米海軍がカリブ海でマグロ漁船を襲撃し、ヴェネズエラが非難。緊張が高まる中での臨検か(Stars & Stripes)
アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦USSサンプソンの水兵が、2025年6月22日、太平洋で小型艇作戦と飛行作戦を実施。(ジャスティン・ウェッブ/米海軍)
ヴェネズエラの外務大臣は9月13日、ヴェネズエラ領海を航行中のマグロ漁船を米軍艦艇が臨検したと発表し、米国との緊張関係を強調した。ホワイトハウスは、この件に関するコメントの要請にすぐには応じなかった。8月、ドナルド・トランプ米大統領が、ラテンアメリカの麻薬カルテルとの戦いを理由に、南米諸国の沖合であるカリブ海への軍艦の派遣を命じたことを受け、両国間の緊張は高まっている。
イバン・ギル外相は土曜日、声明を読み上げながら記者団に対し、ヴェネズエラのまぐろ漁船が「米海軍駆逐艦によって違法かつ敵対的に臨検された」と述べ、武装要員18名が 8 時間にわたって船内に留まり、通信や漁師たちの通常の活動を妨害したと語った。同漁船はその後、ヴェネズエラ海軍の護衛のもとで解放された。
ギル外相は記者会見で、漁船は水産省から操業許可を得ていたと説明し、事件の写真を提示した。声明と共にヴェネズエラ外務省は、同省によればヴェネズエラ人漁師が撮影した短い動画を配布。動画には漁船の一部、米海軍要員、米軍艦艇が映っていると主張している。
「このような挑発行為を命じる者たちは、カリブ海における軍事的エスカレーションを正当化する事件を画策している」とギル外相は述べ、その目的はヴェネズエラ政権の転覆という「失敗した政策を継続すること」だと付け加えた。外相はこの事件を「違法」かつ「非合法」と断じ、いかなる「挑発」に対してもヴェネズエラは主権を守ることを警告した。
ヴェネズエラ外相の抗議は、トランプ大統領が自国が麻薬積載船を攻撃し乗員11名を殺害したと発言した数日後に発表された。トランプ大統領は同船がヴェネズエラを出港しトレン・デ・アラグアギャングのメンバーを輸送していたと主張したが、米政府はこれを裏付ける証拠を一切提示していない。
ヴェネズエラは米国による超法規的殺害を非難した。南米の同国のディオスダド・カベジョ内相は、ワシントンの主張は「とんでもない嘘」だとし、ヴェネズエラ政府の調査によれば、この事件は麻薬取引とは無関係な同国沿岸地域で失踪した数名の人物に関連している可能性を示唆した。
トランプ政権は、ヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が米国に麻薬を氾濫させるカルテルを率いていると非難し、同大統領の逮捕報奨金を2500万ドルから5000万ドルに倍増させた。米国政府は、同地域に展開中の4000人以上の部隊による地上侵攻計画を示唆していない。しかしヴェネズエラ政府は、万一の侵攻に備え治安部隊を支援するため、市民に民兵組織(武装ボランティア)への参加を呼びかけている。土曜日には訓練のため兵舎へ赴くよう促した。■
Venezuela says US Navy raided a tuna boat in the Caribbean as tensions rise ASSOCIATED PRESS • September 14, 2025
https://www.stripes.com/theaters/us/2025-09-13/venezuela-us-navy-tuna-boat-19079752.html
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