米空軍発表のB-21の新しい想像図ではコックピット周りの構造が注目を集めています。機体形状からステルス性能を割り出されるのを恐れるため、想像図が必ずしも実機を忠実に表している保証はないのですが、これは改めて別記事で取り上げたいと思います。
米空軍がこの度発表したB-21レイダー想像図はエドワーズ空軍基地を背景に描かれている。
空軍がB-21の新しい画像をデータシートと合わせ公開した。以前公開されたのと同じく今回もアーティストによる想像図だ。
想像図はカリフォーニア州のエドワーズ空軍基地を借景としている。420飛行試験航空隊が同基地にあり、B-21レイダーの飛行・地上試験すべてを担当する。
B-21事業は技術製造開発段階にあり、サプライチェーン全般で低率初期生産開始に備える。重要設計審査は2018年に完了し、機体設計は成熟かつ安定した状態にある。
長距離非核・核ミッションを想定したB-21は核三本柱の一角として柔軟かつ目に見える形の構成要素となり、将来のハイエンドかつ高脅威環境での運用をめざす。
「核戦力近代化が国防総省の最優先事項であり、空軍にも同様だ。その中でB-21がカギを握る事業となっている」と空軍迅速戦力整備室長ランドール・ウォールデンが語る。「オープンシステムアーキテクチャを盛り込んだB-21は脅威環境の進展に対応する爆撃機になる。同機の設計思想により米国の航空戦力を今後も維持できる」
以下空軍が発表したファクトシート
ミッション
B-21レイダーは核・非核対応の侵攻型ステルス爆撃機でB-52とともに今後の米空軍爆撃機部隊の主力となる。将来のハイエンド脅威環境での運用を念頭に設計されたB-21は米国の航空戦力維持で大きな役割を演じる。
特徴
B-21レイダーは各種システムファミリーの一角として長距離爆撃を担当する。その他情報集監視偵察機能、電子戦、通信機能等を実施する。核兵器運用を想定し有人操縦・無人運用が可能だ。さらに、攻撃ではスタンドオフ兵器、直撃弾を運用可能。
機体誕生の背景
空軍省の迅速戦力整備室がB-21開発を主導し、調達担当国防次官捕と空軍長官が直接指揮している。
米空軍はB-21の技術製造開発契約をノースロップ・グラマンに2015年10月27日に交付し、同社はプラット&ホイットニー、ジャニキインダストリーズ、コリンズエアロスペース、GKNエアロスペース、BAEシステムズ、スピリットエアロスペースの各社と提携した。
2018年にウェポンシステムとしての重要設計審査に合格したことで設計の成熟度とリスクの全般評価が下された。
2019年に空軍は戦略基地配備検討を終え、エルスワース空軍基地(サウスダコタ)、ホワイトマン空軍基地(ミズーリ)、ダイエス空軍基地(テキサス)がB-21の配備先候補となった。
環境影響検討を経て、空軍は2021年にエルスワース空軍基地(サウスダコタ)をB-21の主運用基地とし、訓練部隊も同基地に常駐する。
エドワーズ空軍基地(カリフォーニア)の空軍テストセンターがB-21合同テスト部隊の設置場所となり、空軍機体維持センターがあるティンカー空軍基地(オクラホマ)が補給活動の中心となる。
B-21レーダーの名称はドゥーリトルレイダーズにちなみ命名され、1942年4月18日に日本へ奇襲攻撃をかけた空軍兵士をたたえるものだ。この攻撃を契機に日本軍は本土防衛に部隊を呼び集める結果となり、米国並びに世界の同盟各国の士気を高めた。B-21の制式名は21世紀初の爆撃機との意味である。
主要性能諸元
主要任務 核運用可能な侵攻型ステルス爆撃機
運用部隊 グローバル打撃軍団
配備機数 最低100機
機体単価* 平均550百万ドル(2010年ドル価格)- 639百万ドル(2019年ドル価格)
*ロバート・ゲイツ元国防長官が平均調達価格を機体価格の管理の
主要指標と指定した。
運用兵器 核・非核
運用開始 2020年代中ごろ
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Air Force releases new B-21 Raider artist rendering
Secretary of the Air Force Public Affairs / Published July 06, 2021
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