2018年1月24日水曜日

★ステルス戦闘機が防空網を突破できなくなる日がいつか到来する

Could Russia's S-400 Do the Unkthinkable: Kill a F-22, F-35 or B-2 Bomber?



ロシアS-400防空ミサイルはステルス機に有効対応できるのか




January 18, 2018


シア防空体制は接近阻止領域拒否 (A2/AD) 能力の整備で強力になっているといわれうがその実効性は一部専門家が呼ぶ「鉄のドーム」と言われる突破不可能なものとほどとおい。
 たしかに多層構造で統合化された防空体制により第四世代機での侵攻は高価につくことがあるが、逆に防衛体制がアキレス腱にもなる。ロシア防空体制は第五世代ステルス機対応に苦慮しているのが現状だ。
「第五世代機を投入する敵に対して有効な防空体制を確立するためロシアはステルス機対策を真剣に行う必要がある」と述べるのはマイク・ホフマン(ロシア軍事問題を専門とするCNAコーポレーション研究員)だ。「ロシアの高性能レーダーやミサイル他装備は大量データを活用して西側機を区別します。将来は同様の装備が中国、イラン他に拡散するので侵攻して生存するのは大変なことになるでしょう」
 コフマンは高性能ロシア製防空装備のS-300やS-400さらに今後登場するS-500ファミリーには低視認性機材の探知追跡能力が備わると指摘。ロシアの早期警戒レーダーはVHF,UHF、Lバンド、Sバンドで作動し戦術機の大きさならステルス機も追跡できるが、探知精度が高くないことが問題だ。「ロシアは低帯域早期警戒レーダー整備に注力しており、一部は高性能とはいえ全体として低視認性機材に対応できるか疑問だ」(コフマン)
 ステルス戦術機で火器管制用で高精度で追尾が可能な高周波のC、X、Kuバンドに対抗するには物理上の限界がある。業界、空軍、海軍関係者は一様に低視認性機材では「段階的変化」が必要だとし、おそらくSバンド上位部分で共鳴現象を発生させる波長への対応を意識している。
 共鳴現象が発生するのは機体の一部が特定波長の八倍未満の場合だ。小型ステルス機では機体表面のレーダー吸収剤の厚みが二フィートも確保できず一部周波数対応にとどまっている。つまりステルス戦術機は低周波帯域のSバンド、Lバンド等で探知されることになる。大型ステルス機のノースロップ・グラマンB-2や開発中のB-21には共鳴現象を発生させる機体上の特徴がなく低周波レーダーにも有効だ。
 ロシアは低視認機探知の課題解決に引き続き取り組むが、解決策を確保したか怪しい。ロシアが多層防空体制に重点支出するのはクレムリンが米航空戦力を地上部隊への最大の脅威と認識しているためだろうとコフマンは見ている。ロシアは引き続きこの分野に多大な支出をしている。
 ロシアはステルス技術対抗策数々を試行している。防空ネットワークにレーダー多数を運用し同一機体を各角度から探知することもある。だがこれが功を奏するかは大きな疑問だ。「機体探知できたとしても、あるいは一部分のみ探知できても精度が低ければミサイルを標的近くで運用するのが課題だ」(コフマン)
 ロシアや中国はまだこの問題を解決していないが、ステルスはゆくゆくは優位性を失う。さらにモスクワが防御と攻撃の絶え間ないいたちごっこの中でステルス機対策を確立するのは時間の問題ともいえる。
Dave Majumdar is the defense editor for the National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.
This first appeared last year.

Image: Creative Commons.

小型機の制約で全域ステルス性能が実現できなければB-2サイズの大型機しか有効な「戦闘機」になれなくなりますね。

2018年1月23日火曜日

シンガポールのエアバスA330 MRTT一号機引き渡し予定が明らかになった


Singapore reveals delivery date for first Airbus tanker

シンガポールがエアバス給油機一号機の引き渡し予定を発表


フランス空軍C-135FRから空中給油を受けるオーストラリア所属のA330 (Airbus Defence and Space)

Defense News By: Mike Yeo 
ンガポールはエアバスディフェンスアンドスペースA330多用途給油輸送機の初号機を今年後半に受領し、同国空軍の創立50周年に合わせる。
 シンガポール国防省の報道発表では9月1日の空軍創設記念日にA330 MRTTが姿を現すという。
 空軍報道官はDefense Newsに機体到着日は未確定だが、期日が近づけば詳細発表できると伝えてきた。
 同機はツールーズ(フランス)で2017年11月に撮影されており、給油仕様改装後の性能評価に入っていた。その時点で同国空軍の指定色の塗装は未実施だった。
 シンガポールはA330 MRTTを6機2014年3月に発注し給油能力の拡充を図る。現在はボーイングKC-135Rストラトフォートレス4機を運用している。各機は米空軍供用後に保管されていた機体を購入したもの。
 シンガポール空軍はロッキード・マーティンC-130B/Hハーキュリーズ輸送機10機のうち5機を給油用にも使用できるよう改装したが現在は給油任務は実施していない。空軍にプローブ方式給油に対応する機材がないためだ。
 引き渡しを待つA330 MRTTはMRTT高性能版仕様で空力特性、機体構造、エイビオニクスで改良を施す。フランスと韓国も同型機を受領する。
 A330 MRTTはシンガポール空軍のみならず陸軍も海外演習で支援することになりそうだ。300名あるいは75千ポンド貨物を輸送、あるいは245千ポンド燃料を補給する能力を発揮する。

 シンガポールは国土が狭いため訓練場所を海外に確保しており、ボーイングF-15SGイーグル、ロッキード・マーティンF-16C/Dファイティングファルコン両戦闘機がオーストラリア、タイ、インドに定期的に展開して訓練している。■

★新型空母フォード級への期待 

 



Do Russia and China Stand Any Chance Against the Navy's New Aircraft Carrier?

ロシア、中国は米海軍新型空母を撃破できるのか
January 21, 2018

2009年、米海軍が35年ぶりに新型空母の建造を開始した。前大統領で海軍航空士官だったジェラルド・R・フォードの名前を冠したUSSフォードは21世紀の原子力空母だ。技術革新を盛り込んだ同艦は建造で遅延を余儀なくされたが、米海軍の超大型空母部隊を世界最大かつ最先端の存在として当面継続させる。
USSフォードは高度なまで成功したニミッツ級空母の後継艦となる。ハンティントン・インガルス工業のニューポートニューズ造船所で建造が2009年に始まり、フォード級はニミッツ級と多くの面で類似し、全長は1,106フィートでニミッツは1,092フィートだ。満排水量も約10万トンと同じだ。ブリッジの配置、カタパルト4本のレイアウトも共通する。
動力源は新設計AB1原子炉二基でベクテルが製造し、従来の海軍用原子炉がジェネラルエレクトリックウェスティングハウスが作ってきたのと異なる。二基の原子炉で600メガワットの発電容量があり、これだけの規模でカリフォーニア州パサデナの各家庭に供給できるほどだ。
これだけの電力が必要なのは30ノット余という最高速力を得るだけでなく電磁航空発艦システム(EMALS)があるためだ。新システムで機体への負担は減り供用期間が延びる以外に旧式より25パーセント増の出撃が可能となる。
着艦にも新方式を使う。高性能拘束装置(AAG)で水圧タービンと誘導電動機で着艦時の機体を静止させる。AAGは従来の拘束装置より信頼度が高く機体の負担も減る。
フォードは最先端のデュアルバンドレーダー(DBR)を搭載しXバンドのAN/SPY-3イージスレーダーとSバンドの大量監視レーダーを組み合わせる。DBRは多数のミサイル・機体を同時に探知追尾可能で発展型シースパロウミサイル(ESSM)を発射する。
さらに自艦防御用にMk. 29ミサイル発射機二基があり、各ESSM8発を搭載する。またローリングエアフレイムミサイル発射機二基もある。ファランクス近接兵装システムで局地防御を、さらにM2.50口径機関銃4基を搭載する。発電容量に余裕がありレーザー兵器の後日搭載が予想される。レーザー防御では電力ある限り弾薬数の制約と無縁だ。
搭載航空機は10機ないし12機のF-35C共用打撃戦闘機二個飛行隊、やはり10機ないし12機のF/A-18E/Fスーパーホーネット二個飛行隊、EA-18Gグラウラー電子攻撃機5機、E-2Dホークアイ早期警戒機4機、C-2グレイハウンド空母輸送機二機となる。またMH-60シーホークヘリコプター8機を運用する。ここにMQ-25スティングレイ給油機兼情報集無人機が加わる。さらに将来は現在企画中の第六世代戦闘機がスーパーホーネットと交替する。またジョン・マケイン上院議員の主張が通れば新型長距離攻撃用無人機が導入される。またV-22オスプレイがC-2グレイハウンドに代わり輸送任務に就く。
フォード就役で海軍の空母は全11隻に戻る。海軍の空母部隊は議会が定めた条件を満たす必要がある。米国法典第5062条には「海軍戦闘艦には空母11隻を下回らないこと」とある。現状では海軍は同条項の執行猶予を求めている。
二号艦USSジョン・F・ケネディが第35代大統領の名前を冠しニューポートニューズで建造中で2020年就航予定だ。三号艦エンタープライズは来年起工し2020年代初頭に艦隊に編入される。ドナルド・トランプ大統領が海軍作戦部長とともに350隻から355隻の海軍力の実現に向かう中でフォード級空母四号艦の建造もゆくゆく検討課題になろう。■

Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009, he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.

★F-35Bで台湾防衛力を増強が実現する

 

The F-35: How Taiwan Could Really Push Back Against China

F-35で台湾に中国を撃退する能力が実現する
January 18, 2018


国の国家安全保障戦略(NSS)が初めて台湾について明確に言及している。NSSでは「台湾と強固なつながりを維持するが『一つの中国』政策に準拠し、台湾関係法に定めた米国の責任を果たし台湾の正当な防衛ニーズに答え軍事行動を抑止する」とある。
NSSの台湾に関する表現は台湾との関係強化へ関心が議会で高まるのと平行している。昨年夏にトム・コットン、コーリー・ガードナー両上院議員が台湾安全保障法案を提出した。成立しなかったが、法案は二国間交流、訓練、艦船寄港を盛り込んでおり、この内容が国防予算認可法(NDAA)に入りトランプ大統領は2017年末に署名している。
こうした流れは台湾の独立維持が米国や同盟国の安全保障上で東アジアで重要要素と理解されているためだ。台湾は中国の太平洋進出を阻む位置にあり、日本やフィリピンの防衛にも特に重要だ。
台湾は米中間のイデオロギー競合で十分活用されていない。台湾は中国人でも自由かつ民主的で成功できることを証明している。
蔡英文総統の2016年選挙勝利から北京はイライラを募らせており、総統が「一つの中国」を認めていないことが特に気に入らない。このため中国はさらに圧力を台湾にかけ、台湾経済を締め上げる政策をとり、国際社会で台湾を孤立させようとし安全保障でも揺さぶりをかけている。
今月初めに中国は一方的に台湾海峡上空に民間航空路四本を設定し、台湾の安全保障立案部門は中国軍が軍事活用することを恐れている。台湾国防省から中国軍機が台湾の周囲を年間15回飛行したと報告したこともあった。中国は台湾を主権国家と認めていない。
台湾国防軍はもちろん中国の動きを監視してスクランブル出撃で本土から飛来の機体を追尾している。だがPLAが活動を高めることで台湾航空部隊にストレスも高まっており、機材老朽化で飛行安全も懸念材料で部品確保も大変となっており機体の負担が目立ってきた。
台湾が米国の東アジア防衛面で重要な立場にあることから、台湾の問題は米国の問題にもなる。では中国が空の上での優位性を高める中で何ができるか。
まずトランプ政権はF-16C/D新機の台湾向け販売を認めずF-16A/Bの改修としたオバマ時代の決定を覆すべきである。これでは今必要な機体が相当の長く使えなくなる。改修も必要で有益だが新規生産のF-16C/Dは比較的短期に確保でき、しかも有益に活用できる。台湾には高性能機材とともに機数を増やす必要がある。
だが現況の空軍力の不均衡を真に解決するにはワシントンが台湾への思考方法を大幅に変える必要がある。そこでF-35B以上に効果が出る機材はない。ステルス性能で敵大群と遭遇しても残存可能であり、電子戦能力の高さで敵レーダー等の位置を割り出し妨害でき、友軍F-16による攻撃が効果をあげる。さらにF-35Bの単距離離陸垂直着陸性能で基地の確保問題が解決できる。中国の巡航ミサイル、弾道ミサイルが精度を上げていることを考えるとこれは必要な性能だ。機材の分散配備で残存性も上がり、優れた策略になるが通常機ではこれは困難だ。
台湾がF-35Bを調達するには時間がかかる。また決定も先送りしたほうがよいだろう。一方で米海兵隊が台湾周辺でF-35Bを使った演習を実施し、実際に台湾本島で離着陸を試みるのが良いだろう。演習で同機の有用性が証明されるが、それ以上に北京やその他同盟国へ米国の台湾防衛姿勢を示すことになる。F-35を台湾に展開すれば中国空軍も海峡上空から台湾本島までの優位性は確立できなくなる。
こうしたステップを踏んでトランプ大統領と議会は前政権が台湾防衛の重要側面を無視してきたことを是正し台湾海峡に安定をもたらせるようになる。NSS、NDAAがともに紙の上だけでなければ、文言は具体的かつ効果の上がる手順で実施されねばならない。F-16を新造しF-35を引き渡すことが台湾防衛で着手すべき重要な一歩となる。■
Michael Mazza is a research fellow in foreign and defense policy at the American Enterprise Institute, while Gary Schmitt is co-director of AEI’s Marilyn Ware Center for Security Studies.

Image: Flickr.

日本、台湾、韓国(?)ともに事情が違いますが、F-35Bに関心が集まりそうですね。

2018年1月22日月曜日

ウラジオストック潜水艦基地で火災事故が発生した模様

Fire At Russia's Vladivostok Submarine Base Sure Doesn't Look Like An "Exercise"

ウラジオストック潜水艦基地で発生の火災はどうみても「演習」ではない

Lighting your own sub on fire, or setting a fire right next to one, seems like a pretty stupid, if not unbelievable way to execute a drill.

潜水艦での火災事故あるいは近辺での火災発生は愚かな事件だ

TWITTER SCREENCAP
BY TYLER ROGOWAYJANUARY 21, 2018


シアのウラジオストック潜水艦基地で相当の火災が発生した映像が突如現れた。濃い黒煙がキロ級ディーゼル電気推進攻撃潜水艦の停泊場所から出ている。この映像が流布してロシアメディアは火災は「被害対応訓練」の一環とのロシア海軍説明を伝え始めた。
 ロシアの準公的報道機関TASSはロシア海軍が以下述べたと伝えている。「火災鎮圧演習をふ頭で行い、太平洋艦隊所属潜水艦と人員で対処の想定とした...人員は火災にうまく対応した」
 このような訓練を現役潜水艦の横で炎を燃やして状況で行ったとはとても信じがたい。潜水艦数隻が停泊する横で点火するのは艦の安全を考えると尋常ではない。
 濃い黒煙と水面の様子からディーゼル燃料の燃焼のようだ。キロ級潜水艦へ燃料補給の途中で点火したのか。あるいは艦内の燃料が漏えいしたのかもしれない。
GOOGLE EARTH


 ウラジオストックはムラヴィヨフ・アムールスキー半島南端にあり、ロシア太平洋部で最大の港湾であり太平洋艦隊の母港だ。中国、北朝鮮、日本とつながる戦略的地理条件があり、キロ級潜水艦数隻がここを本拠としている。また原子力潜水艦の母港にもなっている。■


ロシア発表の情報はどうしていつも事実を認めない内容なのでしょうか。今回は通常型潜水艦だったのでまだよかったのですが、原子力潜水艦で事故が発生したらどうなっていたでしょうか。

★韓国は米国に見捨てられる? 韓国防衛のため自国犠牲は耐えられない米国、米国を信じられない韓国

Should Americans Care More about South Korea than America?

自国を差し置いて韓国を心配する理由がアメリカにあるのか

The National Interest 

January 21, 2018


ワイのミサイル警報誤報騒ぎで米国民に改めて同盟国の安全保障が自国より重要視されているごとき状況で米国が支払う代償が増えてるのを痛感させられた。同盟関係維持の目的は米国防衛効果を強めることにあるが、韓国防衛の姿勢堅持が米本土への核攻撃につながる可能性もある状況だ。
韓国との「相互防衛条約」は冷戦で生まれ当時の米国はソ連と世界でしのぎを削っていた。米国にとって世界のいかなる場所であれ失うことはソ連の勝利につながった。韓国が論点となったのは朝鮮半島が米国にとって重要だったと言うよりも韓国が超大国間のグレートゲームの一部だったからだ。
この変化はソ連崩壊がきっかけだ。その後の南北朝鮮間の競合は地域対立の一つになった。朝鮮半島での開戦の代償は通常の地域紛争より高いとはいえ特別の存在でもない。イラクによるイラン侵攻、ザイールの崩壊はともに恐ろしい結果を生んだ。それでもワシントンは朝鮮半島への姿勢は一つも変わらず、引き続き部隊を配備してきた。
さらに重要なのは韓国はとうの昔に北に対して優勢になっていることだ。経済力では45対1、人口は2対1、技術力でも大きくリードし、国際社会の地位も差が開き、国力指標ほぼ全部で韓国が優位だ。韓国は自力では貧弱かつ孤立した北の侵攻を食い止められないと信じ込ませているにすぎない。中国やロシアが北朝鮮を支えなければ、韓国は他国支援を仰ぐ必要はない。
ではワシントンが米国の信用をかけ富と国民の生命のリスクまで侵して韓国防衛を確約する理由は何なのか。外交政策は常に変化する安全保障環境を反映すべきだ。米国による1953年の韓国防衛の誓いは2018年にはほとんど意味がない。60年以上前の条約を永遠に存続し変更不能のものと取り扱い、状況変化に目をつぶるのは愚かとしかいいようがない。
少なくとも現時点では米政策立案部門は武力衝突が「向こう側」での出来事なので救われるだろう。軍服を着るものが死んでも米国民は本土で安心できればいい。だがこれはもはや正しくない。
朝鮮人民民主主義共和国が信頼性の高いICBMを製造すれば紛争は「こちら側」に飛び火する。世界各地に米軍を派遣し他国の地で死と破壊を広げてきた政策立案部門には許容範囲を超えた恐ろしい可能性だろう。今や海外の「取るに足らない紛争」で米国本土の国民がリスクを負担する可能性がでてきた。
平壌が封じ込められ抑止されたままでいるとは思えない。だがこれがワシントンの求める政策解決策ではない。あくまでも北朝鮮攻撃に正当な根拠を見つけようとしている。あるいは米国が各地で何度も企ててきたように政権崩壊でもよい。トランプ政権が北朝鮮の核開発を恐れるのは金正恩が米本土に自殺攻撃を企てると見るためだ。米国に対して抑止効果を北朝鮮が持つことに我慢ができないのだ。北朝鮮と対戦すれば米国は破壊的な反撃を余儀なくされる。
そうなれば韓国防衛は韓国に任せるのが解決策だ。韓国に北朝鮮攻撃を抑止させればよい。韓国防衛は韓国の責任であり米国以上の責任を韓国がすべきだ。米国が北東アジアの平和を切望するのは韓国の国民の安全と友好以外に主要国がならぶなかで地域内秩序を維持し、経済の大きな流れを止めないためだ。これで米国本土が安全になる。
ただし金正恩が核兵器で無理やり半島統一を迫ってきたらどうなるのか。実現の可能性が高い北の政策目的だが観測にすぎない。西側ではこの選択を実施しても金正恩は目的を達せられないとの見解が大部分だ。金一族は悪の存在だが同時に現実主義者でもある。祖父は南の併合を再度試みず、父は一度も試していない。
現在の最高指導者は核兵器開発と並び経済発展を強調している。ビョンジン並行開発策であり、祖父、父親が経済発展や国民生活を犠牲にしたのと対照的だ。その意味で金正恩にも平和の維持は半島南部の奪取とともに重要な目的だ。
平壌を抑止できないと信じる理由もない。再統一しても北の首都やDPRKの価値観が「火の海」に沈んでしまっては意味がない。
米国は核抑止力を提供している。しかし北の核開発がさらに進展すれば米国自体が南北朝鮮の対立に巻き込まれていいのかという問題意識が強まるだろう。代替策があればこの疑問がさらに強まる。代替策とは韓国による核抑止力の整備だ。
これでは望ましい結果にならないが、唯一の望ましい解決策とは交渉によるDPRKの武装解除であり、実現可能性が皆無だ。対照的にワシントンへの最悪の結果は他国が米国本土を人質にすることだ。現在のままだとこうなる。
口だけの脅かしなら代償は発生しない。現政権はホノルル消失のリスクを覚悟すべきか腹を決める必要があろう。本当にミサイルが飛んで来たらどうなるか。あるいはロサンジェルス、シアトル等の都市ならどうなるか。何のために危険を冒すのか。友邦国を守っても米国自身の安全が脅かされていいのか。
韓国軍の核兵器は最善の選択肢ではないが、残りの北朝鮮向け政策すべてでも同じだ。韓国自身に抑止力を持たせるのはその他の選択肢よりましかもしれない。平壌も武力による半島統一を断念するだろう。中国も北朝鮮を思いとどまらせ、核兵器拡散が日本や台湾にまで続くことを食い止めようとするはずだ。核兵器保有を韓国国民の三分の二が支持するのは米大統領が米国人数百万人の犠牲を覚悟してまで韓国を防衛してくれるとは思っていないためだ。
トランプ政権の対北朝鮮政策に目的と手段の混乱が見られる。韓国との同盟関係を米国自身の安全確保の手段と見ている。だが冷戦終結後はこれはあてはまらない。北朝鮮が米本土攻撃能力を整備すればさらに現実と乖離する。
米国がDPRK攻撃の脅威を与えなければ北朝鮮が米国を脅かす理由がなくなる。平壌は韓国侵攻を企画しているのか。うかがい知ることができないが、韓国防衛は韓国の仕事だ。トランプ政権は同盟関係と部隊駐留を段階的に解消し、ハワイ当局が本当にミサイル警告を出す状況が現実にならないよう努めるべきだ。■
Doug Bandow is a Senior Fellow at the Cato Institute. A former Special Assistant to President Ronald Reagan, he is author of Tripwire: Korea and U.S. Foreign Policy in a Changed World and coauthor of The Korean Conundrum: America’s Troubled Relations with North and South Korea.
Image: A South Korean air force F-16 Fighting Falcon aircraft takes off for a sortie at Eielson Air Force Base, Alaska, Oct. 15, 2014, during Red Flag-Alaska 15-1. Red Flag-Alaska is a series of Pacific Air Forces commander-directed field training exercises for U.S. and partner nation forces, providing combined offensive counter-air, interdiction, close air support, and large force employment training in a simulated combat environment. (DoD photo by Senior Airman Peter Reft, U.S. Air Force/Released)​ / U.S. Department of Defense Flickr

韓国が核兵器を持つことは日本にとって望ましくないですね。米国が韓国を十分な実力を持つ国と認めたとしても今回の五輪協議のように北朝鮮にとって南は熟した果実のような存在でしかも御しやすい相手にすぎません。国力よりも政治的な意思、思考訓練の差が歴然としています。北朝鮮は連邦制度を提唱し、南を事実上支配下に置くでしょうし、金正恩が大統領になる可能性さえ出てくるでしょう。どちらに転んでも朝鮮半島のせいで世界が迷惑するのはたまらないというのが米国インテリの見方でしょうが、そんな国をお隣に持つ日本は不幸としかいいようがないではないですか。と言って目をつぶることもできず、韓国が国力を有しながら意思の欠如で埋没していく歴史を目撃するしかないのでしょうか。

★中国ステルス戦闘機J-20の最新動向

 

China's J-20 Stealth Fighter Is Now Training for War



中国のJ-2戦闘機が軍事演習に初めて参加

January 19, 2018

中国人民解放軍空軍(PLAAF)は1月11日にJ-20戦闘機が初の実戦演習に参加したと発表した。場所は非公開だが内蒙古だったと思われる。シンガポールのストレイツタイムズによれば演習は9日間でJ-20はJ-16およびJ-10Cを相手にしたという。PLAAFは演習でJ-20は視程外航空戦能力を実証したという。
新華社通信はもう少し詳しく伝えておりY-20輸送機、H-6K爆撃機も各戦闘機に加わったとある。Y-20はPLAAF引き渡しが2016年に始まった大型輸送機だ。
J-20はAVIC中国航空工業が開発した単座双発機で初飛行は2011年だったが中国は2016年までその存在を認めていなかった。
J-20はF-22、F-35に次ぐ世界三番目のステルス機で西側ではF-22をモデルにしているとの観測があるのは機体形状を見てのことだ。ただし中国により相当の改良が見られる。たとえばJ-20分散開口システムdistributed aperture system (DAS)を搭載しパイロットはあらゆる角度を監視できる。これはF-35には搭載されているのと同じだがF-22にはない。J-20設計陣は「F-22やF-35より航続距離が長く、機体内燃料搭載量が多く兵装運用量も大きい」と述べている。
Popular Mechanicsのカイル・モチズキはJ-20 は「兵装すべてを機体内部に搭載しレーダー探知されにくくし、兵装庫は三つあり、うち大きい兵装庫でPL-12視程外ミサイル最大6発、残りの二つで短距離空対空ミサイルを運用する」と述べている。国際戦略研究センターは「J-20は高性能電子装備も搭載し、アクティブ電子スキャンアレイ、赤外線電子光学式探知追尾センサー、パッシブ電子光学探知装置で機体まわりの360度の状況を把握できる」と解説。
空軍参謀総長ディヴィッド・ゴールドフェイン大将はJ-20にリアルタイムで他の防衛装備とのリンクができると見ている。そのとおりならJ-20はF-35に近い機体となる。「F-35、F-22であれJ-20やJ-31が単機でどんな性能があるのかが問題ではない。実際には各装備をファミリーとして運用するからだ」とゴールドフェイン大将は言っている。
J-20の生産機数は不明だが一部には中国が量産に苦労しているとの見方がある。「中国の生産場面ではすごい速度で生産する定評があるが、iPhoneでアップルは中国の生産状況を見て販売時期を慎重に設定せざるを得なかったようにもっと複雑な軍用機には多様な要素の制約が加わり完成品の誕生に影響を与える」とAsia Timesで中国軍事評論家の Xi Yazhouが解説している。一つの制約条件は中国が国産エンジンン採用にこだわっていることだ。中国では航空機エンジンの国産化に一貫して苦労している。
中国にはFC-31/J-31と言う別のステルス機もある。FC-31の制式名称から同機は輸出用とわかる。ジェフリー・リンとP.W.シンガーは同機について「瀋陽航空機の双発機J-31はF-35とほぼ同寸で最高速度マッハ1.8」と解説し空母搭載型のJ-31製造の可能性に触れている。■
Zachary Keck (@ZacharyKeck) is a former managing editor of the National Interest.
Image: Wikimedia Commons

2018年1月21日日曜日

インドネシアが空中給油機更新へ、KC-46Aが有力候補か

Indonesia puts KC-46A Pegasus, Airbus A330 in frame for aerial tanker requirement

インドネシアがKC-46ペガサス、エアバスA330を次期空中給油機候補として検討中
 
オーストラリア空軍のエアバスA330 MRTT。Source: Airbus


Ridzwan Rahmat, Singapore - Jane's Defence Weekly
18 January 2018


  • インドネシアがボーイングKC-46A、エアバスA330MRTTのいずれかの導入を検討中。空中給油機の整備が狙い。
  • エアバスA400Mに次ぐ大型装備調達になりそう


インドネシア空軍が空中給油能力整備の検討を始めた。2024年までに二機調達を目指す。
検討対象の機種にエアバスA330多用途給油輸送機(MRTT)もあるが、ボーイングKC-46Aペガサスの導入をインドネシアがほのめかしている。
インドネシアの求める作戦要求に答え、現有機材の空中給油方法に適合するのか等の検討に入る。
また国営航空機メーカーPT Dirgantara Indonesia (PTD)への技術移転の可能性も検討内容だという。
検討作業が終わり次第、調達内容の骨格を決め、正式に事業化し予算も確保する。これを2020年から2024年までに行う。
2015年6月までインドネシア空軍は給油ポッドを付けたKC-130Bを1960年代から使ってきた。うち一機が同月にメダンで墜落し、使える機体が一機になっていた。同機はマランのアブドゥルラクマン空軍基地に配備中だ。■
2機しか導入しないつもりでもしっかり技術の国内還流を狙うとはしたたかですね。交渉の腕はわかりませんが。