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2026年4月3日金曜日

CENTCOMでクロードAIはこう使われている。攻撃手順の選定スピードはすでにヒトの認知速度を超えている。

 

「Claude」AIはイラン戦争でどんな役割を果たしているのか

大規模なシステムが危険なほど迅速に戦争を進める技術となった


Defense One

ヴィンセント・カーチディ

アナリスト、フォーキャスト・インターナショナル

2026年3月30日

ンソニー・キングは2025年の著書『AI、自動化、そして戦争』の中で、人工知能を組織構造と最も密接に関連する現象として理解するよう読者に強く訴えている。「この軍事・技術複合体を認識し、理解しようと努めることが極めて重要である。特に……多くの文献がAIを単なる技術として崇拝し、その組織的側面を無視してきたからだ。」

イランとの戦争においてAIがどのように活用されているかを理解するには、アンソロピック社Anthropicのクロード『Claude』がメイヴン『Maven』と呼ばれる大規模な標的選定システムの中でどのような位置づけにあるのか、そして、AIの迅速な配備を求める国防総省の姿勢が、計画担当者の関連データの検証能力を圧倒しかねない状況をどう招いているのかを理解しなければならない。

Mavenの進化

米軍がヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を拘束した後、国防総省の指導部が、チャットボット「クロード」を含むアンソロピック製のAIツールを用いて作戦を計画していたとの報道があった。2月28日に米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始して以来、同様の報告が相次いでいる。例えばワシントン・ポストは、「AIツールが、これまで不可能だった速度で、情報収集、標的選定、爆撃作戦の計画、戦闘被害の評価を支援している」と報じた。

イランのミナブにある女子校でトマホークミサイルが175人の命を奪った後、AIをめぐる疑問はさらに深まった。Week in Worcesterは、国防総省のロジスティクスプログラマーの言葉を引用し、同省が「過去1年間で『Claude』ベースのシステムの活用を拡大し、多くの核心的な作戦決定に統合している」と報じた。

しかし、これはCENTCOM米中央軍におけるClaudeの役割を理解する上で、必ずしも正しくない。

Anthropicのチャットボットは、2010年代のプロジェクト・メイヴンを起源とする、より大規模な「メイヴン・スマート・システム」の一部である。Googleは、アナリストが膨大な映像データから洞察を引き出せるよう支援するためにメイヴンを設計した。しかし、シリコンバレーの巨人である同社は、国防総省への協力を懸念する従業員の声を受け、2018年に撤退した。Mavenの開発はパランティアに引き継がれ、同社は2024年9月、陸軍研究実験室(DEVCOM)からMavenスマートシステムの改良に向けた新たな契約を獲得した。この契約は5年間で総額1億ドル近くに達する可能性があり、パランティアがMavenの機能を拡張することを可能にしたようだ。

パランティアのMavenスマートシステムの概念図:ホルヘ・モレホン/フォーキャスト・インターナショナル

現在のメイヴンは、サブコンポーネントから成るシステムとなっている。その中には、指揮統制、標的情報、戦闘被害評価といった機能的なものもあれば、地理空間情報内の物体を検出する設計の特注AIモデルもある。最終的に、メイヴンは3つの中核機能を果たす。すなわち、標的の生成、標的への弾薬の照合、そして攻撃被害の評価である。

例えば、標的を生成する際、メイヴンはオープンソース情報とクローズドソース情報(DIAの軍事データベースなどを想定)を照合し、紛争前および紛争中に潜在的な標的を特定する。クローズドソースデータは、軍の機密データである。オープンソースデータの価値は、紛争開始後に高まる可能性があり、敵軍の配置や移動に関する手がかりを含むソーシャルメディアなどが含まれるかもしれない。

Claudeは、2つの理由から、メイヴンの必須コンポーネントではなく、追加機能であるように見える。第一に、メイヴンの戦闘被害評価やデータ融合などを担当する部分は、Claudeはおろか、あらゆるLLMよりも以前から存在していた。また、パランティアの人工知能プラットフォーム(AIP)は、Claudeが国防総省の機密ネットワークに統合される以前から、特定のAIモデルへのアクセスを可能にしていた。第二に、Claudeは直接的に標的選定の推奨を行うのではなく、ジョシ氏によれば、他のモジュールやAIモデルの連携を支援する役割を担っている。これは、人間のオペレーターの業務を簡素化する高度なインターフェースと捉えることができる。

軍の計画策定方法

軍における標的選定プロセスでメイヴンがどのように使用されているかを理解するには、プロセス自体を理解する必要がある。The Economistのシャシャンク・ジョシがその流れを説明している

  • 指揮官が特定のシナリオにおける標的選定の選択肢を要求する。

  • 情報部は、衛星画像、信号情報、その他の情報源を用いて、数千もの潜在的な標的のデータベースを構築する。学校などの建物を対象外とする「攻撃禁止」リストもここに含まれる。

  • 「ウェポニア」と呼ばれる担当者が、標的と利用可能な兵器を照合する。

  • 法務担当者が、攻撃による結果を指揮官に報告する。

  • 戦略・計画局が、データベースを作戦計画へ変換する。

  • 作戦部は、作戦計画の指針に基づき、部隊向けの航空任務命令を作成する。

メイヴンの有用性は、こうした標的捕捉プロセスの少なくとも一部の段階を短縮することにあると言える。国防総省(DOD)の方針では依然として、すべての標的は人間が選定するよう求められているが、中央軍(CENTCOM)司令官のチャールズ・クーパー提督は、AIを活用することで、本来なら数日あるいは数時間かかる作業を数秒で完了できると計画担当者が確認していると述べた。これにより、米軍は敵が反応するよりも迅速に動くことができる。

しかし、女子校の誤爆は、標的生成から選定に至る各段階を人間が検証するよりも、メイヴンによる標的選定プロセスが先に進んでしまうことを示唆している。『ニューヨーク・タイムズ』の報道によると、国防総省の予備調査では、当該校舎はかつて隣接するイラン軍基地の一部であったが、2013年から2016年の間に「フェンスで囲まれた」ことが判明した。国防情報局(DIA)はこの変更を見逃したようで、その結果、同校が標的に指定された。

中央軍(CENTCOM)が国防情報局(DIA)が提供したデータの検証に失敗したことは、標的の特定速度が、国家地理空間情報局(NGA)のデータを用いて標的を検証する能力を上回っていたことを意味する。(この傾向はイスラエル国防軍でさらに顕著である。)また、これは、Anthropic社のCEOダリオ・アモデイが致死的な武力行使の決定において信頼性を重視しているという主張が、米国防総省(DOD)の姿勢を理解するための十分な枠組みではないことも示唆している。)

これは新しい問題ではない。ケビン・ベイカーが詳述している通りだ。敵が反応するよりも速く標的を生成しようとする試みは、少なくともベトナム戦争や冷戦の核抑止ドクトリンにまで遡る。今日のメイヴンのような防衛技術での活用は、戦略よりも戦術を優先するものと理解されるべきである――ジョシが指摘するように「作戦上の卓越性」ではあるが、標的と包括的な戦争目的を結びつける「因果メカニズム」を欠いている。

メイヴンはまもなく国防総省(DOD)の正式プログラムとなる。スティーブ・ファインバーグ国防副長官による3月9日付の書簡によれば、4月8日までに、同システムは国家地理空間情報局(NGA)から首席デジタル人工知能室(CDAI)へ移管される予定だ。この措置は、国防総省が長期にわたり同システムへ資金提供を行い、その基盤をさらに強固なものにしてきた結果だ。

防衛産業のサプライヤーは、メイヴンのようなシステムに活用できる技術への国防総省の需要に注目すべきである。これは、少なくともAI加速戦略の一部が本格的に実行されつつあることを示している。技術の発展が人間のチェック機能を凌駕するという、数十年にわたるこの問題における新たな局面に対し、国防総省がどのように対応するかは、まだ見通せない。■

What the Claude AI chatbot really does for CENTCOM

It's part of a much larger system—and the latest instance of tech that makes war run dangerously quickly.

BY VINCENT CARCHIDI

ANALYST, FORECAST INTERNATIONAL

MARCH 30, 2026

https://www.defenseone.com/defense-systems/2026/03/claude-ai-chatbot-centcom/412475/



2025年12月11日木曜日

ペンタゴンがGoogle Geminiの軍用版を採用し、AI利用を全般的に広げようとしている(Defense News)

 ペンタゴンがGoogle Gemini を採用し、AI 利用促進に向けた新サイトを立ち上げた(Defense News)

スティーブン・ロージー

2025年12月10日 午前4時23分

国防総省とピート・ヘグセス国防長官は火曜日、軍および国防総省職員に対し、Google の「Gemini for Government」を皮切りに、生成型 AI の利用を奨励する大規模な取り組みを開始した。(DOD)

国防総省は火曜日、軍関係者、民間職員、契約社員に対して、同省のウェブサイトに掲載されている生成型人工知能機能の利用を奨励する大規模な取り組みを開始した。

Google Cloud の Gemini for Government は、GenAI.mil で開始される最初の AI 機能だと、ピート・ヘグセス国防長官は火曜日にソーシャルメディアに投稿したビデオで述べた。

「アメリカの戦争の未来はここにあり、それはAI と綴られる」とヘグセス長官はビデオで述べた。

「このプラットフォーム(GenAI.mil)は、Google Gemini はじめとする世界最強のフロンティア AI モデルを、すべてのアメリカの戦士たちの手に直接届ける」と彼は語った。

ユーザーは、GenAI.mil にログインするため国防総省発行の共通アクセスカードを持っている必要がある。許可ない者はアクセスできない。

ヘグセス長官は、敵が急速な技術進歩を利用している中、国防総省は「手をこまねいて見ているわけではない」と述べた。

「ボタンをクリックするだけで、GenAI の AI モデルを利用して、深い研究、文書のフォーマット、さらにはビデオや画像の分析さえもこれまでにないスピードで行うことができる」と、ヘグセス長官はビデオで述べている。

国防総省も火曜日に発表した声明の中で、「戦闘力として人工知能に全力を注いでいる」と述べた。

国防総省はまた、AI に関する取り組みは、ドナルド・トランプ大統領が 7 月に発した「AI 技術において前例のないレベルの優位性を達成する」という命令に従うものであると述べた。

Gemini for Government は、「インテリジェント・エージェント・ワークフロー」、つまり自律的なプログラミングが人間の関与を最小限に抑えて意思決定と行動を行うAI プロセスを採用し、国防総省職員が各機能をより多く試せるようにすると、同省は述べた。

「AI 支配をめぐる世界的な競争で2 位には賞はない」 とエミル・マイケル国防次官(研究・技術担当)は声明で述べた。「我々は、Gemini for Government のような強力な AI 機能を、従業員に直接導入するために迅速に動いている。AIはアメリカの次の『マニフェスト・デスティニー』であり、この新たなフロンティアを確実に支配する」。

イーロン・マスクの xAI、Anthropic、OpenAI は、国防総省が国家安全保障任務の支援のために検討しているその他 AI プログラムである。情報分析、ロジスティクス、データ収集は、国防総省が AI の活用によって改善を望んでいる業務の一部である。

国防総省は、GenAI.mil ウェブサイトの利用方法について、無料トレーニングを省内の全職員に提供すると発表した。トレーニングセッションでは、職員にAI ツールの利用を可能にするとともに、機能を最大限に活用する方法を教える。

国防総省は本プログラム利用時のセキュリティ確保の必要性を強調し、GenAIウェブサイト上の全ツールは管理非機密情報(CUI)扱いとし、作戦運用に耐える十分なセキュリティを確保すると述べた。

Gemini for GovernmentはGoogle検索を基盤としており、生成情報の正確性を維持し「AIによる幻覚リスク」を大幅に低減する。

国防総省は、研究開発局傘下のAI迅速能力開発チームがこれらの機能開発を主導したと説明した。■


スティーブン・ロージーについて

スティーブン・ロージーはディフェンス・ニュースの航空戦担当記者である。以前はエアフォース・タイムズで指導部・人事問題を、ミリタリー・ドットコムでは国防総省・特殊作戦・航空戦を担当した。米空軍作戦を取材するため中東にも赴いている。


Pentagon taps Google Gemini, launches new site to boost AI use

By Stephen Losey

 Dec 10, 2025, 04:23 AM

https://www.defensenews.com/pentagon/2025/12/09/pentagon-taps-google-gemini-launches-new-site-to-boost-ai-use/




2017年11月23日木曜日

AIで衛星画像解析を大幅にスピードアップ



AIで消える商売が多いと言われますが、皆さんは大丈夫ですか。翻訳も真っ先になくなるといわれますが、日本語のような2バイトデータの場合はまだ猶予があるようです。衛星画像をAIに解析させたらどうなるか、というのが今回のテーマですね。ISRの世界もどんどん変わっていきますね。


AI CAN HELP HUNT DOWN MISSILE SITES IN CHINA

AIで中国国内のミサイル陣地をあぶりだせ

A surface-to-air missile is seen through a doorway in Zhuhai, China.
QILAI SHEN/BLOOMBERG/GETTY IMAGES

  1. 核施設やその他秘密施設を衛星画像から探し出す技能を有する人材は情報機関でも限られる。だがディープラーニングが得意な人工知能でグーグルやフェイスブックでは人間の顔が簡単にフィルターできるようになっている。そこで米研究者がディープラーニングのアルゴリズムに中国の地対空ミサイル陣地の識別方法を教え込んだところ人の処理の数百倍の速さでできたという。
  2. アルゴリズムで90千平方キロの中国南東部で地対空ミサイル陣地を探索させた。AIで莫大なデータをフィルターし学習させたところ90パーセントの確率で専門家作業と同じ結果が得られた。さらにすごいの作業時間60時間がディープラーニングソフトウェアにより42分に短縮されたことだ。
  3. 「アルゴリズムがミサイル陣地だと確実に言える場所を探し出した後で人間が確認しましたがアルゴリズムで大幅に時間が節約できました」とカート・ディヴィス(ミズーリ大、地理空間情報センター所長)が語る。「これが初めてではないでしょうか。今回どれだけの時間が節約でき、今後の人的活動にどんな影響がでるでしょうか」
  4. ミズーリ大による研究成果は10月6日に Journal of Applied Remote Sensingに掲載されたが、ときあたかもビッグデータの洪水に対して衛星画像解析専門家の不足が目立っている。この分野で中心の民間企業DigitalGlobeは一日で70テラバイトの生の衛星画像を処理しているが、民間衛星や政府のスパイ衛星のデータ量はもっと多い。
  5. デイヴィスは仲間とともにディープラーニングモデルを見せてくれた。衛星画像処理用に大幅に強化改修してあり、情報機関や安全保障専門家の関心を呼びそうな施設を識別できるようになっている。ディープラーニングモデルにはGoogleNetやResNet’Microsoft Researc)がありもともとは写真ビデオ映像の処理用に作成されたものがあるが、ディヴィスのチームはこれらで衛星画像の処理にあたらせ、途中でディープラーニングにカラー、白黒双方の画像の解析を教え込み、SAM陣地画像が白黒しかない場合に備えた。
  6. チームは北朝鮮全土より狭い範囲の中国領土の写真を使った。
  7. 実際に北朝鮮の兵器開発の動向は衛星画像を日々解析して把握されている。解析専門家でほぼ全数のSAM陣地を比較的小さな同国で探している。だがディープラーニングツールでも自動的に新規SAM陣地が現れればフラッグを立ててくれる。新規SAM陣地を見つけ出すことで別の関心を呼ぶ施設を発見することもあるのは貴重な装備を守るためSAM陣地を敷設することがあるからだ。
  8. 最新研究ではディープラーニングAIを衛星画像解析に応用する課題にも触れている。そのひとつに訓練データベースに必要な例が足りず、衛星画像の正確な識別が困難なことがある。ミズーリ大チームは一般公開情報で世界各地の2千点近いSAM陣地画像にDigitalGlobeの衛星画像を組み合わせて訓練用データを作成してからディープラーニングモデル四点を試し最良の作動モデルを選び出した。
  9. 研究チームはAIの訓練用にあきらかに中国SAM陣地とわかるもの90点を選び出した。これだけの訓練ではディープラーニングを正確に行えないことが多い。ディヴィスのチームはこの90例をわずかに角度を変えることで893千例に変えた。
  10. ディープラーニング成果が今回出たのはSAM陣地が衛星から見た場合に特徴のあるパターンを示し比較的大きいためもある。ただしディヴィスはこれより小さな移動式レーダー装備や軍用車両で同等の効果は期待できないと注意する。今使える衛星画像のピクセル数が小さく識別の効果が出ないためだ。
  11. 不完全なAIでも情報収集に大いに役立つ。例として国際原子力エネルギー機関はすべての核施設を申告通りに監視しながら未発見施設を200か国で探す面倒な仕事を抱えている。ディープラーニングツールでIAEA他機関は衛星画像で原子力発電所はじめ大量破壊兵器の開発状況を監視できるはずとミドルベリー国際研究所(カリフォーニア州モントレー)の東アジア非拡散研究の主任研究謹メリッサ・ハンナムが指摘している。
  12. 「この世界では大量のデータがあり完璧なデータ少しよりたくさんのデータを生かす方が優れていると言えます」■