Michigan Air National Guard KC-135T
Credit: Photo by Munnaf Joarder
米空軍がつなぎ給油機Bridge Tanker調達で初の情報開示請求(RFI)を7月19日に公告した。
つなぎ給油機事業とはこれまでKC-Yと呼ばれてきたもので、140機から160機調達し、供用中のボーイングKC-135、マクダネルダグラスKC-10合計479機に交代させる。「つなぎ」とはKC-Xとして2011年に選定されたボーイングKC-46AとKC-Zとなる2030年代中ごろを想定した高性能給油機調達の中間ということだ。
つなぎ給油機事業では情報開示段階だが、KC-X調達で展開した政治的に微妙な状態が繰り返される状況がすでに生まれており、ボーイングはKC-46A改修型を、ロッキード・マーティン/エアバスチームはA330多任務給油輸送型を提示する動きだ。
今回のRFIではKC-X時と同様の契約となり、同時に「後続要求内容」が今後追加されるとあり、その内容は今後詰める。
空軍としてはKC-X事業でボーイングが179号機となるKC-46A納入を2029年度に完了するのを邪魔しない契約交付の時期でつなぎ給油機導入を決めたいとする。
ボーイングは供用中機材メーカーとして明暗とりまぜた履歴を有する。完全運用機材となるKC-46Aは2024年にならないと現れない。固定価格契約により空軍はボーイングが50億ドルに上るとする開発製造段階中に発生した費用超過分の負担を免れている。その反面、ボーイングは自社費用負担による遠隔画像システム2.0アップグレードによりKC-46Aは最高水準の技術を応用しており、自律型給油能力が次の目標だとする。
これに対しA330MRTTはそこまでに遅延を発生させず、費用超過もボーイングよりはるかに低いまま、軒並み各国から受注しており、日本及びイスラエルのみが例外だ。ただし、ロッキード/エアバスは民生耐空証明要求に合致する形でA330MRTTの軍用給油能力の認証を受ける必要があり、この作業が高価かつ複雑な工程になることはC-130Jはじめ数機種で実証ずみだ。
今回のRFIでは技術成熟度が空軍の関心事だ。「どんな『新型』技術が採用されているか。新技術/システムへの対応度は、新技術等の完全稼働に必要となる技術開発の度合いは」との問いが見られる。
RFIでは給油機を今後は通信中継機材にも投入しようという空軍の意図が見られる。「提案機材で指揮統制(C2)ならびに空中戦闘管理システム(ABMS)の実施がどこまで見込まれるか」とあり、別の質問事項ではさらに詳しく「提案機材は第五世代戦闘機のリアルタイムデータ送信中継を別の第五世代、第四世代戦闘機爆撃機にどこまで対応できるか」とも訪ねている。■
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USAF Begins Data-Gathering Phase For Bridge Tanker
Steve Trimble July 20, 2021
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