F-35ではステルスモード中の兵装搭載量が限られることが運用側の最大の不満点だ。
2020年3月、当時の防衛相河野太郎は次期戦闘機はロッキード・マーティンF-35ステルス戦闘機を上回る空対空ミサイルを搭載する必要があると発言した。「ネットワーク機能を強化し、高度ステルス性能が必要となる。F-35以上のミサイル本数を搭載する」と河野は記者団に語っていた。
この要求は突然出てきたわけではない。ステルスモードではF-35の兵装搭載量が限定されることが運用側の最大の不満点だ。通常離陸型F-35AはAIM-120空対空ミサイルを機内にわずか4本を搭載するだけだ。
外部搭載すれば機体のレーダー探知性が犠牲になる。ステルス性を維持するため同機は兵装類を機内搭載する必要がある。だが、それでは兵装搭載量が限定され、ミサイル本数が重視される戦闘場面で不利になる。
旧式かつ非ステルスのロシアや中国の戦闘機は空対空ミサイルを12本以上搭載する。中でもロシアのSu-57ステルス戦闘機、中国のJ-20ステルス戦闘機は機内にミサイル6本搭載できる。米F-22は機内に8本搭載可能な設計だ。
米空軍がボーイングの性能向上型F-15EX導入を決めたのはミサイル搭載量の多さが決め手だった。F-15EXは144機調達する。空軍はF-35Aを200機超運用中で、毎年50機近く調達する。F-15EXとF-35Aはともに機体単価が100百万ドル近くになっている。
F-35がミサイル4本を搭載するのに対し、F-15EXは最大22本を運用可能だ。ミサイル22本となると重量、抗力が犠牲となり、通常の作戦では不利となる。そこまでの本数でなくてもF-15EXはF-35の二倍、三倍のミサイルを戦闘に楽々投入できる。
日本が新型戦闘機F-3でミサイル搭載本数を増やすのなら、F-22並みのミサイル機内搭載性能を実現するか、あるいはステルス性能は断念しF-15EX並みの搭載量とすべきだろう。
一方でロッキードはF-35機内にもっと多くのミサイルを搭載する方向を模索している。「社内研究開発をここ数年続けて設計構想が固まり、空対空ミサイル6本をF-35AおよびF-35Cの機内兵装庫に搭載できるめどがついた」と同社広報がBreaking Defenseに伝えている。「ミサイル2本の追加でF-35の威力、生存性を高めながら低視認性はそのまま維持できる」
だがこの構想ではF-35の機内兵装庫の改修が必要となる。運用中の各国が改修費用の追加負担に応じるかは不明だ。■
この記事は以下を再構成し人力翻訳でお送りしています。市況価格より2-3割安い翻訳をご入用の方はaviationbusiness2021@gmailまでご連絡ください。
Overloaded: Japanese F-35 Fighters Can Shoot More Missiles Than America’s
by David Axe
July 23, 2021 Topic: Japan Region: Asia Blog Brand: The Reboot Tags: F-35MilitaryF-3JapanTechnologyWorld
David Axe served as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels War Fix, War Is Boring and Machete Squad.
This article first appeared in April 2020.
Image: Wikipedia.
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。