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イランによる米国籍反政府ジャーナリスト、マシ・アリネジャドMasih Alinejadをニューヨーク市内で誘拐する試みを阻止したとFBIが発表し一週間以上になる。
誘拐はイラン情報工作員が計画し、ボンド映画も顔負けの非常識な内容だった。ブルックリンで拉致し、「軍用仕様の高速ボート」がマシをマンハッタンから一気にヴェネズエラへ移送し、その後イランへ連行する計画だった。
米法務省によれば犯行役4名は全員イラン国籍で人権運動で知られる同記者の拉致未遂容疑で起訴された。マシは「イラン世論を世界各地と合わせ動員し現政権の司法を変えさせようとしていた」とある。
マシは2009年に国外追放され、以後イラン現政権に容赦ない批判を繰り広げていた。なかでも“My Stealthy Freedom”を立ち上げソーシャルメディア上でも#WhiteWednesdaysを始めたマシはイラン国内の女性に街頭で毛髪を見せ、国が強要するヒジャブから自由になった姿を写真ビデオで共有しようと呼びかけていた。マシはインスタグラムでフォロワー500万人を確保したとし、ツイッターでも数十万名がフォロー中と述べていたので、イスラム共和国側が本人の信用度を貶めようと画策を数年続けていた。イラン政権は本人の妹を公衆の面前で糾弾し、兄弟は8年の刑で投獄されている。
イランは今回の未遂事件で二つの成果を期待していた。ひとつはマシを使い、ウィーンの核交渉第六ラウンドが低迷する中で米国への交渉材料にすることだった。米交渉団を困らせ、米国内であってもイランによる工作からだれも自由でいられないと示す。二番目にマシを沈黙させ、同様にイランを公然と批判する向きもイラン国内外で静かにさせることだ。
後者に関して反作用が発生している。誘拐未遂のニュースが出てからマシは毎日のように西側ニュースに姿を見せており、アントニー・ブリンケン国務長官と電話会談までしている。ブリンケン長官は「米国は常にジャーナリストを世界各地で支援していく。ジャーナリストを弾圧し黙らせようとする動きは看過しない」とツイッターに投稿した。
イランの狙いが米国の信用を貶めて困らせようというのなら、米国が逆にこれを利用することが重要となる。ブリンケンが電話会談し、ツイートしたことは歓迎すべきだが、国務省がイラン政権の糾弾に中途半端な動きを示した後では大きな効果を出しきれなかった。核交渉も大統領に当選したエブラヒム・ライシが8月に就任するまで一時停止中で、ブリンケン他米交渉団には交渉でのレッドラインを再設定する余裕が生まれている。抑留中の米国民全員の釈放が制裁措置解除の前に必要だ。これ以外にイランを宥めようとすれば、イランは再度人質確保に動くだろう。■
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Iran Planned to Kidnap a Journalist on American Soil. Joe Biden Must Respond.
ByEileen WalshPublished2 hours ago
Eileen Walsh is a research associate at the American Enterprise Institute.
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