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歴史に残らなかった機体23 リバプリックF-103は米大陸に向かうソ連爆撃機を迎撃する、ラムジェット併用の超音速機になるはずだった....

 

歴史に残らなかった機体23 リパブリックF-103はもはやミサイルといってよいソ連爆撃機迎撃用の直線番長になっていたはず....

空軍がF-103を実際に配備していたら、超音速の無駄装備に終わっていたのは間違いない。

1954迎撃機の名称は同年の実戦配備を想定していたためで、空軍は提案9通を得てうち三案を初期開発に採択したのだが...

 

ICBMが出現する前の1950年代にはワシントンやモスクワへの核攻撃手段は高高度を飛行する爆撃機だった。

 

当時の米戦闘機はF-86セイバーを含め、対応には速力不足が顕著だった。そこで、1949年に米空軍は高高度超音速迎撃機の要求を公示し、高高度を飛ぶソ連の原爆爆撃機を爆弾投下前に排除する構想とした。

 

1954迎撃機と命名されたプロジェクトは同年の実戦化を想定し、空軍には提案が9社から届き、うち三案を選定し初期開発に回した。コンヴェアからはその後F-102デルタダガーとなる構想、ロッキードはその後F-104スターファイターとなった構想、リパブリックエアクラフトはAP-57を提出し、これがXF-103となった。このうちXF-103が最も先端的な内容だった。リパブリックは時速2,600マイルつまり音速の三倍速を高度80千フィートで実現するとした。1950年代初期には亜音速F-86やMiG-15が時速数百マイルで朝鮮上空での空戦を繰り広げていたが、XF-103はロケットといったほうが適当な存在だった。

 

設計図面は巡航ミサイルのようだった。高速を稼ぐべくリパブリックは複合推進手段を考案した。ライトXJ-67ターボジェットで離陸し、通常の飛行時に使う想定だった。

 

ソ連のバジャー、ベア、バイソンの各爆撃機に向かうXF-103で加速が必要となればラムジェットを稼働させる構想だった。ラムジェットは基本的に機体前方から空気を取り入れ燃料を混合し、混合物を後部に排出する。比較的単純な構造だが効果を得るにはマッハ1以上の速力となっていることが必要で空気の圧縮率が高くないとラムジェットに効果が生まれないためだ。XF-103のターボジェットで十分な速力を確保してからラムジェットを始動するはずだった。

 

XF-103は長距離レーダー、GAR-3ファルコン赤外線またはレーダー誘導空対空ミサイル6本、さらに無誘導マイティマウス2.75インチ空対空ロケット弾36発を搭載する予定だった。マイティマウスロケット弾はよい選択だった。というの空軍初の実用空対空誘導ミサイルたるファルコンはベトナム戦で実用に耐えない性能が判明し、54本発射して命中はわずか5本だった。XF-103は機関銃を搭載せず、同様に機関銃非搭載の他機がベトナムで後悔することになったが、1950年代当時の火器管制レーダーではマッハ3飛行時の機銃発射に対応できなかった。

 

XF-103の機外脱出装備は独特だった。コックピット与圧を失えば、シート下からシールドが出てパイロットを与圧ポッドに持ち上げる。パイロットは潜望鏡を使い機体を制御する。機外脱出が必要となった場合にはポッドをレールで機体下へ移動させ、放出する。

 

ただし、XF-103はモックアップから先に進めなかった。「XF-103は当時の技術水準より相当先をめざすあまり、1954迎撃機としてはリスクが高すぎた」と航空ライターのジョー・バウアーが述べている。競合のコンベアF-102があらゆる点で実用的とわかると空軍はXF-103への関心を失った。さらに遅延とコスト超過が加わりXF-103は試作機一機のみに縮小された。ライトXJ67エンジンは遅延したあげく完成しなかった。代替策でJ65ターボジェットを選定しようとしたが非現実的と判明した。空軍は1957年8月21日にタオルを投げXF-103プロジェクトは完全終了した。

 

F-103が米空軍へ実際に配備されていたら、超音速のゴミとなっていたはずだ。ソ連の大陸間爆撃機多数が米本土を空襲する事態は杞憂に終わり、1960年代に入るとソ連はICBM整備を重点的に行っていることがあきらかになった。迎撃対象の爆撃機が多数ないことが明らかになり、F-103の出番はなくなっていたはずで、ましてベトナム上空のドッグファイトでは全く無用の装備になっていただろう。

 

XF-103の設計には目を引くものがあったが、設計板上から先に進めなかった。■

 

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XF-103: The American Super-Plane That Never Was

by Michael Peck

July 20, 2021  Topic: Security  Blog Brand: The Reboot  Tags: United StatesFightersDefenseTechnologyAir PowerHistoryMilitary

Had the U.S. Air Force actually fielded an F-103, it would probably have been a supersonic waste.

 

This article first appeared several years ago.

Image: Flickr.


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