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2019年5月26日日曜日

B-52Hの「墓場」から再生2機目作業が進行中

コメントは下にあります。


A B-52H Nicknamed "Wise Guy" Becomes The Second To Ever Come Back From The Bone Yard

B-52H「ワイズガイ」が機体墓場からの再生二機目になった

The Air Force needed a replacement for another one of the bombers that crashed in Guam nearly three years ago.

空軍は三年前にグアムで墜落した機材の交替用に同機を再生する



USAF

空軍の歴史でも二例目となった。B-52Hストラトフォートレス爆撃機がデイヴィス-モンタン空軍基地(アリゾナ)の機体墓場から再生され実戦部隊に配属された。同機シリアル番号60-0034、愛称ワイズガイはルイジアナのバークスデイル空軍基地に着陸し、307爆撃航空団に編入された。同部隊は唯一の空軍予備役爆撃隊だ。ワイズガイの三年前に先例があり、グアムのアンダーセン空軍基地で炎上破損したB-52Hが復帰している。ワイズガイの復帰で同型機は76機のロシアとの軍備管理乗客で定めた上限になった。
ロバート・バージェス大佐(307爆撃航空団307運用グループ司令)がワイズガイをアリゾナからルイジアナまで2019年5月14日に空輸した。同機は尾翼にノースダコタのミノー空軍基地の固有コード「MT」をつけたままで、同機が2008年に墓場へ運ばれるまでの第五爆撃航空団のものだ。同機には今秋にもオクラホマのティンカー空軍基地で新しい塗装が施され完全整備される。

USAF
307爆撃航空団307運用グループ司令ロバート・バージェス大佐がワイズガイを2019年5月14日にバークスデイル基地に無事着陸させた

「当航空団でこの機体を再稼働できることに興奮を感じ得ない」とバージェス大佐はバークスデイル基地着陸後に報道陣に語った。「復帰できるのは空軍隊員の機体再生能力のあらわれです」
空軍は2019年4月にワイズガイは「再生中」とだけ発表したが、作業の正確な開始時期は不明だ。309航空宇宙整備再生集団 (AMARG)が墓場の管理をしており、同様の作業は前回70日で完了している。その対象B-52Hシリアル番号61-0007愛称ゴーストライダーは第二爆撃航空団に2015年2月に復帰し前年に整備中に電気系統の火災で破損した機体と交代した。

USAF
ゴーストライダー、2015年2月

新戦略軍備縮小条約(New START)でロシアに対し米国は核兵器の運用数で上限がある。米国は核三本柱の一環でB-52H76機を運用できる。ただしB-52をこれ以上運用すると別の装備を犠牲にする必要がある。
ただし軍備管理条約では非配備装備の保存が可能でワイズガイのように損失補充に使える。2019年4月15日現在で空軍はB-52H十数機をタイプ1000保存機としており、非現役機材だが早期に復帰できる状態にある。
だがタイプ1000保存機でも飛行可能にするには一定の作業が必要だ。ゴーストライダーの例では墓場でGPS受信機や航法装置がすでに他機に使われていたので別の装備を搭載する必要があった。
ゴーストライダーでは基本設定の最新版に合わせ整備作業が必要で保存中に改修作業が数回分実施されていた。ワイズガイは10年以上も保存場にあり同様の作業を受けるはずだ。
USAF
ワイズガイの機首アートには「MT」のテールコードが残り、ミノー空軍基地時代を示していた。

第五爆撃団がワイズガイを墓場に送ったのは2008年のことで同航空団の人員も同機はまだ仕事ができると感じていたのだろう。機内パネルにこんな走り書きがあった。
「AMERGへ。この冷戦の戦士60-034はアメリカの防人としてテロリストへのグローバル戦に酷使されてきた。面倒を見てやってほしい...再会の日まで」
USAF
The note on the panel inside Wise Guy.

興味を惹かれるのはワイズガイのシリアル番号にある「60」で空軍が購入した年度のことだ。B-52Hの最終号機は1962年に生産ラインを離れた。空軍は同型機の運用を2050年までは続ける意向で更に伸びる可能性もある。その一環の大幅改修としてエンジンやレーダーの換装が予定されている。
ワイズガイはそのまま消え去ることを拒み現役に復帰し今後数十年にわたり供用されそうだ。■
Contact the author: jtrevithickpr@gmail.com
乾燥した広い土地があっていいですね。航空自衛隊のB-747は民間払い下げで部品取りに解体されるようですが墓場に送ればいつか再生されていたかも知れませんね

2019年2月16日土曜日

B-52を100年間運用する....エンジン換装事業がついに動き始めた

How the Deadly (But Really Old) B-52 Bomber Could Wage War for Nearly 100 Years 

威力誇るB-52爆撃機は100年近く実戦配備につきそうだ

Thanks to some new engines.エンジン換装がその答えだ
February 11, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: B-52BomberAir ForceMilitaryTechnology

空軍がボーイングからB-52最終号機を受領し57年がたち、ついにエンジン換装事業が動き始めた。
Air Force magazine2019年1月号がエンジン換装の詳細に触れている。
「空軍案がこのまま通ればB-52は2050年までほぼ一世紀にわたり飛行することになる」とジョン・ターパック記者が書いている。「飛行を続けるべく、空軍はB-52に新型エンジンに換装し、整備作業を容易にしつつ効率よく飛行できる性能を期待しており、これを10年以内に実現する」
米空軍に残る76機にはエンジン以外にエイビオニクス、防御装置、センサー、射出座席を更新すると War Zone のジョー・トレヴィシックが明らかにした。エンジン換装後の機体はB-52Jの制式名称がつく。
2018年に空軍から62機在籍するB-1B、20機あるB-2ステルス爆撃機はともに2040年代までに退役させ、改修B-52は最低でも100機調達するB-21ステルス爆撃機と並行して稼働させるとの発表があった。
「機齢にもかかわらずB-52は今も高い稼働率を誇り、各種兵装を大量に搭載し、効果を上げているが敵に有効な防空体制がない場合に限る」とターバックが指摘。「ハイエンド戦であっても敵防空体制の有効範囲外からミサイルを発射でき、核巡航ミサイルを発射可能な唯一の米爆撃機であり、新型長距離スタンドオフミサイルを初めて搭載する」
B-52改修構想は二十年の期間を経て今の形に落ち着いた。1996年から空軍は13もの案で新型エンジン換装を検討してきた。2019年時点でB-52Hはプラット&ホイットニー製TF-33エンジンを1962年以来一貫して使っている。
2018年の空軍説明ではTF-33は「現時点の民生エンジンと比較すれば非効率かつ性能不足」とある。現行のプラット&ホイットニーエンジンは「運航経費が高く整備に多大な人的負担が必要であり、部品が旧式化している」
「新型エンジンは信頼性でTF-33を上回る。大修理間平均時間は30千時間が標準で空軍が同機を運用する時間合計より長い」(ターバック)
エンジン換装により燃料効率は少なくとも20%改善され、上昇限度と離陸性能が改善される。TF-33搭載のB-52Hは爆弾35トンを搭載し空中給油無しで4,500マイルを最大時速650マイルで飛べる。
空軍はB-52の耐用年数延長としてエンジン換装含む対策費用は320億ドルと2018年に試算している。
2011年から2016年にかけ空軍はB-52合計76機の運用に毎年12億ドルを出費していることがGAO会計監査院報告で2018年にわかっている。
エンジン換装で燃料、整備費用が2040年代までに100億ドルの節約効果が出る。
ただしB-52改修費用の予算はまだ全部確保できていない。
空軍は新型エンジン搭載の統合業務をボーイングに選定した。プラット&ホイットニー、ジェネラル・エレクトリックロールスロイスの各社がエンジン候補をすでに提示亭いる。空軍は2017年にB-52の2機でエンジンテストを2022年にも開始し、2026年までに採択案を絞り込み、エンジン換装作業は2034年までに完了する工程表を発表している。■
David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels   War Fix , War Is Boring  and Machete Squad .

2018年9月5日水曜日

極超音速兵器開発で新たな役割を果たすB-52


ここに来てB-52の話題が増えていますね。極超音速ミサイル兵器は相当大きな外寸になりB-52での運用がピッタリなのでしょうが、ここまで役に立つ機体を1950年代に作ったことは本当に投資効率が高い事業ですね。歴史に残る機材の資格は十分と言えましょう。

Aviation Week & Space Technology

B-52 Readied For Intense Hypersonic Weapons Test And Deployment Role 極超音速兵器開発・運用の準備を進めるB-52

Aug 29, 2018Guy Norris | Aviation Week & Space Technology

B-52
極超音速兵器実証はX-51Aウェイヴライダーのテスト経験をベースにするはずだCredit: U.S. Air Force

B-52Hの主翼サイズと外部搭載能力が極超音速兵器テストの母機で決め手となり、今後始まる米空軍の第一世代極超音速攻撃兵器の実証、運用で同機に新たな役割が与えられる。
大幅改修策とエンジン換装案検討が進むB-52Hは2050年まで供用予定で米空軍は今後登場するノースロップ・グラマンB-21と長距離攻撃にB-52を活用する方針だ。B-21の投入は2020年代末の予定。B-52ではスタンドオフ能力を期待され、極超音速兵器を多数搭載する。
「極超音速が同時平行で開発中で、各種兵器構想の実証をめざします」とボーイング爆撃機事業主幹スコット・オートハウトが述べる。「B-52が極超音速技術の成熟化で中心的存在です」 
空軍はB-52を「2019年から2020年に実施する極超音速兵器実証で発射母機とする」とし、緊急性を鑑み、ペンタゴンで新たに生まれた804セクション調達手法で二方式の試作を加速化する。つまりロッキード・マーティンのAGM-183A空中発射方式迅速対応兵器 (ARRW) と極超音速通常型打撃兵器(HCSW)の二種だ。「どちらかがあるいは両方が成功すればB-52の極超音速兵器運用ミッションが一変することはなくても長距離攻撃能力は引き上げられる」と空軍は説明する。
短期的にはDARPAが戦術加速滑空技術(TBG)の実証を企画中で、このロケット推進のロッキード・マーティン超高速滑空機がAGM-183Aの母体となる。TBGは2019年にも飛行テストを開始する予定で、その後登場する迅速即応兵器の作戦運用開始は2021年が目標だ。固体ロケット推進方式のHCSWは2022年の作戦運用開始を期待される。
空軍が目指す極超音速兵器はスクラムジェットエンジンを使い、B-52母機がNASAの2000年代にX-43をテストしており、その後継たる空軍とボーイング共同開発のX-51Aが2010年から2013年にテストされた。ロッキード・マーティンのスカンク・ワークスはレイセオンとDARPA事業で類似コンセプトの極超音速空気吸い込み式兵器コンセプト (HAWC)を製作中だ。HAWCの採用案はB-52でテストを2020年に開始する。
最終仕様がどうなるかと別に「B-52の将来はこの兵器運用で更に伸びる」とオートハウトは述べる。「大型トラックであり大型装備を簡単に外部搭載可能で長距離運用できるので、2040年代2050年代まで重宝され今後の技術動向に対応できるはずです」
大型兵器の登場を予想するボーイングは空軍と「大型装備搭載案で新型パイロンを検討中」とオートハウトは說明する。B-52では重量10,150-lb.のAGM-28ハウンドドッグ超音速ミサイルや特殊ミッション用大型装備としてD-21ステルス無人機やX-15極超音速試験機を搭載の実績があるが、設計陣は高速兵器数発を搭載出来ないか検討中だ。

その動きのひとつとして6月に空軍物資本部が情報開示要求を発出していた。新しく外部搭載兵器用パイロンを開発しB-52の現行最大搭載能力10,000-lb.を 40,000 lbへ引き上げる。新設計パイロンは現行の改良型共通パイロン(1960年代から共用中)に手を加えたものになると見られる。「当時はそんな要求もなくここまで重い兵装の搭載を予想したものもいなかった」と空軍は説明しており、開発期間36-72ヶ月での実現を狙う。■