2025年9月4日木曜日

過去最高の6000億ドル防衛予算で日本は無人システム・長距離弾薬を強化へ(USNI News)―令和8年度概算要求の内容をUSNI Newsが伝えていますのでご紹介します

 

過去最高の6000億ドル防衛予算で日本の無人システム・長距離弾薬を強化へ(USNI News)―令和8年度概算要求の内容をコンパクトにUSNI Newsが伝えていますのでご紹介します

自衛隊画像

本の防衛省は、島嶼部侵攻に対抗する長距離弾薬と航空無人システムを優先し、次年度予算として過去最高の6000億ドルを要求した。

防衛省は4月1日開始の2026年度予算として8億7500万ドルを、新プログラム「SHIELD(シールド:Synchronized, Hybrid, Integrated and Enhanced Littoral Defense)」に充てる方針を発表した。防衛省によれば、SHIELDは多層的な沿岸防衛システムであり、陸上・水上・水中・空中の無人システム群をネットワーク化して、侵入する水上部隊や水陸両用部隊に対抗する。

武装無人航空機(UAV)には陸上型と艦載型の両方が含まれる。予算文書によれば、SHIELDの運用開始予定日は2028年3月(2027年度末)とある。

防衛省はさらに、MQ-9シーガーディアン無人機4機、水上艦艇探知能力を有する長距離海上無人機5機、海岸障害物探知及び水陸両用作戦支援能力を備えた沿岸監視無人機6機の調達資金を要求した。

さらに防衛省は、国産及び外国製のスタンドオフ兵器システムに840億円の予算を求めている。国産システムには新型潜水艦発射巡航ミサイル「12式改」、島嶼防衛用超高速滑空弾頭、極超音速誘導ミサイルが含まれる。外国製スタンドオフ兵器には、航空自衛隊のF-35A戦闘機向け「統合打撃ミサイル(JSM)」、航空自衛隊の改良型F-15戦闘機向け「空対地スタンドオフミサイル(JASSM)」、及び海上自衛隊駆逐艦2隻への搭載が含まれる。(JASDF)のF-35A戦闘機向け、航空自衛隊の改良型F-15戦闘機向け「統合空対地スタンドオフミサイル(JASSM)」、海上自衛隊(JMSDF)の駆逐艦2隻へのトマホーク巡航ミサイル装備が含まれる。

予算文書には改良型もがみ級フリゲート1隻の取得費として7億1400万ドルが含まれる。日本は2025年度に同型艦3隻の予算を要求していたが、取得数を1隻に削減することで、オーストラリアが発注した3隻のフリゲート建造が可能となる。2025年8月、オーストラリアは改良型もがみ級フリゲート11隻を発注したと発表しており、このうち最初の3隻は日本国内で建造中である。

その他の海軍関連予算要求は以下の通り:

  • たいげい級潜水艦1隻:8億800万ドル

  • 巡視船2隻:1億9300万ドル

  • あわじ型掃海艇1隻:2億3000万ドル

防衛省はイージス艦2隻(2027年度・2028年度納入予定)の試験運用に5億4100万ドルを要求した。

日本は次年度、F-35A戦闘機8機を10億2000万ドル、F-35B戦闘機3機を4億9200万ドルで調達する。最終的な保有数はF-35Aが105機、F-35Bが42機となる。

P-1海上哨戒機(MPA)1機(総額3億1900万ドル)とKC-46給油機2機(6億1500万ドル)の購入を希望している。予算文書には「戦闘機が南西地域の広大な空域で持続的に作戦を継続するためには支援機が必要」と記されている

防衛省の予算要求は財務省に提出された。予算は内閣の承認を得た後、来年前半に2026年度予算全体とあわせ国会で可決される必要がある。

予算発表と同日、防衛省は一連の試験成功を受け、最新対艦ミサイルの配備を前倒しすると発表した。陸上発射型12式改対艦ミサイルは、早ければ今年度中に納入される。改良12式ミサイルシステムは、2024年10月に米国で試験発射を成功裏に完了した。第2弾の試験発射は来月、再び米国で予定されている。

同システムはまず、九州本島西岸の熊本県・キャンプ健軍に駐屯する陸上自衛隊第5対艦ミサイル連隊に配備される。射程600マイル(約965キロ)超のため、中国と北朝鮮の一部が射程圏内に入る。

次に配備されるのは、静岡県富士キャンプ所在の陸上自衛隊砲兵訓練隊だ。本州にある同基地への配備は2027年度を予定している。

艦載型及び空対艦12式改ミサイルの配備は、2028年度から2027年度へ1年前倒しされる。海上自衛隊の駆逐艦「てるづき」(DD-116)は2027年に同ミサイルを装備する。航空自衛隊では百里基地を拠点とするF-2戦闘機が改良12式ミサイルを装備する最初の航空機となる。同基地は首都東京の北約85キロに位置する。

防衛省は島嶼防衛用に超高速滑空弾の配備も前倒しする。当初計画では、島嶼防衛システムは2026年度に部隊配備される予定であった。現在、陸上自衛隊富士訓練所の砲兵訓練部隊が2025年度にミサイルシステムを受領する予定となっている。

来年には、ミサイルを装備した部隊が2つ創設される。1つは北海道の陸上自衛隊上富良野訓練所、もう1つは九州の陸上自衛隊えびの訓練所に配置される。

島嶼防衛用超高速滑空弾の初試験発射は2024年8月から2025年1月にかけて実施された。最終試験発射は2025年6月から8月にかけて米国で実施され、計画は完了した。


Japan’s Record $60 Billion Defense Budget Seeks Unmanned Systems, Long-range Munitions

Dzirhan Mahadzir

September 2, 2025 5:52 PM

https://news.usni.org/2025/09/02/japans-record-60-billion-defense-budget-seeks-unmanned-systems-long-range-munitions

ジルハン・マハジール

ジルハン・マハジールはマレーシア・クアラルンプールを拠点とするフリーランスの防衛ジャーナリスト兼アナリストである。1998年以降に寄稿し現在も執筆を続ける媒体には、Defence Review Asia、Jane’s Defence Weekly、Navy International、International Defence Review、Asian Defence Journal、Defence Helicopter、Asian Military Review、Asia-Pacific Defence Reporterなどがある

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントをどうぞ。