2025年9月19日金曜日

日本のF-15編隊が英国に到着、アトランティック・イーグルスが展開(The Aviationist)

 

日本のF-15編隊が英国に到着、アトランティック・イーグルスが展開(The Aviationist)

Japanese F-15 arrive in UK

航空自衛隊F-15J「Jintei 2」がRAFコニングズビーに着陸(画像提供:グレン・ロケット)

待望の欧州展開に向け航空自衛隊のF-15Jイーグル2機が、まず英国RAFコニングズビー基地に到着した

千歳航空基地を出発し数日後、最初の2機の航空自衛隊F-15Jイーグルが2025年9月18日に英国RAFコニングスビーに到着した。戦闘機はKC-46とKC-767の給油機、および2機のC-2輸送機(うち1機は戦闘機に先立ち9月17日に英国に到着)の支援を受けている。

英国に日本のイーグルが到着

日本のイーグル機の到着は熱烈に待ち望まれており、RAFコニングズビー基地のフェンス沿いや観測エリアには、この特別な瞬間を目撃しようと集まった航空ファンや観測者が溢れかえっていた。日本の戦闘機や輸送機が欧州の空を飛ぶことは極めて稀であり、C-2輸送機が過去にロイヤル・インターナショナル・エアタトゥー開催のためRAFフェアフォード基地を訪れたことはあるものの、航空自衛隊の戦闘機が欧州に展開するのは今回が史上初となる。

F-15は「Jintei 1」「Jintei 2」のコールサインでRAFコニングズビーに到着。機体番号はそれぞれ22-8936と42-8946である。C-2到着記事で触れた通り、日本の機体番号体系は独特だ。最初の数字は納入年の末尾を示す。22-8936は1992年、42-8946は1994年に納入された。2番目の数字「2」は機種に基づいて割り当てられるが、現在および過去に運用された機種数が多いため、一意ではない。3桁目(ハイフンの直後の数字)は航空機の基本任務を示し、F-15は戦闘機用番号の一つである「8」を付与される。最後の3桁は順次割り当てられる。


最初の2機の航空自衛隊F-15JがRAFコニングスビー上空を飛行後、着陸する様子。(画像提供:グレン・ロケット)

日本機は全機が9月18日に到着する予定だったが、残る2機のF-15がリンカンシャー州の空軍基地にいつ到着するかは現時点で不明である。一方、最初の2機は現地の第29飛行隊の格納庫へ牽引され、給油機はRAFブライズ・ノートンに着陸した。

日本側は英国乗組員との数日間にわたる文化交流を予定しているが、F-15Jが英国滞在中に飛行する可能性は低いと広く報じられている。コニングズビーでの滞在後、戦闘機は「アトランティック・イーグルス」展開の次の目的地であるドイツ・ラーゲ空軍基地へ向け再び離陸する。

アトランティック・イーグルス展開

この歴史的な日本の欧州展開は、NATOパートナー国との防衛協力拡大における日本の重要な節目である。この派遣には、千歳第 2 航空団所属の F-15J イーグル 4 機が参加し、約 180 人の要員が同行し、KC-46 および KC-767 給油機、川崎 C-2 輸送機 2 機、および民間オメガ社の KDC-10 給油機が支援を行う。

この任務の英国での活動は、8月下旬に東京で開催された太平洋未来フォーラムでジョン・ヒーリー国防大臣によって初めて発表された。その後、日本がこの派遣を正式に確認し、詳細を説明した。

RAFコニングスビー基地に着陸した航空自衛隊のF-15J「Jintei 2号」。(画像提供:グレン・ロケット)

中谷元防衛大臣は、この派遣について「欧州大西洋地域とインド太平洋地域の安全保障は不可分であるという共通認識を体現したもの」と述べた。さらに、日本の要員は「これらの国の空軍との相互理解を深めることを目指す」と付け加えた。

日本を出発後、戦闘機はアラスカのアイールソン空軍基地とカナダのグースベイに立ち寄り、大西洋を横断して英国のRAFコニングスビー基地に到着した。この基地での滞在後、航空機はドイツのラーゲ空軍基地に向かう。移動中、航空自衛隊の支援機は戦闘機に先立ち燃料・予備部品・地上装備を輸送する任務を担う。

本作戦は大規模演習ではなく、存在感の示威・連絡活動・防衛協力強化を主眼とする。前述の通り、日本の戦闘機が欧州へ展開するのは史上初であり、日本の長距離到達能力と欧州大西洋パートナーとの相互運用性へのコミットメントを示す歴史的意義を持つ。

特に日本が英国・イタリアと共同でグローバル戦闘航空計画(GCAP)に参加していること(現時点ではイタリア訪問は予定されていない)、さらに欧州諸国との数多くの交流があることから、この意義は大きい。実際、近年では英国、イタリア、ドイツ、フランス、スペインの軍用機が相次いで日本を訪問している。


9月17日、英国RAFコニングスビー基地で夕陽を浴びる川崎C-2 58-1218(画像提供:Glenn Lockett)

F-15J

F-15J は、ボーイング/マクドネル・ダグラス F-15 のライセンス生産型で、日本の三菱重工業によって国内生産されている。1980 年に初飛行、1981 年に就役したこの戦闘機は、40 年以上にわたり航空自衛隊の主力として活躍してきた。新たな投資により「スーパーインターセプター」が誕生し、F-15Jフリートの約半数が、レイセオンAPG-82(v)1 AESA (アクティブ電子走査アレイ) レーダーとAN/ALQ-250 EPAWSS (イーグル・パッシブ・アクティブ警告生存性システム) を搭載してアップグレードされる。

この改修により、制空任務以外に、初めて精密誘導対地兵器の運用能力を獲得する。改修機はAGM-158B JASSM-ER(ジョイント・エア・トゥ・サーフェス・スタンドオフ・ミサイル・エクステンデッド・レンジ)を装備し、陸上攻撃と対艦攻撃の両機能を担う。

本改修対象外の機体は最終的に退役し、F-35AライトニングIIに置き換えられる。その後、GCAP(次世代戦闘航空プログラム)で開発される戦闘機が、F-16派生型である日本の多用途戦闘機三菱F-2を代替することが見込まれている。■

F-15J到着時の画像使用を許可してくださったグレン・ロケットに深く感謝いたします!


First Japanese F-15s Arrive in UK for Atlantic Eagles Deployment

Published on: September 18, 2025 at 10:52 PMGoogle News IconFollow Us On Google News

 Stefano D'Urso

 Kai Greet

https://theaviationist.com/2025/09/18/japanese-f-15s-arrive-in-uk/


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