2021年7月25日日曜日

30mm「軽量」ブッシュマスター砲を試射。中露相手の陸戦で米陸軍が搭載を進める強力な火力の実際の威力とは....


M230LF Lightweight 30mm Cannon Chain Gun

M230LF軽量30mmチェーンガン機関砲を試射した

Kris Osborn / Fox News

 

るで火の玉の連続が空に火をつけたようだった。大騒音と煙が伴い、砂漠射爆場の反対側に大きな爆発の炎があらわれた。

発射の反動はとても強く、数フィートも後ろに飛ばされるような感触だった。このすべてが同時発生した。これがM230LF軽量30mmチェーンガン機関砲で生まれて初めて射撃した際の感想だ。この砲は極めて威力の高い高速射撃が可能で、米陸軍の装甲ストライカー車両に搭載されつつある。

アパッチ攻撃ヘリコプターに搭載されているチェーンガンが改良されている。

M230 Chain Gun

米陸軍AH-64アパッチが搭載するM230チェーンガン

Wikipedia

 

同装備はライフル、ショットガン、小火器のいずれでもない。戦闘車両の搭載した機関砲で敵車両、敵部隊、歩兵集団を排除するのが目的だ。これまで体験した内で最大かつ最強の装備で、その破壊力には改めて驚かされた。単に「命中」し「貫通」するのではない。爆発させる。しかも精密に標的を捉え、同じ場所に連続して高速チェーンガン弾丸を送り込む。次から次へと。

「これは軽量装備です。タレットやリングアダプターがあればどんな車両にも搭載できます。標的はウェポンシステム背後の操作員が捕捉します。油圧式ブレーキがついており、ATVや二輪車のものと似ています。砲手がブレーキを解除すると標的を捉えます」とノーブルズの製品技術主任ビンス・ヴァーガが射爆場で説明し、作動原理を示してくれた。

M230LF を射撃する


安全スイッチを解除し兵器を稼働させる方法の説明を受けた後、記者は自分で砲の発射をしてみた。まず二発を撃った。場所はアリゾナのキングマン射爆場で、同砲の重量にまず驚かされた。

今回はノースロップグラマン主催のブッシュマスターユーザー会議の一環でアリゾナ砂漠で最新装備品、弾薬、戦術の展示評価を行った。

二つある水平グリップハンドルで照準を標的にあわせた。動かすには相当の力が必要だ。使ったのは地上設置型30mm砲だったからで、車両搭載の場合は遠隔兵器ステーションが人力を使わずに回転させてくれる。

30mm砲射撃には標的捕捉技術が必須だとわかった。ストライカー戦闘車両内で砲手が照準を合わせて発射する様子を観察した。射爆場で無人地上ロボット標的が移動していた。

「スイッチから指を話し、信号を遠隔兵器システムに送ります。安全スイッチを解除し砲を標的に向けます」とノースロップグラマンのウィリー・ギャバードがストライカー車内の砲手席で説明してくれた。

Stryker

ストライカーの車内

Kris Osborn

 

同砲のねらいは強力な火力を実現し、各種砲弾を運用し、戦闘車両に広く搭載される.50口径機関銃やMk19グレネードランチャーを超える威力を実現することにある。

「M230LFは軽装甲車両相手に大きな威力を発揮します。多機能近接信管で空中炸裂効果も実現します」とノーブルズの営業戦略開発担当副社長クレイ・ブリングハーストが現場で説明してくれた。「ノースロップは従来より長い弾倉を組み込み、地上用に改良しました」

チェーンガンは弾薬を「ベルト」式で外部から射撃し、従来の弾倉からの発射と異なる。

外観は金属スタンド上に水平な四角形を乗せたようで、双眼鏡に似た観察穴が二つ背部につき、先を見通せる。記者も目をつけてみると白丸の標的が茶色の岡の上にはっきりと見え、視野に十字が見え、「射撃」点を示していた。

白丸で示した標的に数発命中させた。標的はそんなに離れた場所ではなく、おそらく数百メートルだろう。短距離では射撃を外すのが難しいようだった。標的捕捉と射撃機能が自動化されているからだ。

「M230LFは.50口径銃より軽量ですが、火力はずっと強力で遠隔兵器ステーションに容易に搭載可能jです。さらに『人力発射』も可能です」とノースロップ広報課長ジャロッド・クルールが説明してくれた。

スツールに座り砲に接近した。耳栓とボディアーマー着用を求められた。インストラクターから胸を固定部に密着させ射撃の反動で投げ出されないようにとの注意を受けた。反動は大きく、特に連続射撃すると大きかった。30mm弾の連続射撃では火球が連続して飛び出すように見えた。目視で捉えられないほどの速度で火球が姿を消す。三四発続けて射撃するとわずかな間隔で飛ぶ様子がわかった。

30mm砲のブッシュマスターチェーンガンの登場は大国間衝突で陸軍が進める対応準備に呼応するものだ。戦場で実証済みの.50口径銃がただちに姿を消すわけではないが、より大型かつ長距離射程の機関砲で幅広い弾薬類を使うほうが敵装甲車両や歩兵部隊の撃破に望ましく、今後の重機械化部隊で比重を増やすはずだ。■

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Here's what it's like to fire a M230LF Lightweight 30mm Cannon Chain Gun

UPDATED:JUL 20, 2021ORIGINAL:JUL 20, 2021

Warrior Maven Fires a 30mm Cannon that Arms Stryker

Kris Osborn describes firing a M230LF Lightweight 30mm Cannon Chain Gun

KRIS OSBORN WARRIOR MAVEN


-- Kris Osborn is the Managing Editor of Warrior Maven and The Defense Editor of The National Interest --

Kris Osborn is the defense editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Master’s Degree in Comparative Literature from Columbia University.

 

2021年7月24日土曜日

米海軍の次期攻撃型潜水艦SSN(X)はハンターキラー性能を前面に出し、垂直発射管は搭載せず強力な艦となる。建造ではコロンビア級SSBNとの連携が重要となる。


Navy graphic

USSコロンビア原子力ミサイル潜水艦 (SSBN 826)の想像図


海軍の次世代攻撃型潜水艦は従来艦の特徴を引き継いで「頂点捕食者」をめざす。


海軍水中戦企画室長ビル・ヒューストン少将は「究極の頂点捕食者を海中で実現する」と海軍連盟のパネルディスカッションで述べた。


少将は新型艦のペイロードや速力はシーウルフ級並み、音響性能やセンサーはヴァージニア級と同等、稼働率や供用期間はコロンビア級艦並みと表現した。


「これが可能となるのはこれまでの各艦の実績があるためで、やり方も熟知しているからだ。各要素を一つの艦に盛り込む」


次世代攻撃型潜水艦はSSN(X)の呼称で、開発が緒についたばかりだ。


同艦の初期研究開発用予算として今年度は98百万ドルの要求となっている。2020年度長期建艦計画では34年度から毎年2隻で計42隻の調達を開始する。海軍は一隻あたり58億ドルと推定しているが議会予算局資料は62億ドル近くとしている。インフレーションを考慮してもヴァージニア級より相当の増加となる。ヴァージニア級は拡大ペイロードモジュール搭載艦で34.5億ドル、非搭載艦で28億ドルだ。



コロンビア級建造との関係


ヒューストンはコロンビア級潜水艦建造に産業界が取り組む環境の危うさに言及した。海軍は三号艦から12号艦に特に懸念しているとし、理由として同級の連続建造段階にあたり、建造が安定するものの、何らかの過誤が発生した場合には柔軟対応の余裕がないためとした。コロンビア級建造では意図的に時間間隔をあけて業界に学習効果を得る余裕を作っているとヒューストン少将は述べている。


海軍上層部からはコロンビア、ヴァージニア両級建造との関連に関する発言が出ている。建造部門に混乱が出れば、相互に影響が生まれる。さらにSSN(X)へも影響は必至だ。


海軍と企業側はコロンビア級の設計で最終段階の作業に入っており、同じチームで新型艦の実現に取り組むとヒューストンは述べている。さらに海軍はコロンビア級建造が落ち着く段階で即座にSSN(X)作業に入る予定だ。


「コロンビア級建造のピークが終わるとSSN(X)建造に本腰を入れる。その時点で設計およびRDT&Eが終わっているからだ」「頂点捕食者実現のためのRDT&Eには相当の時間が必要となるが、今後10年間は集中してSSN(X)の各種システム実現に取り組む」


ただし、SSN(X)の研究開発試験工程が予定通りに終了するのが条件で、遅延が生まれれば費用上昇は避けられなくなる。同様にコロンビア級でトラブルが生まれればSSN(X)にも影響は避けられない。


どんな性能の艦になるのか

現時点で米海軍の最新かつ最高水準の原子力推進攻撃型潜水艦はヴァージニア級だが、後継艦実現に向けた作業が続いており、敵のハイエンド潜水艦を打ち破るよう最適化される。

この結果生まれる新型艦は「高速で、相当の攻撃力を有し、ペイロードが増え、音響面でも優位性を確保する」ハンターキラーになるとヒューストン少将は述べた。

海軍が求める次期攻撃型潜水艦はシーウルフ級並みの性能となるようだ。もともとシーウルフ級は究極のハンターキラーとなるべく冷戦末期に企画されたが、建造費用の上昇により建造はわずか三隻で終了し、USSシーウルフに加え、USSコネチカット、USSジミー・カーターしかない。このため、各艦はおおむね特殊任務に投入されている。このうちジミー・カーターは特殊任務専用艦となっており、極秘作戦に使われている。

これに対しその後登場したヴァージニア級は公式には攻撃型潜水艦だが、事実は多用途艦だ。シーウルフより小型かつ低建造費の同級には垂直発射管セルがありトマホーク対地攻撃巡航ミサイルを発射するほか、沿海域での運用に最適化しており、情報収集のほか特殊作戦隊員の侵入、撤収が可能だ。

U.S. NAVY

ヴァージニア級が現時点で最新かつ最先端の原子力推進攻撃型潜水艦だが、後継艦は敵ハイエンド潜水艦を打破する性能を有する艦になる。


ハンターキラーに徹し、VLSは搭載しない

SSN(X)では従来型のハンターキラーへの回帰が明らかだ。速力、ステルス、魚雷発射管からの兵装運用で敵潜水艦、水上艦の撃破に中心をおいており、直発射管による対地攻撃は考慮されていない。

この基礎が2018年の議会予算局(CBO)報告で、SSN(X)は最大62本の魚雷を搭載するか、魚雷発射管から対艦ミサイル等を運用するとあり、UGM-84ハープーンのほか今後登場する対艦兵器を発射し、垂直発射管は不要としている。

U.S. NAVY

ロサンジェルス級USSコロンビアにマーク48高性能魚雷を搭載する。


中国やロシアが今までより強力な新型潜水艦を投入し米国の国益に重要な水域に進入する事態を想定すれば、こうしたハイエンド攻撃型潜水艦の整備は理にかなったものだ。

「本格的戦闘作戦に備える必要がある。敵の背後に回り、打撃を与える」とヒューストン少将はSSN(X)について言及している。「敵は自国水域内でも自由に活動できなくなる」

水中戦での質的優位性を維持する以外にSSN(X) は現行50隻の攻撃型潜水艦部隊を70隻に増やすことで決定的重要性の事業となる。Battle Force2045構想がこれを求めており、この実現のため海軍は新型艦建造に加え既存艦の供用期間を延長し、結果として改修や性能向上にも多大な予算を計上する必要に迫られる。

同時に海軍はSSN(X)で新技術も導入する検討に入っており、セイルは膨張式とし速力、操艦性、ステルス性で向上を目指す。

予算確保が課題だ

高度に洗練された設計となり、応分の価格がついて回るが、海軍にこれが実現できるだろうか。新型攻撃型潜水艦以外に海軍はコロンビア級に予算を確保する必要があり、ヴァージニア級建造も続ける一方で、供用中潜水艦の補修整備も行う。

同時に水中無人装備にも予算を計上する必要があり、ヒューストン少将は今後のSSNとともに運用する装備として期待している。少将によれば攻撃型潜水艦が小型・中型無人装備(UUVs)を統制し、大型UUVsは陸上施設から運用する。こうした装備の実現にも予算が必要だ。

シーウルフ級の過ちを繰り返さないことが肝要で、コロンビア級と共通性を持たせれば予算をうまく使えるかもしれない。

SSN(X)とコロンビア級は艦体形状を共通としつつ、SSN(X)は短縮化する可能性がある。ただし、SSN(X)は長期に及ぶ供用期間と保守管理工数を従来のSSNsより短縮化することで予算に見合った価値を実現するとヒューストン少将は述べた。

以上まとめると海軍が求める次世代攻撃型潜水艦はシーウルフ級並みのハイエンド性能を最新艦体に盛り込むものとなる。達成可能と思えるが、十分な隻数の実現に必要な予算の確保が課題だろう。■

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SSN(X) Will Be 'Ultimate Apex Predator'

By   JUSTIN KATZ

on July 21, 2021 at 5:52 PM


The Navy's Next Attack Submarine Will Be An “Apex Predator” According To Undersea Warfare Chief

BY THOMAS NEWDICK JULY 23, 2021



 


 

 

 

 


 

 


 

 


 

白昼堂々、ニューヨーク市内でジャーナリスト誘拐を企てたイラン工作員の動きをFBIが未然に防止したが....イランの狙いはなんだったのか。

 Masih Alinejad

Image: Creative Commons.

 

ランによる米国籍反政府ジャーナリスト、マシ・アリネジャドMasih Alinejadをニューヨーク市内で誘拐する試みを阻止したとFBIが発表し一週間以上になる。

 

誘拐はイラン情報工作員が計画し、ボンド映画も顔負けの非常識な内容だった。ブルックリンで拉致し、「軍用仕様の高速ボート」がマシをマンハッタンから一気にヴェネズエラへ移送し、その後イランへ連行する計画だった。

米法務省によれば犯行役4名は全員イラン国籍で人権運動で知られる同記者の拉致未遂容疑で起訴された。マシは「イラン世論を世界各地と合わせ動員し現政権の司法を変えさせようとしていた」とある。

 

マシは2009年に国外追放され、以後イラン現政権に容赦ない批判を繰り広げていた。なかでも“My Stealthy Freedom”を立ち上げソーシャルメディア上でも#WhiteWednesdaysを始めたマシはイラン国内の女性に街頭で毛髪を見せ、国が強要するヒジャブから自由になった姿を写真ビデオで共有しようと呼びかけていた。マシはインスタグラムでフォロワー500万人を確保したとし、ツイッターでも数十万名がフォロー中と述べていたので、イスラム共和国側が本人の信用度を貶めようと画策を数年続けていた。イラン政権は本人の妹を公衆の面前で糾弾し、兄弟は8年の刑で投獄されている。

 

イランは今回の未遂事件で二つの成果を期待していた。ひとつはマシを使い、ウィーンの核交渉第六ラウンドが低迷する中で米国への交渉材料にすることだった。米交渉団を困らせ、米国内であってもイランによる工作からだれも自由でいられないと示す。二番目にマシを沈黙させ、同様にイランを公然と批判する向きもイラン国内外で静かにさせることだ。

 

後者に関して反作用が発生している。誘拐未遂のニュースが出てからマシは毎日のように西側ニュースに姿を見せており、アントニー・ブリンケン国務長官と電話会談までしている。ブリンケン長官は「米国は常にジャーナリストを世界各地で支援していく。ジャーナリストを弾圧し黙らせようとする動きは看過しない」とツイッターに投稿した。

 

イランの狙いが米国の信用を貶めて困らせようというのなら、米国が逆にこれを利用することが重要となる。ブリンケンが電話会談し、ツイートしたことは歓迎すべきだが、国務省がイラン政権の糾弾に中途半端な動きを示した後では大きな効果を出しきれなかった。核交渉も大統領に当選したエブラヒム・ライシが8月に就任するまで一時停止中で、ブリンケン他米交渉団には交渉でのレッドラインを再設定する余裕が生まれている。抑留中の米国民全員の釈放が制裁措置解除の前に必要だ。これ以外にイランを宥めようとすれば、イランは再度人質確保に動くだろう。■

 

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Iran Planned to Kidnap a Journalist on American Soil. Joe Biden Must Respond.

 

ByEileen WalshPublished2 hours ago

 

 

Eileen Walsh is a research associate at the American Enterprise Institute.


2021年7月23日金曜日

ステルスは結構だが、ミサイル4本しか機内搭載できないF-35Aではあまりにも心もとない。これに対しF-15EXはミサイルトラックでなんと22本も運用可能というのだが....

 

F-35ではステルスモード中の兵装搭載量が限られることが運用側の最大の不満点だ。

2020年3月、当時の防衛相河野太郎は次期戦闘機はロッキード・マーティンF-35ステルス戦闘機を上回る空対空ミサイルを搭載する必要があると発言した。「ネットワーク機能を強化し、高度ステルス性能が必要となる。F-35以上のミサイル本数を搭載する」と河野は記者団に語っていた。

 

この要求は突然出てきたわけではない。ステルスモードではF-35の兵装搭載量が限定されることが運用側の最大の不満点だ。通常離陸型F-35AはAIM-120空対空ミサイルを機内にわずか4本を搭載するだけだ。

 

外部搭載すれば機体のレーダー探知性が犠牲になる。ステルス性を維持するため同機は兵装類を機内搭載する必要がある。だが、それでは兵装搭載量が限定され、ミサイル本数が重視される戦闘場面で不利になる。

旧式かつ非ステルスのロシアや中国の戦闘機は空対空ミサイルを12本以上搭載する。中でもロシアのSu-57ステルス戦闘機、中国のJ-20ステルス戦闘機は機内にミサイル6本搭載できる。米F-22は機内に8本搭載可能な設計だ。

 

米空軍がボーイングの性能向上型F-15EX導入を決めたのはミサイル搭載量の多さが決め手だった。F-15EXは144機調達する。空軍はF-35Aを200機超運用中で、毎年50機近く調達する。F-15EXとF-35Aはともに機体単価が100百万ドル近くになっている。

 

F-35がミサイル4本を搭載するのに対し、F-15EXは最大22本を運用可能だ。ミサイル22本となると重量、抗力が犠牲となり、通常の作戦では不利となる。そこまでの本数でなくてもF-15EXはF-35の二倍、三倍のミサイルを戦闘に楽々投入できる。

 

日本が新型戦闘機F-3でミサイル搭載本数を増やすのなら、F-22並みのミサイル機内搭載性能を実現するか、あるいはステルス性能は断念しF-15EX並みの搭載量とすべきだろう。

 

一方でロッキードはF-35機内にもっと多くのミサイルを搭載する方向を模索している。「社内研究開発をここ数年続けて設計構想が固まり、空対空ミサイル6本をF-35AおよびF-35Cの機内兵装庫に搭載できるめどがついた」と同社広報がBreaking Defenseに伝えている。「ミサイル2本の追加でF-35の威力、生存性を高めながら低視認性はそのまま維持できる」

 

だがこの構想ではF-35の機内兵装庫の改修が必要となる。運用中の各国が改修費用の追加負担に応じるかは不明だ。■

 

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Overloaded: Japanese F-35 Fighters Can Shoot More Missiles Than America’s

by David Axe 

July 23, 2021  Topic: Japan  Region: Asia  Blog Brand: The Reboot  Tags: F-35MilitaryF-3JapanTechnologyWorld

 

David Axe served as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring and Machete Squad.

This article first appeared in April 2020.

Image: Wikipedia.


 

中国が米民間機の台湾着陸にも軍用機が原型だからとケチをつける。領空領海接近への断固対応など言っていることがダブルスタンダードでおかしい。

 ご注意 以下の記事はCCPの機関紙環球時報英語版の論調をお伝えし、誇張や解釈を加えず原文をそのまま掲載しています。それにしても環球時報の記事は面白いですね。中文版もこんな感じなのでしょうかね。やたらと台湾島という表現が出るのも大陸の価値観なのでしょう。日本も島国ですので同じ扱いなのでしょうね。

   

桃園国際空港に着陸した米 L100-30 機。 July 19. SCMP

 

国が7月19日に軍用機原型の民生派生型機を台湾に送ったのは「サラミ切り」式挑発の一環であり、台湾分離勢力に誤解を与えかねないと中国国内識者が述べている。

 

件の機体はL-100-30機で米国台湾協会(AIT)がチャーターした。原型は米軍C-130輸送機だ。台北のニュースサイトudn.comは7月19日に同機が着陸し、貨物を下ろし一時間ほどして離陸したと報じた。

 

今回はAITが民生用途で運用したとしても、元が軍用機であり挑発となったことにかわりない。

 

L-100-30を台湾島へ着陸させたことで米国は「サラミ切り」戦術を実行し、軍用機を民間機に偽装させたと在北京軍事専門家は匿名条件で環球時報へコメントしている。

 

米軍は民間機に偽装し中国沿岸、島しょ部分、環礁部分で近接偵察作戦を実行しており、一部は防衛請負企業が運用し、また識別コードを民間機として投入していると専門家は指摘。米軍が次回台湾島へ着陸する際も同じ方法を使う可能性があるという。

 

今回のL-100-30の前に7月15日に米空軍のC-146A、6月6日にC-17が台湾島へ着陸している。

 

C-146A, USAF

 

 

米軍が台湾島へ軍用機を頻繁に送っているのをうけ、中国は防空識別圏を台湾付近へ拡大し、台湾付近を飛行する機材を監視し、場合により軍用機を飛ばし機材の正体を解明し、必要に応じ追尾し排除していると同上専門家は指摘している。こうした対応を日常茶飯事にしてはならぬし、適切な対応策を講じるべきだとする。

 

 

人民解放軍陸軍、海軍は合同で揚陸演習を福建省沖の東シナ海で先週金曜日に行ったが、地理的には台湾島と台湾海峡の反対側で、実施はC-146Aの台湾到着の翌日となった。

 

金曜日にはPLAは浙江省で軍事演習を行い、台湾海峡の北端に近い場所で台湾島内のメディアはC-146A着陸との関連を取り上げていた。

 

中国は台湾島への米空軍機による着陸に重大な懸念を示し、外国艦船あるいは航空機が中国の領空や領海に立ち入れば深刻な事態を招きかねないと中国国防省報道官Wu Qianは述べ、米国に対し危険な火遊びをやめるよう警告した。■

 

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US military aircraft landing on Taiwan a provocation, must 

not become routine: experts

 

By Liu Xuanzun

Published: Jul 19, 2021 08:35 PM


2021年7月21日水曜日

KC-46の本格稼働はまだ先で、働き馬の活躍を続けるKC-135。アジャイル戦闘展開にも対応する最大の拠点フェアチャイルド空軍基地をAir Force Magazineが取材した。

 


fairchild kc-135

フェアチャイルド空軍基地(ワシントン州)、マクディル空軍基地(フロリダ州)のKC-135ストラトタンカー各機がフライトラインで離陸準備に入った。レッドフラッグ18-2の支援で、ネリス空軍基地(ネヴァダ州)にて。March 12, 2018. U.S. Air Force photo/Senior Airman Janelle Patiño

 

軍の空中給油活動のバロメーターが米国北西部ワシントン州のフェアチャイルド基地のフライトラインだ。

同基地は空軍唯一の「スーパー」給油航空団の本拠地であり、KC-135飛行隊四個が常駐する。そのうち97空中給油飛行隊は2019年編成され、2020年10月に初期作戦能力を獲得するや、即座に動員された。

第92給油航空団(ARW)は一個飛行隊を常時展開している。給油機は合計63機あり、空軍の給油需要に一義的に対応する部隊だ。

「どこよりも頼りにされることが多い部隊でなんといっても運用機材数が多い」と92ARW司令カシアス・T・ベントレイ大佐が語っている。「同時に隊員の粒がそろっているからでもある」

新型KC-46ペガサスの導入で空軍の給油機に大きな変化が始まる。KC-46が本格稼働するのは2024年以降だが、それまでに新型機に向け人員含め受け入れ態勢の整備が必要だ。機体構成で大きな変化となる。

マッコネル空軍基地(カンザス)が航空機動軍団のKC-46で主配備基地となり、その分人員とともにKC-135追加配備を受入れる基地が必要となった。そこでフェアチャイルドに目を向けたわけだ。

部隊追加でフェアチャイルドは給油機が最多の基地となった。フェアチャイルドが一国だとすれば、機数で中国、ロシアより多く世界第二位の規模の給油機部隊になる。

「要求は上がるばかりで、ミッション数増加に対応し機材人員を増強している」「フェアチャイルドは空軍の緊急対応部署になっている」(ベントレイ大佐)

フェアチャイルドの2020年飛行回数は前年を上回り、ソマリア撤退作戦では急な要請だったが対応した。クリスマス当日の朝にもミッションに対応した。「常時出動態勢にあり、まっさきに姿を現す部隊です」(ベントレイ大佐)

97ARSが2020年末に稼働開始し、フェアチャイルド基地の93ARSと交代した。同飛行隊はCOVID-19大量流行で動員され、KC-135部隊として最長期間にわたり運用された。同隊は再編成され、7月中旬にトルコのインチリック空軍基地に到着している。

各飛行隊は4カ月間隔で移動してきたが、6カ月間隔に変更される。これは航空機動隊の新モデルとして一個飛行隊を丸々投入する構想で、従来は各部隊から選抜した機材人員を小規模で送り込んでいた。

戦闘運用に向け常時一個飛行隊を展開するのに加え、フェアチャイルド基地の給油機は核非常時にも備え待機しており、本土防衛ミッションで戦闘機展開を支援し、爆撃機部隊に給油し、USAF他の部隊がレッドフラッグ等の演習に参加する際にも空中給油を提供する。

展開対象とならない搭乗員もアジャイル戦闘展開や全ドメイン指揮統制といったUSAFの進める対策に参画しているとベントレイ大佐は説明。

フェアチャイルド基地はエンジン稼働させたままのホットピット給油の充実をめざしている。今年3月から毎週木曜日に技能を磨いており、93ARSの搭乗員全員がホットピット給油を経験している。飛行団全体では隊員7割が訓練ずみだ。

フェアチャイルドのKC-135各機には別の貢献も期待されており、そのひとつが指揮統制機能だ。コックピットに42 Real-Time Information装置が搭載されつつあり、Link 16データリンクにより状況認識効果が向上する。改修は8月より開始となる。

同飛行団では空軍が目指すアジャイル戦闘展開に備えた訓練も展開している。本国以外に海外の過酷地も活用している。最近ではフェアチャイルド基地所属KC-135部隊が西太平洋ウェーキ島に展開した。インド太平洋での互角の戦力を有する敵勢力との戦闘で重要拠点になる場所だ。フェアチャイルド基地の各機は毎月一二回はこうしたミッションをこなしつつ、貨物搬送も行っている。

「135機は単純に離陸し給油後に帰投するだけと思われているのを変えたい。そこでアジャイル戦闘展開だ。給油以外にもっと多くの任務を実行する機材になっていく」(ベントレイ大佐)■

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Fairchild KC-135 'Super' Wing Deploys Nonstop

July 16, 2021 | By Brian W. Everstine


2021年7月20日火曜日

JSいずもの第一期改修が完了。かがの工期も判明。ただし、いずもを離着艦するのは米海兵隊F-35Bになる模様。海上自衛隊は運用ノウハウを慎重に習得する姿勢だ。

 Japan's Izumo Helicopter Destroyer Modified To Operate F-35B Fighters

いずも飛行甲板に新しいマーキングがついた。今後のF-35B運用に対応したものだ。 Picture by Japanese ship spotter @Alsace_class

 

上自衛隊のDDHいずもでのF-35B運用改修が第一段階を完了した。いずもは1年3カ月にわたる改修を終え2021年6月25日に横須賀母港に戻ってきた。

 

改修はF-35B運用能力の付与が目的で、5年ごとの大規模保守点検と並行してジャパンマリンユナイテッド横浜で2020年3月から行われていた。改修は二段階で、第一段階としてF-35B発艦用に飛行甲板全長にわたり黄色線がひかれ、同時に耐熱塗装が施されたと思われる。

 

防衛省は2020年度防衛予算で31億円をいずも改装に確保した。第二段階は2024年度末に予定され、次回の点検時に合わせ実施され、艦首部が現在の台形形状から四角形に変更され、F-35B運用に合わせる他、艦内区画も変更する。

 

姉妹艦かがも改修を受ける。中国新聞は2021年度末に予定と伝え、工期は14カ月としている。いずも改修は二期に分かれるが、かがは一回で完了させる。防衛省は2021年度予算で203億円をかが改修に計上している。ただし、Jane’s Defence Weekly東京特派員の高橋浩祐はかがの艦内区画改装は2026年度予定の大規模保守整備と併せて実施され、いずものF-35B運用改修が先に完了すると伝えている。

 

他方で航空自衛隊はF-35Bの42機調達のうち、2023年度までに18機を導入する。さらに2021年7月16日岸信夫防衛相から新田原航空基地(宮崎県)をF-35B配備先に選定したとの発表が出た。毎日新聞は2024年度に6機、2025年に2機がそれぞれ配備され、最終的に20機程度の飛行隊一個を編成すると伝えた。同基地は南西諸島にも近く、海上自衛隊の呉基地からも近い。かがは呉が母港なので周辺部の島しょ防衛含むかが運用に理想的な立地条件だといえる。

 

航空自衛隊のF-35B部隊の完全運用まで数年かかり、その間のいずもでの運用は想定していない。このため、改修後のいずもは米海兵隊のF-35B運用から開始し、海上自衛隊がF-35B運用のノウハウを体得してから航空自衛隊のF-35Bが同艦で離着艦を始めることになろう。■


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Japan's Izumo Helicopter Destroyer Modified To Operate F-35B Fighters

Yoshihiro Inaba  20 Jul 2021