2022年12月25日日曜日

ドイツ連邦軍の新正式アサルトライフルHK416に注目

 HK416 Finally Looks Set To Become Germany’s Next Service Rifle

Heckler and Koch

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ヘックラー&コッホは、最初の不意打ちの敗北を経てドイツの次期標準アサルトライフルを供給する再コンペティションに勝った

 

 

イツ政府は、連邦軍(Bundeswehr)に新型標準ライフル銃を提供する重要な一歩を踏み出した。2024年より、ドイツ軍はG36ライフルを、ヘックラー&コッホが製造するNATO標準の5.56x45mm弾を使うHK416 A8に交換し始める。銃器メーカー、ヘーネルC.G.Haenelの最初の契約締結が、法的問題でキャンセルされ2年後となる。

 ドイツ連邦国防省は12月14日、連邦議会予算委員会が、ドイツ連邦軍アサルトライフルシステム(System Sturmgewehr Bundeswehr)の初期資金を承認したと発表した。ドイツ当局によると、総コスト約2億900万ユーロ(本稿執筆時の為替レートでは2億2200万ドル弱)で、HK416 A8ライフル計11万8718丁を購入する。

 

標準装備のG36ライフルを持つドイツ軍メンバー。 Bundeswehr

 

 

 上記金額に、スペアパーツやアクセサリー、サポートサービスなどが含まれているかは不明である。3月にドイツのSoldat Und Technik発表のレポートによれば、ヘックラー&コッホは約2億7330万ユーロ(現在の為替レートで約2億9000万円)相当の契約となる見込みとあった。

 HK416シリーズは、米国が設計したAR-15/M16のパターンを継承しているが、アクションのサイクルにいわゆるダイレクト・インピンジメントではなく、物理的なガスピストンを使用している点が大きく異なる。ダイレクト・インピンジメントは、発射時に銃身から吸い上げた推進ガスを直接銃の内部動作に送り込む方式であり、これに対しガスピストン方式は、発射時に銃身から吸い上げた推進ガスを銃の内部動作に直接送り込む方式だ。ガスピストン方式では、ガスや粒子状物質が直接メインアクションに吹き込まれず、表面に堆積しにくく、信頼性の面で有利だ。その代わり、推進ガスを使用し、機械的なピストンシステムを介しボルトを循環させる。

 HK416シリーズは、2000年代初頭に原型が登場して以来、米国の特殊作戦部隊や米国海兵隊をはじめ、世界中で非常に高い人気を博している。2011年、アルカイダ創設者ウサマ・ビン・ラディンの殺害につながった強襲作戦でSEALチーム6が採用したことで、一般市民も含め人気と認知度が大きく向上した。

 ドイツ連邦軍が今後導入するHK416 A8ライフルの正確な構成も不明だ。ドイツ国防省が昨日の発表とあわせ公開した写真を含め、これまでに公開されたA8の写真は、ヘックラー&コッホの現行世代HK416ライフルに標準装備されているハンドガードと著しく異なっており、米国標準のピカティニー・アクセサリー・レールとヘックラー&コッホ独自のHKey取り付けシステムを利用した取り付けポイントの両方を備えていることが確認されている。

 

 

A closeup of the HK416 A8's handguard. Heckler & Koch

G95(HK416 A7)ライフルを持つドイツの特殊部隊隊員。Bundeswehr

 

 国防省発表の写真に見られるハンドガードは、ドイツの特殊作戦部隊が運用するHK416 A7ライフルと類似している。ドイツ軍では、HK416 A7はG95と呼ばれ、新型A8はG95A1と呼ばれると報じられている。

 Soldat Und Techniks3月号の記事では、Bundeswehr Assault Rifle Systemの完成品には16.5インチと14インチの銃身を持つバージョンがあり、後者はG95KA1と呼称されるとある。16.5インチのサブバリエーションの左側を示す写真では、ハンドガード後部の外側にラッチがあり、ハンドガードを迅速に取り外し銃身を素早く交換できると示唆されている。2017年の初回入札には、選定された銃の長銃身と短銃身のバージョンを交換可能にする要件が含まれていた。

14.5インチバレルを装備したHK416 A8。Heckler & Koch

 

HK416 A8のハンドガード左側面後部に見られるラッチのクローズアップ。クイックチェンジハンドガード&バレルシステムの一部と思われる。 Heckler & Koch

 

 

ドイツ軍で供用中のA7ライフルも、クイックデタッチ式リアサイトとバレルに固定されたフリップアップ式フロントサイトで構成しアイアンサイトを備えていたが、A8では後者が廃止されたようだ。ドイツ連邦軍は2021年10月、1~4倍の調整式光学サイト「ELCAN SpecterDR」を新型ライフルすべてに標準装備すると別途発表している。

 これら以外にも、A8新型は銃身にバヨネットラグを装備し、初期型と異なるスタイルのピストルグリップを持ち、スライド式バットストックに調整可能なチークレストが装着されている。また、G95とあわせすでにドイツ軍で使用中の新型のHK416ポリマー製マガジンを装着している様子も公開されている。

 興味深いことに、A8はAR-15/M16派生型と異なり、G36や新型HK433などヘックラー&コッホのその他ライフルや、MP5サブマシンガンなどに見られる両利き用のファイアセレクターレバー構成になっている。これは、A7で初めて導入されたと思われる機能だ。

HK416 A8のファイヤーセレクターレバーをクローズアップ。Heckler & Koch

AR-15/M16スタイルのファイアセレクターレバーを含む、旧型HK416 A5の様々な特徴を示すパンフレットの注釈付き写真。Heckler & Koch

 

 

ドイツ軍の新型HK416 A8がどんな構成になるかはともかく、購入資金が承認され、2024年に配備開始する計画は、G36の最終的な置き換えに向けた努力の重要な進展となる。1990年代半ばにドイツ軍に採用されたG36は、長年にわたり批判にさらされ、ユーザー満足度が低いという報告が出ていた。特に、炎天下での長時間使用や急激な温度変化による命中精度の低下が指摘されている。ドイツ当局はこの問題を認めつつも、「これまで部隊に危険な事態は発生していない」と主張している。

 2017年に初めて発表されて以来、Bundeswehr Assault Rifle Systemの後継装備への取り組みは、ある種の武勇伝と化している。ドイツ国防省発表では、「2021年春に選定決定がなされていたが、落札者の決定での審査手続きにより契約締結が遅れた」との表現で、そのことに間接的に触れている。

 落札したのは、同じくドイツの銃器メーカーC.G.ヘーネルで、2020年9月のBundeswehr Assault Rifle System入札で当初落札し、当時は驚きの選択と見られていた。へーネルの提案はガスピストン作動方式を用いたAR-15/M16の派生モデルMK556だった。

採用取り消しとなったC.G.ヘーネルのMK556. C.G. Haenel

 

 しかし、MK556とその関連設計がヘックラー&コッホの特許を侵害しているとの疑惑が浮上し、ドイツ当局は2020年10月にヘーネル契約を取り消した。その後、ドイツ当局は翌年、ヘックラー&コッホ案を選定し、「提供物の分析を見直した結果、ヘーネル社提案は 『経済的に劣る』と判断された」としている。特許問題に直接触れていないようだ。その後、決定を覆そうとしたヘーネルの訴えをドイツ裁判所が6月に却下している。

 これでようやく、2024年からドイツ連邦軍に新しいHK416 A8サービスライフルを手に入れる道が開けたようだ。■

 


HK416 Finally Looks Set To Become Germany's Next Service Rifle

 

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED DEC 16, 2022 4:19 PM

   THE WAR ZONE


ホームズ教授の解説。日本の防衛戦略大転換は地政学から見ないと正しく理解できない。国内左派による反対意見はこの点で破綻していることがわかります。

 

 

Japan F-35 Rollout Ceremony

Japan F-35 Rollout Ceremony.

 

月初め、日本政府は最新の国家安全保障戦略と国家防衛戦略を発表した。内容は、峻厳かつ露骨だ。国家安全保障戦略では、「国際社会の将来を決して楽観できない」と宣言し締めくくっている。

暗い環境は、東京の強硬な反応を正当化している。

日本の公式文書多数がそうであるように、国家安全保障戦略には大戦略的な展望がある。人口減少や財政難といった人口動態の問題もある。また、外交、情報、軍事、経済だけでなく、文化や人間性など、明確な強さの源泉に言及し、中国で一般的な「総合的国力」の用語を採用している。

 国家安全保障戦略と防衛戦略を合わせると、日本の国家的幸福に資する「自由で開かれたインド太平洋」を維持するのが目的の現状維持戦略を明記している。現状維持戦略とは、軍事学者カール・フォン・クラウゼヴィッツが「負の目的の戦略」“strategy of negative aim”と呼んだもので、それを追求する競争相手は、侵略に直面しても、現時点で手にしているものを維持するだけという意味だ。この言葉は、賛同を得られないかもしれないが、既存秩序だけを維持したい向きが何を達成しようとしているのかを正確に伝えている。

 彼らは、現状を維持し、それを覆したり壊したりしようとする努力を阻止したいのだ。

 2つの戦略は、国際平和と安全の番人のはずの国連が、本来の使命を果たせていない現状を嘆いている。その証拠に、拒否権を持つ安保理常任理事国のロシアは、隣国ウクライナの領土と政治的独立をあからさまに侵犯している。一方、同じく常任理事国の中国は、ウクライナほどではないにせよ、日常的に近隣諸国の主権を踏みにじっている。また、経済的な相互依存が国際的な調和をもたらすはずという、一時勢いがあった理論にも反論している。

 岸田首相によれば、グローバリゼーションは地政学の現実に真っ向から衝突した。日本は自国の存続と繁栄のため努力を求められている。

 であれば、インド太平洋は「歴史的な変曲点」にあり、「第二次世界大戦後最も厳しく複雑な安全保障環境」にあると、文書の作成者は言っている。仮に、東京が変曲点 inflection pointという用語を正確な数学的意味で使っているとしよう。変曲点とは、一般によく使われる言葉と異なり、曲線の最大値や最小値、あるいはこの場合、国運の上昇や下降を表すトレンドライン上のものではない。変曲点とは、曲線の傾きがプラスからマイナスへ、あるいはその逆へと変化し、上昇または下降する曲線が平坦になり始める点だ。その後、曲線は上昇または下降を続け、頂点に達して下降に転じる、底を打って上昇に転じる、あるいは平坦になるまで、速度が緩やかになっていく。

 日本の安全保障に関連するトレンドラインが下降線を描いているとすれば、つまり外交、経済、防衛の舞台が日本に敵対的になっている場合、そして地域が実際に気難しいトレンドラインに沿った変曲点に来ている場合、岸田内閣は、国防にさらに国家資源を投入すれば日本、同盟国友好国のトレンドラインを穏やかな方向に導けると判断したようだ。 

 言い換えれば、状況は悪化の一途をたどり、やがて好転する可能性がある。

 そして、東京は、このような状況の変化を加速化させるため、重大な刺激策を検討しているようだ。日本国内では、岸田外相が今後5年間で防衛費を約2倍に増やし、GDPの2%を目指すと宣言したことに騒いでいる。国家安全保障戦略では、日本の安全保障の「最後の保証」である防衛力を「抜本的に強化」すると謳われている。また、日米安保に全面依存するのではなく、日本が新たに獲得した力を一方的に行使する権利を留保することも大々的に示唆されている。その新能力は、「日本が自力でしっかりと防衛することを可能にする」と宣言しているのである。

 だからといって、軍事的冒険主義が待ち構えているわけではない。国家安全保障戦略は、先制攻撃や予防攻撃を行わないという日本の自主ルールは依然神聖なものであると宣言しているが、同時に、日本は国防に対して1945年以来、より力強く、より消極的なアプローチを取るだろうとも言っている。自衛隊は純粋に防衛的な装備や作戦にとどまるのではなく、積極的な防衛を行うことになる。抑止力とは、「スタンドオフ・ディフェンス能力およびその他の能力を活用したカウンターストライク能力」であると、この文書の起草者は主張している。中国、北朝鮮、ロシアの意図を正確に予測することはできないので、敵対国の能力を基準に自国の備えを判断することでヘッジする。

 つまり戦闘を想定している。

 そして、地域政治がある。国家安全保障戦略では、「台湾は日本にとって極めて重要なパートナーであり、貴重な友人である」とし、「台湾は、北京が両岸連合を推進する中で窮地に立たされている」と見ている。台湾を支持することは、健全な地政学であり、友好とパートナーシップを誠実に表明することである。中国が台湾を屈服させる、あるいは征服することに成功すれば、人民解放軍は日本の南側を攻撃することになり、中国は日本の商業と軍事にとって重要な航路の支配を主張し、日本に軍事的圧力をかけることができるようになる。

 台湾の独立を維持することは、日本にとって様々な意味で重要な利益だ。

 では日米同盟はどうなるか?岸田内閣は「日米同盟は日本の安全保障政策の基軸であり続ける」とあるが、日本が単独で活動できる防衛力整備を行うことはないだろう。つまり、日本の防衛力増強は、米国に完全に支配された覇権的な同盟から、より対等な同盟へ同盟を変化させる意味がある。同盟の黄金律は、金を提供する同盟国がルールを作るというものだ。日本が自国防衛で発言権を増やすのは良いことだ。

 しかし、筋肉質な日本を同盟国がどう受け入れていくかは、まだ分からない。アメリカは、シニアパートナーであり続けるだろう。ひとつには核兵器問題がある。日本は核武装に強いアレルギーがあり、核抑止力の延長を米国に依存することで満足している。また、中国と武力衝突する事態になった場合、日本が外部支援なしに中国に勝てるとは思えない。確かに東京は防衛投資を倍増させている。しかし、GDPの2%とは、決して圧倒的な防衛費ではない。実際、NATOは、大西洋の各同盟国が国防に充てる最低ラインとして、この数字を掲げている。

 これは基本であり、上限ではない。

 最後に、アジアから発信される国防関連ニュースを歴史的な文脈の中で位置づける価値がある。ヘンリー・キッシンジャーは、永続的な戦後秩序に2つの柱があると主張している。第一に、戦後秩序の形成者は、敗戦国が新常態を覆そうとするのを抑止し、あるいは、敗戦国が新常態を覆そうとすれば、それを打ち負かすようなパワーバランスを整備する必要がある。第二に、キッシンジャーは、勝者に対して、敗者が全体として公正であるとみなすような秩序を構築するよう求めている。敗者はそれを好む必要はないが、将来の紛争を解決する正当なメカニズムとして、それを受け入れる必要がある。この2つの柱は、システムを転覆させようとする誘因を排除しないまでも、減少させるものである。

 しかし、ここからが肝心なところだ。中国は、1894年から1895年の日清戦争を起点とする戦後のアジア秩序に挑戦しているのである。同僚であるサリー・ペイン Sally Paineは、その長い歴史の中で、日清戦争の敗戦で中国がアジア秩序の頂点から転落したことをまず指摘する。この恥辱に憤慨した王朝、共和国、そして現在の共産主義の中国は、それ以来、慣れ親しんだ地位を取り戻そうと努めてきた。日本の国家安全保障戦略や防衛戦略で打ち出された軍事力増強への対抗策と同様に、中国の海・軍事力増強は覇権争いの一端を担っている。

 このことは、大国間競争と低レベル紛争が続く時代の到来を物語っている。東アジアのパワー、繁栄、地位をめぐる争いがすぐに終わることはないだろう。■

 

Japan Is Getting Serious About Its Security

By James Holmes

https://www.19fortyfive.com/2022/12/japan-is-getting-serious-about-its-security/

 

Author Expertise and Experience: Dr. James Holmes holds the J. C. Wylie Chair of Maritime Strategy at the Naval War College and served on the faculty of the University of Georgia School of Public and International Affairs. A former U.S. Navy surface-warfare officer, he was the last gunnery officer in history to fire a battleship’s big guns in anger, during the first Gulf War in 1991. He earned the Naval War College Foundation Award in 1994, signifying the top graduate in his class. His books include Red Star over the Pacific, an Atlantic Monthly Best Book of 2010 and a fixture on the Navy Professional Reading List. General James Mattis deems him “troublesome.”


2022年12月24日土曜日

ペイトリオットがウクライナへ。では、イスラエルのアイアンドームの提供は? 一筋縄ではいかないイスラエルの事情でカギとなるのはイランだ。

 

 

 

ョー・バイデン米大統領とウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は水曜日に会談し、決意と結束の明確なメッセージをクレムリンに送った。会談はまた、ウクライナでの残忍な戦争を支援するためにロシアに武器を提供してきたイラン政権にも重要なメッセージを伝えた。

 ゼレンスキーの訪問中、バイデンは米政策で特に重要な変更を1つ発表した。ロシアの無人偵察機、ミサイル、空爆からウクライナの空を守るために、米国はペイトリオット防空システムを送付する。

 ある意味で、この動きはイスラエルにスポットライトを当てることにもなる。イスラエルは、ロケットやミサイル、UAVなどを90%以上の確率で迎撃する、最高級兵器システム「アイアンドーム」の提供をウクライナに拒否した。ウクライナ当局は、大統領府、外務省、国防省、在イスラエル・ウクライナ大使館から公式要請を出し、これらのシステム入手を強く求めてきた。

 イスラエルが拒否している理由はいくつかある。まず、最も重要なことは、イスラエルは、もし自国システムが配備された場合、戦場でロシアに捕獲されるとの正当な懸念を抱いている。そこからイランに送られ、解析されるのはほぼ確実だ。分析から、イランの代理人とイスラエルが対峙する戦場において、イランがこれらのシステムへの対抗手段を見出すことができる。そうなれば、ヒズボラやハマス、パレスチナのイスラム聖戦は、将来イスラエルに有利となる。イスラエルの前政権は、このようなリスクは負いたくないと明言した。新政府もおそらく同じことを言うだろう。

 第二に、イスラエル国防軍は自国防衛のためにより多くのシステムと迎撃ミサイルを獲得することが緊急に必要であると評価しているため、イスラエルはこれらのシステムを他の場所に送ることに躊躇している。ヒズボラとハマスの武器庫は、イスラエルがイランの武器密輸を阻止することにほぼ成功しているが、密輸は増加の一途をたどっている。必要な数のシステムと迎撃ミサイルの生産には時間がかかり、ウクライナ輸出でスケジュールが後退する可能性もある。

 第三に、ウクライナ軍に「アイアンドーム」を運用させる訓練に時間がかかるため、短期的にはウクライナの役には立たない。成功率を考えれば、ウクライナが同システムを欲しがる理由は理解できる。しかし、ペイトリオットの方がウクライナ軍の訓練は簡単だろう。

 イスラエルは、イラン政権がレバノンのヒズボラに先端兵器を密輸する動きを封じるため、シリアでプレゼンスを維持し、ロシアから厳しい反応を引き出すことは望んでいない。最近の報道によると、ロシアは軍隊と防空システムをシリアから撤退させつつある。予備部品が不足しているためシリアのシステムが維持できず、イスラエル空軍に破壊された防空システムの補充も断っている。

 一部システムは、ウクライナに再配備される。それでも、ロシアはシリアから撤退しない。イスラエルが好むと好まざるとにかかわらず、ロシア軍の存在はイスラエルにとって長期的な問題だろう。

 バイデンの決断は、ある意味、ワシントンとの分業体制をよりすっきりさせることになるかもしれない。ペイトリオットが配備されることで、ウクライナはアイアンドドームを緊急に必要としなくなる。イスラエルは、ウクライナに約束ずみの支援に集中できる。イスラエルは、ポーランド国境にある大規模な野戦病院を中心に、人道支援で合意している。イスラエルはまた、イランの活動や、テヘランがロシアに送り込んでいる無人機や弾道ミサイルに関する正確でタイムリーな情報をウクライナに提供できる。イスラエルは、自らの経験に基づき、ウクライナを劇的に助けるセンサーと統合的な早期警戒システムも送ることもできる。

 ウクライナにペイトリオットを送るという決断は、もちろんイスラエルに送るのと同じリスクを伴う。捕獲された米製システムは、ロシアとイラン双方に利用される可能性があり、戦場での効力を弱めることになる。すでにウクライナでロシアに鹵獲され、イランに転送されたアメリカのシステムもあると言われている。しかし、アメリカにとっては、アメリカ主導の世界秩序を強化したいという思いが、そうした懸念に優先するかもしれない。

 バイデンとアドバイザーは、そのようなリスクを取る価値があるかどうか、判断しなければならない。しかし、国防総省がすでに世界中に配備している防空システムが、自国軍をカバーするのに十分でない可能性があることも指摘しておく。

  ウクライナ戦争で、各国は自国の国益を明確に認識することを余儀なくされた。この戦争へのイランの関与は、米国、欧州、そしてその他の自由主義諸国が対抗でき、また対抗すべき同盟関係に光を当てている。今ごろになって、バイデンが最近、公式には断っているが、2015年のイランとの核取引は事実上死んだと明らかになった(そして、一部の米欧当局者が取引を復活させる「創造的」な方法を探し続けているとしても)。

 また、不正に抗議する女性や少女の殺害など、イランが行っている深刻な人権侵害も罰すべきである。

 イランが経済的に安定するのを助けるより、あらゆる方法で弱体化させることを目指すべきだ。これがイスラエルを助けることになる。ロシアの侵略戦争を打ち負かすためのウクライナと米国の共同作業にも役立つだろう。■

 

Patriot Missiles to Ukraine: Will Israel’s Iron Dome Follow? | The National Interest

by Jacob Nagel

December 23, 2022  Topic: Russia-Ukraine War  Region: Eurasia  Tags: Russia-Ukraine WarPatriot MissilesIron DomeUkraineRussiaIsraelMissile Defense

 

Brigadier General (ret.) Jacob Nagel is a senior fellow at the Foundation for Defense of Democracies (FDD), and a visiting professor at the Technion aerospace faculty. He previously served as Prime Minister Benjamin Netanyahu’s national security advisor and head of the National Security Council (acting).


ウクライナからのA-10供与要請が開戦直後に米国に出ていた。ペンタゴンは応じなかったが、実現していれば....

 


 

Ukraine Asked For 100 A-10 Warthogs Just Weeks After Russia’s Invasion

USAF

 

オースティン国防長官は、ウクライナからのA-10型100機提供の要請を、非現実的とし、同機は脆弱と却下していた

 

 

クライナのオレクシー・レズニコフOleksii Reznikov国防相は、ロシアによる2月の全面侵攻から数週間後に、ロイド・オースティン国防長官に、地上攻撃機A-10ウォートグ100機を直接要請していたと語っている。その際、オースティンは、要求は実現不可能であるばかりか、ロシア防空網に危険なほど脆弱であるとし、あからさまに拒否したと言う。

 レズニコフのコメントは、ワシントン・ポストが本日未明に掲載した、過去8ヶ月にわたるウクライナ軍向け米軍援助の規模、範囲、展開に関する詳細記事の一部で、全文を読む価値がある。この間、ウクライナに送る兵器システムやその他装備に関するアメリカ政府の立場は大きく変化し、最近は地対空ミサイルシステムのペイトリオット砲台を譲渡する決定をしたが、アメリカ当局者は固定翼戦闘機の送付には慎重なままだ。

 レズニコフは、3月下旬のオースティンとの会談でA-10を要請した理由について、「大量の爆弾を運搬できるし、(ロシアの)戦車隊にも使える」とワシントンポストに語っている。  ウォートグは、30mm GAU-8/A アベンジャー回転バレル砲に加え、8本の翼下パイロンと中央胴体下の3本のパイロンに、各種ミサイル、精密誘導爆弾、「ダム」爆弾、ロケット弾、その他を搭載できる。

 

30mmGAU-8/Aアヴェンジャー回転バレル砲を発射する地上攻撃機A-10ウォートグ。 USAF

 

 

3月、首都キエフの北西40マイルの道路でロシアの大規模な機械化部隊が停滞しているのが明らかになるや、米国では議員を含め、ウクライナへのA-10送付を支持する国民が急増した。戦車や重装甲車、大砲など支援車両でいっぱいの隊列は極めて脆弱に見えたため、ウクライナ軍の攻撃をどう支援できるかが議論されていた。

 レズニコフは、「ウクライナ政府は、公開情報をもとに、100機のA-10が余剰であると結論づけた」という。この情報は、アリゾナ州のデービスモンサン空軍基地に保管中機材である可能性が高い。

 11月時点で、49機のA-10Aと51機のA-10Cの合計100機のウォートグがボーンヤードに保管されていた。しかし、機体の多く、特にA型は、長年にわたりスペアパーツとりで共食いしてきたため、飛行不可能な状態だ。アメリカ空軍は、A-10Cを281機保有し、現役飛行隊と空軍予備軍、空軍州兵部隊に配属されている。ウォートグは1984年で生産終了している。

 

 

ボーンヤードのA-10。 USAF / J.M. Eddins Jr

 

 レズニコフによれば、オースティンはウクライナのウォートグ要請を「不可能」「意味がない」と一蹴し、同機はロシア防空の「格好のターゲット」になると述べたという。

 レズニコフは、「理解できた。合理的だ。私はOKを出した」。

 その後、ソ連時代の戦闘機を派遣する可能性について、各国当局者が非常に公に悩んだが、どれも実現していない。米国と同盟国協力国は、ウクライナ空軍が保有中の戦闘機を支援するため予備部品を送ってきた。この支援は、数カ月の激戦の後も空軍運用を続けるのに役立っている。

 米軍はまた、ウクライナのMiG-29フルクラムとSu-27フランカー戦闘機にAGM-88高速対レーダーミサイル(HARM)を搭載することにも大きく貢献した。これによって、ウクライナ戦闘機はロシア防空体制と交戦するため重要な追加能力を手に入れた。今週、米国防総省はウクライナ軍に「精密空中弾」を譲渡する計画を発表した。報告によれば、GPS利用の統合直接攻撃弾(JDAM)誘導キットを装着した爆弾になるという。

 レズニコフ含むウクライナ当局が3月以降、A-10の要請を再検討したかどうかは不明だ。7月、アスペン安全保障フォーラムで質問に答えたフランク・ケンドール米空軍長官は、ウクライナにウォートグを送ることは可能だと示唆したが、9月にその発言を撤回した。

 ケンドール発言後の7月には、レズニコフの顧問ユーリイ・サクYuriy Sakが、ウクライナ空軍はA-10ではなく、米国製F-16バイパー戦闘機など、高性能の多用途戦闘機を必要としている、と発言していた。彼は、ウォートグでは「爆撃機やミサイルを止めない」、「ロシアのジェット戦闘機や対空防衛の標的になる だけだ」と明言している。

 本日のワシントン・ポスト記事には、米国当局はウクライナのMQ-1C正式要請も否定したとある。

 8月には、ウクライナ軍のメンバーが、市販のコンピュータ、ソフトウェア、バーチャルリアリティヘッドセットなど周辺機器を使って、A-10シミュレータのトレーニングセンターを設立したとの報告があった。しかし、米空軍第355訓練飛行隊のA-10パイロット向けの低コスト訓練に倣ったこの事業が、どの程度正式なかは当時は明らかでなかった。その時点で、ウクライナ空軍にウォートグを提供する案が活発に議論されている兆候はなかった。

 欧米の固定翼戦闘機のウクライナ供与に対するアメリカ政府の長年の立場は、当面変わらないようだ。米国政府関係者は、このような輸送はワシントンとモスクワの間の直接的な緊張を激化させる深刻なリスクとなり、さらに長期訓練が必要でウクライナ軍に潜在的な利益以上の負担を課すことになると主張してきた。

 また、このような航空機がロシアの奥深くを攻撃を行う可能性など、その他の問題も要因に考えられる。バイデン政権は、モスクワとの摩擦が大きくなることを恐れ、慎重である。

 さらに、米空軍はA-10を5年以内に完全に退役させる計画の一環として、A-10削減を積極的に推進中だ。老朽化した戦闘機は、現在ウクライナで行われているような高度な通常戦闘に適さないというのが理由だ。議会は、数十年にわたり阻止してきたが、今やこの案を承認している。

 

飛行中のA-10  USAF

 

 

 A-10売却で、ウクライナや他国への譲渡が新たな議論になるかはわからない。しかし、ウクライナ空軍が現在使用中のソ連時代の地上攻撃機Su-25フロッグフットに代わる、高度かつ生存性の高い機体を提供できる。また、A-10に搭載される弾薬によっては、スタンドオフ攻撃プラットフォームとして使用することも可能だ。

 いずれにせよ、現在のウクライナ紛争は、最終的に同国空軍がソ連時代の戦闘機から近代的な西側タイプへの移行するにつながり、プロセスは遅かれ早かれ開始されるべきというコンセンサスが形成されてきた。

 レズニコフのワシントンポストインタビューや、3月以降の米・ウクライナ当局者のコメントから、ウクライナ空軍の再編成計画にA-10ウォートッグが含まれる可能性はますます低くなっているようだ。■

 

Ukraine Asked For 100 A-10 Warthogs Just Weeks After Russia's Invasion

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED DEC 23, 2022 3:43 PM

THE WAR ZONE


2022年12月23日金曜日

ゼレンスキー大統領の米議会演説が残したインパクト。改めて言葉の力に強い感銘を受けた(2022年12月21日)


mainichi

 

 

日、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、米議会合同会議で演説し、米国の支援に感謝するとともに、戦争へのさらなるコミットメントを呼びかけた。ゼレンスキー大統領の訪米は、極秘に計画された。

 

 

訪問が発表されたのは演説前日であったが、以前から準備が進められていたことは各方面が認めている。まだ、効果は実感できないが、これまでに主要ネットワークで生中継され、絶賛を浴びているようである。

ゼレンスキー、議会を沸かせる

ゼレンスキーは重要目標を達成した。ウクライナの戦いを米国の歴史的経験に位置づけ、「バルジの戦い」におけるバストーニュ防衛とウクライナ東部のバフムートの粘り強い防衛を比較した。

 また、サラトガの戦いを引き合いに出した(独立戦争の主要な出来事をあまり覚えていないアメリカの聴衆の大部分は困惑しただろう)。ゼレンスキーは、ウクライナの戦旗を前線から持参し、アメリカ議会に渡すことで、この比較に感嘆符を打った。

  「ウクライナ兵が新型戦車に乗り、新型飛行機に乗り、米国がウクライナに渡していないシステムを使えれば、米兵は不要になる」と指摘した。

 また、欧米の対ウクライナ援助は慈善事業ではなく、投資であると強調した。米国内では、ゼレンスキーやウクライナの戦争努力への批判の多くは、コストに焦点が当てられている。

 ゼレンスキーはロシアとウクライナの和平交渉で10項目の提案を行ったが、これはキーウの戦争目的が最大主義的であるとの批判に配慮したのだろう。

 提案は、ロシアの完全撤退と大規模賠償を想定し、現状では交渉の針を動かす可能性はほとんどないが、キーウの柔軟性を示唆している。

 この文脈での和平交渉の議論は、少なくとも戦争を終わらせる方法を考えたいウクライナの意欲に対し、欧州各国の神経を和らげる役割も果たすかもしれない。

 

ゼレンスキーは新しいチャーチルか?

演説は、1941年12月26日に行われたチャーチル首相の議会演説との比較を呼び起こした。この演説でチャーチルは、枢軸国に対する世界的な戦争努力へ米国を歓迎し、米国との長期にわたるつながりを強調し、究極の勝利への道のりで両国が直面する課題を詳細に説明した。

 チャーチルもゼレンスキーも、米国はすでに戦争に参加しており、米国の将来は戦場での同盟国の成功にかかっていることを強調している。

 チャーチル演説は、時間的にはゼレンスキーの演説と大差なかった。しかし、チャーチルの言葉は流暢で(中断も少なかった)、2倍の語数を収めていた(参考までに、コメディアンのゼレンスキーなのにチャーチルより笑いどころが少なかった)。

 

ウクライナは戦争についてどう考えているのか 

特に、ある発言は、ウクライナが戦争をどう考えているかを理解する上で、参考になる。

 チャーチルが日本の開戦決定を民衆支持の少ない権力狂の軍人のせいだとしたように、ゼレンスキーは、ロシア人はクレムリンから自分たちの心を解放しなければならないと言った。これらはいずれも、民主主義の連帯と、民主主義と独裁主義の衝突は、根本的には国家間の戦いではなく、イデオロギー間の戦いであるという考えを呼びかけるものだ。

 このイデオロギー的な根拠は、米国にとって利害関係を明確にするのに役立つ一方、ロシアにおける政権交代とロシアの西側との長期的関係という難題を回避することにもなる。

 

ウクライナで今何が起きているのか?

ゼレンスキー訪米の影響を過大評価しないように注意する必要がある。中間選挙の結果やバイデン政権がウクライナ支援を維持すると表明したことを考えれば、米国のキーウへの戦争政策が劇的に変化することはありえない。

 しかし、今回のゼレンスキー演説は、バイデン政権が望むウクライナ政策を維持するツールキットの一部と理解されるべきだ。演説は、アメリカ人に紛争の本質とその中での自分たちの役割を思い出させ、議会の国際派共和党議員に支持を継続する強力な理由を与える。

 

Volodymyr Zelensky

Volodymyr Zelensky and Biden. White House Handout.

 

 

演説はまた、ウクライナに対するアメリカの支援は依然健全であり、ロシアの戦争努力は今後1年間は簡単に期待できないというモスクワへのメッセージにもなっていることを忘れてはならない。■

 

Volodymyr Zelenskyy’s Big Speech: What It Means For The Ukraine War

ByRobert FarleyPublished6 hours ago

https://www.19fortyfive.com/2022/12/volodymyr-zelenskyys-big-speech-what-it-means-for-the-ukraine-war/

 

A 19FortyFive Contributing Editor, Dr. Robert Farley has taught security and diplomacy courses at the Patterson School since 2005. He received his BS from the University of Oregon in 1997, and his Ph. D. from the University of Washington in 2004. Dr. Farley is the author of Grounded: The Case for Abolishing the United States Air Force (University Press of Kentucky, 2014), the Battleship Book (Wildside, 2016), Patents for Power: Intellectual Property Law and the Diffusion of Military Technology (University of Chicago, 2020), and most recently Waging War with Gold: National Security and the Finance Domain Across the Ages (Lynne Rienner, 2023). He has contributed extensively to a number of journals and magazines, including the National Interest, the Diplomat: APAC, World Politics Review, and the American Prospect. Dr. Farley is also a founder and senior editor of Lawyers, Guns and Money.

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2022年12月22日木曜日

航空自衛隊のRQ-4Bグローバルホーク運用が始まった。12月21日。三沢に専用部隊発足。航空自衛隊

 Japan Flies Its RQ-4 Global Hawk For The First Time

Japan Ministry of Defense

 

高空飛行する偵察機RQ-4は、太平洋で緊張が高まる中、日本と同盟国による敵監視に有効だ

 

 

空自衛隊JASDFは、2015年に米国から調達プロセスを開始した新しいRQ-4Bグローバルホーク偵察機の1機目を正式に飛行させた。高高度・長時間耐久型(HALE)無人航空機は、日本の状況認識を強化し、北朝鮮や中国など外部勢力からの攻撃を抑止し対応する方法を模索する中で、日本の監視能力の強化につながることが期待されている。

 ノースロップ・グラマンが設計したRQ-4は、12月21日に非公開の場所で航空自衛隊が初飛行させた。日本が3月に最初のグローバルホークを受け取ってから8ヶ月後となった。グローバルホークは18.7時間の太平洋横断飛行でアメリカから飛来した。その1年前の2021年4月には、ノースロップ・グラマンがカリフォー二ア州パームデール施設で、日本のグローバルホーク無人航空機(UAV)による初の米国内飛行試験を実施した。グローバルホークは、国務省の対外軍事販売プログラムにより、合計3機が日本に購入されている。

 

12月21日、航空自衛隊で初飛行する日本の「RQ-4Bグローバルホーク」。出典:防衛省

 

「グローバルホークは、日本から比較的離れた地域での情報収集や、緊張が高まっる状況での持続的空中監視を行うため導入されます」と、航空自衛隊は3月の声明で述べていた。

 2018年にノースロップ・グラマンが受注したグローバルホーク3機(ブロック30の構成をベース)の国防総省の契約は、4億8990万ドルだった。このUAVの日本仕様3機のそれぞれは、合成開口レーダー、赤外線/電気光学センサー、信号情報装置を備える。今回の受注では、地上管制システム2基と予備品、運用飛行試験支援、通信機器など支援サービスが含まれている。

 グローバルホークは、重量14,950ポンド(6,781キログラム)の超大型無人機で、情報・監視・偵察(ISR)作戦を行うため設計された。高度6万5,000フィート(約2万メートル)を飛行し、34時間以上滞空できる。

 

2022年3月12日、日本に到着したRQ-4Bグローバルホーク。Credit: JASDF

 


 航空自衛隊の新しいグローバルホーク部隊は、本州北部に位置する三沢基地に配備される。2014年から、アメリカ空軍は夏の間、台風や雷雨でグアムのアンダーセン空軍基地でのUAVによるISR業務に支障が出たため、自軍のグローバルホークを多数三沢に常駐させてきた。しかし、2020年以降、この移転は主にアンダーセンと横田基地間で行われている。

 航空自衛隊は、三沢の新型グローバルホークを運用する専門部隊も発足させた。航空自衛隊の航空偵察群は、9月からアンダーセン基地の米空軍第4偵察飛行隊と訓練し、無人偵察機の飛行に必要な手順やプロトコルに慣れ親しんでいる。

 ノースロップ・グラマンによると、グローバルホークは最終的に「地上の指揮統制部隊を含む」日本の情報資産と統合される。グローバルホークの新部隊によって、日本は、米国に加え、オーストラリア、韓国、NATO加盟国など、グローバルホーク無人偵察機の運用を行う同盟国に加わる。 

 グローバルホークは、広大な面積の島々からなる日本が、自国領土への接近をよりよく監視するのに役立つ。また、国際空域から他国を覗き込むことで、軍事活動の監視や広大な土地の監視も可能になる。また、将来的には日本の海軍作戦を支援することも可能だ。

 グローバル・ホークは無防備で、半自動の「デスクトップ」のような「ポイント&クリック」インターフェースを使って操作される。運動能力では価値がないが、提供する情報は敵に対する運動作戦を実行する上で重要な意味を持つ可能性がある。

 グローバル・ホークが日本の偵察活動に導入されたのは、日本が現在の地政学的情勢に対応し防衛政策を大きく転換しているときとなった。これは日本の国家安全保障戦略の中で強調され、日本国憲法第9条が自衛行動のみを行うべきであると述べているにもかかわらず、「相手国の領土で有効な反撃を行う」能力は、それでも「最低限の自衛手段」であると説明されている。

 また、米国が自国部隊の規模を大幅に縮小している中で、日本がグローバルホーク運用を開始する。しかし、RQ-4は日本にHALEの能力を与え、このユニークな任務に対応できる実績のある成熟したシステムを提供する。

 グローバル・ホークが日本と同盟国の情報収集に強力に貢献することは間違いない。■


Japan Flies Its RQ-4 Global Hawk For The First Time | The Drive

 

BYEMMA HELFRICH|PUBLISHED DEC 21, 2022 7:56 PM

THE WAR ZONE