2023年1月2日月曜日

F-35は何がすごいのか、第四世代機とどこがちがうのか、パイロット3名に聞いてみた

 

 

F-35は25mm機関砲、第5世代ステルス、そして比類なき「センサー融合」を備えている。Warrior MavenのKris OsbornがF-35戦闘機パイロットにインタビューした。

 

 

F-35は25mm砲を搭載し、第5世代ステルス機として飛行し、まったく新しい世代の空対空・空対地兵器で攻撃するが、その最大の特徴は、よく言われる「センサー融合」あるのではないだろうか。

 

F-35の兵装

最近行ったF-35パイロット3名へのインタビューでも一貫して強調されていた。ロッキード・マーチンのF-35テストパイロット、クリス・"ワーム"・スピネリは、最大の特徴は 「データ統合」だと語っている。

 

F-35のデータ統合とは

「以前乗っていた第4世代のF-16と、F-35での数時間の飛行との最大の違いは、データ統合とデータ管理能力だ。F-35は非常に優れた状況認識能力を備え、これまで操縦したどのプラットフォームよりも優れています」とスピネリは言う。

 このような技術的プロセスの利点は確かに自明だが、「センサー融合」は見過ごされがちな戦術的ダイナミクスをもたらしてくれる。F-35は、パイロットを「真の戦術家」に変える。現在、ロッキード・マーティンで戦闘機飛行作戦主任(F-35テストパイロット)を務めるトニー・"ブリック"・ウィルソンは、F-35パイロットインタビューで、こう語ってくれた。

 「センサー融合で、パイロットの作業負荷が軽減され、パイロットに状況判断のバブルが生まれ、単なるパイロットではなく、センサー管理者でもなく、真の戦術員になるのです。パイロットに余裕があることで、生存率が高まり、殺傷能力も向上します」とウィルソンは言う。

  戦闘機は、高度、航行軌道、速度、時間的制約のあるデータおよび武器情報の収集と処理の必要性など、明確かつ管理可能な多くの変動要因に合わせて運用される。

 F-35は、次世代EW兵器群、アップグレードされた空対空攻撃ミサイル、長距離照準センサー、ミッションデータファイル、敵ターゲット「識別」用の脅威ライブラリで武装しています。センサーフュージョンはこれらすべてを「断捨離」すると、ロッキードマーチンでF-35生産・訓練パイロットを務めるモネッサ「サイレン」バルジザーはインタビューで話している。

 「ディスプレイの素晴らしいところは、見えるものと見えないものをコントロールできることで、必要なものをすべて表示できるので、味方や空対空、空対地の統計、航法ポイントなど、高度な情報を見ることができるのです。そのため、パイロットがどれだけすべてのデータを処理できるかが問題になります。なんといってもデータは大量で、常に動的だからです。機内のあらゆるセンサーから、常にリアルタイム情報が提供されます」とバルジザーは言う。

 

Monessa “Siren” Balzhiser

Monessa “Siren” Balzhiser

Lockheed Martin

 

F-35の 先進電子走査型アレイ 

F-35 Advanced Electronically Scanned Arrayは、敵を破壊するため、脅威となる物体を認識し、長距離赤外線ターゲットセンサーで描写し、搭載された脅威ライブラリデータベースがターゲットを明確に特定し、精密誘導兵器が攻撃を行う。

このプロセスの最後には、パイロットが迅速かつ果断に行動するための単純な「決定」が待つ。

 「意思決定者のパイロットにとって、ゲームを変える最大の違いは、F-35が機体のあらゆるセンサーを融合・統合していることです。F-35は、航空機の各種センサーを融合・統合し、全体像を描き出すのです。これは、第4世代のプラットフォームではできなかったことです」とスピネリは言う。

 融合プロセスは、高度なコンピューティングの副産物として意図された。空軍の元チーフ・サイエンティストは、数年前の在職中に、F-35のセンサー融合は実はAIの初期段階であると教えてくれた。高度なコンピュータアルゴリズムは、一連の自動化機能を実行し、多くの手続き的な分析作業は、人間の介入なく実行できる。

 これでパイロットの「認知的負担」を軽減し、人間の認知が必要なより重要な作業にパイロットを解放するだけでなく、受信データの別々のプールを相互比較し、結論を導き出すことができる。

 

F-35と AI

膨大なセンサーデータを収集受信し、膨大、あるいは無限に近い量の情報を数秒で解析し、問題解決し、衝撃を与え、各種変数を整理し、それらをどのように適合し、統合し、あるいは単に影響を及ぼすのかという観点から、AI対応システムを機能させることができる。

 例えば、速度や高度は、航法や照準に影響を与える。脅威データは、接近速度を決定し、特定の脅威に最適な武器を決定する。AIを搭載したコンピューティングは、これらの機能の多くを自律的に実行し、変数を既存の情報や過去の事例と比較して、意思決定者に推奨事項を提示する。

 

F-35とF/A-18、F-16、F-15EXとの比較

F-35の長期的なメンテナンスの課題、運用・維持コスト、ロジスティクスの複雑さなどに関する議論、論争、批判が渦巻く中、F-35とF/A-18、F-16、あるいは大規模改良されたF-15EXといった第4世代戦闘機とどの程度違うのかと、多くの人が考えるのではないだろうか?

 F-35の差と優位性は、長期的なコストに関する懸念を正当化できるのだろうか。

 もちろん、F-35の製造が進むにつれてコストは低下し、多くの第4世代戦闘機を必要とする任務をF-35がこなすようになれば、批判的な意見と異なる財務状況が出てくる。

ロッキードと国防総省は、コストについて取り組んでおり、大きな成功を収めていると言われている。第4世代戦闘機を大量に必要とする任務で投入する戦闘機の数が少なくて済むというコスト削減と合わせて、ロッキードと空軍が生産の合理化と高度化に取り組み、1機単価を大幅に引き下げることによって、予算が節約されている。

 しかし、純粋に性能だけで検証すればどうなるか。F-35はどのくらい優れているのか?

 これは、事情を知るべき立場の人に尋ねればよい。そこで、第4世代機とF-35の両方で操縦経験があるF-35パイロット3人に話を聞いた。各パイロットは、戦争シナリオでF-35運用がいかに異なるかを、ユニークかつ経験豊富な視点で語ってくれた。

 各パイロットのコメントは、センシング、データ融合、操縦性、ミッションインテリジェンスデータなど、重要なテーマで一致している。

 

視界外でのF-35 

F-35の女性パイロット、モネッサ・"サイレン"・バルジザー(ロッキード・マーチンのF-35生産・訓練パイロット)は、インタビューで次のように語ってくれた。「目視の範囲外での攻撃・破壊能力は、F-35ならではの大きな利点です。

 「F-35には素晴らしいレーダーがあり、敵に発見される前に目視範囲外から撃てる。これは第5世代戦闘機の大きな利点です」と彼女は言う。バルジザーは、これを「ファーストショット、ファーストキル」という言葉で表現した。

 視線距離を超え攻撃できることに加え、F-35は接近戦もこなす可能性があり、センサーは更新された位置情報を提供する。

 

F-35の戦術空域での優位性

F-35のテストパイロット、クリス・ワーム・スピネリは、空軍で24年間、F-22やF-16戦闘機に乗り、ロッキードに入社した。F-35の技術は、空対空戦闘で生死を分ける敵との位置関係を、パイロットにまったく新しい形で理解させてくれると、言う。

 「第4世代戦闘機の空対空戦闘では、敵機の追撃を生き残るために発射し、機動するす。私自身、ラプターF-22でF-16で戦った経験から言えるのは、見ることにとてもイライラするということです。正直なところ、(敵機を)見ることさえできないし、何が起こっているのかもわからない」とスピネリは語った。

 スピネリは、F-35は、航空戦で周囲の状況を知る必要のあるパイロットにとって、まったく異なる「戦術的空気」のイメージや「メンタル・モデル」を生み出すと語った。

 「第4世代機では、精神的にモデルを構築し、判断を下さなければならないのです。もちろん、空と地上の脅威やその他の脅威に関する脅威環境がどれほど密集しているかで、それは困難なものになります。これは、F-35と対照的です。F-35では、海外情報源からも情報を得て、自分の搭乗機でより大きな画像を見られます」とスピネリは言う。

 空での勝利では、元戦闘機パイロットのジョン・ボイド大佐提唱の「OODAループ」が、今も使われている。「観察、方向づけ、決断、行動」で、敵より速く決断の「ループ」サイクルを完了できるパイロットは.空中で敵を撃破できる。OODAループを高速化し、合理化し、指数関数的に改善することが、F-35の優位性を決定づける最重要の要素であることは間違いない。

 スピネリのF-35操縦の経験は、もちろん機体のセンサーデータ処理速度やデータフュージョンを活用したもので、ボイドのOODAループと完全にコンセプトが一致している。

 F-35は、「自分が持つ知識や情報だけで良いのですから、そこが大きな違いです。F-35は、状況に応じて正しい、あるいは適切な戦術的判断を下し、敵の攻撃に対し自分の攻撃が成功する確率が最も高いタイミングで実行できる意思決定を可能にします」とスピネリは語っている。

 

F-35のセンサー融合

スピネリの言う「戦術航空」のイメージは、F-35の搭載する各種センサーの情報「融合」で実現される。

 「センサー融合とは、一見バラバラで、無関係に見える情報を、パイロットのために分析し、1つのスクリーンにまとめることだ。基本的にパイロットは、統合画像を得るために異なるセンサーシステムを見て、分析し、比較する必要はなく、機内のコンピュータがそれを行う。

 「F-35のレーダー、電子戦(EW)システム、MADL(Multifunction Advanced Data Link)がすべて統合していることがF-35と従来のF-16やF-18との最大の違いです」とスピネリは述べている。

 興味深いことに、データ融合がコックピット内のノイズを低減し、パイロットが目前の緊急の課題に集中できるようにしてくれる。

 トニー・"ブリック"・ウィルソンは、元米海軍のF/A-18パイロットで、空母運用型のF-35Cにも長い間乗っており、第4世代と第5世代の航空機を比較できる。

 

F-35のコックピット通信とセンサー融合

「コックピット内が静かなのが大きな違いです。脅威の内容にもよりますが、飛行中に発生するエラーの多くは、通信の聞き間違いや、重要な情報の聞き逃しによるものです」。

 騒音や注意散漫の減少の一因は、各システムが集合的に、あるいは統合的に収集、整理、合理化されているためとウィルソンは説明する。

 「F-35では、センサ・スイートを常時携帯しています。しかし、センサー融合が多くの通信を必要としない形でパイロットに情報を提供するため、非常に静かです」とウィルソンは述べている。

 単純化しすぎるのは良くないが、敵ターゲットを見つけ、破壊する能力は、空戦での生死を左右する。この単純な方程式を考えると、パイロット3名は、F-35の最大の利点は、「センサー融合」 にあると同意している。

 「第4世代戦闘機との最大の違いは、電子戦から武器、レーダー、照準ポッド、各種センサーまで、さまざまなシステムを常に管理していることです。第4世代では、コックピットの中で全部を確認するのに100%集中していました...一方、私がF-35では、それがすべて自分のために行われているのです」と彼女は語ってくれた。■

 

What it is Like to Fly an F-35: Interviews with Three F-35 Pilots - Warrior Maven: Center for Military Modernization

KRIS OSBORN, WARRIOR MAVEN - CENTER FOR MILITARY MODERNIZATION

DEC 24, 2022

 

 

Kris Osborn is the President of Warrior Maven and The Defense Editor of The National Interest --

Kris Osborn is the defense editor for the National Interest and President of Warrior Maven -the Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.


2023年1月1日日曜日

空母キラーDF-26弾道ミサイルに米海軍は防御手段を着々と整備している。これも一つのオフセットだ。

 


DF-26

Xinhua

 

 

DF-26は太平洋全域でアメリカ海軍艦艇を攻撃可能だ

 

 

 

中国の「空母キラー」ミサイルは、米海軍空母を中国沿岸に近づけない主要な兵器として、ここ何年話題になっている。

 

DF-26ミサイルとは

DF-26ミサイルは、中国が数回試射し、米空母を破壊する能力を示すことで、不吉な警告を発してきた、中国で最も強力な対艦ミサイルだ。全長46フィート、重量44,000ポンド。

 

ワシントンDCの戦略国際問題研究所は、「DF-26は『モジュール設計』で、ロケットに核弾頭と通常弾頭を搭載できる」と述べている。DF-26の射程は最大2500マイル、積載重量は4000ポンドで、衛星を利用すれば、理論上は西太平洋全域の米海軍艦艇を攻撃することが可能だ。「中国の内陸部から発射されても、DF-26は南シナ海をカバーする十分な射程距離を持っている」と、ある無名の軍事専門家は数年前グローバルタイムズに語っている。

 しかし、海軍高官コメントをよく読むと、この問題に議論の余地があるようだ。この種の脅威の深刻さを疑問視する人は皆無で、中国兵器を真剣に受け止めているのは明らかだが、空母打撃群の防御も着実に進歩していることを考えれば、脅威の表現の一部は「誇大表現」と評価されるかもしれない。

 「空母キラー」について問われた海軍高官は、脅威を否定するのではなく、米海軍の空母は「攻撃に必要であればどこででも活動できる」と明快に述べている。

 当然ながら、艦船防御の具体的内容は、安全保障上の理由で明らかにされていないが、海軍は、「層状」艦船防御技術が急速に成熟していると公に語っている。これには、攻撃用または防御用の艦載レーザーが含まれ、飛来するミサイルを追跡して「焼却」または「無効化」できる。新しい EW アプリケーションは、「ベアリングライン」を検出したり、ミサイルの誘導システムの電子署名を追跡しその軌道を「妨害」できる。

 海軍のHELIOS(High-Energy Laser with Optical-dazzler and Surveillance)は現在、アーレイ・バーク級フライトIIA駆逐艦に搭載されており、さらに陸上と海上でテストと評価中だ。

 また、現在、陸上および海上で試験と評価が行われている。これは、駆逐艦が、敵無人機を光速で正確に焼却、圧倒、燃やしたり、無力化する能力が運用されることを意味する。

 レーザーは静か、低コスト、拡張性があり、正確であるだけでなく、より重要なのは、光速で発射されることだ。新技術が海戦の領域に入り、戦術方程式が大きく変化するにつれ、海洋戦でスピードがますます重要度を増している。

 HELIOSのようなレーザーは、光学要素も充実し、センサーとしてターゲットを追跡し、監視任務の手助けも可能だ。また、レーザーは、艦載砲を補い、精密誘導技術で狭い目標エリアをピンポイントで狙えるため、場合によっては水上艦艇が敵陣に接近することも可能になる。

 ノースロップ・グラマンが主契約者の水上電子線改良事業Surface Electronic Warfare Improvement Program (SEWIP) Block 3では、インバウンド脅威を突き止め、妨害し、混乱させることにとどまらず、敵の通信ネットワーク、データリンク、レーダーシステム、その他の電子ソースに電子攻撃を加え、高度な攻撃的電子攻撃能力と将来は電子戦を情報作戦(IO)と統合する能力を追加することでEW用の技術機能を進化させた。SEWIPブロック3は現在、海軍のDDG-51級駆逐艦に搭載する設計で、今後数年で運用を開始する予定と、ノースロップ開発者は説明している。また、海軍の新型フリゲート艦も高度なEWシステムを搭載する設計だと、海軍関係者はWarriorに語っている。

 SEWIPブロック3の EWシステムは、アクティブ電子走査アレイ(AESA)の集合体16個を使用し、ターゲットとなる個別の「ペンシル」ビームを放射する。ノースロップ・グラマンで陸上・海上センサー担当副社長のマイク・ミーニーMike Meaneyは、SEWIP Block3開発の初期段階において、Warriorのインタビューに、「AESAの利点の1つは、重なり合った広いビーム送信ではなく、ペンシルビームを生成できること」と答えている。「ペンシルビームは狭く、焦点が合うため、軌道が速く進むにつれて、必要な場所だけにエナジーを投入できます」。将来のコンセプトは、IOとEWを合成し、情報収集技術をEW攻撃および防衛システムと接続することにある。そのためには、ソフトウェアの継続的なアップグレードと脅威の監視が必要だ。

 EW兵器は、狭い範囲の信号を発信することで、探知性を大幅に低下させる。当然ながら、電子放射が大きく広がれば、敵に発見されやすくなる。事実上、SEWIPシステムは、司令官が「見せたいものを敵に見せる」に限定することを可能にするとミーニーは説明する。

 こうした要素に加え、アップグレードされた「キネティック」ディフェンスや迎撃手段の包囲網で、襲い来る攻撃を排除する。海軍艦艇の迎撃ミサイルは、艦載レーダーや射撃管制装置と連動し、敵の対艦ミサイルや弾道ミサイル、さらに一部航空機を撃破する。艦船搭載型迎撃ミサイルは、駆逐艦や巡洋艦の垂直発射システムから発射され、「階層化」能力を有する。SM-3は最も射程の長い迎撃ミサイルで、長距離弾道ミサイルや最終段階に近づくICBMも追尾でき、特に射程を伸ばし誘導システムを改善した最新型SM-3 IIAで能力はさらに向上する。

 DF-26は、米海軍の迎撃ミサイルSM-6に弱い可能性がある。SM-6は、理論上、発射直後、中国のミサイルが上昇し加速中と、目標に向かって弧を描いて降下する終末期の2段階でDF-26を攻撃可能だ。SM-6のソフトウェアがアップグレードされ、「デュアルモード」シーカーが改良されたことを考慮すると、特に可能性が高くなる。これにより、ミサイルは飛行中にコース調整し、機動可能になり、中国の対艦ミサイルを追跡し破壊する能力を発揮する。

 また、SM-6は「NIFC-CA(Naval Integrated Fire Control - Counter Air)」海軍のネットワークシステムで、「レーダーの地平線の彼方」からやってくる巡航ミサイルの脅威の迎撃もできる。このシステムは、E-2DホークアイやF-35など空中ゲートウェイを「ノード」として使用し、艦載レーダーでは探知不能な距離から接近する脅威を探知し、脅威データをネットワーク送信、または受信し、司令部は遠隔地点からSM-6を発射して脅威を破壊する。このシステムの効果は証明済みで、海軍はNIFC-CAを攻撃用としても開発中である。同システムは、従来到達できなかった距離から移動目標を正確に発見し破壊する能力がある。

また、海軍艦艇は、ESSM(Evolved Sea Sparrow Missile Block II)という迎撃兵器を搭載し、地表と平行して低空を飛行する巡航ミサイルを迎撃する「シースキミング」モードが可能である。SM-2、シーラム、ローリング・エアフレーム・ミサイル(RAM)は、接近した脅威を攻撃できるが、これらの中には大型対艦ミサイルの破壊能力がないものもある。しかし、敵の小型ボート、ドローン、ヘリコプター、軍艦、銃弾、ロケット弾、砲弾などを標的にできる可能性が高い。艦船防御に最も近いのは、近接武器システム(CIWS)と呼ばれるもので、ファランクス砲は、1秒間に数百の小型金属弾を発射し、エリアを抑圧、防御射撃で「ブランケット」することが可能だ。CIWSは1B型にアップグレードされており、飛来する航空脅威の破壊に加え、小型ボートや水上攻撃など水上脅威の排除も可能だ。■

 

Could the US Navy Destroy Attacking Chinese "Carrier-Killer" DF-26 Anti-Ship Missiles? - Warrior Maven: Center for Military Modernization

 

(Photo by Matt Cardy/Getty Images)

Video Above: Maj. Gen. Pringle Manned-Unmanned Teaming

By Kris Osborn - President & Editor-In-Chief, Warrior Maven

 

Kris Osborn is the President of Warrior Maven - the Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.

 

Kris Osborn, President, Center for Military Modernization

Kris Osborn, Warrior Maven - Center for Military Modernization

BY KRIS OSBORN, WARRIOR MAVEN - CENTER FOR MILITARY MODERNIZATION


2022年12月31日土曜日

米海軍の原子力潜水艦部隊は水中戦など軽視してきた分野で実力をふたたび涵養できるか

 

 

米海軍は、原子力潜水艦の運用と安全性で卓越した能力を手に入れたが、水中戦と航海術を犠牲にしてきた

 

米海軍の原子力潜水艦は、深刻な紛争になればディーゼル電気潜水艦と対戦する可能性があり、両形式の戦闘能力を比較することが不可欠だと思われる。潜水艦の技術的な優位性(ハード面)を比較することは有効だが、乗組員の相対的な能力(ソフト面)は無視できない。 

 米海軍潜水艦の士官は全員、原子力推進システムエンジニアとして訓練される。海軍原子力推進学校で6カ月、その後、稼働中の原子力炉で6カ月と米国で最も厳しい学習プログラムとして広く知られている。

 原子力訓練が終了すると、士官は12週間の潜水艦士官基礎課程に入り、潜水艦の運用、航海、水中戦の訓練を受ける。 

 潜水艦に残るためには、原子力推進主任技師の資格を取得し、原子力推進技師と戦闘員の両方の能力を維持する必要がある。この結果、士官は原子力推進システムの訓練(操作と負傷者対応)に時間の半分(あるいはそれ以上)を費やし、乗組員体は艦上演習の半分(おそらくそれ以上)を推進システム損傷対応訓練に費やすことになる。米海軍は原子力システムの安全性を非常に重視している。

 しかし、このような原子力運用と安全に関する訓練が航海や戦闘の訓練時間を奪ってしまう。海底環境での作業は、科学と同じくらい芸術的だ。海洋の塩分、水温、海底の輪郭、音の伝搬、ソナー操作、武器設定、戦闘情報システムなどを理解するには、非常に高いスキルが必要で、それ自体がフルタイムの仕事となる。このような環境での活動に不備があれば、平時の作戦でも深刻な結果を招き、戦時だとはるかに悪い結果を招く。

 原子力工学と潜水艦戦の戦術と航法の両方の能力を維持するには、どうすればよいのか。実際の戦時シナリオ米海軍は原子力の運用と安全性において卓越した能力を手に入れたが、水中戦と航海術の能力を犠牲にしていると申し上げたい。

 これは、すべての米軍潜水艦将校にとってフラストレーションのたまるジレンマであり、潜水艦部隊の保持問題に大きく関与している。米国が潜水艦艦隊を拡大しようとするなら、訓練済み人材の離脱を減らす必要がある。

 プロフェッショナルたるもの、1)自分のスキルに見合った十分な報酬を得たい、2)自分の仕事をうまくやり遂げたい、と思うものだ。海軍は、年次ボーナスで前者の問題に絶えず取り組んでいるが、後者は無視している。自分は優れた原子力技術者かつ優れた戦争遂行者だ

と語る潜水艦将校は稀だ。選択肢があれば、どちらかに特化したいと思うのが大部分だろう。また、(ほとんどの工学分野で必要とされる)微分方程式を解く能力がないため、機会を与えられていない優秀な潜水艦戦技官候補生もたくさんいる。

 工学と水中戦のスキルは、明らかに異なる。

 原子力推進に邪魔されないディーゼル潜水艦の乗組員は、航法や海中戦の戦術で、2倍の訓練を受けられる。合同演習で、原子力潜水艦は、ディーゼル電気潜水艦に対しあまり良い結果を残していない。

 これは重要な問題であり、容易に対処できるはずだ。米潜水艦部隊は、このような形で運用されている数少ない海軍の戦力組織である。英国とフランスの原子力潜水艦部隊は、原子力空母含む他のほとんどの米軍戦闘艦と同様に、工学と戦争の専門分野を別々としている。技術者は艦の推進システムなどを担当し、戦闘担当者は戦闘専門だ。

 米潜水艦の下士官乗組員は、技術系と戦争系に分かれている(主にダメージ管理のため、広範囲なクロストレーニングが行われている)。しかし、それに関連する問題がある。工学専門分野の優れた二等下士官(E-5、下士官)は、下士官の最上級当直である工学当直監理官(EWS)の資格を得られる。これは通常、4~6年勤務した後、つまりキャリアの初期段階だ。勤続8年目になると、限定勤務職員(LDO)プログラムに応募できるが、選ばれた場合は、潜水艦を去らねばならない。原子力LDO要員は潜水艦に配属されることはない。したがって、高度訓練を受け、やる気のある人が潜水艦に残りたい場合、技術分野での更なるチャンスはない。このことが、核兵器採用要員の定着問題の一因となっている。

 米潜水艦部隊の戦力はもっと良くなるはずだ。乗組員の仕事満足度ももっと高くできる。

 上記の問題はいずれも、極めて貴重な人材の損失と、米潜水艦部隊の戦争遂行能力の大幅低下の原因となっています。そして、潜水士官工学と戦争専門を分離し、潜水士官資格を持つLDOに、機関長までの潜水士官工学士官を認めれば、どちらも解消できるのである。

 こうした提言の実施は比較的容易だろう。原子力LDO は、すでに原子力空母の部門長を務めている。幹部候補生と司令官候補生に、原子力推進システムの運用と安全性を訓練するプログラムが既に実施されている。潜水艦の艦長候補(原子力訓練を受けていない戦闘士官)も、原子力潜水艦に配属前に同じプログラムに参加できる。これは、オーストラリアで開発されているAUKUS潜水艦計画の一部と推測される。工学と戦争の専門分野を別々に移行することで、米潜水艦部隊は英豪軍(および米艦隊の他の部隊)と整合性を保てる。

 最も重要なことは、これら提言により、技術部門と戦務部門の両方において、優れた訓練を受けた人材を確保できることだ。米潜水艦の乗組員は、実際の紛争でディーゼル電気潜水艦との遭遇を生き延びるため、より優れた戦士でなければならないのである。■

 

Navy Submariners Can Become Better Warfighters | The National Interest


by Joseph Payne

November 11, 2022  Topic: Submarines  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: U.S. 

 

Joseph Payne, P.E. is a retired U.S. Navy captain and Naval War College graduate. While serving aboard submarines, he served as Main Propulsion Assistant, Chemistry & Radiological Controls Assistant, Electrical Assistant, and Assistant Strategic Weapons Officer. He qualified as Naval Nuclear Propulsion Engineer and Trident Strategic Weapons Officer. After leaving active duty, he served as an Engineering Duty Officer (EDO) in the Naval Reserves and spent 25 years designing marine electrical systems.


2023年の展望① 次の大規模紛争の発生地点はどこか

 

(U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Justin McTaggart)

 

2022年、世界は大国間戦争へ冷戦終結後でもっとも近づいた。

 

ロシアはウクライナへ本格侵攻を開始し、即座に制裁とキーウへの軍事支援の組み合わせを生んだ。春までに、米国と同盟国は、ロシア兵士の死、ロシアの軍事設備の破壊、ロシア経済の長期的な悪化を招く政策を進めていた。この戦争は世界にも波及し、これまで静かにくすぶっていた紛争の利害関係を劇的に増大させた。

 以下、「第三次世界大戦」が発生する危険性が最も高い5地点だ。 

 

ウクライナ

ウクライナ戦争が膠着状態に陥ったことで、ロシアが低迷する戦況を立て直すため核兵器を使用する懸念は夏よりは減少したように思われる。しかし、エスカレートの懸念は依然残っている。ロシアが進展しないことで、プーチン政権の安定が脅かされ、モスクワが危険な選択を考えるようになる可能性がある。長期的な継戦能力への懸念のため、キーウに膠着状態を打破するため危険な手段を取らせるかもしれない。

 

NATOへの戦争拡大はありえないが可能性はある。ロシアの核兵器使用は考えられないが、まったく不可能というわけでもない。

 バイデン政権とヨーロッパ同盟国はエスカレーションのリスクに細心の注意を払っているものの、ワシントンがすべてのカードを握っているわけではない。キーウとモスクワのいずれかが、より広範な紛争、すなわち第三次世界大戦に発展しかねない紛争のリスクを受け入れるかもしれない。

 

台湾

台湾と中国の間で戦争が直ちに起こる懸念は、中国の壊滅的な伝染病の影響で、ここ数ヶ月わずかながら薄れてきている。しかし、両岸の緊張が依然大きいことに疑いの余地はない。バイデン政権が台湾防衛で危険な修辞的立場を取るのを厭わないのは、ワシントンが中国の攻撃の見通しに対し真の懸念を抱いていることを示している。同時に、こうした発言(およびナンシー・ペロシ下院議長の台北訪問のような賢明でない演出)は、中国のエスカレーションを誘発する危険性がある。

 中国の紛争準備は誰の目にも明らかであるため、戦争の警告を受けると信じるに足る理由がある。しかし、最終的に米国や日本も巻き込んだ大国間戦争になる可能性が高い。

 

ギリシャ-トルコ

ロシアのウクライナ侵攻を受けたNATOの活性化に関する議論に紛れて、NATOの南側で危機的状況が生じている。この1年間、ギリシャとトルコ間の緊張は、トルコの積極的な外交政策への転換とエルドアン政権の脆弱性により、大幅に高まっている。エーゲ海のエネルギー開発をめぐる両国の争いが、現在の緊張を後押ししているが、議論の根底にある領土問題の不一致は数十年前から存在したままだ。

 NATO同盟国が他のNATOの同盟国を公然と攻撃することはないと思われるものの、過去の紛争では、同盟の約束にかかわらず、両国は戦争寸前まで(時にはそれをわずかに超えて)いったことがある。トルコとギリシャの争いは直ちにNATOを巻き込み、間違いなくロシアによる日和見的介入を招くだろう。 

 

朝鮮半島

ここ数ヶ月間、ソウルと平壌の間の緊張は着実に高まっており、北朝鮮の挑発行為(多くの場合、国際環境に関する金政権の特異で不可解な評価により引き起こされる)は、南側からの攻撃的なレトリックの反応を引き起こしている。北側は壮大な核兵器を持っているにもかかわらず、世界からまともに相手にされないという焦り、南側は重要な国家が無能で進歩のない兄弟に重荷を負わされているという焦りが、2国間の力学を動かしているようだ。

 こうした緊張関係は今に始まったことではないが、歴史的には冷戦と冷戦後の自由主義的な国際秩序で制約を受けてきた。前者は終わり、後者はほころびつつある。平壌は今がチャンスと感じ、ソウルは隣国の横暴を許容する忍耐力を示すのに苦労するかもしれない。戦争が勃発すれば、通常兵器と核兵器が双方に恐ろしい犠牲を強いることになり、ロシア・ウクライナ戦争より早く破壊的なものに進展する可能性がある。

 

中国-インド

中国とインドによる散発的な戦闘が「世界の屋根」で続いている。ほとんど人が住めない山間部のわずかな領土を支配することへの真の利害は依然不明だが、中国もインドもこの紛争から手を引いてはいない。戦闘は今のところ極めて限定的だが、国家の威信を守る欲求で、最も賢明で賢明な指導者でさえ、急速に毒される可能性がある。

 モディや習近平が当てはまるかは別として、それぞれが率いる政府は紛争の解決方法を見いだしていない。インドと中国のどちらかが、ある時点でエスカレーションで問題を解決しようとする誘惑に駆られるかもしれない。

 

第三次世界大戦が起きないことを祈る

ウクライナ紛争はすでに大国間戦争の様相を呈しているが、グローバル紛争に発展する可能性は依然低いままだ。ロシアのウクライナ侵攻は、国際社会の最善の努力にもかかわらず、大戦争が起こりうると証明している。平和の維持には慎重な政治的手腕が必要で、戦争へのエスカレーションの管理には並外れた技術が必要だ。■

 

5 Places World War III Could Start in 2023 - 19FortyFive

ByRobert FarleyPublished16 seconds ago

 



2022年12月30日金曜日

日本が建造を目指す次期イージス艦ASEVsは主に北朝鮮を視野に日本海で展開する構想。米国から注目が集まる

 

Japan Ministry of Defense

イージス・アショア陸上施設2箇所の建造を中止した日本はミサイル防衛専用艦を建造し、レーダーと迎撃能力を強化し配備する

 

衛省は12月23日、2023年度予算で概算要求を発表し、弾道ミサイル防衛(BMD)艦関連で新しい内容が含まれている。日本政府は、特に好戦的な北朝鮮の弾道ミサイルへ効果の高い防御手段として、中止されたイージス・アショアBMD施設の代わりとなる専用艦2隻を建造する。発表には、新級艦船に求める内容を示す、公式コンセプトアートが含まれている。

Naval NewsとUSNI NewsのSam LaGroneがまっさきに報告しているが、防衛省(MoD)は予算要求で、現在の多任務イージス搭載駆逐艦を別任務に活用できるようイージスシステム搭載艦 Aegis system-equipped vessels(ASEV)2隻の建造の必要性を強調している。また、弾道ミサイルに加え、極超音速兵器の脅威にも対応可能な実用性と能力を備えた艦艇の開発を優先すると強調している。

2022年11月18日、ソウル駅で、北朝鮮のミサイル発射実験のニュースを見る男性。Credit: ANTHONY WALLACE/AFP via Getty ImagesCredit: ANTHONY WALLACE/AFP via Getty Images

日本の陸上イージス・アショア構想は、施設2箇所で、弾道ミサイルから包括的に防衛する構想だったが、予算、技術、レーダー照射の健康への影響への国民の反発で、2020年に正式に中止とされた。ASEVは日本のミサイル防衛の懸念に、その大体としてより柔軟で間違いなく生存可能な解決策として導入される。

将来のASEVの仕様の詳細はまだ不明で、MoD報告書は具体的な数値を含んでいない。しかし、The War Zoneは過去に、艦の最終的な大きさの一般的なアイデアを伝えた日本の地元ニュースアウトレットを引用して伝えている。日本経済新聞は、ASEVは全長約690フィート、幅約130フィートになる見込みと報じている。

他の報道では、ASEVは日本のまや級のイージス駆逐艦にもっと近いものになると示唆されている。日本経済新聞のASEVに関するデータと比較すれば、まや級より全長が100フィート以上大きく、幅は57フィート拡大するとわかる。

また、最初の公式レンダリング(本記事のリード画像)は、LPD-17サンアントニオ級水陸両用輸送ドックをベースにした米海軍のBMD艦構想と著しい類似性を持っていることも特筆すべき点だ。以前から浮上している指標も、駆逐艦よりそれに近い設計に合致している。BMD艦は、大量の武器と非常に強力なレーダーで武装し、近づく脅威を座ってスキャンするのが基本任務なので、これは理にかなっている。速度は優先されないが、長い耐久性、通信と指揮統制能力、海上維持能力、武器庫の容量と適応性、信頼性が優先されよう。

LPD-17を原級とする米ミサイル防衛艦の構想図。. Credit: MDA

とはいえ、ASEVは開発の初期段階で、要件や運用上のニーズは未定義か、少なくとも検討の最中と思われる。ASEVの寸法は、開発プロセス中に変更される可能性が非常に高い。

現在、海上自衛隊のイージス艦は、まや級2隻、あたご級2隻、こんごう級4隻の計8隻で構成されているが、このうち、まや級は、あたご級の亜種で、米海軍のアーレイ・バーク級から派生したこんごう級の進化系の最新鋭艦だ。

日本のあたご級護衛艦「あしがら」。Credit: USN

Naval News によれば、各艦を別作戦に解放し、防衛省の予算要求で示された目標を実現するため、日本はASEV2隻に「レイセオンの SM-6ミサイル、12級地対艦ミサイルの艦船発射級派生級、その他未公表の能力」を搭載する設計にする予定とある。しかし、これでは意味がない。まず、SM-3は日本と米海軍の主要BMD兵器だ。日本はSM-3ブロックIIAプログラムで、米国と直接パートナーシップを結んでいる。新規建造艦は、特にSM-3を中心に構築されるはずだ。

さらにSM-6は、対空・対艦能力以外に、終末弾道ミサイル防衛能力も持つため、理にかなっている。これは、ASEVへの対艦弾道ミサイル攻撃に対抗する、あるいはSM-3を通り抜けた弾道ミサイル攻撃を打ち落とすため重要だ。また、SM-6は、限定範囲とはいえ、一部極超音速兵器を迎撃可能な唯一の兵器でもある。極超音速兵器対応については、MoD文書では、開発中の極超音速迎撃ミサイルに利用できる艦船を開発すべきと主張している。

つまり、SM-3はシステムの重要な構成要素で、日本は高い投資をもう始めている。同艦は垂直発射システム(VLS)セルから発射可能なスタンドオフ攻撃兵器を搭載可能となる。

構想図では、VLSセル合計64個が搭載されている。前甲板には8個のVLSセルが6セット、ヘリコプター格納庫の上にも8個のVLSセルが4セット見える。これは単なる基本的な表現であり、具体的な要件ではない可能性があるが、同艦が大級弾倉を備えていることは明らかだ。これは、日本の既存イージス駆逐艦が、幅広い任務をカバーするため多種多様な武器を搭載しているのとは対照的に、ASEVの弾倉のすべてをBMDと極超音速ミサイル防衛に充てる利点を実現する。

日本のBMD対応駆逐艦は、有事やASEVがオフライン時に追加のBMDカバレッジを支援し、連合作戦の一部で他地域にも投入されると想像できるが、ASEVが稼働開始すれば、日常的に非常に重要な本土BMD任務から既存艦を解放する。

2014年、同艦のイージス兵器システムの実射試験中にSM-6ミサイルを発射するアーレイ・バーク級誘導弾駆逐艦USSジョン・ポール・ジョーンズ(DDG53)。Photo: U.S. Navy

稼働中の日米両国のイージス艦同様に、今後建造されるASE2隻もイージス戦闘システム(ACS)をベースに構築される。しかし、防衛省文書では、日本のASEVは、イージス・アショアのため調達が予定されていたロッキード・マーチンのAN/SPY-7アクティブ電子走査式航空捜索レーダーを組み込むとある。

Naval Newsによれば、ロッキード・マーチンはSPY-7をASEVに搭載する統合プロセス全体をJ7.Bと呼んでいる。この言葉は、日本のイージス艦に現在搭載されている最新のソフトウェJ7にSPY-7を組み込む構想を示す。J7.Bは、今年9月に海上自衛隊、ミサイル防衛庁(MDA)、米海軍と共同で、SPY-7を活用したASEVのBMD火器管制ループで弾道ミサイルにどう機能するかを実証する試験を実施したばかりだ。

MDA長官ジョン・ヒル海軍中将Vice Admiral Jon Hillは以下述べている。「MDA は、イージス・ベースライン J7.B のハードウェアとソフトウェアで SPY-7(V)1 レーダーを指揮・制御できることを確認し、日本の ASEV が求める BMD 能力をすべて実証しました。「開発と統合での重要なマイルストーンです。ASEV J7.B 版のSPY-7の全体的な取り組みは、コスト、スケジュール、性能の基準を満たすべく順調に進展中。同プログラムは、最新のBMD能力を日本に提供し、増大する地域のミサイル脅威の中で日本防衛に貢献することは間違いありません」。

J7.Bの能力を十分に発揮させるため必要な時間は、ASEV2隻の海上公試までの年月の大部分となると予想される。防衛省文書によると、日本は2027年度までに2隻を建造するようを望んでいる。

USNIニュースは、日本の予算要求では、ASEVは主に朝鮮半島沖の日本海で活動する想定と報じている。北朝鮮が弾道ミサイル活動を活発化させ、ロシアや中国との緊張が高まる中、日本と同盟国にとって、同地域はますます重要になってきている。

以上あわせると、日本は、イージス搭載の新級艦の建造まであと一歩の段階に来ており、防衛省が提供した追加情報では新級艦が日本の将来の弾道ミサイル防衛で柔軟かつ貴重な資産になることを示唆している。■

 

First Rendering Of Japan’s Ballistic Missile Defense Ship Concept Released

BYEMMA HELFRICH, TYLER ROGOWAY|PUBLISHED DEC 29, 2022 4:20 PM

THE WAR ZONE

https://www.thedrive.com/the-war-zone/first-rendering-of-japans-ballistic-missile-defense-ship-concept-released