Aviationweek.com 1月27日
軍事仕様のソリッドステートレーザーはまだ実験室レベルだが、民生高出力工業用レーザーを使った兵器を実戦化すべく努力を続けている民間会社が二社ある。ボーイングは同社のアベンジャー防空システムにレーザーを搭載し、小型UAVを撃墜できることを実証した。一方、レイセオンはレーザーファランクスを飛翔中の迫撃砲弾に対して使用するテストをまもなく実施する。レーザーアベンジャーの実証テストは昨年12月にホワイトサンズミサイル試射場(ニューメキシコ州)で実施された。ボーイングによると目標捕捉に成功し三機の小型UAVを「複雑な山地と砂漠の背景の中」追跡したという。キロワット級レーザーがそのうち一機のUAVを「実戦上意味のある距離から」撃墜した。目標は小型センサーまたは弾頭部分を装着したUAVで脅威として想定したもの。同機は機体に穴を貫通する燃焼が見られたという。同社は「初めて戦闘車両がレーザーによりUAVを撃墜した初の例」と主張。ロシアはそれより先にトラックに搭載の高出力レーザーによりドローンを撃墜したとする写真を公開しており、Almaz-Anteyが開発中と説明している。二酸化炭素ガスによるレーザーは技術的にはアメリカの空中発射レーザーと類似しており、アメリカはこれで飛行中のドローンを1973年に撃墜している。ボーイングとレイセオンのシステムはそれぞれ類似しえちるが、より軽量な電気レーザーである。2007年には初期型のレーザーアベンジャーが道路上の爆発物および不発弾を無力化する実証実験に成功している。ごく最近の実験ではレーザー出力が二倍となり、目標捕捉追跡・位置調整を加えるとともに、簡素化され高耐久化された。レーザーアベンジャーの開発予算はボーイング自社負担だが、すでに同ユニットの情報を顧客候補複数に提供したという。「政府予算がつけば、一年で実戦配備が可能です。」(同社)高出力レーザーがあれば現在アベンジャーが搭載しているスティンガーミサイル4本いりキャニスターが不要となる。レーザーに野戦カメラ赤外線目標捕捉システムを組み合わせることは可能だ。レイセオンは高出力レーザーをファランクス機関砲に取り付けることをめざしており、艦上搭載あるいは地上搭載の短距離防空を狙う。2006年6月には静止試験で20キロワット急の工業ファイバーレーザーを使用し、距離550メートルで60ミリ迫撃砲弾を爆発させている。迫撃砲弾を目標とする試験は間近に迫っており50キロワット級レーザーが使われる予定。高出力のレーザーをファランクス射撃管制システムと一体化し、機関砲とレーザーの組み合わせによる防御システムを大型高度機動戦術トラックに搭載する設計となっている。
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2009年1月29日木曜日
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