2019年3月1日金曜日

空飛ぶホワイトハウス、次期エアフォースワンはVC-25Bの制式名称に

次期エアフォースワンとなる機体は今から製造するのではなく出来上がり機材を改装するだけのはずなのになんでこんなに時間がかかるんでしょう。改装対象が相当高度なのでしょう。日本向け777がいとも簡単に出来上がったのと対照的です。要求水準が違うんですね。それ以上に現行のVC-25(747-200)を30年にわたり米空軍が必死に整備していることが伺えますね。

 

The new Air Force One arrives in 2024. Here's what we know so far. 次期エアフォースワンは2024年供用開始予定。今のところ判明していること

This Presidents Day, consider the past, present, and future of the airborne White House. 大統領の日に空飛ぶホワイトハウスの過去現在未来を見てみよう。

By Rob Verger February 18, 2019

Air Force One
ジョージ・H・W・ブッシュ葬儀で飛んだエアフォースワン。2018年12月3日。U.S. Army photo by Spc. James Harvey

べて計画通りなら2024年に米大統領が誰になるにせよ次期エアフォースワンとなる新型機材2機を受領する。現行機種はボーイング747で次期機材も同じだが新型機種となり全長翼幅共に増え航続距離・巡航速度も増加する。
ホワイトハウス同様にエアフォースワンは大統領の象徴だ。「大統領個々人とは関係ありません」と述べるのは戦略国際研究センターで航空宇宙安全保障部門長のトッド・ハリソンだ。「大統領、米政府の顔です」
以下エアフォースワンの新型機となる米空軍制式名称VC-25Bで判明している内容だ。
Air Force One
1959年から1962年にかけて専用機のボーイング707には青白塗色は使われていなかった Boeing

大統領専用機の歴史

各大統領がボーイング747を使ってきたわけではない。エアフォースワンで著書のあるケネス・ウォルシュはトルーマン大統領はプロペラ機「インディペンデンス」を専用機とし、「鷲のように見える塗装だった」という。
その後アイゼンハワー時代にボーイング707になり、当初は「軍用機調」だったという。
その同じ機体が現行機同様の青白塗装になったのはケネディ時代で「エアフォースワン」の呼称も生まれた。
「航空管制で区別できるコードネームが必要だったのでエアフォースワンには堂々たる響きもありましたからね」とウォルシュは言う。このコードネームが一般大衆にも知られることになった。
ケネディは同機を「大統領専用機」らしくし、結局同機は1959年から1990年にかけて稼働した
Air Force One
1962年から1990年までのエアフォースワンは引き続きボーイング707だったが大統領らしい塗装となった Boeing

電磁パルスにも対応可能

現在のエアフォースワンはH.W.ブッシュ政権に稼働開始しており、ボーイング747-200はVC-25Aとして現在も供用中だ。

「機材更新の理由は機材老朽化が一番だ」とハリソンは言う。新型機に切り替えれば恩恵は明らかでエンジン燃費が向上し信頼性も引き上がり、新型防御・通信装置の搭載も期待できる。
たとえば2001年9月11日、ジョージ・W・ブッシュ大統領は機内から通信に苦労していた。当時U.S. News and World Reportのホワイトハウス特派員として大統領の移動に300回同行していたウォルシュによれば「ブッシュ大統領は通話中に何度も途切れた電話に戸惑っていた」とし、「今回は完全に解決したようだ」としている。
ウォルシュによれば9/11以降は大統領が機内から全国放送できるようになっている。
現行機には極秘の防御装備がついている。「わかっているのはエアフォースワンの機体表面には核戦争の際に発生する電磁パルスを受け付けない加工がされていることです」とし次期機材でも同様の構造だろうとする。
ウォルシュは現行機には携行型熱追尾ミサイルのような兵器への対応能力もあり、離着陸時のリスクに備えるとする。「対抗装置があることがわかっています」とし、小型ミサイルを「受け付けない」のだという。
「それ以上は軍も話したがりません」とウォルシュは述べ、「報道陣としては他の防御装備もあると見ていますが、秘密の壁で守られています」
Air Force One
1990年からエアフォースワンはボーイング747-200で2024年まで2機が飛び続ける Boeing

「あらゆる国家非常事態」に備える機体

米空軍は新型機747-8について以下説明している。

「改装作業では詳細は運用上の安全の観点からすべて明かすことはできない。通信装備、医療装備、執務室内部、防御装備、自己完結型地上運用体制等である。VC-25Bは空のホワイトハウスとして最高司令官が憲法上の責務に従って移動中も執務しながら、最高水準の指揮統制機能を軍事力を対象に行い国家の安全を維持する機能をいかなる国家非常事態や緊急事態の中でも確立するのが目的だ」
Air Force One
次期エアフォースワンの想像図 Boeing

次世代エアフォースワンには空中給油機能はついていない問われるが、ウォルシュは本当にそうなのか疑わしいという。「エアフォースワンは緊急時にも大統領を乗せたまま安全に飛び続ける必要があります」

なお機材調達予算は39億ドルである。■

2019年2月28日木曜日

F-35で北朝鮮ICBM迎撃は可能?

興味深いのですが本日(2月28日)、NHKがハノイからの中継でトランプ金会談を鳴り物入りで報道しているのに対しCNNやBBCでは米国内でのトランプ追求の議会公聴会がトップでした。トランプの命運も尽きるかも知れません。そんな米国内事情には日本人が関心を示さないとNHKは判断しているんでしょう。日本人の多くは会談にいくばくかの期待をしているのでしょうね。とくに平和愛好家の皆さんはうまくいけばこれで「軍備不要」とまで言いかねない勢いになりそうです。しかし、現実はそんなお花畑ではなくこんな検討も進んでいるわけです。それに自衛隊始め不測の事態に備える人たちが入るから平和が維持できているのですよね


The F-35s Next Mission: Killing North Korea's Nuclear-Tipped ICBMs? F-35の追加ミッションとして北朝鮮の核ICBM撃破は可能なのか

Is that possible?
February 27, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-35MilitaryTechnologyWorldStealth



防総省がF-35戦闘機を北朝鮮国外の空域に待機させ北朝鮮の大陸間弾道ミサイルを発射直後に破壊する構想を検討中とロイターが伝えている。
構想は北朝鮮ICBMの迎撃方法として中短期的に可能と考えられていると記事にあり、ドナルド・トランプ大統領が金正恩とベトナムで会談する一方で北朝鮮の核兵器ミサイルの関連で真剣な検討が続いていることを示す。
ペンタゴンはミサイル防衛戦略を前から検討しており、1月に出たDoDのミサイル防衛検討案で興味深い選択肢の説明がある。Defense Oneが無人機にレーザーを搭載する案やF-35を改装しミサイル防衛にあてる構想を紹介している。
検討案では「弾道ミサイルを打ち上げ加速段階で迎撃する手段のテスト開発を求めている」とDefense Newsも伝えている。「またF-35の搭載センサーで移動式ミサイル装備の追尾探知をさせる案もあり、北朝鮮が目指す戦略の中核への対応をめざす」とある。
ただし現時点では構想はまったくの空理空論だ。F-35をICBMキラーにするためには「高速飛翔可能な迎撃ミサイルが必要だがそれだけの速度だとミサイル自体が溶融してしまい、現行の装備品技術でミサイルに対応するには敵領空内を飛行せざるを得ない」と専門家がロイターに語っている。
ただし可能性はあり、それは報告書でも触れているふたつの要因を実現することだという。無人機搭載レーザー構想をF-35に搭載することだ。
構想自体は前からあり、ミサイル防衛庁はボーイング747搭載の空中発射レーザーによるICBM迎撃をテスト中止している。「あまりにも高額でありながら取扱が困難」なためだった。指向性エネルギー兵器は機構が複雑になりがちで開発予算も不足しているのは空軍特殊作戦軍団用のAC-130Jゴーストライダーガンシップ事業で明らかだ。
だが2017年にF-35のメーカーロッキード・マーティンに指向性エネルギー兵器の搭載可能性を研究する契約が交付された。これは空軍研究本部が進める防御用高エネルギーレーザー実証の一環だ。26百万ドルで戦闘機搭載レーザーの試験装置を2021年までに完成させる。
「音速飛行中の機体から光速で発射しますが、標的も超音速で飛翔しているはずです」とロッキードでレーザー兵器開発の主任研究員ロブ・アフザルがWiredに語っている。「装置の強靭化が不可欠ですね」
ただしレーザー装備のF-35Bが北朝鮮領空付近を飛び、発射直後のミサイルを破壊する絵は構想段階のままだ。たしかにF-35は実戦能力は予定の姿に近づいているが、技術問題、信頼性問題が浮上しておりF-35への指向性エネルギー兵器搭載の実現は遠のいているのが実情だ。■

This article originally appeared at Task & Purpose. Follow Task & Purpose on Twitter .

パキスタンがインドMiG-21を撃墜、心配なインド-パキスタン軍事衝突の最新状況


Indian Air Force MiG-21 Bison Shot Down By Pakistan Air Force Jet パキスタン空軍機がインド空軍MiG-21バイソンを撃墜


インド空軍のMiG-21バイソン (Image credit: Jyotirmoy Moulick)

ンド空軍IAFがMiG-21一機の喪失を認めた。カシミールの休戦ライン上空で発生した交戦でパキスタン空軍PAFに撃墜された。MiG-21パイロットは身柄拘束されている。
今回の交戦はIAFのミラージュ2000編隊が休戦ラインLOCを超えてテロリスト拠点があるバラコートにイスラエル製SPICE2000 EO/GPS誘導スタンドオフ方式の2000ポンド精密誘導爆弾を投下した翌日に発生した。
交戦の実態は不明だ。
IAFのMIG-21はPAFが同日午前に空爆したことに呼応して出撃した。パキスタンによればIAF戦闘機2機がLOCを超えて侵入しPAF戦闘機がパキスタン領空内で迎撃しすべて撃墜したという。
In response to PAF strikes this morning as released by MoFA, IAF crossed LOC. PAF shot down two Indian aircrafts inside Pakistani airspace. One of the aircraft fell inside AJ&K while other fell inside IOK. One Indian pilot arrested by troops on ground while two in the area.

インドは戦闘機一機の喪失を認めた。さらにインドによればMiG-21がパキスタン戦闘機を撃墜したという。ただし裏付ける証拠はまだない。
· 16h
Govt confirms 1 PAF fighter shot down by MiG-21 Bison. In this engagement, 1 MiG-21 lost, one pilot missing in action. Govt takes no questions.
Here’s the full statement from the @MEAIndia just now: pic.twitter.com/6Un3cwg0T5
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インド空軍の輸送ヘリコプターMi-17V-5の墜落現場の写真がソーシャルメディアに出ているが、現時点で同機が撃墜されたのかは未確認だ。
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2 pilots dead in Mi-17 crash near Srinagar airport; flight ops suspended



またこれも未確認だがバイソンを撃墜したのはF-16との説とJF-17サンダーとの主張もある。
JF-17は軽量単発の多任務戦闘機でパキスタン航空工業と成都航空機の共同開発。第四世代機とされるが、事実ならJF-17初の撃墜事例となる
パキスタン空軍のJF-17サンダー (Photo: PAC/CAC)

一方で今回のMiG-21バイソンは性能改修型だ。設計は旧式だが低レーダー探知性、旋回性能、加速性能が優れ、ヘルメット搭載視認装置で視程外対応R-73対空ミサイルを運用し、相当の戦力となっており新鋭機にとっても強敵だ。

いずれにせよ、現時点ではソーシャルメディアで激しい宣伝戦となっており、映像も加工され、未確認の発表等にあふれている。インドとパキスタン間の緊張は現地で小競り合いが発生しており統制がとれなくなりつつあり、エスカレーションの危険をはらんでいる。■

2060年代まで第一線戦闘機として使いたいUSAFの期待にF-22は応えられるか

米国の国防戦略構想で中国、ロシア相手のハイエンド戦が前面に出てきましたが、現時点のF-22が第四世代機より見劣りする面があり、しかも機数があまりにも少ないのは痛いところでしょうね。生産ラインを早期閉鎖してしまった決定を悔やむことになるのか、F-35/F-15Xの組み合わせで今後踏ん張るのか、苦しい状況になりそうです。


The F-22 Raptor: The World's Most Dangerous Fighter Jet Until 2060?

F-22ラプターは世界最強戦闘機として2060年まで活躍できるのか
February 23, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-22F-22 RaptorF-35U.S. Air ForceStealth Fighter
こに来てF-35とF-15Xに関心が集中しており、米空軍の主力航空優勢戦闘機であるF-22ラプターの存在が霞んでいる観がある。
ラプターは2000年代初頭の就役時には世界最高の戦闘機と言われていたが、センサー、レーダー、データリンク各技術はその後も改良されてきた。
ただしラプターが受けてきた改修はF-15やF-16より小規模で今や時代遅れの部分もある。たとえばF-16、F-15、F/A-18にはJHMCSミサイル誘導技術が搭載されており、パイロットは敵機の方向を見ればロックされる。だがF-22には同技術は導入されていない。
USAFはソフトウェアでF-22性能改修を目指し、同機は搭載センサーの活用度を引き上げているが、ハードウェア改修は小幅だ。センサーやレーダーの性能向上と小型化が進む中でこの方針でいいのか。
答えは複雑だ。F-22の機体はUSAF機材中で最も高性能の「シャーシ」であるが、偏向推力とスーパークルーズ性能、ステルス性のためセンサーの追加装備はポッドも含めステルスを犠牲にしない限り困難であり、性能改修の可能性を狭めている。また2011年に生産ラインが閉鎖されたことも性能改修で制約条件になっている。
そこで米空軍はこの解決をどう目指すのか。F-22での最新の性能改修は二段階で、ベイスライン3.2Bと性能改修6のふたつだ。目標は最新の空対空ミサイル搭載とネットワーク戦能力の向上にある。
AIM-9XおよびAIM-120D空対空ミサイルをF-22搭載のエイビオニクスで運用可能とする。AIM-9Xは2014年から運用を目指してきたが改修作業は先送りされてきた。
ミサイルは2017年に搭載可能になったが本来一緒に運用するはずのJHMCSが搭載されていない。最新改修でJHMCSに似たヘルメットがF-22で利用できるようになる。逆にUSAF、米海軍ではAIM-9XとJHMCSの組み合わせを2010年代初頭から使っている。
F-22改修に暗号化技術が加わる。これは敵の電子戦環境でも問題なく作動するものでLink-16「送信」モジュールでF-22も他機種のレーダー等標的情報を共有しながら送信できるようになる。これまではLink-16「受信」モジュールのみ搭載されていた。
F-35が優れたセンサー性能で戦場の様相を伝える標的機の役目に成功をおさめたことでUSAFもF-22のデータリンク改修に踏み切ったのだろう。
新型データリンクとミサイルの組み合わせでF-22は性能改修型の第4世代機と兵装・ネットワーク機能で互角になる。F-35はセンサー性能で先を進むことに変わりはない。
F-22センサー改修の予算確保は2020年代に実現の見込みで電子光学モジュールとしてF-35のEOTSやDAS装備に近いものが搭載され、高度のジャミング環境でも支障なく運用できるようになる。これはF-15Xの性能を意識したものだ。
イラク、アフガニスタン両戦線でF-22はF-35の前に精細を欠いていたが今や超大国間対決が再び脚光を浴び性能改修が必要との意識だ。
実は性能改修は2013年から企画されていたが、最近になり予算化され、2019年度予算で高い優先順位がついた。すべて順調ならF-22は2060年代まで航空優勢の実現の尖兵となり、現在計画中の第六世代戦闘機と交替することになる。■
Charlie Gao studied Political and Computer Science at Grinnell College and is a frequent commentator on defense and national security issues.

Image: Wikimedia

2019年2月27日水曜日

インド、パキスタン武力衝突の影響が民間航空に早くも出ています 該当地区への旅行は要注意

Border clashes shut Pakistan's airspace and north Indian airports

武力衝突をうけパキスタンとインド北部で民間航空が運用中止に

キスタンの民間航空当局は同国上空の飛行禁止措置を確認し、一方インドは北部8空港での民間航空取扱を中止した。両国はかねてから紛糾のカシミール地方で軍事衝突をしたばかりだ。

Border clashes shut Pakistan's airspace and north Indian airports

武力衝突をうけパキスタンとインド北部で民間航空が運用中止に


27 FEBRUARY, 2019
SOURCE: FLIGHT DASHBOARD
BY: AARON CHONG
SINGAPORE
キイスタンの民間航空当局は同国上空の飛行禁止措置を確認し、一方インドは北部8空港での民間航空取扱を中止した。両国はかねてから紛糾のカシミール地方で軍事衝突をしたばかりだ。

Border clashes shut Pakistan's airspace and north Indian airports

武力衝突をうけパキスタンとインド北部で民間航空が運用中止に


27 FEBRUARY, 2019
SOURCE: FLIGHT DASHBOARD
BY: AARON CHONG
SINGAPORE
キスタンの民間航空当局は同国上空の飛行禁止措置を確認し、一方インドは北部8空港での民間航空取扱を中止した。両国はかねて

27 FEBRUARY, 2019
SOURCE: FLIGHT DASHBOARD
BY: AARON CHONG
SINGAPORE
キスタンの民間航空当局は同国上空の飛行禁止措置を確認し、一方インドは北部8空港での民間航空取扱を中止した。両国はかねてから紛糾のカシミール地方で軍事衝突をしたばかりだ。
インド民間航空局はNOTAMでアムリスタAmritsar、ジャンムJammu、カングラKangra、クルマナリKullu Manali、クショク・バクラKushok Bakula、パタンコートPathankot、リムポチーRimpochee、シムラShimla、スリナジャールSrinajaの8空港は現地時間11:30をもって「運用上の理由により」すべての出発到着便の取扱を中止すると通達した。
IndiGo,Vistra,SpiceJetの各社は上記空港への便を停止したと確認している。IndiGoではチャンディガChandigarhとデラドゥンDehradunでの運航も中止している。
インド当局のNOATAMはインド空軍機がパキスタンが実効支配するカシミール地方に侵入しテロ集団の訓練キャンプを空爆した2月26日の事件を受けて発信された。
パキスタン政府はインド軍用機2機をパキスタン領空内で撃墜したと本日発表した。■