2020年8月19日水曜日

RIMPAC 2020が開幕。COVID-19のため規模縮小し、海自から いせ、あしがら が参加。


RIMPAC2020に向けハワイ真珠湾を出港するUSSエセックス(LHD-2) Aug. 10, 2020. US Navy Photo

 

 

太平洋演習が規模を縮小しハワイ沖合で本日開幕した。COVID-19のため参加国は当初の三分の一、人員は五分の一となった。

 

だが演習司令の米第三艦隊司令官スコット・コン中将はRIMPAC 2020開始のメッセージで規模は縮小されたものの太平洋を取り囲む諸国の相互運用体制の実現という演習の目標は十分実現できると述べている。

 

「当初RIMPAC 2020は三十か国の水上艦潜水艦50隻航空機200機25千名の規模で企画し、さらに陸上で4千名を支援に充てる構想だった。その通りなら史上最大規模のRIMPACになっていただろう。だが10か国22隻、潜水艦1、海上人員5,300名に縮小した」(コン中将)

 

「参加10カ国はオーストラリア、ブルネイ、カナダ、フランス、日本、ニュージーランド、韓国、フィリピン、シンガポール、米国で、これから二週間の訓練で各種の想定で運用技術を磨く。今年は海洋戦に中心を置き、対水上艦戦、対潜戦、海上阻止行動、実弾発射を展開する」

 

前回2018年は25か国45隻、潜水艦5、25千名がハワイから南カリフォーニアに至る海域に6月末から8月にかけ展開し、ロサンジェルス級潜水艦一隻から20年ぶりとなるハープーンミサイルの発射、各国海軍がテスト中の新型装備品の展示、さらに退役米海軍艦艇を実際に沈める演習(SINKEXs)を二回実施し、ここではシンガポール海軍の実弾が命中し予想より早く完了した。

 

今年は1971年の開始以来通算27回目の実施となり、2週間で完了する。陸上イベントはなく、揚陸演習もない。乗組員は演習海域到着からずっと艦内に留まり、例年のような各国人員が一緒の夕食風景も見られない。

 

SINKEXは一回のみで旧USSダーハム(チャールストン級揚陸貨物輸送艦)を実弾射撃で処分する。「各国部隊には運用技術を磨き、装備品への自信を強めるまたとない機会となる」とコン中将は記者団に文書で説明している。期間短縮で恒例の技術展示はなく、自由競技会も開催されない。後者は各国指揮官に多国籍部隊として課題を与えるものだ。

 

ただし、中国との領土問題に多数国が直面する中で最大限の参加国が集うことに意義があるとコン中将は述べている。「艦艇、人員を危機の際に集結させる能力があるうち、相互作戦体制を確立し、主要国との関係強化を図るが、幸い今は危機の真っ最中ではない。人間関係を築き、確立済みの信頼をさらに強化したい。このためRIMPAC 2020で関係者間のみならず世界に対して各国海軍部隊が一致団結して危機へ対処する決意があると示したい」

 

USNI Newsは参加国に中国の一帯一路構想で財政投資を受けるところが多い中で各国間の交流時間が減る意味についてコン中将に尋ねてみた。

 

コン中将は中国の名に触れず、以下回答してきた。「RIMPAC演習は二年おきとなっている。今回のRIMPACが終われば、次回演習の企画が始まる。招へい国も代表者を派遣し次回予定の調整にあたる。これにより各国には制服組代表同士の意思疎通、仲間意識、信頼が強まる」

 

また「RIMPACはこれまで同じ意識を共有するか国海軍が危機状況が到来しても域内安全と安定の確保のため共同作戦を展開する能力を培ってきたが、今回は海上演習のみになったRIMPAC 2020もこの点で例外ではない。ただし、残念ながらこの形での実施ではハワイ住民や演習参加国間の直接の接触はない。実はRIMPACではこの形の接触が重要な要素だ。一方でRIMPACの実施を見送れば別の不利益が生じる。海上交通の自由な流れを止めてはならず、守られなければならない。そのため我々は危機に対応する準備ができており、人為的な脅威のみならず自然災害にも対応する。RIMPACにより共同対処する能力が強化され、信頼も築かれる」

 

今回は海上行動に主軸を置き、陸上活動は中止となったため、米海軍の陸上支援要員も前回の600名が100名弱に削減された。各員はハワイへ移動したあと14日間の隔離措置を受け、さらにCOVID-19感染がないことを確認して演習に参加するとコン中将は説明。

 

さらに演習中も艦内でCOVID-19テストの準備ができているという。演習参加艦艇には医療室の整った艦もあるが、事態が進展し医療室の処理能力を超えた場合は、ハワイの軍施設へ搬送する。各艦艇はパールハーバー-ヒッカム共用基地で燃料糧食を補給するが、乗組員は艦を離れず、港湾関係者と接触しない。

 

「RIMPAC開催中は地元との接触は一切ない。しかしながらハワイ州民のみならず米国含む各国乗組員の安全健康の確保のため全力を尽くす」(コン中将)

今年の参加艦艇は以下の通り。

 

Australia

  • HMAS Hobart (DDG 39)

  • HMAS Arunta (FFH 151)

  • HMAS Stuart (FFH 153)

  • HMAS Sirius (O 266)

Brunei

  • KDB Darulehsan (OPV 07)

Canada

  • HMCS Regina (FFH 334)

  • HMCS Winnipeg (FFH 338)

France

  • FS Bougainville (A622)

Japan

  • JS Ashigara (DDG 178)

  • JS Ise (DDH 182)

New Zealand

  • HMNZS Manawanui (A09)

Republic of Korea

  • ROKS Seoae Ryu Seong-Ryong (DDG 993)

  • ROKS Chungmugong Yi Sun-Sin (DDH 975)

Republic of the Philippines

  • BRP Jose Rizal (FF 150)

Singapore

  • RSS Supreme (FFG 73)

USA

  • USS Essex (LHD-2)

  • USS Lake Erie (CG-70)

  • USS Chung Hoon (DDG-93)

  • USS Dewey (DDG-105)

  • USCGC Munro (WMSL-755)

  • UNSN Henry J. Kaiser (T-AO-187)

  • USNS Sioux (T-ATF-171)

  • USS Jefferson City (SSN-759)



この記事は以下を再構成したものです。


Scaled-Back, At-Sea RIMPAC 2020 Exercise Kicks Off Near Hawaii

By: Megan Eckstein

August 17, 2020 10:48 PM • Updated: August 18, 2020 10:38 AM


2020年8月18日火曜日

DEW(指向性エナジー兵器)開発はどこまで進んでいるのか

 向性エナジーが実用化されれば戦力増強効果は莫大となり、このため同技術の開発に重点がおかれている。

「指向性エナジー兵器」構想はかつては空想科学小説の世界だけの存在だったが、早くも1930年代に英航空省が「殺人光線」兵器の開発を検討していた。研究はロバート・ワトソン-ワットが担当し、実現不可能とわかり、研究成果はレーダー開発に流用された。

 

指向性エナジー兵器の開発は既存技術をもとに継続されており、高出力マイクロウェーブ波もその一例だ。一方でロッキード・マーティンなど防衛産業の電磁エナジー研究開発も進んでおり、高出力にして画期的な指向性エナジー兵器の実現をめざしている。

 

調査企業GlobalDataがこのたび発表した報告書では指向性エナジー兵器(DEWs)の技術成熟度が急速に伸びており、広範囲で活用できる実用的かつ費用対効果に優れた運用が視野に入ってきたとある。その通りに開発配備が進めば、DEWsには大きな革命的効果を長期にわたり生む可能性がある。

 

同社報告書ではここ20年間でDEWsの軍事活用は研究開発段階から作戦部隊に移り、なかでもレーザーの軍事利用は高効果を生む手段と認識されるようになった。また報告書では資金投入の増加傾向が多くの軍で見られ、2030年代にかけてもこの流れは続くとあり、研究開発活動がさらに拡大される。

 

米国はDEWs開発で世界をリードし、2017年度から2019年度だけでも資金投入を535百万ドルから1,100百万ドルと倍増させている。その他国に中国、インド、ロシアがあり、DEWs開発を急いでいる。ただし、こうした各国は米国に匹敵する熱意を同技術に示していない。イスラエルは中東北アフリカ地域で唯一同技術に力を入れている。

 

現在のDEWs開発の中心は防御用途で、重要インフラ施設の防御や軍用車両、装備品の防衛も期待されている。具体的には飛来するミサイル、ロケット弾、無人機、無人機の群れ、小舟艇に対応する構想だ。

 

「今のところDEWsは防衛に焦点を合わせており、大きな可能性を秘めるものの、通常型兵器に対しても優位性を発揮できる。そ光速性能、精密攻撃、規模を自由に制御できる特性、補給面での優位性、また発射当たり低コストであることがその理由だ」とGlobalDataでアナリストをつとめるヌレッティン・セヴィ(トルコ陸軍大尉)は指摘。

 

「DEWsは最近になり既存の運動性兵器と並んで戦闘場面に投入されるようになってきた」とセヴィはいう。「将来の戦闘場面を一変する可能性を秘めている。ただし、軍、防衛産業は課題を抱えており、レーザー兵器では大気の状態で効果が下がり、拡散、あるいは振動、熱ブルーミングといった問題を解決していない」

 

DEWs技術で高度技術の脅威に十分対抗できるとされ、極超音速ミサイルや無人機の同時投入もその例という。DEWsは非殺傷用途にも投入可能で、デモ隊鎮圧や機械類を作動不能にできる。GlobalDataによれば指向性エナジーは今後さらに威力を増大させ、戦闘の成否を握る存在になるばかりか既存兵器にとって代わる存在になるという。

 

「戦場に投入可能なDEWsがあるかないかで2020年代の軍部隊の差がひろがるはず」とセヴィはいう。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

Forget Stealth Fighters: Will Directed-Energy Weapons Revolutionize Warfare?

August 13, 2020  Topic: Security  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: MilitaryTechnologyWeaponsWarEnergy

by Peter Suciu

 

Peter Suciu is a Michigan-based writer who has contributed to more than four dozen magazines, newspapers and websites. He is the author of several books on military headgear including A Gallery of Military Headdress, which is available on Amazon.com.


2020年8月17日月曜日

南シナ海、東シナ海での中国の動きに米国はどう対応すべきかを米調査局はこう伝えている

 今回は2020年8月6日に米議会調査部が提出した報告書「議会向け資料 南シナ海・東シナ海における米中戦略競合の背景と争点」U.S.-China Strategic Competition in South and East China Seas: Background and Issues for Congressの内容を紹介する。

 

以下報告書より

大国間の競合状況に再び突入した国際安全保障環境において、南シナ海(SCS)が米中の戦略競合の舞台として浮上してきた。SCSでの米中戦略競合状態はトランプ政権による対中政策が対決色を強める根幹理由となっており、同政権はインド太平洋地区を自由で開かれたインド太平洋(FOIP)に整備しようとしている。

 

近年のSCSでの中国の動きに大規模人工島構築、スプラトリー諸島での基地建設に加え、海洋部隊により周辺国のフィリピンやヴィエトナムに中国の主張を示していることがあり、米国の観察では中国はSCSで実効支配を強めていると映る。日本の統治下にある尖閣諸島は東シナ海(ECS)にあり、ここでも中国艦艇が行動を活発化しているのも米国の懸念するところである。中国が自国近隣海域のSCS、ECSを黄海とならび支配すれば、米国の戦略、政治、経済各面での権益がインド太平洋その他で結果的に影響を受ける。

 

SCS、ECSでの米中戦略競合で米国が最終的にめざす一般目標は次の項目に留まらない。西太平洋地区における米国の安全保障コミットメントとして条約上のコミットメントが日本とフィリピンに対し存在すること。米主導の安全保障の仕組みづくりを条約上の同盟国と協力国が対象として西太平洋で進めること。域内の力のパランスを米国や同盟国協力国に有利な形で維持すること、紛争の平和的解決原則に立ち、国際問題で「無理が通れば道理が引く」状況の台頭に屈しないこと、航行の自由ともいわれる海洋移動の自由原則を防護すること、東アジアで中国が覇権を確立するのを阻止すること、ならびに対中関係関連や広義の戦略競合関係の一部として各目標の実現をめざすこと、である。

 

SCSおよびECSにおける米中戦略競合で米国が今後具体的に目指すべき目標発議だけに留まらない。スカボロー礁でこれ以上の基地構築は中国に断念させること。SCS内地形周辺の基準線を設定すること、SCS上空に防空識別圏(ADIZ)を設定すること、ECSでは尖閣諸島周辺における中国艦艇の活動を縮小または終了させるよう働きかけること、スプラトリー諸島内でフィリピンが実効支配する地点へ圧力をかけている中国の動きを終了させる行動、スカボロー礁またはスプラトリー諸島へのフィリピン漁船によるアクセスを拡大させること、海上の自由の定義を米国西側勢力で採択すること、2016年7月に下ったSCSにおけるフィリピン-中国事案の仲裁結果を受け入れ順守すること。

 

トランプ政権は各種手段でSCS、ECS双方で中国との戦略競合に対応してきた。トランプ政権によるSCS、ECSでの対中国戦略競合方針が妥当かつ正しく裏付けがとれているか吟味するのが議会の課題である。また戦略の承認、却下あるいは変更も議会の職務であり、実施に投入する資源について、あるいはその双方についても同様である。

 

報告書本文は hereをクリックしてください。

 

この記事は以下を再構成したものです。

Report on US-China Competition in East, South China Sea - USNI News

August 14, 2020 12:19 PM

The following is the Aug. 6, 2020 Congressional Research Service report U.S.-China Strategic Competition in South and East China Seas: Background and Issues for Congress.

調査機関を議会が持っているのはうらやましい限りですが、こうした報告書が議員にどこまで影響力を持っているのか知りたいところですね。


2020年8月16日日曜日

イスラエル-UAE正式国交樹立の背景

 US Government graphic

“Look at the map and you will understand the huge importance of the agreement,” one expert told Breaking Defense.


スラエルとアラブ首長国連邦の国交樹立という歴史的発表が出たが、その裏で両国は地道な協力を続けてきており、イランが共通の敵との認識で一致している。


イスラエル、UAEの国交樹立前にモサド、退役軍関係者、サイバーセキュリティ専門家が頻繁に同国を訪問していた。


UAEを見てイスラエルと制式に国交関係を樹立する兆候が湾岸諸国に現れており、イラン神権政治の強硬態度への反発が背景にある。UAEはイエメンでイランが支援するフーシ派と戦闘を展開している。


UAEの動きが注目を集めるのは、同国が戦略的に重要なホルムズ海峡の南方沿岸を広く支配しているためで、北側に陣取るイランはこれまで何度も原油輸送で重要ルートの同海峡封鎖を公言してきた。国際報道ではイスラエル潜水艦部隊が同海域に活動中で、「特殊兵器」を搭載しており、イランがイスラエルに向け弾道ミサイルを発射すれば報復攻撃する準備ができている。「地図を見れば今回の合意内容の意味がわかる」とある専門家は指摘している。


イランが早速非難声明を出してきたのは想定内だ。公式声明でイランイスラム共和国はUAEが「インチキ、非合法、非人道的シオニスト政権」と国交正常化に動いたのは「恥ずべき試み」とし、ペルシア湾でのイスラエルの介入をけん制した。イラン革命防衛隊と関係が深いとされるタスニム通信社はUAE訪問のイスラエル代表団にモサド長官もいたと強調している。


実際にイスラエル情報機関モサドの上位関係者はこの数年UAEを頻繁に訪問してきた。またイスラエルのサイバーセキュリティやビッグデータ分析の専門知識が在UAEのイスラエル企業を介し流入している。両国の軍部交流は情報共有に留まっているが、イスラエルの軍、情報部で退役後にUAEで職につく傾向が強まっている。


議論になっている例にUAE民間セキュリティ企業ダークマターがあり、同社は組織的にイスラエル国防軍のエリートハッカーチーム、8200部隊の元関係者を採用している。人権活動家はイスラエル専門家はUAEで反政府集団とくにイランとつながる対象の監視活動を支援していると批判する。


今回の外交関係樹立でイスラエル国防企業はUAEで事業展開する道が開けた。UAEへの武器輸出はまだ検討されていないが、米援助資金の新規制によりイスラエル防衛産業に米国内に子会社設立が相次いでおり、ここを通じた協力事業の可能性が出てきた。


モシェ・ダヤンセンター理事でイラン研究が専門のウジ・ラビ教授は「イスラエル製軍用装備品の直接販売が将来可能になる」とし、「だが同時にイスラエルの専門技術を介した協力関係ではUAEの資金協力で国内セキュリティ関連のシステム構築に向かうのではないか」


ラビ教授はイランがUAE最大の脅威と指摘する。「経済のつながりは表面上こそ強固だが、イランはUAEが直面する敵対勢力であり、これからさらに強硬になっていくだろう」■


この記事は以下を再構成したものです。


Years Of Intel Contacts Laid Foundation For UAE-Israel Deal

https://breakingdefense.com/2020/08/years-of-intel-contacts-laid-foundation-for-uae-israel-deal

By   ARIE EGOZI

on August 14, 2020 at 2:12 PM


米海軍潜水艦部隊にアグレッサー隊が誕生。ただし....

 海軍は潜水艦アグレッサー部隊を発足させており、潜水艦戦、対潜戦双方に中国、ロシアを想定した対応の訓練に投入し、新戦術、新手順で脅威に対抗する。焦点となる分野の一つに電子戦の潜水艦運用への影響を見極めることがある。

 部隊は略称がAGGRONで水中戦開発センター(UWDC)に所属する。UWDCの本部のあるニューロンドン海軍潜水艦基地(コネチカット州グロートン)とポイント・ロマアネックス(カリフォーニア州サンディエゴ)に拠点を置く。同隊は2019年春から夏にかけて発足していたことが潜水艦部隊の公式出版物でわかる。海軍はAGGRONの立ち上げを2018年時点で発表していた。

「目標は経験にたけたレッドチームを相手に戦闘原則、戦略、戦術を磨き潜水艦乗員に戦闘シナリオを体験させること。レッドチームのつわものはリアル、ヴァーチャル含め訓練に投入していく」とチャールズ・リチャード中将(潜水艦部隊司令、当時)が2019年春に語っていた。「さらに遠隔地の攻撃指令所からレッドチームへ命令を伝える接続性を試す」「レッドチームの知見を潜水艦学校に反映できるようになる。アグレッサー部隊と最良の訓練シナリオの実現をめざしていきたい」


USN

ロサンジェルス級攻撃潜水艦USSアッシュビルがフィリピン海を浮上航行中。2020年6月



 アグレッサー部隊は「対抗勢力」OPFORとも呼ばれ、敵方つまり「レッド」部隊として実際に使われている戦術や教義を忠実に再現する。演習に現実味が加わり、自軍の「ブルー」部隊に実戦で敵が示す動きを体験する機会が生まれ、作戦構想が有効か試すことも可能となる。

 AGGRONで副司令をつとめる主任訓練教官の職務リストには「SUBFORで対抗部隊OPFORの性能を模擬する主任教官役を務める」とある。「DON(海軍省)及びDoD(国防総省)での敵勢力潜水艦戦およびASW(対潜戦)戦術の専門家になること」ともある。

 AGGRONは今後登場する戦術の有効度を試す手段として、さらに自軍能力をチェックする役目を負うことになりそうだ。さらに海軍が2020年8月13日付で発出した職務リストでは「潜水艦運用により各種電子戦(EW)プロジェクトを支援し、UWDCのAGGRONにおけるEW SME(該当分野の専門家)となること」との項目もある。

各プロジェクトの中身は不詳だが、電子戦は米軍内で関心が急速に高まっている分野であり、敵勢力でも同様で特にロシアの動きがある。今年初めだがロシア海軍も潜水艦発射式の使い捨てジャマーにより敵のソノブイを使用不可にできると発表していた。

 潜水艦の性能では海軍の秘密におおわれたネットワーク化電子戦エコシステムのNEMESIS(統合センサー対抗ネット化複合要素音紋)もある。ネットワーク化電子戦エコスシステムは今後の戦闘の様相を一変させる可能性を秘めている。潜水艦から無人潜水機を発進させる技術も進展しており、ここに電子戦ペイロードを搭載すれば間違いなく効果を上げるだろう。

 いうまでもなく、電子戦以外でも水中戦さらに潜水艦対潜水艦の戦闘には複雑な様相を示すものだ。敵の対戦部隊も水上あるいは空中から複雑な運用を迫られる。

 直接対決の形で訓練を米潜水艦とあるいは同盟国所属の艦と実施すれば、有効性を実証できる。米軍では空軍と陸軍にOPFOR部隊がすでにある中で海軍には潜水艦アグレッサー部隊があれば効果が期待されながら、これまで存在してなかった。

 ただし、AGGRONの前にも海軍は同じ構想を試している。2000年代中ごろにスウェーデンからMSwMSゴトランドを借り上げ、大気非依存型推進(AIP)方式のきわめて静粛なディーゼル電気推進の同艦をアグレッサー役に投入したことがある。ゴトランドは米海軍の原子力潜水艦やその他対潜部隊に実戦に近い体験の機会を実現した。米海軍はディーゼル電気推進艦運用を終了しており、世界各地で広く運用されている同方式の艦しかも高性能新型艦を投入したのはまれな機会となった。

USN

2005年サンディエゴの乾ドックに入るHSwMSゴトランド。米海軍が借り上げ運用開始した直後。


 そこで新編成のアグレッサー部隊がこのギャップを埋めるには相当の時間が必要になりそうだ。リチャード中将が想定していた部隊は海軍航空部隊の有名なトップガン戦闘機パイロット養成事業の潜水艦版だった。トップガンでは訓練後に原隊に復帰する。また一部は教官となり、自らが学んだ内容を後輩に伝えるのだが、潜水艦部隊にもこの構想が応用できると考えたのだ。

 リチャード中将は昨年、AGGRONはすでに知見の共有に取り組んでいると指摘していた。アグレッサー部隊は水上艦、固定翼機、回転翼基含む広範な対潜部隊全般にも恩恵を与えており、敵部隊を模す相手に技術を磨いている。

 残念ながらAGGRONには一つ重大な欠点が残ったままだ。少なくとも2019年末時点では専用の潜水艦を保有していなかった。とはいえ同隊にSSN数隻が配備されても、そのまま敵の戦力を反映するわけではない


RUSSIAN MOD

プロジェクト885ヤーセン級原子力誘導ミサイル潜水艦のセヴェロドヴィンスクはロシア潜水艦中で最高性能を誇る

 

 ロシアや中国では原子力推進の新鋭艦以外に高性能AIP搭載ディーゼル電気推進艦もその他各国と並び整備中だ。前述のように米海軍に同じタイプの艦がない。AGGRONもSSN向け演習でこうした艦がない中でディーゼル電気艦を模した運用を行うのは困難だ。

 ロシア、中国が潜水艦整備を進め、運用が活発になりつつあることへ懸念が高まる中、米海軍は潜水艦需要にこたえるのに苦慮し、定期整備も予定通り進んでおらず、AGGRONに専用艦が配備される日が早々に来るとは思えない。本誌では新型で低費用のディーゼル電気推進潜水艦を調達すれば、アグレッサー部隊の実効性があがると主張してきた。AGGRONで得られる成果は今後登場する新型原子力推進攻撃型潜水艦の開発にも資するはずだ。

 米海軍ではAIP搭載艦も含む同盟国の潜水艦との演習も定期的に実施している。その中で、ゴトランドと同様の借り上げ契約あるいはAGGRONが同盟国艦との共同訓練の機会を増やすことが現実味を増している。

 とはいえ、海軍に潜水艦アグレッサー部隊が初めて生まれ、現在のさらに将来の水中戦、対潜戦に対応する能力向上以外に潜水艦部隊にも現実の脅威への準備体制が高まることは間違いない。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

The Navy Now Has A Submarine Aggressor Squadron

 

  • The unit is intended to provide Navy submariners and anti-submarine forces with an opponent that fights just like a wide range of potential foes.

  • BY JOSEPH TREVITHICKAUGUST 14, 2020


2020年8月15日土曜日

統合参謀本部議長あて公開書簡への反論 軍が出動しても解決にならないし、期待するべきでもない

先に掲載した物議を醸す公開書簡への反論です。これが同じDefense One に掲載されたのはさすがに言論上のバランスをとる編集側の配慮があったからでしょう。

 

選したトランプをホワイトハウスからミリー大将が追い出すべきと考えるのでは無責任すぎるし、組織面でも無意味だ。

 

本稿はジョン・ネイグルおよびポール・インリンによるあまりにも無責任な見解が昨日公開されたことに反駁すべく準備した。両名は統合参謀本部議長に対し、米軍部隊でトランプ大統領をホワイトハウスから排除する命令の準備を求め、両名は共和政体の危険事態として解決が必要となる場合に備えるべきと主張した。この事態に備え検討するだけでも米国民と軍に所属する者の間の信頼関係を損ないかねない。選挙で選ばれていない軍関係者が判事、陪審員、執行者の職責を果たすべきと主張する両名は憲法を批判していることになる。

 

この国の建国では軍が選良の権利侵害をする可能性を懸念している。それは憲法に全軍最高司令官としての大統領と議会の間で責務を区別していることでもわかり、「軍部隊を整備し支援する」権限、「海軍を創設し維持する」権限、「武装を与え訓練させる」権限、「武装民兵を招集する」権限を与えていることでも明らかだ。常備軍の維持は当時は財政の浪費とみなされ、政治的な力の行使は個人の自由および共和政体双方に脅威とされてきた。

 

軍組織が選良ジョージ・ワシントンの権限を防護する役割に徹したのは実に幸運なことだった。米国民はその他民主政体では不可能なほど政策面で影響を受けており、自国の軍組織に信頼を寄せている。これは軍に服従の態度が深くしみこんでいるためである。軍事力行使をためらう態度があるため、軍の政治力発揮を妨げている。ネイグル-インリンの両名は米軍に政治結果の仲裁役を期待するよう国民をけしかけようとしており、これが実現すれば軍組織の精神ならびにこの国の特徴が不可逆的に一変してしまう。

 

憲法には大統領が辞職を拒んだ場合の解決策で規定がある。裁判所が選挙が法に従い執行されたかを判断し、下院が選挙団の投票結果を確認する。極端な場合でも、選挙結果を巡り意見が対立すれば、第20憲法改正分に条項が盛り込まれており、「大統領、副大統領の任期は1月20日正午をもち終了する」とあるのは、大統領承継にあたり法による支配が明確に存在する証左だ。新たに選出された、あるいは任命された大統領の宣誓式は主席判事が執り行い、前任職の権限はすべて消滅する。その時点から文官大統領を除き、軍やその他政府機関による命令は一切が非合法となる。

 

当然ながら法律とは自らで執行されない。軍以外の連邦政府機関が国内での法執行に責任を有している。この原則にも例外はあるが、各機関の法律上の権限と国内での権力を軍にそのまま移譲することは許されていない。

 

ネイグル-インリン両名はトランプ大統領が暴力をふるうデモ参加者と呼び、治安部隊(両名は民兵と表現)が街頭にあふれる悪夢に触れており、正直に言うと当方もこの懸念を共有している。だがシアトル、ポートランド他米都市で活動する治安部隊には法的根拠があった。米軍部隊をデモ隊制圧に動員すれば、軍は文官統率から解き放たれる。これでは米国民が軍に示す信頼の基盤が崩れてるし、政治的紛糾を解決可能なのは軍のみとなってしまう。

 

両名には軍で方針決定の経験があるのに、統合参謀本部議長に指導者の役目を提唱するとは驚くばかりだ。ミリー大将には軍で知名度が一番高いことから主張を伝えたのだろう。あるいはブラック・ライブ・マターズ運動中のラファイエット広場への対処で大統領、司法長官とともに芳しからぬ騒動に同大将が巻き込まれたことが念頭にあったのかもしれない。

 

だが実際問題として、クーデターを提唱するのなら、指導者には実際の部隊に指揮命令権限を持つ人物をあてるべきだ。統合参謀本部にはごく少数の兵員が配置されているが、統合参謀本部議長には手駒となる兵員はいない。1949年に議会が統合参謀本部議長の役目を定義したが、議長職を基本的に弱くした理由は、まさしくネイゲル-インリンの主張と同じだった。

 

ネイグル-インリンはミリーに直属部隊がないことから軍事組織内では大統領選挙が紛糾した場合でも脅威になる人物ではないと値踏みしたのではないか。だが、この見方はミリーが憲法に反し軍事力を動員したら暴力の連鎖がますますエスカレートし、法の秩序が回復不可能となる可能性に相反する。また米国民が軍部に寄せる信頼にひびが入る可能性も無視している。

 

 

コリー・シェイクはアメリカンエンタープライズ研究所で外交防衛政策研究長を務める常勤研究員。

ジム・ゴルビーはテキサス大学オースチン校のクレメンツ国家安全保障センターの上級研究員で、戦略国際問題研究センターで民間と軍の関係に触れる"Thank You for Your Service" ポッドキャストの共同ホストを務める。NATOの米代表部で国防政策諮問を務めたほか、副大統領の特別補佐官、統合参謀本部議長の特別補佐、ウェストポイント士官学校で社会研究学部の助教授、イラク戦争では偵察小隊長を経験している。


この記事は以下を再構成したものです。


The Military Won’t Save Us – and You Shouldn’t Want Them To

It’s deeply irresponsible, not to mention organizationally nonsensical, to suggest that Gen. Milley should evict an election-losing Trump from the White House.

By KORI SCHAKE and JIM GOLBY

AUGUST 12, 2020


統合参謀本部議長への公開書簡 落選しても辞任を拒むトランプは米軍により除去せよ


  • 昨日(8月13日)にNHKがこの記事をかいつまんで報道して驚いたので、今回全文を翻訳してみました。あまりにも偏向した内容といわれても仕方ないのか、本当に信念をもって公開書簡を送付したのか、Defense Oneが掲示した意味に考えさせられます。しかし、翌日にすぐさま反論投稿を掲載しているのはさすがです。(これは次回掲載します)。

 

リー大将殿、

 

貴官は平時における統合参謀本部議長の職責をよくご理解いただいているものと存じます。最高軍事顧問として米大統領に意見具申するとともに大統領並びに国防長官の下す法に基づく命令を戦闘部隊に伝達することです。平時におけるこうした職責は貴官が就任時に宣誓した「あらゆる敵から、国内外を問わず米国憲法を支え、守る」一環であります。

 

ただし今は平常時ではありません。米国大統領は選挙制度を積極的に覆そうとしており、憲法に反しても現在の地位に留まる構えを示しています。今後数か月のうちに、貴官は法に従わない大統領に公然と反旗を翻すか、貴官の宣誓に反する行動をとるかの二者択一を迫られる可能性があります。我々両名は貴官の選択を支持いたします。ドナルド・トランプが憲法で定める任期を超えても大統領の座を降りるのを拒む事態が発生すれば、米国軍の力で本人を除去すべきであり、貴官はその命令を下すべきです。

 

事態が合わさり恐ろしい状況になれば、以前なら考えるのもはばかられたシナリオ、米国内に強権的統治を敷く可能性が現実に強まります。まず、トランプ氏が大統領選挙で敗北した場合、本人は選挙結果で示された民意を軽視するはずです。次に、トランプ氏が敗北した場合、刑事訴追を受ける可能性もあります。三番目に、トランプ氏が民兵を組織し選挙結果を覆すばかりか、通常の法執行機能も妨害する可能性があります。2021年1月20日の大統領就任日に各勢力が衝突すれば、憲法に定めた秩序を維持できる力を持つのは米軍部隊のみとなります。

 

トランプ氏の落選は間違いないといってよいでしょう。160千名超の米国民がCOVID-19で死亡し、さらに合計数は11月には300千名に上ってもおかしくない状況です。米労働者の10名につき1名が失業状態にあり、米経済は直近の四半期で史上最大規模の景気後退に直面しています。米国民の7割近くが国の針路が誤っていると感じています。エコノミスト誌によればトランプ氏の落選可能性は91パーセントです。

 

暗い予測の中、トランプ氏は組織的な情報操作で選挙制度への国民の信頼を揺るがせております。同氏は郵送方式による投票は「不正確かつ不正」と根拠のない主張を展開しております。米郵便公社の業務を積極的に妨害し、郵送方式投票を遅らせ、信頼に泥を塗っています。また大統領投票の先送りも示唆していますが、本人にその権限はありません。

 

2020年大統領選挙の結果はトランプ氏にとって極めて重要です。落選の場合、刑事訴追を受ける可能性があります。マンハッタン地区地方検事はトランプ組織が銀行・保険両面で金融資産を過大評価する詐欺を働いたかどで調査を進めています。ニューヨーク州法務長官も同様の調査をしており、トランプの財務記録をドイツ銀行に提出させるのに成功しています。トランプ氏は駐英大使に対し全英オープンゴルフトーナメントをトランプ・ターンベリ・リゾートのあるスコットランドで開催するよう英国政府に圧力をかけさせました。この件は大統領在任中に利益誘導を禁じた連邦刑法で訴追対象となり、他にも多くの事例が出ています。

 

政界で有望な人物への恫喝が多数あるのに加え、自身の富と名声を使うトランプ氏の行いは歴史上の独裁者と同一であります。自身は私兵を組織し、命令一下で動く部隊としています。シーザーはローマで法の裁きを受けそうになり、出廷を拒むどころか、忠実を誓う武装兵をローマ政庁に放ちました。トランプ氏は歴史の成績はよくありませんが、シーザーの前例を踏む様相を強めています。大統領は武装した国土安全保障省係官を準軍事部隊として国内の政治デモ参加者に向かわせましたが、これは法的根拠のない行為でした。この私兵は警察等の所属を示すものを隠し、法執行ではなく、大統領の政敵を抑え込むのを職務としています。

 

大統領の落選、選挙制度そのものへの攻撃、本人の刑事訴追の可能性、私兵の組織化すべてが組み合わさると、来年1月20日の衝突は必至です。権力移譲を平和的に進めるのが米民主政体の確固たる特徴ですが、これを受け入れたくないトランプ氏が大統領退任を拒絶する可能性があります。選挙結果自体が詐欺だと、手あかのついた嘘八百を申し出るでしょう。トランプ氏の右派メディア内協調勢力がこうした虚偽の主張を拡散すれば一見根拠のある口実となります。権力の座を退くのを拒否する大統領により南北戦争以来最大の憲政史上の危機が現実となります。

 

米国の政治体制、法体制はこの瞬間に機能不全となります。上院内共和党議員は従属的な存在となっており、沈黙を保ち不活性なままでしょう。議会内多数派勢力の座を守ることに汲々とするはずです。一方、民主党が多数を占める下院が大統領選出団の結果を承認すれば、トランプ氏はフェイクニュースと一蹴するでしょう。各地の裁判所に民主党、トランプ氏の代理双方から訴えが殺到し、判決を下すまで数か月を要してもトランプ側は控訴するか無視を決め込むはずです。

 

しかし時間は着々と進み、2021年1月20日午後12時01分となっても、ドナルド・トランプは大統領執務室に陣取っているでしょう。街頭デモ隊がホワイトハウス周辺に集結するでしょうが、トランプ私兵がホワイトハウスに陣取るはずです。下院議長がトランプの任期終了を宣言し、ホワイトハウスからトランプを退出させるようシークレットサービスと連邦保安官に命令を出します。しかし連邦政府係官はトランプ私兵が数の上でも武装でも上回る事態に気付き、決定の時がついにやってきます。

 

この憲政史上の危機状態に際し、選択肢はふたつしかありません。第一は米軍部隊により前大統領をホワイトハウス敷地から移動させることです。トランプ私兵は軽武装の連邦係官には高圧的な態度でも82空挺師団の一個連隊の前にはひとたまりもありません。二番目の選択肢とは憲法が機能不全となっても米軍を動員しないことです。政権移譲は超法規的なトランプ私兵と民間デモ隊間の暴力の応酬に任せることになります。この場合の混乱は想像に難くありません。

 

米軍の上位将校として二つの選択はまさしく貴官にあるのです。憲政上の危機状態は上述の通りですが、貴官の職務は米軍の力で憲法で定めた政権移譲に向けた確固たる命令を下すことにあります。貴官が沈黙を保てば、クーデターに加担することになります。貴官はラファイエット広場に陣取るデモ隊に対し軍部隊を動員すべしとの大統領の意向に抵抗なく関与して公然と批判されました。政治権力の超法規的掌握に受動的にせよ関与すれば状況はさらに悪くなります。

 

240年の長きにわたり、米国は暴力で政権移譲する恐怖を回避できました。完全な形ではなくてもこの国の政体は完璧さを希求し、平和的に権力移譲を実施してきました。憲法が定める法の支配によりこの奇跡が可能となってきたのです。しかしながら、憲法上の秩序は自動的に維持されるものではありません。米国民は歴史を通じ、生命を犠牲にしても統治形態を維持する道を選択してきました。こうした英雄たちが築いてきた未完の仕事が続けられるかは貴官にかかっています。

 

以下を忘れないでください。

 

「私、マーク・A・ミリーは謹んでここに誓います。あらゆる敵から、国の内外を問わず、米国憲法を支え守り、また誠意と忠誠をもって職務にあたり、喜んで責務を受け入れ、躊躇することなく、逃避することなく、これから始める職務を忠実かつ良好に実行いたします。神のご加護を」

 

われらが共和国の運命は上記宣誓に忠実であるかにかかっています。

敬具

 

ジョン・ネイジおよびポール・インリン

 

ネイジは退役陸軍将校でイラク戦争二回に従軍し、フィラデルフィア郊外のヘイヴァーフォード校の校長を務める。インリンは中佐で陸軍を退役し、イラク、ボスニア、砂漠の嵐作戦に従軍した。

 

この記事は以下を翻訳したものです。

 

“. . . All Enemies, Foreign and Domestic”: An Open Letter to Gen. Milley

If the commander in chief attempts to ignore the election’s results, you will face a choice.

By JOHN NAGL and PAUL YINGLING

AUGUST 11, 2020