  7. 「トランプ氏は深夜遅く飛んでも自分のベッドがあるトランプタワーに戻りたいとする外泊嫌いで、側近とホワイトハウスで眠るのは一週間で何回にしようかと相談している」とニューヨーク・タイムズが報じている。「本人からは今まで通りのやり方のほうが良い、とニューヨークにこだわっていると話が出ている」
  8. 前例もある。ボーイングがVC-25製造を開始した1980年代に当時のファーストレイディのナンシー・レーガンが口を出した。長年カリフォーニアに暮らした同夫人は南西部風の内装意匠を求めた。
  9. トランプも大きく内容を変えさせる可能性がある。なぜならボーイングのビジネス慣行には批判的だからだ。同社の中国、イランとの取引、米輸出入銀行との交渉をきびしく口撃した選挙演説もあった。
  10. 「ボーイングは中国に巨大工場を建設中だ」とトランプは今年2月のサウスカロライナ州集会で述べている。同州にはボーイング工場がある。「気をつけて欲しい。工場が完成して二年もすれば皆さんの仕事はなくなる。でもトランプ当選となればそうならない。でも気をつけていて欲しい」
  11. 名指しで批判されたボーイングはトランプ当選直後に事態を和らげようと声明文を発表している。「大統領に当選したトランプならびに新たに選出された議員各位に祝意を送り、今後一緒に働くことを期待」とポール・バーグマンはボーイング商用機部門の広報として11月9日に声明を出した。「米企業はおしなべて国家安全保障におけるアメリカの指導力を維持する手助けをします」
  12. もちろん大統領専用機事業を取り仕切るのはペンタゴンであり、トランプが自身の「腹心」に事業を任せる可能性はある。ボーイング株価が大統領選挙後に連続で上げているが、他の防衛企業同様である。
  13. 2017年1月20日をすぎれば本当の変化が見えてくるし、トランプの気性が次期エアフォースワン含む各種事業にどんな影響をあたえるかもわかるはずだ。■

11月20日 ヘッドライン


11月20日のヘッドライン

パキスタンが核弾頭130発以上保有?

アメリカ科学者連盟の最新推定ではパキスタンは核弾頭130発ないし140発をすでに保有しており、弾道ミサイル、巡航ミサイル、戦闘機により運用する体制ができているという。


国家情報長官にNSA長官が横滑りか
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ドナルド・トランプは国家安全保障局長官マイク・ロジャース提督を次期国家情報長官に任命するとみられる。ウォールストリートジャーナルが18日に二名の消息筋からの情報として伝えた。


J-10女性パイロットを事故喪失した中国

11月12日の事故でJ-10操縦資格のある女性パイロット4名の一人が生命を奪われ、J-10の欠陥が疑われている。


ASWに無人水中グライダーを運用する米海軍

誘導ミサイル駆逐艦に搭載したグライダーは水中を移動し、水温・水圧等を観測させ、海洋中の複雑なモデルを推定する材料とする。これを対潜戦に活用するほか、機雷敷設にも使う。


F-35:開発段階を完了しないまま実戦配備へ
F-35事業推進室は予算を節約するため実施中の開発段階からいきなり実戦配備させることにした模様。しかし同機を操縦する男女はこれで本当に大丈夫なのか。

C-130の性能向上策
米空軍はC-130に新型無線装置、デジタル式エイビオニクス、衝突回避装置、新型ウィングボックスを導入し供用期間を延長する。


2016年11月19日土曜日

クウェート、カタール向け販売成立でボーイング戦闘機生産ラインは2020年代まで維持可能になった


ボーイングの粘り勝ちのようですが、商談の正否で生産ラインの維持がかかっていたので、神経をつかう場面が多数あったと想像できます。しかし生産ラインがまだあるのになぜ米空軍はF-15を発注しないのか不思議ですね。予算がない、の一点張りなのでしょうが。

Kuwait, Qatar Deals Move Forward, Likely Putting Boeing Fighter Jet Production Into the 2020s


WASHINGTON —米国務省が高性能ジェット戦闘機売却を承認し、クウェートにF/A-18E/Fスーパーホーネット40機、カタールにF-15QAが72機それぞれ販売できることになる。
  1. 両機種を製造するボーイングに大きな意味があり、生産ラインを2020年代まで維持できる見通しがついた。
  2. この内クウェート案件は101億ドルでE型32機、F型8機のスーパーホーネットを売却する。販売にはF414-GE-400エンジン本体と予備部品、AN/APGアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダー及び兵装システムとして20ミリ機関砲、誘導ミサイル発射装置240式、AN/ALR-67(V)3レーダー警戒受信機45基、 AN/AAQ-33 SNIPER高性能照準ポッド12基、コンフォーマル燃料タンク8基を含む。また必要な支援・ロジスティック業務も含む。
  3. カタール案件は211億ドルで機体と兵装システム以外に米国内における訓練、保全支援装備、ロジスティック支援も含む。同国はF-15とユーロファイター・タイフーンで検討していた。
  4. 国防安全保障協力庁から米議会に対し両案件の内容提示が11月17日になされたと国務省が報道発表した。政府側から議会に海外軍事販売案件を30日以前に通告する義務がある。議会が売却に反対した場合は案件を無効化するか修正する必要が生まれる。ただし、議会からは非公式に案件を承認する動きがすでに出ており、議会側が両案件を阻止するとは見られていない。
  5. 米海軍のスーパーホーネットとE/A-18Gグラウラー購入が2017年度2018年度にかけ予定されており、さらにクウェート向けFMSが実現することで同機生産は2020年代まで維持できるようになったが、ボーイングはさらに販売を伸ばしたいとする。
  6. 一方でカタール案件でF-15生産ラインも2020年代にかけ維持できる。以前は2018年初頭に閉鎖の見込みだった。
  7. クウェートはF/A-18ホーネットを運用中で、カタールはミラージュ2000とアルファジェットをフランスから導入している。
  8. もう一件、バハレーン向けF-16案件は前進がないままだ。■


★決断の時迫る、米空軍F-15半数で大規模修理が必要、改修か廃棄か



いくら機体設計が優秀と言っても、機齡60年になる2040年代までF-15の現行機材が何機稼働可能なのでしょうか。であれば、F-35調達を削ってでもボーイングの既存生産ラインを稼働させて新造機を追加するほうがいいのではないでしょうか。ただ2040年代にドッグファイトそのものが存在するのかわかりませんね。

Decision Time: Half of US F-15s Need Overhauls — Or Retirement

A U.S. Air Force F-15C Eagle fighter aircraft from the 104th Fighter Wing, Massachusetts Air National Guard, departs Joint Base Elmendorf-Richardson, Alaska, for Barnes Air National Guard Base, Mass., on Aug. 12, 2011.
WESTFIELD, Massachusetts — F-15Cイーグルの機体重量は16トンほどだが、推力47千ポンドで離陸するとまるで16オンスのように感じる。
  1. わずか数秒で時速100マイルに達し、さらにその倍で地面から飛び上がるが、ジェイ・「ファット」・タルバート少佐は水平飛行のまま高度50フィートで加速する。「Gが来ますよ」と少佐は後席の筆者に警告をだして操縦桿を引いた。
  2. アフターバーナー2つから雷鳴のような響きがニューイングランド上空に広がると機体は垂直飛行を開始する。高度計がストップウォッチのように回るが、タルバート少佐が6,000で止めて機体は左にロールし横滑りしながら水平になった。その後、右にロールし訓練空域に向かい、基本設計が1970年代で1985年製造だが今でも空戦能力があると実証する。
  3. 数百億ドルを投じてF-15のC型D型を近代化改装し電子装備を向上させるのが良いのか同じ予算なら新型機に使うのがいいのかで米空軍上層部が検討を迫られている。
  4. 「ミッションがなくなることはない」とピート・グリーン大佐、州軍第104戦闘機隊の副司令は語った。「航空優勢戦闘機の必要性は不変だ」
  5. 米空軍はF-15のC型D型をあと25年は稼働するとしている。(より新型のF-15Eストライクイーグル派生型はもっと長く供用の予定)だが想定以上の機数を退役させ整備費用を節約した分で新型機を調達するとしている。空軍では空対空戦しかできないF-15を今後どう活用するか検討が始まっている。
  6. 選択肢として第四世代のF-15を改良すること、第五世代のF-35ライトニングIIの調達を増やす、あるいは未来の軍用機、長距離侵攻型制空機材 Penetrating Counterairに予算をつぎ込む、がある。
  7. 「予定通りならF-15は2042年ごろまで供用する」とジョン・「ヒード」・マクローリンが航空戦闘軍団でF-15関連を担当する責任者としてラングレー空軍基地で語っている。マクローリンは以前はイーグルのパイロットで現在は同機の改修計画を統括している。
  8. イーグルはF-22ラプターとチームを組み、航空優勢戦闘機として活用する構想だ。
  9. 「F-15はF-22と協同運用します。今後の空軍、州軍航空隊双方でこの運用が中心となるでしょう」と語るのはスティーブ・パーカー(ボーイングF-15担当副社長)だ。ボーイングは同機の製造元として改修活動を実施中だ。「同機は2040年代まで航空優勢能力の中心となります」


新型装備で高まる威力

  1. 1970年代からF-15C/Dは最高の戦闘機と言われてきたが同機を上回るドッグファイト性能がF-22で実現している。
  2. 第104飛行隊のイーグル各機は1980年代製で搭乗員の大部分が生まれる前に製造されている。
  3. コックピット内部ではF-15Cはアナログ時代の産物だと一目瞭然だ。大型カラーのタッチスクリーンではなく丸型ダイヤル式計器各種が速度、燃料、方向その他飛行データを表示している。
  4. 一部ながらハイテク装備も導入している。州軍のパイロットはスナイパー標的探知ポッドを運用している。これは対地攻撃機でよく使われており、数マイル先から対象の機体番号が識別でき、米本土での迎撃任務に有益だと語るのはトラビス・「ビースト」・ヘイゼルタインでフロリダ州ジャクソンビルにある州軍空軍予備役司令部でF-15テストを担当している。
  5. だがイーグル運用を続けることには課題もある。各部品を製造したメーカー多数がもはや存在しておらず、きれいな外観とは裏腹に内部機構には細心の注意が必要だ。
  6. タルバート少佐のフライト二日前には外気温が華氏60度から30度まで急に下がり機体が始動できなくなった。また少佐がニューハンプシャー上空の制限空域に移動すると、機体が急に右に傾き慌ててコース修正が必要となった。
  7. 飛行可能にしておくことは高費用になる。三十有余年にわたり高性能飛行をしたため機材にしわよせがきている。F-15の機体を保持するためには新造の鋼鉄製縦通材が必要だ。イーグルで9年前にミズーリ上空で機体が分解する事故があったのはこの縦通材が折れたためだ。パイロットは生還したが射出脱出時に負傷を負った。
  8. また主翼も新しくする必要がある。この大規模改修は2020年代中頃を目処に実施する。
  9. 新型電子装備品では主コンピュータを交換しロシアや中国の地対空ミサイルや新型機に対抗する。
  10. 「現在の処理能力はコモドア128(旧型家庭向けパソコン)並だ」とマクローリンは語る。「戦闘能力を未だにそれに頼っているのは驚くしかない」ボーイングのパーカーによれば新型ミッションコンピュータは従来より50倍強力だと言う。
  11. その他にもイーグル・パッシブ・アクティブ警告システムがあり、デジタルの電子戦装備だ。「極めて重要な装備でF-15は厳しい空戦環境でも残存性を高められる」(パーカー)
  12. だがこの新型装備は60億ドルかかり、搭載はまだ10年先となり、何らかのつなぎが必要だとヘイゼルタインは述べた。
  13. その他の改修に長波赤外線捜索追尾装備があり、敵脅威を長距離から探知できる。レーダーが妨害されても敵機に照準を合わせる別の手段となる。
  14. 「この装備はなんとしてもほしい。第四世代機の性能を画期的に変えて、第五世代機にも対抗できるようになるから」とマクローリンは述べる。
  15. 旧式モノクロ画面やアナログ計器は新型カラー画面に取り替える。
  16. 「電子戦能力の進歩とミッションコンピュータ交換、ミサイル搭載能力の向上で今後20年以上に渡り相当の威力を保持できます」(パーカー)
  17. その他にも極秘の改良案が検討されている。「たえず敵より一歩先の性能を維持しておきたい」(マクローリン)
  18. 推定費用は120億ドルで工期20年と航空戦闘軍団は見ている。ここにはコンフォーマル燃料タンク他の向上策は含まれていない。
  19. 「イーグルの航続距離は伸ばす必要があります」とパーカーは述べる。「現地上空で待機して相当の兵装を積んだままの想定が米必要になると空軍、州軍は見ています」
  20. コンフォーマルタンク追加で飛行距離は増え、空中給油の回数が減り、空対空ミサイルを追加搭載できる。
  21. 「ステルス性は劣りますが大量の兵装をぶら下げて飛べます」とトム・「スリング」・ブレイデン大佐(104飛行隊の作戦指揮官)は述べる。
ボーイング提唱の「F-15 2040C」仕様の構想図ではミサイル16発を搭載している。(Boeing)

機数が足りない
  1. これまで米空軍が調達したF-15C/D型は400機を超えるが、そのうち現在稼働中なのは単座C型が212機、複座D型が23機のみだ。D型は訓練用途に運用されている。半数以上が州軍の5個航空団に配備され、残りは日本と英国に駐留する第一線飛行隊にある。
  2. ここマサチューセッツでは18機のF-15が警戒態勢を保ち、必要なら数分以内でロシア爆撃機の接近、ハイジャック事件、小型セスナ機が無線応答しない場合等に対応する。州軍五個航空団は高度警戒態勢にあり、空対空ミサイルを搭載している。各機は24時間体制を365日維持している。
  3. だが航空団配備の機数がこれだけ少ないとF-15の本来任務であるドッグファイトの訓練が十分できない。
  4. 「中心任務の四機編隊F-15でもっと多くの敵に対抗させる飛行訓練が難しい」とブレイデンは説明する。「全く新しい方法で四機訓練案を作り直したいが実際には警戒待機中の機体をつかっているのが現状だ」
  5. 空軍がもっと多くの機材を運用していた頃は機材を借用して別の部隊とチームを組むのは簡単だった。だが機材老朽化と予算不足で空軍は機数削減に走っているのが現状だ。F-16ファルコンをこれまでドッグファイトの相手機に使ってきたが、現在は対地攻撃訓練に軸足を移しイラクやアフガニスタンを想定している。
  6. 州軍航空隊を統括するスコット・ライス中将は104飛行隊司令を務めた経験があり、飛行隊の機数を増やそうとしておr,F-15の代わりにF-35を配備する方向になりそうだ。
  7. 「予算不足・人員不足の中で飛行隊の追加は機運が実っていませんが、既存飛行隊の拡充は可能なはず」「3機、6機、9機と予備機材を増やせば人員はそんなに増やさずに稼働機を増やせるはず」
  8. F-15パイロットは現地展開を通じて技能を磨こうとしている。104飛行隊は今年はじめの六ヶ月をヨーロッパで過ごし、アトランティック・リゾルブ作戦の一環でウクライナに手を出したロシアに対抗した。同隊はNATOの哨戒飛行ミッションとしてアイスランドに展開し、オランダ、エストニア、ブルガリアでの合同訓練に参加した。
  9. 「制空任務の訓練機会となります」とグリーンも今後の配備を期待している。
第131戦闘飛行隊(マサチューセッツ州バーンズ州軍基地)のF-15Cイーグルと第194飛行隊(フレズノ州軍基地所属 )がレッドフラッグ16-1演習で空中給油の順番を待っている。2016年2月撮影。 (U.S. Air Force)

運用は多忙を極める
  1. だが104飛行隊がヨーロッパに簡単に行けたわけではない。144隊(カリフォーニア州フレズノ基地)と調整し必要機数を確保している。
  2. 「パイロット、整備陣は残しておく必要があった。部品等も同様だ」とブレイデンは104隊作戦主任として語った。部隊派遣で改めてロシアがウクライナを侵攻したことで東ヨーロッパでの脅威が痛感された。
  3. 「エストニアから離陸するとロシアの地対空ミサイル装備が近隣のカリニングラードにあることがわかる」
  4. また同隊パイロットは国境の反対側を飛ぶロシア機を度々目視している。
  5. 「平時であることがあらためてありがたかった」とブレイデンは述べている。
  6. 104隊がブルガリアに到着すると、同国空軍のソ連製MiG-29飛行隊がスクランブル態勢にあるのが目に入った。
  7. 「F-15が到着したその日にブルガリア空軍はスクランブルを三回行っており、滑走路に常時一機が待機していました」とブレイデンは語る。「ロシアが国境線をしきりに偵察していたためです」
  8. 米軍機はロシア機との接近遭遇や緊急事態は経験しなかった。
  9. 「まあ、暴走族がヨーロッパ遠征したようなものでしたが、なにごともなかったわけです」とブレイデンは振り返る。
  10. ブルガリアでは同戦闘機隊はアメリカ式の待機態勢をとっていた。「戦術レベルですべて一箇所にまとめていました」(ブレイデン)
  11. ライス中将は今後のヨーロッパ派遣で州軍飛行隊が「大きな役割を果たす」と見ている。
  12. ニューハンプシャー上空に戻ったタルバート少佐とウィングマンはヨーロッパへの派遣が再びあると覚悟している。■


11月19日ヘッドライン


11月19日のヘッドライン

中国がGX-6対潜哨戒機を公開

Y-8輸送機の派生型でP-3に相当する機体のようです。



クウェート向け、カタール向け販売承認でボーイング戦闘機生産ラインは2020年以降も継続に

米国務省が承認したのはクウェート向け F/A-18E/F スーパーホーネット40機、カタール向けF-15QAが72機で総額300億ドル以上の大型商談になりました。F-15ラインがまだあるのなら米空軍も新型機を導入すればいいのにね。



中国初の空母遼寧が実戦対応状態に

中国メディアが報じた。ゆくゆくJ-15 戦闘機 Z-18AEWヘリ、 Z-9対潜ヘリの構成で20機程度を搭載する。 ただし排水量6万トンの遼寧だがまだ大規模な遠洋航海は行っていない。



韓国THAAD配備先はゴルフコース

用地に上がったのはロッテ財閥所有のゴルフコースです。国防部は11月16日に取得契約を取り交わした。立地は韓国中央部の星州郡でロッテはかわりにソウル郊外の国有地を取得する。



脳の学習効果をスピードアップする方法をDARPAが開発中

装着ツールの作動を迅速化するなど研究の主眼はあくまで軍事活用を模索するもののようですが、神経科学の進歩とともに画期的な医療成果が将来生まれるかもしれません。一方でDARPAは「志願者」を集めているとのことでちょっと不気味です。



間もなくアップロード: 米空軍F-15の機体老朽化は深刻で半数で大補修が必要