2017年12月13日水曜日

11月発生のシリア上空米露軍用機危機一髪の事態の続報

  • 11月に発生した米ロ軍用機のシリア上空での危険な事態の続報です。やはりF-22は複数で同地を飛行していたようです。しかし米露双方の言い分が食い違っています。果たして真相は?


Did U.S. F-22s Almost Shoot Down Russian Aircraft over Syria? 

シリアでF-22はロシア機を撃墜する寸前だったのか


December 12, 2017


米露軍用機がシリア上空で衝突寸前だったようだ。
  • 重要なのは機材が米F-22とロシアのSu-35だったことだ。
  • トップクラスの米露ジェット機同士のドッグファイトを期待する側には申し訳ないが、交戦は実際には発生していない。
  • 米国はシリア機を撃墜したことがあり、トルコもロシア機を撃墜しているが、米ロ双方は警戒しながら まだ衝突は発生していない。
  • ただしニューヨークタイムズによればロシア機が米機に危険なほど接近飛行する事案がシリア東部で数回発生しているという。
  • 「ある事例では米A-10攻撃機の二機編隊がユーフラテス川東部を飛行中にロシアSu-24フェンサーが300フィートまで接近し衝突寸前だった。両機が時速350マイル以上で飛行していたので文字通りぎりぎりだったといえる。「A-10編隊がロシア機と衝突回避したが、ロシア機はユーフラテス川西部を飛行する決まりになっていた。その他ロシア機がぎりぎりの接近飛行したり地上部隊上空を30分にわたり飛行するなど緊張を高めて墜落の危険を招く事態が発生していると米側は指摘している」(ニューヨークタイムズ)
  • ではF-22事案に話を戻すと該当Su-24は米支援を受ける地上部隊の上空を三回にわたり通過飛行していたとタイムズは述べている。「その時点でF-22編隊のパイロットがフェンサーに五回にわたり交信を試みたが、Su-24の行動が米機材に危険な行為と解釈されていればF-22編隊は正当防衛として実弾発射の権利を行使していたはずと米空軍関係者が述べている」
  • 米側はロシアを合意違反と非難した。両国はユーフラテス川のそれぞれ片側を飛行する取り決めだが、ロシア機はその線を越えて飛行してきたと米側が指摘する。
  • ロシアによる事情説明がこれと異なるのは驚くべきことではない。「米F-22一機がロシアSu-25攻撃機編隊のデーイシュ拠点攻撃を邪魔してきた。これはユーフラテス川西側の出来事で11月23日のことだった」とロシア国防省報道官が説明している。「F-22は熱フレアを発射し、さらにエアブレーキを作動させて機体制御しようとし、まるで空戦のようだった」
  • またロシア軍も以下発表している。「ロシア多用途高性能戦闘機Su-35Sの登場で米戦闘機は危険行為を中止しイラク空域に逃げ帰った」
  • いいかえれば、脅威と直接判定しないものの、米関係者は米支援を受ける集団がシリアでロシア機攻撃を受ければそのロシア機を打ち落とす権利があると言っており、ロシアはシリア領空内の米軍機がそもそもそこを飛行することが違反(シリア政府がロシア機の運用を認めるのとは別)だといていることになる。つまり米軍機を撃墜しても合法的だと主張したいのだろう。
  • また興味深いのは「多機能高性能の」Su-35がF-22一機を追い払ったと述べている点だ。つまりロシアは米軍機がロシア精鋭機を見て逃げ出したと言っている。
  • そのような表現は外交的にふさわしくなく国家声明文としていかがなものか。まるでチキンゲームの前哨戦のように聞こえ、通常はこのゲームでは共倒れになるのが普通だ。■

Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook.
Image: Wikimedia Commons / Aleksandr Markin

大丈夫か、ズムワルト級二番艦でもさっそくトラブル発生

新技術だけにいろいろ不具合が見つかっているようですが、

一つ一つ着実に解決すれば将来につながるというものでしょう。

だからこそ挑戦の価値があると思います。ズムワルト級があだ花に

ならないように祈りたいと思います。

Electrical Problems Shorten Second Zumwalt-class Destroyer’s

Builders Trials ズムワルト級二番艦で建造主公試が電気問題のため

短縮された

USS マイケル・マンソー (DDG-1001) の命名式で儀仗隊がUSSコンスティションから参加した。ジェネラルダイナミクスのバスアイアンワ―クスにて。2016年。US Navy Photo


 By: Sam LaGrone
December 11, 2017 1:55 PM


ズムワルト級駆逐艦の建造主公試が電気系統で問題が発生したため
予定より早くジェネラルダイナミクス・バスアイアンワ―クス造船所に
戻っていたと海軍海上システムズ本部NAVSEAが発表した。
  • NAVSEAによればマイケル・マンソー(DDG-1001)は12月4日に出港したが、艦内の調和フィルターが出港翌日に故障し同日帰港した。
  • 調和フィルターには複雑な電源系統での意図しない電力変動を防ぎ、精巧な装置類を守る機能がある。
  • フィルターが使えず同艦は電源全開でのテストが実施できなくなった。同艦ではAP通信は先週も機械故障で公試が短縮されたと伝えている。
  • NAVSEAは今回の海上公試変更で同艦の2018年3月引き渡しに変更はないと述べている。
  • ズムワルト級の中核は複雑な配電網でロールズロイスMT-30ガスタービン、MT-5補助ガスタービンそれぞれ2機が給電する。統合電源システムは75メガワット以上で大型電動モーターを駆動させ推進力とする。原子力艦以外でこれだけの発電容量は他にない。
  • USSズムワルト(DDG-1000)も電気系統試験が予想以上に時間がかかり、2016年の海軍引き渡しが遅れた。メイン州から母港サンディエゴ海軍基地への回航中に統合電源システムの予想外の問題のため数回にわたる遅延を発生させていたが、今年初めに問題は解決された。
  • 米海軍は三隻しか建造しない同級のミッションを当初の対地攻撃用から水上艦撃破用に変えようとしており、ステルスを生かした対艦攻撃に投入される予定だ。■



2017年12月12日火曜日

T-Xでボーイングの動きがなくなっている、ロッキード=KAI連合の受注になるのか

Aerospace Daily & Defense Report

Why Boeing Hasn’t Been Flying Its Two T-X Trainers

ボーイングのT-X練習機提案二機が最近飛行していないのはなぜ

Boeing
Dec 11, 2017James Drew | Aerospace Daily & Defense Report


ーイングが沈黙を破り、完成済みT-X提案機材二機が
ここ数か月飛行していない理由を述べている。
  1. 同社はAerospace Dailyに「単なる宣伝飛行には関心がない」としT-Xの飛行データはすでに提出済みと述べた。
  2. 2016年9月から2017年4月にかけボーイングは盛んに宣伝戦を展開しておりボーイングのT-X(BT-X)のセントルイス工場でのロールアウトからはじまっていた。一号機が2016年12月20日に初飛行し、二号機も今年4月24日に初飛行した。
  3. だがそれ以来同社は飛行運用の宣伝はしておらず、最終組立て場所がセントルイスになるとだけ発表していた。最終選定されればトライアンフ・エアロスペース・ストラクチャアズが主翼、垂直尾翼、水平尾翼部を、スウェーデンのSaabが生産ハブだが地元産業界が9割の生産をすることになる。
  4. だが機体は外部に持ち出されていない。空軍協会によるワシントン会合(9月)で実物大模型を展示しただけだ。
  5. 提案競争の告示から1年が経過する中でボーイングはどうするつもりなのか尋ねたくなるのは当然だろう。
  6. 現行の練習機は1960年代のノースロップT-38にかわる350機総額163億ドルの更新機材の争いはボーイング、ロッキード・マーティンレオナルドDRSの三社が競い合っている。ボーイングはSaabと組み、完全新型機BTXを提案。ロッキード、レオナルドDRSはともに既存機の改装版を提示しており、韓国航空宇宙工業のT-50を元にしたT-50AとレオナルドM346が原型のT-100だ。
  7. その中で唯一の完全新型機を押すボーイングは他社より実証項目が多い。だが初飛行から一年も経過するが、BTX二機の飛行回数、テスト累計時間は不明だ。ボーイングは最後の飛行について発表せず、確認もしていない。
  8. ボーイング機材はFAAに実験機N371TX、N382TXとして登録しているが飛行追跡データは入手できない。ボーイングから同機の画像、映像、報道発表がここにきて一切出ていない。
  9. だが同社によれば必要に応じ飛行させる体制とし、不必要な飛行はさせない、とボーイング・ミリタリーエアクラフトの広報係は12月8日に述べている。
  10. 空軍評価部門から評価事前通告が三社には届けられている。また最終選定時期が7か月遅れ7月になったとの通知も届いている。
  11. ボーイングはフライトテストデータが必要であれば飛行させるとしているが、飛行時間を集積する必要は他に見当たらないとしている。
  12. 5月の報道陣向けイベントでボーイング関係者の口から二機は「生産型と同一」とし、ボーイングが受注すれば技術面、生産面で詰めるとの発言が出た。
  13. 機体は契約交付されれば「数か月」で政府主導のシステム要求審査を経て飛行可能となる。
  14. フライトテストデータはボーイングが計器満載した一号機で集めており、政府に提出済みで性能要求との比較検証を待つというのが同社の姿勢だ。
  15. 飛行展示はなく、機体も政府に提出の必要はない。
  16. BTXはボーイングのパイロットが操縦した。テストが最高潮に達した時点で一日三回四回と飛んでいた。同社はメディアやVIP向け体験飛行展示も検討したが今は予定はないようだ。ただし説明はない。
  17. 他方でロッキードのT-50Aは文字通り飛び回っており、サウスカロライナ州グリーンビルから二機の飛行を2016年11月に開始し100回以上飛行をしている。
  18. 昨年は報道記者数名を体験搭乗させており最新がFox & Friends Firstのホストの一人、ロブ・シュミットだ。
  19. ロッキードがFox & Friends Firstを狙ったのはドナルド・トランプ大統領が同番組をいつも視聴しているからだ。T-50Aはアンドリュース共用基地の上空を展示飛行しトランプ大統領も当日基地を訪れていた。
  20. T-50Aの原型は1990年代のT-50で世界各地で150機超が飛んでいる。
  21. レオナルドのT-100はまだ米本土に姿を現していないが選定されればアラバマ州タスカギーで生産されそうだ。同社はイタリアで飛行可能な機体二機を使いアピールしていたが現在はM346に集中している。
  22. M346はポーランド、シンガポール、UAE、イスラエルで戦闘機パイロット養成に使われ、60機程度が供用中だ。
  23. ボーイングはSaabと共同でT-X競作に加わり、設計案を検討していた。両社はコンセプトから実機完成まで36か月しかかけていない。
  24. ボーイング・ディフェンススペース&セキュリティの社長兼CEOリーアン・カレットLeanne CaretはT-X先端パイロット訓練機をJ-Stars再整備、地上配備戦略抑止力(ICBM)、MQ-25スティングレイ、の他極秘「ダークワールド」案件と並ぶ5大事業の一つと位置付ける。ただしカレットによればT-Xは「必死になって勝ち取る」案件ではなく「受注獲得可能」案件だ。■


コメント これではボーイングはやる気がないと言われてもおかしくないですね。あるいはよほど自信があるのか。このままならロッキードの勝利となり、韓国は大喜びしそうですが、ぬか喜びになるのか。来年7月まではまだ長いレースです。ボーイングの受注に終わりそうな気もしますがいかがでしょうか。

E-6B米海軍TACAMO機の重要な役割

This Plane Could Start a Nuclear War With North Korea, Russia, China or Anyone この機体が核戦争を北朝鮮、中国、ロシア他と開始させる

December 11, 2017
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米海軍の穏やかな外観なE-6マーキュリーはボーイング707原型で攻撃力は皆無だが、その姿に騙されてはいけない。確かにマーキュリーに兵装はないが、ある意味でもっとも破壊力のある機体である。というのはその任務は陸上、海中配備の核弾道ミサイル発射指令を発することだからだ。
  • 米軍には戦略グローバル作戦センターがネブラスカにあり、核三本柱への交信装備がある。ただしE-6の不気味な任務は通信リンクを国家指導部(大統領から国防長官まで)と米核部隊の間に維持することにあり、敵の第一撃で地上施設が消滅した場合を想定している。いいかえれば、米核部隊の
  • 頭が切られても体は敵に向かっていくということで、これを実現しているのが終末の日に活躍するこうした機体だ。
  • E-6の基本任務はTACAMO(Take Charge and Move Out、仕事をしたらさっさと退出する)として知られる。E-6登場前は最初は陸上送信所が、その後EC-130GおよびQ型が超低周波無線通信(VLF)で海軍の潜水艦向けに任務にあたっていた。
  • E-6は16機あり、1989年から1992年にかけ就役した。長年活躍したボーイング707旅客機の最終生産分で、同じ原型707-320B型からE-3セントリーも生まれた。通信アンテナが31個もあり、当初は潜航中の海軍潜水艦との通信専用だっ
  • たが、その後CFM-56エンジンと燃料増槽をつけE-6Aは15時間あるいは空中給油を受ければ72時間滞空可能となった。
  • VLF通信のためE-6は高高度で連続周回飛行を維持する必要があり、胴体と後部に搭載したVLF装置はそれぞれ1マイル、5マイル長のアンテナをほぼ垂直に下がるよう維持する。VLF信号は数千マイル先のオハイオ級原子力弾道ミサ
  • イル潜水艦が受信する。ただしVLFでは帯域が限定されるため一秒で送れる信号は35英文字に限定され、1990年代のインターネット用モデムより遅い。
  • だがこれでも緊急行動信号の送信には十分で限定核戦争から全面核戦争まで対応できる。E-6の機内装置は下界の核爆発で発生する電磁パルスに耐えられるよう強化されている。
  • 1997年から2006年にかけてペンタゴンはE-6A全機を複合任務実施可能なE-6Bに改装し、マーキュリーは空中核攻撃指令所機能も付与された。E-4空中指揮所の予備としてである。E-6Bは超高周波無線を搭載し地上配備弾道ミサイルを遠隔発射できる。これはかつて空軍EC-135ルッキンググラスの任務だった。追加UHF機能でE-6Bは残存性高いMILSTAR衛星通信ネットワークも利用でき、コックピットのエイビオニクスや計器は737NG旅客機と同等になった。E-6Bは主翼に追加されたポッドで判別できる。
  • マーキュリーの通信装置は多様で核戦争以外にも指揮統制通信(C3)機能を提供できる。このためE-6はヨーロッパや中東にも派遣されており、C3ハブ
  • 機能を空から提供している。例としてVQ-4飛行隊がカタールに2006年から三年間展開し、IED爆発報告から救命回収要請までイラク国内の米軍部隊の通信を司令部まで中継していた。
  • E-6を現在運用中の海軍艦隊航空偵察飛行隊はVQ-3「アイアンメン」とVQ-4「シャドウズ」の二隊でともに海軍戦略通信航空団1所属だ。オクラホマのティンカー空軍基地が本拠だがトラヴィスAFB(カリフォーニア)およびパタクセントリヴァー海軍航空基地(メリーランド)に定期展開している。常時一機のE-6が滞空する。潜水艦交信用には最低速度で海上を10時間以上周回飛行する。一方で核任務にあたるとき際はネブラスカ州のオファット空軍基地周辺を飛ぶことが多い。核戦力と関連があるためE-6がしばしば陰謀説と関連づけられ、外国の宣伝戦にも登場する。
  • E-6各機は2040年まで供用が決まっている。機体寿命延長策や各種装備の改良がおこなわている。前線戦闘部隊の支援用の空中通信ハブ機能は実証済みのため、本来任務に一回も投入されることがなければ成功したといえる。核抑止力の本質は第一撃に成功しても破滅的な反撃を食い止めるのは不可能と敵側に悟らせることにある。E-6はまさしくこの機能を担う重要な要素になっている。■
Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.
This first appeared last year.

Image: Creative Commons.

★シリア上空でF-22を追い払ったとロシアが発表しているが....

U.S. F-22 Raptor Allegedly Interfered With Russian Su-25s Over Syria And “Chased Away” By Su-35S, Russian MoD Claims

シリア上空でロシアSu-25を妨害してきた米F-22ラプターをSu-35Sが追い払ったと
ロシア国防省が発表


Dec 09 2017 - 55 Comments




F-22一機とSu-25(2機)およびSu-35S(1機)がシリア上
空で遭遇する事件が数週間前に発生したのか。詳細は
不明だがCENTCOM(中央軍司令部)は「真実ではな
い」と述べている。
ロシア報道では遭遇場所はユーフラテス川西方で11
月23日のことだ。ロシア国防省報道官イゴール・コ
ナシェンコフ少将は「米国がロシア軍の任務をまた
妨害しようとした」と述べる。

ロシア報道ではF-22がイスラム国空爆中のSu-25編隊
を妨害してきたのでSu-35Sが緊急発進したとある。
スプートニクが以下伝えている。
「米F-22はロシアSu-25攻撃機二機の任務実施を妨害
してきた。F-22が熱フレアを放出しエアブレーキで
機体制御してきたのは戦闘同様だった」

ロシア国防省は「ロシアの多用途高性能戦闘機Su-
35Sが加わると米戦闘機は危険行為をやめ、イラク空
域に逃げていった」としている。

本当は何があったのか。以下の説明が必要だ。

  • そもそもF-22がなぜ単機で飛行していたのか(実はもう一機が近辺を飛んでいたのでは)
  • なぜステルス機のF-22がフレアを放出したうえ異常行動をとったのか (直接交信できないため米パイロットがロシア側に注意喚起したのか)
  • F-22は「力の示威」ミッションにあたっていたのか
  • シリア上空のRoE(交戦規則)はどう理解されていたのか
  • 近辺に別の連合軍機材は飛んでいなかったのか。何らかの関与はしていなかったのか。
  • フメイミム基地を緊急発進したSu-35がF-22を追い払うことが可能だったのか。フランカーがラプターの位置に加わり、空域からの退去を説得したのか。
追記
CENCOMより以下の電子メールが届き、言われるよ
うな事態はなかったとロシア発表を否定している。


「発表内容は真実ではない。2017年11月23日の飛行
記録によれば連合軍機材がユーフラテス川の先に飛ん
だ記録はない。言われている11月23日にロシア戦闘
機が逆にユーフラテス川を東に越えて連合軍の運用空
域に入る事態が9例あり、衝突回避の事前通話連絡は
なかったため連合軍とロシア軍の機材にリスクが生ま
れた。また連合軍の地上部隊の活動にも悪影響が出
た。
「連合軍がデーイシュを保護あるいはデーィシュ空爆
に消極的との主張は虚偽だ。発見しだい徹底的な空爆
を与えている。シリア空域でロシアとの衝突を積極的
に回避しているがデーイシュ敗北の目的に変わりはな
い。この点で各国と共通の目標だ。ロシア軍とは衝突
回避しながらデーイシュ空爆をシリア国内でも続けて
いく。

報道内容は2017年6月18日の事態を想起させるものが
あり、F/A-18Eスーパーホーネット(VFA-87 “Golden
Warriors所属、パイロット マイケル・トレメル少
佐)がシリアアラブ空軍所属Su-22フィッター一機を
レサファ(ラッカ南西40キロ地点)で撃墜してい
る。これはフィッターが連合軍の友軍の現地防衛隊を
爆撃したためである。その時点で合同任務部隊が発表
した声明文は「連合軍の任務はシリア政権との戦闘に
あらず、ロシアやその他勢力と戦うことでもないが、
連合軍の友軍をいかなる脅威から守ることについては
躊躇しない」
いずれにせよ確認が取れれば11月23日がシリア上空
でのF-22とF-35の初の「公式」接近遭遇であったこ
とになる。

Su-35は4++世代戦闘機として高度の操縦性を誇る。
ステルスではないが、イルビス-EのPESA(パッシブ電
子スキャンアレイ)や長距離IRST(赤外線探査追
跡)を装備する。(ロシアによる説明だが)ステルス
戦闘機も90キロ先から探知可能と言われる。■


2017年12月11日月曜日

★F-22改修の最新動向

 

Beware, North Korea: The Air Force is Preparing the F-22 for 'War'

北朝鮮よ心せよ、空軍がF-22を「実戦」投入に向けて準備中


December 8, 2017


米空軍はF-22用の新ソフトウェアと兵装をテスト中で戦闘力がさらに高まる。
空軍関係者によるとF-22の機能改修を2019年までに開始し、AIM-120D、
AIM-9X空対空ミサイル運用のほか、高性能地上標的捕捉能力が実現する。
F-22が運用するAIM-9Xは現在ブロック1で改修でブロック2が使用可能となる。

 テストは3.2Bソフトウェアを対象に兵装のアップグレードに迅速対応できるかを
見ている。ロッキード・マーティンが重要なソフトウェア改修の作業中で2020年
までに完成する。

「F-22用の3.2Bプログラムではハードウェアとソフトウェア両面でF-22の威力を
高めるのが目的でAIM-120D、AIM-9Xを活用します。テスト結果は初期作戦テスト
評価段階 (IOT&E) に入りました。運用機材でテストしアップグレードの効果を
評価するとともにパイロット、整備陣の双方で扱えるかをみます。IOT&E結果で
本格製造を決めます」と空軍報道官エミリー・グラボウスキ大尉が語っている。

 AIM-9Xの開発元レイセオンによればブロック2では信管を再設計しデジタル式
安全装置により地上・飛行中で安全性が増した。電子系統も一新し発射後ロックオン
能力をデータリンクで実現し、視程外交戦も可能となった。

 AIM-120D高性能中距離空対空ミサイル(AMRAAM)は視程外で全天候運用可能となり、「打ちっぱなし」ミサイルにはアクティブレーダー誘導がついたと同社発表にある。
以前のAMRAAMより射程が延び、GPS誘導と慣性測距装置が付いた二方向データリンクが特徴だという。AIM-120Dには大角度視程外技術を応用し従来より広範囲の角度で使える。

 ソフトウェアとあわせてセンサーも一新する。データリンクの改良でF-22、F-35間の接続が楽になる。

 F-35もドッグファイトを想定しているが、同機の高性能センサーは敵脅威を遠距離で探知し、早期に遠距離からの敵撃破を助ける。360度探知可能なセンサーは分散開口システムと電子光学目標捕捉システムでいずれも遠距離で敵撃破を可能にするのでドッグファイトの必要は減るはずだ。

 F-35同様にF-22最新型にも合成開口レーダー、リンク16、レーダー警報受信機、目標捕捉技術が搭載されている。F-22は世界最強の空対空戦闘機だが、F-35とF-22でセンサー情報の交換を行えば今までにない戦術上の優位性が生まれる。

 例として両機はステルス機として敵領空に侵入し防空装備を破壊できる。安全な突入経路ができれば後続機が攻撃に加わる。その間はF-35が近接航空支援やISRミッションを行う想定だ。さらに両機がともに標的を識別しあえるので強みを合わせることができる。

F-35は長距離センサーと「センサー融合」能力で飛行中の標的を識別し、F-22が攻撃に特化するのだろう。

当然のことながら空軍関係者は中国のJ-20やロシアのPAK-FA Su-57を意識しており、米空軍の技術優位性の維持に懸命だ。

 その関連で、F-22とF-35は「ミッションデータファイル」と呼ぶ機内搭載識別データを地域別に利用可能で、データベースはレーダー警報受信機に統合され敵識別に活用される。

 2021年に予定される追加アップグレードで第四世代、第五世代機材間でデジタル交信が可能となる。

ステルス効果の維持

 ロッキード・マーティンはF-22の低視認性ステルス表面塗装の整備も受託している。

「同機の塗装表面には定期的整備が必要で、これで第五世代機としての低視認性が確保できます」とロッキードは説明している。

F-22の投入が増えていることから塗装整備の頻度も高まっている。さらにロッキード・マーティンは表面解析、レーダー断面積整備、アンテナ統合化も含めた支援を提供している。
F-22 の攻撃、スーパークルーズ技術
現在は無人機のデータを地上局からF-22に中継している。ただし、コンピューター技術の進歩でF-22も無人機データを直接コックピットで見られるようになりそうだ。さらに機内から付近を飛ぶ無人機を指揮統制できるようになる。空軍科学技術主任グレッグ・ザカリアス Greg Zachariasが解説してる。

 その説明では第五世代戦闘機に無人機の指揮統制機能が追加される。これにより無人機に敵防空体制を試させたり、ISRミッションの範囲を広げる効果が生まれる。

 F-22には合成開口レーダー(SAR)がつき、地表の様子が把握でき標的の識別に役立つ。SAR技術は一回地上に電波を送り戻ってきた信号から地形、距離、特徴を分析する。

 また「スーパークルーズ」性能でアフターバーナーなしでマッハ1.5で飛行できる。

 搭載する20mm機関砲を空対空あるいは空対地用途に使い、その他に精密誘導爆弾として共用直接攻撃弾のGBU32、GBU39を運用する。

 製造はロッキード・マーティンとボーイングが行い、エンジンはプラット&ホイットニー
F119-PW-100ターボファン二基にアフターバーナーと二次元推力偏向ノズルをつけている。
全長62フィート、空虚重量43,430ポンド、最大離陸重量83,500ポンドだ。

 空軍は同機を2005年12月に実戦化し、機体価格は143百万ドルと空軍資料にある。

 2014年にシリアのISIS空爆で初めて実戦投入された。航空優勢ミッションから地上攻撃の支援に回ったわけだ。

 ISISに高性能防空装備も戦闘機もないためF-22は自由に飛行し、現在も重要な支援効果を提供していると軍は説明している。■

Image: Creative Commons/Flickr.

2017年12月10日日曜日

多難なKC-46が完成形になるのはいつのことなのか

Mattis warns he will not accept the USAF's flawed

new tankers

国防長官が完全な形でなければ新型給油機は受領するなとUSAFに厳命
(Concept image from Boeing)
Christopher Woody Business InsiderDec. 07,


ム・マティス国防長官はペンタゴン調達部門に11月、
ボーイングから不完全なKC-46を受領する「つもりはない」と
述べたとブルームバーグが伝えている。
マティス長官はペンタゴンの兵器調達事業にはあまり関与して
こなかったが16年目に入った空軍の給油機更新について言及できる
地位にある。
ボーイングが新型機開発の契約交付を受けたのが2011年で空軍は
179機のKC-46を調達の見込みだ。だが、445億ドルの同事業は
技術と費用の両面で苦境にある。
政府契約によりボーイングは空軍の負担範囲を超えた分は
自社責任とされる。これまで同社は税引前で29億ドルを超過して
いる。
KC-46の納入は数年分遅れている。
2014年夏にはボーイングは機内配線で5億ドル相当の問題に直面
した。先に完成したテスト機材4機でこれが見つかった。テスト機
には給油装備はついていないままで2014年6月に初飛行予定だったが
実現できず、昨年末にやっとこぎつけた。
2015年には燃料系統でさらに5億ドルの自社負担になった。
2016年にはボーイングは契約上の義務である18機のKC-46の2017年8月
納期は技術問題のため実効不可能と発表した。F-16戦闘機への給油は
可能なのだが、問題は空軍の大型輸送機C-17への給油が「予想より高い」
圧力が給油ブームにかかることが判明した。
ブーム問題は解決が試みられたが、別の問題が浮上した。今度は
「カテゴリー1」問題でブームが給油中に機体をこする事態が発生したのだ。
機体損傷は軽微だったが、乗員にリスク要因となり、F-22やF-35に給油
すればステルス性の源泉たる機体表面塗装を傷めるかもしれない。KC-46の
給油ブームもステルス塗装で汚染されれば飛行できなくなる。ペンタゴンの
調達担当次官エレン・ロードは11月時点でこの問題は調査中と述べていた。
「カテゴリー1」問題が別に二つあり、深刻度はまだ低いものの見つかっている
が空軍はともに解決に向かっているという。
ボーイングの国防安全法相部門CEOは12月2日に自社設定した年内の
KC-46引き渡し開始は実施できそうもないと認めた。契約では2018年に
完全な機体18機と給油ポッド9基納入する義務がある。
マティス長官がボーイングの協力姿勢に触れている。
「空軍は契約が定めた形にない給油機を受領すべきではないと伝えてある」と
12月3日クウェートに向かう機内での記者会見で述べ他とブルームバーグが伝えている。
「空軍に正しい形の給油機はどうしても必要。納税者も給油機が正しい形に
なることを期待している。ボーイングには給油機を完成してもらう必要がある。
完成すれば世界最高の給油機になる」■