Flightglobal 1月9日
米空軍はボーイングVC-25大統領専用機の後継機選定に踏み出した。昨日、現有のVC-25(747-200改造型)2機に替わる広胴型合計3機発注を前提に市場情報の公告を発表した。代替候補の検討は2007年にしており、その際はA380が候補で、VC-25の近代化を実施するよりも新規購入が費用対効果で有利との結論であった。
次期大統領専用機一号機の納入は2017年としており、二号機三号機は2019年、2021年納入とする。選択肢は 747-8I とA380 に限定されよう。2007年10月にエアバス社は米空軍よりの要求でA380,340,330各機に関し前例のない範囲のデータ提供を実施している。今回の新規要求に対して同社は「同要求文書をすでに受領しており、検討中です。今後社内決定となります。」と発表している。昨年9月にEADSノースアメリカは大統領専用機含む各種米空軍向け開発計画を推進すべく開発責任者の公募公告を掲載している。
一方、ボーイング幹部は大統領専用機契約の受注は同社最重要事項の一つと発言している。「同契約はボーイング社に大きな意味を持ち、これまで50年にわたり維持している当社は大統領専用機に必要な事項をはっきりと理解しております。」(同社スポークスマン)
ボーイング707を基にしたVC-137エアフォースワン一号機の納入は1962年。その28年後にVC-25が引き継いだ。同機も機齢27年を超え退役を迎えようとしている。
ただ、米国航空メーカーによる大統領用航空機供給の独占状態はすでに2004年に破られている。ロッキード・マーチンがアグスタ・ウェストランドEH101を原型とする次期他大統領専用ヘリコプター提案がシコルスキーH-92案を破って採用されているからだ。
コメント:ボーイングにはまた不利な展開となりそうな気がします。A380になると、またボーイングからの抗議となる泥仕合になるのでしょうか。そうなるとグローバルに大統領を運ぶ機体がなくなっていまいますが、いまさら巨大なA380をエアフォースワンとして運航するよりも威厳はなくなっても長距離ビジネスジェットや787にダウンサイズしてはいけないのでしょうか。通信機材や余裕の問題から一定の大きさが必要なのかもしれませんが、エアバスが大統領専用機になる事態だけは目にしたくないものです。
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2009年1月10日土曜日
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